JP6746630B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式のカラー画像形成装置においては、従来から、各色の画像形成部から中間転写体に順次トナー像を転写し、さらに中間転写体から転写材に一括してトナー像を転写する中間転写方式を用いる構成が知られている。
このような画像形成装置では、各色の画像形成部がそれぞれ像担持体としてのドラム状の感光体(以下、感光ドラムと称する)を有している。また、中間転写体としては、無端状のベルトで形成された中間転写ベルトが広く用いられている。各画像形成部の感光ドラムに形成されたトナー像は、中間転写ベルトを介して感光ドラムに対向して設けられた一次転写部材に一次転写電源から電圧を印加することによって、中間転写ベルトに一次転写される。各色の画像形成部から中間転写ベルトに一次転写された各色のトナー像は、二次転写部において二次転写電源から二次転写部材へ電圧を印加することによって、中間転写ベルトから紙やOHPシートなどの転写材に一括して二次転写される。転写材に転写された各色のトナー像は、その後、定着手段により転写材に定着される。
中間転写方式の画像形成装置では、中間転写ベルトから転写材にトナー像を二次転写した後に中間転写ベルトにトナー(転写残トナー)が残留する。そのため、次の画像に対応したトナー像を中間転写ベルトに一次転写する前に中間転写ベルトに残留した転写残トナーを除去する必要がある。
転写残トナーを除去するクリーニング方式としては、ブレードクリーニング方式が広く用いられている。ブレードクリーニング方式では、中間転写ベルトの移動方向に関して二次転写部よりも下流側に配置され、中間転写ベルトに当接する当接部材としてのクリーニングブレードによって転写残トナーを掻き取ってクリーニング容器に回収する。クリーニングブレードとしては、一般的に、ウレタンゴムなどの弾性体が用いられている。このクリーニングブレードは、中間転写ベルトの移動方向に対向するような方向(カウンター方向)から、クリーニングブレードのエッジ部を中間転写ベルトに対して圧接された状態で配置されることが多い。
特許文献1には、クリーニングブレードの磨耗を抑制するために、中間転写ベルトの表面に、中間転写ベルトの移動方向に沿った溝を形成する構成が開示されている。
特開2015−125187号公報
転写残トナーの回収性の観点から、中間転写ベルトの移動方向と直交する幅方向に関して、クリーニングブレードの幅は、感光ドラムから中間転写ベルトにトナーを転写することが可能である画像形成領域の幅よりも大きく設定されている。クリーニングブレードと中間転写ベルトとが接触する位置において、中間転写ベルトの幅方向に関して画像形成領域の内側に対応する位置では、クリーニングブレード対してトナーが供給されることでクリーニングブレードの摩耗が抑制される。一方で、画像形成領域の外側に対応する位置では、クリーニングブレードに対してトナーが供給されない、若しくは、供給されるトナー量が少なくなるため、クリーニングブレードが摩耗しやすい。
クリーニングブレード摩耗量が長手方向に関して均一でない場合、中間転写ベルトに対するクリーニングブレードの当接姿勢が安定しないことで、トナーがクリーニングブレードを通過してしまい、クリーニング不良が発生するおそれがある。また、クリーニングブレードと中間転写ベルトとが接触する位置に到達する転写残トナーの量が増えていくと、転写残トナーの一部が画像形成領域の外側に押し出された場合に、トナーが摩耗したクリーニングブレードを通過してしまうおそれがある。その結果、クリーニング不良が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、中間転写体の移動方向と直交する幅方向に関して、当接部材の摩耗量が不均一となることによるクリーニング不良の発生を抑制することを目的とする。
本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に当接し、前記像担持体に担持されたトナー像を一次転写される移動可能な中間転写体と、前記中間転写体の移動方向に関して、前記中間転写体に一次転写されたトナー像を前記中間転写体から転写材に二次転写する二次転写部よりも下流側に設けられ、前記中間転写体に当接する当接部材と、を備え、前記二次転写部を通過した後に前記中間転写体に残留したトナーを前記当接部材によって回収手段に回収する画像形成装置において、前記像担持体にトナー像を現像する現像手段であって、トナーを収容する現像容器と、前記現像容器に設けられる開口部と、前記現像容器に収容されたトナーを担持する現像部材と、を有し、前記開口部を介して前記現像容器から供給されるトナーを担持した前記現像部材が前記像担持体と当接することにより、前記像担持体にトナー像を現像する現像手段を備え、前記移動方向と直交する幅方向に関して、前記当接部材の幅は、前記像担持体から前記中間転写体にトナー像を一次転写することが可能な画像形成領域の幅、及び前記開口部の幅よりも大きく、前記幅方向に関して前記画像形成領域が形成されている領域は前記開口部が形成されている領域よりも内側に設けられており、前記中間転写体は、前記幅方向に関して前記開口部が形成されている領域の外側に形成されている領域に対応する第1の領域における動摩擦係数が、前記幅方向に関して前記画像形成領域の内側に形成されている領域に対応する第2の領域における動摩擦係数よりも小さく、前記幅方向に関して前記開口部が形成されている領域から前記画像形成領域を除いた領域に対応する第3の領域における動摩擦係数が、前記第1の領域における動摩擦係数と前記第2の領域における動摩擦係数の間となるように設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、中間転写体の移動方向と直交する幅方向に関して、当接部材の摩耗量が不均一となることによるクリーニング不良の発生を抑制することができる。
