JP2022146467A - 静電荷像現像用トナー組成物 - Google Patents

静電荷像現像用トナー組成物 Download PDF

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Shintaro Murata
巧 稲田
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Abstract

【課題】酸化チタンを含有せず、優れた画像濃度、帯電量および帯電安定性を示す静電荷像現像用トナー組成物を提供する。【解決手段】トナー粒子と、外添剤とを含み、外添剤は、水酸化アルミニウムおよび有機物により表面処理された、粒径10~30nmのシリカ粒子を含む、静電荷像現像用トナー組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー組成物に関する。より詳細には、本発明は、酸化チタンを含有せず、優れた画像濃度、帯電量および帯電安定性を示す静電荷像現像用トナー組成物に関する。
従来、トナー組成物を含む静電荷像現像剤において、長期にわたり安定な画像を出力するために、酸化チタン等の外添剤が配合されている(たとえば特許文献1参照)。
特開2003-122046号公報
酸化チタンは、発がん性を示す懸念がある。しかしながら、酸化チタンを用いない場合、現像剤のトナー組成物の帯電量が過剰に上がり、トナー組成物のクリーニング性の低下、現像性および転写性の低下が起きるなどの問題が生じやすい。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、酸化チタンを含有せず、優れた画像濃度、帯電量および帯電安定性を示す静電荷像現像用トナー組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、トナー粒子のほか、外添剤として、水酸化アルミニウムおよび有機物により表面処理された、粒径10~30nmのシリカ粒子を含む場合に、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。上記課題を解決する本発明は、以下の構成を主に備える。
(1)トナー粒子と、外添剤とを含み、前記外添剤は、水酸化アルミニウムおよび有機物により表面処理された、粒径10~30nmのシリカ粒子を含む、静電荷像現像用トナー組成物。
このような構成によれば、静電荷像現像用トナー組成物は、酸化チタンを含有せずとも、優れた画像濃度、帯電量および帯電安定性を示す。
(2)前記有機物は、炭素数8~12のアルキルシラン、または、炭素数16~20の飽和脂肪酸のうち、少なくともいずれか一方を含む、(1)記載の静電荷像現像用トナー組成物。
このような構成によれば、静電荷像現像用トナー組成物は、流動性、帯電性、クリーニング性等が良好となる。
(3)前記有機物は、デシルシラン、または、ステアリン酸のうち、少なくともいずれか一方を含む、(1)または(2)記載の静電荷像現像用トナー組成物。
このような構成によれば、静電荷像現像用トナー組成物は、帯電安定性および環境安定性が良好となる。
本発明によれば、酸化チタンを含有せず、優れた画像濃度、帯電量および帯電安定性を示す静電荷像現像用トナー組成物を提供することができる。
<静電荷像現像用トナー組成物>
本発明の一実施形態の静電荷像現像用トナー組成物(以下、トナー組成物ともいう)は、トナー粒子と、外添剤とを含む。外添剤は、水酸化アルミニウムおよび有機物により表面処理された、粒径10~30nmのシリカ粒子を含む。以下、それぞれについて説明する。
(トナー粒子)
トナー粒子は特に限定されない。一例を挙げると、トナー粒子は、バインダー樹脂と、着色剤と、離型剤とを含む。
・バインダー樹脂
バインダー樹脂は、トナー組成物に含まれる着色剤を分散させるとともに、印刷の際の定着過程において定着ローラの熱により記録媒体の表面で溶融したあと固化し、記録媒体の表面に着色剤を定着させるために配合される。
バインダー樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、バインダー樹脂は、ポリスチレン、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂等の樹脂材料である。バインダー樹脂は、併用されてもよい。これらの中でも、バインダー樹脂は、着色しやすく、鮮明な色彩のトナーが得られる点からは、ポリエステルであることが好ましい。
なお、ポリエステルは、2価以上の多価アルコールと多塩基酸とからなるモノマー組成物を重合させることにより得られる。ポリエステルの重合に用いられる2価のアルコールは特に限定されない。一例を挙げると、2価のアルコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物等である。
