以下に本発明を詳述する。以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も本発明の好ましい形態である。
なお、本明細書中、「硬化性樹脂組成物の固形分総量」とは、硬化性樹脂組成物の含有成分のうち、硬化物を形成する成分(硬化物の形成時に揮発する溶媒等を除く)の総量を意味する。
〔硬化性樹脂組成物〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、(メタ)アクリレート系重合体、重合性化合物及び光重合開始剤を含むが、これら含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。また、必要に応じて、更に、他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。
以下、各含有成分について説明する。
<(メタ)アクリレート系重合体>
上記(メタ)アクリレート系重合体は、脂環骨格を有する(メタ)アクリレート系単量体単位と、水酸基を有する単量体単位と、活性メチレン基を有する単量体単位とを含む。必要に応じ、更に他の単量体単位を含んでもよく、各単量体単位はそれぞれ1種又は2種以上であってもよい。但し、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位を実質的に含まない。
なお、単量体単位とは、単量体に由来する構成単位を意味し、具体的には、例えば単量体の重合反応や架橋反応によって、当該単量体中の重合性炭素−炭素二重結合(C=C)が単結合(C−C)になった構造単位を意味する。以下、各単量体単位について説明する。
(i)脂環骨格を有する(メタ)アクリレート系単量体単位
脂環骨格を有する(メタ)アクリレート系単量体単位とは、脂環骨格を有する(メタ)アクリレート系単量体(以下、単量体(a)とも称す)に由来する構成単位である。
上記単量体(a)は、1分子中に、(メタ)アクリロイル基と、脂環骨格(脂環構造とも称す)とをそれぞれ1又は2以上有する化合物である。脂環骨格の炭素数は特に限定されないが、例えば3〜30が好ましい。より好ましくは6〜20である。脂環骨格は、複素環構造(例えばエポキシ環等)又は環骨格が炭素元素のみから構成された単素環構造のいずれであってもよいが、後者の炭素原子からなる単素環構造であることが好ましい。脂環骨格はまた、飽和環骨格又は不飽和環骨格のいずれであってもよいが、飽和環骨格であることが好適である。
上記単量体(a)として具体的には、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールルジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、p−メンタンー1,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−2,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−3,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、ビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−メチル−4−イソプロピル−5,6−ジメチロールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、現像密着性の更なる向上や、汎用性、入手性等の観点から、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート及び/又はトリシクロデカニル(メタ)アクリレートが好適である。
上記(メタ)アクリレート系重合体において、脂環骨格を有する(メタ)アクリレート系単量体単位の含有割合は、例えば、全単量体単位の総量100質量%に対し、10〜50質量%であることが好適である。これにより、硬化性がより充分となって耐溶剤性が向上する他、現像密着性がより向上する。より好ましくは15〜48質量%、更に好ましくは20〜45質量%である。
(ii)水酸基を有する単量体単位
水酸基を有する単量体単位とは、水酸基を有する単量体(以下、単量体(b)とも称す)に由来する構成単位である。このような単量体単位を含むことで、硬化性樹脂組成物の硬化性が向上され、耐溶剤性や透明性に優れる硬化物を与えることができる。
上記単量体(b)は、1分子内に1又は2以上の水酸基を有する単量体であるが、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好適である。ヒドロキシアルキル基を構成する炭素数は特に限定されないが、例えば1〜20が好ましく、より好ましくは1〜12、更に好ましくは2〜6である。
上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとして具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸t−アミル等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレート系重合体において、水酸基を有する単量体単位の含有割合は、例えば、全単量体単位の総量100質量%に対し、10〜40質量%であることが好適である。これにより、硬化性がより充分となって耐溶剤性が向上する。また、親水性が適度なものとなるため、現像時の不具合(例えば、現像時に剥離したり、表面が荒れて白化したりすること)の発生をより充分に低減することが可能になる。より好ましくは10〜35質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。
(iii)活性メチレン基を有する単量体単位
活性メチレン基を有する単量体単位とは、活性メチレン基を有する単量体(以下、単量体(c)とも称す)に由来する構成単位である。このような単量体単位を含むことで、硬化性樹脂組成物の耐溶剤性及び現像性が良好になる。
上記単量体(c)は、1分子内に1又は2以上の活性メチレン基を有する単量体であるが、例えば、上記式(1)で表される化合物が好適である。これにより、硬化性樹脂組成物の感度を向上させることが可能になる。
上記式(1)中、R1及びR5は、同一又は異なって、水素原子、又は、ヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜24の炭化水素基を表す。中でも好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ヘキソキシ基、シクロヘキソキシ基、又は、下記式(1−9)〜(1−11)で表される基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基である。
R2は、単結合、又は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。中でも好ましくは、単結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、プロピレン基、へキシレン基、シクロへキシレン基、オクチレン基、デシレン基又はドデシレン基であり、より好ましくは、単結合、メチレン基又はエチレン基である。
上記式(1)で表される化合物として具体的には、例えば、下記式(2−1)〜(2−16)で表される化合物等が好ましい。
上記式(2−1)〜(2−7)及び(2−16)中、R6は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。すなわち、メタクリル基からなる構成単位を導く化合物であってもよいし、アクリル基からなる構成単位を導く化合物であってもよい。これら式(2−1)〜(2−16)で表される化合物の中でも、2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート(すなわち上記式(2−1)で表される化合物であって、R6がメチル基を表す化合物)が特に好ましい。また、特開2007−34134号公報に例示された活性メチン基を有する不飽和化合物を併用してもよい。
上記(メタ)アクリレート系重合体において、活性メチレン基を有する単量体単位の含有割合は、例えば、全単量体単位の総量100質量%に対し、2〜40質量%であることが好適である。これにより、耐溶剤性の効果が特に発現され、現像性もより良好になる。なお、含有割合が過度に多くなると、色材又は多官能の重合性単量体と併用する場合に、これらと非相溶になって硬化膜にした際に白化しやすい傾向や、耐熱着色性が充分に発揮されず、パネルにした際の輝度がより充分とはならない傾向にある。より好ましくは3〜30質量%、更に好ましくは4〜20質量%である。