実施例1の画像形成装置の構成を説明する概略断面図である。 実施例1の中間転写ベルトの構成を説明する模式図である。 実施例1の当接部材の構成を説明する模式図である。 実施例1における各部材の長手幅と長手の位置関係を説明する模式図である。 実施例1における、中間転写ベルトに形成した溝の構成を説明する模式図である。 実施例1における、中間転写ベルトの幅方向に関して溝間隔を異ならせる構成を説明する模式図である。 実施例2における、中間転写ベルトの幅方向に関して各溝の溝幅を異ならせる構成を説明する模式図である。 実施例2の変形例における、中間転写ベルトの幅方向に関して動摩擦係数を異ならせる構成を説明する模式図である。 実施例3における、中間転写ベルトの表面形状を説明する模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1は、本実施例の画像形成装置100の構成を示す概略断面図である。なお、本実施例の画像形成装置100は、a〜dの複数の画像形成部を設けている、いわゆるタンデム型の画像形成装置である。第1の画像形成部aはイエロー(Y)、第2の画像形成部bはマゼンタ(M)、第3の画像形成部cはシアン(C)、第4の画像形成部dはブラック(Bk)の各色のトナーによって画像を形成する。これら4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されており、各画像形成部の構成は収容するトナーの色を除いて実質的に共通である部分が多い。したがって、以下、第1の画像形成部aを用いて本実施例の画像形成装置100について説明する。
第1の画像形成部aは、ドラム状の感光体である感光ドラム1aと、帯電部材である帯電ローラ2aと、現像手段4aと、ドラムクリーニング手段5aと、を有する。
感光ドラム1aは、トナー像を担持する像担持体であり、図示矢印R1方向に所定のプロセススピード(本実施例では200mm/sec)で回転駆動される。現像手段4aは、イエローのトナーを収容する現像容器41aと、現像容器41aに収容されたイエロートナーを担持し、感光ドラム1aにイエロートナー像を現像するための現像部材としての現像ローラ42aと、を有する。ドラムクリーニング手段5aは、感光ドラム1aに付着したトナーを回収するための手段である。ドラムクリーニング手段5aは、感光ドラム1aに接触するクリーニングブレードと、クリーニングブレードによって感光ドラム1aから除去されたトナーなどを収容する廃トナーボックスと、を有する。
制御手段(不図示)が画像信号を受信することによって画像形成動作が開始されると、感光ドラム1aは回転駆動される。感光ドラム1aは回転過程で、帯電ローラ2aにより所定の極性(本実施例では負極性)で所定の電位(帯電電位)に一様に帯電処理され、露光手段3aにより画像信号に応じた露光を受ける。これにより、目的のカラー画像のイエロー色成分像に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は現像位置において現像手段4aにより現像され、イエロートナー像(以下、単にトナー像と称する。)として可視化される。ここで、現像手段4aに収容されたトナーの正規の帯電極性は、負極性である。この実施例では帯電部材による感光ドラムの帯電極性と同極性に帯電したトナーにより静電潜像を反転現像しているが、本発明は、感光ドラムの帯電極性とは逆極性に帯電したトナーにより静電潜像を正現像するようにした画像形成装置にも適用できる。
無端状で移動可能な中間転写体としての中間転写ベルト10は、各画像形成部a〜dの各感光ドラム1a〜1dと当接する位置に配置され、張架部材である支持ローラ11、張架ローラ12、対向ローラ13の3軸で張架されている。中間転写ベルト10は、張架ローラ12により総圧60Nの張力で張架されており、駆動力を受けて回転する対向ローラ13の回転によって図示矢印R2方向に移動する。なお、詳細は後述するが、本実施例における中間転写ベルト10は、複数の層によって構成されている。
感光ドラム1aに形成されたトナー像は、感光ドラム1aと中間転写ベルト10とが接触する一次転写部N1aを通過する過程で、一次転写電源23から一次転写ローラ6aに正極性の電圧を印加することで中間転写ベルト10に一次転写される。その後、中間転写ベルト10に一次転写されることなく感光ドラム1aに残留したトナーは、ドラムクリーニング手段5aによって回収されることで感光ドラム1aの表面から除去される。
ここで、一次転写ローラ6aは、中間転写ベルト10を介して感光ドラム1aに対応する位置に設けられ、中間転写ベルト10の内周面に接触する一次転写部材(接触部材)である。また、一次転写電源23は、一次転写ローラ6a〜6dに正極性又は負極性の電圧を印加することが可能な電源である。本実施例においては、複数の一次転写部材に対して共通の一次転写電源23から電圧を印加する構成について説明するが、これに限らず、各一次転写部材に対応させて複数の一次転写電源を設ける構成であっても本発明を適用できる。
