JP2021014542A - アルカリ可溶性樹脂、硬化性樹脂組成物、及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温硬化条件下でも、耐溶剤性及び基材との密着性に優れた硬化物を与えることができ、カラーフィルター等の用途に好適に使用することができるアルカリ可溶性樹脂、及び、硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】オキセタニル基含有単量体由来の構造単位(A)、酸無水物単量体由来の構造単位(B)、及び、水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体由来の構造単位(C)を有するアルカリ可溶性樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ可溶性樹脂に関する。より詳しくは、低温硬化条件であっても、耐溶剤性及び基材との密着性に優れた硬化物を与えることができるアルカリ可溶性樹脂、硬化性樹脂組成物、積層体、カラーフィルター、及び表示装置に関する。
熱や活性エネルギー線によって硬化しうる硬化性樹脂組成物は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルター、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等の、各種の光学部材や電機・電子機器等の各種用途への適用が種々検討され、各用途で要求される特性に優れた硬化性樹脂組成物の開発がなされている。これらの用途のうち、カラーフィルターは、液晶表示装置や固体撮像素子等を構成する主要部材であり、一般に、基板、少なくとも3原色(赤(R)・緑(G)・青(B))の画素、及び、それらを区切る樹脂ブラックマトリクス(BM)やブラックカラムスペーサー(BCS)に加え、画素及び樹脂ブラックマトリクスを被覆・保護し、かつそれらの凹凸を平坦化するために設けられる保護膜等から構成されるものである。
通常、硬化性樹脂組成物を用いてカラーフィルターの画素形成を行う場合、画素一色につき、(1)基板全面に硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程と、(2)塗布工程により形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介してパターン露光して露光部を硬化させた後、硬化部を不溶化する露光工程と、(3)現像液により未露光部を除去した後、焼成(ベーク)によって露光部を更に硬化させる現像・焼成(ベーク)処理工程とを行い、これと同じ工程を各色で繰り返す手法が採用されている。
このようなカラーフィルターの用途等への適用を考慮すると、硬化性樹脂組成物には硬化性や硬化後の耐溶剤性、基板(基材)との密着性、耐熱性及び透明性等の各種物性を有することが求められている。また、近年では光学部材や電機・電子機器等の小型化・薄型化・省エネルギー化が進みつつあり、それに伴って、使用されるカラーフィルター等の部材には高品位な性能な要望されている。
カラーフィルター等に用いられる硬化性樹脂組成物については、これまでに種々提案されている。
例えば、特許文献1には、分子内にオキセタニル基と二重結合とを有する単量体と、マレイミド系単量体とを共重合させて得られる、耐熱性に優れた熱硬化性あるいは放射線硬化性の高分子化合物が記載されている。
また例えば、特許文献2には、オキセタン骨格を有する単量体及び他の単量体の共重合体であるバインダーポリマーと、着色剤、光重合性化合物および光重合開始剤を含む着色感光性組成物が記載されている。
また例えば、特許文献3には、不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸無水物、特定のオキセタニル基を有する単量体、及び他のオレフィン系不飽和化合物の共重合体と、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物と、感放射線重合開始剤を含む感放射線性樹脂組成物が記載されている。
また例えば、特許文献4には、オキセタニル基および重合性不飽和結合を有する重合体と、着色剤と、光重合開始剤を含有する着色層形成用感放射線性組成物が記載されている。
特開2005−330481号公報 特許第3956679号公報 特許第4269480号公報 特許第5417994号公報
しかしながら、従来のアルカリ可溶性樹脂をカラーフィルター等の原料として色材とともに使用すると、カラーフィルターの製造中に原料から洗浄溶媒中に色材が溶出するという問題があった。そのため、アルカリ可溶性樹脂の耐溶剤性の更なる向上が求められていた。
また、近年、特にカラーフィルター用途において、カラー液晶表示装置等の高品質化や用途の拡大により、表示パネルの高輝度化、高コントラスト化等、より高度な性能が強く求められている。しかしながら、カラーフィルターの製造では、露光して現像した後の焼成処理工程(後硬化工程)を200℃超の高温で行うと、得られた硬化物に黄変等の変色が生じ、所望の色による高着色化が十分にできないといった問題があった。また、焼成処理工程を高温で行うと、不要な反応が進行して副生物が生じ、基材や硬化膜の特性を低下させるという問題もあった。そのような不要な反応を抑制し、所望の特性を有するカラーフィルターを効率良く得るには、比較的低温な条件下でも硬化反応が十分に進行することが望ましい。また、硬化性樹脂組成物を比較的低温で硬化させることができると、カラーフィルターの製造効率も向上させることができる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、低温硬化条件下でも、耐溶剤性及び基材との密着性に優れた硬化物を与えることができ、カラーフィルター等の用途に好適に使用することができるアルカリ可溶性樹脂、及び、硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、カラーフィルター等の用途に有用なアルカリ可溶性樹脂について種々検討したところ、オキセタニル基含有単量体由来の構造単位と、酸無水物単量体由来の構造単位と、水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体由来の構造単位を有する重合体を使用することによって、約200℃以下で後硬化工程を行っても、耐溶剤性及び基材との密着性に優れた硬化物を与えることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、オキセタニル基含有単量体由来の構造単位(A)、酸無水物単量体由来の構造単位(B)、及び、水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体由来の構造単位(C)を有することを特徴とするアルカリ可溶性樹脂である。
上記構造単位(B)は、不飽和ジカルボン酸無水物単量体由来の構造単位であることが好ましい。
上記構造単位(C)は、下記一般式(3)で表される構造単位であることが好ましい。
Figure 2021014542
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びR10は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基を表す。)
上記アルカリ可溶性樹脂は、更に、芳香族ビニル系単量体由来の構造単位(D)を有することが好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂において、上記構造単位(B)と構造単位(C)の合計含有割合が、上記アルカリ可溶性樹脂の全構造単位100質量%に対して、30質量%以上であることが好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂は、理論ポリマー酸価が40〜300mgKOH/gであることが好ましい。
本発明はまた、上述したアルカリ可溶性樹脂、及び、重合性化合物を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物でもある。
本発明はまた、基材上に、上述したアルカリ可溶性樹脂の硬化物、又は、上述した硬化性樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする積層体でもある。
本発明はまた、基板上に、上述したアルカリ可溶性樹脂の硬化物、又は、上述した硬化性樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とするカラーフィルターでもある。
本発明はまた、上述したカラーフィルターを備えることを特徴とする表示装置でもある。
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、比較的低温な硬化条件であっても耐溶剤性及び基材との密着性に優れた硬化物を与えることができる。本発明のアルカリ可溶性樹脂、及び、上記アルカリ可溶性樹脂を含む硬化性樹脂組成物は、液晶・有機EL・量子ドット・マイクロLED液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等に用いられる各種の光学部材や構成部材として、電機・電子機器等の各種用途に好適に用いることができる。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
また、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」を含み、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」を含む。
1.アルカリ可溶性樹脂
本発明は、オキセタニル基含有単量体由来の構造単位(A)、酸無水物単量体由来の構造単位(B)、及び、水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体由来の構造単位(C)を有することを特徴とするアルカリ可溶性樹脂である。
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、上記の構成からなるため、200℃以下といった比較的低温な温度条件で後硬化工程を行った場合であっても、耐溶剤性、及び、基材との密着性に優れた硬化物を与えることができる。本発明のアルカリ可溶性樹脂が、比較的低温で後硬化工程を行った場合であっても、耐溶剤性、及び、基材との密着性に優れた硬化物を与えることができるのは、下記の理由によると推測される。
すなわち、本発明のアルカリ可溶性樹脂は、約150℃以上の加熱により、上記構造単位(C)の一部である酸基含有化合物が酸無水物として脱離し、末端に水酸基が形成される。上記構造単位(C)の末端に形成された水酸基は、上記構造単位(B)の酸無水物基とエステル化反応により結合し、同時に上記構造単位(B)から一価のフリーの酸基が形成される。そして更に、形成された酸基と上記構造単位(A)のオキセタニル基が反応して結合する。このような上記構造単位(A)、(B)及び(C)による反応により、高密度の架橋体が形成され、耐溶剤性と、基材との密着性に優れた硬化物を得ることができる。
本発明のアルカリ可溶性樹脂を構成する構造単位について説明する。
<構造単位(A)>
