JP6752546B2 - 静電荷像現像用二成分トナー - Google Patents

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Description

本発明は、静電荷像現像用二成分トナーに関する。
電子写真方式による画像形成法は、高品質な印刷物(画像や印字等)を高速に得ることができるため、各種プリンタ、複写機、ファクシミリ等(以下、電子写真方式を用いたこれらの装置をまとめてプリンタとも呼ぶ。)において広く用いられている。この画像形成法では、帯電させた感光体の表面に対して所望の画像に応じた露光を行うことで静電荷像を形成させ、次いでその静電荷像に静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」とも呼ぶ。)を静電的に付着させることにより感光体の表面にトナーによる画像を形成させ、その後この画像を紙等の記録媒体に転写させることで、当該記録媒体上に所望の画像が形成される。
記録媒体上に形成されたトナーによる画像は、画像が形成された直後は粉末状であるが、定着ローラーによる加熱及び加圧を受ける定着過程を経て記録媒体上に固定される。このとき、トナーに含まれる樹脂成分(結着樹脂やバインダー等と呼ばれる。)や離型剤(ワックス)が熱によって一旦溶融することで、粉末状だったトナーは液状の溶融物となり、その後これが冷却されることで記録媒体の表面に密着したフィルムが形成される。このフィルムが記録媒体上に固定された画像や印字等に相当する。
こうした画像形成法は、静電荷像を現像するためのトナー粒子を帯電させる方法により、一成分現像方式と二成分現像方式とに分類される。二成分現像方式では、トナー粒子とキャリア粒子とがトナーボックス内で撹拌されることによりこれらの間で摩擦を生じトナー粒子を帯電させる。また、一成分現像方式では、キャリア粒子を用いずに、トナーボックスの出口付近に設けられた帯電ブレードとトナー粒子との間の摩擦によりトナー粒子の帯電を行う。いずれの方式であっても、画像品質を安定させるためにトナー粒子を安定して帯電させることが肝要であるが、トナー粒子に含まれるワックス等の成分がキャリアや帯電ブレードに付着して汚れを生じさせると、トナー粒子の帯電が不安定となってカブリやトナー使用量の増大を引き起こす原因になることもある。また、トナーは微粒子であるがゆえに凝集しやすいものであり、二成分トナーにおいてこうした凝集が生じると、キャリアとトナー粒子との混合が不均一となり、トナー粒子の帯電が不安定になる。この場合にも、先の場合と同様に、カブリやトナー使用量の増大といった問題を生じることになる。
また、感光体の表面に形成されたトナーによる画像が記録媒体に転写された後には、弾性を有するクリーニングブレードを用いて、転写されずに感光体の表面に残留したトナーを除去するクリーニングが実施される。しかしながら、例えば長期の使用を経た後では、クリーニングのための部材が劣化する等の理由によりクリーニング後の感光体の表面に除去されなかったトナーが残留しがちとなり、感光体やそれに接する帯電ローラーの表面にフィルム状のトナーが付着するフィルミングを生じることもある。この場合、感光体への帯電が不安定となったり、フィルム状のトナーが一部剥離することに伴う汚れを生じたりして、やはり画像不良やトナー使用量の増大などを引き起こす要因となる。
このような背景から、特許文献1には、トナー母粒子中に無機層状物質を内添させることにより、長時間使用しても感光体や現像ブレード、クリーニングブレード等の汚染を抑制させることが提案されている。なお、ここでいう内添とは、トナーの母粒子中に成分を含ませることを意味しており、トナーの母粒子とは別に成分を添加する外添とは異なるものである。
また、特許文献2には、トナー粒子100質量部に対して板状の形状を有する化合物を0.01〜1.0質量部外添することにより、トナーのタップ密度を小さく保ちネガゴーストを抑制することが提案されている。ここで提案されたトナーでは、上記化合物の嵩高さを利用してタップ密度が大きくなるのを抑制しているので、平均粒径が比較的大きな粒子が選択される。実際、特許文献2の段落0041には、板状の微粒子の平均粒径が1.0μm未満ではネガゴーストの防止に効果がない旨の言及があり、当該文献に記載された実施例でも平均粒径が6μmという比較的大きな粒子が用いられている。
また、特許文献3には、平均一次粒径が1〜40μmである窒化ホウ素を外添してなることを特徴とする一成分トナーが提案されている。特許文献3によれば、クリーニングブレードと像担持体(感光体)との間の潤滑性を付与するために従来用いられてきた脂肪酸金属塩が、一成分現像用トナーにて帯電を付与するための帯電付与部材(帯電ブレード)を汚染し帯電性を低下させる問題を生じており、このような成分に代えて窒化ホウ素で潤滑を行うというのが上記トナーの要点といえる。つまり、このトナーにて窒化ホウ素が用いられるのは、一成分トナーにて問題となる課題を解決するためであり、その粒径も1μm以上と比較的大きなものが採用される(例えば、特許文献3の表1を参照)。
