JPH09114193A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

Info

Publication number
JPH09114193A
JPH09114193A JP27300195A JP27300195A JPH09114193A JP H09114193 A JPH09114193 A JP H09114193A JP 27300195 A JP27300195 A JP 27300195A JP 27300195 A JP27300195 A JP 27300195A JP H09114193 A JPH09114193 A JP H09114193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image forming
forming method
photoconductor
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27300195A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Yoshida
聡 吉田
Fumihiro Arataira
文弘 荒平
Yoshifumi Tsukano
祥史 杷野
Tsutomu Kukimoto
力 久木元
Shuichi Aida
修一 會田
Marekatsu Mizoe
希克 溝江
Tomoji Ishihara
友司 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP27300195A priority Critical patent/JPH09114193A/ja
Publication of JPH09114193A publication Critical patent/JPH09114193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電性及びピンホールリーク防止性に優れ、
小スポット潜像においても鮮鋭な画像が得られ、階調再
現性に優れる高品位な画像が安定して得られる画像形成
方法を提供する。 【構成】 表面層が1×108 〜1×1015Ωcmの体
積抵抗値を有する電荷注入層であり、表面の水に対する
接触角が85度以上である電子写真感光体に対して、印
加電界範囲20〜V1(V/cm)中で体積抵抗値が1
×104 〜1×1010Ωcmの範囲にある接触帯電部材
を当接させて電圧を印加して帯電を行い、次いで像露光
を行うことにより該感光体上に静電潜像を形成する潜像
形成工程、現像工程、転写工程を有し、転写工程後に該
感光体上に残余するトナーを現像工程により回収する画
像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法に関
し、例えば、電荷注入層を有する感光体に接触帯電部材
から電圧を印加して該感光体を帯電させることにより、
帯電工程を通過する転写残余のトナーの帯電性を現像で
の捕集に適したものに制御することで、本質的なクリー
ニング装置が不要なプリンター、複写機、ファクシミリ
などの電子写真装置に適用される。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用した感光
体上を一様帯電させ、像露光によって電気的潜像を形成
し、次いで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、
必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した
後、熱、圧力などにより転写材上にトナー画像を定着し
て複写物または印刷物を得るものである。また、転写材
上に転写されずに感光体上に残ったトナー粒子はクリー
ニング工程により感光体上より除去される。
【0003】このクリーニング工程については、従来ブ
レードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ロー
ラークリーニングなどが用いられていた。いずれの方法
も力学的に転写残余のトナーを掻き落とすか、またはせ
き止めて廃トナー容器へと捕集するものであった。よっ
て、このような部材が感光体表面に押し当てられること
に起因する問題が生じていた。例えば、部材を強く押し
当てることにより感光体を摩耗させ感光体が短命化する
ことが挙げられる。
【0004】装置面からみると、かかるクリーニング装
置を具備するために装置が必然的に大きくなり装置のコ
ンパクト化を目指すときのネックになっていた。
【0005】更には、エコロジーの観点より、トナーの
有効活用と言う意味で廃トナーの出ないシステムが望ま
れていた。
【0006】従来、現像同時クリーニングまたはクリー
ナレスと呼ばれる技術の開示は、例えば、特公平5−6
9427号公報においては、感光体一回転に付き一画像
としており、転写残余のトナーの影響が同一画像に現れ
ないようにしている。また、特開昭64−20587、
特開平2−259784、特開平4−50886、特開
平5−165378号公報などでは、転写残余のトナー
を散らし部材により感光体上に散らし、非パターン化す
ることで、一画像に付き感光体同一表面が複数回利用さ
れる場合でも、画像上で顕在化しにくい構成を開示して
いるが、画質の劣化に問題点があった。更には、特開平
5−2287号公報にあるように感光体周りのトナー帯
電量の関係を規定することで、画像上に転写残余のトナ
ーの影響によるポジメモリ、ネガメモリなどが出ない構
成に焦点を当てたものであったが、具体的にどのような
構成でトナー帯電量を制御するかが開示されていなかっ
た。更には、クリーナレスに関連する技術の開示を行っ
ている特開昭59−133573、特開昭62−203
182、特開昭63−133179、特開平2−302
772、特開平4−155361、特開平5−228
9、特開平5−53482、特開平5−61383号公
報などの技術を鑑みるに画像露光に関するものでは、高
強度の光を照射するか、または露光波長の光を透過する
トナーを用いるなどの方法が提案されている。しかし、
露光強度を単に強くするだけでは、潜像自体のドット形
成ににじみが生じ孤立ドット再現性が充分でなく、画質
の面で解像度が劣る。特にグラフィック画像で、階調性
のない画像となる。
【0007】また、露光波長の光を透過するようなトナ
ーを用いる手段については、なるほど平滑化し、粒界の
ない定着したトナーについては光透過の影響が大きい
が、露光を遮るメカニズムとしてはトナー自体の着色よ
りは、トナー粒子表面での散乱が主たるものであり効果
は薄い。更には、トナーの着色剤の選択の範囲が狭ま
り、加えてカラー化を目指したときに少なくとも3種類
の波長の異なる露光手段が必要であり、現像同時クリー
ニングの特徴のひとつである装置の簡素化に逆行する。
【0008】しかし、電子写真の利用が進んでいる今
日、様々な転写材、例えば、厚紙、オーバーヘッドプロ
ジェクター用透明フィルムなどに対してトナー像を転写
する必要性がでてきており、この意味でこれら従来技術
は様々な転写材に対し満足するものではなかった。非パ
ターン化部材に電圧を印加するなど、クリーナレスシス
テムの特長である、装置のコンパクト化を充分達成でき
ないような構成であった。
【0009】特開平2−51168号公報においては、
球形トナー及び球形キャリアを使用することで、安定す
る帯電特性を得ることにクリーナレスプロセスを達成す
る手段を求めているが、なるほど初期特性においては、
ある程度満足のいくものでも、繰り返し使用していくう
ちに画像が劣化していくためにそのままでは実用に供せ
ないという、耐久性に欠点があるものであった。
【0010】重合トナーを用いた例としては、特開平5
−19662号公報には、一次重合粒子を融着して得
た、二次粒子トナーを用いることが、特開平4−296
766号公報においては、感光体露光光を透過する重合
トナーを使用することが、特開平5−188637号公
報においては、体積平均径、個数平均径、トナー帯電
量、トナー投影像の面積比、トナーBET比表面積など
を規定したトナーを使用することなどが開示されている
が、実用上の問題点を総て解決するには至らなかった。
【0011】また、感光体に接触して帯電を行う方法、
及び、転写材を感光体に当接して転写を行う当接転写に
おいては、一般的にオゾン発生が少なくエコロジーの観
点からは望ましい構成である。転写部材は転写材の搬送
部材も兼ね、装置の小型化が容易になるという特徴を有
する。しかし、現像部におけるクリーニングが不十分で
あると、帯電部材および転写部材は汚れ易く、感光体帯
電不良による画像汚れ、転写材の裏汚れ、または、転写
率またライン部の中央部が転写されない転写中抜けを生
じる傾向があり、これが更に画像劣化に拍車をかけると
いう問題点があった。
【0012】更に、高温高湿環境下では、転写紙の吸湿
などの影響により転写性低化が懸念される条件下でも、
ネガまたはポシゴーストが生じない構成が望まれてい
た。
【0013】また、画質でも孤立ドット再現性にかかる
理由により、グラフィック画像などで満足のいくもので
はなかった。
【0014】更に、本質的にクリーニング装置を有さな
い現像同時クリーニングでは、像担持体表面をトナー及
びトナー担持体により擦る構成が必須であり、このため
に長期間使用によるトナー劣化、トナー担持体表面劣
化、像担持体表面劣化または磨耗性を引き起こし、耐久
特性の劣化が問題点として残り、従来技術では充分な解
決がなされず、耐久特性の改善技術が望まれていた。
【0015】中でも像担持体表面、すなわち感光体表面
へのトナー汚染の改善が必要とされていた。従来、これ
らの問題に対しては、トナーあるいは感光体に離型性、
潤滑性付与することが提案されてきた。例えば、特公昭
57−13868、特開昭54−58245、特開昭5
9−197048、特開平2−3073、特開平3−6
3660号公報、米国特許4517272号明細書など
にトナーにシリコーン化合物を含有させる方法が、特開
昭56−99345号公報などには感光体表層に含フッ
素化合物に代表される減摩物質を含有させる方法が開示
されている。しかしながらこれらの方法を本質的にクリ
ーニング装置を有さない、所謂クリーニングレス、現像
同時クリーニングといわれるシステムに適用した例はな
い。
【0016】また、近年、電子写真感光体の光導電性物
質として種々の有機光導電物質が開発され、特に電荷発
生層と電荷輸送層を積層した機能分離型のものが実用化
され、複写機やプリンターやファクシミリなどに搭載さ
れている。このような電子写真法での帯電手段として
は、コロナ放電を利用した手段が用いられていたが、多
量のオゾンを発生することからフィルタを具備する必要
性があり、装置の大型化、またはランニングコストアッ
プなどの問題点があった。
【0017】このような問題点を解決するための技術と
して、ローラーまたはブレードなどの帯電部材を感光体
表面に当接させることにより、その接触部分近傍に狭い
空間を形成し所謂パッシェンの法則で解釈できるような
放電を形成することによりオゾン発生を極力抑さえた帯
電方法が開発され、この中でも特に帯電部材として帯電
ローラーを用いたローラー帯電方式が、帯電の安定性と
いう点から好ましく用いられている。
【0018】具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体
への放電によって行われるため、ある閾値電圧以上の電
圧を印加することにより帯電が開始される。例えば、感
光層の厚さが25μmの有機感光体(OPC)に対して
帯電ローラーを当接させた場合には、約640V以上の
電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、それ
以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体表面電位
が増加する。以後この閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定
義する。つまり、感光体表面電位Vdを得るためには帯
電ローラーにはVd+Vthという必要とされる以上のD
C電圧が必要となる。また環境変動などによって接触帯
電部材の抵抗値が変動するため、感光体の電位を所望の
値にすることが難しかった。
【0019】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上のピ
ーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電部
材に印加するAC帯電方式が用いられる。これは、AC
による電位のならし効果を目的としたものであり、被帯
電体の電位はAC電圧のピークの中央であるVdに収束
し、環境などの外乱には影響されることはない。
【0020】しかし、このような接触帯電装置において
も、その本質的な帯電機構は、帯電部材から感光体への
放電現象を用いているため、先に述べたように帯電に必
要とされる電圧は感光体表面電位以上の値が必要とされ
る。また、帯電均一化のためにAC帯電を行った場合に
は、AC電圧の電界による帯電部材と感光体の振動、騒
音(以下AC帯電音と称す)の発生、また、放電による
感光体表面の劣化などが顕著になり、新たな問題点とな
っていた。
【0021】一方、特開昭61−57958号公報に開
示されるように、導電性保護膜を有する感光体を、導電
性微粒子を用いて帯電する画像形成方法がある。これに
よれば、感光体として107 〜1013Ωcmの抵抗を有
する半導電性保護膜を有する感光体を用い、この感光体
を1010Ωcm以下の抵抗を有する導電性微粒子を用い
て帯電することにより、感光層中に電荷が注入すること
なく、放電により感光体をムラなく均一に帯電すること
ができ、良好な画像再現を行うことができると記載があ
る。この方法によれば、AC帯電における問題であった
振動、騒音などは防止できるが、放電により帯電してい
るため、放電による感光体表面の劣化などが依然生じて
おり、また高圧電源も必要であった。
【0022】このため、感光体への電荷の直接注入によ
る帯電が望まれていた。
【0023】帯電ローラー、帯電ブラシ、帯電磁気ブラ
シなどの接触帯電部材に電圧を印加し、感光体表面にあ
るトラップ準位に電荷を注入して接触注入帯電を行う方
法は、Japan Hardcopy 92年論文集P
287の「導電性ローラーを用いた接触帯電特性」など
に記載があるが、これらの方法は、暗所絶縁性の感光体
に対して、電圧を印加した低抵抗の帯電部材で注入帯電
を行う方法であり、帯電部材の抵抗値が十分に低く、更
に帯電部材に導電性を持たせる材質(導電フィラーな
ど)が表面に十分に露出していることが条件になってい
た。このため、前記の文献においても帯電部材としては
アルミ箔や、高湿環境下で十分抵抗値が下がったイオン
導電性の帯電部材が好ましいとされている。本出願人ら
の検討によれば感光体に対して十分な電荷注入が可能な
帯電部材の抵抗値は1×103 Ωcm以下であり、これ
以上では印加電圧と帯電電位の間に差が生じ始め帯電電
位の収束性に問題が生じることが分っている。
【0024】しかし、このような抵抗値の低い帯電部材
を実際に使用すると、感光体表面に生じたキズ、ピンホ
ールなどに対して接触帯電部材から過大なリーク電流が
流れ込み、周辺の帯電不良や、ピンホールの拡大、帯電
部材の通電破壊が生じる。
【0025】これを防止するためには帯電部材の抵抗値
を1×104 Ω程度以上にする必要があるが、この抵抗
値の帯電部材では先に述べたように感光体への電荷注入
性が低下し、帯電が行われないという矛盾が生じてしま
う。
【0026】そこで、接触方式の帯電装置もしくは該帯
電装置を用いた画像形成方法について上記のような問題
点を解消する、すなわち、低抵抗の接触帯電部材を用い
ないと生じなかった電荷注入による良好な帯電性と、低
抵抗の接触帯電部材では防止することのできなかった被
帯電体上のピンホールリークという背反した特性を同時
に両立することを可能とすることが望まれていた。
【0027】また、接触帯電を用いる画像形成方法にお
いては、帯電部材の汚れ(スペント)による帯電不良に
より画像欠陥を生じ、耐久性に問題が生じる傾向にあ
り、被帯電部材への電荷注入による帯電においても、帯
電部材の汚れによる帯電不良の影響を防止することが多
数枚のプリントを可能にするため急務であった。
【0028】接触帯電を用いてかつクリーニングレス、
現像同時クリーニングといわれるシステムに適用した例
としては、特開平4−234063、特開平6−230
652号公報などに、背面露光同時現像方式において感
光体上の転写残余トナーのクリーニングをも同時に行う
画像形成方法が開示されている。しかし、これらの提案
は帯電電位、現像印加バイアスを低電界とした画像形成
プロセスに適用されるものであって、従来広く電子写真
装置に適用されているより高電界な帯電・現像印加バイ
アスでの画像形成ではリークによるスジ、ポチなどの画
像欠陥を生じてしまう。また、転写残余トナーの帯電部
材への付着による悪影響を非画像形成時に帯電部材に付
着したトナーを感光体に移行させることで防ぐ方法が提
案されているが、感光体に移行したトナーの現像工程で
の回収性の向上、現像工程でのトナー回収による現像へ
の影響については触れられていない。更に、現像時に転
写残トナーのクリーニング効果が不十分であれば、転写
残トナーの存在する感光体表面上に、トナーが現像され
るため周囲よりも濃度が高く、ポシゴーストが発生する
こと。転写残余のトナーが多過ぎると、現像部分で回収
し切れずに画像上にポジメモリを生じること。これらの
問題点に対する本質的解決には至っていない。
【0029】また、転写残トナーによる遮光が特に問題
となるのは、一枚の転写材に対し感光体表面が繰り返し
使用される場合、つまり感光体一周分の長さが転写材の
進行方向長さよりも短い場合である。転写残トナーが感
光体上に存在する状態で帯電露光現像をしなければなら
ないため、転写残トナーの存在する感光体表面部での電
位が充分落ちきらず現像コントラストが不十分になるた
め反転現像については周囲よりも濃度が低い、ネガゴー
ストとして画像上に現れること。また、静電転写を通過
した感光体は概ねトナー帯電極性とは逆極性に帯電して
おり、繰り返し使用による感光体の電荷注入性の劣化な
どによって、帯電部材中で正規の帯電極性に制御されな
い転写残余のトナーが、画像形成中に帯電部材から漏れ
て、露光を遮り、潜像を乱し所望の電位を得られず、画
像上にネガメモリを発生させること。これらの問題点に
対する本質的解決が求められている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、オゾンレスでかつ放電による感光体の劣
化、帯電音がない電荷注入で、従来では低抵抗の接触帯
電部材を用いないと得られなかった電荷注入による良好
な帯電性と、低抵抗の接触帯電部材では防止することの
できなかった感光体上のピンホールによるリークという
背反した特性を同時に両立し、十分な電位収束性を得る
と同時に、クリーニング部材による感光体の摩耗、傷な
どによる感光体が長寿命化、廃トナーレス、トナーの有
効利用によるトナー消費量の低減、クリーニングトナー
ボックスの省略による小型化、省スペース化などのメリ
ットを持つ現像同時クリーニング方法、クリーナレス画
像形成方法において、様々な転写材に対しても極めて良
好な転写性を持ち、本質的にポジあるいはネガメモリの
影響のない、孤立ドット再現性が良く、階調性に優れ、
長期間使用によるトナー劣化、トナー担持体表面劣化、
像担持体表面劣化、摩耗、特に感光体表面へのトナーの
固着化などを防止し、耐久特性に優れた画像形成方法及
び電子写真装置を提供することである。
【0031】しかるに、本発明の目的のひとつは、従来
では低抵抗の接触帯電部材を用いないと生じなかった電
荷注入による良好な帯電性と、低抵抗の接触帯電部材で
は防止することのできなかった感光体上のピンホールに
よるリークという背反した特性を同時に両立させること
を可能とし、十分な電位収束性を満足しかつ、転写残余
のトナーの現像工程での回収性を高めた画像形成方法、
及びこの方法を用いた画像形成装置を提供することであ
る。
【0032】本発明の目的のひとつは、現像工程での転
写残余のトナーの回収による現像工程でのトナー帯電量
の変化を制御し、画像濃度が高く、小スポット潜像にお
いても鮮鋭な画像が得られ、階調再現性に優れる高品位
な画像が安定して得られる画像形成方法を提供すること
にある。
【0033】本発明の目的のひとつは、電子写真感光体
と該感光体を注入帯電する部材を有し、該感光体に該注
入帯電用部材から電圧を印加することにより帯電される
電子写真装置において、長期にわたって良好な帯電特性
を維持できる画像形成方法を提供することである。
【0034】更に、本発明の目的のひとつは、本質的に
ポジあるいはネガメモリの影響のない構成を感光体の立
場から提供することである。様々な転写材、例えば、厚
紙、オーバーヘッドプロジェクター用透明フィルムなど
に対しても極めて良好な転写性を持ち、中抜けの発生が
なく、つまり転写工程の余裕代が広いシステム設計が可
能であるような画像形成方法を提供することである。
【0035】本発明の目的のひとつは、本質的にポジあ
るいはネガメモリを防止しつつ、様々な転写材に対して
も孤立ドット再現性の良い、階調性に優れた画像形成方
法を提供することにある。
【0036】また、本発明の目的のひとつは、当接転写
においても、様々な転写材に対しても良好な転写性を持
ち、中抜けの発生がなく、孤立ドット再現性の良い、階
調性に優れた画像形成方法を提供することにある。
【0037】更に、本発明の目的のひとつは、高温高湿
環境下でも、ネガまたはポシゴーストが生じない画像形
成方法を提供することである。
【0038】本発明の目的のひとつは、1次帯電の影響
を受けて、トナーあるいは現像剤が劣化することのな
い、クリーニング装置を有さない現像同時クリーニング
方法の画像形成方法を提供することである。
【0039】本発明の目的のひとつは、長期間使用によ
るトナー劣化、トナー担持体表面劣化、像担持体表面劣
化、摩耗、特に感光体表面へのトナーの固着化などを防
止し、耐久特性に優れた本質的にクリーニング装置を有
さない画像形成方法を提供することである。
【0040】また、本発明の目的のひとつは、トナー消
費量が従来に比べてより少ない画像形成方法を提供する
ことにある。
【0041】本発明の目的のひとつは、装置の高速化が
可能な画像形成方法を提供することにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、表
面層が1×108 〜1×1015Ωcmの体積抵抗値を有
する電荷注入層であり、表面の水に対する接触角が85
度以上である電子写真感光体に対して、回転導電性基体
に接触させて測定を行う動的抵抗測定方法における体積
抵抗値が、(V−VD)/dかV/dのどちらか高い方
の電界をV1(V/cm)とした時の印加電界範囲20
〜V1(V/cm)中で、1×104 〜1×1010Ωc
mの範囲にある接触帯電部材を当接させて電圧を印加し
て帯電を行い、次いで像露光を行うことにより該感光体
上に静電潜像を形成する潜像形成工程、この静電潜像を
トナー担持体上のトナーによって可視化する現像工程、
これを転写材に転写する工程を有し、転写工程後に該感
光体上に残余するトナーを現像工程により回収すること
を特徴とする画像形成方法である。
【0043】ここで、Vは接触帯電部材に印加する印加
電圧、VDは感光体と接触帯電部材とのニップ部に突入
する際の感光体上の電位、dは接触帯電部材の電圧印加
部分と感光体との距離である。
【0044】以下、本発明について詳細に説明する。
【0045】まず、現像同時クリーニング方法、クリー
ナレス画像形成方法の原理を説明する。
【0046】その原理は、電子写真各工程における感光
体上のトナーの帯電極性及び帯電量を制御することと反
転現像方法を用いるということである。
【0047】例を挙げて説明すると、マイナス帯電性の
感光体及びマイナス帯電性のトナーを用いた場合、その
転写工程において、プラス極性の転写部材によって可視
化された像を転写材に転写することになるが、転写材の
種類(厚み、抵抗、誘電率などの違い)と画像面積など
の関係により、転写残余のトナーの帯電極性がプラスか
らマイナスまで変動する。しかし、感光体表面と共に転
写残余のトナーまでもが、転写工程においてプラス極性
に振れていたとしても、マイナス帯電性の感光体を帯電
する際のマイナス極性の接触帯電部材により、一様にマ
イナス側へ帯電極性を揃えることができる。これゆえ、
現像方法として反転現像を用いた場合、トナーの現像さ
れるべき明部電位部にはマイナスに帯電された転写残余
のトナーが残り、トナーの現像されるべきでない暗部電
位には、現像電界の関係上トナー担持体に転写残余のト
ナーは引き寄せられ、暗部電位をもつ感光体上にトナー
は残留しない。
【0048】このように転写残余のトナーの帯電極性を
制御することにより、現像同時クリーニング、クリーナ
レス画像形成方法が成立する。本発明において重要なの
は、この転写残余のトナーの帯電を接触帯電部材によっ
て制御する工程であり、転写残余のトナーの帯電制御が
適性かつ十分にできなければ、現像工程でのトナー回収
性の低下による上述の様なメカニズムでのゴーストを生
じ、あるいは現像で回収されたトナーの帯電により、ト
ナー担持体上でのトナーの帯電が変化することによる現
像特性の低下を生じる。例えば、接触帯電部材通過時に
正規のトナー帯電極性に転写残余のトナーの帯電が揃え
られたとしても、その帯電量が過剰であると、過剰な帯
電を帯びたトナーが現像に回収されることで、現像に関
与するトナー全体の帯電量分布が変化し、所謂チャージ
アップ現象による現像トナー量の低下(画像濃度低
下)、トナー帯電量分布のブロード化によるかぶりの増
加などの画像性の低下を招く。
【0049】この転写残余のトナーの帯電の接触帯電部
材による制御に関わる因子としては、1)転写残余のト
ナーの量、帯電、2)接触帯電部材に印加される電圧、
3)転写残余のトナーと接触帯電部材の接触確率、など
が考えられる。
【0050】転写残余のトナー量については、より少量
である方が転写残余のトナーと接触帯電部材の接触確率
の面からも有利であり、像露光での遮光、及び現像での
回収量の点からもできるだけ少量とすることが求められ
る。また、トナー帯電については、転写残余のトナー中
に正規とは逆極性に帯電したトナー粒子の比率が少ない
ほうが有利である。
【0051】接触帯電部材に印加される電圧に関して
は、AC放電ではトナーの帯電を正規のトナー帯電極性
