JP6713351B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真方式による画像形成法は、高品質な印刷物(画像や印字等)を高速に得ることができるため、各種プリンタ、複写機、ファクシミリ等(以下、電子写真方式を用いたこれらの装置をまとめてプリンタとも呼ぶ。)において広く用いられている。この画像形成法では、帯電させた感光体の表面に対して所望の画像に応じた露光を行うことで静電荷像を形成させ、次いでその静電荷像に静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」とも呼ぶ。)を静電的に付着させることにより感光体の表面にトナーによる画像を形成させ、その後この画像を紙等の記録媒体に転写させることで、当該記録媒体上に所望の画像が形成される。
記録媒体上に形成されたトナーによる画像は、画像が形成された直後は粉末状であるが、定着ローラーによる加熱及び加圧を受ける定着過程を経て記録媒体上に固定される。このとき、トナーに含まれる樹脂成分(結着樹脂やバインダー等と呼ばれる。)や離型剤(ワックス)が熱によって一旦溶融することで、粉末状だったトナーは液状の溶融物となり、その後これが冷却されることで記録媒体の表面に密着したフィルムが形成される。このフィルムが記録媒体上に固定された画像や印字等に相当する。
こうした画像形成法は、静電荷像を現像するためのトナー粒子を帯電させる方法により、一成分現像方式と二成分現像方式とに分類される。二成分現像方式では、トナー粒子とキャリア粒子とがトナーボックス内で撹拌されることによりこれらの間で摩擦を生じトナー粒子を帯電させる。また、一成分現像方式では、キャリア粒子を用いずに、トナーボックスの出口付近に設けられた帯電ブレードとトナー粒子との間の摩擦によりトナー粒子の帯電を行う。いずれの方式であっても、帯電したトナーを静電荷像の形成された感光体に付着させて現像を行う点においては共通である。一般には、感光体の表面のうち光の照射により帯電が解除された箇所に帯電したトナーが付着し、感光体の表面のうち帯電されたままの箇所にはトナーが静電反発により付着しないことで現像が行われる。現像により感光体の表面に形成されたトナーの画像は、紙等の記録媒体へ転写される。
感光体の表面に形成されたトナーの画像が記録媒体に転写された後には、弾性を有するクリーニングブレードを用いて、転写されずに感光体の表面に残留したトナーを除去するクリーニングが実施される。しかしながら、例えば長期の使用を経た後では、クリーニングのための部材が劣化する等の理由によりクリーニング後の感光体の表面に除去されなかったトナーが残留しがちとなり、感光体やそれに接する帯電ローラー(PCR)の表面にフィルム状のトナーが付着するフィルミングを生じることもある。この場合、感光体への帯電が不安定となったり、フィルム状のトナーが一部剥離することに伴う汚れを生じたりして、画像不良やトナー使用量の増大などを引き起こす要因となる。
このような背景から、特許文献1には、トナー母粒子中に無機層状物質を内添させることにより、長時間使用しても感光体や現像ブレード、クリーニングブレード等の汚染を抑制させることが提案されている。また、特許文献2には、トナー粒子100質量部に対して板状の形状を有する化合物を0.01〜1.0質量部外添することにより、トナーのタップ密度を小さく保ちネガゴーストを抑制することが提案されている。また、特許文献3には、平均一次粒径が1〜40μmである窒化ホウ素を外添してなることを特徴とする一成分トナーが提案されている。これらのトナーでは、いずれも潤滑性を備えた粒子、すなわち潤滑剤粒子が添加されており、この潤滑剤粒子が感光体の表面に付着して潤滑性を付与することで、回転する感光体の表面におけるクリーニングブレードの密着状態の維持を助け、クリーニング後の感光体表面のトナー残りを減少させていると考えられる。
特許第4863107号公報 特許第3459729号公報 特許第5598242号公報
上記のように、トナーに潤滑剤粒子を添加することにより感光体表面のトナー残りはかなり改善される。しかしながら、本発明者らの検討によれば、形成させる画像の画線率が中程度の図柄であればこうした効果が良好に得られるものの、画線率が小さめの画像であったり、逆に画線率が大きめの画像であったりすると、依然として感光体表面におけるトナー残りによるフィルミングや、PCR汚れ等の問題を生じがちだった。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、感光体表面のクリーニング性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、トナー母粒子及び外添剤を含むトナーにおいて正帯電性の潤滑剤粒子及び負帯電性の潤滑剤粒子の両方を外添剤の成分としてそれぞれ含ませることにより、上記の課題を解決できることを見出した。本発明は、以上の知見によりなされたものであり、具体的には以下のようなものを提供する。