以下、同様にして、第2色のマゼンタトナー像、第3色のシアントナー像、第4色のブラックトナー像が形成され、中間転写ベルト10に順次重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト10には、目的のカラー画像に対応した4色のトナー像が形成される。その後、中間転写ベルト10に担持された4色のトナー像は、二次転写ローラ20と中間転写ベルト10とが接触して形成する二次転写部を通過する過程で、給紙手段50により給紙された紙やOHPシートなどの転写材Pの表面に一括で二次転写される。
二次転写ローラ20は、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒に、体積抵抗率10Ω・cm、厚さ5mmに調整したNBRとエピクロルヒドリンゴムを主成分とする発泡スポンジ体で覆った外径18mmのものを用いている。なお、発泡スポンジ体のゴム硬度はアスカー硬度計C型を用いて測定し、500g荷重時に硬度30°であった。二次転写ローラ20は、中間転写ベルト10の外周面に接触しており、中間転写ベルト10を介して二次転写ローラ20に対向する位置に配置された対向ローラ13に対して50Nの加圧力で押圧され、二次転写部N2を形成している。
二次転写ローラ20は中間転写ベルト10に対して従動回転しており、二次転写電源21から電圧が印加されることにより、二次転写ローラ20から対向ローラ13に向かって電流が流れる。これにより、中間転写ベルト10に担持されていたトナー像は二次転写部において転写材Pに二次転写される。なお、中間転写ベルト10のトナー像を転写材Pに二次転写する際には、中間転写ベルト10を介して二次転写ローラ20から対向ローラ13に向かって流れる電流が一定になるように、二次転写電源21から二次転写ローラ20に印加される電圧が制御される。また、二次転写を行うための電流の大きさは、画像形成装置100が設置される周囲環境や転写材Pの種類により、予め決定されている。二次転写電源21は、二次転写ローラ20に接続しており、転写電圧を二次転写ローラ20に印加する。また、二次転写電源21は、100[V]から4000[V]の範囲の出力が可能である。
二次転写によって4色のトナー像を転写された転写材Pは、その後、定着手段30において加熱および加圧されることにより、4色のトナーが溶融混色して転写材Pに定着される。二次転写後に中間転写ベルト10に残ったトナーは、中間転写ベルト10の(回収手段)移動方向に関して二次転写部N2よりも下流側に設けられたベルトクリーニング手段16により清掃、除去される。ベルトクリーニング手段16は、対向ローラ13に対向する位置で中間転写ベルト10の外周面に当接する当接部材としてのクリーニングブレード16aと、クリーニングブレード16aによって回収されたトナーを収容する廃トナー容器16bと、を有する。なお、以下の説明においては、クリーニングブレード16aを単にブレード16aと称する。
本実施例の画像形成装置100においては、以上の動作により、フルカラーのプリント画像が形成される。
[中間転写ベルト10]
図2は、本実施例の中間転写ベルト10の構成を説明する模式図である。本実施例の中間転写ベルト10は、周長700mm、長手幅250mmで、基層82と表層81の2層からなる無端状のベルト部材(或いはフィルム状部材)である。ここで、基層とは、中間転写ベルト10の厚さ方向に関して、中間転写ベルト10を構成する層のうち、最も厚い層であると定義する。
図2に示すように、中間転写ベルト10の基層82は、厚さ60μmで、導電剤としてイオン導電剤を混合した無端状のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を用いている。中間転写ベルト10は、電気的特性としてはイオン導電性の特性を示し、高分子鎖間をイオンが伝播することによって電気伝導性が得られるため、周囲環境の温湿度に対して抵抗値変動はするものの、抵抗値の周方向のムラ等が良いのが特徴である。また、表層81は、アクリル樹脂から構成され、基層82の表面に形成されている。本実施例においては、表層81の厚さを2μmに設定した。
本実施例では、中間転写ベルト10における電圧降下を抑制するために、基層82の抵抗としては、体積抵抗率で1×10Ω・cm以下のものを使用した。体積抵抗率の測定は、三菱化学株式会社のHiresta−UP(MCP−HT450)にリングプローブのタイプUR(型式MCP−HTP12)を使用して行った。また測定条件は、室内温度は23℃、室内湿度は50%、印加電圧100V、測定時間10secの条件で行った。
[ベルトクリーニング手段16]
図3(a)は、ブレード16aと中間転写ベルト10の当接状態を説明する模式図であり、図3(b)はブレード16aと中間転写ベルト10との接触点を拡大した模式図である。本実施例におけるブレード16aは、中間転写ベルト10の移動方向(以下、ベルト搬送方向と称する)と交差する中間転写ベルト10の幅方向(ブレード16aの長手方向)に関して長い板状部材である。
本実施例におけるブレード16aは、中間転写ベルト10に接触しトナーをかきとる弾性部53と、その弾性部53を支持する板金部52を有し、弾性部53は、ポリウレタンから形成されたブレード部材である。ブレード16aは、中間転写ベルト10との接触する弾性部53の幅が長さ245mmのブレード形状となっており、弾性部53と板金部52が接着されて構成されている。ブレード16aの弾性部53は、中間転写ベルト10の移動方向と直交する幅方向に関する長手幅が245mm、厚さが2mmであり、板金部52との接着点からの長さである自由長が13mmである。また、ブレード16aの硬度はJIS K 6253規格で77度である。