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、オキセタニル基含有単量体由来の構造単位(A)を有する。
上記構造単位(A)を有するアルカリ可溶性樹脂は、オキセタニル基含有単量体を含む単量体成分を重合することにより得られる。例えば、オキセタニル基含有単量体の代わりにエポキシ基含有単量体を使用すると、重合条件下でエポキシ基が酸基と反応して、ゲル化が生じ、所望の樹脂を十分に得ることができないおそれがある。一方、より安定なオキセタニル基を有する単量体を使用するとゲル化が抑制され、所望の樹脂を容易に得ることができる。
上記オキセタニル基含有単量体としては、オキセタニル基と重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
上記オキセタニル基としては、下記一般式(1)で表される基が挙げられる。
Figure 2021014542
(式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
上記重合性官能基としては、重合性二重結合を有する基が挙げられ、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、メタリル基等が挙げられる。なかでも、重合性や汎用性、供給安定性が高いという点で、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
上記オキセタニル基含有単量体としては、例えば、下記一般式(2)で表される単量体が好ましく挙げられる。
Figure 2021014542
(式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。Rは、炭素数1〜6の一価の炭化水素基を表す。)
上記一般式(2)中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
は、水素原子又はメチル基を表すが、メチル基であることが好ましい。
は、単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を表すが、単結合又は炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましい。
は、炭素数1〜6の一価の炭化水素基を表す。
上記一価の炭化水素基としては、一価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても、不飽和炭化水素基であってもよいが、飽和炭化水素基であることが好ましい。
上記一価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基を挙げることができる。
上記一価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
上記一価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
なかでも、Rは、炭素数1〜3の一価の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜2のアルキル基であることがより好ましく、エチル基であることが更に好ましい。
上記オキセタニル基含有単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸3−オキセタニルメチル、(メタ)アクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸3−オキセタニルエチル、(メタ)アクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)プロピル、(メタ)アクリル酸3−オキセタニルプロピル、(メタ)アクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)ブチル、(メタ)アクリル酸3−オキセタニルブチル、(メタ)アクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸3−オキセタニルヘキシル、(メタ)アクリル酸(2−エチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(2−メチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(2−エチル−3−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(2−メチル−3−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(2,2−ジメチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(2,3−ジメチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(2,4−ジメチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(2,2−ジメチル−3−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(2,3−ジメチル−3−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(2,4−ジメチル−3−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(3−エチル−2−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−2−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸2−オキセタニルメチル、(メタ)アクリル酸(3−エチル−2−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−2−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸2−オキセタニルエチル、(メタ)アクリル酸(2 −エチル−2−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(2−メチル−2−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(2−エチル−2−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(2−メチル−2−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(4−エチル−2−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(4−メチル−2−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(4−エチル−2−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(4−メチル−2−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(2,3−ジメチル−2−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(2,4−ジメチル−2−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(3,3−ジメチル−2−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(3,4−ジメチル−2−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(2,3−ジメチル−2−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(2,4−ジメチル−2−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(3,3−ジメチル−2−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(3,4−ジメチル−2−オキセタニル)エチル等が挙げられる。なかでも、供給安定性が高いという点で、(メタ)アクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸3−オキセタニルメチル、(メタ)アクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)エチル、(メタ)アクリル酸3−オキセタニルエチルが好ましく、構造単位(B)や(D)との共重合性が高いという点で、メタクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル、メタクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)メチル、メタクリル酸3−オキセタニルメチル、メタクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)エチル、メタクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)エチル、メタクリル酸3−オキセタニルエチルがより好ましい。
上記オキセタニル基含有単量体として、市販品を使用してもよい。上記市販品としては、例えば、OXE−10、OXE−30(いずれも製品名、大阪有機化学工業株式会社製)等を挙げることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂は、上記構造単位(A)を1種のみ有していてもよし、2種以上有していてもよい。
上記構造単位(A)の含有割合は、上記アルカリ可溶性樹脂の全構造単位100質量%に対して、5〜80質量%であることが好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
<構造単位(B)>
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、更に、酸無水物単量体由来の構造単位(B)を有する。
上記構造単位(B)を有すると、現像時には酸にならないため、現像液によってアルカリ可溶性樹脂を用いて形成した塗膜が溶解することなく、現像を好適に行うことができる。また、150〜200℃程度の加熱で水酸基との反応により開環して酸が形成されるので、後硬化を従来の方法より低温で行うことができ、かつ、架橋密度の高い架橋体を形成することができる。
上記構造単位(B)を有するアルカリ可溶性樹脂は、酸無水物単量体を含む単量体成分を重合することにより得られる。
上記酸無水物単量体としては、例えば、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、メサコン酸無水物、イタコン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルこはく酸無水物、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物等の不飽和ジカルボン酸無水物単量体が好ましく挙げられる。なかでも、上記酸無水物単量体としては、アクリレートとの共重合性が高く供給安定性が高いという点で、無水マレイン酸がより好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂は、上記構造単位(B)を1種のみ有していてもよし、2種以上有していてもよい。
