以下、添付図面を参照して、本願の開示する作業車両の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
まず、図1を参照して実施形態に係る作業車両(苗移植機)1の概要について説明する。図1は、作業車両(苗移植機)1の概略左側面図である。なお、以下では、作業車両1として、圃場内を走行しながら圃場面に苗を植え付ける苗移植機を例に説明する。
また、以下の説明において、前後方向とは、作業車両(以下、苗移植機という)1の直進時における進行方向であり、進行方向前方側を「前」、後方側を「後」と規定している。なお、苗移植機1の進行方向とは、直進時において、操縦席13から操舵部材(以下、ハンドルという)10に向かう方向である。
また、左右方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向である。以下では、「前」側へ向けて左右を規定している。すなわち、作業者(操縦者ともいう)Mが操縦席13に着席して前方を向いた状態で、左手側が「左」、右手側が「右」である。また、上下方向とは、鉛直方向である。前後方向、左右方向および上下方向は、互いに3次元で直交している。
なお、これらの方向は、説明をわかりやすくするために便宜上定義したものであり、これらの方向によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、苗移植機1を指して「機体」という場合がある。
図1に示すように、苗移植機1は、乗用型であり、走行車体2の後側に、左右方向に並んだ複数の苗タンク31から苗を取って各苗タンク31に対応する複数の植付装置32で圃場面に苗を植え付ける苗植付部30などの作業機3を備える。作業機3としては、この他、種子を供給する播種装置、あるいは圃場面を耕耘するロータリなどがある。作業機3は、走行車体2に、昇降装置4を介して昇降可能に取り付けられる。
走行車体2は、走行車輪(左右の前輪5および後輪6)を備える。また、走行車体2は、エンジンEと、エンジンEの駆動力を走行車輪や作業機3に伝達するミッションケース7と、エンジンEの駆動力をミッションケース7に出力する無段変速装置(「HST(Hydro Static Transmission)」ともいう)8とを備える。
昇降装置(以下、「昇降リンク」という)4は、左右のリンクフレーム40の下部における左右間に設けられた左右のロワリンクアーム41と、左右のロワリンクアーム41の左右間に設けられた昇降シリンダ42と、アッパリンクアーム43とを備える。左右のロワリンクアーム41、昇降シリンダ42およびアッパリンクアーム43の前後方向の両端部のうち走行車体2とは反対側となる端部は、作業機3の前側に接続されている。
また、走行車体2のメインフレーム2aは、たとえば、前側フレームから後側フレームまでの前後幅、および左右の前側連結フレームおよび後側連結フレームの左右幅を、作業者Mが搭乗するフロアステップ9で覆う。フロアステップ9は、たとえば、一体形成して強度を向上させたり部品点数を減らしたものや、前側と後側、左側と右側でそれぞれ分割可能に構成して着脱を容易にしたものを用いてもよい。
また、走行車体2は、機体を操向操作する操舵部材であるハンドル10と、たとえばハンドル10付近に設けられ、無段変速装置8や作業機3を操作する変速レバー16(図2参照)と、たとえばハンドル10付近に設けられ、走行車体2の走行伝動を切り替える副変速装置を操作する副変速レバー17(図2参照)と、機体の各部の操作に用いる操作パネルが設けられたボンネット11とを備える。
ボンネット11の前側には、開閉可能なフロントカバー11aが設けられる。フロントカバー11aの内部には、燃料タンクやバッテリ、ハンドル10の操作に伴い左右の前輪5および左右の前輪伝動ケースの下部を回動させる連動装置などが設けられる。
また、ボンネット11の後側には、エンジンEが設けられる。エンジンEは、エンジンカバー12で覆われ、エンジンカバー12の上側には、作業者Mが着座する操縦席13が設けられる。また、フロントカバー11aの前側には、たとえば、作業機3の作業状態や作業時に消費される作業資材の残量、後述する自動操舵装置(自動直進装置)220の作動および非作動などの各種情報をLEDなどの点灯などで表示するセンターマスコット14が設けられる。
また、操縦席13の後側には、施肥装置15が設けられる。施肥装置15には、左右の後輪伝動ケースの左右一側から施肥伝動機構を介して動力が伝達される。
また、ミッションケース7の前側には、左右の前輪伝動ケースに動力を伝達する前側伝動シャフトが設けられ、ミッションケース7の後側には、左右の後輪伝動ケースに動力を伝達する左右のドライブシャフトが設けられる。また、左右のドライブシャフトよりも伝動方向上手側には、左右のドライブシャフトに伝達される動力を入切するサイドクラッチ機構が設けられ、ハンドル10を操作して走行車体2を旋回させると、旋回内側に位置するサイドクラッチ機構が切状態になり、旋回内側の後輪6への動力伝達を停止させる。