ブレード16aに対向して、中間転写ベルト10の内周側には、対向ローラ13が配置されている。ブレード16aは、対向ローラ13に対向する位置で、ベルト搬送方向に対してカウンター方向で中間転写ベルト10の表面に当接されている。すなわち、ブレード16aは、その短手方向における自由端側の端部ベルト搬送方向に関する上流側を向くようにして、中間転写ベルト10の表面に当接されている。これにより、図3(b)に示すように、ブレード16aと中間転写ベルト10との間にブレードニップ部Nbが形成されている。ブレード16aは、ブレードニップ部Nbにおいて、移動する中間転写ベルト10の表面からトナーを掻き取り、廃トナー容器16bに回収する。
本実施例では、ブレード16aは、設定角θが20°、侵入量δが1.5mmとなるようにして、中間転写ベルト10に対して配置されている。ここで、設定角θは、中間転写ベルト10とブレード16a(より詳細にはその自由端側の端面)との交点における対向ローラ13の接線と、ブレード16a(より詳細にはその厚さ方向に略直交する一方の表面)とがなす角度である。また、侵入量δは、ブレード16aが対向ローラ13に対して重なる厚さ方向の長さである。また、当接圧は、ブレードニップ部Nbにおけるブレード16aからの押圧力(長手方向における線圧)で定義され、フィルム式加圧力測定システム(商品名:PINCH,ニッタ社製)を用いて測定される。このように設定することで、高温高湿環境下でのブレード16aの捲れやスリップ音を抑制でき、良好なクリーニング性能を得ることができる。
図3(b)に示すように、本実施例の構成によれば、ブレード16aがカウンター方向で配置されているため、ブレード16aの中間転写ベルト10と接触する先端部は、中間転写ベルト10の移動方向に関して摩擦力を受ける。ブレード16aの先端部が受ける摩擦力は、ブレード16aの先端部を中間転写ベルト10の移動方向に追従して曲げる方向の力となる。その結果、接触部分の摩擦力により、ブレード16aの接触部が図3(b)に示すように湾曲し、ブレード16aが中間転写ベルト10に巻き込まれる形状となる。このときのブレード16aが巻き込まれた領域の長さを巻き込み量Mと定義する。
なお、ブレード16aは、中間転写ベルト10との間の摩擦力によって巻き込まれたブレード16aの先端部が中間転写ベルト10に対して圧をかけることで、中間転写ベルト10に残留したトナーをせき止める。その後、ブレード16aによってせき止められたトナーは廃トナー容器16bに回収される。したがって、トナーの回収性を確保するために、ブレード16aは中間転写ベルト10に対して、トナーのすり抜けがないように所定の圧をかけて当接されている。
しかしながら、中間転写ベルト10に対するブレード16aの圧が高くなりすぎると、ブレード16aの先端にかかる摩擦力が大きくなることでブレード16aの先端部の巻き込み量Mも大きくなる。この巻き込み量Mが大きくなり過ぎると、カウンター方向で中間転写ベルト10に対して当接しているブレード16aが、中間転写ベルト10の移動方向に沿って当接した状態になってしまう現象(以下、メクレと称する)が発生するおそれがある。メクレが発生した場合、ブレード16aによって中間転写ベルト10に残留したトナーをせき止めることが困難になることで、クリーニング不良が発生してしまうおそれがある。したがって、中間転写ベルト10に残留したトナーの回収性を確保するためには、ブレード16aの巻き込み量Mを適切に設定する必要がある。
ブレード16aの巻き込み量Mの調整手段として、中間転写ベルト10の動摩擦係数を調整して、ブレード16aの先端部にかかる摩擦力を調整する方法がある。例えば、中間転写ベルト10の表面に、中間転写ベルト10の移動方向に沿った溝を複数設けて、ブレード16aと中間転写ベルト10の接触面積を低下させ、中間転写ベルト10とブレード16aの動摩擦係数を減らして摩擦力を低下させることが可能である。これにより、中間転写ベルト10に対するブレード16aの巻き込み量Mを調整することができる。
中間転写ベルト10の表面に溝を形成することで中間転写ベルト10の動摩擦係数を調整する場合、溝の形成方法としては、溝の形が形成された型を中間転写ベルト10の表面に押し付ける方法がある。また、中間転写ベルト10の表面に溝を設けて動摩擦係数を調整する方法以外にも、例えば、研磨によって中間転写ベルト10の表面に凹凸を形成することで中間転写ベルト10の動摩擦係数を調整することが可能である。研磨によって中間転写ベルト10の表面に凹凸を形成する場合には、ラッピングフィルム(Lapika#2000(商品名)、KOVAX社製)などを用いる。ラッピングフィルムは、微細研磨粒子が均一に分散されているため、深い傷や研磨ムラをつけることなく均一な形状付与ができ、研磨によって溝を設けることができる。
[ブレードの摩耗によるクリーニング不良の発生]
図4は、本実施例における、中間転写ベルト10の幅方向に関する各部材の配置関係、及び長手幅を説明する模式図である。各部材の長手幅は図4にあるように、中間転写ベルト10が250mm、ブレード16aが245mm、現像開口が230mm、画像形成領域が200mmである。
ここで、現像開口(開口部)とは、現像容器41aに収容されるトナーが現像ローラ42aに接触することが可能な領域であり、現像手段4aから感光ドラム1aにトナーが供給される幅のことである。より具体的には、一成分の接触現像の場合は、現像ローラ42aに対してトナーがコートされる領域のことである。また、画像形成領域とは、制御手段(不図示)からの指示によって、画像を形成することが可能な領域のことである。