上記構造単位(B)の含有割合は、上記アルカリ可溶性樹脂の全構造単位100質量%に対して、1〜50質量%であることが好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
<構造単位(C)>
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、更に、水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体由来の構造単位(C)を有する。
上記構造単位(C)を有するアルカリ可溶性樹脂は、水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体を含む単量体成分を重合することにより得ることができる。
上記水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体は、水酸基含有単量体の水酸基が酸基含有化合物により、いわばキャップされた状態のものである。そのため、単量体成分の重合時に、上記水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体は、上述した酸無水物単量体と架橋せず、所定の構造単位(A)、(B)及び(C)を有するアルカリ可溶性樹脂を効率良く得ることができる。また、アルカリ可溶性樹脂の硬化工程では加熱により、キャップに相当する酸基含有化合物が脱離して、水酸基が形成され、この水酸基が上記構造単位(B)の酸無水物基と反応して架橋される。
上記水酸基含有単量体としては、分子中に水酸基と重合性二重結合を有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2,3−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく挙げられ、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルがより好ましく挙げられる。
上記酸基含有化合物としては、酸基を有する化合物が挙げられる。上記酸基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基、リン酸基、スルホン酸基等、アルカリ水と中和反応する官能基が挙げられ、これらの1種のみを有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。なかでも、上記酸基としては、カルボキシル基やカルボン酸無水物基が好ましく、カルボン酸無水物基がより好ましい。
上記酸基含有化合物としては、具体的には、例えば、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸等のカルボン酸類;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、イタコン酸無水物、トリメリット酸無水物等のカルボン酸無水物類;等が挙げられる。なかでも、カルボン酸無水物類が好ましい。
上記水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体は、上記水酸基含有単量体と上記酸基含有化合物とを反応させることにより得ることができる。上記反応は特に限定されず公知の反応で行うことができる。
また、上記水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体として、市販品を用いることもできる。上記市販品としては、例えば、HOA−MS(N)、ライトエステルHO−MS(N)(いずれも製品名、共栄社化学株式会社製)等を挙げることができる。
上記構造単位(C)としては、例えば、下記一般式(3)で表される構造単位が好ましく挙げられる。
Figure 2021014542
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びR10は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基を表す。)
一般式(3)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。構造単位(B)との共重合性の観点で、メチル基が好ましい。
及びR10は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基を表す。
二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基等が挙げられる。
なかでも、上記二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基は、アルカリ可溶性樹脂を製造する際に酸無水物由来のユニットが脱離しにくい点で、二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基であることが好ましく、二価の鎖状の飽和炭化水素基であることがより好ましい。
上記二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、2〜6であることが更に好ましい。
上記二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。上記置換基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基等が挙げられる。
なかでも、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基であることがより好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の二価の鎖状の飽和炭化水素基であることが更に好ましい。
10は、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基であることがより好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の二価の鎖状の飽和炭化水素基であることが更に好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂は、上記構造単位(C)を1種のみ有していてもよし、2種以上有していてもよい。
上記構造単位(C)の含有割合は、上記アルカリ可溶性樹脂の全構造単位100質量%に対して、1〜60質量%であることが好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂において、上記構造単位(B)と構造単位(C)の含有割合の合計量は、全構造単位100質量%に対して30質量%以上であることが好ましい。上記構造単位(B)と構造単位(C)の含有割合の合計量が上記の範囲であると、耐溶剤性、及び基材との密着性とが、より一層優れた硬化物を与えることができる。
上記構造単位(B)と構造単位(C)の含有割合の合計量は、全構造単位100質量%に対して35質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。
また、上記構造単位(B)と構造単位(C)の含有割合の合計量の上限値としては、全構造単位100質量%に対して70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
<構造単位(D)>
上記アルカリ可溶性樹脂は、更に、芳香族ビニル系単量体由来の構造単位(D)を有することが好ましい。上記構造単位(D)を更に有することで、耐熱着色性、現像性や水ムラ抑制効果等を向上させることができる。
また、本発明のアルカリ可溶性樹脂を製造する際に、芳香族ビニル系単量体を使用すると、酸無水物単量体単独の場合と比較して、酸基無水物単量体が重合されやすくなる。また、芳香族ビニル系単量体と酸無水物単量体とは共重合性が高いため、各構造単位の組成分布がより均一な重合体を得ることができる。
上記芳香族ビニル系単量体としては、芳香族基とビニル基を有する化合物が好ましく挙げられる。
上記芳香族基としては、ベンゼン環、ナフタレン環等を含む基が挙げられ、なかでもベンゼン環を含む基が好ましい。上記芳香族基は、置換基を有していてもよい。上記置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基等が挙げられる。
上記芳香族ビニル系単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、キシレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン等が挙げられ、なかでも、耐熱分解性が向上するという点で、好ましくはスチレン、ビニルトルエンが挙げられ、有機溶媒やアルカリに対する溶解速度がより高くなるという点で、より好ましくはビニルトルエンが挙げられる。
上記アルカリ可溶性樹脂は、上記構造単位(D)を1種のみ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。
上記構造単位(D)の含有割合は、上記アルカリ可溶性樹脂の全構造単位100質量%に対して、1〜40質量%であることが好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
<構造単位(E)>
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、更に他の構造単位(E)を有していてもよい。上記他の構造単位(E)としては、例えば、上述した構造単位(B)又は(C)を導入し得る単量体以外の酸基含有単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び、他の共重合可能な単量体等由来の構造単位が挙げられる。
上記構造単位(B)又は(C)を導入し得る単量体以外の酸基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸類;ライトエステルP−1M(共栄社化学製)等のリン酸基含有不飽和化合物;等が挙げられる。これらのなかでも、汎用性、入手性等の観点から、上記不飽和モノカルボン酸類が好ましく、(メタ)アクリル酸(すなわち、アクリル酸及び/又はメタクリル酸)がより好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカ−2−イルメタアクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
