JP7114345B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザープリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式を用いる画像形成装置に関する。
電子写真方式のカラー画像形成装置においては、従来から、各色の画像形成部から中間転写体に順次トナー像を転写し、さらに中間転写体から転写材に一括してトナー像を転写する中間転写方式を用いる構成が知られている。
このような画像形成装置では、各色の画像形成部がそれぞれ像担持体としてのドラム状の感光体(以下、感光ドラムと称する)を有している。また、中間転写体としては、無端状のベルトで形成された中間転写ベルトが広く用いられている。各画像形成部の感光ドラムに形成されたトナー像は、中間転写ベルトを介して感光ドラムに対向して設けられた一次転写部材に一次転写電源から電圧を印加することによって、中間転写ベルトに一次転写される。各色の画像形成部から中間転写ベルトに一次転写された各色のトナー像は、二次転写部において二次転写電源から二次転写部材へ電圧を印加することによって、中間転写ベルトから紙やOHPシートなどの転写材に一括して二次転写される。転写材に転写された各色のトナー像は、その後、定着手段により転写材に定着される。
中間転写方式の画像形成装置では、中間転写ベルトから転写材にトナー像を二次転写した後に中間転写ベルトにトナー(転写残トナー)が残留する。そのため、次の画像に対応したトナー像を中間転写ベルトに一次転写する前に中間転写ベルトに残留した転写残トナーを除去する必要がある。
転写残トナーを除去するクリーニング方式としては、ブレードクリーニング方式が広く用いられている。ブレードクリーニング方式では、中間転写ベルトの移動方向に関して二次転写部よりも下流側に配置され、中間転写ベルトに当接する当接部材としてのクリーニングブレードによって転写残トナーを掻き取ってクリーニング容器に回収する。
このようなブレードクリーニング方式においては、クリーニングブレードは常に中間転写ベルトに当接するように配置されることが多い。この場合、長期にわたり画像形成装置を使用すると、クリーニングブレードと中間転写ベルトの当接部(ブレードニップ部)に紙粉などの異物が挟み込まれることで、クリーニング不良が発生するおそれがある。特許文献1には、ブレードニップ部に挟み込まれた異物を除去するために、非画像形成時に中間転写ベルトを画像形成時と逆方向に移動させる構成が開示されている。
特開2017-122852号公報
特許文献1の構成においては、ブレードニップ部に挟み込まれた異物を除去することでクリーニング不良の発生を抑制できるものの、中間転写ベルトを逆回転させるための駆動機構を設ける必要があり、画像形成装置のコストアップを招くおそれがある。また、異物の除去を行うために中間転写ベルトの回転方向を画像形成時とは逆方向に切り替える場合、画像形成を中断する必要があることから、連続印字時において異物の除去を行う際にはスループットの低下を招くおそれがあった。
そこで、本発明は、画像形成装置のコストアップやスループットの低下を生じることなく、クリーニング不良の発生を抑制することを目的とする。
本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に当接し、前記像担持体に担持されたトナー像を一次転写される移動可能な中間転写体と、前記中間転写体の移動方向に関して、前記中間転写体に一次転写されたトナー像を前記中間転写体から転写材に二次転写する二次転写部よりも下流側に設けられ、前記中間転写体に当接する当接部材と、を備え、前記二次転写部を通過した後に前記中間転写体に残留したトナーを前記当接部材によって回収手段に回収する画像形成装置において、前記中間転写体は、前記中間転写体と前記当接部材とが当接する外周面側に、前記移動方向と交差する前記中間転写体の幅方向に関する前記当接部材の全域と前記中間転写体とが当接する領域であって、前記移動方向に関して第1の動摩擦係数を有する第1の領域と、前記幅方向に関する前記当接部材の全域と前記中間転写体とが当接する領域であって、前記移動方向に関して前記第1の動摩擦係数よりも大きい値の第2の動摩擦係数を有する第2の領域と、を有し、前記中間転写体は、前記第1の領域に、前記幅方向に関して前記移動方向に沿った複数の溝が形成されており、前記移動方向に関して、前記第2の領域の距離は、前記第1の領域の距離よりも短く、且つ前記当接部材と前記中間転写体とが接触している距離よりも長いことを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置のコストアップやスループットの低下を生じることなく、クリーニング不良の発生を抑制することが可能である。
実施例1の画像形成装置の概略断面図 実施例1のベルトクリーニング手段を説明する模式図 実施例1の中間転写ベルトの全体構成を説明する模式図 実施例1の中間転写ベルトの、第1の領域における表面構成を説明する模式図 実施例1の中間転写ベルトにおける異物の除去について説明する模式図 実施例1の中間転写ベルトの、第1の領域と第2の領域の境界における動摩擦係数の測定結果を示すグラフ
以下に図面を参照して、本発明の実施例を例示する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
[画像形成装置]