(iv)酸基を有する単量体単位
上記(メタ)アクリレート系重合体は更に、酸基を有する単量体単位を有することが好ましい。酸基を有する単量体単位とは、酸基を有する単量体(以下、単量体(d)とも称す)に由来する構成単位である。例えば、アクリル酸単位とは、アクリル酸を共重合又はグラフト重合した場合の、アクリル酸由来の構成単位を意味する。
上記単量体(d)は、1分子内に1又は2以上の酸基を有する単量体である。酸基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基、リン酸基、スルホン酸基等、アルカリ水と中和反応する官能基が挙げられる。中でも、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基が好ましく、より好ましくはカルボキシル基であり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸基である。
上記単量体(d)として特に好ましくは(メタ)アクリル酸である。すなわち上記酸基を有する単量体単位は(メタ)アクリル酸単位であることが好ましい。このように上記(メタ)アクリレート系重合体が更に(メタ)アクリル酸単位を含む形態は、本発明の好適な形態の1つである。(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味するが、中でも、耐溶剤性の点で、メタクリル酸よりもアクリル酸の方が好ましい。
ここで、上記(メタ)アクリレート系重合体の酸価(AV)は、20〜300mgKOH/gであることが好ましい。これにより、より充分なアルカリ可溶性が発現され、現像性により優れる硬化物を得ることが可能になる。特に酸価がこの範囲にあると、耐溶剤性がより向上され、また現像速度が適度なものとなって密着性がより向上したり、現像時に表面荒れが生じるおそれをより抑制したりすることができる。また、酸価がこの範囲になるように酸基を有する単量体単位(好ましくは(メタ)アクリル酸単位)の含有量を設定することで、耐溶剤性が更に向上する。酸価は、より好ましくは60〜160mgKOH/gである。
上記(メタ)アクリレート系重合体において、酸基を有する単量体単位(好ましくは(メタ)アクリル酸単位)の含有割合は、(メタ)アクリレート系重合体の酸価が上述した好ましい範囲内となるように設定することが好適である。例えば、全単量体単位の総量100質量%に対し、2〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは5〜40質量%、更に好ましくは8〜30質量%である。
(v)主鎖環構造
上記(メタ)アクリレート系重合体は、主鎖に環構造を有することが好ましい。これにより、耐熱性や表面硬度、密着性により優れ、また、例えば、高温暴露後の経時変化がより抑制されて各種物性をより一層安定して発現できる硬化物を得ることができる。なお、最近の表示装置では、各種部材に外部からの衝撃に耐えうる強度をもたせるため、基板に強化ガラスを使用することがあるが、上記(メタ)アクリレート系重合体として主鎖に環構造を有する重合体を用いると、高温暴露後においても強化ガラスに対して優れた密着性を発揮できる硬化物が得られるため、非常に好適である。
上記環構造は、例えば、イミド環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロフラン環、ラクトン環等が好適である。なお、1又は2以上の環構造を主鎖に有してもよい。
上記(メタ)アクリレート系重合体が主鎖に環構造を有する場合、当該重合体は、例えば、重合成分(すなわち重合に供する単量体成分)として、主鎖に環構造を形成しうる単量体(主鎖に環構造を導入し得る単量体又は単量体(e)とも称す)を少なくとも1種以上用いることで得ることができる。
上記単量体(e)としては、例えば、分子内に二重結合含有環構造を有する単量体や、環化重合して環構造を主鎖に有する重合体を形成する単量体等が挙げられる。具体的には、N置換マレイミド系単量体、アクリル系エーテルダイマー、及び、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。この場合、上記(メタ)アクリレート系重合体は、N置換マレイミド系単量体単位、アクリル系エーテルダイマー単位、及び/又は、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体単位を有する重合体となる。このうち、例えばN置換マレイミド系単量体単位及び/又はアクリル系エーテルダイマー単位を有すると、耐熱性、硬度及び分散性(例えば色材分散性等)等がより向上された硬化膜を与えることが可能になる。アクリル系エーテルダイマー単位を有すると、硬化物(硬化膜)の耐熱着色性が向上する。また、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体単位を有すると、密着性、硬化性、乾燥再溶解性等の製版性に寄与する性能や、色材分散性、耐熱性、透明性等がより向上された硬化膜を与えることが可能になる。
(v−1)N置換マレイミド系単量体
N置換マレイミド系単量体としては、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、p−メチルベンジルマレイミド、p−ブチルベンジルマレイミド、p−ヒドロキシベンジルマレイミド、o−クロロベンジルマレイミド、o−ジクロロベンジルマレイミド、p−ジクロロベンジルマレイミド等が挙げられ、中でも、透明性の観点から、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドが好ましく、特にN−ベンジルマレイミドが好適である。
上記N−ベンジルマレイミドとしては、例えば、ベンジルマレイミド;p−メチルベンジルマレイミド、p−ブチルベンジルマレイミド等のアルキル置換ベンジルマレイミド;p−ヒドロキシベンジルマレイミド等のフェノール性水酸基置換ベンジルマレイミド;o−クロロベンジルマレイミド、o−ジクロロベンジルマレイミド、p−ジクロロベンジルマレイミド等のハロゲン置換ベンジルマレイミド;等が挙げられる。
(v−2)アクリル系エーテルダイマー
アクリル系エーテルダイマーとしては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
上記式中、R7及びR8は、同一又は異なって、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の有機基を表す。炭素数1〜25の有機基としては、置換基を有していてもよい、炭素数1〜25の炭化水素基であることが好適である。例えば、特開2013−61599号公報〔0037〕に例示された、直鎖状又は分岐状のアルキル基;アリール基;脂環式基;アルコキシで置換されたアルキル基;アリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。中でも、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような、酸や熱で脱離しにくい1級又は2級炭素の炭化水素基が耐熱性の点で好ましい。
なお、R7及びR8は、同種の有機基であってもよいし、異なる有機基であってもよい。
上記アクリル系エーテルダイマーの中でも、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体が好適である。具体的には、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。
これらの中でも、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。着色の少なさや分散性、工業的入手の容易さ等の観点から、より好ましくは、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートである。
(v−3)α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体