に揃える効果が十分でなく、DC放電ではトナーの帯電
は正規のトナー帯電極性に揃うが、トナーの帯電が過剰
となる傾向があり先述したような現像への悪影響が懸念
される。
【0052】転写残余のトナーと接触帯電部材の接触確
率については、接触帯電部材の表面形状が面状のもの
(ゴムローラーなど)よりもブラシ状のものの方が接触
表面積の点で有利と考えられる。
【0053】本発明によれば、感光体表面の水に対する
接触角が85度以上とすることで感光体表面に離型性を
付与し、転写工程でのトナーの転写性を向上させる効果
により、転写残余のトナー量を著しく減少させることが
でき、転写残トナーによる遮光がほとんどなくネガゴー
スト画像を本質的に防止できると共に、現像時に転写残
トナーのクリーニング効率も向上し、ポシゴースト画像
を防止する。
【0054】ゴースト画像の発生メカニズムは、以下の
通りである。転写残トナーによる遮光が特に問題となる
のは、一枚の転写材に対し感光体表面が繰り返し使用さ
れる場合、つまり感光体一周分の長さが転写材の進行方
向長さよりも短い場合、転写残トナーが感光体上に存在
する状態で帯電・露光・現像をしなければならないた
め、転写残トナーの存在する感光体表面部での電位が充
分落ちきらず現像コントラストが不十分になるため反転
現像については周囲よりも濃度が低い、ネガゴーストと
して画像上に現れる。一方、現像時に転写残トナーのク
リーニング効果が不十分であれば、転写残トナーの存在
する感光体表面上に、トナーが現像されるため周囲より
も濃度が高く、ポシゴーストが発生する。
【0055】本発明の表面の水に対する接触角が85度
以上の感光体を用いることによって、転写残余のトナー
の帯電を正規のトナー帯電極性に揃える効果を大幅に向
上させ得ることを本発明者らは見い出した。85度未満
であると、環境あるいは転写材の種類によっては転写残
余のトナー量を低減させる効果が十分でなくゴーストを
発生する場合がある。
【0056】先述したように、現像同時クリーニング方
法、クリーナレス画像形成方法においては、接触帯電部
材に印加される電圧には、感光体を均一帯電させると同
時に、転写残余のトナーの帯電の制御が大きな要求因子
となる。
【0057】そこで、本発明は、表面層が1×108
1×1015Ωcmの体積抵抗値を有する電荷注入層であ
る電子写真感光体に対して、回転導電性基体に接触させ
て測定を行う動的抵抗測定方法における体積抵抗値が、
(V−VD)/dかV/dのどちらか高い方の電界をV
1(V/cm)とした時の印加電界範囲20〜V1(V
/cm)中で、1×104 〜1010Ωcmの範囲にある
接触帯電部材を当接させて電圧を印加して帯電を行うこ
とによって、これらの要求因子を満たしている。
【0058】本発明に係わる帯電部材と感光体を用いる
構成をとることによって、帯電開始電圧Vhが小さく、
感光体帯電電位を帯電部材に印加する電圧のほとんど9
0%以上までに帯電させることが可能となる。例えば、
本発明の帯電部材に絶対値で100〜2000Vの直流
電圧を印加した時、本発明の電荷注入層を有する電子写
真感光体の帯電電位を印加電圧の80%以上、更には9
0%以上にすることができる。これに対し、従来の放電
を利用した帯電によって得られる感光体の帯電電位は、
印加電圧が640V以下ではほとんど0Vであり、64
0V以上では印加電圧から640Vを引いた値の帯電電
位程度しか得られかった。
【0059】従来の感光ドラムで、良好な電荷注入帯電
を行いたい場合には、少ないトラップ点に効率良く電荷
注入をしなければならないため帯電部材の抵抗値は1×
10 3 Ω以下でならず、通常の感光ドラム表面材質の抵
抗値は1×1015Ωcm以上であるのに対して、電荷注
入層を設けた場合には感光体表面に電荷を保持できる領
域が増加するため、もっと高い抵抗値の帯電部材を用い
ても良好な帯電が行える。実際には、電荷注入層の抵抗
値が1×108 〜1×1015Ωcmの範囲であれば、1
×107 Ωの帯電部材でも、印加電圧に対して帯電され
る感光体表面電位が90%以上であるような良好な効率
で帯電が可能である。
【0060】すなわち、DC電圧の印加による良好な電
荷注入帯電により、転写残余のトナーの帯電を正規のト
ナー帯電極性に揃え、かつ良好な帯電効率で感光体帯電
電位に近い(DC放電による帯電と比較して)低い電圧
印加で、トナーの帯電が過剰となることなく制御される
ことで、転写残余のトナーが現像時にトナー担持体上に
回収されることによるトナーのチャージアップ・帯電量
分布のブロード化などでの現像への悪影響を最小限に抑
制することが可能となった。
【0061】従って、本発明に係わる感光体としては、
良好な電荷注入帯電性が得られる表面に電荷注入層を有
する電子写真感光体であることが重要である。と同時
に、十分な帯電性と画像流れを起こさない条件を満足す
るために、感光体表面の電荷注入層の体積抵抗値は1×
108 Ωcm〜1×1015Ωcmの範囲である感光体を
用いる必要がある。望ましくは画像流れなどの点から、
体積抵抗値が1×1011Ωcm〜1×1014Ωcm、更
に体積抵抗値の環境変動なども考慮すると、体積抵抗値
が1×1012Ωcm〜1×1014Ωcmのものを用いる
のが望ましい。1×108 Ωcm未満では高湿環境で帯
電電荷が表面方向に保持されないため画像流れを生じ、
1×1015Ωcmを越えると帯電部材からの帯電電荷を
十分注入、保持できず、帯電不良を生じる傾向にある。
このような機能層を感光体表面に設けることによって、
帯電部材から注入された帯電電荷を保持する役割を果た
し、更に光露光時にこの電荷を感光体基体に逃す役割を
果たし、残留電位を低減させる。
【0062】このように本発明では、ピンホールリーク
や帯電部材の感光体への付着を防止するために中抵抗の
接触帯電部材を用いながら、感光体への電荷注入帯電効
率を向上させる手段として、感光体への電荷注入を助け
るための電荷注入層を感光体表面に設ける構成とする。
【0063】電荷注入層としては、絶縁性結着樹脂に光
透過性でかつ導電性の粒子を適量分散させて中抵抗とし
た材料で構成するもの、絶縁性の結着樹脂に光透過性の
高いイオン導電性を持つ樹脂を混合、もしくは共重合さ
せて構成するもの、または中抵抗で光導電性のある樹脂
単体で構成するものなどが考えられるが、これらで構成
された電荷注入層がいずれも1×108 〜1×1015Ω
cmの抵抗を持つことが特徴である。
【0064】以上のような構成をとることによって、従
来は接触帯電部材の抵抗値が1×103 Ωcm以下でな
ければ起きなかった電荷注入による帯電と、逆に1×1
4Ωcm以上でないと防止することができなかったピ
ンホールリークの防止を両立することができる。
【0065】また、本発明は、従来では低抵抗の接触帯
電部材を用いないと生じなかった電荷注入による良好な
帯電性と、低抵抗の接触帯電部材では防止することので
きなかった感光体上のピンホールによるリークという特
性を同時に満足し、十分な電位収束性を得るために、電
荷注入層を有した感光体に接触して、注入により帯電を
行う接触帯電部材の抵抗値が、接触帯電部材に印加する
印加電圧をV、該感光体と該接触帯電部材のニップ部に
突入する(ニップ部から見て感光体移動方向の上流側)
際の該感光体上の電位VD、接触帯電部材の電圧印加部
分と該感光体のとの距離をdとしたような電子写真帯電
装置である時、該接触帯電部材の、帯電部材を回転導電
性基体に接触させて測定を行う動的抵抗測定方法におけ
る体積抵抗値が、(V−VD)/dかV/dのどちらか
高い方の電界をV1(V/cm)とした時の印加電界範
囲20〜V1(V/cm)中で、1×104 〜1×10
10Ωcmの範囲にある接触帯電部材を用いたものであ
る。なお、測定環境は23℃/65%の環境下で行っ
た。
【0066】帯電部材の抵抗値は一般的に、帯電部材に
印加される印加電界によって変動し、特に高い印加電界
では抵抗が低く、低い印加電界では抵抗が高くなるとい
う挙動を示し、印加電界の依存性が認められる。
【0067】該感光体に電荷を注入することにより帯電
を行う場合において、該感光体と帯電部材のニップ部
に、該感光体を帯電をされる面が突入(帯電部材からみ
て上流側)した場合、突入前の感光体の帯電電位と帯電
部材に印加される電圧の電圧差は大きく、そのために帯
電部材にかかる印加電界は高くなる。しかし、感光体が
ニップ部を通過することにより、感光体に電荷が注入さ
れ、ニップ部内において帯電が徐々に行われることによ
り、感光体上の電位が、帯電部材に印加される印加電圧
に徐々に近づき、電圧印加部分に印加される印加電圧と
感光体上との電位との差が小さく、差が0Vの方向に近
づくため、それだけ帯電部材にかかる印加電界は小さく
なる。つまり、感光体を帯電させる工程において帯電部
材にかかる印加電界が帯電部材のニップ部の上流側と下
流側では異なり、上流側では帯電部材にかかる印加電界
は高く、下流側では低いということになる。
【0068】従って、帯電工程を行う前に前露光などの
電荷を除去する工程を経た場合は、帯電部材のニップ部
に突入する際の感光体上の電位がほぼ0Vであるため、
上流側の印加電界はほぼ帯電部材に印加される印加電圧
によって決定されるが、そのような電荷を除去する工程
を設けない場合は、帯電と転写の印加電圧、極性によ
り、つまり転写後の感光体上の電位と、帯電部材に印加
される印加電圧によって決定される。
【0069】つまり、感光体上に電荷を注入して帯電を
行う場合においては、帯電部材の抵抗値が、ある1点の
印加電界において、1×104 Ωcm〜1×1010Ωc
mの範囲であっても、例えば帯電部材に印加される印加
電圧の30%の印加電圧における印加電界0.3×V/
d(V/cm)以下の範囲で1×1010Ωcm以上の抵
抗になってしまうと、帯電部材のニップ部の下流側での
注入による帯電が著しく低下してしまい、印加電圧の7
0%までの帯電は良好であるが、残り30%は電荷の注
入性が悪化し、電荷を感光体上に注入しにくくなり、所
望の電位まで帯電できず、帯電不良になってしまう。つ
まり、より低電界印加における抵抗値が感光体への電荷
の注入性には大きな影響を及ぼすということである。
【0070】従って、該接触帯電部材の、帯電部材を回
転導電性基体に接触させて測定を行う動的抵抗測定方法
における体積抵抗値が、(V−VD)/dかV/dのど
ちらか高い方の電界をV1(V/cm)とした時の印加
電界範囲20〜V1(V/cm)中で、1×104 Ωc
m〜1×1010Ωcmの範囲中にある接触帯電部材を用
いることが必要になり、ほぼ感光体上に印加電圧と同な
どの電位を得ることができる。
【0071】また、感光体上の電位が印加電圧の80%
程度までであれば良好な画像形成ができるという観点か
ら、0.2×V/dの電界をV3(V/cm)とした時
の印加電界範囲V3〜V1(V/cm)中で、1×10
4 Ωcm〜1×1010Ωcmの範囲中にある接触帯電部
材を用いてもよい。しかし、本発明の現像同時クリーニ
ング、クリーナレス画像形成方法、装置では、感光体上
の電位と接触帯電部材の電位(印加電圧)にある程度以
上(本発明者らの知見によれば概ね50V以上)の電位
差を生じると、帯電部材中で正規の帯電極性に制御され
た転写残余のトナーが、画像形成中に帯電部材から徐々
に漏れ出すため、像露光の遮光によるネガメモリが発生
しない範囲内に電位差を留める必要がある。
【0072】一方、帯電部材に印加される印加電圧にお
ける印加電界で1×104 Ωcm以下になってしまうと
感光体表面に生じたキズ、ピンホールなどに対して接触
帯電部材から過大なリーク電流が流れ込み、周辺の帯電
不良や、ピンホールの拡大、帯電部材の通電破壊が生じ
る。感光体上のキズやピンホール部は感光体の導電層
(金属基体)が表面に露出していることから感光体上の
電位は0Vであり、従って帯電部材にかかる最大印加電
界は帯電部材に印加される印加電圧により決定される。
【0073】つまり、帯電部材の抵抗値をある1点の印
加電界において1×104 Ωcm〜1×1010Ωcmの
範囲に制御しても、帯電不良、耐圧性が悪いという結果
になってしまう。
【0074】従って、該感光体を帯電させるために、帯
電部材にかかる最大電界、つまり帯電部材ニップ部の上
流側における感光体電位と帯電部材に印加される印加電
圧の電圧差によって決定される印加電界か、前露光工程
を設置あるいは感光体上に傷などによりピンホールが存
在する場合の帯電部材に印加される印加電圧により決定
される印加電界のどちらか高い方の印加電界をV1(V
/cm)とした時の印加電界範囲20〜V1(V/c
m)中で、抵抗値が1×104 Ωcm〜1×10 10Ωc
mの範囲になければならないのである。
【0075】また、帯電部材と感光体とのニップ幅を広
くすればするほど帯電部材と感光体との接触面積が増
し、接触時間も増すことから、感光体表面への電荷注入
は良好に行われ、帯電が良好に行われる。しかし、ニッ
プ幅を狭くしても十分な電荷注入性を得るために、帯電
部材の抵抗値は、その印加電界の範囲内において、印加
電界による抵抗値の最大をR1、最小をR2とした時、
R1/R2≦1000の範囲内であることが好ましい。
帯電がニップ内で行われる工程において、急激に抵抗が
変化することで、感光体への電荷の注入が追随せず、ニ
ップ部を通過してしまい、十分な帯電が行われない場合
があるためである。
【0076】接触帯電部材に印加される電圧では、AC
放電ではトナーの帯電を正規のトナー帯電極性に揃える
効果が十分でなく、DC放電ではトナーの帯電は正規の
トナー帯電極性に揃うが、トナーの帯電が過剰となる傾
向があり現像への悪影響が懸念されるのに対して、本発
明では上述のような感光体と接触帯電部材を用いた構成
により、転写残余のトナーの帯電を正規のトナー帯電極
性に揃え、帯電量も適性に制御されることにより、転写
残余のトナーの回収性に優れ、安定した現像の繰り返し
特性を有する画像形成方法が可能となった。
【0077】本発明においては、接触帯電部材の感光体
との摩擦帯電極性が感光体の帯電極性と同じであること
が好ましい。本発明者らの知見によれば、電荷注入によ
る帯電工程における感光体の帯電電位は、その注入性に
接触帯電部材の感光体との摩擦帯電が加算されたものと
なる。接触帯電部材の感光体との摩擦帯電極性が感光体
の帯電極性と逆であると、感光体電位が摩擦帯電分だけ
低下することで、接触帯電部材と感光体表面の間に電位
差を生じる。摩擦帯電による感光体電位の低下はほぼ数
十Vまでであるが、この電界により接触帯電部材の転写
残余トナーの回収性、保持性の低下、接触帯電部材が磁
性粒子などからなる場合はこれらの感光体への転移など
を引き起こし、ポジゴースト、かぶりなどの画像欠陥の
原因となる。
【0078】また、本発明においては、接触帯電部材が
感光体に対して周速差をもって移動することが好まし
い。接触帯電部材の周速表面の移動速度と該感光体表面
移動速度が異なるようにすることにより、帯電安定性を
長期間にわたり得ながら、感光体の高寿命を保ちつつ、
かつ帯電ローラの高寿命を同時に達成することが可能で
あり、帯電の高安定化、画像形成システムの高寿命化が
達成できる。すなわち、接触帯電部材の表面にはトナー
が付着しやすく、この付着トナーが帯電を阻害する傾向
にあり、感光体表面移動速度と接触帯電部材表面移動速
度を異ならせることにより、同一感光体表面に対し実質
的により多くの接触帯電部材表面を供給できるために帯
電阻害に対し効果を得る。つまり、転写残トナーが帯電
部位に来た場合、感光体との付着力の小さいトナーは電
界によって帯電部材のほうへ移動し、帯電部材表面の抵
抗が局所的に変化するため、放電経路が遮断されて、感
光体表面に電位がのりにくくなり、その結果帯電不良を
発生させるという問題点を効果的に解消する。
【0079】現像同時クリーニングという観点からは、
接触帯電部材と感光体との間の周速差により、感光体表
面とトナーの付着部分を物理的に引き剥がし、電界によ
り回収する効率を向上させる効果も期待でき、転写残余
のトナーをより高効率に帯電制御して現像での回収性の
向上を測ることができる。
【0080】また、感光体表面と接触帯電部材表面に速
度差を設けると互いの慴擦効果により、感光体表面また
は接触帯電部材表面の磨耗あるいは汚染を防止するため
に、感光体表面の接触角が85度以上の感光体が効果的
である。
【0081】感光体表面移動速度と接触帯電部材表面移
動速度を異ならせる場合、好ましくは、感光体とローラ
ーの接触部における、感光体表面移動速度をV、ローラ
ー表面移動速度をvとしたときに、v/Vの絶対値が
1.1以上つまり、110%以上であると、帯電性にお
いて安定した特性を得られ、現像での転写残余のトナー
の回収性の向上が見られる。
【0082】接触帯電部材の形状は、ブレード状、ブラ
シ状でもよいが、周速差を適性に設定する上では、回転
可能なローラー状、ベルト状、ブラシローラー状(ブラ
シロール)が有利と考えられる。
【0083】ローラー状の接触帯電部材としては、材質
としては、例えば、ローラーの場合は、例えば特開平1
−211799号公報などに開示があるが、導電性基体
として、鉄、銅、ステンレスなどの金属、カーボン分散
樹脂、金属あるいは、金属酸化物分散樹脂などが使用で
きる。弾性ローラーの構成としては、導電性基体上に弾
性層、導電層、抵抗層を設けたものが用いられ、ローラ
ー弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴ
ム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、
ブチルゴムなどのゴムまたはスポンジや、スチレン−ブ
タジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリウレタ
ン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエステル系
サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢ビサー
モプラスチックエラストマーなどのサーモプラスチック
エラストマーなどで形成することができ、導電層として
は、体積抵抗率が107 Ωcm以下、望ましくは106
Ωcm以下である。例えば、金属蒸着膜、導電性粒子分
散樹脂、導電性樹脂などが用いられ、具体例としては、
アルミニウム、インジウム、ニッケル、銅、鉄などの蒸
着膜、導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、ア
ルミニウム、ニッケル、酸化チタンなどの導電性粒子を
ウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重
合体ポリメタクリル酸メチルなどの樹脂中に分散したも
のなどが挙げられる。導電性樹脂としては、4級アンモ
ニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニ
リン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエ
チレンイミンなどが挙げられる。抵抗層は、例えば、体
積抵抗率が106 〜1012Ωcmの層であり、半導性樹
脂、導電性粒子分散絶縁樹脂などを用いることができ
る。半導性樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセ
ルロース、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル
化ナイロン、共重合ナイロン、ポリビニルヒドリン、カ
ゼインなどの樹脂が用いられる。導電性粒子分散樹脂の
例としては、カーボン、アルミニウム、酸化インジウ
ム、酸化チタンなどの導電性粒子をウレタン、ポリエス
テル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリ
ル酸メチルなどの絶縁性樹脂中に少量分散したものなど
が挙げられる。
【0084】本発明の好ましい形態の一つは、接触帯電
部材に回転可能なブラシロールを用いるものである。感
光体との接触部が微細な繊維であることで、平滑な表面
を有するローラーよりも感光体との接触点数が格段に増
加し、感光体により均一な帯電電位を与える上で有利で
ある。
【0085】ブラシを形成する繊維集合体として好まし
く用いられるものとして、極細繊維発生型複合繊維から
なる集合体、繊維が酸またはアルカリまたは有機溶剤に
て化学的処理のなされている集合体、起毛した繊維絡合
体、静電植毛体が挙げられる。
【0086】本発明の中の本質的な帯電機構は、導電性
帯電層が感光体表面の電荷注入層に接触することで導電
性帯電層から電荷注入層に電荷注入を行うと考えられ
る。従って、帯電部材として要請される特性は、該電荷
注入層表面に十分な密度と、電荷の移動にかかる適正な
抵抗を持つことである。
【0087】従って、極細繊維発生型複合繊維を用い繊
維密度を上げる方法、繊維の化学的エッチング処理によ
り、繊維数を増加させる方法、繊維絡合体を起毛した部
材あるいは静電植毛体を用い表面に柔軟な繊維端を持た
せる方法により、該電荷注入層への接触頻度を増加させ
る効果が得られ、一様で十分な帯電を可能とする。つま
り、繊維密度を上げる、接触点を増加させる、繊維端が
電荷注入層に接触する様な構成が本発明に好適に用いら
れる。更には、感光体上の転写残余のトナーを効率的に
掻き取り、ブラシ内に静電的に取り込み、より確実にト
ナーの帯電を制御するため一時的にブラシ内にトナーを
保持する上でも好適である。
【0088】極細繊維発生型複合繊維からなる集合体
は、物理的あるいは化学的に極細繊維を発生させている
ことが好ましく、起毛した繊維絡合体は該繊維絡合体が
極細繊維発生型複合繊維であることが好ましく、該極細
繊維発生型複合繊維は、物理的あるいは化学的に極細繊
維を発生して起毛されていることが更に好ましい。
【0089】また、静電植毛体は、その構成繊維が、酸
またはアルカリまたは有機溶剤にて化学的処理がなされ
ていることが好ましい。静電植毛体のもうひとつの好ま
しい形態は、構成繊維が、極細繊維発生型複合繊維であ
って物理的あるいは化学的に極細繊維を発生させている
形態である。
【0090】更に詳しく各繊維集合体の具体的な一例及
び好ましい形態とその効果を述べる。
【0091】本発明に用いられるブラシを構成する繊維
の一例として、まず合成繊維としては、例えばナイロン
−6、ナイロン−66、ナイロン−12、ナイロン−4
6、アラミド系などのポリアミド類、PETなどのポリ
エステル類、PEやPPなどのポリオレフィン類、ポリ
ビニールアルコール系、ポリ塩化ビニールやビニリデン
系、ポリアクリロニトリル系、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリウレタン、ポリフルオロエチレン、炭素繊
維、ガラス繊維などがある。天然繊維としては、例え
ば、絹、綿、羊毛、麻などがある。半合成繊維としては
アセテートなど、また再生繊維としては、レーヨン、キ
ュプラなどがある。これらの繊維は単独または2種類以
上組み合わせて集合体に加工される。
【0092】繊維集合体としての形態は、例えば平織り
などの織布、短繊維を結着樹脂接着、ヒートボンド、機
械絡合、水流絡合などの手法や熱可塑性樹脂の溶融紡糸
から直接シート化するメルトブロー法などの手法で作製
された不織布、ブラシに代表される繊維の植毛体などが
挙げられる。
【0093】静電植毛体は、基本的に高電界条件下で帯
電させた短繊維を静電的引力を利用して対極の基布へ吸
引、投錨させることにより得られる。
【0094】構成繊維及び集合体の形態は適宜選択さ
れ、必要に応じて構成繊維または該集合体は物理的ある
いは化学的処理を施される。
【0095】本発明に用いられる極細繊維発生型複合繊
維の一例をあげる。
【0096】極細繊維発生型複合繊維とは、合成繊維の
原材料成分を2種類以上複合紡糸して得られる複合性繊
維の一種であり、極細繊維を発生させる手段として、複
合成分の中から特定成分のみを溶解除去するまたは力学
的に開繊するなど、化学的または物理的方法が用いら
れ、該手段により、単一もしくは複数の極細繊維が発生
する。
【0097】本発明に用いられる極細繊維発生型複合繊
維の種類及び該種類に対応する極細繊維発生手段の一例
としては、酸またはアルカリまたは有機溶剤で特定成分
を除去し極細繊維を発生させる海島型繊維、芯鞘型繊
維、高分子相互配列型繊維、更に高圧水流噴射や繊維各
成分の収縮率の差を利用して複合繊維を極細繊維群に開
繊する分割繊維、サイドバイサイド型繊維などが挙げら
れる。
【0098】化学的方法の一例としては、繊維断面が海
島構造をとる海島型繊維を、海部を加水分解性樹脂、複
数の島部を非加水分解性樹脂で構成した後、構成繊維に
応じ適宜酸またはアルカリ下で加水分解処理または有機
溶剤にて処理することにより海部が除去され極細繊維群
(複数の島部)が得られる。加水分解性樹脂としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル、非加水分解性樹脂としては、
ナイロン−6などのポリアミド、ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリルなどがあ
る。また、溶剤溶解性樹脂と非溶剤溶解性樹脂で構成し
てもよい。
【0099】物理的手法の一例としては、非相溶性の熱
可塑性樹脂を複合紡糸した後、延伸、熱処理を施し各成
分の収縮率の差を大きくし、これに高圧の水流噴射やニ
ードルパンチ法により繊維を極細繊維群に開繊するなど
の方法が挙げられる。非相溶性の熱可塑性樹脂の組み合
わせとしては、例えば、一方がポリエステル、他方がナ
イロンやポリプロピレンなどである。
【0100】本発明に用いられるブラシロール帯電部材
は、少なくとも導電性基体と導電性弾性層と感光体と接
触する導電性帯電層から成ることが好ましい。導電性弾
性層が存在すると、感光体と帯電部材の接触面積を十分
にとれ、均一帯電に対して、よりよい効果があるからで
ある。
【0101】弾性材料としては、例えばEPDM、NB
R、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ポリブ
タジエン、ブタジエンスチレンゴム、ブタジエンアクリ
ロニトリルゴム、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、
イソブチレンイソプレンゴム、フッ素ゴム、シリコーン
ゴムなどの合成ゴムや天然ゴムなどが挙げられる。こら
の弾性材料は、必要に応じ発泡剤を用いて適当なセル径
に発泡させてもよい。導電性フィラーとしては、例えば
アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀などの金属系の
粉体や繊維、酸化亜鉛、酸化すず、酸化チタン、硫化
銅、硫化亜鉛などの複合金属粉、アセチレンブラック、
ケッチェンブラック、PAN系カーボン、ピッチ系カー
ボンなどのカーボン粉があり、これらを単独または2種
類以上組み合わせて用いることができる。
【0102】本発明中のブラシロール帯電部材に用いら
れる繊維絡合体は、例えばサンドペーパーによるバフィ
ング処理、剛性ブラシによるブラッシング処理などによ
り起毛することができ、好ましく用いられる。
【0103】繊維絡合体を起毛することにより感光体と
の接触面積が増大するので低い当接圧条件で帯電を均一
化できる効果がある。更に起毛された繊維先端は鋭利化
され、帯電性が飛躍的に向上する。
【0104】更には極細繊維で構成される繊維絡合体と
いう形態は、強度が高く部材として耐久性に優れるとい
う特性を持つので、長期的により均一な帯電が得られ
る。
【0105】本発明において、帯電層として用いられる
繊維集合体は導電性が必要である。繊維集合体あるい
は、構成繊維が導電性を持たない場合、以下の方法にて
導電性を付与できる。該繊維集合体またはその構成繊維
の導電性の付与方法としては、以下の方法が採用され
る。
【0106】その方法としては、例えば、導電性フィラ
ーまたは導電性材料を分散または混合させた繊維原材料
を紡糸する方法、導電性の電子共役性ポリマー(以下、
導電性ポリマーと称する)を付与する方法、導電性フィ
ラーまたは導電性材料を分散または混合した結着樹脂を
繊維表面に付与する方法などが挙げられ、これらの手法
は併用することができる。中でも、特に導電性ポリマー
を付与する方法を採用した繊維集合体を用いるのが特に
好ましい。
【0107】前記の芯梢繊維のような複合繊維の場合、
予め繊維内側(芯部)に導電剤を分散しておけば繊維外
側(鞘部)をエッチングすることにより導電性繊維が得
られる。
【0108】ここで、上記導電性ポリマーとは、例えば
ポリピロール、ポリチオフェン、ポリキノリン、ポリフ
ェニレン、ポリナフチレン、ポリアセチレン、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリアニリン、ポリフェニレンビニ
レンや、これらモノマー誘導体の重合物などであり、こ
れらは単独または2種類以上組み合わせて用いることが
できる。
【0109】上記結着樹脂とは、例えばオレフィン樹
脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂などであり、上記
導電性フィラーとしては、アルミニウム、すず、鉄、銅
などの金属粉体や金属繊維、酸化亜鉛、酸化すず、酸化
チタンなどの金属酸化物、硫化銅や硫化亜鉛などの金属
硫化物、カーボンブラックなどの炭素粉などを挙げるこ
とができる。
【0110】適当な溶媒に溶解させた導電性ポリマーや
導電性フィラーを分散した結着樹脂溶液で繊維を導電性
処理する場合は、これら溶液中に繊維を含浸させたり、
スプレーコートやローラコートなどのコート手段を用い
ることができる。
【0111】また、導電性ポリマーの前駆体であるモノ
マーをこと前に触媒処理された繊維に接触させることに
より、繊維表面を導電性ポリマーで直接コートすること
もできる。モノマーは、蒸気または溶液状態で接触させ
ることができる。更には、帯電層に導電性フィラーを繊
維材料に直接練り込み紡糸した導電性繊維を直接使用す
ることも可能である。
【0112】本発明において、極細繊維発生型繊維から
得られる極細繊維の数(セグメント数)や繊度は、長期
的な繊維耐久性を考慮すると、セグメント数は1〜10
0、繊維平均径Fは、0.05μm以上、30μm以下
であることが好ましく、更に好ましくは0.1μm以
上、20μmである。
【0113】化学的処理により繊維は単一もしくは複数
の極細化された繊維とすることができるが、その極細化
された繊維の平均径Fは、0.05μm以上、30μm
以下であることが好ましく、更に好ましくは0.1μm
以上、20μmである。
【0114】上記の繊維径Fの範囲では、感光体との接
触性に優れ高温高湿や低温低湿などの特別な環境下にお
いても長期的に均一帯電を維持することができる。この
繊維径範囲にある繊維から成る繊維集合体は、それが持
つ大きい比表面積や、また、化学的処理を用いた場合、
特に酸またはアルカリまたは有機溶剤処理による繊維表
面の微細な凹凸性により、感光体との接触性に優れた効
果を発揮するので、帯電層として更に好ましい構成とな
る。
【0115】ここで、本発明の繊維の平均径Fは、電子
顕微鏡撮影を行い、任意に10箇所を選び、更に1箇所
につき10本の繊維径を測定し各測定値(n=100)
の平均値を算出して平均径Fとした。
【0116】本発明において、繊維径Fが0.05μm
より小さくなると、耐久強度が低下する傾向にあり、耐
久中、初期の画質を維持することが困難になることがあ
る。また繊維径Fの増加と共に被帯電体との接触面積は
減少するが、特に繊維径Fが30μmを越えると、均一
帯電を達成させるためにより高い電圧印加が必要になっ
てくる。
【0117】本発明中のブラシローラーに使用される静
電植毛体の密度は、植毛密度Mを、0.4万本/cm2
≦M≦100万本/cm2 にすることが好ましく、均一
な帯電性を長期的に維持することができる。
【0118】植毛密度の増加と共に感光体との接触面積
が増加するが、特に植毛密度Mを0.4万本/cm2
満にすると帯電均一性が十分ではなく、また、100万
本/cm2 を越える高密度植毛では、植毛繊維同士の接
触が多くなり感光体との接触面積もそれ以上増加するこ
とはなく帯電均一性も一定状態に落ち着くが、抜け易く
なり画像欠陥を生じるという欠点を有する。
【0119】本発明中のブラシローラーにおいて、帯電
部材の導電性帯電層として静電植毛体を用いる場合、均
一帯電を効率良く行うには、帯電部材と感光体との間に
適当なニップを形成し繊維の感光体への接触面積を大き
くする必要がある。そのためには、植毛繊維長Lは、
0.05mm≦L≦3mmであることが好ましい。繊維
長が3mmを越えると、静電植毛時に繊維同士が絡み合
い、工業的に均一な植毛が困難になることがある。0.
05mm未満であると、柔軟な表面が得られず、十分な
接触が得られない。
【0120】本発明の好ましい形態の一つは、接触帯電
部材に磁性粒子を用いるものである。更に、磁性粒子の
体積抵抗値が104 Ωcm〜109 Ωcmである抵抗範
囲に制御を施した導電性磁性粒子の形態が好ましい。
【0121】該磁性粒子の平均粒径は平均粒径は5〜2
00μmが好ましい。5μmより小さいと、感光体への
磁気ブラシの付着が生じ易く、また200μmより大き
いと、スリーブ上での磁気ブラシの穗立ちの密度を密に
できず、感光体への注入帯電性が悪くなる傾向にある。
更に好ましくは10〜100μmであり、この粒径範囲
内で、感光体上の転写残余のトナーをより効率的に掻き
取り、より効率的に磁気ブラシ内に静電的に取り込み、
より確実にトナーの帯電を制御するため一時的に磁気ブ
ラシ内にトナーを保持することができる。更には、磁性
粒子の平均粒径は10〜50μmがより好ましい。
【0122】なお、全体の平均粒径は、光学顕微鏡また
は走査型電子顕微鏡により、ランダムに100個以上抽
出し、水平方向最大弦長をもって体積粒度分布を算出
し、その50%平均粒径をもって平均粒径としてもよい
し、また、レーザー回折式粒度分布測定装置HEROS
(日本電子製)を用いて、0.05μm〜200μmの
範囲を32対数分割して測定し、50%平均粒径をもっ
て平均粒径としてもよい。
【0123】これらの粒径を有する磁性粒子を接触帯電
部材に用いれば、感光体との接触点数が格段に増加し、
感光体により均一な帯電電位を与えるうえで有利であ
る。更に、磁気ブラシの回転により感光体と直接接する
磁性粒子に入れ代わりがあり、磁性粒子表面の汚れなど
による電荷注入性の低下を大幅に低減できる点でも有利
である。
【0124】また、磁性粒子を保持する保持部材と感光
体との間隙は0.2〜2mmの範囲が好ましい。0.2
mmより小さいと磁性粒子がその間隙を通りにくくな
り、スムーズに保持部材上を磁性粒子が搬送されずに帯
電不良や、ニップ部に磁性粒子が過剰に溜り、感光体へ
の付着が生じ易くなり、2mm以上では感光体と磁性粒
子のニップ幅を広く形成しにくいので好ましくない。更
に好ましくは0.2〜1mm、更には0.3〜0.7m
mが好ましい。
【0125】また、本発明においては、接触帯電部材が
磁性粒子を保持するためのマグネットを有し、該マグネ
ットによって発生する磁界の磁束密度B(T:テスラ)
と、該磁束密度B内での前記磁性粒子の最大磁化σ
B (Am2 /kg)とが以下の関係式を満たすような各
値に設定されることが好ましい。
【0126】B・σB ≧4 上式を満たさない場合、磁性粒子に働く磁気力が小さい
ために接触帯電部材の磁性粒子への保持力が十分ではな
く、磁性粒子が感光体に転移して失われる場合がある。
【0127】本発明に係わる磁性粒子としては、磁気に
よって穗立ちさせて、この磁気ブラシを感光体に接触さ
せて帯電させるために、この材質としては例えば鉄、コ
バルト、ニッケルなどの強磁性を示す元素を含む合金あ
るいは化合物、また酸化処理、還元処理などを行って抵
抗値を調整した例えば組成調整したフェライト、水素還
元処理したZn−Cuフェライトなどが用いられる。フ
ェライトの抵抗値を上述のような印加電界以下の範囲に
おいて上述のような範囲内に収めるには、金属の組成を
調整することによっても達成され、一般に2価の鉄以外
の金属が増すと抵抗は下がり、急激な抵抗低下を起こし
易くなる。
【0128】本発明に用いられる磁性粒子の摩擦帯電極
性は、感光体の帯電極性と逆ではないことが好ましい。
前述したように摩擦帯電分による感光体帯電電位の低下
が、磁性粒子の感光体への転移の方向の力となるため、
磁性粒子の接触帯電部材への保持の条件がより厳しくな
る。磁性粒子の摩擦帯電極性を制御する方法としては、
磁性粒子表面コートによることが容易である。
【0129】本発明に用いられる表面層を有する磁性粒
子の形態は、該磁性粒子の表面を蒸着膜や、導電性樹脂
膜、導電性顔料分散樹脂膜などでコートしたものであ
る。この表面層は必ずしも該磁性粒子を完全に被覆する
必要は無く、本発明の効果が得られる範囲で該磁性粒子
が露出していてもよい。つまり、表面層が不連続に形成
されていてもよい。
【0130】また、生産性、コストなどの観点から導電
性顔料分散樹脂膜をコートするのが好ましい。
【0131】更に、抵抗値の電界依存性を抑制するとい
う観点から、高抵抗の結着樹脂に電子伝導性の導電性顔
料を分散した樹脂膜をコートするのが好ましい。
【0132】当然のことながら、コート後の磁性粒子の
抵抗は、上述の範囲に収める必要があり、更に高電界側
での急激な抵抗低下、また感光体上の傷の大きさ、深さ
によるリーク画像発生の許容範囲を広くするという観点
から、母体の磁性粒子の抵抗も上述の範囲に収まってい
ることが好ましい。
【0133】磁性粒子の被覆用に用いられる結着樹脂と
しては、スチレン、クロルスチレンなどのスチレン類;
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどの
モノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安
息香酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシルなどのα−
メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテ
ルなどのビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニル
ヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトンなどのビ
ニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体などが挙げ
られ、特に代表的な結着樹脂としては、導電性微粒子の
分散性やコート層としての成膜性、生産性という点など
から、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共
重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。
更にポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリエステ
ル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、フ
ッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドなどが挙げられ
る。特にトナー汚染防止という観点から、臨界表面張力
の小さい樹脂、例えばポリオレフィン、フッ素樹脂、シ
リコーン樹脂などを含んでいることがより望ましい。
【0134】更に、高電界側の抵抗低下による、また感
光体上の傷によるリーク画像防止の許容範囲を広く保つ
観点から、磁性粒子にコートする樹脂は耐高電圧性のあ
るシリコーン樹脂などが好ましい。
【0135】フッ素樹脂としては、例えばポリフッ化ビ
ニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレ
ン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジ
フルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
ヘキサフルオロプロピレンなどと、他のモノマーが共重
合した溶媒可溶の共重合体が挙げられる。
【0136】また、シリコーン樹脂としては、例えば信
越シリコーン社製KR271、KR282、KR31
1、KR255、KR155(ストレートシリコーンワ
ニス)、KR211、KR212、KR216、KR2
13、KR217、KR9218(変性用シリコーンワ
ニス)、SA−4、KR206、KR5206(シリコ
ーンアルキッドワニス)、ES1001、ES1001
N、ES1002T、ES1004(シリコーンエポキ
シワニス)、KR9706(シリコーンアクリルワニ
ス)、KR5203、KR5221(シリコーンポリエ
ステルワニス)や東レシリコーン社製のSR2100、
SR2101、SR2107、SR2110、SR21
08、SR2109、SR2400、SR2410、S
R2411、SH805、SH806A、SH840な
どが用いられる。
【0137】また、本発明に係わる導電性微粒子として
は、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、鉄、銀などの金
属あるいは酸化鉄、フェライト、酸化亜鉛、酸化スズ、
酸化アンチモン、酸化チタンなどの金属酸化物、更には
カーボンブラックなどの電子伝導性の導電粉が挙げら
れ、更にイオン導電剤として、過塩素酸リチウム、4級
アンモニウム塩などが挙げられる。
【0138】磁性粒子の動的抵抗の測定方法は、図2に
示すような装置を用いて測定した。すなわち、導電性基
体であるアルミニウムドラム2と0.5mmのギャップ
(間隙)4を有した磁性粒子保持部材であるマグ内包ス
リーブ1に、磁性粒子7をアルミニウムドラムとのニッ
プ3が5mmになるように装着させ、実際に画像形成を
行う際の回転速度、回転方向で帯電部材、感光体を回転
させ、帯電部材に直流電圧を印加し、その系に流れた電
流を測定することにより抵抗を求め、更にギャップ4と
ニップ3及び磁性粒子とアルミニウムドラムとの接触し
ている幅より動的抵抗を算出した。
【0139】本発明において、電荷注入層は金属蒸着膜
などの無機の層、あるいは導電性微粒子を結着樹脂中に
分散させた導電性微粒子分散層などによって構成され、
蒸着膜は蒸着、導電性微粒子分散膜は浸漬塗工法、スプ
レー塗工法、ロールコート塗工、及びビーム塗工法など
の適当な塗工法にて塗工することによって形成される。
また、絶縁性のバインダーに光透過性の高いイオン導電
性を持つ樹脂を混合、もしくは共重合させて構成するも
の、または中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成する
ものでもよい。導電性微粒子分散膜の場合、導電性微粒
子の添加量は結着樹脂100重量部に対して2〜250
重量部、更には2〜190重量部であることが好まし
い。2重量部未満の場合には、所望の体積抵抗値を得に
くくなり、また250重量部を越える場合には膜強度が
低下してしまい電荷注入層が削り取られ易くなり、感光
体の寿命が短くなる傾向になるからであり、また抵抗が
低くなってしまい、潜像電位が流れることによる画像不
良を生じ易くなるからである。
【0140】また、電荷注入層の結着樹脂は下層の結着
樹脂と同じとすることも可能であるが、この場合には電
荷注入層の塗工時に電荷輸送層の塗工面を乱してしまう
可能性があるため、コート法を特に選択する必要があ
る。
【0141】また、本発明においては、電荷注入層が潤
滑性粉体を含有することが好ましい。その理由は、帯電
時に感光体と注入帯電部材の摩擦が低減されるために帯
電ニップが拡大し、帯電特性が向上するためである。特
に潤滑性粉体としては臨界表面張力の低いフッ素系樹
脂、シリコーン系樹脂、またはポリオレフィン系樹脂を
用いるのがより望ましい。更に好ましくは4フッ化エチ
レン樹脂(PTFE)が用いられる。この場合、潤滑性
粉体の添加量は、結着樹脂100重量部に対して2〜5
0重量部、更には5〜40重量部が好ましい。2重量部
未満では潤滑性粉体の量が十分ではないために、帯電特
性の向上が十分でなく、また50重量部を越えると、画
像の分解能、感光体の感度が大きく低下してしまうから
である。
【0142】本発明における電荷注入層の膜厚は0.1
〜10μmであることが好ましく、更には1〜7μmで
あることが好ましい。
【0143】本発明は、中抵抗の接触帯電部材で、中抵
抗の表面抵抗を持つ感光体表面に電荷注入を行うもので
あるが、好ましくは感光体表面材質の持つトラップ電位
に電荷を注入するものではなく、光透過性で絶縁性の結
着樹脂に導電性微粒子を分散した電荷注入層の導電性微
粒子に電荷を充電して帯電を行う。
【0144】具体的には、電荷輸送層を誘電体、アルミ
ニウム支持体と電荷注入層内の導電性微粒子を両電極板
とする微小なコンデンサーに、接触帯電部材で電荷を充
電する理論に基づくものである。この際、導電性微粒子
は互いに電気的には独立であり、一種の微小なフロート
電極を形成している。このため、マクロ的には感光体表
面は均一電位に充電、帯電されているように見えるが、
実際には微小な無数の充電された導電性微粒子が感光体
表面を覆っているような状況となっている。このため、
レーザによって画像露光を行ってもそれぞれの導電性微
粒子は電気的に独立なため、静電潜像を保持することが
可能になる。
【0145】従って、従来の通常感光体表面に少ないな
がらも存在していたトラップ準位を導電性微粒子で代用
することで、電荷注入性、電荷保持性が向上するのであ
る。
【0146】ここで、電荷注入層の体積抵抗値の測定方
法は、表面に導電膜を蒸着させたポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム上に電荷注入層を作成し、こ
れを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4
140B pAMATER)にて、23℃、65%の環
境で100Vの電圧を印加して測定するというものであ
る。
【0147】本発明においては、先述したように感光体
表面の水に対する接触角を85度以上とし、感光体表面
に離型性を付与し、この効果により、転写残余のトナー
量を著しく減少させることが、転写残トナーによる遮光
によるネガゴースト画像を本質的に防止すると共に、現
像時に転写残トナーのクリーニング効率も向上させ、ポ
シゴースト画像を防止するために重要である。感光体表
面の水に対する接触角を85度以上とするために手段と
しては、感光体表面に潤滑性粉体を含有させることが好
ましい。この方法は、感光体表面が高分子結着材を主体
として構成される場合に有効である。
【0148】例えば、セレン、アモルファスシリコンな
どの無機感光体の上に樹脂を主体とした、保護膜を設け
る場合、または機能分離型有機感光体の電荷輸送層とし
て、電荷輸送物質と樹脂からなる表面層を持つ場合、更
にその上に上記のような保護層を設ける場合などがあ
る。このような表面層に離型性を付与する手段として
は、膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いも
のを用いる、撥水、親油性を付与するような添加剤を
加える、高い潤滑性を有する材料を粉体状にして分散
する、などが挙げられる。の例としては、樹脂の構造
中にフッ素含有基、シリコン含有基などを導入すること
により達成する。としては、界面活性剤などを添加剤
とすればよい。としては、フッ素原子を含む化合物、
すなわちポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、フッ化カーボンなどの粉体が挙げられる。この中で
も特にポリ4フッ化エチレンが好適である。本発明にお
いては、の含フッ素樹脂などの潤滑性粉体の分散が好
適である。
【0149】本発明においては、フッ素系樹脂の他に
も、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂も感光体
表面の水に対する接触角を85度以上とする手段として
用いられる潤滑性粉体として好適である。
【0150】これらの粉体を表面に含有させるために
は、結着樹脂中に該粉体を分散させた層を感光体最表面
に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として構成され
ている有機感光体であれば、新たに表面層を設けなくて
も、最上層に該粉体を分散させればよい。しかし、本発
明では感光体表面が電荷注入層でもあるため、この電荷
注入性を損なわないことが重要である。
【0151】該粉体の表面層への添加量は、表面層総重
量に対して、1〜60重量%、更には2〜50重量%が
好ましい。1重量%より少ないと転写残余のトナーが充
分に減少せず、転写残トナーのクリーニング効率も十分
でなく、ゴースト防止効果が不十分であり、60重量%
を越えると膜の強度が低下したり、感光体への入射光量
が低下したりするため好ましくない。また、該粉体の粒
径については、画質の面から1μm以下、更には0.5
μm以下が好ましい。1μmより大きいと入射光の散乱
によりラインの切れが悪くなる傾向がある。
【0152】本発明のひとつは、感光体感光特性曲線上
のVdの点と(Vd+Vr)/2の点を結ぶ直線の傾き
に対し1/20の傾きを持つ直線が該感光体特感光性曲
線に接する点の露光強度以上であり、半減露光強度の5
倍未満である露光強度で静電潜像を形成することによ
り、現像同時クリーニング方法において、孤立ドットの
再現性が良く、階調性のあるグラフィック画像を得るこ
とを可能とするものである。(ここで、Vdは暗部電
位、Vrは残留電位である。) 露光方法は、特に選ばないが、スポットの小径化及びパ
ワーの面からレーザーが好ましく用いられる。
【0153】露光強度が上記下限より小さいとライン部
に細りまたはかすれなどが生じ、ゴーストを生じる。半
減光強度の5倍以上の場合、ゴーストのない画像は得ら
れるが、孤立ドットが潰れ階調性のないグラフィック画
像となり望ましくない。
【0154】更に、本発明においては、孤立ドットの再
現性という観点から、感光体の半減露光強度が0.5c
J/m2 (μJ/cm2 )以下であることが好ましい。
これにより更にドット再現性が良くなる。その理由は、
転写残余トナーの露光の遮りに対して、このような比較
的高感度の感光体を用いることにより、比較的低感度の
ものよりも露光強度に対する電位変動が低下するためで
ある。半減露光強度が0.3cJ/m2 以下で更に好ま
しい結果が得られる。
【0155】これら、高感度のドラムを使用する作用効
果として、接触角が85度以上の感光体を高感度化、つ
まり半減露光強度が0.5cJ/m2 以下、更に好まし
くは0.3cJ/m2 以下とすると、更にゴーストが良
化するという組み合わせ効果があり、200g/m2
度の厚紙に対してもゴーストのない画像形成が可能であ
り、現像同時クリーニング方法に更に好適に用いられる
感光体となる。更には、転写紙の吸湿による転写性低下
の起こる高温高湿下におけるゴースト発生防止に効果を
発揮する。
【0156】また、感光体感光特性曲線上のVdの点と
(Vd+Vr)/2の点を結ぶ直線の傾きに対し1/2
0の傾きを持つ直線が該感光体感光特性曲線に接する点
の露光強度以上であり、半減露光強度の5倍より少ない
露光強度範囲を、半減露光強度を単位露光量としたとき
の係数 (露光強度範囲)/(半減露光強度) が大の方が露光選択の余地が広く装置設計としては望ま
しいという効果も得られる。この係数は、0.7以上が
望ましく、1.0以上が更に望ましい。
【0157】本発明に用いられる感光体の好ましい様態
の例を以下に説明する。
【0158】導電性支持体としては、アルミニウム、ス
テンレスなどの金属;アルミニウム合金、酸化インジウ
ム−酸化錫合金などによる被膜層を有するプラスチッ
ク、導電性粒子を含浸させた紙、プラスチック;、導電
性ポリマーを有するプラスチックなどの円筒状シリンダ
ー及びフィルムが用いられる。
【0159】これら導電性支持体上には、感光層の接着
性向上、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の
被覆、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破
壊に対する保護などを目的として下引き層を設けてもよ
い。下引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビ
ニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセル
ロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチレ
ン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フ
ェノール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロ
ン、ニカワ、ゼラチン、ポリウレタン、酸化アルミニウ
ムなどの材料によって形成される。その膜厚は通常0.