図1は、本実施例の画像形成装置100の構成を示す概略断面図である。なお、本実施例の画像形成装置100は、a~dの複数の画像形成部を設けている、いわゆるタンデム型の画像形成装置である。第1の画像形成部aはイエロー(Y)、第2の画像形成部bはマゼンタ(M)、第3の画像形成部cはシアン(C)、第4の画像形成部dはブラック(Bk)の各色のトナーによって画像を形成する。これら4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されており、各画像形成部の構成は収容するトナーの色を除いて実質的に共通である部分が多い。したがって、以下、第1の画像形成部aを用いて本実施例の画像形成装置100について説明する。
第1の画像形成部aは、ドラム状の感光体である感光ドラム1aと、帯電部材である帯電ローラ2aと、現像手段4aと、ドラムクリーニング手段5aと、を有する。
感光ドラム1aは、トナー像を担持する像担持体であり、図示矢印R1方向に所定のプロセススピード(本実施例では200mm/sec)で回転駆動される。現像手段4aは、イエローのトナーを収容する現像容器41aと、現像容器41aに収容されたイエロートナーを担持し、感光ドラム1aにイエロートナー像を現像するための現像部材としての現像ローラ42aと、を有する。ドラムクリーニング手段5aは、感光ドラム1aに付着したトナーを回収するための手段である。ドラムクリーニング手段5aは、感光ドラム1aに接触するクリーニングブレードと、クリーニングブレードによって感光ドラム1aから除去されたトナーなどを収容する廃トナーボックスと、を有する。
制御手段(不図示)が画像信号を受信することによって画像形成動作が開始されると、感光ドラム1aは回転駆動される。感光ドラム1aは回転過程で、帯電ローラ2aにより所定の極性(本実施例では負極性)で所定の電位(帯電電位)に一様に帯電処理され、露光手段3aにより画像信号に応じた露光を受ける。これにより、目的のカラー画像のイエロー色成分像に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は現像位置において現像手段4aにより現像され、イエロートナー像(以下、単にトナー像と称する。)として可視化される。ここで、現像手段4aに収容されたトナーの正規の帯電極性は、負極性である。この実施例では帯電部材による感光ドラムの帯電極性と同極性に帯電したトナーにより静電潜像を反転現像しているが、本発明は、感光ドラムの帯電極性とは逆極性に帯電したトナーにより静電潜像を正現像するようにした画像形成装置にも適用できる。
無端状で移動可能な中間転写体としての中間転写ベルト10は、各画像形成部a~dの各感光ドラム1a~1dと当接する位置に配置され、張架部材である支持ローラ11、張架ローラ12、対向ローラ13の3軸で張架されている。中間転写ベルト10は、張架ローラ12により総圧60Nの張力で張架されており、駆動力を受けて回転する対向ローラ13の回転によって図示矢印R2方向に移動する。なお、詳細は後述するが、本実施例における中間転写ベルト10は、複数の層によって構成されている。
感光ドラム1aに形成されたトナー像は、感光ドラム1aと中間転写ベルト10とが接触する一次転写部N1aを通過する過程で、一次転写電源23から一次転写ローラ6aに正極性の電圧を印加することで中間転写ベルト10に一次転写される。その後、中間転写ベルト10に一次転写されることなく感光ドラム1aに残留したトナーは、ドラムクリーニング手段5aによって回収されることで感光ドラム1aの表面から除去される。
ここで、一次転写ローラ6aは、中間転写ベルト10を介して感光ドラム1aに対応する位置に設けられ、中間転写ベルト10の内周面に接触する一次転写部材(接触部材)である。また、一次転写電源23は、一次転写ローラ6a~6dに正極性又は負極性の電圧を印加することが可能な電源である。本実施例においては、複数の一次転写部材に対して共通の一次転写電源23から電圧を印加する構成について説明するが、これに限らず、各一次転写部材に対応させて複数の一次転写電源を設ける構成であっても本発明を適用できる。
以下、同様にして、第2色のマゼンタトナー像、第3色のシアントナー像、第4色のブラックトナー像が形成され、中間転写ベルト10に順次重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト10には、目的のカラー画像に対応した4色のトナー像が形成される。その後、中間転写ベルト10に担持された4色のトナー像は、二次転写ローラ20と中間転写ベルト10とが接触して形成する二次転写部を通過する過程で、給紙手段50により給紙された紙やOHPシートなどの転写材Pの表面に一括で二次転写される。
二次転写ローラ20は、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒に、体積抵抗率10Ω・cm、厚さ5mmに調整したNBRとエピクロルヒドリンゴムを主成分とする発泡スポンジ体で覆った外径18mmのものを用いている。なお、発泡スポンジ体のゴム硬度はアスカー硬度計C型を用いて測定し、500g荷重時に硬度30°であった。二次転写ローラ20は、中間転写ベルト10の外周面に接触しており、中間転写ベルト10を介して二次転写ローラ20に対向する位置に配置された対向ローラ13に対して50Nの加圧力で押圧され、二次転写部N2を形成している。