なお、ミッションケース7の後側には、左右のクラッチ入切軸が上下方向に設けられ、左右のクラッチ入切軸の上側に機体外側に向かうクラッチ入切アームがそれぞれ設けられ、操縦席13の前側、かつ、左右一側には、左右のサイドクラッチ機構を入切操作するサイドクラッチペダルが設けられる。
また、図1に示すように、作業機3の下側には、圃場面に接地して滑走する、左右方向中央のセンターフロート33aと、左右のサイドフロート33bとが設けられる。また、センターフロート33aおよびサイドフロート33bよりも前側には、圃場面を整地する整地装置である整地ロータ34が設けられる。なお、整地ロータ34に向けた動力は、左右一側の後輪伝動ケースに設けられた整地伝動シャフトにより伝達される。また、左右一側の後輪伝動ケースには、整地ロータ34に向けた動力伝達を入切する整地クラッチが設けられる。
センターフロート33aには、センターフロート33aの回動角度を検知する回動ポテンショメータ236(図2参照)が設けられる。回動ポテンショメータ236の回動角度が所定角度以上変化すると、後述する制御装置100において圃場の深さが変化したと判断し、制御装置100が昇降シリンダ42を伸縮させて昇降リンク4を上下動させ、作業機3の上下高さ、すなわち、作業位置の高さを圃場の深さに対応させる。
なお、圃場内で上記作業機3を用いた苗の植え付けや、種子の播種作業、あるいは苗の生育後の追肥や除草などの作業を行う場合は、圃場の一側から他側に向かって走行車体2を直進させることが一般的である。ところが、走行車体2は、圃場の耕盤の凹凸や表土の粘性により走行車輪の向きが直進方向からずれると、次第にずれた方向に移動してしまうことがある。また、作業者Mの操縦技術によっては、走行車体2を直進方向にあわせることができず、直進からずれて移動させてしまうことがある。
このため、苗の植え付けや播種、除草や追肥などの作業軌跡が斜めになり、本来苗の植え付けや播種が可能な個所が空きスペースとなり、後から作業者Mなどが手作業で植え付けや播種を行う必要が生じてしまう。これにより、作業者Mに余分な労力がかかることや、苗の植え付け条間や播種条間が作業機3の条間よりも狭くなり、風通しが悪くなって病虫害が発生することがある。あるいは、除草作業や追肥作業などの植え付けや播種の後工程の作業を行う場合、苗を踏み潰してしまい、収量の低下を招くことや、苗を踏み潰さないように機体を操縦することにより作業効率を低下させるなどの問題が生じることがある。
このような問題を解決するために、作業者Mの手動操作によらず、走行車体2を自動操作して直進走行姿勢を維持する、いわゆる自動直進システムを搭載しているものがある。
図1に示すように、走行車体2に、位置情報取得装置であるGPSアンテナ200が装着されたアンテナフレーム201が設けられる。アンテナフレーム201は、走行車体2のメインフレーム2aの前側に設けられた左右のアンテナステー202に左右の基部が取り付けられ、正面視で門型の前側フレーム201aと、前側フレーム201aの左右の中央部から機体後側に向かうとともに、左右から中央部に向かう後側フレーム201bとを備える。なお、門型の前側フレーム201aの空間部の後方に、ボンネット11や操縦席13が配置される。
なお、アンテナフレーム201の上下高さは、機体中で最も高くすることが好ましい。具体的には、アンテナフレーム201の上端部は、地表から2.5〜3.5m程度上方に位置させることが好ましい。これにより、作業者Mがフロアステップ9上に立った状態でも頭をぶつけることを防止しつつ、受信精度を向上させることができる。すなわち、作業者Mはフロアステップ9上を移動しやすく、作業効率が向上すると共に、GPSアンテナ200を地表から上方に離しているため、受信精度を向上させることができる。
また、GPSアンテナ200の取り付け位置が機体の前後方向および左右方向の中央部付近になるので、取得される位置情報(機体の位置座標)が実際の機体の位置から離れるのを抑えることができ、自動直進システムによる直進走行位置の設定が適切になり、作業精度を向上させることができる。
また、前側フレーム201aの空間部の後方に操縦席13が位置するため、アンテナフレーム201が作業者Mの視界を遮ることがないため、視認性の低下を防止し、自動直進前の位置あわせが正確になると共に、機体前方の圃場の状態や障害物を早めに見つけられるので、作業者Mによる手動操作に切り替えて安全であり、また、作業位置のずれなどを抑えることができる。なお、GPSアンテナ200は、単独測位方式、DGPS(相対測位)方式、RTK(干渉測位)方式などのうち、作業する地域に適したものを用いればよい。
なお、機体の傾斜や振動の影響により、GPSアンテナ200の地上高が変動すると、実際の機体の位置と異なる座標位置が測定され、受信精度が低下すると共に直進方向からずれた方向に機体が走行することがある。これを防止するために、GPSアンテナ200に加えて、たとえば、慣性計測装置(「IMU(Inertial Measurement Unit)」ともいう)210を設けてもよい。IMU210は、走行車体2が傾斜姿勢になるときの地表からGPSアンテナ200までの高さと、傾斜していないときの地表からGPSアンテナ200までの高さの差に基づいてGPSアンテナ200によって取得された位置座標を制御装置100に修正させる。
