JP6521613B2 - 静電荷像現像用トナー母粒子、及びそれを用いた静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー母粒子、及びそれを用いた静電荷像現像用トナー Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー母粒子、及びそれを用いた静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真方式による画像形成法は、高品質な印刷物(画像や印字等)を高速に得ることができるため、各種プリンタ、複写機、ファクシミリ等(以下、電子写真方式を用いたこれらの装置をまとめてプリンタとも呼ぶ。)において広く用いられている。この画像形成法では、帯電させた感光体の表面に対して所望の画像に応じた露光を行うことで静電荷像を形成させ、次いでその静電荷像に静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」とも呼ぶ。)を静電的に付着させることにより感光体の表面にトナーによる画像を形成させ、その後この画像を紙等の記録媒体に転写させることで、当該記録媒体上に所望の画像が形成される。
記録媒体上に形成されたトナーによる画像は、画像が形成された直後は粉末状であるが、定着ローラーによる加熱及び加圧を受ける定着過程を経て記録媒体上に固定される。このとき、トナーに含まれる樹脂成分(結着樹脂やバインダー等と呼ばれる。)や離型剤(ワックス)が熱によって一旦溶融することで、粉末状だったトナーは液状の溶融物となり、その後これが冷却されることで記録媒体の表面に密着したフィルムが形成される。このフィルムが記録媒体上に固定された画像や印字等になる。
近年、省エネルギーの観点から、この定着過程における加熱温度、すなわち定着温度の低温化が求められている。それに伴い、使用されるトナーについても、低融点の離型剤を適用することで定着ローラーからの離型性を確保したり、平均分子量の小さな樹脂成分を適用することで溶融温度を低くしたりする等の対応が必要になる。このようなトナー用の離型剤の一例として、特許文献1には示差走査型熱量計において所定の融解温度を有する平均炭素数30〜40の炭化水素型ワックスが提案されている。
特開2001−051445号公報
しかしながら、これまでの技術では低温定着性に限界があり、現在主流になりつつある低温定着仕様のプリンタにおいて、トナーと用紙との界面付近が十分に溶融されないために、トナーが用紙に接着されず定着ローラーに残留して画像が一部切り取られてしまう低温オフセットという現象を生じることがあった。
このような問題を解決するには、構成する樹脂成分の平均分子量を小さくして溶融温度を低くすることが有効である。しかしながら、樹脂成分の平均分子量を低下させて単に溶融温度のみを低下させようとすると、より高い定着温度域を備えた別のプリンタへそのトナーを用いた際に、トナーの溶融が進みすぎて溶融トナーの凝集力が不足してしまい、それに伴う離型性不足により定着ローラーにトナーが付着するようになる、ホットオフセットと呼ばれる現象を生じる場合がある。ホットオフセットを生じた場合、定着ローラーと記録媒体(紙等)との間の離型性が不足して、定着ローラーに記録媒体(紙等)が巻きついたり、画像に爪痕と呼ばれる画像不良を生じたりすることにつながる。
上記のように、低温での定着性と高温での離型性との間ではトレードオフの関係が成立するので、既存の技術では定着温度域が狭くなりがちであり、プリンタごとにトナーの成分設計を行わなくてはならず、トナーの設計が大変煩雑なものになっている。こうした背景から、より広い定着温度域に対応することのできるトナーが求められているが、樹脂成分の平均分子量の調整や、離型剤の溶融温度の調整だけでは限界があるのも実情である。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、広い定着温度域に対応可能な静電荷像現像用トナー母粒子、及びそれを用いた静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、トナー母粒子に含まれる結着樹脂として少なくとも2種のポリエステルA及びBを使用し、一方のポリエステルAのガラス転移温度(Tg)がもう一方のポリエステルBのTgよりも10℃以上高いものとしたときに、トナー母粒子における両者の質量比をポリエステルA:ポリエステルB=5:95〜8:92とし、かつトナー母粒子に添加される荷電調整剤をサリチル酸ジルコニウムとすることにより、トナー母粒子が溶融した際の凝集力が向上し、低温での定着性と高温での離型性とが両立できることを見出した。そして、このようなトナー母粒子を用いて調製されたトナーは、より広い定着温度域に対応できるものとなった。本発明は、以上の知見により完成されたものであり、以下のものを提供する。