本発明は、トナー母粒子及び外添剤を含み、上記外添剤の成分として正帯電性の潤滑剤粒子及び負帯電性の潤滑剤粒子の両方をそれぞれ含み、上記負帯電性の潤滑剤粒子として窒化ホウ素を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
上記正帯電性の潤滑剤粒子は、脂肪酸金属塩からなる群より選択される少なくとも一つであり、上記負帯電性の潤滑剤粒子は、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル及びシリコーンからなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。
上記正帯電性の潤滑剤粒子の含有量は、上記トナー母粒子100質量部に対して0.01〜0.5質量部であり、前記負帯電性の潤滑剤粒子の含有量が、上記トナー母粒子100質量部に対して0.01〜0.5質量部であることが好ましい。
上記正帯電性の潤滑剤粒子としてステアリン酸亜鉛を含むことが好ましい。
本発明によれば、感光体表面のクリーニング性に優れた静電荷像現像用トナーが提供される。
以下、本発明の静電荷像現像用トナーの一実施形態について説明する。
本発明の静電荷像現像用トナー(上記のように、単に「トナー」とも呼ぶ。)は、電子写真方式における画像形成法に用いられ、キャリアとともに用いられる二成分トナーであってもよいし、キャリアを用いない一成分トナーであってもよい。本発明のトナーは、トナー母粒子及び外添剤を含んでなる。以下、本発明のトナーを構成する各成分について説明する。
<トナー母粒子>
トナー母粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有する、トナーの主要成分である。このトナー母粒子が上記外添剤とともに混合されることによりトナーとなる。まずは、トナー母粒子を構成する各成分について説明する。
[結着樹脂]
結着樹脂は、バインダーとも呼ばれ、トナー母粒子に含まれる成分の一つである。結着樹脂は、トナー母粒子に含まれる着色剤を分散させるとともに、印刷の際の定着過程において定着ローラーの熱により記録媒体の表面で溶融したあと固化し、記録媒体の表面に着色剤を定着させる。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、特に限定はなく、従来公知のものを挙げることができる。このような結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。これらの結着樹脂は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの結着樹脂の中でも、着色されやすく、鮮明な色彩のトナーが得られるとの観点からは、ポリエステルを好ましく例示できる。
なお、ポリエステルは、二価以上の多価アルコールと多塩基酸とからなるモノマー組成物を重合させることにより得られる。
ポリエステルの重合に用いられる二価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物等を挙げることができる。
三価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等を挙げることができる。
二価の多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物等を挙げることができる。
三価以上の多塩基酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、これらの酸の無水物等を挙げることができる。
トナー母粒子中の結着樹脂の添加量は、トナーに要求される性能等を考慮して適宜設定されればよいが、一例として、トナー母粒子100質量部中に65〜95質量部であることを挙げることができる。
[着色剤]
着色剤は、トナーに着色力を与えるものであり、トナー母粒子に含まれる成分の一つである。本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に限定はなく、従来公知の各種顔料を挙げることができる。