3価以上の多価アルコールは、特に限定されない。一例を挙げると、3価以上のアルコールは、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセリン、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等を挙げることができる。
2価の多塩基酸は、特に限定されない。一例を挙げると、2価の多塩基酸は、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物等である。
3価以上の多塩基酸は、特に限定されない。一例を挙げると、3価以上の多塩基酸は、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、これらの酸の無水物等である。
バインダー樹脂の含有量は特に限定されない。バインダー樹脂の含有量は、トナーに要求される性能等を考慮して適宜調整されればよい。一例を挙げると、バインダー樹脂の含有量は、トナー粒子100質量部中、50~95質量部であることが好ましい。
・着色剤
着色剤は、トナー組成物に着色力を与えるために配合される。
着色剤は特に限定されない。一例を挙げると、着色剤は、カーボンブラック等の黒色を呈する磁性粉等の着色剤、銅フタロシアニン、メチレンブルー、ビクトリアブルー等のシアン色を呈する着色剤、ローダミン染料、ジメチルキナクリドン、ジクロロキナクリドン、カーミンレッド等のマゼンタ色を呈する着色剤、ベンジジンイエロー、クロムイエロー、ナフトールイエロー、ジスアゾイエロー等のイエロー色を呈する着色剤等である。着色剤は併用されてもよい。
着色剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、着色剤の含有量は、トナー組成物中、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。なお、樹脂中に高濃度の顔料を予め分散させたマスターバッチが各種市販されているので、それを購入して着色剤として用いてもよい。この場合、トナー組成物に含まれる顔料の濃度が上記範囲内となるように、マスターバッチに含まれる顔料の濃度を考慮してその使用量が決定され得る。
・離型剤
離型剤は特に限定されるものではなく公知の種々のワックスを用いることができる。一例を挙げると、たとえばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトン等のジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等のエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等のアミド系ワックス等が挙げられる。離型剤は併用されてもよい。これらの中でも、離型剤は、エステル系ワックスと炭化水素系のワックスが好ましい。
離型剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、離型剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、通常1~30質量部の範囲内とすることができ、好ましくは5~20質量部の範囲内である。トナー粒子中の離型剤の含有量は、3~15質量%の範囲内にあることが好ましい。離型剤の含有量が上記範囲内であることにより、得られるトナー組成物は、印刷時の定着過程において、定着ローラと印刷面との良好な離型性が得られる。また、トナー組成物は、離型剤が滲出しにくく、帯電不良やフィルミング等を生じにくい。
・その他の成分
トナー粒子は、上記のほか、たとえば、荷電調整剤等である。荷電調整剤は、トナー組成物の帯電量を調節するために好適に配合される。
荷電調整剤は特に限定されない。一例を挙げると、荷電調整剤は、ニグロシン、塩基性染料、モノアゾ染料などの金属錯体、サリチル酸やジカルボン酸等といったカルボン酸とクロム、ジルコニウム、アルミニウム等といった金属との塩または錯体、有機染料、ナフテン酸や高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、芳香族系重縮合物等の樹脂型荷電調整剤等である。荷電調整剤は、併用されてもよい。これらのなかでも、帯電の安定性の点から、トナー組成物は、樹脂型荷電調整剤を含むことが好ましい。
荷電調整剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、荷電調整剤の含有量は、トナー粒子中、含有しなくてもいいが、0.5質量%以上であることが好ましい。また、荷電調整剤の含有量は、トナー粒子中、8質量%以下であることが好ましい。荷電調整剤の含有量が上記範囲内であることにより、得られるトナー組成物は、帯電性がより優れる。
(外添剤)
外添剤は、トナー粒子の表面に付着し、トナー粒子の帯電特性を向上させたり、トナー粒子と分離した状態で存在してトナー組成物の流動性を向上させたり、印刷適性を改善させたりするために配合される。
本実施形態の外添剤は、水酸化アルミニウムおよび有機物により表面処理された、粒径10~30nmのシリカ粒子を含む。