本発明は、結着樹脂、着色剤、離型剤及び荷電調整剤を含むトナー母粒子であって、上記結着樹脂としてポリエステルA及びポリエステルBを含有し、上記ポリエステルAのガラス転移温度(Tg)が上記ポリエステルBのTgよりも10℃以上高く、これらの含有比率が質量比でポリエステルA:ポリエステルB=5:95〜8:92で、トナー母粒子の全体質量に対する前記荷電調整剤の含有量が2〜5質量%であり、上記荷電調整剤がサリチル酸ジルコニウムであることを特徴とする静電荷像現像用トナー母粒子である。
上記ポリエステルBのTgは45〜55℃であることが好ましい。
本発明は、上記の静電荷像現像用トナー母粒子、及び外添剤とを含んでなる静電荷像現像用トナーでもある。
本発明によれば、広い定着温度域に対応可能な静電荷像現像用トナー母粒子、及びそれを用いた静電荷像現像用トナーが提供される。
以下、本発明の静電荷像現像用トナー母粒子、及び静電荷像現像用トナーの一実施形態について説明する。
<静電荷像現像用トナー母粒子>
静電荷像現像用トナー母粒子は、静電荷像現像用トナーを構成する主要な成分であり、これに外添剤と呼ばれる無機粒子を添加することで静電荷像現像用トナーが調製される。この静電荷像現像用トナー(上記のように、単に「トナー」とも呼ぶ。)は、電子写真方式における画像形成法に用いられ、キャリアとともに用いられる二成分トナーであってもよいし、キャリアを用いない一成分トナーであってもよい。また、本発明のトナー母粒子を用いて調製されるトナーは、磁性材料を含む磁性トナーであってもよいし、磁性材料を含まない非磁性トナーであってもよい。
本発明のトナー母粒子は、結着樹脂、着色剤、離型剤及び荷電調整剤を含み、トナーの主要成分となる。本発明のトナー母粒子では、上記結着樹脂としてポリエステルA及びポリエステルBの二種類のポリエステルを含有し、上記ポリエステルAのガラス転移温度(Tg)が上記ポリエステルBのTgよりも10℃以上高く、これらの含有比率が質量比でポリエステルA:ポリエステルB=5:95〜8:92であり、上記荷電調整剤がサリチル酸ジルコニウムであることを特徴とする。以下、各成分について説明する。
[結着樹脂]
結着樹脂は、バインダーとも呼ばれ、トナー母粒子に含まれる成分の一つである。結着樹脂は、トナー母粒子に含まれる着色剤を分散させるとともに、印刷の際の定着過程において定着ローラーの熱により記録媒体の表面で溶融したあと固化し、記録媒体の表面に着色剤を定着させる。
本発明のトナー母粒子では、結着樹脂の少なくとも一部として2種類のポリエステルとなるポリエステルA及びポリエステルBを含み、ポリエステルAのガラス転移温度(Tg)がポリエステルBのTgよりも10℃以上高くなるような組み合わせの樹脂を選択して用いられる。そして、これらポリエステルのトナー母粒子中の含有比率が質量比でポリエステルA:ポリエステルB=5:95〜8:92となるように組み合わせられる。一般に、Tgの高い結着樹脂は、高温定着で要求される適性(ホットオフセットの抑制等;以下、高温定着性とも呼ぶ。)を向上させるが低温定着で要求される適性(低温での定着性等;以下、低温定着性とも呼ぶ。)を低下させ、Tgの低い結着樹脂は、低温定着で要求される適性を向上させるが高温定着で要求される適性を低下させる。通常であれば、こうしたトレードオフの関係を考慮して、Tgの高い樹脂とTgの低い樹脂とをバランス良く組み合わせたものを結着樹脂として用いる。
しかしながら、本発明のトナー母粒子では、後述するように、高温定着で要求される適性をTgの高い樹脂のみならず特定の荷電調整剤でも付与することができるので、結着樹脂におけるTgの高い樹脂の使用を削減でき、その分をTgの低い樹脂に振り分けて低温定着性を向上させることができる。本発明のトナー母粒子では、このような理由により、Tgの高いポリエステルAの使用量がTgの低いポリエステルBのそれよりも大幅に少なくすることができるのであり、このような配合割合とすることで、低温定着性と高温定着性とを両立させている。なお、Tgの低い方の樹脂であるポリエステルBのTgは、45〜55℃であることが好ましい。
ポリエステルは、着色しやすく、鮮明な色彩のトナーが得られるとの観点から選択され、2価以上の多価アルコールと多塩基酸とからなるモノマー組成物を重合させることにより得られる。そして、ポリエステルのTgは、その分子量等を制御する等、公知の手段で調節することができる。
ポリエステルの重合に用いられる2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物等を挙げることができる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等を挙げることができる。
2価の多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物等を挙げることができる。
3価以上の多塩基酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、これらの酸の無水物等を挙げることができる。