具体的には、黒色の着色剤として、カーボンブラック、黒色を呈する磁性粉等が例示され、シアン色の着色剤の材料として、銅フタロシアニン、メチレンブルー、ビクトリアブルー等が例示され、マゼンタ色の着色剤として、ローダミン染料、ジメチルキナクリドン、ジクロロキナクリドン、カーミンレッド等が例示され、黄色の着色剤として、ベンジジンイエロー、クロムイエロー、ナフトールイエロー、ジスアゾイエロー等が例示される。その他、所望とする色に応じた着色剤を適宜選択して用いることができる。
トナー母粒子中の着色剤の添加量は、トナーに要求される着色力等といった性能等を考慮して適宜設定されればよいが、一例として、トナー母粒子100質量部中に1〜15質量部とすることを挙げることができる。なお、樹脂中に高濃度の顔料を予め分散させたマスターバッチが各種市販されているので、それを購入して着色剤として用いてもよい。この場合、トナー母粒子に含まれる顔料の濃度が上記の範囲になるように、マスターバッチに含まれる顔料の濃度を考慮してその使用量を決定すればよい。
[離型剤]
離型剤は、ワックスとも呼ばれ、トナー母粒子に含まれる成分の一つである。離型剤は、印刷の際の定着過程において定着ローラーと印刷面(正確には、紙等の記録媒体の表面に存在するトナーである。)との間の離型性を高めるために用いられる。
離型剤としては、トナー母粒子の離型剤として通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。このような離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の炭化水素系ワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニル、モンタン系エステルワックス等のエステルワックス、カルナバワックス、ライスワックス、フィシャートロピシュワックス等を挙げることができる。これらの離型剤は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの離型剤の中でも、炭化水素系のワックスを好ましく例示できる。
トナー母粒子中の離型剤の添加量は、トナーに要求される性能等を考慮して適宜設定されればよいが、一例として、トナー母粒子100質量部中に2〜12質量部であることを挙げることができる。離型剤の添加量がこの範囲であることにより、印刷(すなわち画像形成や印字)の際の定着過程において定着ローラーと印刷面との良好な離型性が得られるとともに、トナー母粒子から離型剤が滲出することに伴う帯電不良やフィルミング等の各種トラブルを抑制することができる。トナー母粒子中の離型剤の添加量は、トナー母粒子100質量部に対して2〜10質量部であることがより好ましく、3.5〜8質量部であることがさらに好ましい。
[トナー母粒子の調製]
上記の各成分からトナー母粒子が調製される。なお、この際、必要とされる各種適性に応じて他の成分を添加することも可能である。トナー母粒子の調製に際しては、まず、上記の各種成分を混合し、その後、結着樹脂の溶融温度以上の温度となるように加熱しながらこれらの成分を混練する。混練に際しては、二軸押出機や三本ロールミル等の混練機を用いることができる。こうして得られた混練物を冷却固化させた後、粉砕機によって粉砕し、その後分級することでトナー母粒子が得られる。混練物の粉砕に用いる粉砕機としては、特に制限はなく、例えば、ジェットミル、ターボミル、ロータ式粉砕機等を挙げることができる。粉砕及び分級後のトナー母粒子の体積中位粒径(D50)としては、4〜10μmが好ましく例示され、5〜9μmがより好ましく例示される。
なお、体積中位粒径(D50)とは、体積基準のメジアン径とも呼ばれ、径がこの値より小さい粒子の体積合計と、径がこの値よりも大きい粒子の体積合計とが、全体の体積合計の各々50%ずつである値を示すものである。体積中位粒径(D50)は、粒度分布測定を行うことにより算出できる。このような粒度分布測定装置として、例えば、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザー3」を挙げることができる。
<外添剤>
外添剤は、トナー母粒子へ添加されることでトナー母粒子とともにトナーを構成する粒子成分である。本発明では、この外添剤の成分として正帯電性の潤滑剤粒子及び負帯電性の潤滑剤粒子の両方をそれぞれ含むことを特徴とする。