図4に示すように、中間転写ベルト10の幅方向に関して、ブレード16aの幅は、画像形成領域及び現像開口の領域の幅よりもよりも大きい。画像形成領域の内側においては画像形成時などにトナーが供給されるため、画像形成領域の内側に対応するブレードニップ部Nbには、二次転写後に中間転写ベルト10に残留したトナーが供給される。また、現像開口の内側の領域では、画像形成時にトナーは供給され難いものの、現像容器41aから現像ローラ42aに付着したトナーが感光ドラム1aを介して中間転写ベルト10に移動する場合がある。即ち、画像形成領域の内側程ではないが、中間転写ベルト10の幅方向に関して、画像形成領域の外側であって現像開口の内側の領域に対応するブレードニップ部Nbには、微かにトナーが供給される可能性がある。一方で、現像開口の外側の領域に対応するブレードニップ部Nbには、殆どトナーは供給されない。
図4にあるように、ブレード16aの長手方向の端部側は両側とも22.5mmずつ、画像形成領域の外側となり、トナーの供給量が少ない領域となる。即ち、ブレード16aの長手方向の端部側の22.5mmに対応する領域では、画像形成領域の内側に対応する領域と比べて摩擦力がより大きくなり、ブレード16aの巻き込み量Mが大きくなることで、摩耗しやすくなる。その結果、中間転写ベルト10の幅方向に関して、ブレード16aの長手位置によってブレード16aの摩耗量が異なってしまうことで、クリーニング不良が発生するおそれがある。
例えば、ブレード16aの巻き込み量Mが長手方向に関して均一でない場合、中間転写ベルト10に対するブレード16aの当接姿勢が安定しないことで、トナーがブレード16aを通過してしまうおそれがある。また、ブレードニップ部Nbに到達するトナーの量が増えていくと、ブレードニップ部Nbにおいてトナーの一部が画像形成領域の外側に押し出された場合に、トナーが摩耗したブレードを通過してしまうおそれがある。これらの結果、クリーニング不良が発生するおそれがある。
なお、画像形成領域の外側であって、ブレード16aの長手方向の端部側7.5mmに対応する領域においては、供給されるトナーの量がより少ないことから、ブレード16aの摩耗が発生しやすい。ここで、ブレード16aの端部側における摩耗を抑制するために、ブレード16aの当接圧を長手方向全域で弱く設定すると、以下のような理由でクリーニング不良が発生するおそれがある。即ち、画像形成領域の内側に対応する中央部側で、中間転写ベルト10に対するブレード16aの当接圧が不足して巻き込み量Mが少なくなり、二次転写後に中間転写ベルト10に残留したトナーがすり抜けてしまうおそれがある。
[中間転写ベルト10の動摩擦係数の調整]
本実施例では、中間転写ベルト10の幅方向に関して、ブレード16aの端部側と当接する中間転写ベルト10の第1の領域における動摩擦係数を、ブレード16aの中央部側と当接する中間転写ベルト10の第2の領域における動摩擦係数より小さくする。具体的には、中間転写ベルト10の幅方向に関して形成する複数の溝幅は等しくし、端部側の第1の領域に形成する溝の本数を中央部側の第2の領域に形成する溝の本数よりも多くする。これにより、第1の領域における中間転写ベルト10とブレード16aの接触面積を第2の領域よりも減らし、動摩擦係数を下げることでブレード16aの端部側の摩耗を抑制する。なお、第1の領域と第2の領域とにおける接触面積の比較は、各領域において、同じ単位長さ四方あたり(所定の単位長さ四方あたり)で比較した値とする。
より詳細には、ブレード16aの端部22.5mmに対応する中間転写ベルト10の端部側25mm(第1の領域)と、中間転写ベルト10の中央部側200mm(第2の領域)で、中間転写ベルト10に形成する複数の溝の間隔を異ならせる。即ち、中間転写ベルト10の端部側25mmにおいて、溝間隔を狭くし複数の溝の密度を高くすることで、ブレード16aと中間転写ベルト10の接触面積を低下させて動摩擦係数を下げる。
図5は、本実施例における中間転写ベルト10に形成した複数の溝の、隣り合う溝同士の間隔(以下、単に溝間隔と称する)を説明する模式図である。また、図6は、本実施例の中間転写ベルト10において、中間転写ベルト10の移動方向に沿った溝であって、中間転写ベルト10の幅方向に関して形成される複数の溝の、中間転写ベルト10の長手位置と溝間隔との関係を説明するグラフである。図5及び図6に示すように、具体的な溝間隔としては、第2の領域である中央部側200mmでは溝間隔を20μmに設定し、第1の領域である端部側25mmでは溝間隔を10μmに設定した。なお、図5に示すように、本実施例においては、第1の領域及び第2の領域において形成する複数の溝の、中間転写ベルト10の幅方向における溝の開口部の幅(溝幅)は全て等しく2μmに設定した。
次に、本実施例、比較例1、比較例2を用いて、動摩擦係数を比較した。比較例1は、中間転写ベルトの移動方向に沿った溝を形成していない構成であり、比較例2は、中間転写ベルトの全域に、中間転写ベルトの幅方向に関して20μm間隔で、ベルト搬送方向に沿った溝を複数形成した構成である。なお、以下の説明において、比較例1及び比較例2の構成で本実施例と共通する部分に関しては説明を省略する。
各動摩擦力の測定方法として、表面性試験機(新東科学株式会社製「ヘイドン14FW」等を用いて測定した。測定圧子はウレタンゴム製ボール圧子(外径3/8インチ、ゴム硬度90度)を使用した。測定条件は、試験荷重50gf、速度10mm/secとし、測定距離は50mmとした。測定開始から0.4秒から1秒後までに計測された摩擦力(gf)の平均値を、試験荷重(gf)で除した値を動摩擦係数として用いている。この動摩擦力測定の結果は次の表1のようになる。