二次転写ローラ20は中間転写ベルト10に対して従動回転しており、二次転写電源21から電圧が印加されることにより、二次転写ローラ20から対向ローラ13に向かって電流が流れる。これにより、中間転写ベルト10に担持されていたトナー像は二次転写部において転写材Pに二次転写される。なお、中間転写ベルト10のトナー像を転写材Pに二次転写する際には、中間転写ベルト10を介して二次転写ローラ20から対向ローラ13に向かって流れる電流が一定になるように、二次転写電源21から二次転写ローラ20に印加される電圧が制御される。また、二次転写を行うための電流の大きさは、画像形成装置100が設置される周囲環境や転写材Pの種類により、予め決定されている。二次転写電源21は、二次転写ローラ20に接続しており、転写電圧を二次転写ローラ20に印加する。また、二次転写電源21は、100[V]から4000[V]の範囲の出力が可能である。
二次転写によって4色のトナー像を転写された転写材Pは、その後、定着手段30において加熱および加圧されることにより、4色のトナーが溶融混色して転写材Pに定着される。二次転写後に中間転写ベルト10に残ったトナーは、中間転写ベルト10の移動方向に関して二次転写部N2よりも下流側に設けられたベルトクリーニング手段16(回収手段)により清掃、除去される。ベルトクリーニング手段16は、対向ローラ13に対向する位置で中間転写ベルト10の外周面に当接する当接部材としてのクリーニングブレード16aと、クリーニングブレード16aによって回収されたトナーを収容する廃トナー容器16bと、を有する。なお、以下の説明においては、クリーニングブレード16aを単にブレード16aと称する。
本実施例の画像形成装置100においては、以上の動作により、フルカラーのプリント画像が形成される。
[ベルトクリーニング手段16]
図2(a)は、ブレード16aと中間転写ベルト10の当接状態を説明する模式図であり、図2(b)はブレード16aと中間転写ベルト10との接触点を拡大した模式図である。本実施例におけるブレード16aは、中間転写ベルト10の移動方向(以下、ベルト搬送方向と称する)と交差する中間転写ベルト10の幅方向(以下、ベルト幅方向と称する)に関して長い板状部材である。
本実施例におけるブレード16aは、中間転写ベルト10に接触しトナーをかきとる弾性部53と、その弾性部53を支持する板金部52を有し、弾性部53は、ポリウレタンから形成されたブレード部材である。ブレード16aは、中間転写ベルト10と接触する弾性部53の幅が長さ230mmのブレード形状となっており、弾性部53と板金部52が接着されて構成されている。ブレード16aの弾性部53は、ベルト幅方向に関する長手幅が230mm、厚さが2mmであり、板金部52との接着点からの長さである自由長が13mmである。また、ブレード16aの硬度はJIS K 6253規格で77度である。
ブレード16aに対向して、中間転写ベルト10の内周側には、対向ローラ13が配置されている。ブレード16aは、対向ローラ13に対向する位置で、ベルト搬送方向に対してカウンター方向で中間転写ベルト10の表面に当接されている。すなわち、ブレード16aは、その短手方向における自由端側の端部がベルト搬送方向に関する上流側を向くようにして、中間転写ベルト10の表面に当接されている。これにより、図2(b)に示すように、ブレード16aと中間転写ベルト10との間にブレードニップ部Nbが形成されている。ブレード16aは、ブレードニップ部Nbにおいて、移動する中間転写ベルト10の表面からトナーを掻き取り、廃トナー容器16bに回収する。なお、本実施例においては、ブレード16aと中間転写ベルト10とが接触するブレードニップNbの、ベルト搬送方向に関する距離(幅)は75μmである。
本実施例では、ブレード16aは、設定角θが22°、侵入量δが1.5mm、当接圧が14Nとなるようにして、中間転写ベルト10に対して配置されている。ここで、設定角θは、中間転写ベルト10とブレード16a(より詳細にはその自由端側の端面)との交点における対向ローラ13の接線と、ブレード16a(より詳細にはその厚さ方向に略直交する一方の表面)とがなす角度である。また、侵入量δは、ブレード16aが対向ローラ13に対して重なる厚さ方向の長さである。また、当接圧は、ブレードニップ部Nbにおけるブレード16aからの押圧力(長手方向における線圧)で定義され、フィルム式加圧力測定システム(商品名:PINCH,ニッタ社製)を用いて測定される。
図2(b)に示すように、本実施例の構成によれば、ブレード16aがカウンター方向で配置されているため、ブレード16aの中間転写ベルト10と接触する先端部は、ベルト搬送方向に関して摩擦力を受ける。ブレード16aの先端部が受ける摩擦力は、ブレード16aの先端部をベルト搬送方向に追従して曲げる方向の力となる。その結果、接触部分の摩擦力により、ブレード16aの接触部が図2(b)に示すように湾曲し、ブレード16aが中間転写ベルト10に巻き込まれる形状となる。このときのブレード16aが巻き込まれた領域を巻き込み部M、ベルト搬送方向に関する巻き込み部Mの距離(長さ)を巻き込み量mと定義する。
なお、ブレード16aは、中間転写ベルト10との間の摩擦力によって巻き込まれたブレード16aの巻き込み部Mが中間転写ベルト10に対して圧をかけることで、中間転写ベルト10に残留したトナーをせき止める。その後、ブレード16aによってせき止められたトナーは廃トナー容器16bに回収される。したがって、トナーの回収性を確保するために、ブレード16aは中間転写ベルト10に対して、トナーのすり抜けがないように所定の圧をかけて当接されている。
