図1は、画像形成装置1の外観の例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、一般に「複合機」または「MFP(Multi-functional Peripheral)」などと呼ばれる画像処理装置であって、コピー、ネットワークプリント、スキャナ、ボックス、およびファクシミリなどの機能を集約した装置である。
ネットワークプリント機能は、端末装置から受信した画像データに基づいて画像を用紙に印刷する機能である。「ネットワークプリンティング機能」または「PCプリント機能」などと呼ばれることもある。
ボックス機能は、ユーザごとに「ボックス」または「パーソナルボックス」などと呼ばれる記憶領域を与えておき、各ユーザが自分の記憶領域によって画像ファイルなどのドキュメントデータを保存し管理するための機能である。「サーバ機能」または「ファイルサーバ機能」などと呼ばれることもある。ボックスは、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当する。
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、NIC(Network Interface Card)10e、モデム10f、タッチパネルディスプレイ10g、操作キーパネル10h、スキャンユニット10i、画像処理部10j、プリントユニット10k、および電源管理部10mなどによって構成される。
タッチパネルディスプレイ10gは、四角形の表示面20を有しており、ユーザに対するメッセージを示す画面、ユーザがコマンドまたは情報を入力するための画面、およびCPU10aなどが実行した処理の結果を示す画面などを表示する。
さらに、タッチパネルディスプレイ10gは、表示面20内のユーザがタッチした位置を検知し、タッチされた位置の遷移に基づいてジェスチャの種類を判別する。そして、タッチした位置および判別した種類をCPU10aへ通知する。なお、ジェスチャの種類は、画像形成装置1のCPU10aがオペレーティングシステムに基づいて判別することもある。ジェスチャの一例として、タップ、ダブルタップ、フリック、ピンチイン、ピンチアウト、およびホールド(長押し)が挙げられる。
操作キーパネル10hは、いわゆるハードウェアキーボードであって、図1に示すように、スタートキー21、コピーキー23、およびFAX/スキャンキー24などのキーによって構成される。
NIC10eは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルによって他の装置と通信回線を介して通信を行う。
モデム10fは、ファクシミリ端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りする。
スキャンユニット10iは、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)と、フラットヘッドスキャナとによって構成される。自動原稿送り装置は、原稿トレイにセットされたシートをヘッドスキャナの読取り位置へ搬送する。フラットヘッドスキャナは、搬送されてきたシートまたはプラテンガラスの上にセットされたシートなどに記されている画像を読み取って画像データを生成する。
画像処理部10jは、スキャンユニット10iから送られてきた画像データにシェーディング補正または色収差補正などの読取り光学系の特性に関わる処理を施す。さらに、画像データの圧縮/伸張の処理、およびプリントユニット10kに出力するラスタデータの生成の処理などを行う。
プリントユニット10kは、画像処理部10jによって生成されたラスタデータに基づいて画像をシートに印刷する。
電源管理部10mは、電源回路から画像形成装置1の内部の複数の供給先への電力の供給を管理する。電源管理部10mは、必要に応じて供給先および供給量を制限して消費電力を低減する。
ROM10cまたは補助記憶装置10dには、コピーおよびファクシミリなどの機能を実現するためのソフトウェアが記憶されている。このソフトウェアには、タッチパネルディスプレイ10gに1つまたは複数の画面を表示させる表示処理プログラム10P(図3参照)が含まれている。
ソフトウェアを構成するプログラムまたはモジュールは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。補助記憶装置10dとして、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
表示処理プログラム10Pによって表示される画面は、ソフトウェアキーとして、1つ以上の切替えボタンを有している。「切替えボタン」とは、それを選択する操作が画面の切替えの契機となるボタンである。切替えボタンには、切替え後の画面である「遷移先画面」が対応付けられており、ユーザが切替えボタンを選択すると、遷移先画面が表示される。
ボタンを選択するジェスチャとして、タップ、ダブルタップ、またはホールドなどがある。
画面のサイズは様々であり、表示面20と同じサイズの画面もあれば、表示面20よりも小さい画面もある。画面の切替え(「画面遷移」ともいう)の形態としては、切り替わる前の画面である「遷移元画面」に代えて遷移先画面を表示する形態、および、遷移先画面を遷移元画面の一部分に重ねて表示する形態がある。
これらの画面には、切替えボタンの配置を一定の範囲(後述するバッジ列の中)でユーザがカスタマイズすることができる画面もあれば、同時に表示することができない多数の切替えボタンをスクロールにより一部ずつ表示するように構成された画面もある。つまり、どちらの画面も、画面上の切替えボタンの位置がユーザによって変更される。以下、画面における位置が固定ではない切替えボタンを「可動切替えボタン」と記載し、可動切替えボタンを有する画面を「可変画面」と記載する。
ところで、連続するジェスチャをユーザによりスムーズに行わせるためには、ユーザがタッチした位置と次にタッチすべき位置とが近いのが好ましい。これらの2つの位置同士が近くにあると、手の指先を大きく動かす必要がなく、迅速にストレスなく操作を進めることができる。
表示処理プログラム10Pによると、可動切替えボタンがタッチされると、ユーザが次に操作すると予想される特定の要素(以下、「特定要素」と記載する。)を、可動切替えボタンの表示されていた位置またはその近くに配置して遷移先画面が表示される。よって、ユーザは、連続するジェスチャをスムーズに行うことができる。以下、遷移先画面をこのように表示させる仕組みについて、説明する。
その方法として、次の2つの方法のうちのいずれか一方が選択的に使用される。1つ目の方法は、特定要素を相違する位置に配置した幾つかの画面を予め用意しておき、いずれか1つの画面を可動切替えボタンの位置に応じて表示させる方法である。
