JP6752816B2 - 接続具、医療用クリップ装置および医療用クリップ装置の製造方法 - Google Patents

接続具、医療用クリップ装置および医療用クリップ装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6752816B2
JP6752816B2 JP2017555991A JP2017555991A JP6752816B2 JP 6752816 B2 JP6752816 B2 JP 6752816B2 JP 2017555991 A JP2017555991 A JP 2017555991A JP 2017555991 A JP2017555991 A JP 2017555991A JP 6752816 B2 JP6752816 B2 JP 6752816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clip
connector
hole
linear object
engaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017555991A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017104475A1 (ja
Inventor
尚武 前久保
尚武 前久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Publication of JPWO2017104475A1 publication Critical patent/JPWO2017104475A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6752816B2 publication Critical patent/JP6752816B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/10Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for applying or removing wound clamps, e.g. containing only one clamp or staple; Wound clamp magazines
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/12Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for ligaturing or otherwise compressing tubular parts of the body, e.g. blood vessels, umbilical cord
    • A61B17/122Clamps or clips, e.g. for the umbilical cord
    • A61B17/1227Spring clips
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/00234Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for minimally invasive surgery
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/08Wound clamps or clips, i.e. not or only partly penetrating the tissue ; Devices for bringing together the edges of a wound
    • A61B17/083Clips, e.g. resilient
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/12Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for ligaturing or otherwise compressing tubular parts of the body, e.g. blood vessels, umbilical cord
    • A61B17/128Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for ligaturing or otherwise compressing tubular parts of the body, e.g. blood vessels, umbilical cord for applying or removing clamps or clips
    • A61B17/1285Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for ligaturing or otherwise compressing tubular parts of the body, e.g. blood vessels, umbilical cord for applying or removing clamps or clips for minimally invasive surgery
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/28Surgical forceps
    • A61B17/29Forceps for use in minimally invasive surgery
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B2017/00477Coupling
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B2017/00526Methods of manufacturing

Description

本発明は、主に内視鏡を用いた処置で対象物を把持するために使用される医療用クリップと、当該クリップを移動させる線状物とを接続する接続具と、接続具を含む医療用クリップ装置、医療用クリップ装置の製造方法に関する。
従来から、内視鏡を用いた早期がん、特に手技を行うためのスペースを確保しにくい食道や胃等の臓器のがんの処置において、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)が用いられている。ESDやEMRでは、病変部を切除する際に出血を伴うことがある。出血に対する処置として、高周波を利用した止血方法や、クリップを用いて直接血管を封止するような機械的な方法などがある。またクリップは、術後の病変部を縫縮する際にも用いられる。このような処置に用いられるクリップは、線状物の先端に取り付けられた状態で、内視鏡を介して病変部まで運ばれる。
クリップと線状物を接続する方法として、カートリッジに収納された、U字に形成された把持具(クリップ)の基部に連結フックを引掛ける方法が挙げられる(例えば、特許文献1、2)。具体的には、クリップに開口部である連結部を設け、線状物の先端に設けられた連結フックを連結部に接続して、クリップと線状物とを連結している。このように、クリップと接続具との取り付けは、カートリッジ等に収納されているクリップに接続具を近づけることが一般的である。特許文献1に記載されたクリップ装置では、クリップに開口部である連結部を設け、線状物の先端に設けられた連結フック(接続具)を連結部に接続することにより、クリップと線状物とを連結している。しかし、線状物の先端に取り付けられたフックの方向と把持具(クリップ)の基端部との方向を合わせる等、細かな作業が必要であった。
そこで、クリップと線状物を簡便に接続できるクリップ装置として、特許文献3には、ワイヤ(線状物)の先端に設けられた第一の係合手段と、クリップの基端部に設けられた第二の係合手段を係合させることによって、間接的にクリップと線状物を接続するクリップ装置が記載されている。具体的には、第一の係合手段の先端側に、クリップ本体の回転を規制する回転対称な多角形状の規制部を設け、第二の係合手段として、クリップ基端部に二つの爪を設けることが記載されている。特に、特許文献3の図3には、第一の係合手段が、多角形状の規制部よりも近位側に、規制部よりも外径が小さい小径部を備えることが記載されている。
特開2009−189704号公報 実用新案登録第3159939号公報 特開2007−275542号公報
特許文献1、2に記載されているように、接続具に係合部として連結フックが設けられると、クリップの開口部に対する係合部の角度を精密に制御する必要があり、クリップに接続具を取り付ける作業が困難になる。さらに、クリップと接続具の接続後に、線状物を遠位方向に移動させても、連結フックがクリップ締付リングに突き当たるまではクリップは遠位方向に移動しないため、特に軸方向での線状物の移動に対してクリップが追随し難いおそれがある。