α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体としては、例えば、アルキル−(α−メタリルオキシメチル)アクリレートや、α−(アリルオキシメチル)アクリレートが好適である。中でも、α−(アリルオキシメチル)アクリレートがより好ましい。
上記α−(アリルオキシメチル)アクリレートとしては、例えば、下記一般式(4)で表される化合物が好適である。
上記式中、R9は、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の有機基を表す。なお、本明細書では、「α−(アリルオキシメチル)アクリレート」に、R9が水素原子を表す化合物(すなわちα−アリルオキシメチルアクリル酸)も包含する。
上記R9は、目的や用途に合わせて適宜選択すればよいが、R9が表し得る炭素数1〜30の有機基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基であることが好適である。具体的には、例えば、特開2013−061599号公報〔0037〕に例示された、鎖状飽和炭化水素基;鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をアルコキシ基で置き換えたアルコキシ置換鎖状飽和炭化水素基;鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をヒドロキシ基で置き換えたヒドロキシ置換鎖状飽和炭化水素基;鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をハロゲンで置き換えたハロゲン置換鎖状飽和炭化水素基;鎖状不飽和炭化水素基、及び、その水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた鎖状不飽和炭化水素基;脂環式炭化水素基、及び、その水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた脂環式炭化水素基;芳香族炭化水素基及びその水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた芳香族炭化水素基;等が挙げられる。また、これら有機基に更に任意の置換基が結合していてもよい。
上記α−(アリルオキシメチル)アクリレートの具体例としては、例えば、α−アリルオキシメチルアクリル酸、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸i−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ネオペンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘプチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸カプリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸デシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ウンデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ラウリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ミリスチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ペンタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヘプタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノナデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エイコシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メリシル等の鎖状飽和炭化水素基含有α−(アリルオキシメチル)アクリレートが好ましい。その他、特開2013−061599号公報〔0037〕に例示された化合物(例えば、アルコキシアルキル−α−(アリルオキシメチル)アクリレート等)も好適である。これらの中でも、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(α−(アリルオキシメチル)メチルアクリレートとも称す)が特に好適である。
上記α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体は、例えば、国際公開第2010/114077号パンフレットに記載の製造方法により製造することができる。
上記(メタ)アクリレート系重合体において、主鎖に環構造を形成しうる単量体単位の含有割合は、全単量体単位の総量100質量%中、2〜30質量%であることが好ましい。これにより、現像密着性がより向上するとともに、耐光密着性や硬度もより向上する。より好ましくは5〜25質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。
(vi)その他の単量体単位
上記(メタ)アクリレート系重合体はまた、必要に応じ、その他の単量体(以下、単量体(f)とも称す)に由来する構成単位を1種又は2種以上含んでいてもよい。
上記単量体(f)は特に限定されず、例えば、上述した単量体(a)〜(e)には該当しないその他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体や、芳香族ビニル系単量体、その他共重合可能な単量体が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好適である。
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルの他、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカ−2−イル(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。中でも、耐熱性や色材分散性、溶剤再溶解性のバランスを取り易い点で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル又は(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキル、及び/又は、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルが好適である。
上記芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、メトキシスチレン等が挙げられる。中でも、樹脂の耐熱着色性や耐熱分解性の点で、スチレン、ビニルトルエンが好適である。
上記その他共重合可能な単量体としては特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム等の重合体分子鎖の片末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類;等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレート系重合体において、その他の単量体単位の含有割合は、例えば、全単量体単位100質量%に対し、0〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜10質量%、特に好ましくは0〜5質量%である。
ここで、上記(メタ)アクリレート系重合体は、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位を実質的に含まない。ここでいう「3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位を実質的に含まない」とは、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位を、その効果を奏さない程度には含んでもよいこと(例えば不純物由来成分として当該単量体単位を含む場合が挙げられる。)を意味し、具体的には、(メタ)アクリレート系重合体が含む全単量体成分100質量%に対し、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位の含有量が5質量%未満であることをいう。この含有量は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。上記(メタ)アクリレート系重合体が3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位を実質的に含まない一方で、脂環骨格を有する(メタ)アクリレート系単量体単位を必須に含むことで、現像液に対して著しく高度な現像密着性を発揮することができる。