この他、自動直進システムによる機体の走行方向が正しいか否かをより確実に制御装置100に判定させるべく、方位センサをさらに設けてもよい。
また、左右の前輪5の操舵、あるいは、作業車両1がコンバインなどの場合はクローラなどの信地旋回(左右いずれか一方のクローラを停止させつつ、他方のクローラを回転させる旋回)を自動化するために、ハンドル10を自動で回動させる自動操舵装置(「自動直進装置」ともいう)220が設けられる。
自動直進装置220は、たとえば、制御装置100(図2参照)によって算出された機体の現在の位置情報のX座標と、先に取得されている基準となる位置情報のX座標の差異に基づいてハンドル10の操作量が変動されることで、機体が直進方向に向かうべく、ハンドル10を左右に切るよう操作すると共に、機体が直進方向を向いた場合にはハンドル10操作を停止させる。
なお、ハンドル10を操作する操舵アクチュエータとしては、たとえば、電動式や油圧式のモータあるいはシリンダで構成される。
このように、制御装置100によって算出された位置情報のX座標の差異に基づいてハンドル10が自動的に操作され、機体を直進方向に自動的に合わせることができるので、作業機3による作業位置が左右方向にずれなくなり、圃場内において作業が行われない箇所が発生しにくくなる。これにより、作業が行われなかった箇所に、後から人手で作業を行う必要が無くなり、作業者の労力を軽減することができる。
また、前工程の作業条と現工程の作業条との作業位置が重複することを防止できるので、苗や種子、肥料などの作業資材を余分に消費することが防止され、作業コストの低減を図ることができると共に、作業資材の過剰供給による生育不良の発生を防止することができる。
ここで、地域によっては、たとえば、苗移植機1が、一の圃場から畦を越えて他の圃場に乗り込み、他の圃場で苗の植え付け作業を行い、他の圃場から再度畦を越えて一の圃場(元の圃場)に乗り込み、元の圃場で苗の植え付け作業を行う作業形態の場合がある。すなわち、地域によっては、圃場ごとの括りで作業を行うのではなく、圃場を跨いで作業を行う作業形態を採用している。
しかしながら、従前の作業車両(苗移植機)1では、機体の自動直進において圃場を跨いで作業を行うことが考慮されていないため、機体は自動直進しながら畦を越えることができない。そこで、本実施形態では、圃場を跨いで作業を行う作業形態においても機体の自動直進を可能にしている。以下、本実施形態における自動直進について、図2〜図4を用いて説明する。
図2は、制御装置100を含む自動直進制御に関連する各部を示す機能ブロック図である。図3Aおよび図3Bは、走行車体2の自動直進の説明図である。なお、図3Aには、機体(走行車体2および作業機3)が圃場Fを走行する様子を平面視で模式的に示し、図3Bには、機体が圃場Fを走行する様子を側面視で模式的に示している。図4は、自動直進中の畦越え制御の処理手順を示すフローチャートである。
図2に示すように、制御装置100には、変速レバー16の操作位置を検知するレバーポテンショメータ231と、副変速レバー17の操作位置を検知する副変速位置検知スイッチ232と、ハンドル10の操作(回動)位置を検知するハンドルポテンショメータ233とがそれぞれ接続されている。また、制御装置100には、機体の自動直進制御を入切する自動直進設定部材234が接続されている。
自動直進設定部材234は、自動直進の開始点および自動直進の終了点の座標を機体に取得させる。自動直進設定部材234は、上下方向、左右方向、押込状態と戻り状態など、少なくとも2方向に操作可能な部材を少なくとも1つ装着するか、あるいは2つ以上の操作部材を装着するものとする。自動直進設定部材234としては、たとえば、上下方向に操作可能なフィンガアップレバーを用いる。自動直進設定部材234としては、トグルスイッチやプッシュスイッチ、ジョイスティックなどを用いてもよい。このようなレバーやスイッチとすることで、基準点(開始点および終了点)の取得操作と自動直進装置220の入切操作とを同じ側の手(片手)で操作することができ、操作性を向上させることができる。
この他、制御装置100には、作業機による作業を検知する作業検知センサ235、センターフロート33aの回動(傾き)を検知する回動ポテンショメータ236、後述する走行距離検出手段であり、左右の後輪6の回転を検知する後輪回転センサ237が接続されている。
左右の後輪6の回転は、左右の後輪6にそれぞれ接続された左右のドライブシャフトの回転を検知することで検知可能である。後輪回転センサ237を設けることで、機体の現在位置座標から目標位置座標までの距離を割り出すことができる。なお、整地ロータ34を「入」にした位置から後輪回転センサ237が検知した回転数を元に、制御装置100が移動距離を算出し、さらに、算出された移動距離と整地ロータ34を「入」にした位置のY座標位置までの距離を算出し、所定距離以内であれば後述する報知部(ブザー)250を作動させるように構成してもよい。