有機物は特に限定されない。有機物は、炭素数8~12のアルキルシラン、または、炭素数16~20の飽和脂肪酸のうち、少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。これにより、トナー組成物は、流動性、帯電性、クリーニング性等が良好となる。
これらの中でも、有機物は、デシルシラン、または、ステアリン酸のうち、少なくともいずれか一方を含むことがさらに好ましい。これにより、トナー組成物は、帯電安定性および環境安定性が良好となる。
シリカ粒子の粒径(平均一次粒径)は、10nm以上であればよく、12nm以上であることがより好ましい。また、シリカ粒子の粒径(平均一次粒径)は、30nm以下であればよく、20nm以下であることがより好ましい。シリカ粒子の粒径が10nm未満である場合、トナー組成物は、帯電安定性が劣り、帯電低下を引き起こすおそれがある。一方、シリカ粒子の粒径が30nmを超える場合、シリカ粒子の脱離による部材汚染を引き起こすおそれがある。本実施形態において、シリカ粒子の粒径(平均一次粒径)は、透過型電子顕微鏡写真を撮影し、粒子を画像処理することによってそれぞれの粒子の長軸の長さ(nm)と短軸の長さ(nm)を求めた。
シリカ粒子の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、シリカ粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対し、0.5質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましい。また、シリカ粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対し、5質量部以下であることが好ましく、4質量部以下であることがより好ましい。シリカ粒子の含有量が上記範囲内であることにより、トナー組成物は、流動性、帯電性、クリーニング性等が良好となる。
水酸化アルミニウムおよび有機物によりシリカ粒子を表面処理する方法は特に限定されない。一例を挙げると、シリカは、水酸化アルミニウムによる無機処理が行われ、かつ、上記有機物による有機処理が行われる。無機処理の方法は、たとえば、塩化アルミニウムなどの塩を添加し、加水分解させて水酸化アルミニウムをシリカ粒子表面に析出させる方法などが挙げられる。有機処理の方法は、たとえば、アルカリ金属の脂肪酸塩を添加し、その後、硫酸などの強酸を加えることによって遊離した脂肪酸をシリカ粒子表面に析出させる方法などが挙げられる。
本実施形態のシリカは、水酸化アルミニウムによる無機処理によって、シリカの抵抗を調整している。また、シリカは、有機物による有機処理によって、疎水性が付与される。これにより、得られるトナー組成物は、帯電性および環境安定性が優れる。
外添剤は、水酸化アルミニウムおよび有機物により表面処理された、粒径10~30nmのシリカ粒子のほか、他の外添剤を適宜含んでもよい。他の外添剤は特に限定されない。一例を挙げると、他の外添剤は、負帯電性の潤滑剤粒子、正帯電性の潤滑剤粒子、無機酸化物粒子(ただし上記シリカ粒子を除く)等である。これらは併用されてもよい。
正帯電性の潤滑剤粒子は、キャリアや帯電ブレードとの間の摩擦帯電により正に帯電する潤滑剤粒子である。このような潤滑剤粒子は公知であり、脂肪酸の金属塩粒子が好ましく例示される。このような脂肪酸の金属塩の一例として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛等が好ましく挙げられ、中でもステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムがより好ましく挙げられる。正帯電性の潤滑剤粒子は、単独の種類であってもよいし、二種以上を組み合わせたものであってもよい。
負帯電性の潤滑剤粒子は、キャリアや帯電ブレードとの間の摩擦帯電により負に帯電する潤滑剤粒子である。このような潤滑剤粒子は公知であり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン、窒化ホウ素、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリフッ化ビニリデンが好ましく例示され、それらの中でも窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がより好ましく例示される。負帯電性の潤滑剤粒子は、単独の種類であってもよいし、二種以上を組み合わせたものであってもよい。
無機酸化物粒子は特に限定されない。一例を挙げると、無機酸化物粒子は、アルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素等である。無機酸化物粒子は併用されてもよい。