また、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−1,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−2,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−3,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、ビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−メチル−4−イソプロピル−5,6−ジメチロールジ(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレートや、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、エチルグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等の脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。
上記他の共重合可能な単量体としては、例えば、下記の化合物等の1種又は2種以上が挙げられる。
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム等の重合体分子鎖の片末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ナフチルマレイミド等のN置換マレイミド類;ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等のジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート類;α−アリルオキシメチルアクリル酸、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル等のアルキル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエチル等のアルコキシアルキル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート、等のα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート類;等が挙げられる。
上記アルカリ可溶性樹脂は、上記構造単位(E)を1種のみ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。
上記アルカリ可溶性樹脂において、上記構造単位(E)の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂の用途等に応じて、適宜設定することができるが、上記アルカリ可溶性樹脂の全構造単位100質量%に対して、1〜50質量%であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましく、45質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが更に好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂の理論ポリマー酸価は、40〜300mgKOH/gであることが好ましく、50〜250mgKOH/gであることがより好ましく、60〜200mgKOH/gであることが更に好ましい。
本明細書において、上記「理論ポリマー酸価」は、上記構造単位(B)の不飽和ジカルボン酸無水物単量体由来の2価のカルボン酸を含まない、計算上の酸価を意味する。すなわち、上記構造単位(C)(上記構造単位(E)を含む場合は、上記構造単位(C)及び(E))に由来する酸基の合計の理論酸価であり、ポリマーあたりの酸価である。具体的には、下記の式に基づき算出することができる。
理論ポリマー酸価(mgKOH/g)=[構造単位(C)及び(E)由来の酸基のモル数(mmol)]×56.11/[モノマー仕込み量(g)]
ここで、上記「モノマー仕込み量」とは、単量体成分総量である。
また、上記理論ポリマー酸価とは別に、KOH溶液を用いた中和滴定法により測定して得られる値を「溶液酸価」という。上記溶液酸価と上記理論ポリマー酸価との違いは、溶液酸価では、酸無水物単量体由来の構造単位(B)の開環による二価のカルボン酸の酸価が含まれる点である。上記溶液酸価は、具体的には、実施例に記載の方法で測定して求めることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂の溶液酸価は、20〜250mgKOH/gであることが好ましく、30〜200mgKOH/gであることがより好ましく、40〜150mgKOH/gであることが更に好ましい。
また、上記溶液酸価は、KOH溶液を用いた中和滴定法によって算出される実測酸価であるが、下記の式により概算することができる。
溶液酸価(mgKOH/g)≒[構造単位(B)由来の二価の酸基および構造単位(C)・(E)由来の酸基の合計モル数(mmol)]×56.11/[総仕込み量(g)]
ここで、上記「総仕込み量」とは、単量体成分と、開始剤、溶媒等を含めた重合溶液の量である。
上記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、2000〜100000が好ましく、3000〜70000がより好ましく、4000〜40000が更に好ましい。
上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC)により測定して求められる値であり、具体的には、実施例に記載の方法で測定して求めることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に二重結合を有していてもよい。アルカリ可溶性樹脂が側鎖に二重結合を有することにより、現像性、硬化性を向上させることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂は、二重結合当量が350〜4500g/当量であることが好ましく、400〜4000g/当量であることがより好ましく、450〜3500g/当量であることが更に好ましい。
本明細書において、二重結合当量は、分子中に含まれる二重結合量の尺度となるものであり、重合体の二重結合1個あたりの分子量を意味する。同じ分子量の化合物であれば、二重結合当量の数値が大きいほど二重結合の導入量が少なくなる。
二重結合当量は、原料の仕込み量から計算することができ、重合体固形分の質量(g)を、重合体の二重結合量(mol)で除することにより求めることができる。また、滴定及び元素分析、NMR、IR等の各種分析や示差走査熱量計法を用いて測定することもできる。
<アルカリ可溶性樹脂の製造方法>
本発明のアルカリ可溶性樹脂を製造する方法としては、少なくとも上述した構造単位(A)、(B)及び(C)を有する重合体を得ることができる方法であれば、特に限定されず、例えば、上述した構造単位(A)、(B)及び(C)を導入し得る単量体、ならびに他の任意の構造単位を導入し得る単量体を含む単量体成分を、公知の方法で重合する方法が挙げられる。単量体の量は、重合体における各構造単位の含有量が所望の範囲となるよう適宜調整することができる。
上記単量体成分を重合する方法は特に限定されず、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の通常用いられる手法を用いることができる。なかでも、工業的に有利で、分子量等の構造調整が容易な点で、溶液重合が好ましい。また、上記単量体成分の重合機構は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に基づいた重合方法を用いることができるが、工業的に有利な点で、ラジカル重合機構に基づく重合方法が好ましい。
また上記単量体成分を重合して得られる重合体の分子量は、重合開始剤の量や種類、重合温度、連鎖移動剤の種類や量の調整等により制御することができる。
上記重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、過酸化水素、過硫酸塩等の通常重合開始剤として使用される過酸化物やアゾ化合物等が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記重合開始剤の添加量は、公知の方法から適宜設定することができる。
上記連鎖移動剤としては、特開2015−157909号公報に記載の溶媒と同様のものが挙げられ、それらのなかでも、好ましくはメルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類、アルキルメルカプタン類、メルカプトアルコール類、芳香族メルカプタン類、メルカプトイソシアヌレート類等のメルカプト基を有する化合物が挙げられ、より好ましくは、アルキルメルカプタン類、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類、更に好ましくは、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記連鎖移動剤の添加量は、公知の方法から適宜設定することができる。
上記重合の条件に関し、重合温度としては、使用する単量体の種類や量、重合開始剤の種類や量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、50〜130℃が好ましく、60〜120℃がより好ましい。また、重合時間も同様に適宜設定することができ、例えば、1〜5時間が好ましく、2〜4時間がより好ましい。
側鎖に二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂を製造する方法としては、例えば、(1)上述した単量体成分を重合してなる重合体(ベースポリマー1)に、エポキシ基含有単量体を付加させる方法や、(2)上述した酸基含有単量体以外の単量体成分とエポキシ基含有単量体を重合してなる重合体(ベースポリマー2)に、酸基含有単量体を反応させる方法等が挙げられる。なかでも、酸基導入に対する製造効率の観点から、ベースポリマー1にエポキシ基含有単量体を付加させる方法(1)が好ましい。
上記方法(1)では、ベースポリマー1が含む酸基の一部にエポキシ基含有単量体を付加反応させる。この反応方法は特に制限されず、公知の手法を適宜採用すればよいが、例えば、反応温度を60〜140℃とすることが好ましい。また、トリエチルアミンやジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;塩化テトラエチルアンモニウム等のアンモニウム塩;臭化テトラフェニルホスホニウム等のホスホニウム塩、ジメチルホルムアミド等のアミド化合物;等の公知の触媒を使用することが好ましい。
上記エポキシ基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ、なかでも、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
上記付加反応におけるエポキシ基含有単量体の使用量は、酸価、二重結合当量が所望の範囲となるように適宜設定することが好ましいが、例えば、ベースポリマー1を与える単量体成分の総量100質量部に対し、1〜60質量部とすることが好ましく、より好ましくは2〜55質量部、更に好ましくは3〜50質量部である。
上記アルカリ可溶性樹脂の製造方法は、上記重合反応工程以外の他の工程を含んでいてもよい。例えば、熟成工程、中和工程、重合開始剤や連鎖移動剤の失活工程、希釈工程、乾燥工程、濃縮工程、精製工程等が挙げられる。これらの工程は、公知の方法により行うことができる。