特許第4863107号公報 特許第3459729号公報 特許第5598242号公報
上記のように、トナーの帯電性を安定させてカブリ等の画像不良を抑制するとともに、感光体や帯電ローラーの汚れやフィルミングを抑制させるために、処方の上で様々な工夫を凝らしたトナーが提案されている。本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、画像におけるカブリの発生、感光体や帯電ローラーのトナー残りによる汚れ、及びこれらの汚れに伴うフィルミングの発生を抑制できる二成分トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、カブリの抑制には平均一次粒子径50〜500nmという非常に微細な樹脂微粒子を外添剤として添加することが有効であることを見出した。しかしながら、この樹脂微粒子は微細な球状であるので、クリーニングブレードにより感光体の表面に残留したものを回収するのが難しく、感光体等の表面に残留した樹脂微粒子が新たにフィルミングを発生させたり帯電部材を汚染したりする要因にもなる。つまり、樹脂微粒子の添加によってカブリが解消されたとしても新たな問題が生じることになる。このような状況のもと、本発明者らは、上記の樹脂微粒子に加えて、平均一次粒子径300nm以上1000nm未満という非常に微細な窒化ホウ素粒子を外添剤とし、これをトナー母粒子100質量部に対して0.01質量部〜0.50質量部添加するとカブリとフィルミングの両方が抑制され、二成分トナーにおける上記の課題が解決されることを見出した。つまり、所定の一次粒子径を備えた樹脂微粒子と窒化ホウ素粒子とを併用することにより、初めて上記の諸問題が解消されることになる。本発明は、以上の知見によりなされたものであり、具体的には以下のようなものを提供する。
本発明は、トナー母粒子及び外添剤を含んでなる静電荷像現像用トナーであって、上記外添剤が、平均一次粒子径300nm以上1000nm未満の窒化ホウ素粒子、及び平均一次粒子径が80〜500nmの樹脂微粒子を含み、上記窒化ホウ素粒子の含有量が上記トナー母粒子100質量部に対して0.01質量部〜0.60質量部である静電荷像現像用二成分トナーである。
上記窒化ホウ素粒子の含有量は、上記トナー母粒子100質量部に対して0.15質量部〜0.50質量部であることが好ましい。
上記樹脂微粒子は、スチレンと、(メタ)アクリル酸又はそのエステルと、の共重合体であることが好ましい。
本発明によれば、画像におけるカブリの発生、帯電ローラー汚れ、及び感光体におけるフィルミングの発生を抑制することのできる二成分トナーが提供される。
以下、本発明の静電荷像現像用二成分トナーの一実施形態について説明する。
本発明の静電荷像現像用二成分トナー(上記のように、単に「トナー」とも呼ぶ。)は、電子写真方式における画像形成法に用いられ、キャリアとともに用いられる。キャリアとは、マグネタイト等の磁性体が樹脂でコーティングされた粒子であり、トナーに混合された状態でトナーボックスの中に貯留されている。そして、トナーに混合された複数のキャリアが、感光体に隣接した磁気ローラーの表面にて磁気の作用により刷毛状に結合し感光体の表面を撫でた際に、キャリアの表面に付着したトナーが感光体の表面へ転移して静電荷像が現像される。トナー中におけるキャリアの含有量は機種によって様々であるが、概ね数質量%程度とされる。
また、キャリアは、トナーボックス中でトナーとともに撹拌されることによりトナー粒子との間で摩擦を生じ、トナー粒子を帯電させる役割も担っている。しかしながら、既に述べたようにトナー粒子は微粒子であるがゆえに凝集しやすい性質を有しており、こうした凝集がトナーボックス内で生じると、キャリアとトナー粒子との間の混合が不均一となってトナー粒子の帯電状態が不安定になる傾向がある。この場合、カブリ等といった、帯電不良に伴う好ましくない現象を生じることにつながる。
本発明のトナーは、トナー母粒子及び外添剤を含んでなる。本発明では、特定の成分を外添剤として用いることにより、トナーの帯電不良によるカブリの発生、感光体や帯電ローラーの汚れ、及びそれらの汚れに伴う感光体や帯電ローラーにおけるフィルミングの発生を抑制する点に特徴を有するので、トナー母粒子については従来のものを用いることができる。まずは、このようなトナー母粒子の一例について説明する。
<トナー母粒子>
トナー母粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有する、トナーの主要成分である。このトナー母粒子が上記のように外添剤とともに混合されることによりトナーとなる。まずは、トナー母粒子を構成する各成分について説明する。