Figure 0006746630
表1に示すように、溝のない比較例1の構成では動摩擦係数が大きくなることから、中間転写ベルトの移動によってブレードのメクレが発生しやすい。また、比較例2の構成においては、複数の溝を形成することによってブレードのメクレは抑制されるものの、ブレードの端部側と中央部側とで摩耗量が不均一になりやすい。発明者らの検討によれば、複数の転写材Pに画像を形成する耐久評価を行った結果、本実施例の構成ではクリーニング不良の発生は確認されなかった。一方で、比較例1及び2の構成においては、ブレードの摩耗やメクレなどによって、ブレードニップ部においてトナーがすり抜けてしまうことでクリーニング不良が発生した。
ここで、トナーのクリーニングを行うためのブレード16aの巻き込み量Mは、ブレード先端から5μmが好ましい。そのために、中央部側の構成としては中間転写ベルト10とブレード16aの接触面積は全領域の90%であればよく、溝幅が2μmで溝間隔が20μmであればよい。一方で、端部側では動摩擦係数を下げる必要があり、中間転写ベルト10とブレード16aの接触面積を全領域の80%に下げるため、溝幅が2μmで溝間隔は10μmにした。
中間転写ベルト10とブレード16aの接触面積によって動摩擦係数が異なるため、接触面積にも上下限の範囲がある。中間転写ベルト10とブレード16aの接触面積の範囲として、50%以上、97%以下であることが好ましい。中間転写ベルト10とブレード16aの接触面積が少なすぎると、ブレード16aの摩擦力が小さくなりトナーのすり抜けが発生してしまうおそれがある。また、逆に接触面積が大きすぎると、動摩擦係数自体が下がらないため、メクレが発生したり、長期使用でのクリーニング性能の低下が起きてしまうおそれがある。
以上の結果から、本実施例の構成によれば、溝間隔を中央部側の第2の領域で広くし、端部側の第1の領域で狭くすることで、端部側のみ動摩擦係数を低下させることができる。その結果、所望のブレード16aの巻き込み量Mの調整を行いつつ、ブレード16aの中央部側と端部側でブレードの摩耗量に差が出ることを抑制し、クリーニング不良の発生を抑制することができる。
なお、本実施例においては、画像形成領域の外側に形成されている領域である中間転写ベルト10の第1の領域と、画像形成領域の内側に形成されている領域である第2の領域とにおいて、動摩擦係数を異ならせる構成について説明した。しかし、これに限らず、第1の領域が、現像開口が形成されている領域の外側に形成されている領域であり、第2の領域が、現像開口が形成されている領域の内側に形成されている領域であっても良い。
先に説明したように。ブレード16aは、中間転写ベルト10の幅方向に関して現像開口の外側にまで延在している。また、画像形成領域の外側であって、現像開口が形成されている領域の内側の領域においては、微かにトナーが供給される場合があるが、現像開口が形成されている領域の外側にはトナーはほとんど供給されない。したがって、本実施例と同様、現像開口が形成されている領域の外側にて、ブレード16aと中間転写ベルト10との接触面積が、現像開口が形成されている領域の内側における接触面積よりも小さくなるように中間転写ベルト10に溝を形成しても良い。これにより、本実施例と同様の効果を得ることが可能である。
(実施例2)
実施例1では、中間転写ベルト10の表層81に形成する複数の溝の溝幅は等しく設定し、中間転写ベルト10の端部側の第1の領域に形成する溝間隔と、中間転写ベルト10の中央部側の第2の領域に形成する溝間隔とを異ならせる構成について説明した。これに対し、実施例2では、中間転写ベルト110の表層に形成する複数の溝の溝間隔は等しく設定し、中間転写ベルト110の端部側の第1の領域に形成する溝幅と、中間転写ベルト10の中央部側の第2の領域に形成する溝幅とを異ならせる。なお、本実施例において実施例1と共通する部分に関しては、同一の符号を付して説明を省略する。
図7は、本実施例の中間転写ベルト110において、中間転写ベルト110の移動方向に沿った溝であって、中間転写ベルト110の幅方向に関して形成される複数の溝の、中間転写ベルト110の長手位置と溝幅との関係を説明するグラフである。図7に示すように、本実施例においては、中間転写ベルト110の幅方向に関して、画像形成領域の外側に形成されている領域(第1の領域)における溝幅を、画像形成領域の内側に形成されている領域(第2の領域)における溝幅よりも広く設定する。具体的な溝幅としては、第2の領域である中央部側200mmでは溝間隔を2μmに設定し、第1の領域である端部側25mmでは溝間隔を4μmに設定した。なお、本実施例においては、第1の領域及び第2の領域において形成する複数の溝の、中間転写ベルト110の幅方向における溝間隔は全て等しく20μmに設定した。
以上の構成により、第1の領域における中間転写ベルト110とブレード16aの接触面積を第2の領域よりも減らし、動摩擦係数を下げることでブレード16aの端部側の摩耗を抑制することが可能である。したがって、本実施例の構成においても、実施例1と同様の効果を得ることが可能である。なお、第1の領域と第2の領域とにおける接触面積の比較は、各領域において、同じ単位長さ四方あたり(所定の単位長さ四方あたり)で比較した値とする。