1〜10μm、好ましくは0.1〜3μm程度である。
【0160】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素、セレン、
非晶質シリコンなどの無機物質などの電荷発生物質を適
当な結着樹脂に分散し塗工するあるいは蒸着などにより
形成される。結着樹脂としては、広範囲な結着性樹脂か
ら選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、
シリコン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙
げられる。電荷発生層中に含有される結着剤の量は80
重量%以下、好ましくは0〜40重量%である。また、
電荷発生層の膜厚は5μm以下、特には0.05〜2μ
mが好ましい。
【0161】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、
アントラセン、ピレン、フェナントレンなどの構造を有
する多環芳香族化合物;インドール、カルバゾール、オ
キサジアゾール、ピラゾリンなどの含窒素環式化合物;
ヒドラゾン化合物;スチリル化合物;セレン、セレン−
テルル、非晶質シリコン、硫化カドニウムなどが挙げら
れる。
【0162】また、これら電荷輸送物質を分散させる結
着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、
アクリル樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂;ポリ−N−
ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンなどの有
機光導電性ポリマーなどが挙げられる。
【0163】また、表面層は、表面の水に対する接触角
が85度以上で、1×108 〜1×1015Ωcmの体積
抵抗値を有する電荷注入層であれば保護層を兼ねてもよ
い。保護層の樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、あるいはこれらの樹脂の硬化剤などが単独あるいは
2種以上組み合わされて用いられる。
【0164】また、保護層の樹脂中に電荷注入性と適性
抵抗範囲を保持できる範囲内で導電性微粒子を分散して
もよい。導電性微粒子の例としては、金属、金属酸化物
などが挙げられ、好ましくは酸化亜鉛、酸化チタン、酸
化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマ
ス、酸化スズ被膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウ
ム、アンチモン被膜酸化スズ、酸化ジルコニウムなどの
超微粒子がある。これらは単独で用いても2種以上を混
合して用いてもよい。一般的に保護層に粒子を分散させ
る場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために入射
光の波長よりも粒子の粒径の方が小さいことが必要であ
り、本発明における保護層に分散される導電性、絶縁性
粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好まし
い。また、保護層中での含有量は、保護層総重量に対し
て2〜90重量%が好ましく、5〜80重量%がより好
ましい。保護層の膜厚は0.1〜10μmが好ましく、
1〜7μmがより好ましい。
【0165】表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコ
ーティング、ビームコーティングあるいは浸漬コーティ
ングすることによって行うことができる。
【0166】本発明に用いられるトナーは、表面上に無
機微粉体を存在させることが好ましい。現像効率、潜像
再現性、転写効率を向上させ、かぶりを減少させる効果
の上に、流動性の付与により、トナーと接触帯電部材と
の接触確率を増大させ、あるいは接触帯電部材からの帯
電を制御されたトナーの吐き出しを円滑にすることなど
によって転写残余のトナーを接触帯電部材により帯電を
制御する効率のアップがなされる。
【0167】本発明に用いるトナーに添加される無機微
粉体としては例えば以下のようなものが用いられる。例
えば、コロイダルシリカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、チタン酸カルシウム、
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸
マグネシウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウムなどが
使用できる。これらの一種類あるいは二種類以上を混合
して使用することができる。好ましくはチタニア、アル
ミナ、シリカなどの酸化物あるいは複酸化物が好まし
い。
【0168】本発明に用いられるトナーはトナー粒子に
少なくとも無機微粉体を添加したものであり、他にトナ
ー粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径を有する有機微
粉体、樹脂微粉体などを添加したものも好ましい形態の
一つである。
【0169】また、本発明においては、トナーの体積平
均粒径Dv(μm)が3μm≦Dv≦8μmであり、重
量平均粒径D4(μm)が3.5≦D4≦9であって、
個数粒度分布における5μm以下の粒子の比率Nrが1
7個数%≦Nr≦90個数%であるトナーを用いること
が好ましい。
【0170】本発明のトナーは、粒径が小さいことで更
なる高画質を達成し、単位重量当りの帯電量の高い5μ
m以下の微粉量を多くすることと現像工程で転写残トナ
ーを回収することで大幅な低消費量を達成し、粒度分布
をブロードにすることで濃度低下を防止したものであ
る。また、トナー粒度を小さくすることにより転写残に
よる露光の影響を減じることもできる。また、露光の散
乱による潜像の乱れも小さくなり、高画質の画像が得ら
れる。
【0171】一般にライン画像部にベタ画像部に比べて
より多くのトナーが現像されてしまう理由としては以下
の様に考えられる。感光体上のライン画像部の静電潜像
には、ベタ画像部とは異なり、電気力線がライン潜像の
外側からライン潜像内に密に回り込んでいるため、ライ
ン画像部ではトナーを感光体潜像面に引き寄せ、押しつ
ける力が大きいために、より多くのトナーがライン潜像
面に現像され易い。
【0172】本発明のトナーは帯電量の高い5μm以下
の粒子を多く含むために潜像電位を埋め易いために、感
光体ライン画像部に一旦現像されたトナー粒子の中の必
要以上のものは、潜像電気力線の回り込みによる力に抗
して、スリーブ上に戻ることができ、ライン画像部に適
正な量のトナーだけが残るものと考えている。すなわ
ち、5μm以下の粒子は単位重量あたりの帯電量が高い
ために粒径の大きい粒子に比し、速く感光体の潜像上に
到達し、現像電界を弱めるために潜像電気力線の回り込
みの影響を他の粒子が受けにくいためである。このこと
に加え、現像工程で転写残トナーを回収することで大幅
な消費量の低減を達成できる。
【0173】5μm以下の粒子が17個数%未満である
と、消費量低減への効果がほとんどなく、体積平均粒径
Dv(μm)では8μm、重量平均粒径D4(μm)で
は9μmを越えると100μm以下の1ドットの解像が
充分ではない。この際、現像条件などで無理に解像しよ
うとすると、ライン太りや飛び散りを生じ、また消費量
の増大を生じる。更には上記粒度分布を持つことで小粒
径トナーにおいても高い生産性が維持される。また、5
μm以下の粒子が90個数%を越えると、画像濃度が不
十分である。好ましくは60個数%<Nr≦90個数
%、更に好ましくは62個数%<Nr≦88個数%であ
る。平均粒径については更に小さい50μm程度以下の
1ドット潜像をきれいに改造するために、好ましくは
3.0μm≦Dv<6.0μm、3.5μm≦D4≦
6.5μmの微粒径トナーである。更には3.2μm≦
Dv≦5.8μm、3.6μm≦D4≦6.3μmが好
ましい。
【0174】変動係数は、画像濃度の維持や更なる生産
性の向上の観点から、好ましくは27.5<A≦40、
27.5<Aw≦38、更に好ましくは28<A<3
8、28.5<Aw<36である。また、個数分布の変
動係数Bは20≦B<40であることが好ましい。 [A=SV /Dv(A:体積変動係数、SV :体積分布
の標準偏差、Dv:体積平均粒径)、Aw=SV /D4
(Aw:重量変動係数、SV :同前、D4:重量平均粒
径)、B=S1 /D1(B:個数変動係数、S1 :個数
分布の標準偏差、D1:個数平均粒径)] また、該トナーの帯電量の絶対値(μC/g)が、14
≦Q≦80(Q;鉄粉との摩擦帯電量)であることが好
ましい。更には24≦Q≦60であることが好ましい。
【0175】Q<14であると帯電量が不十分で消費量
低減効果が充分でなく、80<Qであると、帯電量が高
すぎ濃度低下を生じ易い。
【0176】また、該トナーの体積粒度分布における8
μm以上の粒子の体積比率が10体積%以下であること
が更に飛び散りを低減し、耐久を通じて現像器内の粒度
分布の変化を少なく抑さえ、安定した濃度を得る観点か
ら好ましい。
【0177】トナーの平均粒径及び粒度分布はコールタ
ーカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイ
ザー(コールター社製)など種々の方法で測定可能であ
るが、本発明においてはコールターカウンターTA−II
型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出
力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801
パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解
液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を
調整する。例えば、ISOTON R−II(コールター
サイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測
定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に
分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼン
スルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を
2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分
散器で約1〜3分間分散処理を行い前記コールターカウ
ンターTA−II型によりアパーチャーとして100μm
アパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個
数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それか
ら、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の体積
平均粒径(Dv:各チャンネルの中央値をチャンネルの
代表値とする)と体積変動係数(Sv)、個数分布から
求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)と長さ変動係数
(S1)、及び体積分布から求めた重量基準の粗粉量
(8.00μm以上)、個数分布から求めた個数基準の
微粉量(5μm以下)を求めた。
【0178】本発明におけるトナーの二成分トリボ値の
測定法を以下に示す。
【0179】23℃、相対湿度60%環境下、キャリア
としてEFV200/300(パウダーテック社製)を
用い、キャリア9.0gにトナー1.0gを加えた混合
物を50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ
50回手で震盪する。次いで、底に500メッシュのス
クリーンのある金属製の測定容器に前記混合物1.0〜
1.2gを入れ、金属製のフタをする。この時の測定容
器全体の重量を秤りW1gとする。次に吸引機(測定容
器と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口
27から吸引し風量調節弁を調節して真空計の圧力を2
450hPa(250mmAq)とする。この状態で一
分間吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の電位計
の電位をV(ボルト)とする。ここではコンデンサーで
あり容量をC(μF)とする。また吸引後の測定機全体
の重量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電
量(μC/g)は、下式の如く計算される。
【0180】 摩擦帯電量(μC/g)=CV/(W1−W2) 本発明においては、トナーの画像解析装置で測定した形
状係数SF−1の値が100<SF−1≦180であ
り、かつSF−2の値が100<SF−2≦160であ
り、該トナーのBET法によって測定された単位体積あ
たりの比表面積Sb(m2 /cm3 )と、トナーを真球
と仮定した際の重量平均粒径から算出した単位体積あた
りの比表面積St(m2 /cm3 )の関係が 3.0≦Sb/St≦7.0 であることが好ましい。
【0181】また、 Sb≧St×1.5+1.5 であることが好ましい。
【0182】これらを満たすことにより、転写効率を改
善し、転写残トナーを減少させることで、本質的にクリ
ーニング装置を有さない、所謂クリーニングレス、現像
同時クリーニングといわれるシステムにおいて生ずるポ
ジあるいはネガメモリを本質的に防止することができ
る。
【0183】本発明において、形状係数を示すSF−
1、SF−2とは、例えば日立製作所製FE−SEM
(S−800)を用い1000倍に拡大した2μm以上
のトナー像を100個無作ためにサンプリングし、その
画像情報はインターフェースを介して、例えばニコレ社
製画像解析装置(LuzexIII)に導入し解析を行い、
下式より算出し得られた値を形状係数SF−1、SF−
2と定義する。
【0184】 (式中、MXLNGは粒子の絶対最大長、PERIME
は粒子の周囲長、AREAは粒子の投影面積を示す) 形状係数SF−1はトナー粒子の丸さの度合いを示し、
形状係数SF−2はトナー粒子の凹凸の度合いを示して
いる。
【0185】また、多数枚の画像出しにおけるトナー担
持体上のトナー融着を改善する観点から、好ましくはS
F−1の値が105<SF−1≦160であり、かつS
F−2の値が105<SF−2≦140であり、更に好
ましくはSF−1の値が110≦SF−1≦160であ
り、かつSF−2の値が110≦SF−2≦140であ
るトナーが用いられる。トナーの(SF2−100)/
(SF1−100)が1.0を越えると、一般にトナー
担持体上にトナー融着が発生し易く、SF−1が180
を越えると、球形から離れて不定形に近づき、現像器内
でトナーが破壊され易く、粒度分布が変動したり、帯電
量分布がブロードになり易く地かぶりや反転かぶりが生
じ易い。また、SF−2が160を越えると、静電像保
持体から転写材への転写時におけるトナー像の転写効率
の低下、及び文字やライン画像の転写中抜けを招き好ま
しくない。この際、トナーとしては粉砕法で製造したト
ナーが好ましく用いられる。
【0186】また、(SF2−100)/(SF1−1
00)は原点を通る直線の傾きを示し、1.0以下、更
には0.2〜0.9、特には0.35〜0.85である
ことが、現像性を維持しながら転写性を向上させるため
に好ましい。
【0187】また、更にトナー粒子表面に無機微粉体を
有することで、転写効率の向上及び文字やライン画像の
転写中抜けが改善される。この時、BET法によって測
定された単位体積あたりの比表面積Sbと、トナーを真
球と仮定した際の重量平均粒径(D4)から算出した単
位体積あたりの比表面積St(St=6/D4)の関係
が3.0≦Sb/St≦7.0かつ、Sb≧St×1.
5+1.5を満たすことが好ましい。
【0188】また、個数平均粒径D1(μm)とSb
(m2 /cm3 )との関係が、 10<D1×Sb≦50(更には15<D1×Sb≦4
0) であることが好ましい。また、Sbが3.2〜6.8m
2 /cm3 (更には3.4〜6.3m2 /cm3 )であ
ることが好ましい。
【0189】上記比率Sb/Stが3.0倍未満である
と転写効率が不十分であり、7.0倍を越えると画像濃
度が低下する。これはトナー粒子に添加される無機微粒
子がトナー粒子とトナー像担持体との間でスペーサーと
して有効に挙動することに因ると考えられる。
【0190】また、D1×Sbが10以下であると転写
効率が不十分であり、50を越えると画像濃度の低下を
生じ、好ましくない。
【0191】上記範囲のトナーの比表面積はトナー粒子
の比表面積とトナー粒子に添加する無機微粉体の比表面
積、添加量及び添加混合強度を制御することで達成され
る。添加混合強度が強すぎると、無機微粒子がトナー粒
子中に埋め込まれてしまい、転写効率の向上が不十分で
ある。
【0192】更には無機微粉体が有効に使われるために
トナ粒子の体積あたりの比表面積Srが1.2〜2.5
2 /cm3 (更には1.4〜2.1m2 /cm3 )で
あり、トナーを真球と仮定した際の重量平均粒径から計
算される体積あたりの理論比表面積の1.5〜2.5倍
であることが好ましい。
【0193】また、無機微粉体の添加によって、比表面
積は1.5m2 /cm3 以上増加することが好ましい。
無機粒子を添加する前のトナー粒子の1nm〜100n
mの細孔の積算細孔面積比率曲線における、60%細孔
半径が3.5nm以下であるほうがよい。この際、トナ
ーのBET比表面積Sbとトナー粒子のBET比表面積
Srの比Sb/Srの値は2〜5の範囲にあることが好
ましい。
【0194】これらは、トナー粒子に添加される無機微
粉体の一次粒径以上の、トナー粒子中の細孔を減ずるこ
とによって、該無機微粉体が更に有効に挙動し、転写効
率を向上させるものと考えられる。
【0195】比表面積はBET法に従って、比表面積測
定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用い
て試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用い
て比表面積を算出した。また、60%細孔半径は、脱離
側の細孔半径に対する積算細孔面積比率曲線から求め
た。オートソーブ1においては細孔分布の計算はBar
rett,Joyner,&Harenda(B.J.