3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位を実質的に含まない(メタ)アクリレート系重合体を得るには、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体を実質的に含まない単量体成分を重合することが好適である。ここでいう「3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体を実質的に含まない」とは、重合に供する全単量体成分100質量%に対し、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体の含有量が5質量%未満であることをいう。この含有量は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
本明細書中、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位とは、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体に由来する構成単位を意味し、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体とは、1分子中に、(メタ)アクリロイル基と、第3級炭素原子とをそれぞれ1又は2以上有する化合物である。第3級炭素原子とは、該炭素原子に結合している他の炭素原子が3個である炭素原子を意味する。3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体の詳細は、特開2016−29151号公報〔0015〕〜〔0020〕に記載の通りである。
本発明における(メタ)アクリレート系重合体として好ましくは、単量体(a)、(b)及び(c)を含み、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体を実質的に含まない単量体成分を重合させてなる重合体である。また、この重合体(ベースポリマーとも称す)に、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物を反応させて得られる重合体(側鎖二重結合含有重合体とも称す)であってもよく、この側鎖二重結合含有重合体も、本発明の(メタ)アクリレート系重合体に包含される。なお、原料の単量体や化合物は各々1種又は2種以上を使用することができる。
上記単量体成分は、単量体(a)、(b)及び(c)を含むが、更に単量体(d)及び/又は(e)を含むことが好ましく、単量体(d)及び(e)の両方を含むことがより好ましい。すなわち上記(メタ)アクリレート系重合体は、単量体(a)〜(e)、及び、必要に応じて単量体(f)からなる単量体成分(但し、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体を実質的に含まない)を重合させてなる重合体であることが特に好ましい。この場合、単量体成分の質量比(a/b/c/d/e/f)は、10〜50/10〜40/2〜40/2〜50/2〜30/0〜30であることが好適である(但し、a〜fの合計を100質量%とする)。より好ましくは15〜48/10〜35/2〜30/5〜40/5〜25/0〜20、更に好ましくは20〜45/15〜30/4〜20/8〜30/5〜20/0〜10である。
上記単量体成分を重合する方法としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の通常用いられる手法を用いることができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよい。中でも、溶液重合が、工業的に有利で、分子量等の構造調整も容易であるため好適である。また、上記単量体成分の重合機構は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に基づいた重合方法を用いることができるが、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業的にも有利であるため好ましい。重合反応の好ましい形態は、特開2016−29151号公報〔0062〕〜〔0072〕に記載のとおりである。
上述したように(メタ)アクリレート系重合体が側鎖二重結合含有重合体である場合、架橋点の増加に従い、現像密着性や耐溶剤性が更に向上するため、好適である。このような(メタ)アクリレート系重合体は、上記ベースポリマーに、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物を反応させて得ることができる。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物における重合性二重結合としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、メタリル基等が挙げられ、当該化合物としてこれらの1種又は2種以上を有するものが好適である。中でも、反応性の点で(メタ)アクリロイル基が好ましい。また、酸基と結合し得る官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基等が挙げられ、当該化合物としてこれらの1種又は2種以上を有するものが好適である。中でも、変成処理反応の速さ、耐熱性、分散性の点から、エポキシ基(グリシジル基を含む)が好ましい。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。中でも、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物(単量体)を用いることが好適である。特に、反応性が高く、かつ反応のコントロールがしやすいうえ、入手が容易で、ラジカル重合性二重結合だけでなく同時に水酸基も導入できる点から、(メタ)アクリル酸グリシジル、及び/又は、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチルがより好ましい。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の付加量は、ベースポリマーを与える単量体成分(ベースポリマー成分)の総量100質量部に対し、好ましくは2〜60質量部である。当該化合物の付加量がこの範囲にあることで、硬化性がより高まり、硬化後の強度がより充分なものとなる。より好ましくは10質量部以上である。また、上限は55質量部以下であることがより好ましく、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは45質量部以下である。
上記ベースポリマー中の酸基(の一部)に、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物を反応させる方法は、公知の付加方法等を採用すればよく特に限定されない。反応温度は、例えば60℃〜140℃が好ましい。また、トリエチルアミンやジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;塩化テトラエチルアンモニウム等のアンモニウム塩;臭化テトラフェニルホスホニウム等のホスホニウム塩、ジメチルホルムアミド等のアミド化合物;等の公知の触媒を使用することが好ましい。
本発明において、(メタ)アクリレート系重合体は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3000〜10万であることが好ましい。これにより、硬化性樹脂組成物を塗布する際の塗布性が良好となる傾向があり、また現像時に膜減りが生じにくくなる。より好ましくは3000〜5万である。これにより、より良好な現像性を発揮することが可能になる他、耐溶剤性が向上するとともに、現像速度もより高められる。更に好ましくは5000〜4万、特に好ましくは1万〜3万である。