2.硬化性樹脂組成物
上述したアルカリ可溶性樹脂と重合性化合物を含むことにより、硬化性樹脂組成物とすることができる。上記硬化性樹脂組成物は、上述のアルカリ可溶性樹脂を含むので、200℃以下の比較的低温で後硬化工程を行った場合であっても、耐溶剤性、及び基材との密着性に優れた硬化物を与えることができる。また、重合性化合物を更に含むことにより、樹脂組成物の硬化性が向上したり、機械的強度、耐熱性等の各種物性がより優れた硬化物を与えることができる。このような、上記アルカリ可溶性樹脂、及び、重合性化合物を含む硬化性樹脂組成物もまた、本発明の一つである。
本発明の硬化性樹脂組成物において、上記アルカリ可溶性樹脂の含有量は、特に限定されず、用途や他成分の配合等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、5〜60質量%であることが好ましく、10〜55質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることが更に好ましい。
なお、「固形分総量」とは、硬化物を形成する成分(硬化物の形成時に揮発する溶媒等を除く)の総量を意味する。
<重合性化合物>
上記重合性化合物は、フリーラジカル、電磁波(例えば赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー線の照射等により重合し得る、重合性不飽和結合(重合性不飽和基とも称す)を有する低分子化合物である。例えば、重合性不飽和基を分子中に1つ有する単官能の化合物と、2個以上有する多官能の化合物が挙げられる。
上記単官能の化合物としては、例えば、N置換マレイミド系単量体;(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド類;不飽和モノカルボン酸類;不飽和多価カルボン酸類;不飽和基とカルボキシル基の間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;不飽和酸無水物類;芳香族ビニル類;共役ジエン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;N−ビニル化合物類;不飽和イソシアネート類;等が挙げられる。これらとしては、例えば、上記アルカリ可溶性樹脂の単量体成分として挙げた化合物と同様のものが挙げられる。また、活性メチレン基や活性メチン基を有する単量体等を用いることもできる。
上記多官能の化合物としては、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートコハク酸変性物、ペンタエリスリトールトリアクリレートコハク酸変性物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートフタル酸変性物、ペンタエリスリトールトリアクリレートフタル酸変性物、下記式:
Figure 2021014542
で表されるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの変性物等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;
(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル等の多官能アリルエーテル類;
(メタ)アクリル酸アリル等のアリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の多官能(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート類;トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル基含有イソシアヌレート類;トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類との反応で得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル類;等。
上記重合性化合物のなかでも、硬化性樹脂組成物の硬化性をより高める観点から、多官能の重合性化合物を用いることが好ましい。上記多官能の重合性化合物の官能数としては、3以上が好ましく、4以上がより好ましい。また、上記官能数は10以下が好ましく、8以下がより好ましい。
また上記重合性化合物の分子量としては特に限定されないが、取り扱いの観点から、例えば、4000未満が好ましく、2000未満がより好ましい。
上記多官能の重合性化合物としては、なかでも、反応性、経済性、入手性等の観点から、好ましくは多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート化合物等の、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が挙げられ、より好ましくは多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むことにより、樹脂組成物が感光性及び硬化性により優れたものとなり、より一層高硬度で高透明性の硬化物を得ることができる。上記多官能の重合性化合物としては、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を用いることが更に好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物において、上記重合性化合物の含有量は、本発明の効果が発揮される範囲であれば特に限定されず適宜設定すればよいが、硬化性樹脂組成物を適切な粘度にできる点から、本発明の硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対して、好ましくは5〜60質量%であり、より好ましくは10〜50質量%である。
<光重合開始剤>
上記硬化性樹脂組成物は、更に、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤を含むことにより、硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させ、得られる硬化物の性能を向上させることができる。
上記光重合開始剤としては、好ましくはラジカル重合性の光重合開始剤が挙げられる。ラジカル重合性の光重合開始剤とは、電磁波や電子線等の活性エネルギー線の照射により重合開始ラジカルを発生させるものである。
上記光重合開始剤の具体例としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(「IRGACURE907」、BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(「IRGACURE369」、BASF社製)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(「IRGACURE379」、BASF社製)等のアミノケトン系化合物;2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(「IRGACURE651」、BASF社製)、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(「DAROCUR MBF」、BASF社製)等のベンジルケタール系化合物;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(「IRGACURE184」、BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(「DAROCUR1173」、BASF社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(「IRGACURE2959」、BASF社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(「IRGACURE127」、BASF社製)、[1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン+ベンゾフェノン](「IRGACURE500」、BASF社製)等のハイドロケトン系化合物;等の他、特開2013−227485号公報段落[0084]〜[0086]に例示された、アルキルフェノン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](「OXE01」、BASF社製)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム) (「OXE02」、BASF社製)、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−,(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン(「OXE03」、BASF社製)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(「OXE04」、BASF社製))等のオキシムエステル系化合物;ベンゾフェノン系化合物;ベンゾイン系化合物;チオキサントン系化合物;ハロメチル化トリアジン系化合物;ハロメチル化オキサジアゾール系化合物;ビイミダゾール系化合物;チタノセン系化合物;安息香酸エステル系化合物;アクリジン系化合物等;ホスフィンオキシド系化合物;等が挙げられる。なかでも、アミノケトン系化合物が好ましい。
これらの光重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記光重合開始剤の含有量は、本発明の効果が発揮される範囲であれば、特に限定されず、適宜設定すればよいが、例えば、本発明の硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、好ましくは2〜35質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
また、必要に応じて、光増感剤や光ラジカル重合促進剤等を1種又は2種以上併用してもよい。光重合開始剤とともに、光増感剤及び/又は光ラジカル重合促進剤を併用することにより、感度や硬化性がより向上される。光増感剤、光ラジカル重合促進剤としては、特に限定されず、硬化性樹脂組成物において一般的に使用されている公知のものから適宜選択するとよい。
<その他の成分>
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて更に他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、例えば、溶剤;色材(着色剤とも称す);分散剤;耐熱向上剤;レベリング剤;現像助剤;シリカ微粒子等の無機微粒子;シラン系、アルミニウム系、チタン系等のカップリング剤;フィラー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール等の熱硬化性樹脂;多官能チオール化合物等の硬化助剤;可塑剤;重合禁止剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;艶消し剤;消泡剤;帯電防止剤;スリップ剤;表面改質剤;揺変化剤;揺変助剤;キノンジアジド化合物;多価フェノール化合物;カチオン重合性化合物;酸発生剤;等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの他の成分は、公知のものを適宜選択して使用するとよく、その使用量も適宜設定することができる。