H)によって、考えられたB.J.H法で行う。
【0196】更に高画質化のためより微小な潜像ドット
を忠実に現像するために、トナー粒子は重量平均粒径が
4μm〜9μmであることが好ましい。重量平均径が4
μm未満のトナー粒子においいては、転写効率の低下か
ら感光体や中間転写体上に転写残のトナーが多く、更
に、かぶり・転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因
となり易く、本発明で使用するトナーには好ましくな
い。また、トナー粒子の重量平均径が9μmを越える場
合には、文字やライン画像に飛び散りが生じ易い。
【0197】トナーを表面処理してこのようなトナーを
得るには、粉砕法トナー粒子を水中に分散させ加熱する
湯浴法、熱気流中を通過させる熱処理法、機械的エネル
ギーを付与して処理する機械的衝撃法などが挙げられる
が、本発明においては、機械的衝撃法において処理温度
をトナー粒子のガラス転移点Tg付近の温度(Tg±1
0℃)を加える熱機械的衝撃が、凝集防止、生産性の観
点から好ましい。更に好ましくは、トナーのガラス転移
点Tg±5℃の範囲で行うことが、表面の10nm以上
の半径の細孔を減じ、無機微粉体を有効に働かせ、転写
効率を向上させるのに特に有効である。
【0198】また、本発明に係わるトナーは特公昭56
−13945号公報などに記載のディスクまたは多流体
ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを
得る方法や特公昭36−10231、特開昭59−53
856、特開昭59−61842号公報に述べられてい
る懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、
単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤
を用い直接トナーを生成する分散重合方法または水溶性
極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソ
ープフリー重合方法に代表される乳化重合法などを用い
トナーを製造することが可能である。
【0199】さて、先に述べたように、転写残余のトナ
ーの帯電極性を制御することにより、現像同時クリーニ
ング、クリーナレス画像形成方法が成立するわけである
が、このトナーの帯電極性を制御する工程において、感
光体帯電部材によりトナーあるいはトナーが劣化あるい
は劣化が促進されており、画像品質劣化を引き起こして
いることが判明した。
【0200】劣化の詳細であるが、帯電部材と感光体を
接触させ帯電を行う、所謂直接帯電法においては、その
帯電機構としては、所謂パッシェンの法則に従う放電を
利用した場合においても、本発明者らの検討において、
表面層に高分子からなる有機感光層を設けた場合には、
その高分子の分子鎖切断が起こっているとの結果を得て
いる。
【0201】更に、現像同時クリーニング、クリーナレ
ス画像形成方法において、転写残余のトナーについて感
光体帯電の影響を検討したところ、感光体帯電部材を通
過するトナーが帯電極性制御される際、化学的影響を受
けており、この影響により、耐久特性、画像品質特性な
どに悪影響を与えていることが判明した。
【0202】従来は、ブレードまたはファーブラシなど
のクリーニング部材により、転写残余のトナーが感光体
上からクリーニングされており、感光体帯電の影響がト
ナーに及ぶことはなかったものと考えられる。このた
め、感光体上に存在するトナーの帯電による化学的影響
を考慮にいれた検討は行われてはいなかった。
【0203】しかし、現像同時クリーニング、クリーナ
レス画像形成方法においては、感光帯電部材の影響を受
けたトナーが現像器に回収、再利用されるため、これら
の化学的影響を考慮にいれる必要性があることが判明し
た。
【0204】本発明においては、現像同時クリーニン
グ、クリーナレス画像形成方法において、トナー中に含
まれる残存モノマー量とこれら耐久特性、画像品質特性
に密接なつながりのあることを見い出した。
【0205】従って、本発明においては、残モノマー量
が1000ppm以下であるトナーを用いることが好ま
しい。
【0206】残存モノマーによる作用は、以下のような
ものと考えられる。
【0207】例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤を
主たる成分とするトナーの場合、残存モノマーはトナー
中に存在し、トナーのガラス転移点あるいはガラス転移
点近傍の熱的挙動に影響を与える、モノマーは低分子量
成分であるがためにトナー全体を可塑化する方向に働
く。感光体帯電に晒されたトナーについては、その活性
種により結着樹脂が影響を受け、樹脂分解物が生成し低
分子量分として存在するか、分解物が更に重合反応を促
進していくかのどちらかと思われる。一方、トナー中の
残存モノマーは、感光体帯電部材により発生する活性種
により、活性化するものと考えられる。
【0208】このように、トナー中にはこれらに起因す
る反応性低分子量分が存在するため、これらが拮抗ある
いは競合するものと考えられる。また、トナー中に含ま
れる荷電制御剤も比較的電子授受に富む化合物であり、
明瞭な原因の総ては掴みきれてはいないが、残存モノマ
ー量とトナー中反応性低分子量分の拮抗、競合の関係が
変化することが示唆されている。
【0209】つまり、トナー中残存モノマー量という観
点から現象を解析すると、1000ppm以下であれ
ば、耐久特性につき性能がよく、1000ppmを越え
る範囲のトナーを用いると、耐久特性及び画像特性が実
用上不十分である。
【0210】望ましくは、残存モノマー量が、500p
pm以下であると、耐久特性、画像品質特性につき良好
であり、300ppm以下であると更に良好な結果が得
られる。
【0211】トナー中残存モノマーの測定方法は以下の
通りである。
【0212】本発明の残存モノマー量は、トナー0.2
gをTHF4mlに溶解し、ガスクロマトグラフィーに
て以下の条件で内部標準法により測定した。
【0213】 G.C条件 測定装置:島津GC−15A キャリア:N2 ,2kg/cm2 ,50ml/min. split比1:60、線速度 30mm/sec. カラム :ULBON HR−1 50mm×0.25mm 昇温 :50℃ 5min.hold 5℃/min. 100℃ 10℃/min. 200℃ hold 試料量 :2μl 標準試料:トルエン また、本発明においては、トナーが潤滑性を有する物質
を含有することが好ましい。
【0214】クリーニングブレードなどのクリーニング
装置を有する画像形成方法に潤滑性を有する物質を含有
するトナーを適用した場合には、 (1)転写材/トナー/静電潜像担持体の3者が存在す
る転写部位において、潤滑剤の静電潜像担持体表面への
付着、ならびにトナー粒子の有する良好な離型性によ
り、トナー粒子群が静電潜像担持体表面から転写材へ均
一に移行できること。
【0215】(2)クリーニング部材/転写残トナー/
静電潜像担持体の3者が存在するクリーニング部位にお
いて、トナー粒子同士の静電的凝集力と静電潜像担持体
への静電的付着力を低く抑えることができ、更に潤滑剤
の静電潜像担持体及びクリーニング部材表面への被覆、
その結果より軽微な当接圧でも静電潜像担持体表面から
トナーや紙粉などが除去され、放電によりダメージを受
けた静電潜像担持体表面へのトナー融着防止、ならびに
静電潜像担持体のクリーニング不良が抑制されること。
【0216】(3)潤滑剤の静電潜像担持体及びクリー
ニング部材表面の被覆、更にトナー粒子同士の静電的凝
集力が低くかつ潤滑性が良好なため、トナー粒子がクリ
ーニング部材の静電潜像担持体当接部分で個々の粒子に
分散され易く、より軽微な当接圧で均一に感光体表面が
研磨されること。などが達成され、画像汚れ、飛び散り
を実質的に防止した高品位な画像が得られると同時に、
クリーニング不良やトナー融着が抑制され、静電潜像担
持体の長寿命化が達成された。
【0217】すなわち、従来用いられてきたクリーニン
グ部材によって静電潜像担持体上に残存する転写残トナ
ーを取り除いた後に、感光体を帯電、像露光することに
より静電潜像を形成し、この静電潜像を現像工程にてト
ナーにより可視像化する画像形成方法においては、静電
潜像担持体上へのトナー固着は、クリーニング部材の静
電潜像担持体表面への当接圧の因子が大きい。トナーに
含有した潤滑性物質の働きは、前述したが如く、潤滑剤
の静電潜像担持体表面への付着による転写残トナーの減
少、転写残トナーの静電潜像担持体表面からの掻き取り
易さによるクリーニング負荷の軽減の効果が主となって
いる。
【0218】これに対し、本発明の本質的にクリーニン
グ装置を有さない、所謂クリーニングレス、現像同時ク
リーニングといわれるシステムにおいて特異に生ずる静
電潜像担持体上へのトナー固着防止に対する潤滑性を有
する物質を含有するトナーの効果については、そのメカ
ニズムにおいて差異がある。
【0219】本発明の本質的にクリーニング装置を有さ
ない、所謂クリーニングレス、現像同時クリーニングと
いわれるシステムにおいて生ずる静電潜像担持体表面へ
のトナー固着は、静電潜像担持体上に転写工程後も残存
する転写残トナーが、静電潜像担持体表面から掻き取ら
れることなく、一次帯電を受け、あるいは現像工程の現
像バイアスにより、著しく高い帯電量を有することにな
り、静電潜像担持体表面に強固な静電付着力を示すこと
によると考えられる。静電潜像担持体表面に強固に付着
したトナーが、クリーニング部材により剥ぎ取られるこ
となく、帯電・現像・転写工程において電気的・熱的エ
ネルギーにより固着するものと考えられる。
【0220】従って、本発明の本質的にクリーニング装
置を有さない、所謂クリーニングレス、現像同時クリー
ニングといわれるシステムにおいて特異に生ずる静電潜
像担持体上へのトナー固着防止に対する潤滑性を有する
物質を含有するトナーの効果としては、 (1)転写材/トナー/静電潜像担持体の3者が存在す
る転写部位においいて、潤滑剤の静電潜像担持体表面へ
の付着、ならびにトナー粒子の有する良好な離型性によ
り、トナー粒子群が静電潜像担持体表面から転写材へ均
一に移行できること。
【0221】(2)トナー担持体/トナー/静電潜像担
持体の3者が存在する現像部位において、潤滑剤の静電
潜像担持体表面への付着、ならびにトナー粒子の有する
良好な離型性により、トナー粒子群が静電潜像担持体表
面からトナー担持体へ回収され易いこと。
【0222】などが達成され、トナー融着が抑制され、
静電潜像担持体の長寿命化が達成されるものと考えられ
る。
【0223】本発明のトナーに用いられる潤滑性を有す
る物質は、固体潤滑剤としては例えばポリテトラフルオ
ロエチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビ
ニリデン粉末、シリコーン樹脂微粒子などの潤滑粉末、
あるいは二硫化モリブテン、グラファイト、窒化ホウ素
などの劈開性を有する微粉体などが挙げられる。
【0224】また、本発明においては、トナー粒子が潤
滑性を有する物質として液体潤滑剤を含有していること
が望ましく、より望ましくは、液体潤滑剤は磁性体、顔
料などの着色剤を担体粒子として、あるいは無機酸化物
微粒子、樹脂微粒子などを担体粒子として吸着、造粒、
凝集、含浸、内包などの手段で担持させトナー粒子中に
含有させる。これによりトナー粒子表面に液体潤滑剤を
均一かつ適性量存在させることができ、トナー粒子の離
型性、潤滑性を安定化することができる。
【0225】本発明のトナーに離型性、潤滑性を与える
液体潤滑剤としては、動物油、植物油、石油系潤滑油、
合成潤滑油などが用いられ、その安定性から合成潤滑油
が好ましく用いられる。合成潤滑油としては、ジメチル
シリコーン、メチルフェニルシリコーン、各種変性シリ
コーンなどのシリコーン;ペンタエリスリトールエステ
ル、トリメチロールプロパンエステルなどのポリオール
エステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリα−オレフィンなどのポリオレフィン;ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポ
リグリコール;テトラデシルシリケート、テトラオクチ
ルシリケートなどのケイ酸エステル;ジ−2−エチルヘ
キシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート
などのジエステル;トリクレシルホスフェート、プロピ
ルフェニルホスフェートなどの燐酸エステル;ポリクロ
ロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレンなどの
フッ化炭化水素化合物;ポリフェニルエーテル、アルキ
ルナフテン、アルキル芳香族などが挙げられる。中でも
熱安定性、酸化安定性の面からシリコーン、フッ化炭化
水素が好ましい。また、シリコーンとしては、アミノ変
性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変
性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変
性、異種官能基変性などの反応性シリコーン、ポリエー
テル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、脂肪酸
変性、アルコキシ変性、フッ素変性などの非反応性シリ
コーン、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコ
ン、メチルハイドロジェンシリコーンなどのストレート
シリコーンなどが用いられる。
【0226】本発明においては、担持体表面の液体潤滑
剤が一部遊離してトナー粒子表面に存在することにより
その効果を発揮するので、硬化型のシリコーンはその性
質上効果は薄れる。また反応性シリコーンや極性基を持
つシリコーンは液体潤滑剤担持媒体への吸着が強くなっ
たり、結着樹脂に対する相溶性が現われるなど、その程
度によっては遊離量が少なくなり、効果が劣る場合があ
る。また、非反応性シリコーンでも、側鎖の構造によっ
ては結着樹脂に対する相溶性が現われ効果が劣る場合が
ある。従って、ジメチルシリコーン、フッ素変性シリコ
ーン、フッ化炭化水素などが反応性、極性が少なく吸着
も強固でなく、結着樹脂への相溶性も無いので好ましく
用いられる。
【0227】本発明に用いられる液体潤滑剤は25℃に
おける粘度が10cSt〜20万cStであることが好
ましく、より好ましくは20cSt〜10万cSt、特
には50cSt〜7万cStであることが好ましい。1
0cSt未満の場合では、低分子量成分が多くなるため
現像性、保存性に問題が生じ易い。また、20万cSt
を越える場合では、トナー粒子中での移行や分散が不均
一になり現像性、転写性、対汚染性などにおいて問題が
生じ易くなる。本発明においける液体潤滑剤の粘度測定
は、ビスコテスターVT500(ハーケ社製)を用いて
行う。
【0228】いくつかあるVT500用粘度センサーの
ひとつを任意に選び、そのセンサー用のセルに測定資料
を入れて測定する。装置上に表示された粘度(pas)
はcStに換算する。
【0229】本発明では、好ましくは、液体潤滑剤を磁
性体などの着色剤もしくは潤滑粒子に担持せしめて使用
される。そのため、単にシリコーンなどの液体潤滑剤を
そのまま添加するよりも分散性に優れる。しかし、単に
分散性を向上させるのが目的ではなく、担体粒子から液
体潤滑材を遊離させてその離型性、潤滑性を発揮させる
と同時に、適度な液体潤滑剤の吸着強度を持たせ、過度
の遊離を防止する必要がある。
【0230】担体の表面に液体潤滑剤を保持せしめ、ト
ナー粒子表面あるいは、表面近傍に存在せしめること
で、トナー粒子表面の液体潤滑剤量を適度に調整するこ
とができる。
【0231】本発明の液体潤滑剤を担持体表面に担持さ
せる具体的方法としては、ホイール型混練機またはらい
かい機が用いられる。ホイール型混練機またはらいかい
機を用いた場合には、圧縮作用によって担持体粒子間に
介在している液体潤滑剤を担持体粒子表面に押しつける
とともに、粒子間隙を通して押し広げて粒子表面との密
着性を増し、せん断作用によって液体潤滑剤を引き延ば
しながら粒子群に対してはせん断力により位置を変えて
ばらばらに凝集を解きほぐし、更に、へらなで作用によ
り粒子表面に存在する液体潤滑剤を均一に広げるとい
う、上記3つの作用が繰り返されることによって担持体
粒子間の凝集がときほぐされて粒子1個1個ばらばらの
状態で個々の粒子表面に均一に担持されるので特に好ま
しい。なお、ホイール型混練機としては、シンプソンミ
ックスマーラー、マルチマル、ストッツミル、アイリッ
ヒミル、逆流混練機などが好ましく使用できる。
【0232】しかし、ヘンシェルミキサー、ボールミル
のような混合機を用いて液体潤滑剤をそのまま、あるい
は溶剤などで希釈して担持体粒子と直接混合し担持させ
たり、担持体粒子に直接スプレーして担持させたりする
方法も知られているが、これらの方法は担持体粒子が微
粉体である場合には、少量の液体潤滑剤を担体に均一に
担持させることが難しかったり、局部的にせん断力、熱
などが加わり液体潤滑剤が強固に吸着したり、シリコー
ンの場合などは焼きつきを起こしたりするため、液体潤
滑剤の担体からの遊離が効果的に行われないことがあ
る。
【0233】担持体に対する液体潤滑剤の担持量につい
ては、その効果の点から結着樹脂に対する液体潤滑剤の
量が重要である。その最適範囲は、液体潤滑剤量として
は結着樹脂100重量部に対し0.1〜7重量部となる
ように担持体に担持させ添加することが好ましく、更に
好ましくは0.2〜5重量部であり、特には0.3〜2
重量部が好ましい。
【0234】本発明に用いられる液体潤滑剤を含有する
潤滑粒子としては、磁性体などの着色剤の他には、有機
化合物もしくは無機化合物の微粒子を液体潤滑剤により
造粒、あるいは凝集させたものが潤滑粒子として使用さ
れる。
【0235】有機化合物としては、スチレン樹脂、アク
リル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素樹
脂などの樹脂粒子などが挙げられる。また、無機化合物
としては、SiO2 ,GeO 2 ,TiO2 ,SnO2
Al2 3 ,B2 3 ,P2 5 などの酸化物、ケイ酸
塩、ホウ酸塩、リン酸塩、ホウケイ酸塩、アルミノケイ
酸塩、アルミノホウ酸塩、アルミノホウケイ酸塩、タン
グステン酸塩、モリブデン酸塩、テルル酸塩などの金属
酸化物塩、及びこれらの複合化合物、炭化ケイ素、窒化
ケイ素、アモルファスカーボンなどが挙げられる。これ
らは単独あるいは混合して使用できる。
【0236】無機化合物微粉体としては、乾式法及び湿
式法で製造下無機化合物微粉体が使用できる。ここで言
う乾式法とはハロゲン化物の蒸気相酸化により生成する
無機化合物微粉体の製造法である。例えば、ハロゲン化
物ガスの酸素水素中における熱分解酸化反応を利用する
方法で基礎となる反応式は次のようなものである。
【0237】 MXn +1/2nH2 +1/4O2 → MO2 +nHCl この式において、例えばMは金属、半金属元素、Xはハ
ロゲン元素、nは整数を表す反応式である。具体的に
は、AlCl3 、TiCl4 、GeCl4 、SiC
4 、POCl3 、BBr3 を用いればそれぞれAl2
3 、TiO2 、GeO2 、SiO2 、P2 5 、B2
3 が得られる。この時、ハロゲン化物を混合して用い
れば複合化合物が得られる。
【0238】他には、熱CVD、プラズマCVDなどの
製造法を応用して、乾式による微粉体を得ることができ
る。中でも、SiO2 、Al2 3 、TiO2 などが好
ましく用いられる。一方、本発明に用いられる無機化合
物微粉体を湿式法で製造する場合は、従来公知である種
々の方法が適用できる。例えば、下記式に示すようなケ
イ酸ナトリウムの酸による分解、 Na2 O・XSiO2 +HCl+H2 O→SiO2 ・nH2 O+NaCl また、ケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類またはアルカ
リ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ土類
金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸とす
る方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹脂により
ケイ酸とする方法、天然ケイ酸またはケイ酸塩を利用す
る方法などがある。その他には金属アルコキシドの加水
分解による方法がある。この一般反応式を以下に示す。
【0239】 M(OR)n O+1/2nH2 O → MO2 +ROH この式において、例えばMは金属、半金属元素、Rはア
ルキル基、nは整数を表す。
【0240】また、この時2種以上の金属アルコキシド
を用いれば複合物が得られる。
【0241】これらの中でも適度な電気抵抗値を有する
点から無機化合物が特には金属酸化物がよい。特に、S
i、Al、Tiの酸化物、複酸化物が好ましい。
【0242】また、表面をカップリング剤などにより予
め疎水化したものを用いてもよい。しかし、液体潤滑剤
の中にはトナー粒子表面を覆うと帯電過剰となり易いも
のもある。疎水化していない物を担体として用いると電
荷の適切なリークを行うことができ、良好な現像性を維
持することが可能である。従って、疎水化処理を行って
いない担体を用いることも好ましい形態のひとつであ
る。
【0243】担体微粒子の粒径としては、好ましくは
0.001〜20μm、特に好ましくは0.005〜1
0μmである。BET法で測定した窒素吸着による比表
面積としては、5〜500m2 /g、より好ましくは1
0〜400m2 /g、更に好ましくは20〜350m2
/gである。5m2 /g未満では本発明の液体潤滑剤を
好適な粒径の潤滑粒子として保持することが困難となり
易い。
【0244】また、潤滑粒子における液体潤滑剤の量
は、20〜90重量%、好ましくは27〜87重量%、
特に好ましくは40〜80重量%である。液体潤滑剤の
量が20重量%未満ではトナー粒子に良好な潤滑性、離
型性が与えられず、またそのために多量に潤滑粒子をト
ナー中に添加すると現像性が不安定になり易い。90重
量%を越える場合では均一に液体潤滑剤を含有する潤滑
粒子が得られにくい。
【0245】また、液体潤滑剤を保持しつつ遊離を行え
るように潤滑粒子の粒径が0.5μm以上であることが
好ましく、更には1μm以上が好ましく、その体積基準
分布による主成分がトナー粒子の粒径より大きいことも
好ましい。これらの潤滑粒子は液体潤滑剤を多量に含有
しもろいのでトナーの製造中にその一部は崩れトナー粒
子に均一に分散すると共に、液体潤滑剤を遊離しトナー
粒子に潤滑性、離型性を与えることができる。その一方
で、潤滑粒子は液体潤滑剤の保持能力を維持した状態で
トナー粒子中に存在するのでトナー粒子中でのその粒径
などは限定されない。
【0246】従って、液体潤滑剤を過度にトナー粒子表
面に移行させることもなくトナーの流動性、現像性の劣
化も生じない。一方、トナー粒子表面から液体潤滑剤が
一部離脱しても潤滑粒子から補充することが可能である
ので、トナー粒子の離型性、潤滑性を長期間維持可能で
ある。これらの潤滑粒子は、混合機中で液体潤滑剤ある
いは任意の溶媒で希釈した溶液などの液滴を担体微粒子
に吸着させる方法で造粒することができ、溶媒は造粒後
揮発させ更に必要に応じ粉砕してもよい。あるいは混練
機などを用いて担体粒子に液体潤滑剤あるいはその希釈
物を加え混練し、必要に応じて粉砕し造粒することがで
き、溶媒はその後揮発させる方法が用いられる。以上の
ような潤滑粒子は結着樹脂100重量部に対し0.01
〜50重量部含有することが好ましく、より好ましくは
0.05〜50重量部、特には0.1〜20重量部が好
ましい。0.01重量部未満では潤滑、離型効果が得ら
れず、50重量部を越える場合では帯電安定性、生産性
に問題が生じ易い。
【0247】本発明の潤滑粒子は多孔質粉体に液体潤滑
剤を含浸、内包させたものを用いることができる。
【0248】本発明においいて用いられる多孔質粉体と
しては、ゼオライトに代表されるモレキュラーシーブ、
ベントナイトなどの粘土鉱物、酸化アルミニウム、酸化
チタン、酸化亜鉛、樹脂ジェルなどがある。多孔質粉体
でも樹脂ジェルの如きトナー製造時の混練工程でその粒
子が崩壊するものは、その粒径は限定されない。一方、
崩壊困難な多孔質粉体の粒径としては、一次粒径として
15μm以下が好ましい。15μmを越える場合ではト
ナー粒子中への分散が不均一になり易い。また、液体潤
滑剤を含浸する前の多孔質粉体のBET法で測定した窒
素吸着による比表面積は10〜50m2 /gであるもの
が好ましい。10m2 /g未満では多量の液体潤滑剤を
保持することが難しく、50m2 /gを越えると細孔径
が細かく細孔内に液体潤滑剤が充分含浸できなくなる。
多孔質粉体に含浸させる方法としては、多孔質粉体を減
圧処理し、これを液体潤滑剤に浸す方法で製造できる。
液体潤滑剤を含浸させた多孔質粉体は結着樹脂100重
量部に対し、0.1〜20重量%の範囲で混合するのが
好ましい。
【0249】0.1重量%未満では潤滑性、離型性改善
に効果がなく20重量%を越えるとトナーの帯電安定性
に問題が生じ易い。またこれらの他にも、液体潤滑剤を
内包するカプセル型潤滑粒子や内部に液体潤滑剤を分
散、内包、膨潤、含浸させた樹脂粒子なども使用でき
る。
【0250】本発明では液体潤滑剤を潤滑粒子としてト
ナー粒子中に分散させる必要があるが、潤滑粒子やその
崩壊物はトナー粒子中に均一に分散するので、液体潤滑
剤もトナー粒子ひとつひとつに均一に分散できる。従来
よりシリコーンをトナー中に均一に分散させるため各種
担体に吸着させて用いることがあり、単にシリコーンな
どを直接添加する方法より均一分散性に優れている。し
かし、本発明では単に分散性を向上させることが目的で
はなく、担体より液体潤滑剤を遊離させその潤滑効果、
離型効果を有効に発揮させなければならないのと同時
に、適度の保持強度を持たせ液体潤滑剤の過剰の遊離を
防止することが重要である。そのためには、本発明には
潤滑粒子を用いることが好ましく、液体潤滑剤を各種担
体に担持させた潤滑粒子が用いられる。
【0251】磁性体や他の微粒子がトナー粒子表面ある
いは表面近傍に存在することで、トナー粒子表面の液体
潤滑剤量を適度に調整することが可能である。また、液
体潤滑剤は潤滑粒子より遊離しトナー粒子表面に移行す
るが、担体の保持力が強ければ、液体潤滑剤は遊離しに
くく、従ってトナー粒子表面への移行が少なくトナー粒
子の潤滑性、離型性は得られない。これとは逆に、担体
の保持力が弱ければ、液体潤滑剤は容易に遊離し、従っ
てトナー粒子表面への移行が過剰となり帯電性が不安定
となり現像性に問題を生じる。また、流動性も悪化し画
像濃度ムラなどの問題が生じ易い。更に、液体潤滑剤が
担体から遊離し切ってしまえば潤滑性、離型性の効果は
失われる。本発明では、潤滑粒子の保持力が適度である
ため液体潤滑剤は担体から適度に遊離され、従ってトナ
ー粒子表面から液体潤滑剤が離脱しても徐々に補給され
るのでトナー粒子の潤滑性、離型性は持続される。ま
た、トナー粒子表面あるいは表面近傍に磁性体、微粒子
などの担体が存在するためトナー粒子表面に移行した液
体潤滑剤を再吸着することもでき、液体潤滑剤の過度の
染み出しを防止できる。従って、担体がトナー粒子表面
あるいは表面近傍に存在することは液体潤滑剤をトナー
粒子表面に適量保持するのに重要である。すなわち、余
分な液体潤滑剤は吸収するが消費された液体潤滑剤は速
やかに補給される機能を補助することができる。
【0252】以上のことからも、本発明のトナーはある
程度時間を経ることでその潤滑性、離型性の効果は平行
状態に達しかつその効果は最大となることが分る。従っ
て、トナー製造後保存期間を経ることでその効果は向上
するが、担体による吸着と平衡状態となるので液体潤滑
剤が過剰にトナー粒子表面に出てくることはない。一
方、30〜45℃の熱履歴を与えることでその期間を早
め安定した状態で最大の効果を発揮できるトナーとなる
ので好ましい。また、熱履歴によっても平衡状態となる
ので一定の効果を保ち弊害を生じることはない。熱履歴
を加えるのはトナー粒子製造後であればいつでもよく粉
砕法の場合では粉砕後になる。
【0253】液体潤滑剤量としては結着樹脂100重量
部に対し、液体潤滑剤が0.1〜7重量部となるように
磁性体あるいは潤滑粒子を添加することが好ましく、更