[結着樹脂]
結着樹脂は、バインダーとも呼ばれ、トナー母粒子に含まれる成分の一つである。結着樹脂は、トナー母粒子に含まれる着色剤を分散させるとともに、印刷の際の定着過程において定着ローラーの熱により記録媒体の表面で溶融したあと固化し、記録媒体の表面に着色剤を定着させる。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、特に限定はなく、従来公知のものを挙げることができる。このような結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。これらの結着樹脂は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの結着樹脂の中でも、着色されやすく、鮮明な色彩のトナーが得られるとの観点からは、ポリエステルを好ましく例示できる。
なお、ポリエステルは、2価以上の多価アルコールと多塩基酸とからなるモノマー組成物を重合させることにより得られる。
ポリエステルの重合に用いられる2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物等を挙げることができる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等を挙げることができる。
2価の多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物等を挙げることができる。
3価以上の多塩基酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、これらの酸の無水物等を挙げることができる。
トナー母粒子中の結着樹脂の添加量は、トナーに要求される性能等を考慮して適宜設定されればよいが、一例として、トナー母粒子100質量部中に65〜95質量部であることを挙げることができる。
[着色剤]
着色剤は、トナーに着色力を与えるものであり、トナー母粒子に含まれる成分の一つである。本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に限定はなく、従来公知の各種顔料を挙げることができる。
具体的には、黒色の着色剤として、カーボンブラック、黒色を呈する磁性粉等が例示され、シアン色の着色剤の材料として、銅フタロシアニン、メチレンブルー、ビクトリアブルー等が例示され、マゼンタ色の着色剤として、ローダミン染料、ジメチルキナクリドン、ジクロロキナクリドン、カーミンレッド等が例示され、黄色の着色剤として、ベンジジンイエロー、クロムイエロー、ナフトールイエロー、ジスアゾイエロー等が例示される。その他、所望とする色に応じた着色剤を適宜選択して用いることができる。
トナー母粒子中の着色剤の添加量は、トナーに要求される着色力等といった性能等を考慮して適宜設定されればよいが、一例として、トナー母粒子100質量部中に1〜15質量部とすることを挙げることができる。なお、樹脂中に高濃度の顔料を予め分散させたマスターバッチが各種市販されているので、それを購入して着色剤として用いてもよい。この場合、トナー母粒子に含まれる顔料の濃度が上記の範囲になるように、マスターバッチに含まれる顔料の濃度を考慮してその使用量を決定すればよい。
[離型剤]
離型剤は、ワックスとも呼ばれ、トナー母粒子に含まれる成分の一つである。離型剤は、印刷の際の定着過程において定着ローラーと印刷面(正確には、紙等の記録媒体の表面に存在するトナーである。)との間の離型性を高めるために用いられる。
離型剤としては、トナー母粒子の離型剤として通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。このような離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の炭化水素系ワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニル、モンタン系エステルワックス等のエステルワックス、カルナバワックス、ライスワックス、フィシャートロピシュワックス等を挙げることができる。これらの離型剤は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの離型剤の中でも、炭化水素系のワックスを好ましく例示できる。