無機酸化物粒子は、表面が疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の方法は特に限定されない。一例を挙げると、疎水化処理の方法は、従来公知の疎水化処理剤を疎水化処理前の無機酸化物粒子の表面に接触させて、疎水性のある官能基や成分を無機酸化物粒子の表面に化学結合させたり付着させたりする方法である。無機酸化物粒子を疎水化処理するための疎水化処理剤は特に限定されない。一例を挙げると、疎水化処理剤は、オクチルトリエトキシシラン、ポリジメチルシロキサン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等である。疎水化処理剤は併用されてもよい。
本実施形態の外添剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対し、1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。また、外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対し、5質量部以下であることが好ましく、4質量部以下であることがより好ましい。外添剤の含有量が上記範囲内であることにより、得られるトナー組成物は、流動性、帯電性、クリーニング性等が良好となる。
以上、本実施形態のトナー組成物は、酸化チタンを含有せずとも、優れた画像濃度、帯電量および帯電安定性を示す。
<静電荷像現像用トナー組成物の製造方法>
本発明の一実施形態の静電荷像現像用トナー組成物の製造方法(以下、トナー組成物の製造方法ともいう)は、上記した静電荷像現像用トナー組成物を製造するための製造方法である。トナー組成物の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、トナー組成物の製造方法は、混練後、冷却固化した後、粉砕、分級、外添剤を添加する工程を含む。なお、これらの各工程は、いずれも従来周知のトナー組成物の製造方法において採用されている工程である。すなわち、本実施形態のトナー組成物の製造方法は、従来周知の方法により、従来周知の製造装置を用いてトナー組成物を作製し得る。
より具体的には、まず、混練工程において、上記したトナー粒子の各成分が溶融混練され、混練物が作製される。各成分の混合は、従来公知の各種混合装置(たとえば、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)等)を使用し得る。溶融混練には、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっている。たとえば、KTK型2軸押出機((株)神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械(株)製)、PCM混練機((株)池貝製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。なお、トナー材料として、上記バインダー樹脂や着色剤を含むマスターバッチを用いてもよい。
その後、混練物を冷却し、次いで、冷却された混練物を粉砕する(たとえば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、さらに、たとえば、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ(株)製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する)。粉砕工程で得られた粉体(粉砕物)は、分級される(たとえば、慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)の如き分級機や篩分機を用いて分級される)。粉砕および分級後のトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、4~10μmであることが好ましい。なお、本実施形態において、体積中位粒径(D50)は、体積基準のメジアン径とも呼ばれ、径がこの値より小さい粒子の体積合計と、径がこの値よりも大きい粒子の体積合計とが、全体の体積合計の各々50%ずつである値を示すものである。体積中位粒径(D50)は、粒度分布測定を行うことにより算出することができる。粒度分布測定装置は、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザー3」を挙げることができる。次いで、トナー粒子に外添剤を加え、従来公知の各種混合装置(たとえば、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)等)で攪拌混合し、トナー組成物を得る。
以上、本実施形態のトナー組成物の製造方法は、特殊な設備を要さず、既存設備と同様の設備を用いてトナー組成物を製造し得る。また、得られるトナー組成物は、上記のとおり、酸化チタンを含有せずとも、優れた画像濃度、帯電量および帯電安定性を示す。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
使用した原料および調製方法を以下に示す。
<トナー母粒子の調製>