しかしながら、中間転写ベルト10に対するブレード16aの圧が高くなりすぎると、ブレード16aの先端にかかる摩擦力が大きくなることでブレード16aの巻き込み部Mの巻き込み量mも大きくなる。この巻き込み量mが大きくなり過ぎると、カウンター方向で中間転写ベルト10に対して当接しているブレード16aが、ベルト搬送方向に沿って当接した状態になってしまう現象(以下、メクレと称する)が発生するおそれがある。メクレが発生した場合、ブレード16aによって中間転写ベルト10に残留したトナーをせき止めることが困難になることで、クリーニング不良が発生してしまうおそれがある。したがって、中間転写ベルト10に残留したトナーの回収性を確保するためには、ブレード16aの巻き込み量mを適切に設定する必要がある。
ブレード16aの巻き込み量mの調整手段として、中間転写ベルト10の動摩擦係数を調整して、ブレード16aの巻き込み部Mにかかる摩擦力を調整する方法がある。例えば、中間転写ベルト10の表面に、ベルト搬送方向に沿った溝や凹凸を複数設けて、ブレード16aと中間転写ベルト10の接触面積を低下させ、中間転写ベルト10とブレード16aの動摩擦係数を減らして摩擦力を低下させることが可能である。これにより、中間転写ベルト10に対するブレード16aの巻き込み量mを調整することができる。また、ブレード16aの巻き込み量mの調整手段としては、予めブレード16aの先端に、フッ化黒鉛などの潤滑剤を塗布して、ブレード16aの巻き込み部Mにかかる摩擦力を調整する方法がある。
[中間転写ベルト]
次に、本実施例における中間転写ベルト10の構成について説明する。図3は、中間転写ベルト10の全体構成を説明する模式図である。図4(a)は、図4の領域Xにおいて、ベルト搬送方向に略直交する方向に中間転写ベルト10を切った(ベルト搬送方向に沿って見た)場合の、中間転写ベルト10の模式的な拡大部分断面図である。また、図4(b)は、図3(a)と同様の断面において後述する中間転写ベルト10の表層40をより詳しく示したものである。
中間転写ベルト10は、基層41と表層40との2層からなる無端状のベルト部材(或いはフィルム状部材)であり、中間転写ベルト10の周長は700mm、ベルト幅方向に関する長手幅は250mmである。ここで、基層とは、中間転写ベルト10の厚さ方向に関して、中間転写ベルト10を構成する層のうち、最も厚い層であると定義する。本実施例では基層41は、ポリエチレンナフタレート樹脂に電気抵抗の調整剤としてイオン導電剤である第4級アンモニウム塩を分散した、厚さ70μmの層である。また、表層40は、中間転写ベルト10の外周面側に形成される層である。本実施例にける表層40は、基材46としてのアクリル樹脂に、電気抵抗調整剤43としてアンチモンドープの酸化亜鉛を分散し、固体潤滑剤44として、フッ素含有粒子であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を添加した厚さ3μmの層である。
本実施例における中間転写ベルト10の体積抵抗率は、1×1010Ω・cmである。体積抵抗率は、三菱化学株式会社のHiresta-UP(MCP-HT450)にURプローブ(型式MCP-HTP12)を接続し、印加電圧100V、測定時間10秒で測定した。体積抵抗率を測定する測定室の環境は、温度23℃、湿度50%に設定し、測定室内に4時間放置した後の中間転写ベルト10の体積抵抗率を測定した。
また、基層41及び表層40の材料は上記のものに限るものではなく、他の材料であっても良い。例えば、基層41としてはポリエチレンナフタレート樹脂以外でもポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン-1、ポリスチレン、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリマー、ポリアミド酸などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは混合して2種以上使用することもできる。
表層40に関してもアクリル樹脂以外にも有機材料としては、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、フッ素系硬化性樹脂(含フッ素硬化性樹脂)などの硬化性樹脂が挙げられる。無機材料としては、アルコキシシラン・アルコキシジルコニウム系材料、ケイ酸塩系材料などが挙げられる。有機・無機ハイブリッド材料としては、無機微粒子分散有機高分子系材料、無機微粒子分散オルガノアルコキシシラン系材料、アクリルシリコン系材料、オルガノアルコキシシラン系材料などが挙げられる。
中間転写ベルト10の表層40の耐摩耗性、耐クラック性などの強度の観点から、硬化性材料の中でも樹脂材料(硬化性樹脂)が好ましく、硬化性樹脂の中でも、不飽和二重結合含有アクリル共重合体を硬化させて得られるアクリル樹脂が好ましい。本実施例においては、中間転写ベルト10の表層40は、基層41の表面に、紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマー成分を含有してなる液を塗布し、これに紫外線等のエネルギー線を照射して硬化させることで得た。