2つ目の方法は、可動切替えボタンが選択されるごとに、表示面20上のそのときの可動切替えボタンの位置に基づいて特定要素を配置して遷移先画面を表示する方法である。
図3は、画像形成装置1の機能的構成の例を示す図である。図4は、画面テーブル5の例を示す図である。図5は、グローバル座標系の例を示す図である。図6〜図7は、要素テーブル6の例を示す図である。図8は、構成テーブル7の例を示す図である。
表示処理プログラム10Pについて、さらに詳細に説明する。表示処理プログラム10Pによると、図3に示す遷移元表示制御部12、遷移先決定部14、遷移先表示制御部16、および画面データ記憶部17などの機能が画像形成装置1に実現される。これら各部の機能は、後に順次、説明する。
画面データ記憶部17には、要素ライブラリが設けられている。要素ライブラリには、後に順次説明する、各画面を構成する要素(例えば、ウィンドウ、列ボックス、スイッチ、ボタン、バッジ、カーソル、スケールなど)ごとの、要素データ8Aが記憶されている。要素データ8Aには、要素の形状、サイズ、外観、および要素コードのほか、要素に対して行われたジェスチャに応じて実行すべき処理(例えば、他の画面を表示する処理)などが示される。「要素コード」は、要素を識別するための識別子である。なお、上述の切替えボタンは、要素の1つである。また、ボタンの1つの種類としてバッジがある。「バッジ」は、ジョブの条件または上述の機能の条件値を設定するためのボタンである。
さらに、画面データ記憶部17は、画面テーブル5が記憶されている。画面テーブル5には、図4に示すように、複数の画面それぞれの画面属性データ5Eが格納されている。
画面属性データ5E1は、応用設定画面31(図9参照)の画面属性データ5Eである。画面属性データ5E2は、宛先選択画面32(図11参照)の画面属性データ5Eである。画面属性データ5E31〜5E34は、それぞれ、ブック原稿設定画面33A〜33D(図12参照)の画面属性データ5Eである。画面属性データ5E41、5E42は、それぞれ、枠消し設定画面34A、34B(図19参照)の画面属性データ5Eである。
画面属性データ5Eは、画面コード5a、可変フラグ5b、表示位置情報5c、およびテーブルコード5dを示す。
画面コード5aは、画面の識別子である。可変フラグ5bは、画面が可変画面であるか否かを示す。「1」は、可変画面であることを示し、「0」は、可変画面でないことを示す。
なお、表示位置情報5cは、表示面20のどの位置に画面を表示するかを示す。画面の位置は、画面を構成するすべての要素を囲む最小の矩形の所定の位置(例えば左下隅)によって表わされる。以下、表示面20における座標系および座標をそれぞれ「グローバル座標系」および「グローバル座標」と記載する。したがって、画面の位置は、グローバル座標によって表わされる。図5に示すように、グローバル座標系の原点は、表示面20の左下隅であり、左右方向がX方向であり、上下方向がY方向である。
表示位置情報5cは、画面が複数の位置に表示され得る場合、複数の位置それぞれの座標を示す。
テーブルコード5dは、画面の、次に説明する要素テーブル6の識別子である。以下、この識別子を「要素テーブルコード」と記載する。
画面データ記憶部17には、さらに、画面ごとの要素テーブル6が要素テーブルコードと対応付けられて記憶されている。
要素テーブル6には、図6〜図7に例示するように、画面を構成する要素または要素群ごとの要素データ6Gが格納されている。要素として、要素ライブラリに要素データ8Aが記憶されているものが用いられる。要素データ6Gは、要素コード6a、名称6b、属性6c、配置情報6d、およびリンク先画面コード6fなどを示す。
「要素群」は、一体的に取り扱われる複数の要素からなるグループである。複数のバッジが一列に並んだバッジ列(例えば、図11のバッジ列400)が、要素群の一例である。要素群に属する個々の要素については、要素テーブル6に要素データ6Gが格納されていない。その代わりに後述する構成テーブル7(図8参照)が用意されている。要素群を構成する要素も、要素ライブラリに要素データ8Aが記憶されているものが用いられる。
図6(A)の要素テーブル61は、応用設定画面31(図9参照)の要素テーブル6である。図6(B)の要素テーブル62は、宛先選択画面32(図11参照)の要素テーブル6である。図7(A)の要素テーブル631は、ブック原稿設定画面33A(図12参照)の要素テーブル6である。図7(B)の要素テーブル641は、枠消し設定画面34A(図19参照)の要素テーブル6である。
要素コード6aは、要素の要素コードまたは要素群の要素群コードである。名称6bは、要素または要素群の名称である。
属性6cは、要素または要素群の属性である。属性として、例えば次の値が示される。要素または要素群が画面上でスクロールし得る場合は、「スクロール」を示す。要素群に含まれる要素の位置をカスタマイズし得る場合は、「カスタマイズ」を示す。要素が特定要素である場合は、「特定要素」を示す。スクロールおよびカスタマイズの両方が属性6cとして示される場合がある。
配置情報6dは、画面における要素または要素群の位置の座標である。要素の位置の座標として、要素を囲む最小の矩形の中心の座標が用いられる。要素群の位置の座標として、要素群を構成するすべての要素を囲む最小の矩形の中心の座標が用いられる。
以下、画面における座標系および座標をそれぞれ「ローカル座標系」および「ローカル座標」と記載する。したがって、要素の位置の座標も要素群の位置の座標も、ローカル座標である。
なお、要素または要素群がスクロールするなどして画面の中を移動し得る場合は、配置情報6dとして、画面が表示された当初(デフォルト)の位置のローカル座標が示される。
リンク先画面コード6fは、要素に対して所定のジェスチャが行われた際に表示すべき画面の複数の候補それぞれの画面コードである。なお、表示すべき画面が1つしかない場合は、要素データ8Aに従う。
テーブルコード6eは、要素群の構成テーブル7の識別子(以下、「構成テーブルコード」と記載する。)である。構成テーブル7は、構成テーブルコードと対応付けられて画面データ記憶部17に記憶されている。
図8のように、構成テーブル7には、要素群を構成する要素ごとの要素データ7Eが格納されている。要素データ7Eは、要素コード7a、位置情報7b、名称7c、およびリンク先画面コード7dを示す。
位置情報7bは、要素群における要素の位置の座標である。原点は、要素群を構成するすべての要素を囲む最小の矩形の中心の座標である。
リンク先画面コード7dは、リンク先画面コード6f(図5、図7参照)と同様、要素に対して所定のジェスチャが行われた際に表示すべき画面の複数の候補それぞれの画面コードである。