特許文献3に記載されたクリップ装置において、線状物の先端に設けられた多角形状の規制部を含む係合部とクリップ基端部の爪を係合させるとこれらは互いに固定されるため、術者が手元側で線状物の回転等の操作を行ってから遠位側のクリップが動くまでの応答時間を短くすることができる。しかし、応答時間が短すぎると術者が過誤操作をした場合、クリップ側での動作も誤ってなされるリスクが高まる。また、クリップまたは線状物が、クリップ基端部の爪の幅方向に移動すると、第二の係合手段である二つの係合爪の間から小径部が外れてしまい、クリップと線状物の係合が解除されるおそれがある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クリップとの接続操作を容易に行えるとともに意図しない接続の解除が起こりにくく、クリップによる把持操作の過誤を抑制する接続具と、接続具を有する医療用クリップ装置と、医療用クリップ装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成し得た本発明の接続具は、対象物を把持する医療用クリップと、クリップを移動させる線状物とを接続する接続具であって、深さ方向が軸方向と非平行の貫通口が形成されており、貫通口よりも遠位側の少なくとも一部に、貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分を有していることを特徴とする。本発明の接続具は、貫通口にクリップを係合させることによって容易にクリップと線状物を接続することが可能である。また、本発明の接続具は、貫通口よりも遠位側の少なくとも一部に、貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分を有しているため、クリップの互いに向かい合って配置されている2つの把持部材の間に上記薄い部分を挿入することにより、クリップと接続具を係合しやすいものである。他方、接続具とクリップとが係合した後は、クリップの一部が貫通口に固定されるため、クリップが変形する程度の外力が付与されない限りは、いずれの方向にクリップまたは接続具が移動してもクリップと接続具との接続が解除されにくい。加えて、本発明では、クリップの一部が貫通口に引っ掛かるだけでよいため、クリップが貫通口内で若干移動できる状態で貫通口と係合させることができる。このため、術者が近位側で線状物の回転操作等を行ってから遠位側のクリップが動くまでの応答時間に差を設けることができ、クリップによる把持操作の過誤が抑制される。
貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分は、遠位端に向かって厚みが薄くなる領域があることが好ましい。これにより、クリップの2つの把持部材の間に接続具を挿入するときに、傾斜に沿って2つの把持部材の間隔を押し広げやすくなるため、スムーズにクリップと接続しやすくなる。
クリップと接続具を抵抗なく接続するためには、貫通口は、軸方向中央よりも遠位側に形成されていることが好ましい。
貫通口を容易に形成する観点からは、貫通口の断面形状が円形または楕円形であることが好ましい。
貫通口の深さが、接続具の最大径よりも小さいことが好ましい。このように貫通口の深さを設定することによって、クリップの2つの把持部材を離間させるのに必要な力を小さくすることができる。
本発明の接続具は、軸方向中央よりも近位側に中空部を有し、中空部が形成されている領域における最大厚みが、貫通口の遠位端での厚みよりも厚いことが好ましい。中空部に線状物を挿入することにより、接続具と線状物を接続することができる。また、中空部が形成されている領域における最大厚みが、貫通口の遠位端での厚みよりも厚いため、接続具内に線状物を保持しやすくなる。
接続具は体内に挿入されるものであるため、ステンレス鋼またはNi−Ti合金から形成されていることが好ましい。
本発明には;外筒体と;外筒体内に配置されている内筒体と;内筒体内に配置されている線状物と;2つの把持部材が互いに向かい合って配置されており、内筒体の遠位側に配置されているクリップ本体およびクリップ本体に取り付けられている筒状の締結具を有するクリップと;深さ方向が軸方向と非平行の貫通口が形成されており、貫通口よりも遠位側の少なくとも一部に、貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分と、近位側に線状物との接続部と、を有する接続具と;を有し、クリップ本体の遠位側には対象物を把持する把持部が形成され、近位側には互いに向かい合う2つの係合部が形成されており、係合部と貫通口が係合可能な医療用クリップ装置も含まれる。本発明の医療用クリップ装置では、接続具の貫通口よりも遠位側の少なくとも一部に、貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分を有している。このため、2つの把持部材の間に当該薄い部分を挿入してクリップ本体の係合部と接続具の貫通口を係合することにより、接続具を介してクリップと線状物を容易に接続することができるものである。
医療用クリップ装置において、クリップ本体の係合部は、把持部材の内側面上に形成されていることが好ましい。このように係合部が形成されていれば、2つの把持部材の間に接続具が配置された状態で、クリップ本体の係合部と接続具の貫通口を係合することができる。このため、クリップ本体の長軸方向と接続具の軸方向を合わせやすくなる。
医療用クリップ装置において、クリップ本体の係合部が、クリップ本体の開閉方向および軸方向の双方と垂直な方向であって、径方向内方に向かって突出していてもよい。このような係合部に対しても、貫通口の深さ方向が、クリップ本体の開閉方向に垂直な向きで2つの把持部材の間に接続具を差し込むことにより、クリップ本体の長軸方向と接続具の軸方向を合わせた状態で接続具とクリップを接続することができる。
医療用クリップ装置において、クリップ本体の係合部が、把持部材の近位端に形成されていてもよい。これにより、クリップ本体と接続具とが容易に係合される。また、接続具を長軸方向に短く形成することができるので、使用中の接続具の変形を防ぐことができる。
医療用クリップ装置において、貫通口の最小径が、係合部の最大幅よりも大きいことが好ましい。このように貫通口と係合部の大きさを設定することによって、貫通口と係合部がより強固に係合される。
医療用クリップ装置において、2つの係合部の離間距離が、貫通口の深さよりも短いことが好ましい。このように係合部の大きさと貫通口の深さを設定することによって、係合部が貫通口から離脱することを抑止できる。
本発明の医療用クリップ装置の製造方法は;線状物と;2つの把持部材が互いに向かい合って配置されており、近位側に係合部が、遠位側に対象物を把持する把持部が形成されているクリップ本体およびクリップ本体に取り付けられている筒状の締結具を有するクリップと;深さ方向が軸方向と非平行の貫通口が形成されており、貫通口よりも遠位側の少なくとも一部に、貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分を有している接続具と;を準備するステップと;係合部を貫通口に係合させるステップとを含むことを特徴とする。本発明の医療用クリップ装置の製造方法は、クリップ本体の係合部を、接続具の貫通口に係合させるステップにより、クリップと接続具を容易に接続することができるものである。
本発明の医療用クリップ装置の製造方法は、線状物の遠位側に接続具を接続するステップを含むことが好ましい。このステップにより接続具と線状物が接続されるため、接続具を介してクリップと線状物を接続することができる。
本発明の接続具は、容易にクリップと線状物を接続することが可能である。また、クリップの2つの把持部材の間に、接続具の貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分を挿入することにより、クリップと接続具を係合しやすいものである。他方、接続具とクリップとが係合した後は、クリップの一部が貫通口に固定されるため、クリップが変形する程度の外力が付与されない限りはクリップと接続具との接続が解除されにくいものである。加えて、本発明では、クリップの一部が貫通口に引っ掛かるだけでよいため、クリップが貫通口内で若干移動できる状態で係合させることができる。このため、術者が近位側で線状物の回転操作等を行ってから遠位側のクリップが動くまでの応答時間に差を設けることができ、クリップによる把持操作の過誤が抑制される。
本発明の医療用クリップ装置は、2つの把持部材の間に接続具の貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分を挿入してクリップ本体の係合部と接続具の貫通口を係合することにより、接続具を介してクリップと線状物を容易に接続することができるものである。
本発明の医療用クリップ装置の製造方法は、クリップ本体の係合部を、接続具の貫通口に係合させるステップにより、クリップと接続具を容易に接続することができるものである。
本発明に係るクリップに係合された状態の接続具の側面図を表す。 本発明に係るクリップに係合された状態の接続具の斜視図を表す。 図2のIII−III線の位置における断面図を表す。 本発明の接続具の斜視図を表す。 本発明の接続具の平面図を表す。 本発明の接続具の側面図を表す。 本発明の接続具の変形例を示す側面図を表す。 本発明の接続具の変形例を示す側面図を表す。 本発明の接続具の変形例を示す側面図を表す。 本発明の接続具の変形例を示す側面図を表す。 本発明の接続具の変形例を示す斜視図を表す。 本発明の医療用クリップ装置の平面図を表す。 本発明の医療用クリップ装置の平面図を表す。 本発明に係る医療用クリップを示す側面図を表す。 本発明に係る医療用クリップを示す側面図を表す。 本発明に係る医療用クリップを示す側面図を表す。
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
1.接続具
本発明において医療用クリップとは、内視鏡下での処置の際、対象物(臓器の病変部)を封止したり、把持して反対牽引(カウンタートラクション)、止血、縫合、マーキングのために対象物を摘まむ器具である。本明細書では単に「クリップ」と記載することもある。「1.接続具」の項では、2つの把持部材が互いに向かい合って配置されており、遠位側に対象物を把持する把持部が形成され、近位側に互いに向かい合う2つの係合部が形成されているクリップ本体と、クリップ本体に取り付けられている筒状の締結具と、を有するクリップを用いて説明するが、クリップはこの態様に限定されるものではない。