電子導電性材料としては、例えば、カーボンブラック、PAN系炭素繊維及び膨張化黒鉛粉砕品などの粒子状、繊維状又はフレーク状のカーボン系導電性フィラーが挙げられる。また、例えば、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス及び鉄などの粒子状、繊維状又はフレーク状の金属系導電性フィラーが挙げられる。また、例えば、アンチモン酸亜鉛、アンチモンドープの酸化スズ、アンチモンドープの酸化亜鉛、スズドープの酸化インジウム及びアルミニウムドープの酸化亜鉛などの粒子状の金属酸化物系導電性フィラーが挙げられる。イオン導電性材料としては、例えば、イオン液体、導電性オリゴマー及び第4級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの導電材料の中から1種又はそれ以上が適宜選択され、電子導電性材料とイオン導電性材料を混合して用いてもよい。
図3、図4(a)~(b)に示すように、本実施例の中間転写ベルト10は、ブレード16aの摩耗を抑制するために表層40に表面加工処理が施された領域X(第1の領域)と、表層40に表面加工処理が施されていない領域Y(第2の領域)と、を有する。領域X及び領域Yは、ベルト搬送方向と直交するベルト幅方向に関して、ブレード16aと中間転写ベルト10とが当接する全域に連続して形成される領域である。
また、図3に示すように、中間転写ベルト10は、ベルト搬送方向に関して、領域Xから領域Yに切替わる第1切替点と、領域Yから領域Xに切替わる第2切替点と、をそれぞれ1つずつ有する。即ち、中間転写ベルト10は、ベルト搬送方向に関して連続して形成された領域Xと、ベルト搬送方向に関して連続して形成された領域Yと、をそれぞれ1つずつ有する。以下の説明においては、ベルト搬送方向に関して、第1切替点から第2切替点までの距離を領域Yの距離、第2切替点から第1切替点までの距離を領域Xの距離と定義する。本実施例においては、領域Yの距離は5mm、領域Xの距離は695mmである。
本実施例において、領域Xには、ベルト幅方向に関して、ベルト搬送方向に沿った溝(溝形状、溝部)45が複数形成されている。一方で、領域Yには溝45が形成されておらず、この構成により、本実施例の中間転写ベルト10は、領域Xにおける動摩擦係数よりも領域Yにおける動摩擦係数が大きい値となる。なお、図3の模式図に示すように、領域Xにおいて溝45は、ベルト搬送方向に関して途切れることなく連続して形成されている。
以下、領域Xにおける中間転写ベルト10に形成された溝45の構成に関して、図4(a)~(b)を用いて説明する。なお、以下の説明における溝45の形状は、L-trace&NanoNaviII(SIIナノテクノロジー社製)を使用し、測定はDFMモードで、カンチレバーにはハイアスペクト探針SI-40Hを用いて測定した。
図4(b)に示すように、長手軸線方向と略直交する方向(ベルト幅方向)における溝45の開口部の幅W(以下、単に幅Wと称する)は1μmである。また、中間転写ベルト10の厚さ方向における、表層40の溝が形成されていない面(開口部)から溝45の底部までの深さd(以下、単に深さdと称する)は2μmである。さらに、ベルト搬送方向に略直交する方向における溝45の間隔K(以下、単にピッチKと称する)は20μmである。
溝45の幅Wは、クリーニング性能の観点からトナーの平均粒径の半分程度までの幅が好ましい。溝45の幅Wが広すぎると、トナーが溝45に嵌まってしまった場合にブレードニップ部Nbをすり抜けてしまうことでクリーニング不良が発生するおそれがある。また、溝45の幅Wが狭すぎると、ブレード16aと中間転写ベルト10との間の接触面積が大きくなり過ぎることでブレードニップ部Nbにおける摩擦が大きくなり、ブレード16aの先端の摩耗を促進してしまうおそれがある。したがって、本実施例の構成においては、溝45の幅Wは0.5μm以上3μm以下に設定するのが好ましい。
本実施例においては、表層40の厚さが3μmであるため、溝45は基層41までは至らず、表層40のみに存在している。また、溝45は、中間転写ベルト10の周方向(回転方向)に沿って中間転写ベルト10の一周全域にわたって、連続的に形成されている。なお、本実施例では、表面に凸形状を形成した金型を、表層40に押し付けることによって、中間転写ベルト10の表面に溝形状を付与した。
ここで、表層40の厚さは、溝45を形成することが可能な厚さ、即ち、溝45の深さd以上である必要がある。表層40の厚さが溝45の深さdよりも小さい場合、溝45が基層41に到達し、基層41に添加された物質が表層40の表面に析出してしまうことでクリーニング不良などが発生するおそれがある。一方で、表層40の厚さが厚すぎると、アクリル樹脂から構成される表層40が割れてしまうことでクリーニング不良が発生するおそれがある。したがって、本実施例の構成においては、表層40の厚さは、1μm以上5μm以下の間で設定することが好ましく、長期使用での表層40の割れを考慮すると1μm以上3μm以下の間で設定することがより好ましい。
このように、本実施例においては、溝45を形成した領域Xを設けることによって、ブレード16aと中間転写ベルト10の接触面積を低下させ、中間転写ベルト10の動摩擦係数を調整してブレード16aの巻き込み部Mにかかる摩擦力を調整している。この構成により、ブレード16aの摩耗を抑制することが可能となる。なお、本実施例においては、ベルト幅方向に関して、ブレード16aの幅よりも広い範囲で溝45を形成している。言い換えると、中間転写ベルト10は、ベルト幅方向に関して、領域X及び領域Yの幅がブレード16aの幅よりも広い構成である。これにより、ブレード16aの幅全域において安定してブレード16aの摩耗を抑制することが可能である。