図8(A)の構成テーブル71は、バッジ列400(図9参照)の構成テーブル7である。図8(B)の構成テーブル71は、バッジ列401(図11参照)の構成テーブル7である。
図9は、応用設定画面31の例を示す図である。図10は、応用設定画面31のバッジ列400の模式図である。図11は、宛先選択画面32の例を示す図である。
図9に示す応用設定画面31は、スクロールにより切替えボタンの位置が変わる可変画面の一例である。応用設定画面31は、ウィンドウ311にバッジ列400およびスケール312などの要素または要素群が配置されて構成される。
応用設定画面31の左右の長さは、表示面20の長さLxと等しく、上下の長さは表示面20の長さLyの3分の2程度である。応用設定画面31は、表示面20の上端縁に寄せて表示される。
応用設定画面31の上側にバッジ列400が配置され、バッジ列400の下側にスケール312およびカーソル313などが配置され、右下隅にクローズボタン316が配置される。
バッジ列400は、列ボックス48および複数のバッジ41によって構成され、列ボックス48の上にこれらのバッジ41を横一列に並べた要素群である。「列ボックス」は、バッジを配置するための領域であって、要素の種類の1つである。
これらのバッジのサイズは等しい。バッジ列400の全長は、図10に示すように、表示面20の長さLxよりも長い。このため、バッジ列400のバッジ41のうちの一部が表示面20に現れるが、残りは現れない。図9では、ブック原稿バッジ41bを含む8個のバッジ41が現れている。
ユーザは、バッジ列400をスクロールさせることによって、所望のバッジ41を順次表示させることができる。バッジ列400は、左方へのドラッグまたはフリックに従って左方へ移動し、右方へのドラッグまたはフリックに従って右方へ移動する。
スケール312は、バッジ列400の全体を簡略化して表わす画像である。カーソル313は、スケール312の一部分を囲むことによって、バッジ列400のバッジ41のうちの表示面20内に現れているバッジ41(すなわち表示されているバッジ41)を指し示す。カーソル313は、バッジ列400が左方へ移動するとき、それに合わせて右方へ移動し、バッジ列400が右方へ移動するとき、それに合わせて左方へ移動する。
表示されている複数のバッジ41のいずれかをユーザがタップすると、そのバッジ41に対応する機能について設定値を入力するための画面がポップアップ表示される。つまり、これらのバッジ41は、いずれも切替えボタンである。そして、これらの切替えボタンは、スクロールに応じて左右に移動するので、可動切替えボタンである。
クローズボタン316をユーザがタップすると、応用設定画面31の表示が終了する。これに伴って、応用設定画面31が表示される直前に表示されていた画面が再び表示される。クローズボタン316は、その操作が画面遷移の契機となるので切替えボタンであるが、画面の中で移動しないので可動切替えボタンでない。
ブック原稿バッジ41bは、ユーザが「ブック原稿機能」を選択するためのボタンである。ブック原稿機能とは、スキャンユニット10iによりブック原稿から画像を読み取って印刷したりその画像の画像データを送信したりするジョブにおいて、読み取った画像に表われる書籍の輪郭またはページ同士の境目の線を消去する画像処理(いわゆる枠消し処理または折り目消し処理)を行うものである。「ブック原稿」とは、書籍のように一端を綴じた印刷物などを見開いてプラテンガラスにセットされる原稿である。ブック原稿機能は、デフォルトの設定では「オフ(OFF)」となっている。
図11に示す宛先選択画面32は、カスタマイズにより切替えボタンの位置が変わる可変画面の一例である。宛先選択画面32は、ウィンドウ321にバッジ列401および宛先表示欄323などの要素または要素群が配置されて構成される。
宛先選択画面32は、画像データの送信に関わる設定のための画面である。宛先選択画面32のサイズは、表示面20のサイズと同じである。若干小さくてもよい。
宛先選択画面32の上下方向の中央部に、宛先表示欄323が配置され、宛先表示欄323に宛先ボタン324、325が配置されている。ユーザは、画像データの宛先(送信先)を、宛先ボタン324、325のうちの、それに対応するボタンをタップすることによって、指定することができる。
宛先選択画面32の下端付近には、バッジ列401が配置されている。バッジ列401は、列ボックス48および複数のバッジ41によって構成され、列ボックス48の上にこれらのバッジ41を横一列に並べた要素群である。列ボックス49には、7個のバッジ41を配置することが可能である。
バッジ列401は、バッジ列400とは異なり画面に対して固定されている。ユーザは、バッジ列401のバッジ41の配列を所定の操作によってカスタマイズすることができる。
図11(A)に例示する状態では、バッジ列401は、ブック原稿バッジ41bを含めて7個のバッジ41が並んでいる。ブック原稿バッジ41bは、先頭の(左から1番目)のバッジ41であり、表示面20の左下の隅部に配置される。
図11(B)に例示する状態では、ブック原稿バッジ41bを含めて7個のバッジが並んでいる。このとき、ブック原稿バッジ41bは、7番目のバッジであり、表示面20の右下の隅の近傍に配置される。
次に、応用設定画面31または宛先選択画面32が遷移元画面である場合を例に、遷移先画面の表示の幾つかの形態を順に説明する。併せて、図3に示す各部の処理について、説明する。
〔第1の表示形態〕
図12は、ブック原稿設定画面33A〜33Dの例を示す図である。図13は、遷移元画面表示処理の流れの例を説明するフローチャートである。図14は、遷移先画面画面表示処理の流れの例を説明するフローチャートである。図15は、ブック原稿設定画面33Aの表示の態様の例を示す図である。図16は、ブック原稿設定画面33Bの表示の態様の例を示す図である。図17は、ブック原稿設定画面33Cの表示の態様の例を示す図である。図18は、ブック原稿設定画面33Dの表示の態様の例を示す図である。
第1の表示形態は、1つの可動切替えボタンに対して複数の遷移先画面を用意しておき、これらの遷移先画面のいずれか1つを表示することによって、特定要素を可動切替えボタンの近くに表示する形態である。以下、可動切替えボタンとしてブック原稿バッジ41bが操作された場合を例に説明する。
図12(A)に示すように、ブック原稿設定画面33Aは、ウィンドウ331にOKボタン332、中止ボタン333、スイッチ334、枠消しボタン335、折り目消しボタン336、およびメッセージ欄337などの要素を配置することによって構成される。ブック原稿設定画面33Aの左右方向の長さは、表示面20の長さLxよりも短い。上下方向の長さは表示面20の長さLyよりも短い。
ブック原稿設定画面33Aにおいては、スイッチ334が、ウィンドウ331の左上の隅部に配置される。