本発明において線状物とは、接続具に接続されるものであり、接続具を介して上記クリップを牽引して移動させるための部材である。
本発明において軸方向とは接続具の貫通口から手元側に向かう方向を指し、軸方向の近位側とは使用者の手元側の方向を指し、遠位側とは近位側の反対方向を指す。また、本発明において径方向とはクリップ本体に取り付けられている締結具の径方向を指し、径方向において内方とは締結具の中心側に向かう方向を指し、外方とは締結具の放射方向を指す。さらに、クリップ本体の把持部材の幅とは、クリップ本体の平面視で、クリップ本体の長軸方向と垂直な方向の把持部材の長さを指す。
図1は、本発明に係るクリップと係合された状態の接続具の側面図を表す。図1に示すように、本発明の接続具20は、対象物を把持する医療用クリップ10と、クリップ10を移動させる線状物30とを接続するのに用いられる。本発明の接続具20は、深さ方向が軸方向と非平行の貫通口21が形成されており、貫通口21よりも遠位側の少なくとも一部に、貫通口21の遠位端での厚みよりも薄い部分を有している。
接続具20とクリップ10の接続は、例えば次のように行われる。まず、線状物30が接続された接続具20を準備する。次いで、接続具20とクリップ10の位置合わせを行う。クリップ本体11の近位端部に接続具20の遠位端部を押し当てて、2つの把持部材12、13の間に接続具20の貫通口21の遠位端での厚みよりも薄い部分が配置されるようにクリップ本体11に対して遠位側に接続具20を移動させていく。その結果、接続具20の貫通口21がクリップ本体11の係合部J(12J、13J)と係合し、クリップ本体11と接続具20が接続される。このように本発明の接続具20は容易にクリップ10と線状物30を接続することが可能である。
クリップ本体11の係合部Jと貫通口21との接続が解除されるためには、例えばクリップ10が変形することによって、一対の係合部J、Jの離間距離が、貫通口21が設けられた部分の厚み以上となり、係合部Jが貫通口21から離脱する必要がある。しかし、上述したように、接続具20とクリップ10の係合後は、クリップ本体11の係合部Jが貫通口21に固定されるため、クリップ10が変形する程度の外力が付与されない限りはクリップ10と接続具20との接続が解除されにくいものである。貫通口21の全周囲でこのような状態が保持されるため、意図しない接続の解除が発生せず、強固に接続することができる。さらに、貫通口21の深さ方向に係合部Jが移動しても、把持部材12、13の内面が接続具20の表面と接して、係合部Jの移動を規制することができる。
線状物30の軸方向、すなわちX軸方向への移動について説明する。線状物30を遠位側へ移動させた場合は、係合部Jの近位側と、貫通口21の内壁の近位側とが接触し、クリップ10は線状物30に追随して遠位側に移動する。他方、線状物30を近位側へ移動させた場合は、係合部Jの遠位側と、貫通口21の内壁の遠位側とが接触し、クリップ10は線状物30に追随して近位側に移動する。
次に、図2及び図3を用いて、線状物30の回転動作について説明する。図2は、本発明に係るクリップと係合された状態の接続具20の斜視図を表し、図3は図2のIII−III線の位置における断面図を表す。図2および図3に示すように、線状物30を回転(図2および図3では線状物30の軸方向であるX軸方向を中心に回転)させた場合は、係合部Jの側面の一部と貫通口21の内壁が接触し、クリップ10は線状物30に追随して回転する。特に、係合部Jの側面のうち、軸方向に面しない面が貫通口21の内壁と接することが好ましい。
本発明では、クリップ本体11の一部、例えば係合部Jが貫通口21に引っ掛かるだけでよいため、クリップ10が貫通口21内で若干移動できる状態で貫通口21と係合させることができる。このため、術者が近位側で線状物30の回転操作等を行ってから遠位側のクリップ10が動くまでの応答時間に差を設けることができ、クリップ10による把持操作の過誤が抑制される。
接続具20の具体的な構成について図1、図4〜図6を用いて説明する。図4、図5、図6はそれぞれ本発明の接続具の斜視図、平面図、側面図を表す。
接続具20は、軸方向(図4〜図6ではX軸方向)と、径方向を有しており、例えば、円柱状や角柱状等の柱体状に形成される。接続具20の大きさは、接続されるクリップ10の大きさや、線状物30の外径、クリップ10の閉操作時に接続具20を収納する内筒体(後述する)の内径にあわせて適宜設定することができる。具体的には、接続具20の外径は、例えば0.3mm以上4mm以下の範囲に設定することができ、接続具20の軸方向の全長20Lは、例えば3mm以上10mm以下の範囲に設定することができる。
接続具20の貫通口21の開口面積と、線状物30を接続する中空部26(詳細は後述する)の両方を適度に確保する目的から、接続具20の軸方向の全長20Lは、接続具20の最大径20Rの2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましく、3.5倍以上であることがさらに好ましい。
接続具20には、深さ方向が軸方向(X軸方向)と非平行の貫通口21が形成されている。貫通口21の深さ方向が、接続具20の軸方向に対して45度以上135度以下の角度に傾斜していることが好ましい。また、貫通口21の深さ方向が、接続具20の軸方向に対して垂直であることがより好ましい。貫通口21の深さ方向が、クリップ本体11の長軸方向に対して垂直であることが好ましい。これにより、接続具20の軸方向と、クリップ本体11の長軸方向を合わせることができるため、術者の操作感覚と実際のクリップ10の動きを一致させることができる。なお、図1、図6では、貫通口21の深さ方向がY軸方向と一致するように形成されているが、貫通口21の深さ方向はZ軸方向と一致するように形成されてもよい。
貫通口21の深さが、接続具20の最大径20Rよりも小さいことが好ましい。このように貫通口21の深さを設定することによって、クリップ10の2つの把持部材12、13を離間させるのに必要な力を小さくすることができる。ここで、貫通口21の深さとは、貫通口21の最小深さを意味する。貫通口21の深さは、接続具20の最大径20Rの0.5倍以下の大きさであることがより好ましく、0.25倍以下の大きさであることがさらに好ましい。
貫通口21の内径は、貫通口21の深さ方向において一定であってもよいし、変化してもよい。図7は、図6の接続具の変形例を示す側面図である。図7に示すように、貫通口21は、接続具20の径方向中心YC部分の内径21RCが、開口端側の内径21REよりも大きいことが好ましい。特に、クリップ10に形成される係合爪を、接続具20の貫通口21に係合させるときに貫通口21に係合爪が引っ掛かりやすくなるため好ましい。
軸方向において貫通口21が形成される位置は特に限定されないが、クリップ10と接続具20の接続を抵抗なく行うためには、図5および図6に示すように、貫通口21は軸方向中央XCよりも遠位側に形成されていることが好ましい。
貫通口21の断面形状は特に制限されず、例えば、円形、楕円形、多角形、これらの形状の組み合わせとすることができる。中でも、貫通口21を容易に形成する観点からは、貫通口21の断面形状が円形または楕円形であることが好ましい。図5では、貫通口21の形状が円形の例を示している。
クリップ本体11の係合部Jと、接続具20の貫通口21の係合を容易にしつつ、接続具20の強度を確保するために、貫通口21の最大径21Rは、接続具20の最大径20Rの40%以上の大きさであることが好ましく、50%以上の大きさであることがより好ましく、60%以上の大きさであることがさらに好ましく、また、95%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましく、85%以下であることがさらに好ましい。
貫通口21の開口面積と、線状物30との中空部26の長さの両方を適度に確保する観点から、接続具20の軸方向(X軸方向)における全長20Lに対する貫通口21の最大径21Rの割合は、10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましく、また、50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましい。
図5および図6の軸方向において貫通口21の開口が形成されている領域を開口領域23と定義すると、開口領域23は互いに向かい合う第1主面23Aと第2主面23Bを有していてもよい。図6では、貫通口21の開口が第1主面23Aと第2主面23Bにそれぞれ形成されている。この場合、開口領域23における最大厚みは、第1主面23Aと第2主面23Bとの最大離間距離で表される。
開口領域23における厚みは一定でもよく、一部が厚く形成されていてもよい。また、開口領域23は、近位側または遠位側に向かって厚くなるように形成されてもよい。開口領域23は、近位端から遠位端に向かって先細りに形成されていてもよい。
第1主面23Aや第2主面23Bは、接続具20の一部をドリルで切削したり、ワイヤー加工等の方法で切り出すことによって形成できる。
図6では第1主面23Aと第2主面23Bが平行しているが、第1主面23Aと第2主面23Bの少なくとも一方が、接続具20の軸方向に対して傾斜していてもよい。第1主面23Aの面方向と、接続具20の軸方向のなす角度を第1傾斜角θとし、第2主面23Bの面方向と軸方向のなす角度を第2傾斜角θとしたときに、第1傾斜角θおよび第2傾斜角θはそれぞれ10度以下であることが好ましく、5度以下であることがより好ましく、3度以下であることがさらに好ましい。このように開口領域23が軸方向に対して、プラスに僅かに傾斜していることによって、クリップ本体11の一対の係合部Jが開口領域23の傾斜に沿って徐々に離間するため、係合部Jは貫通口21に挿入されやすくなる。また、クリップ10と接続具20の接続後は、一対の係合部J、Jの離間距離が開口領域23の厚み以上になるように、クリップ10の近位側が広がらなければこれらの接続は解除されにくいため、係合部Jが貫通口21から離脱しにくくなる。