図2に示すように、制御装置100には、一の圃場と他の圃場との境界(畦など)を検知する境界検知手段230が接続されている。境界検知手段230としては、位置情報取得装置であるGPSアンテナ200や、機体の前後方向の傾斜を検知する傾斜センサ238がある。なお、境界検知手段230を、GPSアンテナ200および傾斜センサ238のいずれか一方のみで構成してもよいし、両方で構成してもよい。
また、制御装置100には、自動直進装置220や、走行車体2の走行速度を変速する無段変速装置(HST)8を駆動するHSTモータ8aが接続されている。また、制御装置100には、作業機3である苗植付部30を昇降駆動する昇降装置4が接続されている。制御装置100は、作業機3、すなわち、苗植付部30を、それぞれ高さの異なる待機位置H0および作業位置H1(いずれも、図3B参照)のいずれかへ移動させるよう昇降制御する。
また、制御装置100には、後述する表示部(モニタ)240および報知部250がそれぞれ接続されている。また、制御装置100には、通信部260が接続されている。通信部260は、タブレット端末などの情報処理装置270の通信部(端末通信部)271に対して、無線による遠距離または近距離通信可能なものである。情報処理装置270は、端末通信部271の他、制御部272や記憶部273、情報処理装置270の操作のためのタッチパネル274などを備え、GPSアンテナ200によって取得された機体の位置情報を含む各種情報の入出力が可能である。
図3Aに示すように、作業車両である苗移植機1では、走行車体2が圃場を跨いで自動直進されるとともに、圃場を跨いで作業機3による作業を行う。この場合、走行車体2は、制御装置100によって1工程目で基準走行ラインLが設定され、2工程目以降については1工程目で設定された基準走行ラインLに基づいて自動直進制御される。
図3Bに示すように、制御装置100は、走行車体2の自動直進中において圃場Fと圃場F1(F2)との境界(以下、「畦」という)Bを越える場合に、作業機3を作業位置H1から待機位置H0へと移動させ、畦を越えた後、待機位置H0から再び作業位置H1へと移動させる。
図4に示すように、まず、制御装置100は、走行車体2が自動直進制御されているか否かを検知する(ステップS101)。制御装置100は、走行車体2が自動直進中であると(ステップS101:Yes)、以下で説明する畦越え制御を実行する。なお、制御装置100は、走行車体2が自動直進でない場合(ステップS101:No)には畦越え制御を実行しない。
次いで、制御装置100は、走行車体2の自動直進中に境界検知手段230(たとえば、GPSアンテナ200)によって畦Bが検知されると(ステップS102:Yes)、作業機3である苗植付部30を、作業位置H1から待機位置H0へと移動させるよう、すなわち、上昇させるよう制御する(ステップS103)。この場合、境界検知手段230は、GPSアンテナ200によって取得される位置情報を基に畦Bを検知してもよいし、傾斜センサ238による走行車体2の傾きを基に畦Bを検知してもよい。なお、境界検知手段230により畦Bが検知されない場合(ステップS102:No)、畦Bが検知されるまでステップS102の処理を繰り返す。
次いで、境界検知手段230によって走行車体2が畦Bを越えたことが検知されると(ステップS104:Yes)、走行距離検出手段である後輪回転センサ237によって、走行車体2の畦Bからの走行距離が検出される(ステップS105)。この場合、境界検知手段230は、走行車体2が畦を越えたことを、GPSアンテナ200によって取得される位置情報を基に検知してもよいし、傾斜センサ238による走行車体2の傾きを基に検知してもよい。なお、境界検知手段230により走行車体2が畦Bを越えたことが検知されない場合(ステップS104:No)、畦Bを越えたことが検知されるまでステップS104の処理を繰り返す。
次いで、後輪回転センサ237の検出値(走行距離)が所定の値になると(ステップS106:Yes)、制御装置100は、作業機3である苗植付部30を、待機位置H0から作業位置H1へと移動させるよう、すなわち、下降させるよう制御する(ステップS107)。なお、後輪回転センサ237の検出値が所定の値にならない場合(ステップS106:No)、所定の値になるまでステップS106の処理を繰り返す。
ここで、苗植付部30が作業位置H1にあることを検知するセンサ(作業検知センサ)235は、植付クラッチの入切を検知する植付クラッチ入切センサであることが好ましい。苗植付部30の作業位置H1とは、苗植付部30が下降して植付クラッチが「入」になる位置である。
かかる構成によれば、圃場F内を自動直進中の走行車体2が他の圃場F1(F2)との境界である畦Bを越える場合に作業機3である苗植付部30が自動で上昇して待機位置H0へと移動するため、苗植付部30が圃場F面以外と接触するのを避けることができ、苗植付部30の損傷を防止することができる。また、作業形態の違いに対応することができる。たとえば、圃場F,F1,F2を跨いで作業を行うような作業形態の場合でも、苗植付部30に対する手動操作が不要となる。これにより、機体の操作性を向上させることができるとともに、作業性を向上させることができる。