トナー母粒子中の離型剤の添加量は、トナーに要求される性能等を考慮して適宜設定されればよいが、一例として、トナー母粒子100質量部中に2〜12質量部であることを挙げることができる。離型剤の添加量がこの範囲であることにより、印刷(すなわち画像形成や印字)の際の定着過程において定着ローラーと印刷面との良好な離型性が得られるとともに、トナー母粒子から離型剤が滲出することに伴う帯電不良やフィルミング等の各種トラブルを抑制することができる。トナー母粒子中の離型剤の添加量は、トナー母粒子100質量部に対して2〜10質量部であることがより好ましく、3.5〜8質量部であることがさらに好ましい。
[トナー母粒子の調製]
上記の各成分からトナー母粒子が調製される。なお、この際、必要とされる各種適性に応じて他の成分を添加することも可能である。トナー母粒子の調製に際しては、まず、上記の各種成分を混合し、その後、結着樹脂の溶融温度以上の温度となるように加熱しながらこれらの成分を混練する。混練に際しては、二軸押出機や三本ロールミル等の混練機を用いることができる。こうして得られた混練物を冷却固化させた後、粉砕機によって粉砕し、その後分級することでトナー母粒子が得られる。混練物の粉砕に用いる粉砕機としては、特に制限はなく、例えば、ジェットミル、ターボミル、ロータ式粉砕機等を挙げることができる。粉砕及び分級後のトナー母粒子の体積中位粒径(D50)としては、4〜10μmが好ましく例示され、5〜9μmがより好ましく例示される。
なお、体積中位粒径(D50)とは、体積基準のメジアン径とも呼ばれ、径がこの値より小さい粒子の体積合計と、径がこの値よりも大きい粒子の体積合計とが、全体の体積合計の各々50%ずつである値を示すものである。体積中位粒径(D50)は、粒度分布測定を行うことにより算出できる。このような粒度分布測定装置として、例えば、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザー3」を挙げることができる。
<外添剤>
外添剤は、トナー母粒子へ添加されることでトナー母粒子とともにトナーを構成する粒子成分である。本発明では、平均一次粒子径300nm以上1000nm未満の窒化ホウ素粒子を外添剤の少なくとも一部として含む。
既に述べたように、二成分トナーにおいて、キャリアはトナー粒子との間の摩擦によりトナー粒子を帯電させる働きを有する。このとき、微粒子であるトナー粒子がトナーボックス内で凝集していると、キャリアとトナー粒子とが均一に混合されなくなってトナー粒子の摩擦帯電が不安定になり、トナー粒子の帯電不良による画像のカブリやトナー使用量の増大等といった問題を生じるようになる。本発明者らは、こうした問題の改善策を検討した結果、意外にも、平均一次粒子径が80〜500nmといった極めて微細な樹脂微粒子をトナーの外添剤として用いることによってトナー粒子の帯電を安定させることができ、カブリ等といった、帯電不良に伴う好ましくない現象が抑制されることを見出した。このような効果の得られる理由は必ずしも明らかでないが、樹脂微粒子が外添剤として存在することによりトナー粒子の凝集が抑制され、キャリアとトナー粒子との間の混合が均一に行われるようになるためと推察される。
しかしながら、上記のように極めて微細な樹脂微粒子は、その微細さや球状である形状ゆえにクリーニングブレードによって回収されにくい傾向があり、回収されずに残留した樹脂微粒子が感光体等の表面でフィルミングを生じさせる要因ともなる。つまり、カブリ等の現象を抑制するために用いた樹脂微粒子が、今度はフィルミングや帯電部材の汚染といった別の問題を引き起こす要因となるのである。本発明者らは、これを解消し、カブリ等の抑制とフィルミングの抑制とを両立する処方について検討を重ねた結果、上記の樹脂微粒子に加えて、平均一次粒子径300nm以上1000nm未満という極めて微細な窒化ホウ素粒子を外添剤として加えればよいことを見出した。本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、その発明により提供されるトナーは、平均一次粒子径300nm以上1000nm未満という極めて微細な窒化ホウ素粒子、及び平均一次粒子径が80〜500nmといった極めて微細な樹脂微粒子の両方を外添剤として含むことにより、フィルミングの発生と帯電部材の汚染を抑制しながら、画像のカブリやトナー使用量の増大等といった問題の発生を抑制する。
窒化ホウ素粒子の添加によってフィルミングが抑制される理由は必ずしも明らかでないが、概ね次のような理由によるものと推察される。クリーニングブレードは、ゴム等の弾性体によって構成され、回転する感光体の表面に線接触しながら未使用トナーの回収を行う。このとき、弾性体であるクリーニングブレードと感光体との間で摩擦を生じるが、この摩擦が大きくなると、クリーニングブレードが感光体の回転につられて移動しようとすることに伴う、いわゆるビビリを生じがちとなる。こうしたビビリを生じると、クリーニングブレードと感光体との間の線接触が不安定となり、極めて微細な球状体である上記の樹脂微粒子がクリーニングブレードを通過し、感光体の表面に残留することになってフィルミングを生じさせたり、帯電部材を汚染したりすることにつながると考えられる。