スイッチ334、このボタンを含む画面に対応する機能(図12の場合は、ブック原稿機能)を有効(オン)にするか無効(オフ)にするかを切り替えるためのスイッチであり、ONボタンおよびOFFボタンによって構成される。「ON/OFFボタン」と呼ばれることもある。スイッチ334は、特定要素である。ユーザは、この機能を有効にしたい場合はONボタンをタップし、無効にしたい場合はOFFボタンをタップする。
ウィンドウ331の右半部に、枠消しボタン335および折り目消しボタン336が配置される。枠消しボタン335および折り目消しボタン336は、それぞれ、枠消し処理および折り目消し処理に関する設定をユーザが行うためのボタンである。
それぞれの下半分がウィンドウ331の下辺の右方から張り出すようにOKボタン332および中止ボタン333が配置される。OKボタン332は、ユーザが設定の終了の指令を入力するためのボタンである。中止ボタン333は、ユーザが設定の中止の指令を入力するためのボタンである。いずれかの指令が入力されると、ブック原稿設定画面33Aの表示が終了する。
図12(B)、(C)、および図12(D)にそれぞれ示すブック原稿設定画面33B、33C、および33Dのそれぞれの基本的な構成および機能は、図12(A)のブック原稿設定画面33Aと同様である。ブック原稿設定画面33Aとの差異は、要素の配置である。特に、スイッチ334は、ブック原稿設定画面33Aではウィンドウ331の左上に配置されているが、ブック原稿設定画面33B、33C、および33Dでは、それぞれ、右上、左下、および右下に配置されている。
ユーザが所定の操作を行うと、遷移元表示制御部12は、応用設定画面31をタッチパネルディスプレイ10gに表示させる処理を、図13に示す手順で実行する。
遷移元表示制御部12は、応用設定画面31の画面属性データ5Eを、画面データ記憶部17に記憶されている画面テーブル5(図4参照)から読み出す(図13の#801)。読み出した画面属性データ5Eにテーブルコード5dとして示される要素テーブルコードに対応する要素テーブル6(図6、図7参照)を画面データ記憶部17から読み出す(#802)。そして、読み出した要素テーブル6のいずれかの要素データ6Gにリンク先画面コード6fが示される場合は(#803でYes)、そのリンク先画面コード6fに対応する構成テーブル7(図8参照)を画面データ記憶部17から読み出す(#804)。
本例では、遷移元表示制御部12は、画面属性データ5Eとして画面属性データ5E1を読み出す。要素テーブル6として要素テーブル61を読み出す。そして、構成テーブル7として構成テーブル71を読み出す(#805)。
さらに、遷移元表示制御部12は、読み出した要素テーブル6に示される要素コード6aそれぞれに対応する要素データ8Aと、読み出した構成テーブル7に示される要素コード7aそれぞれに対応する要素データ8Aとを、画面データ記憶部17の要素ライブラリから読み出す。
遷移元表示制御部12は、各要素を、それぞれについて定められた座標に配置することによって、応用設定画面31を生成する(#806)。
なお、要素群に属さない要素の座標は、配置情報6dに示されている。要素群全体の座標も、配置情報6dに示されている。要素群に属する要素の座標は、構成テーブル7の位置情報7bに示されている。ただし、この座標は、要素群における座標である。そこで、遷移元表示制御部12は、この座標および要素群全体の座標に基づいて、遷移元表示制御部12における位置の座標を算出する。要素の形状、サイズ、および外観は、要素データ8Aに示されている。
そして、遷移元表示制御部12は、生成した応用設定画面31が応用設定画面31のグローバル座標の位置に表示されるように、タッチパネルディスプレイ10gを制御する(#807)。
応用設定画面31には、バッジ列400が配置されている。応用設定画面31が表示された後、ユーザがバッジ列400をフリックしまたはドラッグすると、遷移元表示制御部12は、フリックまたはドラッグの方向、長さ、または速さに応じて、バッジ列400をスクロールさせる。
さらに、バッジ列400には、ブック原稿バッジ41bが配置されている。バッジ列400がスクロールすると、ブック原稿バッジ41bも移動する。
ユーザがクローズボタン316をタップするなど、応用設定画面31の表示を終了させる操作を行うと、遷移元表示制御部12は、応用設定画面31の表示を終了させる。
ユーザがブック原稿バッジ41bをタップすると、ブック原稿バッジ41bに対応する画面をタッチパネルディスプレイ10gに遷移先画面として表示させるための処理が遷移先決定部14および遷移先表示制御部16によって図14に示す手順で実行される。
遷移先決定部14は、遷移先画面とすべき画面を次のように決定する。複数の画面コードが、タップされた要素の要素データ6Gまたは7Eにリンク先画面コード6fまたは7dとして示されているか否かをチェックする(図14の#821)。
示されていない場合は(#822でNo)、遷移先決定部14は、タップされた要素の要素データ8Aに従って遷移先画面にすべき画面を決定する(#823)。
そして、遷移先表示制御部16は、遷移元画面を表示する場合と同様に、決定した画面を、その画面の各データに基づいてタッチパネルディスプレイ10gに表示させる(#830)。
一方、示されている場合は(#822でYes)、遷移先決定部14は、リンク先画面コード6fまたは7dそれぞれに対応する要素テーブル6および画面属性データ5Eを読み出す(#824、#825)。本例では、ブック原稿バッジ41bがタップされたので、要素データ7E1においてリンク先画面コード7dとして示される4つの画面コードそれぞれに対応する要素テーブル6と画面属性データ5Eとを読み出す。
その結果、本例では、ブック原稿設定画面33A、33B、33C、および33Dそれぞれの要素テーブル6と画面属性データ5Eとが読み出される。以下、データが読み出されたこれらの画面を「候補画面」と記載する。なお、ブック原稿設定画面33Aの要素テーブル6および画面属性データ5Eは、それぞれ、図7(A)の要素テーブル631および図4の画面属性データ5E31である。
さらに、遷移先決定部14は、読み出した要素テーブル6および画面属性データ5Eに基づいて、候補画面それぞれを表示した際の特定要素のグローバル座標を算出する(#826)。ここで、算出の方法を、ブック原稿設定画面33Aを表示した際の特定要素(本例では、スイッチ334)のグローバル座標を算出する場合を例に説明する。
遷移先決定部14は、ブック原稿設定画面33Aの要素テーブル6つまり631から、「特定要素」を属性6cとして示す要素データ6Gを抽出する。
そして、遷移先決定部14は、抽出した要素データ6Gの配置情報6dおよびブック原稿設定画面33Aの画面属性データ5Eつまり5E31に示される表示位置情報5cに基づいて、特定要素のグローバル座標を算出する。