<ブレードニップ部Nbにおける異物の除去>
図3に示すように、本実施例の中間転写ベルト10は、表層40に溝45を形成した領域Xと、表層40に溝45を形成していない領域Yと、を有する。一部に溝加工を行っている。領域Xにおいては、溝45が形成されていることによってブレード16aと中間転写ベルト10の接触面積が低下し、且つ、中間転写ベルト10の表面積が増加することで、固体潤滑剤44の露出面積が増える。その結果、領域Xにおいては、ブレード16aと中間転写ベルト10との間の動摩擦係数が低下する。
表1は、領域Xと領域Yとにおける、動摩擦係数及び巻き込み量mの大きさを比較する表である。なお、領域Xと領域Yに対応する動摩擦係数及び巻き込み量mは、溝45がベルト搬送方向全面に形成された(領域Xのみで構成された)中間転写ベルトと、溝が形成されていない(領域Yのみで構成された)中間転写ベルトとに関してそれぞれ測定して求めた。
Figure 0007114345000001
ここで、動摩擦係数は、表面性試験機(新東科学株式会社製「ヘイドン14FW」を用い、測定圧子としてウレタンゴム製ボール圧子(外径3/8インチ、ゴム硬度90度)を使用して測定した。測定条件は、試験荷重50gf、速度10mm/secとし、測定距離は50mmとした。表1における動摩擦係数の値は、測定開始から1秒から4秒までに計測された摩擦力(gf)の平均値を、試験荷重(gf)で除した値である。
また、ブレード16aの巻き込み量mの大きさは次のように測定した。まず、先端部にフッ化黒鉛を塗付したブレード16aを中間転写ベルト10に対して設置し、画像形成装置を非画像形成状態で2分間動作させた後に、ブレード16aを画像形成装置から取り外して、ブレード16aの先端部を顕微鏡で観察する。そして、中間転写ベルト10と摺擦することによってブレード16aの先端部に塗布されたフッ化黒鉛がはがれた部分の幅を測定し、この幅を巻き込み量mとした。
表1に示すように、動摩擦係数が0.05以上変化すると、巻き込み量mは3μm程度変化する。即ち、第1の動摩擦係数を有する領域Xと、第1の動摩擦係数よりも大きい値である第2の動摩擦係数を有する領域Yと、を有する中間転写ベルト10によれば、ブレードニップ部Nbにおけるブレード16aの巻き込み量mの大きさを変化させることができる。
図5(a)は、ブレードニップ部Nbにおける、ブレード16aが領域Xと当接している状態を説明する概略的な拡大断面図である。図5(b)は、中間転写ベルト10の移動によってブレード16aが第1切替点を通過した後の、ブレード16aが領域Yと当接している状態を説明する概略的な拡大断面図である。図5(c)は、中間転写ベルト10の移動によってブレード16aが第2切替点を通過した後の、ブレード16aが再び領域Xと当接している状態を説明する概略的な拡大断面図である。
ブレード16aが領域Xを通過している時、ブレード16aの巻き込み部Mの形状は図5(a)のようになっている。そして、図5(b)に示すように、中間転写ベルト10が周回移動すると、ブレード16aが第1切替点を通過した後に、領域Yと接触する状態となる。図6は領域Xから領域Yにかけて、連続的に動摩擦係数を測定した結果である。図6に示すように、領域Xから領域Yに切替わる位置(第1切替点)において動摩擦係数が増加している。すると、図5(b)に表すようにブレード16aの巻き込み部Mの形状が変形して、巻き込み量mが大きくなる。その後、ブレード16aが再び領域Xと当接する状態となると、巻き込み部Mの形状は図6(c)ように最初の形状に戻る。
以上説明したように、ブレード16aが第1切替点及び第2切替点を通過することにより、ブレード16aの巻き込み部Mの形状が変化し、巻き込み量mの大きさが変化する。これにより、ブレード16aと中間転写ベルト10の接触状態が変化し、その結果、図5(a)~(c)に示すように、ブレードニップ部Nbに挟まれていた紙粉などの異物Qが除去される。
ブレードニップ部Nbに異物Qが挟まれた状態で除去されない場合、中間転写ベルト10に対するブレード16aの当接状態が不安定となることでクリーニング不良が発生するおそれがある。したがって、従来から、ブレードニップ部Nbに挟まれた異物Qを除去する方法として、中間転写ベルト10の移動方向を切り替える方法が知られている。しかし、本実施例の構成によれば、中間転写ベルト10の移動によって、ブレード16aの巻き込み部Mの巻き込み量mを変化させて異物Qを除去できるため、従来構成のように、中間転写ベルト10を画像形成時とは逆方向に移動させる必要がない。即ち、中間転写ベルトを逆方向に移動させるための駆動機構を設けたり、中間転写ベルトを逆方向に移動させるために画像形成を中断したりする必要がない。
ここで、本実施例においては、ベルト搬送方向に関して、領域Yの距離はブレードニップ部Nbの距離よりも大きく、且つ、領域Xの距離よりも短く設定している。ベルト搬送方向に関して、領域Yにブレードニップ部Nbの全域が入ることにより、ブレード16aの巻き込み部Mの形状の変化が生じ、異物Qを除去することが可能であるため、領域Yの距離はブレードニップ部Nbよりも大きく設定する必要がある。一方で、ベルト搬送方向に関して領域Yの距離が領域Xの距離よりも長い場合、動摩擦係数が大きい領域Yとブレード16aとが接触する時間が長くなることでブレード16aが摩耗しやすくなり、クリーニング不良が発生しやすくなるおそれがある。したがって、ベルト搬送方向に関して、領域Yの距離は領域Xの距離よりも短く設定する必要がある。