上記(メタ)アクリレート系重合体はまた、分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]が1.1〜6.0であることが好ましい。分子量分布がこの範囲にあると、現像性に優れる傾向がある。より好ましくは1.2〜4.0である。
本明細書中、重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、後述する実施例に記載の測定方法(GPC法)に従って求めることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、(メタ)アクリレート系重合体の含有割合は、用途や他成分の配合等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、(メタ)アクリレート系重合体の固形分含量が、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましい。また、80質量%以下であることが好適である。このような範囲にあることで、本発明の効果をより顕著に奏することが可能となる。より好ましくは7〜70質量%、更に好ましくは10〜60質量%である。
なお、本発明では、本発明の効果を損なわない範囲であれば、(メタ)アクリレート系重合体とともに、通常この分野で用いられるアクリル系の重合体を併用してもよい。
<重合性化合物>
本発明の硬化性樹脂組成物はまた、重合性化合物を含む。重合性化合物とは、重合性単量体とも称し、フリーラジカル、電磁波(例えば赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー線の照射等により重合し得る、重合性不飽和結合(重合性不飽和基とも称す)を有する低分子化合物である。例えば、重合性不飽和基を分子中に1つ有する単官能の化合物と、2個以上有する多官能の化合物が挙げられる。
上記単官能の重合性単量体としては、例えば、上記(メタ)アクリレート系重合体の単量体成分に好ましく含有される他の単量体として例示した化合物のうち、N置換マレイミド系単量体又は(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド類;不飽和モノカルボン酸類;不飽和多価カルボン酸類;不飽和基とカルボキシル基の間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;不飽和酸無水物類;芳香族ビニル類;共役ジエン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;N−ビニル化合物類;不飽和イソシアネート類;等が挙げられる。また、活性メチレン基や活性メチン基を有する単量体等を用いることもできる。
上記多官能の重合性単量体としては、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;
(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル等の多官能アリルエーテル類;
(メタ)アクリル酸アリル等のアリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の多官能(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート類;トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル基含有イソシアヌレート類;トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類との反応で得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル類;等。
上記重合性化合物の中でも、硬化性樹脂組成物の硬化性をより高める観点から、多官能の重合性化合物を用いることが好適である。重合性化合物として多官能の重合性化合物を用いる場合、その官能数として好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上である。また、硬化収縮をより抑制する観点から、官能数は10以下が好ましく、より好ましくは8以下である。
また上記重合性化合物の分子量としては特に限定されないが、取り扱いの観点から、例えば、2000以下が好適である。
上記重合性化合物として多官能の重合性化合物を用いる場合、当該重合性化合物の中でも、反応性、経済性、入手性等の観点から、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート化合物等の、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いることが好適である。より好ましくは多官能(メタ)アクリレート化合物であり、これによって硬化性樹脂組成物が感光性及び硬化性により優れたものとなり、より一層高硬度で高透明性の硬化物を得ることが可能になる。更に好ましくは、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を用いることである。
本発明の硬化性樹脂組成物において、重合性化合物の含有割合は、用いる重合性化合物や(メタ)アクリレート系重合体の種類の他、目的や用途等に応じて適宜設定すればよいが、現像性や製版性により優れる観点から、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、2質量%以上であることが好ましく、また、80質量%以下であることが好適である。下限値としてより好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、特に好ましくは10質量%以上であり、上限値としてより好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、特に好ましくは50質量%以下、最も好ましくは40質量%以下である。
<光重合開始剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は更に、光重合開始剤を含む。光重合開始剤として好ましくは、ラジカル重合性の光重合開始剤である。
上記ラジカル重合性の光重合開始剤とは、電磁波や電子線等の活性エネルギー線の照射により重合開始ラジカルを発生させるものであり、通常使用されるものを1種又は2種以上使用することができる。また、必要に応じて、光増感剤や光ラジカル重合促進剤等を1種又は2種以上併用してもよい。光重合開始剤とともに、光増感剤及び/又は光ラジカル重合促進剤を使用してもよいし、使用しなくてもよい。光増感剤及び/又は光ラジカル重合促進剤を併用しなくても本願発明の効果は充分に発揮されるが、併用した場合は感度や硬化性がより向上される。
上記光重合開始剤として具体的には、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボキニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;オキシムエーテル系化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9−フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;等。
上記光重合開始剤の中でも、アルキルフェノン系化合物、オキシムエステル系化合物、及び/又は、オキシムエーテル系化合物を用いることが好適である。オキシムエステル系化合物及びオキシムエーテル系化合物を「オキシム系化合物」と総称するが、オキシム系化合物を用いた場合には、硬化性樹脂組成物の硬化性が著しく向上し、得られる硬化物の耐溶剤性が飛躍的に向上する。このようなオキシム系化合物を使用することによる効果は、活性メチレン基を有する単量体単位を有する(メタ)アクリレート系重合体と併用する場合に特有の効果である。このように上記光重合開始剤が少なくともオキシム系化合物を含む形態は、本発明の好適な形態の1つである。オキシム系化合物の中でも、オキシムエステル系化合物が特に好適である。