また、第1傾斜角θおよび第2傾斜角θは、それぞれ−10度以上であることが好ましく、−5度以上であることがより好ましく、−3度以上であることがさらに好ましい。開口領域23が軸方向に対してマイナスに僅かに傾斜していると、クリップ10と接続具20を接続する時に一対の係合部J、Jの離間距離がひとたび開口領域23のうち最も厚い部分を超えた後は、クリップ本体11の弾性回復に従って係合部Jの離間距離が狭くなることにより、係合部Jと貫通口21との係合が完了する。また、開口領域23が遠位側へ向かって徐々に厚くなるように形成されているため、クリップ10と接続具20の接続後に係合部Jが貫通口21から遠位側へ移動しても、意図せずにクリップ本体11の係合部が貫通口21から離脱して接続が解除することを抑制できる。なお、意図的にクリップ10と接続具20の接続を解除する場合も、クリップ本体11の係合部Jが開口領域23の傾斜に沿って徐々に離間するため、解除操作を行いやすい。なお、プラス側、マイナス側のいずれに対しても、第1傾斜角θまたは第2傾斜角θが大きすぎると、クリップ本体11と接続具20を係合したときにクリップ本体11の長軸方向と接続具20の軸方向のずれが大きくなるため好ましくない。
図8は、図6の接続具の変形例を示す側面図である。図8では、第1主面23Aの面方向と接続具20の軸方向は平行するように形成されているため、第1傾斜角θは0度であるが、第2傾斜角θは約3度である。このように第1傾斜角θが第2傾斜角θよりも大きく形成されていてもよく、第1傾斜角θと第2傾斜角θが同じであってもよい。
図1、図4〜図6に示すように、第1主面23Aと第2主面23Bは、それぞれ平坦に形成されていることが好ましい。クリップ10と接続具20を係合するときに接続具20とクリップ10の間に生じる摩擦を低減することができる。
図1、図2、図6に示すように、接続具20は、貫通口21よりも遠位側の少なくとも一部に、貫通口21の遠位端での厚みよりも薄い部分を有している。当該薄い部分は、クリップ10の2つの把持部材12、13の間に入り込みやすいため、接続具20とクリップ10との係合を行いやすくする。
上記薄い部分は、遠位側に向かって厚みが薄くなる領域を有していることが好ましい。クリップの2つの把持部材12、13の間に接続具20を挿入するときに、傾斜に沿って2つの把持部材12、13の間隔を押し広げやすくなるため、スムーズにクリップと接続しやすくなる。
クリップ10と接続具20を接続するときに初めにクリップ10と接触するのは接続具20の遠位側である。上記薄い部分のうち遠位端を含む遠位端部を、接続具20とクリップ10を容易に係合させるのに貢献する部分としてガイド部と称する。
図6に示すように、ガイド部22は、遠位端に向かって厚みが薄くなるように形成されていることが好ましい。また、ガイド部22には段差が設けられていないことが好ましい。クリップの2つの把持部材12、13の間に接続具20を挿入するときに、ガイド部22の傾斜に沿って2つの把持部材12、13の間隔を押し広げやすくなるため、スムーズにクリップと接続しやすくなる。同様の理由から、図9に示すように、ガイド部22は、遠位端に向かって先細りに形成されていてもよい。
図6に示すように、接続具20のガイド部22における傾斜角(第3傾斜角θ)は、180度未満であることが好ましく、150度以下であることがより好ましく、110度以下であることがさらに好ましく、90度以下であることがさらにより好ましく、70度以下であることが特に好ましい。また、ガイド部22の強度を確保する観点から、第3傾斜角θは10度以上であることが好ましく、20度以上であることがより好ましく、30度以上であることがさらに好ましい。
図6および図8に示すように、接続具20をクリップ本体11の2つの把持部材12、13の間に挿入しやすくするために、第3傾斜角θの二等分線が接続具20の軸方向と同じであることが好ましい。
図9は、図6の接続具の変形例を示す側面図である。図9に示すように、ガイド部22と開口領域23の間に段差が設けられないことが好ましい。これにより、ガイド部22から開口領域23へのクリップ10の移動をスムーズに行うことができる。
図9に示すように、ガイド部22が開口領域23と隣接しており、ガイド部22の厚みと開口領域23の厚みが連続的に変化していることが好ましい。ガイド部22から開口領域23へのクリップ10の移動をより一層スムーズに行うことができる。
開口領域23での最大厚みが、ガイド部22の近位端での厚みの1.5倍以下であることが好ましく、1.3倍以下であることがより好ましく、1.1倍以下であることがさらに好ましい。このように開口領域23の厚みを設定することにより、クリップ10の2つの把持部材12、13を離間させるのに必要な力を小さくすることができる。
図10は、図6の接続具の変形例を示す側面図を表す。図10に示すように、第3傾斜角θの二等分線の延在方向が接続具20の軸方向と異なっていてもよい。このような接続具20は、クリップ本体11の2つの把持部材12、13の間隔を押し広げる機能を維持しつつ、ガイド部22の形成工程を簡略化して形成できるものである。
クリップ10と接続具20の係合を容易にしつつ、これらの係合を外れにくくするために、クリップ本体11の2つの係合部12J、13Jの離間距離(後述する図14に記載のAL)は、ガイド部22の少なくとも一部の厚みよりも大きく、開口領域23の最大厚みよりも小さいことが好ましい。ここで、向かい合う2つの把持部材12、13の基端部Aの離間距離ALとは、クリップ10に接続具20を係合させない状態での離間距離を意味する。
使用前にクリップ10が汚染するのを防止するために、一般にクリップ10はカートリッジ(図示せず)内に封入される。カートリッジ内でクリップ10は一定の方向で保持されているため、クリップ10に接続具20を接続するためには、クリップ10の係合部Jが突出している方向と貫通口21の深さ方向が略平行になるようにカートリッジ内に接続具20を挿入することが好ましい。しかし、サイズが小さい接続具20の挿入方向を適切にするのは容易でない。このため、接続具20をカートリッジ内に挿入するときの方向決めを容易にするために、接続具20には方向調整部27が形成されてもよい。方向調整部27は、図4および図6に示すように接続具20に設けられている斜面であってもよく、カートリッジ内の形状に係合する凸部や凹部であってもよい(図示せず)。
図6に示すように、方向調整部27が斜面である場合、斜面の傾斜角を第4傾斜角θで表すと、第4傾斜角θは、45度以下であることが好ましく、40度以下であることがより好ましく、35度以下であることがさらに好ましく、また、5度以上であることが好ましく、10度以上であることがより好ましく、15度以上であることがさらに好ましい。第4傾斜角θを上記範囲に設定すれば、カートリッジ内に接続具20を挿入したときに、カートリッジの内壁と方向調整部27としての斜面が接触すると、接続具20はクリップ本体11の係合部Jと貫通口21が係合する方向に軸回転させやすくなる。
図11を用いて、図1〜図10とは貫通口21の構造が異なる例について説明する。図11は、本発明の接続具の変形例を示す斜視図を表す。図11に示すように、接続具20の貫通口21の内壁の一部が低く形成されており、他部が高く形成されていることが好ましい。特に、接続具20の貫通口21の内壁の遠位側が低く形成されており、近位側が高く形成されていることが好ましい。これにより、クリップ本体11の係合部Jを、貫通口21の内壁が低く形成されている部分から、係合部Jを貫通口21に係合させやすくなる。また、接続具20の軸回転時に、クリップ10は接続具20の貫通口21の内壁が高く形成されている部分と接触しやすくなり、係合部Jが貫通口21から外れにくくなるため好ましい。
係合部Jが貫通口21から容易に外れるのを抑制するために、上記貫通口21の内壁の一部の高さは、上記貫通口21の内壁の他部の高さの2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましく、4倍以上であることがさらに好ましい。また、接続具20の外径が大きくなりすぎるのを抑制するために、上記貫通口21の内壁の一部の高さは、上記貫通口21の内壁の他部の高さの10倍以下であることが好ましく、8倍以下であることがより好ましく、6倍以下であることがさらに好ましい。
図1、図4〜図6に示すように、接続具20は、軸方向中央XCよりも近位側に中空部26を有していることが好ましい。中空部26に線状物30を挿入することにより、接続具20と線状物30を接続することができる。
中空部26と線状物30との接続方法は特に限定されないが、例えば、嵌合、ねじ、カシメ等による機械的な固定、レーザーや金属ロウ等による溶接、ポリウレタン系、エポキシ系、シアノ系、シリコーン系等の接着剤を用いた接着等の接続方法を用いることができる。
接続具20は、線状物30と一体に形成されていてもよい。線状物30の先端部に本発明の貫通口21を設けることにより、クリップ10との接続が可能となる。
図1、図4〜図6に示すように、中空部26は、接続具20の軸方向に沿って形成されていることが好ましい。中空部26が接続具20の軸方向に沿って形成されていれば、線状物30と接続具20の軸方向を同じにすることができる。中空部26に線状物30を挿入するために、中空部26の内径は、線状物30の外径より大きく形成される。