以上説明したように、本実施例の構成によれば、本発明によれば、画像形成装置のコストアップやスループットの低下を生じることなく、クリーニング不良の発生を抑制することが可能である。
なお、ブレード16aの巻き込み部Mにおける巻き込み量mの変化量は、異物Qと同程度であれば、効果的に異物Qを除去することができる。代表的な異物Qである紙粉のサイズは数μm程度であるのことから、巻き込み量mの変化量もその程度に設定することが望ましい。また、ベルト幅方向に関して、領域Yの幅はブレード16aの幅よりも大きく形成することが望ましい。これは、領域Yの幅がブレードニップ部Nbの幅よりも大きければ、第1切替点を通過する際にブレード16aの全体を動作させて、巻き込み部Mを大きく動かすことができるためである。
[クリーニング性の評価]
次に、画像形成装置100において、本実施例の中間転写ベルト10と比較例1及び比較例2の中間転写ベルトに関して、クリーニング性の評価を行った。ここで、比較例1としては、表面に溝等を形成せず、ベルト搬送方向に関して全域で一様な動摩擦係数を有する中間転写ベルトを用いた。また、比較例2としては、表面に溝を形成し、且つ、ベルト搬送方向に関して全域で一様な動摩擦係数を有する中間転写ベルトを用いた。
クリーニング性の評価としては、レターサイズ用紙(商標Vitality、Xerox社製)を用いて、2枚間欠モードで各色1%の文字画像を形成する耐久評価において、5千枚ごとにクリーニング不良発生を確認するための画像を形成した。なお、評価は、温度15℃、湿度10%の環境下で行った。
前述の耐久評価での5千枚ごとに行うクリーニング不良発生の確認は、以下の方法を用いた。まず、二次転写電源21からの出力をオフ(0V)にした状態でレッドベタ画像(イエロー100%、マゼンタ100%のベタ画像)を形成した後に、二次転写電源21からの出力を適正値に設定して、画像を形成しない5枚の転写材Pを連続通紙する。即ち、二次転写部N2で転写材Pへほとんど転写されずに残ったレッドベタ画像のトナーがブレード16aによって除去できているかを確認することによって、クリーニング不良の発生の有無を確認する。
レッドベタ画像のトナーが中間転写ベルト10から除去できていれば、連続通紙する5枚の転写材Pは実質的に全くの白紙状態で出力される。一方で、レッドベタ画像のトナーが除去できなければ、ブレード16aをすり抜けたトナーが再び二次転写部N2に到達することで、連続通紙する5枚の転写材Pにトナーが転写されてクリーニング不良画像として出力される。以上のようなクリーニング不良の発生の確認を5千枚の転写材Pの通紙毎に行い、10万枚の転写材Pに関して評価を行った。
クリーニング性の評価を行った結果、本実施例の構成は、10万枚までクリーニング不良が発生しなかったが、比較例1の構成は2万枚の通紙でクリーニング不良が発生し、比較例2の構成は5万枚の通紙でクリーニング不良が発生した。
比較例1で使用したクリーニングブレードの先端を顕微鏡で観察すると、中間転写ベルト10との摩擦によりウレタンゴムが摩耗してクリーニングブレードの先端部が欠けていた。これは、中間転写ベルト10とクリーニングブレードとの間の動摩擦係数が大きいことで、ブレードニップ部においてクリーニングブレードの摩耗が発生しやすくなるためである。また、比較例2で使用したクリーニングブレードの先端を顕微鏡で観察すると、転写材Pから発生した紙粉がクリーニングブレードの先端に付着していることが確認された。比較例2の中間転写ベルトにおいては、ベルト搬送方向に関して全域で一様な動摩擦係数を有していることから、ブレードニップ部に紙粉が堆積し転写残トナーのすり抜けが発生したと考えられた。
以上説明したように、中間転写ベルト10の一部に動摩擦係数の異なる領域を形成することで、ブレード16aの接触状態を変化させ、ブレードニップ部に挟まった異物をすり抜けさせることで、クリーニング不良の発生を抑制できる。
[その他の実施例]
実施例1においては、中間転写ベルト10の領域Yに溝45を形成しない構成としたが、これに限らない。即ち、領域Xにおける動摩擦係数よりも領域Yにおける動摩擦係数の値が大きければ、実施例1と同様に、ブレード16aの巻き込み量mを変化させて異物Qを除去することが可能である。したがって、例えば、中間転写ベルト10の領域Yに、領域Xに形成された溝よりも密度の低い溝を形成して、動摩擦係数を異ならせる構成としても良い。
実施例1では、中間転写ベルト10の動摩擦係数を変化させるために、領域Xにおける表層40に対して溝45を形成する加工を行ったが、他の方法として、研磨強度を変える方法も可能である。具体的には、中間転写ベルト10の外周面の領域Xを粗いラッピングフィルム(Lapika#2000(商品名)、KOVAX社製)で研磨し、領域Yを細やかなラッピングフィルム(Lapika#10000(商品名)、KOVAX社製)で研磨する。細やかなラッピングフィルムに比べて粗いラッピングフィルムで研磨した方が、表面粗さが大きく、また、固体潤滑剤の露出面積が増えるため動摩擦係数を小さくすることができる。