表示位置情報5cには、ブック原稿設定画面33Aの位置のグローバル座標が示される。一方、配置情報6dには、特定要素のローカル座標が示される。よって、遷移先決定部14は、このグローバル座標に、このローカル座標を加算することによって、特定要素のグローバル座標を算出する。
ただし、表示位置情報5cには、複数(本例では、3つ)のグローバル座標が示される。そこで、遷移先決定部14は、それぞれを用いて特定要素のグローバル座標を算出する。つまり、本例では、(0,y2)、(x1,y2)、(x2,y2)の各グローバル座標を(u12,v12)に加算することによって、(0+u12,y2+v12)、(x1+u12,y2+v12)、(x2+u12,y2+v12)の3つの座標が特定要素のグローバル座標として算出される。
遷移先決定部14は、同様の方法によって、残りの候補画面それぞれの特定要素のグローバル座標を算出する。以下、残りの候補画面それぞれの表示位置情報5cにも、3つずつグローバル座標が示されるものとして説明する。
その結果、本例では、特定要素のグローバル座標として12個のグローバル座標が算出される。
遷移先決定部14は、さらに、タップされた要素すなわちブック原稿バッジ41bのグローバル座標を、画面属性データ5E1およびブック原稿バッジ41bの要素データ7Eに基づいて算出する(#827)。
算出の方法は、特定要素のグローバル座標の算出の方法と同様である。つまり、画面属性データ5E1に表示位置情報5cとして示されるグローバル座標に、要素データ7Eに名称7cとして示されるローカル座標を加えることによって、ブック原稿バッジ41bのグローバル座標を算出する。
遷移先決定部14は、特定要素の12個のグローバル座標の中からブック原稿バッジ41bのグローバル座標に最も近いものを選出し、遷移先画面とすべき画面を、選出したグローバル座標に係る候補画面に決定する(#828)。
遷移先表示制御部16は、遷移先決定部14によって選出されたグローバル座標の位置に、遷移先決定部14によって決定された候補画面が遷移先画面として表示されるように、タッチパネルディスプレイ10gを制御する(#829)。
表示の方法は、遷移元表示制御部12による遷移元画面の表示の方法と同様である。つまり、遷移先表示制御部16は、遷移先画面の画面属性データ5Eおよび要素テーブル6、遷移先画面に含まれる要素群の構成テーブル7、および各要素の要素データ8Aを読み出す。そして、これらに基づいて遷移先画面を生成し、選出されたグローバル座標の位置に表示させる。
これにより、図15(A)または(B)に例示するように、ブック原稿バッジ41bのすぐ近くに特定要素であるスイッチ334が位置するように、ブック原稿設定画面33Aが表示される。または、図16(A)または(B)に例示するように、ブック原稿バッジ41bのすぐ近くに特定要素であるスイッチ334が位置するように、ブック原稿設定画面33Bが表示される。
なお、画像形成装置1は、X座標の範囲に応じた複数の画面を予め用意しておいてもよい。そして、ブック原稿バッジ41bのグローバル座標のX座標に応じた画面を遷移先画面として表示させてもよい。
例えば、画像形成装置1に、0<X<Lx/2、の範囲に対応する画面としてブック原稿設定画面33Aを用意しておき、Lx/2≦X<Lx、の範囲に対応する画面としてブック原稿設定画面33Bを用意しておく。そして、画像形成装置1は、ブック原稿バッジ41bのグローバル座標のX座標が、0<X<Lx/2、の範囲に入る場合は、ブック原稿設定画面33Aを遷移先画面として表示させ、Lx/2≦X<Lx、の範囲に入る場合は、ブック原稿設定画面33Bを遷移先画面として表示させる。
第1の表示形態を、応用設定画面31が遷移元画面である場合を例に説明したが、他の画面が遷移元画面である場合にも、遷移先画面を表示させることができる。以下、遷移元画面が宛先選択画面32(図11参照)であり、遷移先画面としてブック原稿設定画面33A〜33Dのいずれかを表示する場合の処理を、説明する。
ユーザが所定の操作を行うと、遷移元表示制御部12は、宛先選択画面32をタッチパネルディスプレイ10gに表示させる処理を実行する。表示の方法は、応用設定画面31の表示の方法と同様である。つまり、宛先選択画面32の画面属性データ5E2および要素テーブル62、宛先選択画面32に含まれる要素群の構成テーブル72、および各要素の要素データ8Aを読み出す。そして、これらに基づいて宛先選択画面32を生成し、宛先選択画面32の画像データをタッチパネルディスプレイ10gへ送る。
ユーザは、所定の操作を行うことによって、バッジ列401におけるブック原稿バッジ41bの位置をカスタマイズすることができる。この際に、カスタマイズのバッジ41の配列が示されるように、構成テーブル71が更新される。
ユーザがブック原稿バッジ41bをタップすると、ブック原稿バッジ41bに対応する画面をタッチパネルディスプレイ10gに遷移先画面として表示させるための処理が遷移先決定部14および遷移先表示制御部16によって実行される。処理の手順は、応用設定画面31においてブック原稿バッジ41bがタップされた場合の処理と同様であって、図14に示した通りである。ただし、応用設定画面31のデータの代わりに宛先選択画面32のデータが用いられる。
その結果、図17(A)または(B)に例示するように、ブック原稿バッジ41bのすぐ近くに特定要素であるスイッチ334が位置するように、ブック原稿設定画面33Cが表示される。または、図18(A)または(B)に例示するように、ブック原稿バッジ41bのすぐ近くに特定要素であるスイッチ334が位置するように、ブック原稿設定画面33Dが表示される。
〔第2の表示形態〕
図19は、枠消し設定画面34A、34Bの例を示す図である。図20は、遷移先画面表示処理の流れの例を説明するフローチャートである。図21は、グローバル座標系におけるスイッチ344と枠消しバッジ41sとの位置関係の例を示す図である。図22は、枠消し設定画面34Aの表示の態様の例を示す図である。図23は、枠消し設定画面34fの表示の態様の例を示す図である。
第2の表示形態は、第1の表示形態と同様に、1つの可動切替えボタンに対して複数の遷移先画面を用意しておき、この可動切替えボタンがタップされると、これらの遷移先画面のいずれか1つを表示する形態である。
しかし、第2の表示形態では、これらの遷移先画面の表示される位置が固定である。さらに、これらの遷移先画面に配置される特定要素がいずれも、タップされた可動切替えボタンから一定の距離以上離れている場合は、この可動切替えボタンの位置に適した新たな遷移先画面を生成して表示する。
以下、応用設定画面31(図9参照)が遷移元画面であり、図19に示す枠消し設定画面34A、34B、または34fが遷移先画面である場合を例に、第2の表示形態の処理について説明する。第1の表示形態と重複する点については、説明を省略する。