必要に応じて、上記ポリエステルA及びポリエステルBに加えて、他の樹脂(ポリエステルA及びポリエステルB以外のポリエステルも含む。)を結着樹脂として用いてもよい。そのような樹脂としては、特に限定はなく、従来公知のものを挙げることができ、具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。これらの結着樹脂は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
トナー母粒子中の結着樹脂の添加量は、トナーに要求される性能等を考慮して適宜設定されればよいが、一例として、トナー母粒子100質量部中に50〜95質量部であることを挙げることができる。また、上記ポリエステルA及びポリエステルBに加えて他の樹脂を組み合わせて結着樹脂とする場合、結着樹脂全体における、ポリエステルA及びポリエステルBの合計添加量としては、結着樹脂の全体に対して70〜100質量%であることを例示することができる。
[荷電調整剤]
荷電調整剤は、通常、トナーの帯電量を調節するためにトナー母粒子に添加される成分である。しかし、本発明のトナー母粒子では、トナーの帯電量を調整することに加えて低温定着性を向上させるために特定の化合物が荷電調整剤として添加される。
本発明では、荷電調整剤としてサリチル酸ジルコニウムが用いられる。本発明者らは、上記ポリエステルB(Tgが低いポリエステル)とこの荷電調整剤とを組み合わせることにより、意外にも、ポリエステルBと他の荷電調整剤とを組み合わせた場合に比べて高温定着性が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。荷電調整剤としてサリチル酸ジルコニウムを用いることにより、ポリエステルBの高温定着性が改善される理由は必ずしも明らかではないが、サリチル酸ジルコニウムとして供給されたジルコニウムイオンが、カルボニル基等の極性基を豊富に含むポリエステルBを架橋し、これを見かけ上高分子量化することによってポリエステルBが溶融したときの凝集力を高め、高温定着性を向上させるものと考えられる。
トナー母粒子中の荷電調整剤の含有量は、2〜5質量%が好ましく、2〜3質量%がより好ましい。トナー母粒子中の荷電調整剤の含有量が2質量%以上であれば、十分な高温定着性を得ることができるので好ましく、トナー母粒子中の荷電調整剤の含有量が5質量%以下であれば、高温定着性とその他の適性とのバランスを取れるので好ましい。
本発明のトナー母粒子には、必要に応じて上記サリチル酸ジルコニウムに加えて他の荷電調整剤を添加してもよい。このような他の荷電調整剤としては、ニグロシン、塩基性染料、モノアゾ染料などの金属錯体、サリチル酸やジカルボン酸等といったカルボン酸のクロムやジルコニウム等といった金属との塩又は錯体、有機染料、ナフテン酸や高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、芳香族系重縮合物等の樹脂型帯電制御剤等を挙げることができる。これら他の荷電調整剤は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
[着色剤]
着色剤は、トナーに着色力を与えるものであり、トナー母粒子に含まれる成分の一つである。本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に限定はなく、従来公知の各種顔料を挙げることができる。
具体的には、黒色の着色剤として、カーボンブラック、黒色を呈する磁性粉等が例示され、シアン色の着色剤の材料として、銅フタロシアニン、メチレンブルー、ビクトリアブルー等が例示され、マゼンタ色の着色剤として、ローダミン染料、ジメチルキナクリドン、ジクロロキナクリドン、カーミンレッド等が例示され、黄色の着色剤として、ベンジジンイエロー、クロムイエロー、ナフトールイエロー、ジスアゾイエロー等が例示される。その他、所望とする色に応じた着色剤を適宜選択して用いることができる。
トナー母粒子中の着色剤の添加量は、トナーに要求される着色力等といった性能等を考慮して適宜設定されればよいが、一例として、トナー母粒子100質量部中に1〜15質量部とすることを挙げることができる。なお、樹脂中に高濃度の顔料を予め分散させたマスターバッチが各種市販されているので、それを購入して着色剤として用いてもよい。この場合、トナー母粒子に含まれる顔料の濃度が上記の範囲になるように、マスターバッチに含まれる顔料の濃度を考慮してその使用量を決定すればよい。
[離型剤]
離型剤は、ワックスとも呼ばれ、トナー母粒子に含まれる成分の一つである。離型剤は、印刷の際の定着過程において定着ローラーと印刷面(正確には、紙等の記録媒体の表面に存在するトナーである。)との間の離型性を高めるために用いられる。
離型剤としては、トナー母粒子の離型剤として通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。このような離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の炭化水素系ワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニル、モンタン系エステルワックス等のエステルワックス、カルナバワックス、ライスワックス、フィシャートロピシュワックス等を挙げることができる。これらの離型剤は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの離型剤の中でも、炭化水素系のワックスを好ましく例示できる。