に好ましくは0.2〜5重量部であり、特には0.3〜
2重量部が好ましい。
【0254】シリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物
を吸着させたSiO2 、Al2 3、TiOなどの金属
酸化物微粒子をトナーに添加する方法も本発明の好まし
い形態のひとつである。しかし、これらの方法は液体潤
滑剤の吸着が強く、液体潤滑剤がトナー粒子表面に現わ
れにくく、トナー粒子に付与される潤滑性、離型性が十
分でない場合もあり、上述の潤滑粒子とは区別される。
【0255】本発明のトナーに用いられる結着樹脂とし
ては、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などのトナー用結着
樹脂として公知の広範な樹脂が単独あるいは複数種組み
合わせて使用可能である。
【0256】着色剤としても従来より知られている無
機、有機の染料、顔料が使用可能であり、例えば、カー
ボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラッ
ク、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミン
レーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニン
ブルー、インダンスレンブルーなどがある。これらは通
常、結着樹脂100重量部に対し0.5〜20重量部使
用される。
【0257】また、帯電制御の目的で、ニグロシン染
料、四級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体または
金属塩、アセチルアセトンなどを用いることができる。
【0258】本発明に係るトナーを作成するには、公知
の方法が用いられるが、例えば、結着樹脂、ワックス、
金属塩ないしは金属錯体、着色剤としての顔料、または
染料、磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加
剤などをヘンシェルミキサー、ボールミルなどの混合器
により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクス
トルーダーの如き熱混練機を用いて熔融混練して樹脂類
をお互いに相熔せしめた中に金属化合物、顔料、染料、
磁性体を分散または溶解せしめ、冷却固化、粉砕後、分
級及び必要に応じて表面処理を行ってトナー粒子を得、
無機微粉体を添加混合することによって本発明に係わる
ところのトナーを得ることができる。分級及び表面処理
の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産
効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0259】また、本発明に係わるトナーは特公昭56
−13945号公報などに記載のディスクまたは多流体
ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを
得る方法や特公昭36−10231、特開昭59−53
856、特開昭59−61842号公報に述べられてい
る懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や単
量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を
用い直接トナーを生成する分散重合方法または水溶性極
性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソー
プフリー重合方法に代表される乳化重合方法などを用い
トナーを製造することが可能である。
【0260】特には懸濁重合方法が特に好ましい。更
に、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた
後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本
発明に好適に利用することができる。
【0261】更に、スチレンと(メタ)アクリル酸の共
重合体、マレイン酸共重合体、飽和ポリエステル樹脂な
どの極性樹脂を添加せしめることも好ましい。
【0262】更に本発明においいて直接重合方法を用い
る場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い
荷電制御剤が好ましい。
【0263】本発明のトナー製造方法に直接重合方法を
用いる場合においいては、以下の如き製造方法によって
具体的にトナーを製造することが可能である。単量体中
に低軟化物質からなる、離型剤、着色剤、荷電制御剤、
重合開始剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー・
超音波分散機などによって均一に溶解または分散せしめ
た単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹
拌機またはホモミキサー、ホモジナイザーなどにより分
散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子
のサイズを有するように撹拌速度、時間を調整し、造粒
する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維
持され、かつ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行え
ばよい。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90
℃の温度に設定して重合を行う。
【0264】更に本発明中のトナーは、磁性あるいは非
磁性1成分現像剤として用いてもよいし、キャリア粒子
と混合して2成分現像剤として用いてもよい。
【0265】本発明に用いられる現像工程の条件として
は、現像剤と感光体表面が接触していることが好まし
く、また反転現像方法を用いることが好ましい。
【0266】二成分磁気ブラシ現像方法を用いる場合
は、そのキャリアとして、フェライト、マグネタイト、
鉄粉、あるいはそれらをアクリル樹脂、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂などでコーティングしたものが用いられ
る。
【0267】一成分現像剤として、弾性ローラー表面な
どにトナーをコーティングし、これを感光体表面と接触
させる方法も好ましいひとつの方法として用いられる。
このとき、トナーを介して、感光体と感光体表面に対向
する弾性ローラー間に働く電界によって現像と同時にク
リーニングが行われるので、弾性ローラ表面、あるいは
表面近傍が電位を持ち、感光体表面とトナー担持表面の
狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性
ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光
体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性
ローラーの表面層に薄層の絶縁層を設ける方法も利用で
きる。更には、導電性ローラ上に感光体表面に対向する
側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブある
いは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層
を設けた構成も可能である。
【0268】一成分接触現像法を用いた場合、そのトナ
ーを担持するローラー表面は、感光体の移動方向と同方
向に回転していてもよいし、逆方向に回転していてもよ
い。その回転が同方向である場合感光体の移動速度(周
速)に対して、周速比で100%以上が望ましい。10
0%未満であると、画像品質が悪い。周速比が高まれば
高まるほど、現像部位に供給されるトナーの量は多く、
潜像に対しトナーの脱着頻度が多くなり、不要な部分は
掻き落とされ必要な部分には付与されるという繰り返し
により、潜像に忠実な画像が得られる。現像同時クリー
ニングという観点では、感光体上に密着した転写残余の
トナーを感光体表面とトナーの付着部分を周速差により
物理的に引き剥がし電界により回収すると言う効果も期
待できることから、周速比は高いほど転写残余のトナー
の回収には都合がよい。
【0269】以下に本発明に使用される部材を構成、材
質、製造方法などを例示する。
【0270】〔帯電部材製造例1〕平均粒径25μmを
有する(Fe2 3 2.3 (CuO)1 (ZnO)1
表される組成の、Zn−Cuフェライトを用意し、抵抗
値の印加電界依存性を測定したところ図3のAの挙動を
示した。磁性粒子の体積抵抗は前述したアルミドラムを
用いた抵抗測定装置により行った。
【0271】〔帯電部材製造例2〕帯電部材製造例1の
磁性粒子表面に、シリコーン樹脂にカーボンブラック1
重量%を分散させた導電性樹脂を被覆した磁性粒子。抵
抗値の測定を上述の方法で行ったところ、抵抗値の印加
電界依存性が図3のBの挙動を示した。
【0272】〔帯電部材製造例3〕帯電部材製造例1の
Zn−Cuフェライトに酸化処理を施した磁性粒子。抵
抗値の測定を上述の方法で行ったところ、抵抗値の印加
電界依存性が図3のCの挙動を示した。
【0273】〔帯電部材製造例4〕帯電部材製造例1の
Zn−Cuフェライトに酸化処理を施した磁性粒子表面
に、シリコーン樹脂にカーボンブラック3重量%を分散
させた導電性樹脂を被覆した磁性粒子。抵抗値の測定を
上述の方法で行ったところ、抵抗値の印加電界依存性が
図3のDの挙動を示した。
【0274】〔帯電部材製造例5〕平均粒径40μmの
マグネタイト(FeO・Fe2 3 )粒子。抵抗値の測
定を上述の方法で行ったところ、抵抗値の印加電界依存
性が図3のEの挙動を示した。
【0275】〔帯電部材製造例6〕上記のマグネタイト
粒子を酸化処理を施した磁性粒子。抵抗値の測定を上述
の方法で行ったところ、抵抗値の印加電界依存性が図3
のFの挙動を示した。
【0276】〔帯電部材製造例7〕平均粒径45μmを
有する(Fe2 3 2.4 (MnO)1 (ZnO)1.1
で表される組成の、Mn−Znフェライトの磁性粒子表
面にシリコーン樹脂を被覆した磁性粒子を用意し、抵抗
値の印加電界依存性を測定したところ図3のGの挙動を
示した。
【0277】〔帯電部材製造例8〕平均粒径45μmを
有する(Fe2 3 2.4 (MnO)1 (ZnO)1.1
で表される組成の、Mn−Znフェライトの磁性粒子を
用意し、抵抗値の印加電界依存性を測定したところ図3
のHの挙動を示した。
【0278】〔帯電部材製造例9〕ポリエチレンテレフ
タレートとナイロン−6からなるオレンジ型分割繊維
(フィラメント数8、平均繊維径1μm)とナイロン−
6繊維(単一繊維、20μm)を使用して平織りシート
を作製した。これに高圧水流を噴射し分割繊維を開繊し
た後、サンドペーパーで起毛処理した。
【0279】次に、起毛した繊維シートを濃度15重量
%の塩化第2鉄水溶液に一時間含浸させてから、ピロー
ルモノマー蒸気で満たされた密閉容器に入れ、3時間重
合反応を行い、繊維表面にポリピロールを形成させた。
反応後、純水とエタノールで十分に洗浄し100℃で乾
燥した。乾燥した繊維シートについて、起毛部を剛性ブ
ラシでブラッシングし毛並みを揃えた。
【0280】上記起毛繊維シートを1cm幅の短冊状に
加工し、φ6のステンレス製芯金に形成された導電性ウ
レタンスポンジローラー(外径φ12)に巻き付けた。
【0281】〔帯電部材製造例10〕繊維平均径17μ
mのナイロン繊維を0.5mmにカットし、導電性ゴム
ローラ(φ12)の表面に直接静電植毛した。植毛は、
アップ式植毛機を使用し、アクリル酸エステル接着剤を
コートした導電性ゴムローラを円周方向に回転させなが
ら行い、繊維密度1万本/cm2 の植毛体を作製した。
【0282】ここで、導電性ゴムローラは、ステンレス
製の直径6mm金属芯(導電性基体)に、導電性カーボ
ンブラックを混合分散したEPDMである。
【0283】得られた植毛ローラは、濃度15重量%の
塩化鉄水溶液に30分間含浸し繊維表面に塩化鉄成分を
付与させた後、導電性ポリピロールの前駆体であるピロ
ール蒸気で満たされた密閉容器に静置し、2時間ピロー
ル蒸気と接触反応を行った。容器内は、ピロール自身の
酸化を防止する目的で窒素置換(脱酸素)してある。
【0284】反応後、植毛ローラは純水とエタノールで
それぞれ十分に洗浄してから110℃で30分間乾燥し
た。
【0285】〔帯電部材製造例11〕ポリエチレンテレ
フタレートが海部、6−6ナイロンが島部(エレメント
数15)である海島型複合繊維を0.5mmにカット
し、アクリルバインダにて固定されたナイロンの不織布
を巻いた導電性ウレタンローラー上に、アクリル酸エス
テル接着剤をコートし、静電植毛を行った。ここで、植
毛密度は1万本/cm2である。
【0286】このローラーの表面部分を、90℃に調整
した濃度3重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に浸しつ
つ回転させ、20分間加水分解処理した。これを希塩酸
で中和した後、乾燥し単糸平均径0.5μmの極細ナイ
ロン繊維を生じさせた。また、ポリエチレンテレフタレ
ートを溶解し、6−6ナイロンエレメントを生じさせた
後の繊維密度は13万本/cm2 であった。
【0287】次いで、ローラは、濃度15重量%の塩化
鉄水溶液に30分間含浸し繊維表面に塩化鉄成分を付与
させた後、導電性ポリピロールの前駆体であるピロール
蒸気で満たされた密閉容器に静置し、2時間ピロール蒸
気と接触反応を行った。容器内は、ピロール自身の酸化
を防止する目的で窒素置換(脱酸素)してある。
【0288】反応後、ローラは純水とエタノールでそれ
ぞれ十分に洗浄してから110℃で30分間乾燥した。
【0289】〔帯電部材製造例12〕導電性カーボンを
分散した平均径23μmアクリル繊維を0.5mmにカ
ットし、ダウン法により幅1cmのナイロン織布に静電
植毛した。
【0290】植毛密度は1.2万本/cm2 であった。
【0291】これを、導電性カーボンを分散したウレタ
ンゴムローラ(φ11)にスパイラル状に巻き付け帯電
ローラを作製した。
【0292】〔帯電部材製造例13〕円筒状シームレス
ポリイミドフィルム上に、カーボンブラックを分散した
ポリウレタンを塗布し、平均径20μmのレーヨン繊維
を0.5mmにカットした繊維を静電植毛した。
【0293】次いで、植毛されたシームレスフィルム
は、濃度15重量%の塩化鉄水溶液に30分間含浸し繊
維表面に塩化鉄成分を付与させた後、導電性ポリピロー
ルの前駆体であるピロール蒸気で満たされた密閉容器に
静置し、2時間ピロール蒸気と接触反応を行った。容器
内は、ピロール自身の酸化を防止する目的で窒素置換
(脱酸素)してある。
【0294】反応後、ローラは純水とエタノールでそれ
ぞれ十分に洗浄してから110℃で30分間乾燥した。
【0295】〔帯電部材製造例14〕ポリエチレンテレ
フタレートとナイロン6から成るオレンジ型分割繊維
(フィラメント数8、平均繊維径1μm)とナイロン6
繊維(単一繊維、20μm)を使用して平織りシートを
作製した。これに高圧水流を噴射し分割繊維を開繊した
後、サンドペーパーで起毛処理した。上記起毛繊維シー
トを1cm幅の短冊状に加工し、φ6のステンレス製芯
金に形成された導電性ウレタンスポンジローラー(外径
φ12)に巻き付けた。
【0296】上記帯電ローラを回転体にセットし、N−
メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させた導電性
ポリアニリンをスプレーコートした。120℃、1時間
乾燥した。乾燥した後、起毛部を剛性ブラシでブラッシ
ングし毛並みを揃えた。
【0297】〔帯電部材製造例15〕導電性カーボンブ
ラックを分散した平均径25μmアクリル繊維を0.5
mmにカットし、カーボンブラック分散導電性ウレタン
ブレード上に静電植毛した。
【0298】植毛密度は0.9万本/cm2 であった。
【0299】〔帯電部材製造例16〕導電性カーボンを
分散した平均径40μmアクリル繊維を0.5mmにカ
ットし、カーボンブラック分散導電性ウレタンブレード
上に静電植毛した。
【0300】植毛密度は0.5万本/cm2 であった。
【0301】〔帯電部材製造例17〕導電性ローラー上
に、カーボンブラックを分散したポリアミド樹脂をロー
ルコートにより塗布した。
【0302】〔帯電部材製造例18〕導電性ブレード上
に、導電性酸化錫を分散したウレタン塗料をバーコート
により塗布した。
【0303】〔感光体製造例1〕感光体は負帯電用の有
機光導電性物質を用いた感光体(OPC)であり、φ3
0mmのアルミニウム製のシリンダー上に機能層を5層
設ける(図5)。
【0304】第1層は導電層(導電性被覆層)であり、
アルミニウムシリンダーの欠陥等をならすため、またレ
ーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するために設
けられている厚さ約20μmの導電性粒子分散樹脂層で
ある。
【0305】第2層は正電荷注入防止層(下引き層)で
あり、アルミニウム支持体から注入された正電荷が感光
体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割
を果たし、6−66−610−12−ナイロン樹脂とメ
トキシメチル化ナイロンによって106 Ωcm程度に抵
抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0306】第3層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の
顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レ
ーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生す
る。
【0307】第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネ
ート樹脂にヒドラゾンを分散した厚さ25μmの層であ
り、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電され
た負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層
で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することがで
きる。
【0308】第5層は本発明の特徴である電荷注入層で
あり、光硬化性のアクリル樹脂にSnO2 超微粒子、更
に接触帯電部材と感光体との接触時間を増加させて、均
一な帯電を行うために粒径約0.25μmの4フッ化エ
チレン樹脂粒子を分散したものである。具体的には、ア
ンチモンをドーピングし、低抵抗化した粒径約0.03
μmのSnO2 粒子を樹脂100重量部に対して167
重量部、更に4フッ化エチレン樹脂粒子を20重量部、
分散剤を1.2重量部分散したものである。
【0309】このようにして調合した塗工液をスプレー
塗工法にて厚さ約2.5μmに塗工して電荷注入層とし
た。
【0310】これによって感光体表面層の体積抵抗値は
電荷輸送層単体の場合の1×1015Ωcmであったのに
比べ、感光体表面の抵抗は、5×1012Ωcmにまで低
下した。また、水に対する接触角は93度であった。
【0311】なお、接触角の測定は、純水を用い、装置
は、協和界面科学(株)、接触角計CA−DS型を用い
た。
【0312】〔感光体製造例2〕感光体は、下引き層ま
では〔感光体製造例1〕に準じて作成した。電荷発生層
は、長波長域に吸収を持つオキシチタニウムフタロシア
ニン顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体とし
た。膜厚0.7μm。電荷輸送層は、ホール搬送性トリ
フェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂に10:
10の重量比で溶解したものを用いた。膜厚18μm。
更にその上に電荷注入層として、同じ材料を5:10の
重量比で溶解した構成物に低抵抗化したSnO2 粒子
(粒径0.03μm)を樹脂100重量部に対して12
0重量部、ポリ4フッ化エチレン樹脂粒子(粒径0.1
μm)を総固形分に対して30重量%添加し、均一に分
散したものを用い、電荷輸送層の上にスプレーコートし
た。膜厚3μm。感光体表面の抵抗は2×1013Ωc
m、水に対する接触角は101度であった。
【0313】〔感光体製造例3〕感光体製造例2におい
て、電荷注入層(感光体表面層)にポリ4フッ化エチレ
ン樹脂粒子を添加しないことを除いて同様に感光体を作
成した。水に対する接触角は78度であった。
【0314】(感光体特性)感光体特性の測定は、実際
に使用する装置のプロセス条件で測定される。測定の方
法は、表面電位計プローブを露光位置直後に配し、露光
のない場合の感光体電位をVdとする。
【0315】次いで、露光強度を徐々に変化させ、感光
体表面電位を記録する。半減露光強度は、感光体電位が
暗部電位の半分、つまりVd/2となった時点での露光
強度を意味する。
【0316】更に、半減露光強度の30倍の光量をもっ
て露光したときの電位を残留電位Vrと定義する。
【0317】感光体製造例の特性を評価する電子写真装
置としてレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP
−860)を用意した。プロセススピードは、47mm
/sである。潜像形成は、300dpi、2値とした。
本実施例では、感光体帯電部材を磁気ブラシロール帯電
部材に置き換えて直流電圧を印加してある。
【0318】感光体特性の測定では、レーザー光量を変
化させその電位をモニタすることにより行った。このと
き、レーザ露光は、副走査方向は連続発光により、全面
を露光している。
【0319】感光体製造例2の感光体の測定では、暗部
電位が−700V、暗部電位が半減する光量、感光体の
半減露光強度は、0.12cJ/m2 であり、残留電位
Vrは−55Vであり、Vdと(Vd+Vr)/2の点
の露光強度は0.11であるので、Vdと(Vd+V
r)/2を結ぶ直線の傾きは、2900Vm2 /cJ、
よって1/20傾きは150cJ/m2 である。感光体
特性曲線とこの該1/20傾きの接点は、0.43cJ
/m2 であり、半減露光強度の5倍は0.60cJ/m
2 である。感光体特性のグラフは、図4に揚げた。ま
た、同様の測定を、感光体製造例2及び3の感光体につ
いて行った。これらの結果を表1にまとめた。
【0320】〔トナー製造例1〕 スチレン−ブチルアクリレート共重合体 (共重合重量比80:20) 100重量部 磁性体 100重量部 含金属アゾ顔料 2重量部 低分子量ポリプロピレン 3重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合した後に、130
℃に設定したエクストルーダーにて混練した。得られた
混練物を冷却し、カッターミルにより粗粉砕した後に、
ジェット気流を用いたジェットミルで微粉砕し、風力分
級して重量平均粒径7μmの黒色微粉体(磁性トナー粒
子)を得た。この黒色微粉体100部に対して、シリコ
ーンオイルにて疎水化処理をしたシリカ1.0部を加
え、ヘンシェルミキサーで混合し、磁性トナーを得た。
【0321】〔トナー製造例2〕 ポリエステル樹脂 100重量部 含金属アゾ染料 2重量部 カーボンブラック 7重量部 ポリオレフィン 3重量部 上記材料を乾式混合した後に、150℃に設定した2軸
混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却し、気
流式粉砕機により微粉砕した後に多分割分級機により分
級して8.0μmに粒度分布の調整されたトナー組成物
を得、疎水性シリカ微粒子(BET200m2 /g)
2.5重量%を外添して重量平均粒径8.0μmのトナ
ーを得た。
【0322】〔トナー製造例3〕 スチレンアクリル樹脂 100重量部 アゾ染料の金属錯体 2重量部 カーボンブラック 6重量部 低分子量プロピレン−エチレン共重合体 4重量部 上記材料を乾式混合した後に、130℃に設定した2軸
混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却し、気
流式粉砕機により微粉砕した後に多分割分級機により分
級して粒度分布の調整された重量平均径5.2μmのト
ナー粒子を得、これに疎水性シリカ微粒子(BET20
0m2 /g)1.5重量%を外添してトナーAとして用
いた。
【0323】物性を表2に示す。
【0324】〔トナー製造例4〕粒度分布が異なる以外
は〔トナー製造例3〕と同様に製造されたトナー粒子
に、疎水性シリカ微粒子(BET250m2 /g)1.
0重量%を外添して重量平均粒径5.2μmのトナーB
を得た。
【0325】〔トナー製造例5、6、7、8〕 スチレンアクリル樹脂 100重量部 アゾ染料の金属錯体 2重量部 カーボンブラック 6重量部 低分子量プロピレン−エチレン共重合体 4重量部 上記材料を乾式混合した後に、130℃に設定した2軸
混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却し、気
流式粉砕機により微粉砕した後に風力分級して粒度分布
の調整された重量平均径4.0μm、5.0μm、6.
8μm、9.8μmのトナー粒子を得、これに疎水性シ
リカ微粒子(BET200m2 /g)をそれぞれ1.5
重量%を外添してトナーC,D,E,Fとして用いた。
【0326】〔トナー製造例9〕トナー製造例3のトナ
ー粒子に、疎水性シリカ微粒子(BET200m2
g)1.0重量%と疎水性チタニア微粒子(BET10
0m2 /g)0.2重量%を外添して重量平均粒径5.
2μmのトナーGを得た。
【0327】〔トナー製造例10〕トナー製造例3のト
ナー粒子に、疎水性シリカ微粒子(BET200m2
g)1.0重量%と疎水性アルミナ微粒子(BET10
0m2 /g)0.2重量%を外添して重量平均粒径5.
2μmのトナーHを得た。
【0328】〔トナー製造例11〕 ポリエステル樹脂 100重量部 磁性体 30重量部 アゾ染料の金属錯体 2重量部 カーボンブラック 6重量部 低分子量プロピレン−エチレン共重合体 4重量部 上記材料を乾式混合した後に、130℃に設定した2軸
混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却し、気
流式粉砕機により微粉砕した後に風力分級して粒度分布
の調整された重量平均径5.5μmのトナー粒子を得、
これに疎水性シリカ微粒子(BET200m2 /g)
1.5重量%を外添してトナーIとして用いた。
【0329】〔トナー製造例12〕トナー製造例3のト
ナーAに、疎水性コロイダルシリカ微粒子(BET20
0m2 /g)2.0重量%外添して重量平均粒径5.2
μmのトナーとフェライトキャリア(平均粒径50μ
m)を5:100の比率で混合し二成分現像剤Jを作成
した。
【0330】〔トナー製造例13〕 スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体 (低分子量側ピーク 約5000、ガラス転移点Tg 58℃) 100重量部 磁性体(平均粒径0.22μm) 30重量部 モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2重量部 低分子量ポリオレフィン(離型剤) 2重量部 上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した
2軸エクストルーダーで溶融混合し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェトミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割
分級機にて厳密に分級して磁性トナー粒子を得た。該磁
性トナー粒子を熱機械的衝撃力(処理温度60℃)によ
り表面処理し、得られた磁性トナー粒子に対し1.8重
量%のシリコーンオイルとヘキサメチルジシラザンで疎
水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカ(処理後
のBET比表面積120m2 /g)と0.5重量%の球
状シリカ(BET比表面積20m2 /g、一次粒径0.