既に説明したように、潤滑剤粒子は、感光体の表面に付着して潤滑性を付与することで、回転する感光体の表面におけるクリーニングブレードの密着状態の維持を助け、クリーニング後の感光体表面のトナー残りを減少させる働きを備える。このため、感光体の表面に適量の潤滑剤粒子を存在させることが重要であり、何らかの原因で感光体の表面における潤滑剤粒子が不足すると、記録媒体へ転写されなかったトナーが感光体の表面から十分に除去されずに、印刷を重ねるにつれて感光体の表面を汚してしまい、フィルミングを生じる原因となる。
一方で、感光体の表面への潤滑剤粒子の供給量を増やすべく、トナーへの潤滑剤粒子の添加量を単に増加させると、今度は潤滑剤粒子が過剰となって、潤滑剤粒子や記録媒体へ転写されなかったトナーがクリーニングブレードをすり抜けてしまって十分に除去されない結果となり、PCRが汚れることに伴う画像の筋汚れを生じがちになる。
このように、感光体表面における潤滑剤粒子が不足しても過剰になっても感光体表面のクリーニングに関する問題を生じがちとなり、適量の潤滑剤粒子を感光体の表面に存在させることが重要である。このため、感光体表面における潤滑剤粒子の存在量を適量なものにすべく、各メーカーで製造されるトナーにおいては、トナーに含まれる潤滑剤粒子の含有量を適切な量となるように調節しているのが現状である。
しかしながら、トナーに含まれる潤滑剤粒子の量を適切に調節していたとしても、画線率の大きな図柄を連続印刷すると、潤滑剤粒子不足の場合に見られるようなフィルミングを生じる場合がある。その一方で、こうした図柄の印刷においても潤滑剤粒子不足とならないようにトナーへの潤滑剤粒子の添加量を増加すると、今度は感光体表面での潤滑剤粒子が過剰となってPCR汚れを生じる結果につながる。本発明者らは、こうした現象を改善するための検討において特に潤滑剤粒子の帯電に着目し、正帯電性の潤滑剤粒子と負帯電性の潤滑剤粒子とを組み合わせて用いることで、こうした問題を解消できることを見出した。次に、潤滑剤粒子の帯電と、感光体表面における潤滑剤粒子の過不足との関係に付いて説明する。なお、説明を容易にするために以下の説明では負帯電形のプリンタを用いた場合を例に挙げて説明するが、正帯電形のプリンタであっても電荷の符号が反対なだけで原理は同じであり、全く同様に本発明が適用されることを付言しておく。
負帯電形のプリンタでは、一旦感光体表面の全面を負に帯電させ、その後、画像を形成させる箇所の帯電を除くことで潜像を形成させる。そして、トナー母粒子は、キャリアや帯電ブレードとの間の摩擦により負に帯電し、負に帯電した非画像部には静電反発により付着せず、帯電していない画像部に付着する。一方、外添剤として添加された潤滑剤粒子もキャリアや帯電ブレードとの間の摩擦により帯電し、潤滑剤粒子の化学的な組成に応じて、正又は負に帯電する。例えば、潤滑剤粒子の一種であるステアリン酸亜鉛は正に帯電し、これを潤滑剤粒子として用いた場合には、帯電していない画像部よりも、負に帯電した非画像部に作用しやすいことになる。このため、高画線率部では感光体表面の潤滑剤粒子が不足することになり、フィルミングを生じやすくなる。そして、これを回避しようとしてトナーへの潤滑剤粒子の添加量を増やすと、今度は低画線率部にて潤滑剤粒子が過剰となってPCR汚れが生じやすくなるのは既に述べた通りである。
このような問題を解消するために、本発明では、上記のように、正帯電性の潤滑剤粒子と、負帯電形の潤滑剤粒子とを組み合わせて外添剤に含ませる。このようにすると、負に帯電した非画像部には正帯電形の潤滑剤粒子が作用する一方で、帯電していない画像部には非画像部に静電反発した負帯電形の潤滑剤粒子が付着することになる。その結果、印刷画像の画線率に影響されずに、感光体の表面へ過不足無く潤滑剤粒子が供給されることになって、上記のような問題を生じるのが抑制される。
なお、正帯電性の潤滑剤粒子と負帯電性の潤滑剤粒子とを併用すると、一般には、互いの電荷が打ち消されて所期の効果が得られないと予想されるが、本発明者らの検討によれば、意外にも、そのようなことはなく、両者を組み合わせることにより所期の効果を得られることが確認されている。以下、外添剤として用いられる各成分について説明する。
潤滑剤粒子は、感光体の表面に付着することにより摺動性を高める目的で添加される成分であり、摺動性を付与することのできる粒子であれば特に限定されない。このような粒子としては、トナーの分野で従来用いられてきたものを特に制限無く用いることができる。本発明では、正帯電性の潤滑剤粒子と負帯電性の潤滑剤粒子とを組み合わせて用いるのがポイントである。