枠消し設定画面34A、34Bは、枠消し処理について、ユーザが設定を行うための画面である。
図19(A)に示すように、枠消し設定画面34Aは、ウィンドウ341にOKボタン342、中止ボタン343、スイッチ344、設定値欄345、増ボタン346、減ボタン347、メッセージ欄348などが配置されて構成される。スイッチ344は、特定要素である。枠消し設定画面34Aの左右方向の長さは表示面20の長さLxとほぼ等しく、上下方向の長さは表示面20の長さLyよりも短い。
設定値欄345は、枠の幅(消去量)の設定値を示す。増ボタン346は、枠の幅の値を増やすように指示するためボタンである。減ボタン347は、枠の幅の値を減らすように指示するためボタンである。
枠消し設定画面34Aにおいて、スイッチ344の位置は、ウィンドウ341の上端部であって、左右方向の中央部である。
図19(B)に示す枠消し設定画面34Bの基本的な構成および機能は、枠消し設定画面34Aと同様である。枠消し設定画面34Aとの差異は、要素の配置である。特に、枠消し設定画面34Bでは、スイッチ344が、ウィンドウ341の左右方向の中央部ではなく右端部に配置されている。
遷移元表示制御部12は、ユーザが所定の操作を行うと、応用設定画面31をタッチパネルディスプレイ10gに表示させる処理を行う。表示の方法は、第1の表示形態で説明した通りである。バッジ列400には、枠消しバッジ41sが配置されている。バッジ列400がスクロールすると、枠消しバッジ41sも移動する。
ユーザが枠消しバッジ41sをタップすると、枠消しバッジ41sに対応する画面つまり枠消し設定画面34A、34B、または34fをタッチパネルディスプレイ10gに遷移先画面として表示させるための処理が遷移先決定部14および遷移先表示制御部16によって、図20に示す手順で実行される。
遷移先決定部14は、ブック原稿バッジ41bがタップされた場合と同様に、複数の画面コードが、タップされた要素つまり枠消しバッジ41sの要素データ6Gまたは7Eにリンク先画面コード6fまたは7dとして示されているか否かをチェックする(図20の#841)。
本例では、複数のリンク先画面コード6fまたは7dが示されているので(#842でYes)、遷移先決定部14は、リンク先画面コード6fまたは7dそれぞれに対応する要素テーブル6および画面属性データ5Eを読み出す(#845、#846)。
遷移先決定部14は、読み出した要素テーブル6および画面属性データ5Eに基づいて第1の表示形態の場合と同様に、候補画面それぞれを表示した際の特定要素のグローバル座標を算出する(#847)。なお、本例においては、枠消し設定画面34Aおよび34Bが候補画面であり、スイッチ344が特定要素である。
遷移先決定部14は、枠消しバッジ41sのグローバル座標を算出する(#848)。算出の方法は、ブック原稿バッジ41bのグローバル座標の算出の方法と同様である。
遷移先決定部14は、候補画面(枠消し設定画面34Aおよび34B)それぞれのスイッチ344のグローバル座標のうち、枠消しバッジ41sのグローバル座標に最も近いものを選出する(#849)。第1の表示形態では選出した候補画面を遷移先画面に決定した。しかし、第2の表示形態では、さらに、次の処理を実行する。
遷移先決定部14は、図21(A)に示す、グローバル座標系における枠消しバッジ41sと選出した候補画面のスイッチ344との距離L1を算出する(#850)。そして、距離L1が所定の距離未満であれば(#851でYes)、選出した候補画面を遷移先画面に決定する(#852)。一方、所定の距離以上である場合は(#851でNo)、新たに生成する画面(枠消し設定画面34f)を遷移先画面に決定する(#854)。
なお、2つの要素(枠消しバッジ41sおよび選出した候補画面のスイッチ344)それぞれが表示される領域は、それぞれのグローバル座標および要素データ8Aに示されるサイズに基づいて求めることができる。
所定の距離は、画像形成装置1の管理者が予め任意に設定することができるが、特定要素(本例では、スイッチ344)の幅または高さの0.3〜1.5倍程度の長さが好ましい。
または、図21(B)に示す枠消しバッジ41sの左端のX座標の値と選出した候補画面のスイッチ344の右端のX座標の値との差Lx2、または、図21(C)に示すバッジ41sの右端のX座標の値と選出した候補画面のスイッチ344の左端のX座標の値との差Lx3が所定の値未満であれば、選出した候補画面を遷移先画面に決定し、所定の値以上であれば、新たに生成する画面を遷移先画面に決定してもよい。所定の値は、枠消しバッジ41sの幅の0.1〜0.5倍程度の長さが好ましい。
ただし、バッジ列400が上下方向(Y方向)にスクロールする場合は、右端のX座標の値の代わりに上端のY座標の値が用いられ、左端のY座標の値の代わりに下端のY座標の値が用いられる。
遷移先表示制御部16は、遷移先決定部14によって決定された候補画面が予め用意されたものである場合は、遷移先画面としてタッチパネルディスプレイ10gに表示させる処理を実行する(#853)。表示の方法は、遷移元表示制御部12による遷移元画面の表示の方法と同様である。これにより、例えば、候補画面が枠消し設定画面34Aに決定した場合は、図22のように、応用設定画面31の上に枠消し設定画面34Aを表示させる。
一方、遷移先決定部14によって決定された候補画面が新たに生成する画面である場合は、遷移先表示制御部16は、次のように処理を行う。
遷移先表示制御部16は、枠消し設定画面34fを次のように生成する(#855)。枠消し設定画面34Aの画面属性データ5E(図4参照)を読み出す。読み出した画面属性データ5Eにテーブルコード5dとして示される要素テーブルコードに対応する要素テーブル6(図6〜図7参照)を読み出す。そして、読み出した要素テーブル6のいずれかの要素データ6Gにリンク先画面コード6fが示される場合は、そのリンク先画面コード6fに対応する構成テーブル7を読み出す。
これらのデータに基づいて、遷移先表示制御部16は、枠消しバッジ41sのグローバル座標のX座標の値から枠消し設定画面34Aのスイッチ344のグローバル座標のX座標の値を引くことによって、移動量Mxを算出する。
遷移先表示制御部16は、各要素を、それぞれについて定められた座標に配置することによって、枠消し設定画面34fを生成する。ただし、スイッチ344は、スイッチ344の配置情報6dに示される位置よりも移動量Mxだけシフトさせた位置に配置する。つまり、移動量Mxが正の値である場合は、移動量Mxの絶対値だけ右方へシフトさせて配置する。負の値である場合は、移動量Mxの絶対値だけ左方へシフトさせて配置する。また、メッセージ欄348にスイッチ344が重なる場合は、メッセージ欄348をスイッチ344の右側に配置する。スイッチ344の位置に応じてメッセージ欄348の幅を広げてもよいし、狭めてもよいし、2つに分割してもよい。