トナー母粒子中の離型剤の添加量は、トナーに要求される性能等を考慮して適宜設定されればよいが、一例として、トナー母粒子100質量部中に2〜12質量部であることを挙げることができる。離型剤の添加量がこの範囲であることにより、印刷(すなわち画像形成や印字)の際の定着過程において定着ローラーと印刷面との良好な離型性が得られるとともに、トナー母粒子から離型剤が溶出することに伴う帯電不良やフィルミング等の各種トラブルを抑制することができる。トナー母粒子中の離型剤の添加量は、トナー母粒子100質量部に対して2〜10質量部であることがより好ましく、3.5〜8質量部であることがさらに好ましい。
[トナー母粒子の調製]
上記の各成分からトナー母粒子が調製される。なお、この際、必要とされる各種適性に応じて他の成分を添加することも可能である。トナー母粒子の調製に際しては、まず、上記の各種成分を混合し、その後、結着樹脂の溶融温度以上の温度となるように加熱しながらこれらの成分を混練する。混練に際しては、二軸押出機や三本ロールミル等の混練機を用いることができる。こうして得られた混練物を冷却固化させた後、粉砕機によって粉砕し、その後分級することでトナー母粒子が得られる。混練物の粉砕に用いる粉砕機としては、特に制限はなく、例えば、ジェットミル、ターボミル、ロータ式粉砕機等を挙げることができる。粉砕及び分級後のトナー母粒子の体積中位粒径(D50)としては、4〜10μmが好ましく例示され、5〜9μmがより好ましく例示される。
なお、体積中位粒径(D50)とは、体積基準のメジアン径とも呼ばれ、径がこの値より小さい粒子の体積合計と、径がこの値よりも大きい粒子の体積合計とが、全体の体積合計の各々50%ずつである値を示すものである。体積中位粒径(D50)は、粒度分布測定を行うことにより算出できる。このような粒度分布測定装置として、例えば、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザー3」を挙げることができる。
<静電荷像現像用トナー>
静電荷像現像用トナーは、既に説明した通り、電子写真方式における画像形成法に用いられ、本発明の一つである。本発明のトナーは、上記本発明のトナー母粒子と無機粒子である外添剤とを混合することで調製される。このようなトナーが低温定着性と高温定着性とを両立できることについては既に述べた通りである。以下、外添剤、及びトナーの調製方法について説明する。
[外添剤]
外添剤は、トナー母粒子へ添加されることでトナー母粒子とともにトナーを構成する粒子成分である。外添剤は、トナー母粒子の表面に付着してトナー母粒子の帯電特性を向上させたり、トナー母粒子と分離した状態で存在してトナーの流動性を向上させたりする等の役割をもつ。本発明における外添剤としては、無機酸化物粒子が好ましく用いられる。
無機酸化物粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素等が挙げられる。これらの中でも、シリカを好ましく挙げることができる。無機酸化物粒子は、単独で、又は二以上を組み合わせて用いることができる。
無機酸化物粒子は、その表面が疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の方法としては、従来公知の疎水化処理剤を疎水化処理前の無機酸化物粒子の表面に接触させて、疎水性のある官能基や成分を無機酸化物粒子の表面に化学結合させたり付着させたりする方法が挙げられる。無機酸化物粒子を疎水化処理するための疎水化処理剤としては、特に限定はなく、従来公知のものを挙げることができる。このような疎水化処理剤として、オクチルトリエトキシシラン、ポリジメチルシロキサン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等を好ましく例示することができる。これらの疎水化処理剤は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、市販の疎水化無機酸化物粒子を無機酸化物粒子として用いてもよい。
[トナーの調製]
上記のトナー母粒子及び外添剤を混合することにより、トナーが調製される。その際、トナーの諸特性を向上させるために他の成分を適宜加えてもよい。
トナー母粒子及び外添剤を混合する際に用いられる混合装置としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等が挙げられる。混合装置は、これらに限定されず、粉体を混合できる装置であればいずれの混合装置も用いることができる。