この点、窒化ホウ素の粒子は、劈開性を有し、摩擦により容易に劈開して物質の表面に付着する作用を有する。そして、物質の表面に付着した窒化ホウ素は、窒素原子とホウ素原子が互い違いに結合することで形成される六角形の網目が平面的に拡がった黒鉛のような表面構造を備え、黒鉛と同様に潤滑性を示す。このような粒子を外添剤として添加することにより、クリーニングブレードと感光体との間の摩擦により劈開した窒化ホウ素粒子が感光体の表面に付着して感光体とクリーニングブレードとの間を潤滑し、クリーニング過程におけるクリーニングブレードのビビリが抑制されて樹脂微粒子の回収率が向上し、フィルミングの発生が抑制されるものと推察される。本発明者らの検討によれば、このような作用は大粒径の窒化ホウ素粒子では得られない傾向にあり、それゆえ本発明では、上記のように、平均一次粒子径300nm以上1000nm未満という極めて微細な窒化ホウ素粒子を用いる。
窒化ホウ素粒子の平均一次粒子径は、300nm〜800nmであることが好ましく、400nm〜600nmであることがより好ましい。なお、窒化ホウ素粒子の平均一次粒子径は、当該粒子の一次粒子の体積中位粒径(D50)を意味し、これを製造するメーカーのスペック表から知ることができるし、あるいは、トナー母粒子におけるD50の算出と同様の手法により求めることができる。
外添剤として添加される上記窒化ホウ素粒子の量は、上記トナー母粒子100質量部に対して0.01質量部〜0.60質量部である。この窒化ホウ素粒子の量は、上記トナー母粒子100質量部に対して0.05質量部〜0.60質量部であることが好ましく、上記トナー母粒子100質量部に対して0.15質量部〜0.50質量部であることがより好ましい。窒化ホウ素粒子の量が、トナー母粒子100質量部に対して0.01質量部以上であることにより、帯電部材の汚染及び感光体へのフィルミングが抑制されるので好ましい。また、窒化ホウ素粒子の量が、トナー母粒子100質量部に対して0.60質量部以下であることにより、フィルミングを抑制できるので好ましい。
上記窒化ホウ素粒子とともに外添剤として用いられる樹脂微粒子の平均一次粒子径は、80〜500nmであり、80〜400nmであることが好ましく、80〜300nmであることがより好ましい。樹脂微粒子の平均一次粒子径が上記の範囲であることにより、画像のカブリを良好に抑制できるので好ましい。なお、樹脂微粒子の平均一次粒子径は、上記窒化ホウ素粒子と同様に求めることが可能である。
樹脂微粒子としては、スチレンと、(メタ)アクリル酸又はそのエステルと、の共重合体等が好ましく選択される。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸又はメタクリル酸」の意味である。
外添剤として添加される上記樹脂微粒子の量は、上記トナー母粒子100質量部に対して0.3質量部〜0.9質量部であることが好ましく、0.4質量部〜0.6質量部であることがより好ましい。
本発明のトナーには、上記の成分に加えて、その他の成分を外添剤として用いてもよい。これらの成分は、トナー母粒子の表面に付着してトナー母粒子の帯電特性を向上させたり、トナー母粒子と分離した状態で存在してトナーの流動性を向上させたりする等の役割をもつ。このような成分としては、無機酸化物粒子が好ましく用いられる。
無機酸化物粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素等が挙げられる。これらの中でも、シリカを好ましく挙げることができる。無機酸化物粒子は、単独で、又は二以上を組み合わせて用いることができる。
無機酸化物粒子は、その表面が疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の方法としては、従来公知の疎水化処理剤を疎水化処理前の無機酸化物粒子の表面に接触させて、疎水性のある官能基や成分を無機酸化物粒子の表面に化学結合させたり付着させたりする方法が挙げられる。無機酸化物粒子を疎水化処理するための疎水化処理剤としては、特に限定はなく、従来公知のものを挙げることができる。このような疎水化処理剤として、オクチルトリエトキシシラン、ポリジメチルシロキサン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等を好ましく例示することができる。これらの疎水化処理剤は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、市販の疎水化無機酸化物粒子を無機酸化物粒子として用いてもよい。
外添剤として添加される無機酸化物粒子の量は、上記トナー母粒子100質量部に対して2質量部〜12質量部程度を挙げることができるが、所望の性能を得るために、適宜調整をすることができる。