1μm)を添加し、混合機にて混合し磁性トナーAを得
た。得られた磁性トナーの重量平均粒径6.5μm、個
数平均粒径5.3μm、SF−1が145、SF−2が
122、BET比表面積が4.3m2 /gであった。ま
た、トナー粒子のBET比表面積は1.4m 2 /gであ
った。本発明において、粒度はコールターカウンターマ
ルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した。得
られた磁性トナーの物性を表3に示す。
【0331】〔トナー製造例14〕トナー製造例13に
おいて得られた磁性トナー粒子に対し1.3重量%のヘ
キサメチルジシラザンで疎水化処理された一次粒径12
nmの乾式シリカ(BET比表面積160m2 /g)を
添加し、混合機にて混合し磁性トナーBを得た。得られ
た磁性トナーの物性を表3に示す。
【0332】〔トナー製造例15〕 スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体 (低分子量側ピーク 約10000、ガラス転移点Tg 62℃) 100重量部 磁性体(平均粒径0.22μm) 100重量部 モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2重量部 低分子量ポリオレフィン(離型剤) 2重量部 上記材料を用いること、トナー粒子の熱機械的衝撃によ
る処理温度を64℃とすること、及び無機微粉体として
シリコーンオイルで疎水化された次粒径8nmの乾式シ
リカ(BET比表面積100m2 /g)を1.8重量%
用いること以外はトナー製造例1と同様にして、重量平
均粒径7.0μmの磁性トナーCを得た。得られた磁性
トナーの物性を表3に示す。
【0333】〔トナー製造例16〕無機微粉体として
1.8重量%のシリコーンオイルとヘキサメチルジシラ
ザンで疎水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカ
(BET比表面積120m2/g)と0.5重量%の球
状シリカ(BET比表面積5m2 /g、一次粒径1.0
μm)を添加する以外はトナー製造例13と同様にし
て、磁性トナーDを得た。得られた磁性トナーの物性を
表3に示す。
【0334】〔トナー製造例17、18〕無機微粉体と
してシリコーンオイルで疎水化された一次粒径約20n
mの酸化チタン微粒子(BET比表面積100m2
g)、一次粒径約20nmのアルミナ微粒子(BET比
表面積90m2 /g)をそれぞれ1.5重量%用いる以
外はトナー製造例13と同様にして、磁性トナーE、F
を得た。得られた磁性トナーの物性を表3に示す。
【0335】〔トナー製造例19〕トナー製造例13に
おいて熱機械的衝撃による表面処理を行わなかった以外
は同様にして磁性トナーGを得た。得られた磁性トナー
の物性を表3に示す。
【0336】〔トナー製造例20〕 ポリエステル樹脂 (低分子量側ピーク約7000、ガラス転移点Tg 63℃) 100重量部 磁性体(平均粒径0.24μm) 50重量部 モノアゾ染料のクロム錯体(負帯電性制御剤) 2重量部 低分子量ポリオレフィン(離型剤) 2重量部 上記材料を用いること、及びトナー粒子の熱機械的衝撃
による処理温度を64℃とすること以外はトナー製造例
13と同様にして、重量平均粒径6.7μmの磁性トナ
ーHを得た。得られた磁性トナーの物性を表3に示す。
【0337】〔トナー製造例21〕 スチレン−アクリル酸ブチル共重合体 (低分子量側ピーク約18000、ガラス転移点Tg 71℃) 100重量部 磁性体(平均粒径0.22μm) 60重量部 モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2重量部 低分子量ポリオレフィン(離型剤) 2重量部 上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した
2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェトミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割
分級機にて厳密に分級して磁性トナー粒子を得た。得ら
れた磁性トナー粒子に対し0.4重量%のヘキサメチル
ジシラザンで疎水化処理された一次粒径約16nmの乾
式シリカ(BET比表面積100m2 /g)を添加し、
混合機にて混合し磁性トナーIを得た。得られた磁性ト
ナーIの重量平均粒径12μmであった。得られた磁性
トナーの物性を表3に示す。
【0338】〔トナー製造例22〕無機微粉体をトナー
粒子に添加しない以外はトナー製造例13と同様にし
て、磁性トナーJを得た。得られた磁性トナーの物性を
表3に示す。
【0339】〔トナー製造例23〕 ポリエステル樹脂 (低分子量側ピーク約6000、ガラス転移点Tg 55℃) 100重量部 カーボンブラック 7重量部 サリチル酸金属化合物 2重量部 上記組成物をエクストルーダーを用い十分溶融混練後、
冷却した混練物を機械的に粗粉砕し、粗砕物をジェット
流を用い衝突板に衝突させて微粉砕し、更にコアンダー
効果を用いた気流分級機で微粉砕物を分級し、重量平均
径が7.9μmであり、SF−1が170、SF−2が
157の粉砕法の黒トナー粒子を得た。得られた黒トナ
ー粒子にイソブチルトリメトキシシランで疎水化した一
次粒径約20nmの酸化チタン微粒子(BET比表面積
100m2 /g)を2重量%外添し流動性に優れた黒ト
ナーKを得た。
【0340】〔トナー製造例24〕トナー製造例23で
得られたトナー粒子を熱機械的衝撃力(処理温度60
℃)によって表面処理した後、イソブチルトリメトキシ
シランとシリコーンオイルで疎水化した一次粒径約20
nmの酸化チタン微粒子(BET比表面積100m2
g)を2重量%外添し、黒トナーLを得た。
【0341】〔結着樹脂製造例1〕四つ口フラスコに、
窒素置換した水180重量部とポリビニルアルコールの
0.2重量%水溶液20重量部を投入した後に、スチレ
ン77重量部、アクリル酸−n−ブチル22重量部、ベ
ンゾイルパーオキサイド1.4重量部、ジビニルベンゼ
ン0.2重量部を加え、攪拌し懸濁液とした。この後、
フラスコ内を窒素で置換した後に、80℃に昇温し同温
度に12時間保持し重合反応を行った。
【0342】該重合体を水洗した後に、温度を65℃に
保ちつつ減圧環境にて乾燥し樹脂を得た。
【0343】〔結着樹脂製造例2〕四つ口フラスコに、
窒素置換した水180重量部とポリビニルアルコールの
0.2重量%水溶液20重量部を投入した後に、スチレ
ン77重量部、アクリル酸−n−ブチル22重量部、ベ
ンゾイルパーオキサイド1.3重量部、ジビニルベンゼ
ン0.1重量部を加え、攪拌し懸濁液とした。この後、
フラスコ内を窒素で置換した後に、80℃に昇温し同温
度に10時間保持し重合反応を行った。
【0344】該重合体を水洗、45℃常圧にて乾燥し樹
脂を得た。
【0345】更に四つ口フラスコ内に、該樹脂100重
量部、トルエン800重量部に投入し昇温させ30分還
流させた後に、有機溶剤を留去し得られた樹脂を冷却粉
砕し、樹脂を得た。
【0346】〔結着樹脂製造例3〕四つ口フラスコに、
窒素置換した水180重量部とポリビニルアルコールの
0.2重量%水溶液20重量部を投入した後に、スチレ
ン77重量部、アクリル酸−n−ブチル22重量部、ベ
ンゾイルパーオキサイド1.5重量部、ジビニルベンゼ
ン0.3重量部を加え、攪拌し懸濁液とした。この後、
フラスコ内を窒素で置換した後に、80℃に昇温し同温
度に10時間保持し重合反応を行った。
【0347】該重合体を水洗した後に、減圧環境にて乾
燥し樹脂を得た。
【0348】〔結着樹脂製造例4〕四つ口フラスコに、
窒素置換した水180重量部とポリビニルアルコールの
0.2重量%水溶液20重量部を投入した後に、スチレ
ン77重量部、アクリル酸−n−ブチル22重量部、ベ
ンゾイルパーオキサイド1.2重量部、ジビニルベンゼ
ン0.2重量部を加え、攪拌し懸濁液とした。この後、
フラスコ内を窒素で置換した後に、80℃に昇温し同温
度に6時間保持し重合反応を行った。
【0349】該重合体を水洗、45℃常圧にて乾燥し樹
脂を得た。
【0350】〔結着樹脂製造例5〕四つ口フラスコに、
窒素置換した水180重量部とポリビニルアルコールの
0.2重量%水溶液20重量部を投入した後に、スチレ
ン77重量部、アクリル酸−n−ブチル22重量部、ベ
ンゾイルパーオキサイド1.5重量部、ジビニルベンゼ
ン0.3重量部を加え、攪拌し懸濁液とした。この後、
フラスコ内を窒素で置換した後に、80℃に昇温し同温
度に6時間保持し重合反応を行った。
【0351】該重合体を水洗、45℃常圧にて乾燥し樹
脂を得た。
【0352】〔トナー製造例25〕 結着樹脂製造例1にて製造された樹脂 100重量部 含金属アゾ染料 2重量部 カーボンブラック 8重量部 低分子量ポリプロピレン 3重量部 上記材料を固定槽式乾式混合機により混合し、ベント口
を吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機にて
溶融混練を行った。
【0353】この溶融混練物を、ハンマーミルにて粗砕
し1mmメッシュパスのトナー組成物の粗砕物を得た。
更に、この粗砕物を機械式粉砕機により、体積平均径2
0〜30μmまで粉砕を行った後に、旋回流中の粒子間
衝突を利用したジェットミルにて粉砕を行い、表面改質
機において、熱的及び機械的な剪断力により、トナー組
成物を改質し、多段割分級機により、分級を行い平均粒
径7.9μmのトナー組成物を得た。
【0354】このトナー組成物98.6重量%に、コロ
イダルシリカ1.4重量%を加え、混合しトナーを得
た。
【0355】トナー形状係数を測定したところ、SF−
1は109、SF−2は109であり、残存モノマー量
は90ppmであった。
【0356】〔トナー製造例26〕 結着樹脂製造例2にて製造された樹脂 100重量部 含金属アゾ染料 2重量部 カーボンブラック 8重量部 低分子量ポリプロピレン 3重量部 上記材料を固定槽式乾式混合機により混合し、ベント口
を吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機にて
溶融混練を行った。
【0357】この溶融混練物を、ハンマーミルにて粗砕
し1mmメッシュパスのトナー組成物の粗砕物を得た。
更に、この粗砕物を機械式粉砕機により、体積平均径2
0〜30μmまで粉砕を行った後に、旋回流中の粒子間
衝突を利用したジェットミルにて粉砕を行い、表面改質
機において、熱的及び機械的な剪断力により、トナー組
成物を改質し、多段割分級機により、分級を行い平均粒
径8.3μmのトナー組成物を得た。
【0358】このトナー組成物98.7重量%に、コロ
イダルシリカ1.3重量%を加え、混合しトナーを得
た。
【0359】トナー形状係数を測定したところ、SF−
1は115、SF−2は111であり、残存モノマー量
は410ppmであった。
【0360】〔トナー製造例27〕 結着樹脂製造例3にて製造された樹脂 100重量部 含金属アゾ染料 2重量部 カーボンブラック 8重量部 低分子量ポリプロピレン 3重量部 上記材料を固定槽式乾式混合機により混合し、ベント口
を吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機にて
溶融混練を行った。
【0361】この溶融混練物を、ハンマーミルにて粗砕
し1mmメッシュパスのトナー組成物の粗砕物を得た。
更に、この粗砕物を機械式粉砕機により、体積平均径2
0〜30μmまで粉砕を行った後に、旋回流中の粒子間
衝突を利用したジェットミルにて粉砕を行い、多段割分
級機により、分級を行い平均粒径7.0μmのトナー組
成物を得た。
【0362】このトナー組成物98.6重量%に、コロ
イダルシリカ1.4重量%を加え、混合しトナーを得
た。
【0363】トナー形状係数を測定したところ、SF−
1は138、SF−2は117であり、残存モノマー量
は790ppmであった。
【0364】〔トナー製造例28〕 結着樹脂製造例4にて製造された樹脂 100重量部 含金属アゾ染料 2重量部 カーボンブラック 8重量部 低分子量ポリプロピレン 3重量部 上記材料を固定槽式乾式混合機により混合し、二軸押し
出し機にて溶融混練を行った。
【0365】この溶融混練物を、ハンマーミルにて粗砕
し1mmメッシュパスのトナー組成物の粗砕物を得た。
更に、この粗砕物を機械式粉砕機により、体積平均径2
0〜30μmまで粉砕を行った後に、この粗砕物を衝突
板を備えたエアー式粉砕機を用いて、微粉砕を行い、表
面改質機において、熱的及び機械的な剪断力によりトナ
ー組成物を改質した後に、多段割分級機により、分級を
行い平均粒径6.8μmのトナー組成物を得た。
【0366】このトナー組成物98.5重量%に、コロ
イダルシリカ1.5重量%を加え、混合しトナーを得
た。
【0367】トナー形状係数を測定したところ、SF−
1は125、SF−2は113であり、残存モノマー量
は1300ppmであった。
【0368】〔トナー製造例29〕 結着樹脂製造例5にて製造された樹脂 100重量部 含金属アゾ染料 2重量部 カーボンブラック 8重量部 低分子量ポリプロピレン 3重量部 上記材料を固定槽式乾式混合機により混合し、二軸押し
出し機にて溶融混練を行った。
【0369】この溶融混練物を、ハンマーミルにて粗砕
し1mmメッシュパスのトナー組成物の粗砕物を得た。
更に、この粗砕物を衝突板を備えたエアー式粉砕機を用
いて、微粉砕を行った。この微粉砕物を多段割分級機に
より、分級を行い平均粒径7.5μmのトナー組成物を
得た。
【0370】このトナー組成物98.6重量%に、コロ
イダルシリカ1.4重量%を加え、混合しトナーを得
た。
【0371】トナー形状係数を測定したところ、SF−
1は161、SF−2は124であり、残存モノマー量
は1700ppmであった。
【0372】〔トナーの製造例30〕 結着樹脂製造例1にて製造された樹脂 100重量部 含金属アゾ染料 2重量部 カーボンブラック 8重量部 低分子量ポリプロピレン 3重量部 上記材料を固定槽式乾式混合機により混合し、ベント口
を吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機にて
溶融混練を行った。
【0373】この溶融混練物を、ハンマーミルにて粗砕
し1mmメッシュパスのトナー組成物の粗砕物を得た。
更に、この粗砕物を機械式粉砕機により、体積平均径2
0〜30μmまで粉砕を行った後に、衝突板を備えたエ
アー式粉砕機を用いて、微粉砕を行った後、表面改質機
において、熱的及び機械的な剪断力によりトナー組成物
を改質した後に、多段割分級機により分級を行い、平均
粒径8.0μmのトナー組成物を得た。
【0374】このトナー組成物98.6重量%に、コロ
イダルシリカ1.4重量%を加え、混合しトナーを得
た。
【0375】トナー形状係数を測定したところ、SF−
1は135、SF−2は118であり、残存モノマー量
は110ppmであった。
【0376】〔液体潤滑剤担持潤滑微粒子の製造例〕液
体潤滑剤を担持させる担体微粒子(シリカ)をヘンシェ
ルミキサー中で攪拌しつつ、液体潤滑剤をn−ヘキサン
で希釈したものを滴下する。滴下終了後攪拌しつつ減圧
しn−ヘキサンを除去し、次いでハンマーミルで粉砕し
液体潤滑剤を担持した潤滑粒子aを得た。同様にして、
各種液体潤滑剤を各種担体微粒子に担持させた。また、
潤滑粒子aの製造に用いたシリカの未処理品を粒子cと
した。液体潤滑剤を担持した潤滑粒子a及びb(bは後
述)、未処理品の粒子cの物性値を表4に示す。
【0377】〔トナー製造例31〕 ポリエステル樹脂 100重量部 液体潤滑剤担持潤滑微粒子a 2重量部 サリチル酸誘導体金属塩 2重量部 カーボンブラック 7重量部 ポリオレフィン 3重量部 上記材料を乾式混合した後に、150℃に設定した2軸
混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却し、気
流式粉砕機により微粉砕した後に多分割分級機により分
級して、8.3μmに粒度分布の調整されたトナー組成
物を得、これにBET比表面積が200m2 /gのシリ
カ微粉体をヘキサメチルジシラザンで表面を有機処理し
たものを1.5重量%添加したトナーを得た。
【0378】〔トナー製造例32〕トナー製造例31に
おいて、トナー組成物に添加するシリカ微粉体を変更し
て、ヘキサメチルジシラザン及びジメチルシリコーンオ
イル処理された疎水性シリカ微粉体(BET200m2
/g)1.5重量%を外添して重量平均粒径8.3μm
のトナーを得た。
【0379】〔トナー製造例33〕トナー製造例31に
おいて、潤滑粒子aの代わりに添加する液体潤滑剤担持
潤滑微粒子として、表4に示す酸化チタン微粒子にメチ
ルフェニルシリコーンを50重量%担持させた潤滑粒子
bを用いる以外はトナー製造例31と同様にして重量平
均粒径8.5μmのトナーを得た。
【0380】〔トナー製造例34〕トナー製造例31に
おいて、潤滑粒子aの代わりに表4に示す潤滑粒子aの
製造に用いた乾式シリカの未処理品粒子cを用いる以外
はトナー製造例31と同様にして重量平均粒径8.5μ
mのトナーを得た。
【0381】〔液体潤滑剤担持磁性体の製造例〕磁性酸
化鉄(BET値7.8m2 /g、σs=60.5Am2
/kg(emu/g))100重量部に対し、液体潤滑
剤の所定量をシンプソンミックスマーラー(MPVU−
2松本鋳造社製)に投入し、室温にて30分間作動させ
た後、更にハンマーミルによりほぐし処理を加えてして
液体潤滑剤を担持した磁性体aを得た。同様にして、各
種液体潤滑剤を各種磁性体に担持させた。また、磁性体
aの製造に用いたマグネタイトの未処理品を磁性体cと
した。液体潤滑剤を担持した磁性体a及びb(bは後
述)、未処理品を磁性体cの物性値を表4に示す。
【0382】〔トナー製造例35〕 スチレンアクリル樹脂 100重量部 含金属アゾ染料 3重量部 液体潤滑剤担持磁性体a 50重量部 ポリオレフィン 5重量部 トナー製造例31と同様にして重量平均径7.1μmの
トナー組成物を得、これにBET比表面積が200m2
/gのシリカ微粉体にヘキサメチルジシラザンで表面を
処理したものを2.0重量%外添し、フェライトキャリ
ア(平均粒径50μm)と6:100の比率で混合しト
ナーを作成した。
【0383】〔トナー製造例36〕トナー製造例35の
トナー組成物に、トナー製造例35で用いた処理シリカ
の代わりにジメチルシリコーンで表面処理された疎水性
コロイダルシリカ微粒子(BET200m2 /g)2.