バインダー樹脂として市販のポリエステル樹脂(商品名:FC1494、三菱ケミカル(株)製)58.8部と、同じくバインダー樹脂として市販のポリエステル樹脂(商品名:ER561、三菱ケミカル(株)製)25.0部と、着色剤として黄色着色剤(ピグメントイエロー180系着色剤)11.2部と、離型剤として脂肪酸エステルワックス(商品名:WE-10、日油(株)製)5部とをヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸押出機を用いて溶融混練した。得られた混練物を溶融および固化させ、ロートプレックスにて粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して体積中位粒径が6.5μmの負帯電性トナー母粒子を得た。
<シリカ粒子>
ワッカー社製、H05TD、表面処理:PDMS処理、粒径50nm
<酸化チタン粒子>
チタン工業(株)製、STT-30S、シランカップリング剤処理、粒径20~25nm
<シリカ>
シリカ1:試作品、サカタインクス(株)製、無機処理:水酸化アルミニウム、有機処理:デシルシランにて表面処理したシリカ粒子、粒径15nm
シリカ2:試作品、サカタインクス(株)製、無機処理:水酸化アルミニウム、有機処理:ステアリン酸にて表面処理したシリカ粒子、粒径15nm
<アルミナ>
アルミナ1:VP Alu C RK、アエロジル社製、表面処理:アルキルシラン処理
アルミナ2:試作品、キャボット社製、表面処理:PDMS処理
<その他>
酸化スズ:試作品、Sukgyung社製、表面処理:HMDS処理
<実施例1~4、比較例1~6、参考例>
(トナー組成物の調製)
以下の表1に示される配合割合(質量部)にしたがって、トナー母粒子100質量部に対して、各成分を加え、ヘンシェルミキサーで10分間攪拌し実施例、参考例および比較例のトナー組成物を得た。
Figure 2022146467000001
上記で得られた実施例、参考例および比較例のトナー組成物について、以下の条件で印刷物を作製し、画像濃度、トナー帯電量、帯電安定性および環境安定性を評価した。結果を表1に示す。
<画像濃度>
評価用非磁性二成分方式の負帯電方式の複写機を用いて、温度25℃、湿度50%の環境下(NN環境)、ISOチャートISO-IEC24712を10,000枚印刷した後、ベタ画像を印刷し、反射濃度計RD-914(マクベス社製)により画像濃度を評価した。
<トナー帯電量>
評価用非磁性二成分方式の負帯電方式の複写機を用いて、温度25℃、湿度50%の環境下(NN環境)、ISOチャートISO-IEC24712を10,000枚印刷した際のトナー帯電量をQ/MメーターMODEL210HS-2A(TREK社製)で評価した。
<帯電安定性>
評価用非磁性二成分方式の負帯電方式の複写機を用いて、温度25℃、湿度50%の環境下(NN環境)、ISOチャートISO-IEC24712を10,000枚印刷した際の初期と、10,000枚印刷後のトナー帯電量をQ/Mメーターで測定し、その差を下記評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:差は、-10μC/g未満であった。
△:差は、-10μC/g以上、-20μC/g未満であった。
×:差は、-20μC/g以上であった。
<環境安定性>
評価用非磁性二成分方式の負帯電方式の複写機を用いて、温度25℃、湿度50%の環境下(NN環境)、ISOチャートISO-IEC24712を5,000枚印刷した際のトナー帯電量と、温度10℃、湿度20%の環境下(LL環境)、ISOチャートISO-IEC24712を5,000枚印刷した際のトナー帯電量をQ/Mメーターで測定し、その差を下記評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:差は、-10μC/g未満であった。
△:差は、-10μC/g以上、-20μC/g未満であった。
×:差は、-20μC/g以上であった。
表1に記載のとおり、実施例1~4のトナー組成物は、酸化チタンを用いた参考例のトナー組成物と同程度か、または、それ以上に、優れた画像濃度、帯電量および帯電安定性を示した。

Claims (3)

  1. トナー粒子と、外添剤とを含み、
    前記外添剤は、水酸化アルミニウムおよび有機物により表面処理された、粒径10~30nmのシリカ粒子を含む、静電荷像現像用トナー組成物。
  2. 前記有機物は、炭素数8~12のアルキルシラン、または、炭素数16~20の飽和脂肪酸のうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項1記載の静電荷像現像用トナー組成物。
  3. 前記有機物は、デシルシラン、または、ステアリン酸のうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項1または2記載の静電荷像現像用トナー組成物。
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