<トナーの調製>
上記のトナー母粒子及び外添剤を混合することにより、トナーが調製される。その際、トナーの諸特性を向上させるために他の成分を適宜加えてもよい。
トナー母粒子及び外添剤を混合する際に用いられる混合装置としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等が挙げられる。混合装置は、これらに限定されず、粉体を混合できる装置であればいずれの混合装置も用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の静電荷像現像用二成分トナーを詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
[トナー母粒子の調製]
結着樹脂として市販のポリエステル樹脂(商品名:FC1565、三菱レイヨン株式会社製)64.5部と、同じく結着樹脂として市販のポリエステル樹脂(商品名:ER561、三菱レイヨン株式会社製)15.6部と、着色剤として黄色着色剤(ピグメントイエロー180系着色剤)11.9部と、荷電調整剤として樹脂系電荷制御剤(商品名:アクリベースFCA−201−PS、藤倉化成株式会社製)4部と、離型剤として脂肪酸エステルワックス(商品名:WE−10、日油株式会社製)4部と、をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸押出機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融及び固化させ、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積中位粒径が7.5μmの正帯電性トナー母粒子を得た。
[トナーの調製]
表1及び2に記載の配合にて各材料を配合した後、これらをヘンシェルミキサーで10分間混合し、実施例1〜3、及び比較例1〜6のトナーを得た。なお、表1及び2に示す配合量は質量部である。また、表1及び2中、「窒化ホウ素粒子A」は平均一次粒子径500nmの窒化ホウ素粒子であり、「窒化ホウ素粒子B」は平均一次粒子径1500nmの窒化ホウ素粒子であり、「樹脂微粒子」は平均一次粒子径100nmの市販のマイナス極性スチレンアクリル系樹脂微粒子(日本ペイント株式会社製)であり、「シリカ」はヘキサメチルジシラザンで表面処理されたプラス極性シリカ粒子(BET表面積;50m/g)である。
[カブリ発生の評価]
評価用非磁性二成分方式の正帯電性帯電方式のカラープリンタを用いて、温度25℃、湿度50%の環境で印字率5%チャートを13,000枚印刷し、カブリの発生状況を観察した。そして、実用上問題となるカブリの認められるものを「×」とし、実用上問題となるカブリの認められないものを「○」とし、それらの中間的な評価を「△」としたときの評価結果を表1及び2の「カブリ」欄に示す。なお、トナー中におけるキャリアの添加量は約4質量%とした。
[汚れ及びフィルミング発生の評価]
上記のカラープリンタを用いて、温度25℃、湿度50%の環境で印字率5%チャートを25,000枚印刷した後、感光体及び帯電ローラーの表面における汚れ及びフィルミングの発生状態を観察した。その際の汚れ及びフィルミングの発生状態を下記の評価基準にて評価し、表1及び2の「汚れ・フィルミング」欄に結果を示す。
◎:汚れ及びフィルミングの発生は認められない
○:僅かに汚れが観察されたが印刷上問題のないレベルである
△:やや汚れが目立つが、フィルミングの発生には至らない
×:フィルミングが観察された
Figure 0006752546
Figure 0006752546
表1及び2に示すように、本発明の二成分トナーによれば、画像におけるカブリの発生、感光体や帯電ローラーのトナー残りによる汚れ、及びこれらの汚れに伴うフィルミングの発生が効果的に抑制できることがわかる。

Claims (3)

  1. トナー母粒子及び外添剤を含んでなる静電荷像現像用トナーであって、
    前記外添剤が、平均一次粒子径300nm以上1000nm未満の窒化ホウ素粒子、及び平均一次粒子径が80〜500nmの樹脂微粒子を含み、前記窒化ホウ素粒子の含有量が前記トナー母粒子100質量部に対して0.01質量部〜0.60質量部である静電荷像現像用二成分トナー。
  2. 前記窒化ホウ素粒子の含有量が、前記トナー母粒子100質量部に対して0.15質量部〜0.50質量部である請求項1記載の静電荷像現像用二成分トナー。
  3. 前記樹脂微粒子が、スチレンと、(メタ)アクリル酸又はそのエステルと、の共重合体である請求項1又は2記載の静電荷像現像用二成分トナー。
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