そして、遷移元表示制御部12は、枠消し設定画面34Aの画面属性データ5Eつまり5E41に示されるグローバル座標の位置に枠消し設定画面34fが表示されるようにタッチパネルディスプレイ10gを制御する。これにより、図23のように、タッチパネルディスプレイ10gに枠消し設定画面34fが表示される。
なお、複数のリンク先画面コード6fまたは7dが示されていない場合は(#842でNo)、遷移先決定部14は、タップされた要素の要素データ8Aに従って遷移先画面にすべき画面を決定し(#843)、遷移先表示制御部16は、それをタッチパネルディスプレイ10gに表示させる(#844)。
図24は、ブック原稿設定画面33Aの表示の態様の例を示す図である。図25は、ブック原稿設定画面33Bの表示の態様の例を示す図である。図26は、ブック原稿設定画面33g〜33iの表示の態様の例を示す図である。
第2の表示形態は、ブック原稿バッジ41bがタップされた際に遷移先画面を表示する場合にも、適用することができる。
つまり、図20に示した手順で遷移先画面を決定し表示する処理を行うことができる。これにより、図24に示すようにブック原稿設定画面33Aが応用設定画面31の上に表示される。または、図25に示すようにブック原稿設定画面33Bが応用設定画面31の上に表示される。または、図26に示すように新たに生成したブック原稿設定画面33g、33h、または33iが応用設定画面31の上に表示される。
〔第3の表示形態〕
図27は、枠消し設定画面34E、34H、34Kの例を示す図である。
第1の表示形態および第2の表示形態では、遷移先決定部14は、複数の候補画面(遷移先画面の候補)のうちの、遷移元画面のタップされた切替えボタンのグローバル座標に最も近いグローバル座標の特定要素を有する画面を選出した。
しかし、遷移元画面において切替えボタンが配置され得る位置が幾つかに限られることがある。このような場合は、切替えボタンが配置され得る位置ごとに好適な画面を用意しておいてもよい。そして、切替えボタンがタップされると、遷移先決定部14は、タップされた時点の切替えボタンの位置に対応する画面を選出し、遷移先表示制御部16は、選出された画面を遷移先画面としてタッチパネルディスプレイ10gに表示させればよい。
例えば、枠消しバッジ41sは、宛先選択画面32(図11参照)の7つの位置に配置され得る。そこで、これらの位置ごとに、タッチパネルディスプレイ10gに表示された際に枠消しバッジ41sのほぼ真上に特定要素つまりスイッチ344が配置されるような画面(枠消し設定画面34E〜34K)を用意しておく。
そして、遷移先決定部14は、枠消しバッジ41sがバッジ列401の左から1番目に位置する場合は、遷移先画面を枠消し設定画面34Eに決定し、遷移先表示制御部16は、図27(A)のように枠消し設定画面34Eを表示させる。
または、左から4番目に位置する場合は、遷移先決定部14は、遷移先画面を枠消し設定画面34Hに決定し、遷移先表示制御部16は、図27(B)のように枠消し設定画面34Hを表示させる。
または、左から7番目に位置する場合は、遷移先決定部14は、遷移先画面を枠消し設定画面34Kに決定し、遷移先表示制御部16は、図27(B)のように枠消し設定画面34Kを表示させる。
〔第4の表示形態〕
図28は、日付スタンプ設定画面35の例を示す図である。図29は、文字詳細設定画面36A、36Bの例を示す図である。図30は、日付スタンプ設定画面35の上に文字詳細設定画面36Bを重ねて表示する態様の例を示す図である。
第1の表示形態ないし第3の表示形態では、遷移元画面の上に遷移先画面が重なっても、遷移元画面のタップされた切替えボタンが隠れることなく現われたままであった。しかし、タップされた切替えボタンが遷移先画面に隠れてもよい。
また、遷移元画面の切替えボタンの位置は、バッジ列のスクロールまたはカスタマイズだけでなく、ドラッグなどの操作によって遷移元画面の全体が表示面20の上を移動することによって変わり得る。また、遷移先画面に特定要素が複数、備わっている場合がある。
以下、これらの条件の下における処理を、図28に示す日付スタンプ設定画面35が遷移元画面であり、図29に示す文字詳細設定画面36Aまたは36Bが遷移先画面である場合を例に説明する。
日付スタンプ設定画面35は、送信する画像に日付を表わす文字列を付加する日付スタンプ機能をユーザが設定するための画面であって、ウィンドウ351に文字詳細ボタン352などが配置されて構成される。文字詳細ボタン352は、文字詳細設定画面36Aまたは36Bを表示させるための切替えボタンである。
文字詳細設定画面36Aは、文字列の属性を設定するための画面であって、図29(A)に示すように、ウィンドウ361に3つのスイッチ362、363、および364などが左から順に配置されて構成される。
スイッチ362は、文字のサイズを設定するための要素である。スイッチ363は、文字のフォント(種類)を設定するための要素である。スイッチ364は、文字の色を設定するための要素である。スイッチ362、363は、特定要素である。横一列に要素が並ぶ場合は、一般に、ユーザは、左方の要素から順に操作することが多い。
文字詳細設定画面36Bも、文字詳細設定画面36Aと同様の要素によって構成される。ただし、図29(B)に示すように、スイッチ362、363、および364の位置が文字詳細設定画面36Aとは異なる。
つまり、特定要素を1つの塊にして、この塊が右側にある画面(文字詳細設定画面36A)および左側にある画面(文字詳細設定画面36B)を、文字詳細ボタン352に対応する遷移先画面として用意しておく。
文字詳細設定画面36A、36Bは、ともに表示面20の同一の1つの位置に表示される。したがって、文字詳細設定画面36A、36Bが表示された際のスイッチ362、363、および364それぞれのグローバル座標は、固定的である。
なお、日付スタンプ設定画面35および文字詳細設定画面36A、36Bそれぞれの画面属性データ5E、要素テーブル6、および要素データ8Aが画面データ記憶部17に記憶されている。
遷移元表示制御部12は、日付スタンプ設定画面35をタッチパネルディスプレイ10gに表示させる。
遷移先決定部14は、文字詳細ボタン352がタップされると、文字詳細ボタン352のグローバル座標を算出する。そして、算出したグローバル座標が、文字詳細設定画面36Aのスイッチ362、363を囲う最小の矩形の中心のグローバル座標および文字詳細設定画面36Bのスイッチ362、363を囲う最小の矩形の中心のグローバル座標のどちらに近いかを判別する。