正帯電性の潤滑剤粒子は、キャリアや帯電ブレードとの間の摩擦帯電により正に帯電する潤滑剤粒子である。このような潤滑剤粒子は公知であり、脂肪酸の金属塩粒子が好ましく例示される。このような脂肪酸の金属塩の一例として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛等が好ましく挙げられ、中でもステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムがより好ましく挙げられる。正帯電性の潤滑剤粒子の含有量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.01〜0.5質量部であることが好ましく、0.03〜0.2質量部であることがより好ましい。正帯電性の潤滑剤粒子は、単独の種類であってもよいし、二種以上を組み合わせたものであってもよい。
負帯電性の潤滑剤粒子は、キャリアや帯電ブレードとの間の摩擦帯電により負に帯電する潤滑剤粒子である。このような潤滑剤粒子は公知であり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン、窒化ホウ素、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリフッ化ビニリデンが好ましく例示され、それらの中でも窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がより好ましく例示される。負帯電性の潤滑剤粒子の含有量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.01〜0.5質量部であることが好ましく、0.03〜0.2質量部であることがより好ましい。負帯電性の潤滑剤粒子は、単独の種類であってもよいし、二種以上を組み合わせたものであってもよい。なお、トナー母粒子の単位質量(例えば1g)当たりの帯電量の絶対値よりも、負帯電性の潤滑剤粒子の単位質量(例えば1g)当たりの帯電量の絶対値が大きいことが好ましい。
本発明のトナーには、上記の成分に加えて、その他の成分を外添剤として用いてもよい。これらの成分は、トナー母粒子の表面に付着してトナー母粒子の帯電特性を向上させたり、トナー母粒子と分離した状態で存在してトナーの流動性を向上させたりする等の役割をもつ。このような成分としては、無機酸化物粒子が好ましく用いられる。
無機酸化物粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素等が挙げられる。これらの中でも、シリカを好ましく挙げることができる。無機酸化物粒子は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
無機酸化物粒子は、その表面が疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の方法としては、従来公知の疎水化処理剤を疎水化処理前の無機酸化物粒子の表面に接触させて、疎水性のある官能基や成分を無機酸化物粒子の表面に化学結合させたり付着させたりする方法が挙げられる。無機酸化物粒子を疎水化処理するための疎水化処理剤としては、特に限定はなく、従来公知のものを挙げることができる。このような疎水化処理剤として、オクチルトリエトキシシラン、ポリジメチルシロキサン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等を好ましく例示することができる。これらの疎水化処理剤は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、市販の疎水化無機酸化物粒子を無機酸化物粒子として用いてもよい。
外添剤として添加される無機酸化物粒子の量は、上記トナー母粒子100質量部に対して2〜12質量部程度を挙げることができるが、所望の性能を得るために、適宜調整をすることができる。
<トナーの調製>
上記のトナー母粒子及び外添剤を混合することにより、トナーが調製される。その際、トナーの諸特性を向上させるために他の成分を適宜加えてもよい。
トナー母粒子及び外添剤を混合する際に用いられる混合装置としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等が挙げられる。混合装置は、これらに限定されず、粉体を混合できる装置であればいずれの混合装置も用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の静電荷像現像用トナーを詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