また、圃場F内を自動直進中の走行車体2が他の圃場F1(F2)との境界である畦Bを越えた後、作業機3である苗植付部30が自動で下降して作業位置H1へと移動するため、他の圃場F1(F2)で作業を開始するための苗植付部30に対する手動操作が不要となる。これにより、機体の操作性をさらに向上させることができるとともに、作業性をさらに向上させることができる。
また、図2に示すように、制御装置100は、無段変速装置(HST)8を駆動制御することで、走行車体2の走行速度を制御する。制御装置100は、走行車体2の自動直進中に境界検知手段230によって畦Bが検知されると、走行車体2の走行速度を減速させるよう制御する。また、制御装置100は、走行車体2の自動直進中、走行距離検出手段である後輪回転センサ237による検出値(走行距離)が所定の値になると、走行車体2の走行速度を増速させるよう制御する。
かかる構成によれば、1つの圃場Fで作業する場合、畦B手前での機体旋回時、走行車体2が自動的に減速することで、作業者Mによる旋回操作が容易となり、また、機体旋回後、走行車体2が自動的に増速することで、作業者Mが手動で増速操作する手間を省くことができる。
また、制御装置100による自動直進中の走行車体2の走行速度制御は、上記した畦越え制御の場合にも実行することができる。この場合、制御装置100は、上記した畦越え制御において、境界検知手段230によって畦Bが検知されると、走行車体2の走行速度を減速させるよう制御する。また、制御装置100は、上記した畦越え制御において、走行距離検出手段である後輪回転センサ237による検出値(走行距離)が所定の値になると、走行車体2の走行速度を増速させるよう制御する。
かかる構成によれば、圃場F内を自動直進中の走行車体2が他の圃場F1(F2)との境界である畦Bを越える場合に、走行車体2の走行速度を減速することで、安全性を向上させることができる。また、圃場F内を自動直進中の走行車体2が畦Bを越えた後、走行車体2の走行速度を増速することで、効率良く作業を行うことができ、作業性をさらに向上させることができる。
ここで、圃場Fごとに基準走行ラインLを設定・登録する場合、1工程目を基準走行ラインLの設定・登録に使用する必要がある。そこで、本実施形態では、情報処理装置270において、走行車体2を自動直進させる場合、圃場F(および圃場F1,F2)で設定された基準走行ラインLを登録可能としている。また、情報処理装置270は、基準走行ラインLの登録の他、登録された基準走行ラインLを保存し、登録および保存された基準走行ラインLを表示する。これにより、作業者Mは、設定、登録および保存された基準走行ラインLを情報処理装置270で閲覧することができる。また、情報処理装置270は、基準走行ラインLの登録、保存および表示を圃場F,F1,F2単位で行う。
そして、制御装置100は、情報処理装置270に登録(および保存)された圃場F,F1,F2単位の基準走行ラインLに基づいて、たとえば、次回の作業で走行車体2を自動直進させる。
かかる構成によれば、情報処理装置270において圃場F,F1,F2単位で自動直進の基準走行ラインLを登録、保存および表示可能なため、自動直進の基準走行ラインLを再度設定・登録する必要がなくなり、次回(たとえば、次年度)には1工程目から走行車体2の自動直進が可能となる。これにより、作業効率の向上を図ることができる。
また、操縦席13(図1参照)の周辺に、走行車体2の自動直進を中断する場合に操作されるスイッチ(以下、「中断ボタン」という)、中断された自動直進を再開する場合に操作されるスイッチ(以下、「再開ボタン」という)が設けられてもよい。この場合、制御装置100は、中断ボタンが押されると、走行車体2の自動直進を中断させ、再開ボタンが押されると、中断された自動直進を再開させる。これにより、作業効率を向上させることができる。
なお、上記した中断ボタンに代えて、ブレーキ操作によって走行車体2の自動直進が中断されるように構成されてもよい。制御装置100は、機体を制動するブレーキが左右の車輪(後輪6)に対してそれぞれ作用する左右ブレーキ構造である場合、片方のブレーキが操作された、いわゆる、片ブレーキでは自動直進を中断させない。制御装置100は、両方のブレーキが操作された、いわゆる、両ブレーキの場合のみ自動直進を中断させる。これにより、安全性を向上させることができる。なお、中断された自動直進を再開させる場合は、再開ボタンの操作によって再開させてもよい。
また、制御装置100は、走行車体2が走行ラインにおいて元の走行ライン(作業位置)に乗ることで、中断された自動直進を再開させるように構成されてもよい。これにより、作業効率を向上させることができる。
なお、制御装置100は、境界検知手段230によって畦Bが検知されると、ブザーなどの報知部250において警報(ブザー音)を発するように構成されてもよい。これにより、畦Bが近づいていることを作業者Mに知らせ、安全性を向上させることができる。また、制御装置100は、境界検知手段230によって畦Bが検知されると、報知部250において警報を発するとともに、走行車体2の走行速度を減速させるように構成してもよい。これにより、畦Bが近づいていることを作業者Mに知らせるとともに、走行速度が自動的に減速することで、畦Bを越える場合は安全に越えられるようになるなど、安全性をさらに向上させることができる。