本発明の硬化性樹脂組成物において、光重合開始剤の含有量は、目的、用途等に応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、光重合開始剤を除く硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好適である。これにより、密着性により優れた硬化物を得ることができ、高温暴露後においても剥がれがより充分に抑制される。また、光重合開始剤の分解物が与える影響や経済性等とのバランスを考慮すると、30質量部以下であることが好ましい。下限値としてより好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、特に好ましくは2質量部以上であり、上限値としてより好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
上記光重合開始剤と併用してもよい光増感剤や光ラジカル重合促進剤としては、例えば、キサンテン色素、クマリン色素、3−ケトクマリン系化合物、ピロメテン色素等の色素系化合物;4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のジアルキルアミノベンゼン系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のメルカプタン系水素供与体;等が挙げられる。
上記光増感剤及び光ラジカル重合促進剤は、上述したように使用しなくてもよいが、使用する場合は、硬化性、分解物が与える影響及び経済性のバランスの観点から、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、0.001〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは0.01〜15質量%、更に好ましくは0.05〜10質量%である。
<他の成分>
−溶剤−
本発明の硬化性樹脂組成物はまた、溶剤を含むことが好適である。溶剤は、希釈剤等として好ましく使用される。すなわち具体的には、粘度を下げ取扱い性を向上する;乾燥により塗膜を形成する;色材の分散媒とする;等のために好適に使用され、硬化性樹脂組成物中の各含有成分を溶解又は分散することができる、低粘度の有機溶媒又は水である。
溶剤としては、通常使用するものを1種又は2種使用することができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよく特に限定されない。例えば、モノアルコール類;グリコール類;環状エーテル類;グリコールモノエーテル類;グリコールエーテル類;グリコールモノエーテルのエステル類;アルキルエステル類;ケトン類;芳香族炭化水素類;脂肪族炭化水素類;アミド類;水;等が好ましい。これらの溶媒の具体例として、特開2015−42697号公報〔0042〕に記載の化合物等が挙げられる。例えば、グリコールモノエーテルのエステル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
上記溶剤の使用量としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、本発明の硬化性樹脂組成物の総量100質量%中に、10〜90質量%含まれるようにすることが好ましい。より好ましくは20〜80質量%である。
本発明の硬化性樹脂組成物は更に、それが適用される各用途の要求特性に応じて、例えば、色材(着色剤とも称す);分散剤;耐熱向上剤;レベリング剤;現像助剤;シリカ微粒子等の無機微粒子;シラン系、アルミニウム系、チタン系等のカップリング剤;フィラー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール等の熱硬化性樹脂;多官能チオール化合物等の硬化助剤;可塑剤;重合禁止剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;艶消し剤;消泡剤;帯電防止剤;スリップ剤;表面改質剤;揺変化剤;揺変助剤;キノンジアジド化合物;多価フェノール化合物;カチオン重合性化合物;酸発生剤;等の1種又は2種以上を、更に含んでいてもよい。例えば、上記硬化性樹脂組成物をカラーフィルター用途に使用する場合には、色材を含むことが好ましい。このように上記硬化性樹脂組成物が更に色材を含む形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。また、色材、分散剤、耐熱向上剤、レベリング剤、カップリング剤及び現像助剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む形態も好適である。
色材としては、例えば、顔料や染料が好適に使用される。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、顔料と染料とを組み合わせてもよい。例えば、カラーフィルターの赤色、青色、緑色画素を形成する場合、青と紫、緑と黄等、色材を組み合わせて求める色特性を発揮させる手法が好適に使用される。また、ブラックマトリックスを形成する場合にも黒の色材を用いて形成することができる。顔料及び染料の中でも、例えば耐久性の点では、顔料(例えば有機顔料又は無機顔料)が優れ、また、例えばパネル等の輝度向上の点では染料が優れることから、求められる特性に応じて適宜これらを選択又は併用すればよい。顔料の中でもより好ましくは有機顔料である。
上記顔料や染料の好ましい例、色材の含有割合は、特開2016−29151号公報〔0101〕〜〔0105〕に記載のとおりである。また、上記分散剤は、樹脂型分散剤(例えば高分子分散剤)、界面活性剤(例えば低分子分散剤)、色素誘導体に分類されるが、これらの好ましい例や含有割合、及び、その他の添加剤の好ましい例は、特開2016−29151号公報〔0106〕〜〔0116〕に記載のとおりである。
<製造方法>
本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述した含有成分を、各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができる。混合・分散工程は特に限定されず、通常の手法により行えばよい。また、通常行われる他の工程を更に含むものであってもよい。なお、上記硬化性樹脂組成物が色材を含む場合は、色材の分散処理工程を経て製造することが好適である。
上記色材の分散処理工程としては、例えば、まず、色材(好ましくは有機顔料)、分散剤及び溶剤を各所定量秤量し、ペイントコンディショナー、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ニーダー、ブレンダー等の分散機を用い、色材を微粒子分散させて液状の色材分散液(ミルベースとも称す)とする手法が挙げられる。好ましくは、ロールミル、ニーダー、ブレンダー等で混練分散処理をしてから、0.01〜1mmのビーズを充填したビーズミル等のメディアミルで微分散処理をする。得られたミルベースに、別途攪拌混合しておいた、(メタ)アクリレート系重合体、重合性化合物(重合性単量体)、及び、光重合開始剤、並びに、必要に応じて溶剤やレベリング剤等を含む組成物(好ましくは透明液)を加えて混合、均一な分散溶液とし、硬化性樹脂組成物を得ることができる。
なお、得られた硬化性樹脂組成物は、フィルター等によって、濾過処理をして微細なゴミを除去することが好ましい。
〔硬化物〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、高度な現像密着性を有し、感光性や硬化性、現像性、耐溶剤性、基板との密着性、耐熱性及び透明性等の各種物性に優れる硬化物を与えるものである。このような硬化物はまた、画像形成性及び表面平滑性にも優れ、例えば、現像後に未露光部の残渣や地汚れ等がないものである。このような上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、本発明の1つである。
上記硬化物(硬化膜)は、その膜厚(厚み)が0.1〜20μmであることが好適である。これにより、上記硬化物を用いた部材等や表示装置等の低背化要求に充分に応えることができる。より好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは0.5〜8μmである。
上記硬化物は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルター、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等の、各種の光学部材や電機・電子機器等の用途に好ましく使用される。中でも、カラーフィルターに用いることが好ましい。このように上記硬化性樹脂組成物を用いてなるカラーフィルター、すなわち具体的には、基板上に上記硬化物を有するカラーフィルターもまた、本発明の1つである。以下、カラーフィルターについて、更に説明する。