例えば、上記硬化性樹脂組成物をカラーフィルター用途に使用する場合には、上記硬化性樹脂組成物は色材を含むことが好ましい。
(溶剤)
上記溶剤としては、上記アルカリ可溶性樹脂を均一に溶解し、かつ反応しない溶媒であれば、特に制限されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶剤の含有量は、硬化性樹脂組成物を使用する際の最適粘度等に応じて適宜設定すればよい。
(色材)
上記色材としては、例えば、顔料又は染料等が挙げられる。上記色材として、顔料又は染料の一方を使用してもよいし、顔料と染料を組み合わせて使用してもよい。例えば、カラーフィルターの赤色、青色、緑色画素を形成する場合、青と紫、緑と黄等、色材を適宜組み合わせて求める色特性が発揮されるような公知の手法を用いるとよい。また、ブラックマトリックスを形成する場合、黒の色材を用いるとよい。
色材のなかでも、耐久性の点では、顔料が好ましく、パネル等の輝度向上の点では染料が好ましい。これらは求められる特性に応じて適宜選択することができる。本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化物における耐溶剤性又は耐熱着色性がより一層向上し得る点で顔料が好ましい。顔料としては、特開2015−157909号公報に記載のものと同様のものを用いることができる。
上記染料としては、例えば、特開2010−9033号公報、特開2010−211198号公報、特開2009−51896号公報、特開2008−50599号公報に記載されている有機染料を使用することができる。なかでも、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が好ましい。
これらの色材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記色材の含有量としては、特に限定されず、目的、用途に応じて、適宜設定することができるが、好ましくは、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対して5〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%が挙げられる。
(分散剤)
本発明の硬化性樹脂組成物が上記色材を含む場合、更に分散剤を含むことが好ましい。分散剤を含むことにより、色材の分散媒への分散を安定化することができる。上記分散剤としては、特に限定されず、公知のものが挙げられ、例えば樹脂型分散剤、界面活性剤、色素誘導体等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記樹脂型分散剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水素基含有ポリカルボン酸エステル、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。上記樹脂型分散剤の市販品としては、特開2015−157909号公報に記載のものと同様のものが挙げられる。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤;等が挙げられる。
上記色素誘導体とは、官能基を色素に導入した構造の化合物であり、官能基としては、例えば、スルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、ジアルキルアミノ基、水酸基、カルボキシル基、アミド基、フタルイミド基等が挙げられる。母体となる色素の構造としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系等が挙げられる。
上記分散剤の含有量は、目的や用途に応じて適宜設定すればよいが、分散安定性、耐久性(耐熱性、耐光性、耐候性等)及び透明性のバランスの観点から、例えば、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、0.01〜60質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜50質量%、更に好ましくは0.3〜40質量%である。
(硬化性樹脂組成物の調製)
上記硬化性樹脂組成物を調製する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いればよく、例えば、上述した各含有成分を、各種の混合機や分散機を用いて混合分散する方法が挙げられる。混合・分散工程は特に限定されず、公知の方法により行えばよい。また、通常行われる他の工程を更に含んでいてもよい。なお、上記硬化性樹脂組成物が色材を含む場合は、色材の分散処理工程を経て調製することが好ましい。
上記色材の分散処理工程としては、例えば、まず、色材(好ましくは有機顔料)、分散剤及び溶剤を各所定量秤量し、分散機を用いて、色材を微粒子分散させて液状の色材分散液(ミルベースとも称す)を得る方法が挙げられる。上記分散機としては、ペイントコンディショナー、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ニーダー、ブレンダー等が挙げられる。上記分散処理工程としては、好ましくは、ロールミル、ニーダー、ブレンダー等で混練分散処理をしてから、0.01〜1mmのビーズを充填したビーズミル等のメディアミルで微分散処理をする手法が挙げられる。得られたミルベースに、別途攪拌混合しておいた、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、並びに、必要に応じて溶剤やレベリング剤等を含む組成物(好ましくは透明液)を加えて混合、均一な分散溶液とし、硬化性樹脂組成物を得ることができる。
なお、得られた硬化性樹脂組成物は、フィルター等によって、濾過処理をして微細なゴミを除去するのが好ましい。
3.積層体
本発明のアルカリ可溶性樹脂及び硬化性樹脂組成物は、上述したように、耐溶剤性、及び
基材との密着性に優れた硬化物を与えることができる。また、上記硬化物は、耐熱性や透明性等の基本性能にも優れる。基板(基材)上に、上記アルカリ可溶性樹脂の硬化物、又は、上記硬化性樹脂組成物の硬化物を有する積層体もまた、本発明の一つである。
上記硬化物が硬化膜である場合、その膜厚としては、好ましくは0.1〜20μmが挙げられる。膜厚が上述の範囲であると、耐溶剤性に加えて、画像形成性や表面平滑性にも優れたものとなり得る。上記膜厚は、0.5〜15μmがより好ましく、1〜10μmが更に好ましい。
本発明のアルカリ可溶性樹脂又は硬化性樹脂組成物を用いて硬化物を得る方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いればよく、例えば、上述した硬化性樹脂組成物を基材上に塗布し、塗布したものを乾燥、加熱、又は紫外線等のエネルギー線を照射することにより硬化させて硬化物を得る方法が挙げられる。
上記基材としては、特に限定されず、目的や用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、ガラス板、プラスチック板等、種々の材料からなる基材が挙げられる。
本発明の積層体を得る方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いればよいが、本発明のアルカリ可溶性樹脂又は硬化性樹脂組成物を用いると、低温硬化条件でも耐溶剤性、及び基材との密着性に優れた硬化物を与えることができるので、例えば、下記の方法が好ましく挙げられる。
すなわち、基材上に、上述した硬化性樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する工程、形成された塗布膜に光照射する工程、及び、光照射された塗布膜を200℃以下で加熱して硬化膜を形成する工程を含む、積層体の製造方法である。当該方法により得られる積層体は、耐溶剤性、及び、基材への密着性が優れたものである。
上記硬化性樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する方法としては、特に限定されず、スピン塗布、スリット塗布、ロール塗布、流延塗布等の公知の方法で行うことができる。
上記積層体の製造方法においては、上記硬化性樹脂組成物を基材上に塗布した後、塗布物を乾燥させて塗布膜を形成することが好ましい。上記乾燥は、公知の方法で行うことができ、具体的には、後述する「カラーフィルターの製造方法」の「配置工程」に記載の乾燥方法と同様の方法で行うことができる。
上記塗布膜を形成した後、上記塗布膜に光照射する工程を有する。
上記光照射の方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができ、具体的には、後述する「4.カラーフィルターの製造方法」の「光照射工程」に記載の方法と同様の方法で行うことができる。
上記塗布膜に光照射する場合、フォトマスクを介して光照射を行ってもよい。フォトマスクとして、目的とするパターンに応じて遮光部が形成されたマスクを用いるとよい。フォトマスクを介して光照射を行った場合、その後に現像工程を行うことが好ましい。現像工程を行うことで、塗布膜に目的とするパターンを形成することができる。現像方法としては、特に限定されず、公知の方法で行うことができ、具体的には、後述する「4.カラーフィルターの製造方法」の「現像工程」に記載の方法と同様の方法で行うことができる。
上記光照射を行った後、光照射された塗布膜を200℃以下で加熱して硬化膜を形成する。上記積層体の製造方法では、上述した硬化性樹脂組成物を用いるので、光照射後の加熱工程(後硬化工程)を200℃以下といった比較的低温条件下で行うことができる。
加熱温度は、190℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましい。加熱温度の下限としては、硬化性が維持できる点で、85℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましい。
温度以外の上記加熱の方法については、特に限定されず、公知の方法で行うことができ、例えば、後述する「4.カラーフィルターの製造方法」の「加熱工程」に記載の方法と同様の方法で行うことができる。
本発明のアルカリ可溶性樹脂又は硬化性樹脂組成物の硬化物や、上記硬化物を有する積層体は、例えば、液晶・有機EL・量子ドット・マイクロLED液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等に用いられるカラーフィルター、ブラックマトリクス、フォトスペーサー、ブラックカラムスペーサー、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト、絶縁膜等の、各種の光学部材や電機・電子機器等の用途に好ましく使用される。なかでも、カラーフィルターに用いることが好ましい。