ここで、溝幅を変更することによって中間転写ベルト110の中央部側と端部側とで動摩擦係数を異ならせる場合、ブレード16aと中間転写ベルト110の接触面積とは別に、好ましい溝幅の範囲があり、0.5μm以上4μm以下に設定するのが好ましい。溝幅が4μmより広いと、クリーニングするべき対象であるトナーが溝に嵌まることでトナーがブレードニップ部Nbをすり抜けてしまい、クリーニング不良となるおそれがある。トナーのサイズは小さいもので5μmの大きさであるから、溝幅はそれよりも小さい4μmまでとすることが好ましい。一方で、溝幅が0.5μmより小さいと、中間転写ベルト110の表面に溝形状として形成することが困難となり、中間転写ベルト110とブレード16aとの接触面積を下げるという目的を果たすことが困難となる。以上の理由から、溝幅は、0.5μm以上4μm以下に設定することが好ましく、更には、0.5μm以上3μm以下に設定することがより好ましい。
なお本実施例では、画像形成領域の内側と画像形成領域の外側とで、中間転写ベルト10、110の動摩擦係数を異ならせたが、これに限らない。実施例1でも説明したように、現像開口が形成されている領域を基準として、第1の領域と第2の領域を設定し、溝幅を変更しても良い。
図8は、本実施例の変形例である中間転写ベルト210において、中間転写ベルト210の長手位置と、各領域の動摩擦係数との関係を説明するグラフである。図8に示すように、変形例においては、中間転写ベルト210の端部側10mm(第1の領域)はトナー供給がほぼないため中間転写ベルト210の動摩擦係数を低下させている。そして、中間転写ベルト210の中央部側200mm(第2の領域)はトナー供給があるので、中間転写ベルト210の動摩擦係数を第1の領域より高くしている。更に、中間転写ベルト210の幅方向に関して第1の領域と第2の領域の間に対応する第3の領域においては、現像開口から感光ドラム1に微かにトナーが移動する可能性があることから、動摩擦係数が第1の領域と第2の領域との間になるように設定している。
以上説明したように、変形例の構成においては、中間転写ベルト210に対して、長手位置で段階的に動摩擦係数を異ならせており、このように設計しても、実施例1及び実施例2と同様の効果を得ることが可能である。なお、動摩擦係数を異ならせる方法としては、溝幅や溝間隔を変える方法が挙げられる。
(実施例3)
実施例1及び実施例2では、中間転写ベルト10,110の表層81に複数の溝を形成することで、中間転写ベルト10,110とブレード16aとの接触面積を調整する構成について説明した。これに対し、実施例3では、中間転写ベルト310を研磨することによって中間転写ベルト310の表面に凹凸を形成し、中間転写ベルト310とブレード16aとの接触面積を調整する構成について説明する。なお、本実施例において実施例1と共通する部分に関しては、同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、本実施例における中間転写ベルト310の表面形状を説明する模式図である。本実施例においては、中間転写ベルト310の幅方向に関して、中間転写ベルト310の端部側である第1の領域における表層の表面粗さを、中央部側である第2の領域における表層の表面粗さよりも粗くしている。これにより、第1の領域における動摩擦係数を、第2の領域における動摩擦係数よりも小さく設定している。
以下、表面の粗さを異ならせる方法について具体的に説明する。まず、中間転写ベルト310の幅方向に関して、長手全域に対して研磨をすることで、長手全域の表面の粗さ形成を行う。このとき、ラッピングフィルムを中間転写ベルト310に当接させた状態で、中間転写ベルト310を回転させることで、表面を研磨することができる。次に、端部側25mmの領域(第1の領域)でより粗さをつけるために、端部側25mmの領域にのみ、再度研磨を行う。このようにすることで、中央部側200mmの領域(第2の領域)における表面粗さよりも、第1の領域における表面粗さを粗くした中間転写ベルト310を得ることが可能である。
次に、具体的な粗さの数値に関して説明を行う。表面粗さの測定には、表面粗さ/輪郭形状測定器サーフコム1500SD(東京精密製)を用い、規格JIS B0601:2001に準拠し、カットオフ波長0.25mm、測定基準長さ0.25mm、測定長1.25mmの条件で測定した。ここで、中間転写ベルト310の表層の十点平均粗さRzjisは、中間転写ベルト310の表面の移動方向と直交する方向に測定器の触針をスキャンさせて測定し、任意の少なくとも5か所の平均値を測定結果とした。
測定結果から、中間転写ベルト310とブレード16aの接触面積が90%である第2の領域では、表面粗さとしての十点平均粗さRzjisは0.35μmであった。また、中間転写ベルト310とブレード16aの接触面積が80%である第1の領域では、表面粗さとしての十点平均粗さRzjisは0.65μmであった。なお、第1の領域と第2の領域とにおける接触面積の比較は、各領域において、同じ単位長さ四方あたり(所定の単位長さ四方あたり)で比較した値とする。
このように、本実施例の構成によれば、第1の領域における表面粗さを第2の領域における表面粗さよりも粗くすることによって、実施例1及び実施例2と同様の効果を得ることが可能である。
本実施例においては、中間転写ベルト310の表層を研磨することによって第1の領域と第2の領域における表面粗さを異ならせる構成について説明したが、これに限らない。例えば、中間転写ベルトの表層に粗し粒子が添加されている場合、その粒子の、中間転写ベルトの表面への析出量を異ならせることによって、各領域で表面粗さを異ならせることが可能である。