本発明のトナーは、低温で溶融された場合であっても紙等の記録媒体への優れた接着性を示すとともに、高温で溶融された場合であっても凝集力を維持して離型性を保持するので定着ローラーへのホットオフセットを抑制する。このように、本発明のトナーは低温定着性及び高温定着性の両方を備えるので、本発明のトナーによれば、電子写真方式による画像形成装置において広い定着温度域に対応することが可能となる。
以下に実施例を挙げて本発明の静電荷像現像用トナー母粒子、及び静電荷像現像用トナーをさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
[トナー母粒子B1の調製]
市販のポリエステルA(Tg:64℃、非晶性)6.0部、市販のポリエステルB(Tg:50℃、非晶性)79.1部、ワックス(パラフィンワックス)5.0部、荷電調整剤(サリチル酸ジルコニウム)3.0部、及び着色剤(カーボンブラック)7.0部をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸混練機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融し、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積平均粒子径が6.5μmのトナー母粒子B1を得た。
[トナー母粒子B2の調製]
上記ポリエステルA 6.0部、上記ポリエステルB 80.0部、上記ワックス5.0部、荷電調整剤(サリチル酸ジルコニウム)2.0部、及び着色剤(カーボンブラック)7.0部をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸混練機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融し、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積平均粒子径が6.5μmのトナー母粒子B1を得た。
[トナー母粒子B3の調製]
サリチル酸ジルコニウムに代えて、スチレン−アクリル共重合体を荷電調整剤として用いたこと以外は、上記トナー母粒子B1と同様の手順にてトナー母粒子B3を得た。
[トナー母粒子Y1の調製]
上記ポリエステルA 5.9部、上記ポリエステルB 70.3部、上記ワックス5.0部、荷電調整剤(サリチル酸ジルコニウム)3.0部、及びイエローの着色顔料を含む市販のマスターバッチ(ベンゾイミダゾロン顔料を50質量%含有)15.8部をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸混練機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融し、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積平均粒子径が6.5μmのトナー母粒子Y1を得た。
[トナー母粒子Y2の調製]
上記ポリエステルA 6.0部、上記ポリエステルB 71.2部、上記ワックス5.0部、荷電調整剤(サリチル酸ジルコニウム)2.0部、及びイエローの着色顔料を含む市販のマスターバッチ(ベンゾイミダゾロン顔料を50質量%含有)15.8部をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸混練機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融し、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積平均粒子径が6.5μmのトナー母粒子Y2を得た。
[トナー母粒子Y3の調製]
サリチル酸ジルコニウムに代えて、スチレン−アクリル共重合体を荷電調整剤として用いたこと以外は、上記トナー母粒子Y1と同様の手順にてトナー母粒子Y3を得た。
[トナー母粒子M1の調製]
上記ポリエステルA 5.9部、上記ポリエステルB 69.9部、上記ワックス5.0部、荷電調整剤(サリチル酸ジルコニウム)3.0部、マゼンタの着色顔料を含む市販のマスターバッチ(カーミン6B顔料を40質量%含有)9部、及び同じく市販のマスターバッチ(ジメチルキナクリドン顔料を50質量%含有)7.2部をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸混練機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融し、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積平均粒子径が6.5μmのトナー母粒子M1を得た。
[トナー母粒子M2の調製]
上記ポリエステルA 6.0部、上記ポリエステルB 70.8部、上記ワックス5.0部、荷電調整剤(サリチル酸ジルコニウム)2.0部、マゼンタの着色顔料を含む市販のマスターバッチ(カーミン6B顔料を40質量%含有)9部、及び同じく市販のマスターバッチ(ジメチルキナクリドン顔料を50質量%含有)7.2部をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸混練機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融し、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積平均粒子径が6.5μmのトナー母粒子M2を得た。