[トナー母粒子の調製]
結着樹脂として市販のポリエステル樹脂(商品名:FC1565、三菱レイヨン株式会社製)64.5部と、同じく結着樹脂として市販のポリエステル樹脂(商品名:ER561、三菱レイヨン株式会社製)15.6部と、着色剤として黄色着色剤(ピグメントイエロー180系着色剤)11.9部と、電荷制御剤4部と、離型剤として脂肪酸エステルワックス(商品名:WE−10、日油株式会社製)4部と、をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸押出機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融及び固化させ、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積中位粒径が7.5μmの負帯電性トナー母粒子を得た。
[トナーの調製]
表1及び2に記載の配合にて各材料を配合した後、これをヘンシェルミキサーで5分間混合し、実施例1〜4、及び比較例1〜3のトナーを得た。なお、表1及び2に示す配合量は質量部である。なお、表1及び2において、「シリカ粒子」はヘキサメチルジシラザンで表面処理されたマイナス極性シリカ粒子(BET表面積;50m/g)であり、ステアリン酸亜鉛粒子、窒化ホウ素粒子、PTFE粒子及びシリコーン粒子は潤滑剤粒子であり、これらのうち、ステアリン酸亜鉛粒子が正帯電性であり、窒化ホウ素粒子、PTFE粒子及びシリコーン粒子が負帯電性である。また、表1及び2において、「酸化チタン粒子」は、平均一次粒子径15nmのアルキルシランで表面処理された酸化チタンである。
[高画線率条件下での印刷試験(フィルミング)]
評価用非磁性二成分方式の負帯電性帯電方式の複合機を用いて、温度25℃、湿度50%の環境で印字率90%チャートを13,000枚印刷し、フィルミングの発生状況を確認した。そして、フィルミングの発生が認められたものを「×」とし、フィルミングの発生が認められなかったものを「○」とし、両者の中間付近と認められるものを「△」としたときの評価結果を表1及び2の「フィルミング」欄に示す。
[低画線率条件下での印刷試験]
評価用非磁性二成分方式の負帯電性帯電方式の複合機を用いて、温度25℃、湿度50%の環境で印字率5%チャートを13,000枚印刷し、PCR汚れの状況を確認した。そして、PCR汚れの発生が認められたものを「×」とし、実用上問題となるPCR汚れの認められないものを「○」とし、両者の中間付近と認められるものを「△」としたときの評価結果を表1及び2の「PCR汚れ」欄に示す。
Figure 0006713351
Figure 0006713351
表1及び2に示すように、本発明のトナーによれば、高画線率画像におけるフィルミングや、低画線率画像におけるPCR汚れが抑制されており、感光体表面のクリーニング性に優れることが理解される。

Claims (4)

  1. トナー母粒子及び外添剤を含み、
    前記外添剤の成分として正帯電性の潤滑剤粒子及び負帯電性の潤滑剤粒子の両方をそれぞれ含み、前記負帯電性の潤滑剤粒子として窒化ホウ素を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記正帯電性の潤滑剤粒子が、脂肪酸金属塩からなる群より選択される少なくとも一つであり、前記負帯電性の潤滑剤粒子が、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル及びシリコーンからなる群より選択される少なくとも一つである請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記正帯電性の潤滑剤粒子の含有量が、前記トナー母粒子100質量部に対して0.01〜0.5質量部であり、前記負帯電性の潤滑剤粒子の含有量が、前記トナー母粒子100質量部に対して0.01〜0.5質量部である請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記正帯電性の潤滑剤粒子としてステアリン酸亜鉛を含む請求項1〜のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
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