具体的方法としては、中間転写ベルトの表層の厚さを、端部側25mmの第1の領域においては1μmに設定し、中央部側の第2の領域では2μmに設定して、表層に添加した粗し粒子の析出状態を異ならせればよい。この場合、第1の領域における粗し粒子の析出量が、第2の領域における粗し粒子の析出量よりも多くなり、十点平均粗さを測定した場合に本実施例と同様の傾向の中間転写ベルトが得られる。なお、表層の厚さを異ならせる方法としては、基層に対する表層の塗布時間を変えて、端部側では短時間で、中央部側では長時間で行うように調整すればよい。
1 感光ドラム
10 中間転写ベルト
16 ベルトクリーニング手段
16a クリーニングブレード

Claims (11)

  1. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に当接し、前記像担持体に担持されたトナー像を一次転写される移動可能な中間転写体と、前記中間転写体の移動方向に関して、前記中間転写体に一次転写されたトナー像を前記中間転写体から転写材に二次転写する二次転写部よりも下流側に設けられ、前記中間転写体に当接する当接部材と、を備え、前記二次転写部を通過した後に前記中間転写体に残留したトナーを前記当接部材によって回収手段に回収する画像形成装置において、
    前記像担持体にトナー像を現像する現像手段であって、トナーを収容する現像容器と、前記現像容器に設けられる開口部と、前記現像容器に収容されたトナーを担持する現像部材と、を有し、前記開口部を介して前記現像容器から供給されるトナーを担持した前記現像部材が前記像担持体と当接することにより、前記像担持体にトナー像を現像する現像手段を備え、
    前記移動方向と直交する幅方向に関して、前記当接部材の幅は、前記像担持体から前記中間転写体にトナー像を一次転写することが可能な画像形成領域の幅、及び前記開口部の幅よりも大きく、前記幅方向に関して前記画像形成領域が形成されている領域は前記開口部が形成されている領域よりも内側に設けられており、
    前記中間転写体は、前記幅方向に関して前記開口部が形成されている領域の外側に形成されている領域に対応する第1の領域における動摩擦係数が、前記幅方向に関して前記画像形成領域の内側に形成されている領域に対応する第2の領域における動摩擦係数よりも小さく、前記幅方向に関して前記開口部が形成されている領域から前記画像形成領域を除いた領域に対応する第3の領域における動摩擦係数が、前記第1の領域における動摩擦係数と前記第2の領域における動摩擦係数の間となるように設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1の領域における、所定の単位長さ四方あたりの前記当接部材と前記中間転写体との接触面積が、前記第2の領域における、前記所定の単位長さ四方あたりの前記当接部材と前記中間転写体との接触面積よりも値が小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記中間転写体は、前記幅方向に関して、前記移動方向に沿った溝が複数形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 複数の前記溝は、前記幅方向に関する前記溝の開口部の幅が等しく、前記幅方向における、隣り合う前記溝同士の間隔が、前記第2の領域よりも前記第1の領域の方が狭いことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 複数の前記溝は、前記幅方向における、隣り合う前記溝同士の間隔が等しく、前記幅方向に関する前記溝の開口部の幅が、前記第2の領域よりも前記第1の領域の方が広いことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記幅方向における前記溝の前記開口部の幅は、0.5μm以上4μm以下であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記中間転写体は、前記中間転写体の厚さ方向に関して、前記中間転写体を構成する複数の層のうち最も厚い層であってイオン導電剤を添加された基層と、前記基層の表面に形成された表層と、を有し、複数の前記溝は、前記表層に形成されていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記中間転写体は、前記第1の領域における表面粗さが、前記第2の領域における表面粗さよりも粗いことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  9. 前記中間転写体は、前記厚さ方向に関して、前記中間転写体を構成する複数の層のうち最も厚い層であってイオン導電剤を添加された基層と、前記基層の表面に形成され、粗し粒子が分散された表層と、を有し、前記第1の領域における前記表層の厚さが前記第2の領域における前記表層の厚さよりも薄く、前記第1の領域における前記粗し粒子の析出量が前記第2の領域における前記粗し粒子の析出量よりも多いことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  10. 前記当接部材は、ポリウレタンで形成されたブレードであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記当接部材は、前記中間転写体に対しカウンター方向で当接されていることを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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