そして、遷移先決定部14は、遷移先画面を、近い方のグローバル座標に係る画面に決定する。つまり、前者のほうが近い場合は、文字詳細設定画面36Aに決定し、後者のほうが近い場合は、文字詳細設定画面36Bに決定する。近さが同じである場合は、先に操作される要素が左側に配置されているほうの画面つまり文字詳細設定画面36Aに決定すればよい。
遷移先表示制御部16は、遷移先決定部14によって決定された遷移先画面をタッチパネルディスプレイ10gに表示させる。例えば、遷移先画面が文字詳細設定画面36Bに決定された場合は、図30のように、日付スタンプ設定画面35の上に文字詳細設定画面36Bを重ねて表示させる。
〔第5の表示形態〕
図31は、文字詳細設定画面36Cの状態の遷移の例を示す図である。図32は、日付スタンプ設定画面35の上の文字詳細設定画面36Cを重ねて表示する態様の例を示す図である。図33は、遷移先画面の初期の状態を決めるために算出する距離L2を示す図である。
第1の表示形態、第2の表示形態、または第3の実施形態では、ブック原稿設定画面33A〜33Dおよび枠消し設定画面34A、34Bのいずれか、または、新たに生成した枠消し設定画面(枠消し設定画面34f〜34i)を、遷移先画面として表示した。ブック原稿設定画面33A〜33Dは、タップされた切替えボタンの位置に関わらず、構成される要素が同一である。枠消し設定画面34A、34B、34f〜34iも、同様である。
しかし、第5の表示形態では、タップされた切替えボタンの位置に応じて、遷移先画面に最初に配置される要素が異なる。そして、ユーザによる操作に応じて、最初に配置されない要素が適宜、遷移先画面に表われる。
以下、この仕組みについて、日付スタンプ設定画面35(図28参照)が遷移元画面であり、文字詳細設定画面36Cが遷移先画面である場合を例に説明する。
ただし、本例においては、文字詳細ボタン352がタップされた場合は、複数の画面のうちの1つを選択的に表示させるのではなく、文字詳細設定画面36Cを表示させる。
文字詳細設定画面36Cを構成する要素は、文字詳細設定画面36Aを構成する要素と同様であり、図29(A)に示した通りである。
ただし、文字詳細設定画面36Cは、図31(A)〜(C)に示す3つの状態を取り得る。1つ目の状態は、図31(A)に示すように、スイッチ362〜364のうちの、スイッチ362のみが右端に寄せて配置された状態である。2つ目の状態は、図31(B)に示すように、スイッチ362、363のみが右半部に配置された状態である。3つ目の状態は、図31(C)に示すように、スイッチ362〜364すべてが配置された状態である。
遷移先決定部14は、日付スタンプ設定画面35において文字詳細ボタン352がタップされると、遷移先画面を文字詳細設定画面36Cに決定する。ただし、本例では、どのような状態で文字詳細設定画面36Cを表示させるのかを、さらに決定する。具体的には、1つ目の状態で表示させると決定する。
遷移先表示制御部16は、遷移先決定部14による決定の結果に応じて、文字詳細設定画面36Cを1つ目の状態でタッチパネルディスプレイ10gに表示させる。これにより、図32(A)のように、文字詳細設定画面36Cが日付スタンプ設定画面35の上に表示される。
なお、文字詳細ボタン352のグローバル座標に応じて、スイッチ362の位置を変えてもよい。具体的には、図32(B)に示すように、文字詳細ボタン352のグローバル座標のX座標の値とスイッチ362のグローバル座標のX座標の値が同じになるように、スイッチ362の位置を変えてもよい。
その後、遷移先表示制御部16は、スイッチ362に対して設定の操作がなされると、文字詳細設定画面36Cを2つ目の状態つまり図31(B)に示す状態に変化させる。そして、スイッチ363に対して設定の操作がなされると、3つ目の状態つまり図31(C)に示す状態に変化させる。
または、文字詳細設定画面36Cを次のように表示させてもよい。遷移先決定部14は、文字詳細ボタン352の幅およびグローバル座標ならびに文字詳細設定画面36Cの幅およびグローバル座標に基づいて、図33に示す文字詳細ボタン352の左端から文字詳細設定画面36Cの右端までの距離L2を算出する。
距離L2が、スイッチ362、363の2つが配置される幅L31未満である場合は、遷移先決定部14は、1つ目の状態つまり図31(A)の状態に決定する。そして、遷移先表示制御部16は、この状態で文字詳細設定画面36Cを表示させる。その後、上述の通り、ユーザの操作に応じて、2つ目の状態、3つ目の状態に遷移させる。
距離L2が、距離L31以上かつスイッチ362〜364の3つが配置される幅L32未満である場合は、遷移先決定部14は、2つ目の状態つまり図31(B)の状態に決定する。そして、遷移先表示制御部16は、この状態で文字詳細設定画面36Cを表示させる。その後、ユーザがスイッチ362、363のいずれか一方に対して操作を行ったら、3つ目の状態に遷移させる。両方に対して操作を行った場合にのみ、3つ目の状態に遷移させてもよい。
距離L2が、距離L32以上である場合は、遷移先決定部14は、3つ目の状態つまり図31(C)の状態に決定する。そして、遷移先表示制御部16は、この状態で文字詳細設定画面36Cを表示させる。
図34は、画像形成装置1における画面の表示の処理の流れの例を示すフローチャートである。
次に、画面の表示の処理の全体的な流れを、図34に示すフローチャートを参照しながら説明する。
画像形成装置1は、表示処理プログラム10Pに基づいて、図34に示すフローチャートの手順で処理を実行する。
画像形成装置1は、所定の操作が行われると、遷移元画面を表示する処理を行う(図34の#101)。この処理の手順は、前に図13で説明した通りである。
遷移元画面の中のバッジ列がフリックされまたはドラッグされると(#102でYes)、画像形成装置1は、フリックまたはドラッグの方向、長さ、または速さに応じて、バッジ列をスクロールさせる(#103)。
または、クローズボタンのタップなど遷移元画面の表示を終了させる操作が行われると(#104でYes)、画像形成装置1は、遷移元画面の表示を終了する(#105)。
または、切替えボタンがタップされると(#106でYes)、画像形成装置1は、切替えボタンに対応する遷移先画面を表示するための処理を行う(#107)。処理の手順は、図14または図20で説明した通りである。または、第3〜第5の表示形態で説明した通りである。
本実施形態によると、位置が可変であるボタンに応じた画面への切替えを従来よりも高速に行うことができる。
本実施形態では、画像形成装置1における画面の表示を例に説明したが、他の装置の画面の表示のためにも、本発明を適用することができる。
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序、データの構成、画面の構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。