〔カラーフィルター〕
本発明のカラーフィルターは、基板上に、上記硬化物を有する形態からなる。
上記カラーフィルターにおいて、本発明の硬化性樹脂組成物により形成される硬化物は、例えば、ブラックマトリクスや、赤色、緑色、青色、黄色等の各画素のような着色が必要なセグメントとして特に好適であるが、フォトスペーサー、保護層、配向制御用リブ等の着色が必ずしも必要としないセグメントとしても好適である。
上記カラーフィルターに使用される基板としては、例えば、白板ガラス、青板ガラス、アルカリ強化ガラス、シリカコート青板ガラス等のガラス基板;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスルホン、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物等の熱可塑性樹脂からなるシート、フィルム又は基板;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂からなるシート、フィルム又は基板;アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属基板;セラミック基板;光電変換素子を有する半導体基板;表面に色材層を備えるガラス基板(例えばLCD用カラーフィルタ)等の各種材料から構成される部材;等が挙げられる。中でも、耐熱性の点から、ガラス基板や、耐熱性樹脂からなるシート、フィルム又は基板が好ましい。また、上記基板は透明基板であることが好適である。
また上記基材には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤等による薬品処理等を行ってもよい。
〔カラーフィルターの製造方法〕
上記カラーフィルターを得るには、例えば、画素一色につき(すなわち、一色の画素ごとに)、基板上に、上記硬化性樹脂組成物を配置する工程(配置工程とも称す)と、該基板上に配置された硬化性樹脂組成物に光を照射する工程(光照射工程とも称す)と、現像液により現像処理する工程(現像工程とも称す)と、加熱処理する工程(加熱工程とも称す)とを含む手法を採用し、これと同じ手法を各色で繰り返す製造方法を採用することが好適である。なお、各色の画素の形成順序は、特に限定されるものではない。
上記各工程の好ましい形態は、特開2016−29151号公報〔0125〕〜〔0137〕に記載のとおりである。なお、上記現像工程では、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒又はアルカリ性水溶液を現像液として用いることが好ましく、アルカリ性水溶液は、アルカリ剤として無機のアルカリ剤やアミン類を含むことが好ましい。アルカリ性水溶液を用いる場合は、現像後、水で洗浄することが好適である。
〔表示装置〕
本発明はまた、上記カラーフィルターを用いて構成される表示装置でもある。
なお、上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化物を有する表示装置用部材及び表示装置もまた、本発明の好適な実施形態に含まれる。上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化物(硬化膜)は、安定して、基材等に対する密着性に優れ、かつ高硬度であるうえ、高平滑性を示し、高い透過率を有するものであるから、透明部材として特に好適であり、また、各種表示装置における保護膜や絶縁膜としても有用である。
上記表示装置としては、例えば、液晶表示装置、固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等が好適である。
なお、上記硬化物(硬化膜)を表示装置用部材として用いる場合、当該部材は、上記硬化膜から構成されるフィルム状の単層又は多層の部材であってもよいし、該単層又は多層の部材に更に他の層が組み合わされた部材であってもよいし、また、上記硬化膜を構成中に含む部材であってもよい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味する。なお、各種物性等は以下のようにして測定した。
1、重量平均分子量
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液として、HLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム:TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
2、固形分
重合体溶液(樹脂溶液又はポリマー溶液とも称す)をアルミカップに約1gはかり取り、アセトン約3gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、真空乾燥機(東京理化器械社製、商品名:VOS−301SD型)を用い、真空下120℃で1.5時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定した。その質量減少量から、重合体溶液の固形分(質量%)を計算した。
3、酸価
樹脂溶液3gを精秤し、アセトン90gと水10gとの混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分とから固形分1g当たりの酸価(AV)を求めた。
4、現像密着性
硬化性樹脂組成物を、10cm角のガラス基板上にスピンコーターにより塗布し、100℃で3分間乾燥後、塗膜から100μmの距離のところに2〜100μmの各種ラインアンドスペースが並んだパターンフォトマスクを配置して2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TME−150RNS、TOPCON社製)によって50mJ/cm2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。紫外線照射後、塗布膜に0.05%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機にて30秒、60秒の条件で散布し、未露光部を溶解除去し、残った露光部を純水で10秒間水洗することにより現像した。現像後に形成した膜厚2μmの各種ラインアンドスペースをレーザー顕微鏡(VK−9700、キーエンス社製)で確認し、完全にラインアンドスペースが形成されたラインの大きさにより現像密着性を評価した。
5、吸光度
硬化性樹脂組成物を5cm角のガラス基板上にスピンコートし、100℃で3分間乾燥後、高圧水銀灯にて100mJで露光を行い、230℃で30分時間熱処理を行い、膜厚2μmの薄膜を得た。その後、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)20gに85℃で10分間浸漬し、塗膜から溶出した1−メチル−2−ピロリドンの色相を分光光度計UV3100(島津製作所社製)で測定して、450nmの吸光度を求めた。
合成例1
樹脂溶液1(BzMI−CHMA−MMA−HEMA−AAEM−AA共重合体溶液1)の合成
温度計、攪拌機、ガス導入管、冷却管及び滴下槽導入口を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート155.7部を仕込み、窒素置換した後、加熱して90℃まで昇温した。他方、滴下槽(A)として、ビーカーにN−ベンジルマレイミド10部、メタクリル酸シクロヘキシル43.5部、メタクリル酸メチル1部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、メタクリル酸2−アセトアセトキシエチル10部、アクリル酸15.5部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製「パーブチルO」)2部を攪拌混合したものを準備し、滴下槽(B)に、n−ドデシルメルカプタン0.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20部を攪拌混合したものを準備した。反応槽の温度が90℃になった後、同温度を保持しながら、滴下槽から3時間かけて滴下を開始し、重合を行った。滴下終了後30分間90℃を保った後、105℃まで昇温し、180分間熟成を行った。得られたポリマー溶液(樹脂溶液1)を上記測定方法に従って分析した。結果を表1に示す。