基板上に、上記アルカリ可溶性樹脂の硬化物、又は、上記硬化性樹脂組成物の硬化物を有するカラーフィルターも、本発明の一つである。以下、カラーフィルターについて、説明する。
4.カラーフィルター
本発明のカラーフィルターは、基板上に、上記硬化物を有する形態からなる。
上記カラーフィルターにおいて、例えば、上述の硬化性樹脂組成物により形成される硬化物は、例えば、ブラックマトリクスや、赤色、緑色、青色、黄色等の各画素のような着色が必要なセグメントとして特に好適であるが、フォトスペーサー、保護層、配向制御用リブ等の着色が必ずしも必要としないセグメントとしても好適である。
上記カラーフィルターに使用される基板としては、例えば、白板ガラス、青板ガラス、アルカリ強化ガラス、シリカコート青板ガラス等のガラス基板;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスルホン、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物等の熱可塑性樹脂からなるシート、フィルム又は基板;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂からなるシート、フィルム又は基板;アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属基板;セラミック基板;光電変換素子を有する半導体基板;表面に色材層を備えるガラス基板(例えばLCD用カラーフィルター)等の各種材料から構成される部材;等が挙げられる。なかでも、耐熱性の点から、ガラス基板や、耐熱性樹脂からなるシート、フィルム又は基板が好ましい。また、上記基板は透明基板であることが好適である。
また上記基板には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤等による薬品処理等を行ってもよい。
<カラーフィルターの製造方法>
上記カラーフィルターを得るには、例えば、画素一色につき(すなわち、一色の画素ごとに)、基板上に、上記硬化性樹脂組成物を配置する工程(配置工程とも称す)と、当該基板上に配置された上記硬化性樹脂組成物に光を照射する工程(光照射工程とも称す)と、現像液により現像処理する工程(現像工程とも称す)と、加熱処理する工程(加熱工程とも称す)とを含む手法を採用し、これと同じ手法を各色で繰り返す製造方法を採用することが好適である。なお、各色の画素の形成順序は、特に制限されるものではない。
(1)配置工程(好ましくは塗布工程)
上記配置工程は、塗布により行うことが好適である。基板上に上記硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、スピン塗布、スリット塗布、ロール塗布、流延塗布等が挙げられ、いずれの方法も好ましく用いることができる。
上記配置工程ではまた、上記硬化性樹脂組成物を基板上に塗布した後、塗膜を乾燥することが好適である。塗膜の乾燥は、例えば、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いて行うことができる。乾燥条件は、含まれる溶媒成分の沸点、硬化成分の種類、膜厚、乾燥機の性能等に応じて適宜選択されるが、通常、50〜160℃の温度で10秒〜300秒間行うことが好適である。
(2)光照射工程
上記光照射工程において、使用される活性光線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が使用される。また、露光機の方式としては、プロキシミティー方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式が挙げられるが、プロキシミティー方式が好ましく用いられる。
なお、活性エネルギー光線の照射工程では、用途によっては、所定のマスクパターンを介して活性エネルギー光線を照射することとしてもよい。この場合、露光部が硬化し、硬化部が現像液に対して不溶化又は難溶化されることになる。
(3)現像工程
上記現像工程は、上述した光照射工程の後、現像液によって現像処理し、未露光部を除去しパターンを形成する工程である。これにより、パターン化された硬化膜を得ることができる。現像処理は、通常、10〜50℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法で行うことができる。
上記現像工程で使用される現像液は、本発明の硬化性樹脂組成物を溶解するものであれば特に制限されないが、通常、有機溶媒やアルカリ性水溶液が用いられ、これらの混合物を用いてもよい。なお、現像液としてアルカリ性水溶液を用いる場合には、現像後、水で洗浄することが好ましい。
有機溶媒やアルカリ性水溶液としては、例えば特開2015−157909号公報に記載のものと同様のものが挙げられる。
(4)加熱工程
上記加熱工程は、上述した現像工程の後、焼成によって露光部(硬化部)を更に硬化させる工程(後硬化工程とも称す)である。例えば、高圧水銀灯等の光源を使用して、例えば0.5〜5J/cmの光量で後露光する工程や、例えば60〜200℃の温度で10秒〜120分間にわたって後加熱する工程等が挙げられる。このような後硬化工程を行うことにより、パターン化された硬化膜の硬度、及び密着性を更に強固なものとすることが可能になる。
上記加熱工程は、一般的には、200〜260℃程度の温度で行われるが、本発明の硬化性樹脂組成物を使用すれば、200℃以下の比較的低温な条件下で十分な硬化を行うことができる。そのため、基板や硬化物が保持する特性を損なうことなく、耐溶剤性、及び密着性に優れたものを得ることができる。
上記加熱工程において、加熱温度は、200℃以下が好ましい。また、加熱温度は、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましく、150℃以上が更に好ましい。
上記加熱工程における加熱時間は特に限定されないが、例えば、5〜60分間とすることが好適である。また、加熱方法も特に限定されないが、例えば、ホットプレート、コンベクションオーブン、高周波加熱機等の加熱機器を用いて行うことができる。
上記加熱工程によって得られる硬化膜(すなわち、上記硬化性樹脂組成物を熱硬化して得られる硬化塗膜)の膜厚は、0.1〜20μmであることが好適である。上記膜厚は、より好ましくは0.5〜15μm、更に好ましくは1〜10μmである。
5.表示装置
本発明はまた、上述したカラーフィルターを備えることを特徴とする表示装置でもある。
なお、上記アルカリ可溶性樹脂又は上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化物を有する表示装置用部材及び表示装置もまた、本発明の好適な実施形態に含まれる。上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化物(硬化膜)は、安定して、基材(基板)との密着性に優れ、かつ高硬度であるうえ、高平滑性を示し、高い透過率を有するものであるから、透明部材として特に好適であり、また、各種表示装置における保護膜や絶縁膜としても有用である。
上記表示装置としては、例えば、液晶表示装置、固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等が好適である。
なお、上記硬化物(硬化膜)を表示装置用部材として用いる場合、当該部材は、上記硬化膜から構成されるフィルム状の単層又は多層の部材であってもよいし、上記単層又は多層の部材に更に他の層が組み合わされた部材であってもよいし、また、上記硬化膜を構成中に含む部材であってもよい。
以上のとおり、本発明のアルカリ可溶性樹脂及び硬化性樹脂組成物は、後硬化工程を200℃以下の比較的低温条件で行う場合であっても、耐溶剤性、及び基材との密着性に優れた硬化物を与えることができる。
本発明のアルカリ可溶性樹脂及び硬化性樹脂組成物は、液晶・有機EL・量子ドット・マイクロLED液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等に用いられる各種の光学部材や構成部材として、電機・電子機器等の各種用途に好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
本実施例において、各種物性等の測定は下記の方法で行った。
(1)重量平均分子量(Mw)
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液として、HLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム:TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
(2)固形分
樹脂溶液をアルミカップに約1gはかり取り、アセトン約3gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、熱風乾燥機(商品名:PHH−101、エスペック社製)を用い、真空下140℃で1.5時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定した。その質量減少量から、樹脂溶液の固形分(質量%)を計算した。
(3)溶液酸価
樹脂溶液を3g精秤し、アセトン90gと水10gの混合溶媒に溶解させ、0.1NのKOH水溶液を滴定液として用いて滴定した。滴定は、自動滴定装置(商品名:COM−555、平沼産業社製)を用いて行い、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分1g当たりの酸価(mgKOH/g)を求めた。
(4)理論ポリマー酸価
理論ポリマー酸価を下記の式により求めた。
理論ポリマー酸価(mgKOH/g)=[構造単位(C)及び(E)由来の酸基のモル数(mmol)]×56.11/[モノマー仕込み量(g)]
(5)耐溶剤性
(色材組成物の調製)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを12.9部、分散剤としてディスパロンDA−7301を0.4部、色材としてC.I.ピグメントグリーン58を2.25部、及び、C.I.ピグメントイエロー138を1.5部混合し、ペイントシェーカーにて3時間分散することで色材組成物(固形分22質量%)を得た。
(硬化性樹脂組成物の調製)
いずれも固形分換算で、樹脂溶液を30部、ラジカル重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを30部、ラジカル重合性光重合開始剤としてイルガキュア907(BASFジャパン社製)を10部、上記で得られた色材組成物を30部、更に希釈溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を硬化性樹脂組成物の固形分濃度が20質量%となるように加え、攪拌することで硬化性樹脂組成物を得た。
(耐溶剤性の評価)
硬化性樹脂組成物を5cm角のガラス基板上にスピンコートし、100℃で5分間乾燥後、高圧水銀灯を用いて100mJで露光を行い、150℃で40分間熱処理を行い、膜厚5μmの硬化膜を得た。そして、その硬化膜を1−メチル−2−ピロリドン(NMP)20gに40℃で10分間浸漬した後取り出し、硬化膜を取り出した後の浸漬液(NMP)について、分光光度計UV3100(島津製作所社製)で吸光度を測定した。吸光度の値が大きい程、浸漬液中に色材が多く溶出したことを示し、硬化性樹脂組成物の耐溶剤性が低いと評価した。