[トナー母粒子M3の調製]
サリチル酸ジルコニウムに代えて、スチレン−アクリル共重合体を荷電調整剤として用いたこと以外は、上記トナー母粒子M1と同様の手順にてトナー母粒子M3を得た。
[トナー母粒子C1の調製]
上記ポリエステルA 5.9部、上記ポリエステルB 71.7部、上記ワックス5.0部、荷電調整剤(サリチル酸ジルコニウム)3.0部、及びシアンの着色顔料を含む市販のマスターバッチ(銅フタロシアニン顔料を50質量%含有)14.4部をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸混練機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融し、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積平均粒子径が6.5μmのトナー母粒子C1を得た。
[トナー母粒子C2の調製]
上記ポリエステルA 6.0部、上記ポリエステルB 72.6部、上記ワックス5.0部、荷電調整剤(サリチル酸ジルコニウム)2.0部、及びシアンの着色顔料を含む市販のマスターバッチ(銅フタロシアニン顔料を50質量%含有)14.4部をヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸混練機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融し、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積平均粒子径が6.5μmのトナー母粒子C2を得た。
[トナー母粒子C3の調製]
サリチル酸ジルコニウムに代えて、スチレン−アクリル共重合体を荷電調整剤として用いたこと以外は、上記トナー母粒子C1と同様の手順にてトナー母粒子C3を得た。
[トナーの調製]
上記の各トナー母粒子のそれぞれについて、トナー母粒子の100部に対して、外添剤としてシリカ粒子A(商品名:アエロジルR972、日本アエロジル株式会社製)1.0部、及び酸化チタン粒子B(商品名:JMT−150AO、テイカ株式会社製)1.0部を加えてヘンシェルミキサーで混合して、実施例及び比較例のトナーを得た。原料として用いたトナー母粒子の種類と、それから得られたトナーのサンプル名との対応は下記表1及び2の通りである。
[定着性の評価]
市販の電子写真方式のカラープリンタにおける定着器部分を改造して任意の定着温度に設定できるようにした試験機を用い、各実施例及び比較例のトナーについてコールドオフセットを生じない下限の温度、及びホットオフセットを生じない上限の温度を求めた。コールドオフセットを生じない下限の温度が低いほど低温での定着性に優れ、より低い定着温度域のプリンタであってもトナーが十分に溶融して記録用紙への密着が得られることになる。また、ホットオフセットを生じない上限の温度が高いほど高温での定着性に優れ、より高い定着温度域のプリンタであっても溶融トナーの凝集力が維持され、定着ローラーに対する離型性が十分となって定着ローラーの汚れや画像への爪痕の発生が抑制されることになる。その結果を表1及び2に示した。
Figure 0006521613
Figure 0006521613
表1及び2に示したように、ポリエステルAのTgがポリエステルBのそれよりも10℃以上高い場合に、これらの含有比率をポリエステルA:ポリエステルB=5:95〜8:92のようにTgの低いポリエステルBを優位として低温定着性を向上させたとき、荷電調整剤をサリチル酸ジルコニウムとすると高温定着性も良好に維持されることがわかる。このような処方を行うことにより低温定着性と高温定着性という、相反する性能を両立できることが理解される。

Claims (3)

  1. 結着樹脂、着色剤、離型剤及び荷電調整剤を含むトナー母粒子であって、
    前記結着樹脂としてポリエステルA及びポリエステルBを含有し、前記ポリエステルAのガラス転移温度(Tg)が前記ポリエステルBのTgよりも10℃以上高く、これらの含有比率が質量比でポリエステルA:ポリエステルB=5:95〜8:92で、トナー母粒子の全体質量に対する前記荷電調整剤の含有量が2〜5質量%であり、
    前記荷電調整剤がサリチル酸ジルコニウムであることを特徴とする静電荷像現像用トナー母粒子。
  2. 前記ポリエステルBのTgが45〜55℃である請求項1記載の静電荷像現像用トナー母粒子。
  3. 請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー母粒子、及び外添剤とを含んでなる静電荷像現像用トナー。
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