中空部26が形成されている領域における最大厚みが、貫通口21の遠位端での厚みよりも厚いことが好ましい。中空部26が形成されている領域における最大厚みが、貫通口21の遠位端での厚みよりも厚ければ、接続具20内に線状物30を保持しやすくなる。
具体的には、中空部26が形成されている領域における最大厚みが、開口領域23の最大厚みの2.5倍以上であることがより好ましく、3倍以上であることがさらに好ましい。また、中空部26が形成されている領域における最大厚みが、内筒体40の内径の80%〜95%の大きさであることが好ましい。接続具20が内筒体40内で軸方向に対してぶれにくくなるため、接続具20の円滑な回転が実現される。
接続具20と線状物30を確実に接続するために、接続具20の全長20Lは、軸方向における中空部26の長さ26Lの3倍以上であることが好ましく、3.5倍以上であることがより好ましく、4倍以上であることがさらに好ましく、15倍以下であることが好ましく、13倍以下であることがより好ましく、10倍以下であることがさらに好ましい。
図4に示すように、接続具20の近位端部は、近位側に向かって外径が小さくなる錐形状であることが好ましい。接続具20の近位端部を近位側に向かって外径を徐々に小さくすることにより、中空部26と線状物30の外径が急激に変化して、線状物30が折れやすくなることを抑制する。
接続具20は、体内に挿入されるものであるため、生体適合性を有していることが好ましい。接続具20は、例えば、SUS303、SUS304、SUS631等のステンレス鋼やNi−Ti合金等の金属材料や、PP、PE等のポリオレフィン樹脂等の合成樹脂材料から好ましく形成される。
2.医療用クリップ装置
図12および図13は、本発明の医療用クリップ装置の平面図を表す。本発明の医療用クリップ装置1は、外筒体50と、内筒体40と、線状物30と、クリップ10と、接続具20と、を有する。図12は内筒体40からクリップ10、接続具20、線状物30の一部が露出している例を示し、図13は内筒体40内にクリップ10、接続具20、線状物30が収められている例を示している。なお、クリップ装置1を構成する接続具20は、本明細書の「1.接続具」に記載したとおりである。
(1)外筒体
外筒体50は内視鏡の鉗子口から鉗子チャンネル内を通ってクリップ10を対象物の近くに搬送するまでの間に、クリップ10が内視鏡内の鉗子口、鉗子チャンネル内、病変部以外の体内組織等を傷付けることを防止する。
外筒体50は、体腔内の形状に沿って屈曲する可撓性と、処置対象組織まで確実に到達する剛性の両方をバランス良く兼ね備えていることが望ましい。このため、外筒体50は、例えば、合成樹脂から形成された筒体、コイル状の金属や合成樹脂によって形成された筒体や、短筒状の関節駒を軸方向に複数連結して回動可能にした筒体が用いられるが、中でも合成樹脂から形成された筒体が好ましく用いられる。また、外筒体50と内筒体40との位置関係を術者が目視で確認できるように、外筒体50は透明または半透明な材料から形成されていることが好ましい。
(2)内筒体
内筒体40は、内腔に線状物30が配置され、遠位側にクリップ10が配置されるものである。内筒体40をクリップ10に対して軸方向に移動させることにより、クリップ10の開閉度を調整することができる。内筒体40は、体腔内の形状に沿って屈曲する可撓性と、処置対象組織まで確実に到達する剛性の両方をバランス良く兼ね備えていることが望ましい。
内筒体40としては、例えば、コイル状の金属や合成樹脂によって形成された筒体や、短筒状の関節駒を軸方向に複数連結して回動可能にした筒体、合成樹脂から形成された筒体が用いられる。
外筒体50や内筒体40を形成する合成樹脂としては、例えば、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の芳香族ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素樹脂等の合成樹脂を用いることができる。滑り性の観点から、外筒体50や内筒体40を形成する合成樹脂は互いに異なる材料であることが好ましい。
(3)線状物
線状物30は、接続具20を介して対象物を把持するクリップ10を牽引する部材である。線状物30は内筒体40内に配置される。
線状物30は、生体適合性、および強度を有する材料から形成されていることが好ましく、例えば、ステンレス鋼、炭素鋼等の金属線材や、ナイロン等のポリアミド樹脂、PP、PE等のポリオレフィン樹脂、PET等のポリエステル樹脂、PEEK等の芳香族ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、PTFE、PFA等のフッ素樹脂等の合成樹脂繊維を用いることができる。
金属線材は、単線であってもよく、複数の単線を撚った撚り線であってもよい。金属線材が単線の場合にはクリップ10に対するトルクの伝達性が良好となる。他方、金属線材が撚り線の場合には変形しても元の形状に回復しやすいため好ましい。
線状物30は、クリップ装置1の用途に応じて、剛性の高い線材や柔軟性の高い糸状材を選択することができる。
線状物30の移動操作を円滑に行うために、線状物30の長さは、例えば、内筒体40の長さの1.1倍以上であることが好ましく、1.3倍以上であることがより好ましく、1.5倍以上であることがさらに好ましい。
また、線状物30の長さの上限については特に制限はないが、線状物30の操作を妨げないように、例えば、内筒体40の長さの3.4倍以下であることが好ましく、3.2倍以下であることがより好ましく、3.0倍以下であることがさらに好ましい。
(4)クリップ
図1に示すように、クリップ10はクリップ本体11と締結具15とを有する。クリップ本体11は、病変等の対象物を把持する部材であり、2つの把持部材12、13が互いに向かい合って配置されており、内筒体40の遠位側に配置されている。締結具15は筒状に形成されており、クリップ本体11に取り付けられている。本発明は、締結具を有しない形態のクリップにも適用可能である。
クリップ10の閉操作は次のように行われる。まず、締結具15を開状態のクリップ本体11の近位側の外方を囲むように配置する。次いで、クリップ本体11の遠位側に締結具15を移動させる。締結具15が遠位側に移動するのに伴い、把持部材12、13には締結具15によって径方向の内方に向かう押力が負荷されて、把持部材12、13同士が接近するため、クリップ10が閉じられる。
クリップ本体11は、一の把持部材12と、他の把持部材13が互いに向かい合って配置されている。クリップ本体11の遠位側には対象物を把持する把持部Dが形成され、近位側には互いに向かい合う2つの係合部Jが形成されている。本発明の医療用クリップ装置1は、クリップ本体11の係合部Jと、接続具20の貫通口21を係合することにより、接続具20を介してクリップ10と線状物30を容易に接続することができるものである。なお、対象物の把持を容易に行うためには、図1に示すように、クリップ本体11には、一の把持部材12と他の把持部材13の遠位側に把持部Dが各々形成されていることが好ましい。
図1に示すように、クリップ本体11の把持部材12、13は、把持部Dの近位側に湾曲部Bと、基端部Aとを有していてもよい。把持部Dは、対象物を直接把持する部分であり、把持部材12、13の遠位側に配置される。湾曲部Bは、締結具15の径方向内方に凸となる部分であり、基端部Aは湾曲部Bよりも近位側の部分である。湾曲部Bは、把持部材12、13を撓みやすくするとともに、クリップ本体11の遠位側を径方向外方に拡げて対象物に対して把持位置を合わせやすくするために形成される。
図1に示すように、基端部Aの近位側での把持部材12、13の離間距離を一定に保持して、クリップ本体11と接続具20の係合操作を行いやすくするために、一の把持部材12の基端部12Aと他の把持部材13の基端部13Aを接続する補強部材14が設けられてもよい。クリップ本体11と接続具20の係合を阻害しないために、補強部材14は基端部Aの遠位側に設けられることが好ましい。補強部材14は、把持部材12、13と同様の材料から形成されることが好ましく、その厚みも把持部材12、13と同様に設定することができる。補強部材14の取り付けは、接続具20と線状物30との接続と同様に、ねじ、カシメ等による機械的固定、溶接、接着等の方法を用いることができる。補強部材14が設けられることは必須ではなく、クリップ本体11は、一枚の金属板に切込みを入れ、折り曲げるなどして、2つの把持部材12、13が一体的に形成されてもよい。
本発明のクリップ装置1では、2つの把持部材12、13の隙間から、接続具20を遠位側に差し込むことにより、クリップ本体11の係合部J(12J、13J)と接続具20の貫通口21を係合させる。このため、クリップ本体11の近位端では、2つの把持部材12、13が接続されていないことが好ましい。また、係合部Jが、クリップ本体11の基端部Aの近位側に設けられていることが好ましく、係合部Jが、把持部材12、13の近位端に設けられていることがより好ましい。
貫通口21と係合部Jとの係合を確実にするために、クリップ本体11に設けられる2つの係合部Jは、径方向内方に向かって突出していることが好ましい。図1に示すように、係合部Jは、クリップ本体11の開閉方向であって径方向内方に向かって突出していてもよい。このように係合部Jが形成されていれば、2つの把持部材12、13の間に接続具20が配置された状態で、クリップ本体11の係合部Jと接続具20の貫通口21を係合することができる。このため、クリップ本体11の長軸方向と接続具20の軸方向を合わせやすくなる。
図示していないが、係合部Jは、クリップ本体11の開閉方向および軸方向の双方と垂直な方向であって、径方向内方に向かって突出していてもよい。このような係合部Jに対しても、貫通口21の深さ方向が、クリップ本体11の開閉方向に垂直な向きで2つの把持部材12、13の間に接続具20を差し込むことにより、クリップ本体11の長軸方向と接続具20の軸方向を合わせた状態で接続具20とクリップ10を接続することができる。