また、制御装置100は、GPSアンテナ200によって取得されるかまたは後輪回転センサ237によって検出された走行車体2の走行距離と、苗植付部30の植付装置32の植込杆の回転数とにより、株間(株と株との間の距離)を演算する。また、制御装置100は、演算した株間を、表示部240および情報処理装置(タブレット端末)270の少なくともいずれかに表示させる。このように、実質的な株間を表示することで、これを作業者Mに知らせることができる。なお、表示部240やタブレット端末270において、株間は「cm」で表示されることが好ましい。
また、制御装置100は、走行車体2が畦Bを越える場合に、作業機3である苗植付部30の昇降制御に加えて、整地装置である整地ロータ34を収納するよう制御してもよい。すなわち、走行車体2が畦Bを越える場合には、苗植付部30が自動的に昇降されるとともに、整地ロータ34が自動的に収納状態となる。これにより、整地ロータ34が畦Bに衝突して損傷するのを防止することができる。
また、制御装置100は、たとえば、人体検知センサによって作業者Mが操縦席13を離れていることが検知されると、油圧感度の設定を「軟」に切り替える。これにより、機体の振動を吸収することができ、たとえば、苗を苗タンク31(図1参照)に補充する作業が行われている場合には苗の植え付けなどの作業を安定させることができる。
また、制御装置100は、たとえば、人体検知センサによって作業者Mが操縦席13を離れていることが検知されると、苗植付部30のローリング設定を「敏感」に切り替える。これにより、機体の振動を吸収して、たとえば、苗を苗タンク31(図1参照)に補充する作業が行われている場合には苗の植え付けなどの作業を安定させることができる。
また、制御装置100は、走行車体2の自動直進中、GPSアンテナ200に取得された位置情報およびハンドルポテンショメータ233の検知信号に基づいて、畦B付近(手前)に到達する前にハンドル10の急な回動操作(いわゆる、急ハンドル)が検知された場合は、苗植付部30の自動昇降を禁止するよう制御する。これにより、機体姿勢を維持することができ、安全性を向上させることができる。
次に、図5、図6Aおよび図6Bを参照して自動直進装置220について説明する。図5は、自動直進装置220の配置の説明図である。図6Aおよび図6Bは、自動直進装置220の構成の説明図である。なお、図5には、苗移植機1の左側面を模式的に示している。また、図6Aには、自動直進装置220の背面を示し、図6Bには、自動直進装置220の左側面を示している。
図5に示すように、走行車体2における前側のボンネット11内でありハンドル10の下側には、図中における一点破線で示す位置に自動直進装置(以下、「直進アシストユニット」という)220(図6A参照)が配置される。直進アシストユニット220は、制御装置100(図2参照)によってハンドル10を支持するハンドル軸10aが駆動(回動)制御されることで、ハンドル10を自動操舵する。
図6Aおよび図6Bに示すように、直進アシストユニット220は、走行車体2(図5参照)の自動直進中、操舵アクチュエータ(以下、「直進アシストモータ」という)221によってハンドル10(図5参照)を駆動する。直進アシストユニット220は、ハンドル軸10aの下部を覆うコラム10b内に設けられる。
また、直進アシストユニット220は、ケーシング222内に、入力ギヤ223と、出力ギヤ(以下、「ファイナルギヤ」という)224と、カウンタギヤ225とを備える。また、直進アシストユニット220は、切れ角センサ226を備える。入力ギヤ223は、直進アシストモータ221側に設けられ、ファイナルギヤ224は、ハンドル軸10a側に設けられる。ファイナルギヤ225は、ハンドル軸10aの最下部に配設されたトルクジェネレータ300の入力軸301上に設けられる。
カウンタギヤ225は、直進アシストモータ221とファイナルギヤ224との間に設けられる。カウンタギヤ225は、ケーシング222に対して隙間を少なくして、ケーシング222に近接して配置される。切れ角センサ226は、ハンドル10の切れ角を検出するセンサであり、ファイナルギヤ224に設けられる。
直進アシストユニット220は、コラム10b内においてトルクジェネレータ300上に配置される。また、直進アシストユニット220は、ケーシング222上にコラム10bがボルトなどの締結部材227によって固定される。
かかる構成によれば、直進アシストユニット220をコラム10b内に配置することで、外装や外観形状を変更することなく直進アシスト機能を追加することができる。これにより、大型化を抑えることができる。
また、トルクジェネレータ300の入力軸301上にファイナルギヤ224を設けることで、トルクジェネレータ300の入力軸301とハンドル軸10aとを同軸上に配置することができる。これにより、直進アシストユニット220自体、およびハンドル軸10aの周辺をシンプルかつコンパクトに構成することができる。