領域Xと領域Yにおける動摩擦係数を変化させる他の方法としては、潤滑粒子を含む塗工液を領域Xにスプレー塗布する方法もある。スプレー塗布部は表面粗さが大きく、また、固体潤滑剤の露出面積が増えるため動摩擦係数を小さくすることができる。
1 画像形成装置
2 感光ドラム
8 中間転写ベルト
16 ベルトクリーニング手段
16a クリーニングブレード

Claims (16)

  1. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に当接し、前記像担持体に担持されたトナー像を一次転写される移動可能な中間転写体と、前記中間転写体の移動方向に関して、前記中間転写体に一次転写されたトナー像を前記中間転写体から転写材に二次転写する二次転写部よりも下流側に設けられ、前記中間転写体に当接する当接部材と、を備え、前記二次転写部を通過した後に前記中間転写体に残留したトナーを前記当接部材によって回収手段に回収する画像形成装置において、
    前記中間転写体は、前記中間転写体と前記当接部材とが当接する外周面側に、前記移動方向と交差する前記中間転写体の幅方向に関する前記当接部材の全域と前記中間転写体とが当接する領域であって、前記移動方向に関して第1の動摩擦係数を有する第1の領域と、前記幅方向に関する前記当接部材の全域と前記中間転写体とが当接する領域であって、前記移動方向に関して前記第1の動摩擦係数よりも大きい値の第2の動摩擦係数を有する第2の領域と、を有し、
    前記中間転写体は、前記第1の領域に、前記幅方向に関して前記移動方向に沿った複数の溝が形成されており、
    前記移動方向に関して、前記第2の領域の距離は、前記第1の領域の距離よりも短く、且つ前記当接部材と前記中間転写体とが接触している距離よりも長いことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記中間転写体は無端状のベルト部材であり、前記移動方向に関して、前記中間転写体には、前記第1の領域から前記第2の領域に切替わる第1切替点と、前記第2の領域から前記第1の領域に切替わる第2切替点が、それぞれ1つずつ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記移動方向に関して、前記第1切替点から前記第2切替点までの距離が前記第2の領域の距離であり、前記第2切替点から前記第1切替点までの距離が前記第1の領域の距離であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の領域において、複数の前記溝は、前記移動方向に関して連続して形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記中間転写体は、前記第2の領域には、前記幅方向に関して前記移動方向に沿った複数の溝が形成されていないことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記中間転写体は、前記第2の領域に、前記幅方向に関して前記移動方向に沿った複数の溝が形成されており、
    前記幅方向に関して、前記第1の領域における複数の前記溝の密度よりも、前記第2の領域における複数の前記溝の密度が低いことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記第1の動摩擦係数の値と、前記第2の動摩擦係数の値との差が0.05以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第1の領域における表面粗さの値よりも、前記第2の領域における表面粗さの値が小さいことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記幅方向に関して、前記第1の領域の幅及び前記第2の領域の幅は、前記当接部材の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記中間転写体は、前記中間転写体の厚さ方向に関して、前記中間転写体を構成する複数の層のうち最も厚い層であってイオン導電剤を添加された基層と、前記基層の表面に形成された表層と、を有し、前記第1の領域及び前記第2の領域は、前記表層に形成された領域であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記表層の厚さは、3μm以下に設定されていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記表層は、アクリル共重合体で形成されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置。
  13. 前記表層は、フッ素含有粒子が添加されていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記フッ素含有粒子は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記当接部材は、ポリウレタンで形成されたブレードであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 前記当接部材は、前記中間転写体に対しカウンター方向で当接されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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