クリップ装置1において、クリップ本体11の係合部Jは、把持部材12、13の内側面上に形成されていることが好ましい。このように係合部Jが形成されていれば、2つの把持部材12、13の間に接続具20が配置された状態で、クリップ本体11の係合部Jと接続具20の貫通口21を係合することができる。このため、クリップ本体11の長軸方向と接続具20の軸方向を合わせやすくなる。
クリップ本体11の係合部Jは、接続具20の貫通口21に係合するものであれば、その大きさや形状は特に限定されない。図14〜図16を用いて、係合部Jの具体的な構成例について説明する。図14〜図16は本発明に係るクリップ本体の側面図を表す。図14はクリップ本体11の係合部Jが係合爪である例を表し、図15〜図16は、クリップ本体11の係合部Jが凸状部である例を表す。
図14に示すように、係合部Jは、クリップ本体11の近位側に形成される係合爪であってもよい。クリップ本体11の近位側を折り曲げるなどして、近位端に係合部Jを形成することにより、貫通口21と係合部Jが接近しやすくなり、係合を容易にすることができる。係合爪の大きさや角度は、接続具20の貫通口21の形状や深さ(高さ)に応じて適宜選択することができる。係合爪の各長さJLは、向かい合う2つの把持部材12、13の基端部Aの最大離間距離ALmaxの半分以下の長さであることが好ましく、当該最大離間距離ALmaxの1/4以上3/4以下の長さであってもよい。また、係合爪と、把持部材12、13の基端部Aのなす角θが鋭角であることが好ましい。図示していないが、2つの係合爪は互いに接触していてもよい。ここで、向かい合う2つの把持部材12、13の基端部Aの最大離間距離ALmaxとは、クリップ10に接続具20を係合させない状態での最大の離間距離を意味する。
図15〜図16に示すように、係合部Jは、クリップ本体11の近位側に形成される凸状部であってもよい。具体的には、クリップ本体11の把持部材12、13の径方向の内方に凸となる凸状部であることが好ましい。これにより、クリップ本体11の近位側から2つの把持部材12、13の隙間に接続具20を差し込んだときに凸状部が貫通口21に挿入されやすくなる。凸状部の形状は、例えば、半球状、半楕円球状、円柱状、角柱状、円錐状、角錐状等とすることができる。
図15は、凸状部が半球状である例を示している。図15に示すように、凸状部を半球状に形成すれば、クリップ本体11の把持部材12、13と凸状部の接触により生じる摩擦を抑制できるため、凸状部を貫通口21に係合させやすくなる。なお、楕円球状に形成した場合であっても同様の効果が得られる。
図16に示すように、凸状部がくさび状の爪であってもよい。具体的には、2つの把持部材12、13に形成されている凸状部の離間距離ALが、遠位側に向かって小さいことが好ましい。近位側では離間距離ALが大きく形成されているため把持部材12、13の間に接続具20を挿入しやすい一方、遠位側では離間距離ALが小さく形成されているため、係合部Jが貫通口21に係合されやすくなる。
貫通口21の最小径が、係合部Jの最大幅よりも大きいことが好ましい。このように貫通口21と係合部Jの大きさを設定することによって、貫通口21と係合部Jがより強固に係合される。係合部Jの最大幅とは、クリップ本体の平面視で、クリップ本体の長軸方向と垂直な方向の係合部の長さを指す。
2つの係合部12J、13Jの離間距離ALが、貫通口21の深さよりも小さいことが好ましい。このように貫通口21の深さ(高さ)と係合部Jの大きさを設定することによって、係合部Jが貫通口21から離脱することを抑止できる。
把持部Dは、対象物を直接把持する部分であり、把持部材12、13の遠位側に配置される。
把持部材12、13の把持部Dの剛性を高めるためには、把持部Dの長軸方向に垂直な断面の少なくとも一部が径方向外方に凸となる向きに弧状に形成されていることが好ましい。例えば、把持部Dの少なくとも一部が半円筒状に形成されていることが好ましい。長軸方向に垂直な断面で弧状に形成された部分の把持部Dの曲率半径は、内筒体40の内腔形状や鉗子チャンネル内の形状に合わせて設定することができる。
把持部Dの遠位端には爪部Gが形成されていることが好ましい。把持部Dによって対象物を把持する際に爪部Gが対象物に食い込みやすくなるため、対象物を確実に把持することができる。爪部Gを対象物に食い込みやすくして把持の安定性をさらに高めるためには、爪部Gが歯型状に形成されてもよい。また、クリップ10の閉状態で一の把持部材12の爪部11Gと他の把持部材13の爪部Gが噛み合うように歯型が形成されてもよい。歯型の形状は三角形、四角形等の多角形や台形であってもよい。
図1に示すように、2つの把持部材12、13が、湾曲部Bの近位端部で当接していることが好ましい。これにより、クリップ本体11の遠位端での開度を調整でき、使用時においてもその開度を維持することができる。2つの把持部材12、13が湾曲部Bの近位端部で当接しないクリップ10と比較して、把持部Dの遠位端での開度を大きくすることができるため、対象物を把持部Dの遠位側だけでなく把持部D全体で把持しやすくなる。
長軸方向の把持部Dの長さを確保するためには、一の把持部材12の湾曲部12Bの近位端が、他の把持部材13の湾曲部13Bの近位端と当接していることが好ましい。
把持部材12、13は、厚みが例えば0.1mm以上0.5mm以下の帯状部材から形成される。把持部材12、13は帯状部材を折り曲げる方法のほか、基端部A、湾曲部B、把持部Dに相当する帯状部材を個別に製造した後で、各部分を互いにレーザー溶接等によって接合する方法により形成することができる。
図1に示すように、一の把持部材12と他の把持部材13をクリップ本体11の長軸に対称な形状に形成することができる。これにより、2つの把持部材12、13が互いに接近するタイミングが合いやすくなるため、対象物を把持しやすくなる。
図1に示すように、長軸方向において、一の把持部材12と他の把持部材13を略同じ長さに形成することができる。2つの把持部材12、13は把持部Dの主に遠位端で互いに接近する。図示していないが、長軸方向において、一の把持部材12が他の把持部材13よりも長く形成されてもよい。把持部Dの遠位端だけでなく、把持部Dの遠位端より近位側でも2つの把持部材12、13が接近しやすくなるため、クリップ本体11の長軸方向全体で対象物を把持することができる。
クリップ10の大きさは特に制限されないが、クリップ10は内視鏡の鉗子チャンネルを通って、或いは術後に排泄物と一緒に体外に排出する目的から、クリップ本体11の幅は一般的に0.3mm以上4mm以下の範囲に設定され、クリップ本体11の閉状態の長軸方向の長さは、一般的に5mm以上12mm以下の範囲に設定される。
対象物の把持を容易にすべく、把持部材12、13を変形させやすくするために、把持部材の特に把持部Dの区間には開口部(図示していない)が形成されていてもよい。より好ましくは、開口部は把持部材12、13の把持部Dに形成される。開口部の形状は特に制限されないが、例えば、開口部の長径の方向をクリップ本体11の長軸方向に合わせることができる。
開口部の大きさは特に制限されるものではないが、例えば、開口部の長さは、把持部Dの長軸方向の最大長の30%以上80%以下に設定することができ、開口部の最大幅は、把持部Dの最大幅の10%以上80%以下に設定することができる。
把持部材12、13の強度を高めるために、把持部材12、13に凸条や凹条(いずれも図示していない)のエンボスが形成されていてもよい。把持部材12、13の少なくとも把持部Dに凸条や凹条が形成されていることが好ましく、把持部材12、13の把持部Dおよび湾曲部Bに凸条や凹条が形成されていることがより好ましい。
凸条や凹条は、把持部材12、13に一体的に形成されてもよく、別部材を付加することにより形成されてもよい。凸条や凹条が一体的に形成される場合、把持部材12、13の一方主面から見た凸条が、他方主面から見ると凹条となるように形成されてもよい。凸条や凹条は、把持部材12、13の軸方向に沿って設けられることが好ましい。凸条や凹条の大きさは、上記開口部の大きさと同様に設定することができる。
クリップ本体11の長軸方向において、締結具15の長さは、閉状態のクリップ本体11の長さの4%〜30%であることが好ましい。閉状態のクリップ本体11の長軸方向の長さは、例えば約12mmであることから、締結具15の長軸方向の長さは、例えば1mm以上3mm以下に設定することができる。
締結具15は、図1に示すような単筒状部材や、線材をコイル状に巻回して形成された筒状部材(図示していない)を用いることができ、締結具15の形状は、例えば、円筒体や角筒体である。また、締結具15は周方向に閉じている形状でもよく、周方向に開いている形状であって例えば軸方向と垂直な方向における断面がC字形状をなしていてもよい。
締結具15の外径は、内筒体40の内径よりも大きいことが好ましい。これにより、線状物30を近位側に引いた際に、締結具15の近位端と内筒体40の遠位端が当接して、クリップ本体11のみが内筒体40内に引き込まれる。その結果、締結具15がクリップ本体11の遠位側に移動し、クリップ10を閉状態にすることができる。
クリップ本体11と締結具15は、金属材料や弾性材料から形成することができる。クリップ本体11と締結具15は、生体適合性を有する材料から形成されることが好ましく、例えば、SUS303、SUS304、SUS631等のステンレス鋼やNi−Ti合金等から好ましく形成される。なお、把持部材12、13と締結具15は、同じ材料から形成されていてもよく、異なる材料から形成されていてもよい。
(5)ハンドル
本発明には、内筒体40の近位側に接続されて、外筒体50に対して軸方向に移動可能な第1ハンドル61と、線状物30の近位側に接続されて、外筒体50に対して軸方向に移動可能な第2ハンドル62と、が設けられる医療用クリップ装置1も含まれる。