(6)密着性
上記の耐溶剤性評価において、NMPに浸漬して取り出した後の硬化膜の剥がれの様子を目視により観察し、下記評価基準にて評価した。
(評価基準)
〇:硬化膜が全て残っている。
△:硬化膜の一部が剥がれている。
×:硬化膜が全て剥がれている。
(合成例1)
樹脂溶液1の調製
温度計、攪拌機、ガス導入管、冷却管及び滴下槽導入口を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70部を仕込み、窒素置換した後、加熱して90℃まで昇温した。他方、滴下槽(A)として、無水マレイン酸(MA)10部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)80部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製「パーブチルO」)2部を攪拌混合したものを準備し、滴下槽(B)に、ビニルトルエン(VT)12部、OXE−10(製品名、大阪有機化学工業株式会社製、アクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル32部、コハク酸1−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](HOMS)46部、及びn−ドデシルメルカプタン2.5部を攪拌混合したものを準備した。反応槽の温度が90℃になった後、同温度を保持しながら、滴下槽から3時間かけて滴下を開始し、重合を行った。滴下終了後30分間90℃を保った後、115℃まで昇温し、90分間熟成を行った。その後、室温まで冷却し、樹脂溶液1を得た。各種物性を表1に示す。
(合成例2)
樹脂溶液2の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量について、無水マレイン酸を15部、ビニルトルエンを20部、OXE−10を23.5部、及び、HOMSを41.5部とした以外は合成例1と同様の方法で、樹脂溶液2を得た。各種物性を表1に示す。
(合成例3)
樹脂溶液3の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量について、無水マレイン酸を10部、ビニルトルエンを12部、OXE−30(製品名、大阪有機化学工業株式会社製、メタクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル)を34部、及び、HOMSを44部とした以外は合成例1と同様の方法で、樹脂溶液3を得た。各種物性を表1に示す。
(合成例4)
樹脂溶液4の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量について、無水マレイン酸を10部、ビニルトルエンを12部、OXE−10を44部、アクリル酸(AA)を10部、及び、HOMSを24部とした以外は合成例1と同様の方法で、樹脂溶液4を得た。各種物性を表1に示す。
(合成例5)
樹脂溶液5の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量について、無水マレイン酸を10部、ビニルトルエンを12部、OXE−10を42部、メタクリル酸(MAA)を12部、及び、HOMSを24部とした以外は合成例1と同様の方法で、樹脂溶液5を得た。各種物性を表1に示す。
(合成例6)
樹脂溶液6の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、無水マレイン酸を5部、ビニルトルエンを6部、OXE−10を69部、HOMSを20部とした以外は合成例1と同様の方法で、樹脂溶液6を得た。各種物性を表1に示す。
(合成例7)
樹脂溶液7の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量について、無水マレイン酸を10部、ビニルトルエンを12部、メタクリル酸メチル(MMA)を32部、及び、HOMSを46部とした以外は合成例1と同様の方法で、樹脂溶液7を得た。各種物性を表1に示す。
(合成例8)
樹脂溶液8の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量について、フェニルマレイミド(PMI)を15部、メタクリル酸メチルを50.5部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)を20部、及び、アクリル酸を14.5部とした以外は合成例1と同様の方法で、樹脂溶液8を得た。各種物性を表1に示す。
(合成例9)
樹脂溶液9の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量について、フェニルマレイミドを15部、ビニルトルエンを58部、及び、アクリル酸を27部とした以外は合成例1と同様の方法で、重合体溶液を得た。これを一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(GMA)10部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール0.15部、TEA0.3部を仕込み、そのまま115℃で7時間反応させた。その後、室温まで冷却し、樹脂溶液9を得た。各種物性を表1に示す。
(合成例10)
樹脂溶液10の調製
滴下槽(A)における単量体の仕込み量を、無水マレイン酸を10部、ビニルトルエンを12部、メタクリル酸グリシジルを32部、及び、HOMSを46部とした以外は合成例1と同様の方法で、樹脂溶液10を調製したが、樹脂がゲル化してしまい、樹脂溶液は得られなかった。
実施例1〜6、比較例1〜3
得られた樹脂溶液1〜9を用いて、上述した評価方法にて、基材との密着性、及び、耐溶剤性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2021014542
Figure 2021014542
なお、表1中の記載は、下記のとおりである。
MA:無水マレイン酸
PMI:フェニルマレイミド
VT:ビニルトルエン
OXE−10:アクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル、大阪有機化学工業株式会社製
OXE−30:メタクリル酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル、大阪有機化学工業株式会社製
GMA:メタクリル酸グリシジル
MMA:メタクリル酸メチル
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
HOMS:コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)
また、OXE−10、OXE−30、及びHOMSの構造式を下記に示す。
Figure 2021014542
表1〜2より、構造単位として、オキセタニル基含有単量体単位、酸無水物単量体単位、及び、水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体単位を有する重合体を含む硬化性樹脂組成物(実施例1〜6)は、これらの単量体単位を有していない重合体を含む硬化性樹脂組成物(比較例1〜3)と比較して、200℃以下の低温で後硬化させた場合でも、ガラス基板に対する密着性が高く、かつ耐溶剤性も高い水準を保つことが確認された。また、実施例1〜5と実施例6を比較すると、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位と水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体単位の合計量が、重合体の全構造単位100質量%に対して30質量%以上であると、密着性及び耐溶剤性がより一層優れることも確認された。このように、実施例6のような、各構成単位の一部だけを多く仕込んだ樹脂では所望する物性を最大限発揮させることができないため、構成単位の含有比も適切に調整する必要がある。
このように本発明の硬化性樹脂組成物は、低温硬化条件下でも、耐溶剤性及び基材との密着性に優れた硬化物を与えることができ、カラーフィルター等の用途に好適に使用することができるアルカリ可溶性樹脂、及び、硬化性樹脂組成物としての性能を持ち合わせているものである。

Claims (10)

  1. オキセタニル基含有単量体由来の構造単位(A)、酸無水物単量体由来の構造単位(B)、及び、水酸基含有単量体の酸基含有化合物付加体由来の構造単位(C)を有することを特徴とするアルカリ可溶性樹脂。
  2. 前記構造単位(B)は、不飽和ジカルボン酸無水物単量体由来の構造単位であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性樹脂。
  3. 前記構造単位(C)は、下記一般式(3)で表される構造単位であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ可溶性樹脂。
    Figure 2021014542
    (式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びR10は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の二価の鎖状若しくは環状の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基を表す。)
  4. 更に、芳香族ビニル系単量体由来の構造単位(D)を有する請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂。
  5. 前記構造単位(B)と構造単位(C)の合計含有割合が、アルカリ可溶性樹脂の全構造単位100質量%に対して、30質量%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂。
  6. 前記アルカリ可溶性樹脂は、理論ポリマー酸価が40〜300mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂、及び、重合性化合物を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  8. 基材上に、請求項1〜6のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂の硬化物、又は、請求項7に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする積層体。
  9. 基板上に、請求項1〜6のいずれかに記載のアルカリ可溶性樹脂の硬化物、又は、請求項7に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とするカラーフィルター。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルターを備えることを特徴とする表示装置。
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