合成例2
樹脂溶液2(BzMI−CHMA−MMA−HEMA−AAEM−MAA共重合体溶液2)の合成
単量体の仕込み量を、N−ベンジルマレイミド10部、メタクリル酸シクロヘキシル36部、メタクリル酸メチル1部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、メタクリル酸2−アセトアセトキシエチル10部、メタクリル酸23部とした以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液(樹脂溶液2)を分析した。結果を表1に示す。
合成例3
樹脂溶液3(MD−CHMA−MMA−HEMA−AAEM−AA共重合体溶液3)の合成
N−ベンジルマレイミドの代わりに、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(MD)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液(樹脂溶液3)を分析した。結果を表1に示す。
合成例4
樹脂溶液4(AMA−CHMA−MMA−HEMA−AAEM−AA共重合体溶液4)の合成
N−ベンジルマレイミドの代わりに、メチル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート(AMA)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液(樹脂溶液4)を分析した。結果を表1に示す。
合成例5
樹脂溶液5(BzMI−t−BMA−MMA−HEMA−AAEM−AA共重合体溶液5)の合成
単量体の仕込み量を、N−ベンジルマレイミド10部、メタクリル酸t−ブチル43.5部、メタクリル酸メチル1部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、メタクリル酸2−アセトアセトキシエチル10部、アクリル酸15.5部とした以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液(樹脂溶液5)を分析した。結果を表1に示す。
合成例6
樹脂溶液6(BzMI−t−BMA−MMA−HEMA−AAEM−MAA共重合体溶液6)の合成
単量体の仕込み量を、N−ベンジルマレイミド10部、メタクリル酸t−ブチル36部、メタクリル酸メチル1部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、メタクリル酸2−アセトアセトキシエチル10部、メタクリル酸23部とした以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液(樹脂溶液6)を分析した。結果を表1に示す。
合成例7
樹脂溶液7(BzMI−CHMA−MMA−HEMA−AA共重合体溶液7)の合成
単量体の仕込み量を、N−ベンジルマレイミド10部、メタクリル酸シクロヘキシル53.5部、メタクリル酸メチル1部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、アクリル酸15.5部とした以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液(樹脂溶液7)を分析した。結果を表1に示す。
合成例8
樹脂溶液8(BzMI−t−BMA−MMA−HEMA−AA共重合体溶液8)の合成
単量体の仕込み量を、N−ベンジルマレイミド10部、メタクリル酸t−ブチル53.5部、メタクリル酸メチル1部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、アクリル酸15.5部とした以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液(樹脂溶液8)を分析した。結果を表1に示す。
表1中の記号は、下記のとおりである。
BzMI:N−ベンジルマレイミド
MD:ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート
AMA:メチル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
t−BMA:メタクリル酸t−ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
AAEM:メタクリル酸2−アセトアセトキシエチル
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
作製例1
顔料分散体1の作製
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを12.9部、分散剤としてディスパロンDA−7301を0.4部、色材としてC.I.ピグメントグリーン58を2.25部、及び、C.I.ピグメントイエロー138 1.5部を混合し、ペイントシェーカーにて3時間分散することで顔料分散体1を得た。
実施例1
樹脂溶液1を2.0部、重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを0.70部、光重合開始剤としてイルガキュア369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.35部、顔料分散体1を8.5部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート6.57部を混合し、硬化性樹脂組成物1を得た。
この硬化性樹脂組成物の現像密着性及びNMP溶出試験後のNMPの吸光度を上記条件で測定した。現像密着性は、現像30秒で完全に形成されたラインアンドスペースが12μm、現像60秒では10μmであった。吸光度は5×10−2であった。
実施例2〜4、比較例1〜4
表2に示す配合としたこと以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物2〜8を各々得た後、現像密着性とNMP溶出試験後のNMPの吸光度を各々評価した。結果を表2に示す。
表2の結果より、下記のことが確認された。
実施例1〜4は、樹脂溶液1〜4として、脂環骨格を有する(メタ)アクリレート系単量体単位、水酸基を有する単量体単位及び活性メチレン基を有する単量体単位を含む(メタ)アクリレート系重合体(但し、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位を実質的に含まない)を用いた例であるのに対し、比較例1、2は、樹脂溶液5、6として、脂環骨格を有する(メタ)アクリレート系単量体単位を含まない一方、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位を含む(メタ)アクリレート系重合体を用いた点で、実施例1〜4と相違する。比較例3は、樹脂溶液7として、活性メチレン基を有する単量体単位を含まない(メタ)アクリレート系重合体を用いた点で、実施例1〜4と相違する。比較例4は、樹脂溶液8として、脂環骨格を有する(メタ)アクリレート系単量体単位及び活性メチレン基を有する単量体単位を含まない一方、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位を含む(メタ)アクリレート系重合体を用いた点で実施例1〜4と相違する。
これらの相違の下、同様の条件で硬化物を得て現像密着性及び吸光度を評価した結果を比較すると、比較例1、2及び4に対し、実施例1〜4では、現像30秒の密着性のライン線幅が大幅に狭くなっており、また現像60秒後もライン線幅が狭いにも関わらず膜剥がれが生じなかったことが分かる(表2参照)。現像密着性が良好であるほど現像マージン(許容幅)が広がるため、この結果から、上記構成の(メタ)アクリレート系重合体を含む本発明の硬化性樹脂組成物は、現像マージンが広く取扱いやすいものであることが分かった。また、比較例3では、硬化物の吸光度が著しく大きく、硬化物から色材が溶出していることが分かる(表2参照)。硬化性組成物の硬化性や耐溶剤性が不充分であると、色材が溶出することに起因して溶出液の吸光度が大きくなるため、この結果から、活性メチレン基を有する単量体単位を含まない(メタ)アクリレート系重合体を用いると、硬化性及び耐溶剤性が不充分になることが分かった。
なお、実施例1〜4で得た樹脂組成物の硬化物は、いずれも透明性が高いものであった。