5重量%を外添して重量平均粒径7.0μmのトナーを
得、トナー製造例35と同様にトナーを作成した。
【0384】〔トナー製造例37〕トナー製造例35に
おいて、磁性体aの代わりにメチルフェニルシリコーン
1.8重量%で表面処理した八面体マグネタイト磁性体
bを用いる以外はトナー製造例35と同様にして重量平
均粒径6.8μmのトナーを得、トナー製造例35と同
様にトナーを作成した。
【0385】〔トナー製造例38〕トナー製造例35に
おいて、磁性体aの代わりに表2に示す磁性体aに用い
た磁性体の未処理品粒子cを用いる以外はトナー製造例
35と同様にして重量平均粒径7.1μmのトナーを
得、トナー製造例35と同様にトナーを作成した。
【0386】〔トナー製造例39〕 スチレンアクリル樹脂 100重量部 サリチル酸誘導体金属塩 5重量部 磁性体a 50重量部 ポリ4フッ化エチレン粉体(粒径0.2μm) 7重量部 ポリオレフィン 5重量部 トナー製造例31と同様にして重量平均径11.6μm
のトナー組成物を得、ヘキサメチルジシラザンで有機処
理された疎水性コロイダルシリカ微粒子(BET200
2 /g)1.5重量%外添してトナーを作成した。
【0387】〔トナー製造例40〕 スチレンアクリル樹脂 100重量部 サリチル酸誘導体金属塩 5重量部 カーボンブラック 50重量部 ポリオレフィン 5重量部 トナー製造例31と同様にして重量平均径7.5μmの
トナー組成物を得、ヘキサメチルジシラザンで有機処理
された疎水性コロイダルシリカ微粒子(BET200m
2 /g)1.5重量%およびステアリン酸亜鉛微粉末
0.5重量%を外添してトナーを作成した。
【0388】〔トナー製造例41〕高速撹拌装置TK−
ホモミキサーを備えた21リットル用四つ口フラスコ中
にイオン交換水710重量部と0.1モル/L−Na3
PO4 水溶液450重量部を添加し回転数を12000
回転に調整し、65℃に加温せしめた。ここに1.0モ
ル/L−CaCl2 水溶液68重量部を徐々に添加し微
小な難水溶性分散剤Ca3 (PO4 2 を含む分散媒系
を調製した。一方分散質系は、 スチレン単量体 165重量部 n−ブチルアクリレート単量体 35重量部 ジビニルベンゼン単量体 0.5重量部 グラフトカーボンブラック 14重量部 飽和ポリエステル 10重量部 テレフタール酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA 酸価15,ピーク分子量;6000 サリチル酸金属化合物 2重量部 低分子量ポリプロピレン 2重量部 上記混合物をアトライターを用い3時間分散させた後、
重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)10重量部を添加した重合性単量体
組成物を水分散媒体中に投入し回転数12000rpm
を維持しつつ15分間造粒した。その後高速撹拌器から
プロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え内温を80℃に昇温さ
せ50rpmで重合を10時間継続させた。重合終了後
スラリーを冷却し、希塩酸を添加し分散剤を除去せしめ
た。
【0389】更に、洗浄し乾燥を行い、重量平均系は、
6.2μmであり、SF−1が111、SF−2が11
6のトナー粒子を得た。得られたトナー粒子にシリコー
ンオイルで疎水化した一次粒径約20nmの酸化チタン
微粒子(BET比表面積100m2 /g)を2.0重量
%外添し流動性に優れたトナーを得た。上記トナーと平
均粒径約50μmの樹脂コートフェライトキャリアをそ
れぞれ6:94で混合して二成分トナーを調整した。
【0390】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示すが、これ
に限られるものではない。
【0391】〔実施例1〕電子写真装置としてレーザー
ビームプリンタ(キヤノン製:LBP−860)を用意
した。プロセススピードは47mm/sである。このレ
ーザービームプリンタのプロセススピードを1.5倍に
なるよう改造を施し、プロセススピードを70mm/s
とした。また、潜像形成は、300dpi、2値とし
た。
【0392】これのプロセスカートリッジにおけるクリ
ーニングゴムブレードを取りはずした。
【0393】次に、感光体としては、〔感光体製造例
1〕で得られたものを用い、接触帯電部材は、〔帯電部
材製造例1〕で作成された磁性粒子からなり、これを磁
気ブラシとして穂立ちさせるための非磁性の表面をブラ
スト処理したアルミニウム製の導電スリーブと、これに
内包されるマグネットロールを用い、該磁性粒子保持ス
リーブと感光体との間隙は約500μmとし、上記磁性
粒子を感光体との間に幅約5mmの帯電ニップを形成さ
せるようにスリーブ上にコートした。また、スリーブ表
面が200%の速さで感光体回転方向と逆方向に摺擦す
るよう回転させ、感光体と磁気ブラシが均一に接触する
ようにした。
【0394】ここで、周速差は、以下の式による。
【0395】帯電部材と感光体の接触部での、感光体周
速をV、帯電部材周速をvとしたとき、 周速差=(|V−v|/|V|)×100 マグネットロールの磁束密度は0.09Tで、最大磁束
密度を示す極が感光体と対向する位置に固定した。〔帯
電部材製造例1〕の磁性粒子の0.09Tでの磁化はお
よそ58(Am2 /kg)である。
【0396】なお、磁気ブラシを固定の場合は、磁気ブ
ラシ自体は物理的な復元力を持たないため、感光体のフ
レ、偏心等で磁気ブラシが押し退けられた場合、磁気ブ
ラシのニップが確保できなくなり易く、帯電不良を起こ
すことがある。このため、常に新しい磁気ブラシの面を
当てることが好ましいので、本実施例では2倍の早さで
逆方向に回転させるようにした帯電装置を用いて帯電を
行う。
【0397】更に、プロセスカートリッジにおける現像
部分を改造した。トナー供給体であるステンレススリー
ブの代わりに発泡ウレタンからなる中抵抗ゴムローラー
(16φ)をトナー担持体(現像ローラー)とし、感光
体に当接した。該トナー担持体の回転周速は、感光体と
の接触部分において同方向であり、該感光体回転周速に
対し180%となるように駆動する。
【0398】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、現像部分に塗布ローラーを設け、該トナー担持体に
当接させた。更に、該トナー担持体上トナーのコート層
制御のために樹脂をコートしたステンレス製ブレードを
取付けた。また、現像時の印加電圧をDC成分(−30
0V)のみとした。
【0399】これらのプロセスカートリッジの改造に適
合するよう電子写真装置に改造及びプロセス条件設定を
行った。転写部材については、感光体に従動して回転す
るようにした。
【0400】改造された装置は接触帯電部材を用い像担
持体を一様に帯電する。帯電に次いで、レーザー光で画
像部分を露光することにより静電潜像を形成し、トナー
により可視画像とした後に、電圧を印加したローラーに
よりトナー像を転写材に転写するプロセスを持つ。この
改造された装置の概略図を図1に示す。
【0401】現像材は〔トナー製造例1〕を用い、感光
体帯電電位は、暗部電位を−700Vとした。また、転
写後、接触帯電部材のニップ部に感光体が突入する際の
感光体電位VDは、転写材が通常のコピー用紙(75g
/m2 )の場合で、露光を受けなかった暗部相当部で+
200V、露光を受けた明部相当部で+500Vであっ
た。電位VDは、転写材の厚み、抵抗等によって変動
し、130g/m2 の厚紙では暗部相当部で+150
V、明部相当部で+400V、200g/m2 の葉書紙
では暗部相当部で+50V、明部相当部で+150V、
オーバーヘッドプロジェクター用フィルムでは暗部相当
部で−150V、明部相当部で−50Vであった。
【0402】耐久試験においては、感光体露光強度を、
1.70cJ/m2 とし、23℃、相対湿度55%の環
境下で、500枚の耐久試験を行った。
【0403】初期、100枚時、500枚時において以
下に述べるような、画像濃度、かぶり、ゴースト画像評
価及び文字中抜け評価を行った。
【0404】また、初期には、階調性及び、孤立ドット
の再現性を評価した。
【0405】画像濃度は、5mm角の画像の反射濃度を
により表した。また、かぶりは、反射式濃度計(TOK
YO DENSHOKU CO.,LTD社製REFL
ECTOMETER ODEL TC−6DS)を用い
て測定(プリント後の白地部反射濃度最悪値をDs、プ
リント前の用紙の反射濃度平均値をDrとした時のDs
−Drをかぶり量とした)した。(かぶり量2%以下は
実質的にかぶりの無い良好な画像であり、5%を越える
とかぶりの目立つ不鮮明な画像である。) また、ゴースト画像評価は、図7に示すような感光体一
周分だけ黒白の帯を出力した後、1ドット横線と2ドッ
ト分の空白により形成されるハーフトーンを出力するパ
ターンを用いた。
【0406】評価方法は、一枚のプリント画像のうち感
光体2周目で、一周目で黒画像形成された場所(黒印字
部)とされない場所(非画像部)でのマクベス反射濃度
計により測定された反射濃度のとることによった。つま
り、次式によった。
【0407】反射濃度差=反射濃度(像形成された場
所)−反射濃度(像形成されない場所) 結果を表5に掲げた。反射濃度差が小さい程ゴーストの
レベルはよい。
【0408】また、ゴーストの総合評価として、各転写
紙に対する反射濃度差の最大値に対し、AAA、AA、
A、B、C、Dを設定した。AAA、AA、A、B、
C、Dは各々以下の基準により表す。
【0409】 0.00 の場合 ランクAAA 0.01〜0.02 の場合 ランクAA 0.03〜0.04 の場合 ランクA 0.05〜0.07 の場合 ランクB 0.08〜 の場合 ランクC 階調性の評価については、パターン形成方法の異なる8
種類の画像濃度の測定によった(図6参照)。
【0410】また、階調性再現性の点から、各パターン
の望ましい濃度範囲は、以下のようなものが好ましく、
この観点から評価を行った。
【0411】 パターン1 0.10〜0.15 パターン2 0.15〜0.20 パターン3 0.20〜0.30 パターン4 0.25〜0.40 パターン5 0.55〜0.70 パターン6 0.65〜0.80 パターン7 0.75〜0.90 パターン8 1.35〜 判断基準は、上記領域にすべて満足するものについて
は、優、一個はずれるものには可、二個以上はずれるも
のには、不可とした。
【0412】また、グラフィック画像等にかかる孤立1
ドットの再現性については、図8の画像を用いて評価し
た。つまり、潜像がぼけるほどに現像面積が広がり濃度
が上がるからである。判定基準は、得られた画像の10
0倍の拡大写真で、トナーの飛び散りがほとんどないも
のを優、ドットのまわりに飛び散っているものを可、ト
ナーの飛び散りによりドットの輪郭がはっきりしないも
のを不可とした。尚、この評価においては解像度を60
0dpiとした。
【0413】文字中抜け評価においては、3ドット分印
字し、15ドットの空白部を持つような格子パターンに
より、評価し、転写紙としては、200g/m2 の葉書
紙を用いた。
【0414】画像全面において、ラインのエッジ部のみ
残り、ライン中央部が白く抜けている場合は、ランク
C、画像の一部において、ラインのエッジ部のみ残り、
ライン中央部が白く抜けている場合は、ランクB、画像
全面において、ライン中央部が白く抜けているのが認め
られない場合は、ランクAと表した。
【0415】耐久試験の結果は表6に、階調性評価の詳
細は表7に示した。
【0416】〔実施例2〜3〕実施例1における帯電部
材製造例1の接触帯電部材の代わりに、帯電部材製造例
2、4の接触帯電部材を用いた以外は実施例1と同様の
評価を行った。
【0417】〔比較例1〜5〕実施例1における帯電部
材製造例1の接触帯電部材の代わりに、帯電部材製造例
3、5〜8の接触帯電部材を用いた以外は実施例1と同
様の評価を行った。
【0418】〔実施例4〕実施例1と同様に、電子写真
装置としてレーザービームプリンタ(キヤノン製:LB
P−860)を、潜像形成を300dpi、2値、プロ
セススピードを70mm/sとなるよう改造を施した。
これのプロセスカートリッジにおけるクリーニングゴム
ブレードを取りはずした。
【0419】次に、感光体としては、〔感光体製造例
1〕で得られたものを用い、接触帯電部材は、〔帯電部
材製造例9〕で作成されたファーブラシロールを用い、
このファーブラシを画像形成時に感光体との間に幅約5
mmの帯電ニップを形成させるように配置した。また、
ファーブラシロールを250%の速さで感光体回転方向
と逆方向に摺擦するよう回転させ、感光体とファーブラ
シが均一に接触するようにした。
【0420】更に、プロセスカートリッジにおける現像
部分を改造した。トナー供給体であるステンレススリー
ブの回転周速は、感光体との接触部分において同方向で
あり、該感光体回転周速に対し180%となるように駆
動する。
【0421】トナー担持体上にトナーのコート層制御の
ために500μmのギャップを設けて非磁性のステンレ
ス製ブレードを取付けた。トナー容器部を2分し、現像
スリーブ後方にトナーを撹拌する部材及びトナーのトナ
ー/キャリア比率(トナー濃度)を検知する部材を設け
た。更に、トナー撹拌部の後方をトナーホッパーとし、
容器部を2分するしきりに検知されたトナー濃度信号に
応じてトナーを供給する部材を取付けた。また、現像時
の印加電圧をDC成分(−300V)のみとした。
【0422】これらのプロセスカートリッジの改造に適
合するよう電子写真装置に改造及びプロセス条件設定を
行った。転写部材については、感光体に従動して回転す
るようにした。
【0423】トナーは〔トナー製造例12〕を用い、キ
ャリアとトナーを混合したトナーは、トナー撹拌部のみ
に投入され、トナー濃度制御は行わずに試験を行った。
【0424】感光体帯電電位は、暗部電位を−700V
とした。感光体露光強度は1.70cJ/m2 とし、2
3℃、相対湿度55%の環境下で試験を行った。
【0425】初期、100枚時において、画像濃度、か
ぶり、ゴースト画像評価及び文字中抜け評価を行った。
初期には、階調性及び、孤立ドットの再現性も評価し
た。
【0426】〔実施例5〜11〕実施例4における帯電
部材製造例9の接触帯電部材の代わりに、帯電部材製造
例10〜16の接触帯電部材を用いた以外は実施例4と
同様の評価を行った。
【0427】〔比較例6〜7〕実施例4における帯電部
材製造例9の接触帯電部材の代わりに、帯電部材製造例
17〜18の接触帯電部材を用いた以外は実施例4と同
様の評価を行った。
【0428】〔実施例12〕実施例1における感光体製
造例1の感光体の代わりに、感光体製造例2の感光体を
用い、感光体露光強度を0.50cJ/m2 とした以外
は実施例1と同様の評価を行った。
【0429】〔比較例8〕実施例12における感光体製
造例2の感光体の代わりに、感光体製造例3の感光体を
用いた以外は実施例1と同様の評価を行った。
【0430】〔実施例13〕実施例1におけるトナー製
造例1のトナーの代わりに、トナー製造例2のトナーを
用いた以外は実施例1と同様の評価を行った。
【0431】〔実施例14〕トナー製造例2のトナーを
用い、実施例13における感光体製造例1の感光体の代
わりに、感光体製造例2のトナーを用い、感光体露光強
度を0.50cJ/m2 とした以外は実施例13と同様
の評価を行った。
【0432】〔比較例9〕実施例14における感光体製
造例2の感光体の代わりに、感光体製造例3の感光体を
用いた以外は実施例14と同様の評価を行った。
【0433】〔実施例15〜16〕トナー製造例2のト
ナーを用い、実施例13における帯電部材製造例1の接
触帯電部材の代わりに、帯電部材製造例2、4の接触帯
電部材を用いた以外は実施例13と同様の評価を行っ
た。
【0434】〔比較例10〜14〕実施例13における
帯電部材製造例1の接触帯電部材の代わりに、帯電部材
製造例3、5〜8の接触帯電部材を用いた以外は実施例
13と同様の評価を行った。
【0435】〔実施例17〜25〕実施例1におけるト
ナー製造例1のトナーの代わりに、トナー製造例3〜1
1のトナーを用いた以外は実施例1と同様の評価を行っ
た。
【0436】〔実施例26〜47〕実施例1におけるト
ナー製造例1のトナーの代わりに、トナー製造例13〜
34のトナーを用いた以外は実施例1と同様の評価を行
った。
【0437】〔実施例48〜51〕実施例1におけるト
ナー製造例1のトナーの代わりに、トナー製造例35〜
38のトナーを用い、実施例4の現像装置を用いた以外
は実施例1と同様の評価を行った。
【0438】〔実施例52〜53〕実施例1におけるト
ナー製造例1のトナーの代わりに、トナー製造例39〜
40のトナーを用いた以外は実施例1と同様の評価を行
った。
【0439】〔実施例54〕実施例1におけるトナー製
造例1のトナーの代わりに、トナー製造例41のトナー
を用い、実施例4の現像装置を用いた以外は実施例1と
同様の評価を行った。
【0440】〔実施例55〜56〕実施例1において、
感光体露光強度を1.00cJ/m2 、2.40cJ/
2 とした以外は実施例1と同様の評価を行った。
【0441】〔実施例57〜58〕実施例14におい
て、感光体露光強度を0.30cJ/m2 、0.80c
J/m2 とした以外は実施例14と同様の評価を行っ
た。
【0442】
【外1】
【0443】
【外2】
【0444】
【外3】
【0445】
【外4】
【0446】
【外5】
【0447】
【外6】
【0448】
【外7】
【0449】
【外8】
【0450】
【外9】
【0451】
【外10】
【0452】
【外11】
【0453】
【外12】
【0454】
【外13】
【0455】
【外14】
【0456】
【外15】
【0457】
【外16】
【0458】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明の画像形成方法は、従来では低抵抗の接触帯電部材
を用いないと生じなかった電荷注入による良好な帯電性
と、低抵抗の接触帯電部材では防止することのできなか
った感光体上のピンホールによるリークの防止という排
反した特性を同時に両立させることを可能とし、十分な
電位収束性を満足しかつ、転写残余のトナーの現像工程
での回収性を高めたものである。
【0459】また、本発明の画像形成方法によれば、現
像工程での転写残余のトナーの回収による現像工程での
トナー帯電量の変化を制御し、画像濃度が高く、小スポ
ット潜像においても鮮鋭な画像が得られ、階調再現性に
優れる高品位な画像が安定して得られる。
【0460】本発明の画像形成方法は、現像同時クリー
ニングにおいて、ドット再現性、階調再現性に優れた高
品位な画像をさまざまな転写材に対し安定して供給する
ことができる。
【0461】また、現像同時クリーニングにおいて、長
期の繰り返し使用によって生ずることのある感光体表面
へのトナー固着及びトナー固着による画像汚れを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく電子写真方式のプリンターの構
成を表す概略図である。
【図2】電気抵抗測定装置を模式的に示した概略図であ
る。
【図3】帯電部材製造例1〜8の磁性粒子の抵抗値と印
加電界との関係を示す図である。
【図4】感光体感光特性のグラフである。
【図5】本発明における感光体製造例1の感光体の層構
成を示す図である。
【図6】本発明における階調再現性評価用出力パターン
である。
【図7】本発明における孤立ドット再現性評価用出力パ
ターンである。
【図8】本発明におけるゴースト評価用出力パターンで
ある。
【符号の説明】
1 マグ内包スリーブ 1−a 導電スリーブ 1−b マグネットロール 2 アルミニウムドラム 3 帯電部材とアルミドラムとのニップ幅 4 マグ内包スリーブとアルミドラムとのギャップ 5 電流計 6 定電圧装置 7 帯電部材である磁性粒子 11 感光体 12 帯電部材 13 レーザー光 14 現像ローラー 15 転写ローラー 16 転写材 18 熱定着ローラー 131 露光素子 142 現像器 143 塗布ローラー 164 給紙ローラー 165 搬送ベルト
フロントページの続き (72)発明者 久木元 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 會田 修一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 溝江 希克 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 石原 友司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面層が1×108 〜1×1015Ωcm
    の体積抵抗値を有する電荷注入層であり、表面の水に対
    する接触角が85度以上である電子写真感光体に対し
    て、回転導電性基体に接触させて測定を行う動的抵抗測
    定方法における体積抵抗値が、(V−VD)/dかV/
    dのどちらか高い方の電界をV1(V/cm)とした時
    の印加電界範囲20〜V1(V/cm)中で、1×10
    4 〜1×1010Ωcmの範囲にある接触帯電部材を当接
    させて電圧を印加して帯電を行い、次いで像露光を行う
    ことにより該感光体上に静電潜像を形成する潜像形成工
    程、この静電潜像をトナー担持体上のトナーによって可
    視化する現像工程、これを転写材に転写する工程を有
    し、転写工程後に該感光体上に残余するトナーを現像工
    程により回収することを特徴とする画像形成方法。ここ
    で、Vは接触帯電部材に印加する印加電圧、VDは感光
    体と接触帯電部材とのニップ部に突入する際の感光体上
    の電位、dは接触帯電部材の電圧印加部分と感光体との
    距離である。
  2. 【請求項2】 接触帯電部材の電圧印加部分と感光体に
    接する部分との抵抗値が、回転導電性基体に帯電部材を
    接触させて測定を行う動的抵抗測定方法において、(V
    −VD)/dかV/dのどちらか高い方の電界をV1
    (V/cm)とした時の印加電界範囲20〜V1(V/
    cm)中で、1×104 〜1×1010Ωの範囲にある請
    求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 接触帯電部材の抵抗値の印加電界依存性
    が、(V−VD)/dかV/dのどちらか高い方の電界
    をV1(V/cm)とした時の印加電界範囲20〜V1
    (V/cm)中で、最大抵抗値をR1、最低抵抗値をR
    2とした時、R1/R2≦1000の範囲にある請求項
    1〜2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 接触帯電部材が電子写真感光体に対して
    周速差をもって移動する請求項1〜3に記載の画像形成
    方法。
  5. 【請求項5】 接触帯電部材が回転可能なブラシロール
    である請求項1〜4に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 接触帯電部材が磁性粒子からなる請求項
    1〜4項に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 接触帯電部材に用いられる磁性粒子の体
    積抵抗値が1×10 4 Ωcm〜1×109 Ωcmである
    請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 接触帯電部材に用いられる磁性粒子の平
    均粒径が5〜200μmである請求項6〜7に記載の画
    像形成方法。
  9. 【請求項9】 接触帯電部材が磁性粒子を保持するため
    のマグネットを有し、該マグネットによって発生する磁
    界の磁束密度B(T:テスラ)と、該磁束密度B内での
    該磁性粒子の最大磁化σB (Am2 /kg)とが以下の
    関係式を満たすような各値に設定されている請求項6〜
    8に記載の画像形成方法。 B・σB ≧4
  10. 【請求項10】 接触帯電部材に用いられる磁性粒子が
    コア材上に表面層を有する請求項6〜9に記載の画像形
    成方法。
  11. 【請求項11】 接触帯電部材に用いられる磁性粒子の
    表面層が、導電性樹脂、あるいは導電性粒子及び結着樹
    脂を含有する請求項6〜10に記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 電荷注入層が、光透過性かつ絶縁性の
    バインダーに、導電性微粒子を分散させてなる請求項1
    〜11に記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 導電性微粒子が、SnO2 を主成分と
    する請求項12に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 感光体が表面に潤滑性粉体を含有する
    請求項1〜13に記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 潤滑性粉体がフッ素系樹脂、シリコー
    ン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ば
    れる樹脂からなる請求項14に記載の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 感光体がフタロシアニン系顔料を含有
    する有機感光体である請求項1〜15に記載の画像形成
    方法。
  17. 【請求項17】 像露光静電潜像形成工程において、暗
    部電位をVd、残留電位をVrとしたとき、感光体感光
    特性曲線上の電位Vdの点と電位(Vd−Vr)/2の
    点を結ぶ直線の傾きに対し1/20の傾きを持つ直線が
    該感光体感光特性曲線に接する点の露光強度以上であ
    り、半減露光強度の5倍未満である露光強度で潜像を形
    成することを特徴とする特許請求の範囲第1〜16項に
    記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 感光体の半減露光強度が0.5cJ/
    2 (μJ/cm2)以下である請求項1〜17に記載
    の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 トナーが表面に無機微粉体を含有する
    請求項1〜18に記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 トナーの体積平均粒径Dv(μm)が
    3≦Dv≦8であり、重量平均粒径D4(μm)が3.
    5≦D4≦9であり、かつ個数粒度分布における5μm
    以下の粒子の比率Nrが17個数%≦Nr≦90個数%
    である請求項1〜19に記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 トナーの体積平均粒径Dv(μm)が
    3≦Dv<6であり、重量平均粒径D4(μm)が3.
    5≦D4≦6.5であり、かつ個数粒度分布における5
    μm以下の粒子の比率Nrが60個数%<Nr≦90個
    数%である請求項20に記載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 トナーの画像解析装置で測定した形状
    係数SF−1の値が100<SF−1≦180であり、
    SF−2の値が100<SF−2≦160であり、かつ
    該トナーのBET法によって測定された単位体積あたり
    の比表面積Sb(m2 /cm3 )と、トナーを真球と仮
    定した際の重量平均粒径から算出した単位体積あたりの
    比表面積St(m2 /cm3 )の関係が 3.0≦Sb/St≦7.0 かつ Sb≧St×1.
    5+1.5 である請求項1〜21に記載の画像形成方法。
  23. 【請求項23】 トナー個数平均粒径をD1(μm)と
    該トナーのBET法によって測定された単位体積あたり
    の比表面積Sb(m2 /cm3 )の関係が、 10<D1×Sb≦50 である請求項1〜22に記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 トナーの残モノマー量が1000pp
    m以下である請求項1〜23に記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 トナーが潤滑性を有する物質を含有す
    る請求項1〜24に記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 トナーが少なくとも結着樹脂、液体潤
    滑剤及び着色剤を含有するトナー粒子と有機処理された
    無機微粉体とを外添混合して成るトナーを用いる請求項
    25に記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 トナーが、攪拌作用、圧縮作用、せん
    断作用またはへらなで作用により液体潤滑剤が担持され
    ている着色剤を含有する請求項25〜26に記載の画像
    形成方法。
  28. 【請求項28】 トナーが磁性体を着色剤として含有す
    る請求項27に記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 トナーが液体潤滑剤を、液体潤滑剤を
    潤滑粒子全重量に対して20〜90重量%含有した潤滑
    粒子の形態で含有する請求項25〜26に記載の画像形
    成方法。
  30. 【請求項30】 液体潤滑剤の25℃における粘度が1
    0cSt〜20万cStである請求項25〜29に記載
    の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 トナーが、少なくともシリコーンオイ
    ルまたはワニスで表面が処理されている無機微粒子が混
    合されている請求項25〜30に記載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 トナーが、少なくとも結着樹脂及び着
    色剤を含有するトナー粒子と有機処理された無機微粉体
    及び固体潤滑剤微粉末とを外添混合してなる請求項25
    〜31に記載の画像形成方法。
  33. 【請求項33】 現像工程が反転現像であり、転写工程
    が接触転写手段による請求項1〜32に記載の画像形成
    方法。
JP27300195A 1995-10-20 1995-10-20 画像形成方法 Pending JPH09114193A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27300195A JPH09114193A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27300195A JPH09114193A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 画像形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09114193A true JPH09114193A (ja) 1997-05-02

Family

ID=17521772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27300195A Pending JPH09114193A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09114193A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09288401A (ja) * 1996-04-23 1997-11-04 Canon Inc 接触帯電部材及び接触帯電装置
JPH09288400A (ja) * 1996-04-23 1997-11-04 Canon Inc 接触帯電部材及び接触帯電装置
JP2005234301A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2006221122A (ja) * 2005-01-11 2006-08-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US8182972B2 (en) 2008-01-21 2012-05-22 Oki Data Corporation Developer, developer storage unit, developing device, and image forming apparatus
JP2017219823A (ja) * 2016-06-11 2017-12-14 サカタインクス株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2019101250A (ja) * 2017-12-04 2019-06-24 キヤノン株式会社 トナー、トナーの製造方法、及び画像形成方法
CN111665692A (zh) * 2019-03-07 2020-09-15 柯尼卡美能达株式会社 图像形成方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09288401A (ja) * 1996-04-23 1997-11-04 Canon Inc 接触帯電部材及び接触帯電装置
JPH09288400A (ja) * 1996-04-23 1997-11-04 Canon Inc 接触帯電部材及び接触帯電装置
JP2005234301A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2006221122A (ja) * 2005-01-11 2006-08-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US8182972B2 (en) 2008-01-21 2012-05-22 Oki Data Corporation Developer, developer storage unit, developing device, and image forming apparatus
JP2017219823A (ja) * 2016-06-11 2017-12-14 サカタインクス株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2019101250A (ja) * 2017-12-04 2019-06-24 キヤノン株式会社 トナー、トナーの製造方法、及び画像形成方法
CN111665692A (zh) * 2019-03-07 2020-09-15 柯尼卡美能达株式会社 图像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0791861B1 (en) Image forming method
JP4227664B2 (ja) 二成分系現像剤
JP3155915B2 (ja) 画像形成装置
KR100261054B1 (ko) 정전 화상 현상용 토너 및 화상 형성 방법
JPH1115206A (ja) 画像形成方法
JP2002251037A (ja) トナー、トナーの製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP3416444B2 (ja) 画像形成方法及び非磁性トナー
JP2006058359A (ja) 非磁性一成分負帯電球形トナー及びそれを用いたフルカラー画像形成装置
JP4298114B2 (ja) 現像剤並びに該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JPH10307454A (ja) 帯電方法、帯電装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JPH09114193A (ja) 画像形成方法
JP3401629B2 (ja) 画像形成方法及び該画像形成方法用トナー
JP3524386B2 (ja) 電子写真装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2004145325A (ja) シリカ微粉体、トナー、二成分系現像剤及び画像形成方法
JP2001209207A (ja) トナーおよび画像形成方法
JP3450678B2 (ja) 画像形成方法
JP4040349B2 (ja) 現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP3880233B2 (ja) トナーおよび画像形成方法
JP3282010B2 (ja) トナー及び画像形成方法
JP2002214887A (ja) 画像形成装置及び当該装置用の磁性現像剤
JP4298113B2 (ja) 現像剤および画像形成方法
JP2003207983A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JPH09211978A (ja) 画像形成装置
JP2001312092A (ja) 現像剤、該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2000172053A (ja) 画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040106