また、直進アシストモータ221とファイナルギヤ224との間にカウンタギヤ225を設けることで、各ギヤ224,225の歯数を少なくすることができる。これにより、直進アシストユニット220自体、およびハンドル軸10aの周辺をシンプルかつコンパクトに構成することができ、直進アシストユニット220をコラム10b内に容易に収容することができる。
また、ハンドル10の切れ角を検出する切れ角センサ226をファイナルギヤ224に設けることで、ファイナルギヤ224の回転角を検出すればハンドル10の切れ角が検出可能となる。これにより、ハンドル10の切れ角をダイレクトに検出することができ、細やかな操舵制御が可能となる。
また、ケーシング222とカウンタギヤ225とを近接配置することで、ケーシング222とカウンタギヤ225との隙間が小さくなるため、万が一、カウンタギヤ225が脱落したとしても、直進アシストモータ221の駆動軸から外れなくなり、ケーシング222内にカウンタギヤ225が噛み込むことでハンドル10がロックされるなどの不具合を防止することができる。
さらに、ケーシング222上にコラム10bを固定することで、直進アシストユニット220とコラム10bとを一体化することができ、剛性を高めることができる。
ここで、図5に戻り、たとえば、ハンドル10の前側など、作業者Mにとって見やすい位置に、自動直進状態を表示する直進アシストモニタ310が設けられる。以下、図7を用いて直進アシストモニタ310について説明する。
図7は、直進アシストモニタ310の説明図である。なお、図7には、直進アシストモニタ310の表示面を模式的に示している。図7に示すように、直進アシストモニタ(以下、「モニタ」という)310は、走行車体2を自動直進させる場合に点灯する直進アシストランプ311と、A点ランプ312と、B点ランプ313とを備える。モニタ310は、3つのランプ311,312,313の表示態様によって、自動直進における各種情報を作業者Mに知らせる。このため、モニタ310をシンプルで安価に構成することができる。
モニタ310では、たとえば、機体の向きが右側にずれている場合はA点ランプ312が点滅する。A点ランプ312を点滅させることで、作業者Mに左にハンドル10(図5参照)を切るように促す。また、モニタ310では、たとえば、機体の向きが左側にずれている場合はB点ランプ313が点滅する。B点ランプ313を点滅させることで、作業者Mに右にハンドル10を切るように促す。このように、A点ランプ312とB点ランプ313とを方向指示器と同様の表示態様とすることで、作業者Mにハンドル10を切る方向をわかりやすく伝えることができる。
また、モニタ310では、機体が自動直進走行可能な状態にある場合にはA点ランプ312およびB点ランプ313が共に点灯する。また、自動直進走行を「入」にする場合は、たとえば、整地ロータ34が「切」の場合には自動直進走行を「入」にできないため、この場合にはたとえば報知部250(図2参照)からブザー音を発するとともに、中央の直進アシストランプ311が、たとえば2回点滅する。かかる表示態様によって、作業者Mに自動直進走行不可であることを知らせる。このため、モニタ310をシンプルで安価に構成することができる。
また、モニタ310では、機体が自動直進走行可能な状態にある場合にはA点ランプ312およびB点ランプ313が共に点灯し、さらに、自動直進走行を「入」にする場合は、たとえば、GPSアンテナ200によるGPS受信不良の場合には自動直進走行を「入」にできないため、この場合にはたとえば報知部250(図2参照)からブザー音を発するとともに、中央の直進アシストランプ311が、たとえば3回点滅する。かかる表示態様によって、作業者Mに自動直進走行不可であることを知らせる。このため、モニタ310をシンプルで安価に構成することができる。また、直進アシストランプ311の点滅回数を他の警告時と変えることで、表示態様によって警告内容を作業者Mに知らせることができる。
また、モニタ310には、GPSランプ314が設けられる。GPSランプ314は、3つの表示ランプを有し、GPS受信状態にあわせて表示ランプの数を変更する。モニタ310では、かかる表示態様によって作業者にGPS受信状態を知らせる。このため、GPS受信不良の状態での自動直進走行を防ぐことができる。なお、以上説明した各ランプ311,312,313,314や報知部250などは、制御装置100(図2参照)によって制御される。
次に、図8〜図14を参照して作業車両(苗移植機)1の変形例について説明する。以下では、まず、図8〜図10Cを用いて、第1変形例について説明し、次いで、図11〜図12を用いて、第2変形例について説明し、次いで、図13〜図14を用いて、第3変形例について説明する。