図12〜図13において、第1ハンドル61は最も近位側に配置されており、次いで第2ハンドル62が配置されている。また、第1ハンドル61を外筒体50に対して近位側に移動させると、これに伴い内筒体40が近位側に移動する。また、第2ハンドル62を外筒体50に対して近位側に移動させると、これに伴い線状物30が近位側に移動する。このように第1ハンドル61および第2ハンドル62が設けられれば、内筒体40や線状物30の移動操作がしやすくなる。
図12〜図13に示すように、第1ハンドル61と第2ハンドル62は弾性部材63を介して接続されていることが好ましい。第2ハンドル62を近位側に移動させると弾性部材63であるコイルスプリングは近位側に圧縮されて弾性エネルギーが蓄積される。このため、第2ハンドル62を遠位側に戻す場合にコイルスプリングの復元力を利用することができる。
第1ハンドル61および第2ハンドル62の材料としては、例えば、ABSやポリカーボネート等の合成樹脂や、ポリウレタン発泡体等の発泡プラスチックを用いることができる。
3.医療用クリップ装置の製造方法
さらに、本発明の医療用クリップ装置1の製造方法は;線状物30と;2つの把持部材12、13が互いに向かい合って配置されており、近位側に係合部Jが、遠位側に対象物を把持する把持部Dが形成されているクリップ本体11およびクリップ本体11に取り付けられている筒状の締結具15を有するクリップ10と;深さ方向が軸方向と非平行の貫通口21が形成されており、貫通口21よりも遠位側の少なくとも一部に、貫通口21の遠位端での厚みよりも薄い部分を有している接続具20と;を準備するステップと;係合部Jを貫通口21に係合させるステップと;を含む。本発明の医療用クリップ装置1の製造方法は、クリップ本体11の係合部Jを、接続具20の貫通口21に係合させるステップにより、クリップ10と接続具20を容易に接続することができるものである。
医療用クリップ装置1の製造方法について詳細に説明する。なお、医療用クリップ装置1を構成する各部材については、本明細書の「1.接続具」および「2.医療用クリップ装置」に記載のとおりである。
クリップ装置1の製造に必要な線状物30と、クリップ本体11および締結具15を有するクリップ10と、接続具20を準備する(ステップS11)。クリップ本体11は、2つの把持部材12、13が互いに向かい合って配置されており、近位側に係合部J(12J、13J)が、遠位側に対象物を把持する把持部Dが形成されているものである。締結具15は、クリップ本体11に取り付けられている筒状の部材である。接続具20は、遠位側に軸方向と非平行の貫通口21が形成されており、貫通口21よりも遠位側の少なくとも一部に、貫通口21の遠位端での厚みよりも薄い部分を有している。
また、内腔に線状物30および接続具20を配置する内筒体40と、内筒体40を内腔に配置する外筒体50と、クリップ10の開閉操作を行うためのハンドルを準備する(ステップS12)。ハンドルは、内筒体40と接続される第1ハンドル61と、線状物30と接続される第2ハンドル62を有する。
クリップ本体11の外側に、内筒体40の内径よりも外径が大きく、軸方向に移動可能な締結具15を取り付ける(ステップS13)。
線状物30の遠位側に接続具20を接続する(ステップS14)。詳細には、接続具20の近位側にある中空部26に、線状物30の遠位側を接続することが好ましい。このステップにより接続具20と線状物30が接続されるため、接続具20を介してクリップ10と線状物30を接続することが可能となる。接続具20に線状物30を接続する方法は、上述したとおり、レーザー等による溶接や金属ロウ等による接着を用いることができる。
内筒体40の近位端部を第1ハンドル61に固定する(ステップS15)。内筒体40と第1ハンドル61の固定は、嵌合、ねじ、カシメ等による機械的な固定、ポリウレタン系、エポキシ系、シアノ系、シリコーン系等の接着剤を用いた接着、溶着等を用いることができる。
必要に応じて、内筒体40の外側に外筒体50を配置してもよい。外筒体50を内筒体40の長軸方向への移動操作を容易にするために、外筒体50の外側には掴み部が設けられてもよい。
内筒体40の遠位側から接続具20が接続された線状物30を内筒体40内に挿入し、線状物30の近位端部を第2ハンドル62に固定する(ステップS16)。線状物30と第2ハンドル62の固定は、内筒体40と第1ハンドル61の固定と同様に、嵌合、ねじ、カシメ等による機械的な固定、ポリウレタン系、エポキシ系、シアノ系、シリコーン系等の接着剤を用いた接着、溶着等を用いることができる。第2ハンドル62は、第1ハンドル61に対して内筒体40の長軸方向に移動可能に構成されている。
接続具20の貫通口21に、クリップ本体11の近位側に形成されている係合部Jを係合させる(ステップS17)。具体的には、クリップ本体11の近位端部に接続具20の遠位端部を押し当てて、2つの把持部材12、13の間に接続具20の貫通口21の遠位端での厚みよりも薄い部分を配置するようにクリップ本体11に対して遠位側に接続具20を移動させていく。その結果、接続具20の貫通口21がクリップ本体11の係合部Jと係合し、クリップ本体11と接続具20が接続された医療用クリップ装置1が製造される。このように、本発明の医療用クリップ装置1の製造方法は、クリップ本体11の係合部Jと接続具20の貫通口21を係合させるだけで、接続具20を介してクリップ本体11と線状物30を容易に接続することができるものである。
本願は、2015年12月18日に出願された日本国特許出願第2015−247414号に基づく優先権の利益を主張するものである。2015年12月18日に出願された日本国特許出願第2015−247414号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
1:医療用クリップ装置
10:クリップ
11:クリップ本体
12、13:把持部材
D:把持部
J、12J、13J:係合部
14:補強部材
15:締結具
20:接続具
21:貫通口
22:ガイド部
23:開口領域
23A:第1主面
23B:第2主面
26:中空部
27:方向調整部
30:線状物
40:内筒体
50:外筒体
61:第1ハンドル
62:第2ハンドル
63:弾性部材

Claims (17)

  1. 対象物を把持し、近位側に係合部が設けられている医療用クリップと、該クリップを移動させる線状物とを接続する接続具であって、
    深さ方向が前記線状物の長軸方向に垂直であり、全周縁が閉じられており、かつ前記クリップの前記係合部に係合する貫通口が形成されており、
    該貫通口よりも遠位側の少なくとも一部に、前記貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分を有していることを特徴とする接続具。
  2. 前記薄い部分は、遠位端に向かって厚みが薄くなる領域がある請求項1に記載の接続具。
  3. 前記線状物の長軸方向と平行な軸方向を有している接続具であって、
    前記貫通口は、前記軸方向中央よりも遠位側に形成されている請求項1または2に記載の接続具。
  4. 前記貫通口の断面形状が円形または楕円形である請求項1〜3のいずれか一項に記載の接続具。
  5. 前記貫通口の深さが、接続具の最大径よりも小さい請求項1〜4のいずれか一項に記載の接続具。
  6. 前記線状物の長軸方向と平行な軸方向を有している接続具であって、
    前記軸方向中央よりも近位側に中空部を有し、該中空部が形成されている領域における最大厚みが、前記貫通口の遠位端での厚みよりも厚い請求項1〜5のいずれか一項に記載の接続具。
  7. ステンレス鋼またはNi−Ti合金から形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の接続具。
  8. 前記貫通口は、遠位側に内壁を有している請求項1〜7のいずれか一項に記載の接続具。
  9. 前記貫通口の遠位端から遠位側において、前記接続具は前記貫通口の遠位端が最も厚く形成されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の接続具。
  10. 外筒体と、
    該外筒体内に配置されている内筒体と、
    該内筒体内に配置されている線状物と、
    2つの把持部材が互いに向かい合って配置されており、前記内筒体の遠位側に配置されているクリップ本体および該クリップ本体に取り付けられている筒状の締結具を有するクリップと、
    深さ方向が前記線状物の長軸方向に垂直であって、全周縁が閉じられている貫通口が形成されており、該貫通口よりも遠位側の少なくとも一部に、前記貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分を有しており、近位側に前記線状物との接続部を有する接続具と、を有し、
    前記クリップ本体の遠位側には対象物を把持する把持部が形成され、近位側には互いに向かい合う2つの係合部が形成されており、
    前記係合部と前記貫通口が係合可能であることを特徴とする医療用クリップ装置。
  11. 前記係合部は、前記把持部材の内側面上に形成されている請求項10に記載の医療用クリップ装置。
  12. 前記係合部が、前記クリップ本体の開閉方向および前記線状物の長軸方向の双方と垂直な方向であって、径方向内方に向かって突出している請求項10に記載の医療用クリップ装置。
  13. 前記係合部が、前記把持部材の近位端に形成されている請求項10〜12のいずれか一項に記載の医療用クリップ装置。
  14. 前記貫通口の最小径が、前記係合部の最大幅よりも大きい請求項10〜13のいずれか一項に記載の医療用クリップ装置。