図8および図9は、作業車両(苗移植機)の第1変形例の説明図である。なお、図8には、第1変形例に係る苗移植機1Aの正面を模式的に示し、図9には、第1変形例に係る苗移植機1Aの左側面を模式的に示している。また、図10A〜図10Cは、作業車両の第1変形例の第1〜第3表示例の説明図である。なお、以下で説明する第1変形例は、上記した苗移植機1とは機体前側にモニタ320を備える点が相違し、他の構成は同様であるため、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略している。
図8および図9に示すように、苗移植機1Aは、アンテナフレーム201における前側フレーム201aの上部にモニタ320を備える。なお、モニタ320は、たとえば、作業者Mの視認性を妨げないような透明な液晶モニタである。モニタ320は、左右の前側フレーム201aに跨るように設けられる。モニタ320は、操縦席13に着座している作業者Mの顔の前方に位置するように設けられる。モニタ320には、自動直進に関する各種情報が表示される。
図10Aに示すように、モニタ320の第1表示例として、センターマスコット14(図1参照)を実物に代えて表示画面(画面321A)に画像表示してもよい。また、図10Bに示すように、モニタ320の第2表示例として、作業機3(苗植付部30)による作業状況を表示画面(画面321B)に表示してもよい。また、図10Cに示すように、モニタ320の第3表示例として、メンテナンス情報を表示画面(画面321C)に表示してもよい。なお、モニタ320の表示例については、これらに限定されない。
かかる構成によれば、作業者Mに対する各種情報の可視化が可能となり、従前の各種モニタを廃止あるいは統合することができる。
図11および図12は、作業車両(苗移植機)の第2変形例の説明図である。なお、図11には、第2変形例に係る苗移植機1Bの正面を模式的に示し、図12には、第2変形例に係る苗移植機1Bの左側面を模式的に示している。なお、以下で説明する第2変形例においても、上記した苗移植機1とは機体前側に日除け板330を備える点が相違し、他の構成は同様であるため、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略している。
図11および図12に示すように、苗移植機1Bは、アンテナフレーム201における前側フレーム201aの上部に日除け板(サンバイザ)330を備える。なお、日除け板330は、たとえば、有色透明のアクリル板であり、作業者Mを太陽の直射から守り、かつ、作業者Mの視界を確保する。日除け板330は、左右の前側フレーム201aに跨るように設けられる。
図12に示すように、日除け板330は、上下方向に回動自在に設けられる。また、日除け板330の裏面に、たとえば、自動直進に関する操作要領や安全注意事項などが記載されると、作業者Mに操作や安全について注意喚起することができる。なお、自動直進に関する操作要領や安全注意事項などはラベルなどの貼付によって記載してもよい。
かかる構成によれば、作業者Mが日除けできるとともに、作業者Mに自動直進に関する操作や安全について注意喚起することができる。
図13および図14は、作業車両(苗移植機)の第3変形例の説明図である。なお、図13には、第3変形例に係る苗移植機1Cの前側平面を模式的に示し、図14には、第3変形例に係る苗移植機1Cの右側面を模式的に示している。なお、以下で説明する第3変形例においても、上記した苗移植機1とは機体前側にタブレット収納部340を備える点が相違し、他の構成は同様であるため、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略している。
図13および図14に示すように、苗移植機1Cは、操縦席13の下側(操縦席13とエンジンカバー12の上面との間)にタブレット端末(たとえば、上記した情報処理装置270)を収納可能なタブレット収納部340を備える。また、図13に示すように、操縦席13の下側には、引き出しアーム341が設けられる。
引き出しアーム341は、図14中の矢線で示すように、タブレット端末270をタブレット収納部340に出し入れ可能とし、タブレット収納部340から引き出されたタブレット端末270を操縦席13の前側で作業者Mから見えるように保持する。操縦席13に着座した作業者Mは、左右の脚の間において引き出しアーム341で保持されたタブレット端末270を操作する。
また、引き出しアーム341の先端部にはジョイント部342が設けられる。引き出しアーム341に保持されたタブレット端末270は、ボールジョイントなどのジョイント部342によって角度調節自在である。
かかる構成によれば、操縦席13の下側にタブレット端末270を収納するタブレット収納部340を設けることで、たとえば、トラクタやコンバインなどのタブレット端末270の取り付け位置の確保が困難な作業車両に対応させることができる。また、防水性を向上させることができる。また、タブレット端末270の使用時にはタブレット端末270をタブレット収納部340から引き出して保持し、不使用時にはタブレット収納部340に収納するため、機体への乗り降り性も良く、ジョイント部342によって角度調整が可能なため、操作性も良好となる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。