  15. 2つの前記係合部の離間距離が、前記貫通口の深さよりも短い請求項10〜14のいずれか一項に記載の医療用クリップ装置。
  16. 線状物と、
    2つの把持部材が互いに向かい合って配置されており、近位側に係合部が、遠位側に対象物を把持する把持部が形成されているクリップ本体および前記クリップ本体に取り付けられている筒状の締結具を有するクリップと、
    深さ方向が前記線状物の長軸方向に垂直であって、全周縁が閉じられている貫通口が形成されており、該貫通口よりも遠位側の少なくとも一部に、前記貫通口の遠位端での厚みよりも薄い部分を有している接続具と、を準備するステップと、
    前記係合部を前記貫通口に係合させるステップと、を含むことを特徴とする医療用クリップ装置の製造方法。
  17. 前記線状物の遠位側に前記接続具を接続するステップを含む請求項16に記載の医療用クリップ装置の製造方法。
JP2017555991A 2015-12-18 2016-12-06 接続具、医療用クリップ装置および医療用クリップ装置の製造方法 Active JP6752816B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015247414 2015-12-18
JP2015247414 2015-12-18
PCT/JP2016/086143 WO2017104475A1 (ja) 2015-12-18 2016-12-06 接続具、医療用クリップ装置および医療用クリップ装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017104475A1 JPWO2017104475A1 (ja) 2018-10-04
JP6752816B2 true JP6752816B2 (ja) 2020-09-09

Family

ID=59056466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017555991A Active JP6752816B2 (ja) 2015-12-18 2016-12-06 接続具、医療用クリップ装置および医療用クリップ装置の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10828035B2 (ja)
JP (1) JP6752816B2 (ja)
CN (1) CN108289687B (ja)
WO (1) WO2017104475A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109998606A (zh) * 2019-04-11 2019-07-12 苏州聚生精密冲件有限公司 医疗器械连接件及具有该连接件结构的医用组织夹
JP7241917B2 (ja) * 2019-07-16 2023-03-17 ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド 再装填可能な止血デバイス用クリップの圧着取付け
US11944321B2 (en) * 2021-01-26 2024-04-02 Olympus Medical Systems Corp. Endoscopic treatment device
US11937828B2 (en) * 2021-01-26 2024-03-26 Olympus Medical Systems Corp. Endoscope treatment device
WO2022190160A1 (ja) 2021-03-08 2022-09-15 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 内視鏡用処置具

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5320957Y2 (ja) * 1973-11-14 1978-06-01
US20050043757A1 (en) 2000-06-12 2005-02-24 Michael Arad Medical devices formed from shape memory alloys displaying a stress-retained martensitic state and method for use thereof
IL136702A (en) 2000-06-12 2005-11-20 Niti Alloys Tech Ltd Surgical clip
US6896684B2 (en) 2000-06-12 2005-05-24 Niti Medical Technologies Ltd. Surgical clip applicator device
ATE441365T1 (de) * 2000-06-12 2009-09-15 Niti Surgical Solutions Ltd Chirurgische klammer
JP4360383B2 (ja) * 2006-03-13 2009-11-11 住友ベークライト株式会社 クリップ装置
JP4910879B2 (ja) * 2007-05-22 2012-04-04 住友ベークライト株式会社 医用クリップ装置、その弾性クリップユニットおよびフレキシブルチューブユニット
JP2008307168A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Hoya Corp 内視鏡用クリップ装置
JP5045484B2 (ja) 2008-02-18 2012-10-10 日本ゼオン株式会社 内視鏡用クリップ取付具
JP2010136819A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Fujifilm Corp 連結クリップパッケージ
WO2011022246A1 (en) * 2009-08-19 2011-02-24 Boston Scientific Scimed, Inc. Multifunctional core for two-piece hemostasis clip
JP3159939U (ja) 2010-03-26 2010-06-03 日本ゼオン株式会社 医療用クリップカートリッジ
JP5780109B2 (ja) 2011-10-21 2015-09-16 住友ベークライト株式会社 クリップ装置
JP5750620B2 (ja) * 2013-05-07 2015-07-22 オリンパス株式会社 内視鏡処置具

Also Published As

Publication number Publication date
US10828035B2 (en) 2020-11-10
US20180353183A1 (en) 2018-12-13
CN108289687B (zh) 2021-01-22
WO2017104475A1 (ja) 2017-06-22
JPWO2017104475A1 (ja) 2018-10-04
CN108289687A (zh) 2018-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6752816B2 (ja) 接続具、医療用クリップ装置および医療用クリップ装置の製造方法
KR101975732B1 (ko) 클립 카트리지
US10646228B2 (en) Endoscopic clip device and clip
US20040230204A1 (en) Flexible connection catheter tunneler and methods for using the same
US20090082777A1 (en) Insertion Aid with Interference Fit
WO2016104075A1 (ja) 医療用クリップ装置、医療用クリップ装置の製造方法および作動方法
JPWO2020095428A1 (ja) クリップユニットおよび内視鏡クリップ
JP6913218B2 (ja) 内視鏡用鉗子の製造方法
JP2022522719A (ja) エコー源性構造を有するシースアセンブリ
JP4586545B2 (ja) バルーンカテーテル
JP6560941B2 (ja) 内視鏡用クリップ装置
JP6694893B2 (ja) 医療用クリップ
US10856883B2 (en) Medical clip cartridge
WO2021100379A1 (ja) 内視鏡用クリップシステム
JP6533728B2 (ja) 内視鏡用クリップ装置
CN112971899B (zh) 输送鞘管和医疗器械
WO2021100378A1 (ja) 内視鏡用クリップシステムおよびその製造方法
JP6937323B2 (ja) 医療用クリップカートリッジ
JP7079450B2 (ja) 縫合装置
EP3487413B1 (en) Surgical tool
WO2020105253A1 (ja) 内視鏡処置具
JP2023131766A (ja) 医療用クリップシステム
JP2018187031A (ja) 固定治具
JP2023131764A (ja) 医療用クリップシステム
JP2005253671A (ja) 長尺物導入器具

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190510

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190510

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6752816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250