JP2012018250A - 画像形成装置 - Google Patents

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一矢 北村
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Abstract

【課題】潤滑剤の飛散を引き起こすおそれがなく,ブレード部材のめくれを防止し,長期にわたり安定したクリーニング性を維持することのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】中間転写ベルト11は,その移動方向に対する幅方向について,トナー像を担持し得る最大の範囲である画像形成領域と,画像形成領域の幅方向両外側に設けられた非画像領域とを有しており,クリーニング部材13の掻き取り幅は,画像形成領域を包含し,かつ,画像形成領域と非画像領域との合計範囲に包含される範囲内であり,中間転写ベルト11の表面状態は,非画像領域の摩擦係数が画像形成領域の摩擦係数より小さいものである。
【選択図】図1

Description

本発明は,電子写真方式の画像形成装置に関する。さらに詳細には,ローラ部材に架け渡されて,そのローラの回転によって移動される無端ベルト状の担持体と,その担持体の表面を掻き取ることによってクリーニングするブレード部材とを有する画像形成装置に関するものである。
例えば,いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置等では,ベルト状の像担持体である中間転写ベルトを用いるものがある。各色のトナー像は,中間転写ベルトの表面に重ね合わせて形成され,まとめて用紙等に転写される。この中間転写ベルトは,通常,複数のローラに架け渡されて,そのローラの回転によって移動される。そして,この中間転写ベルトの進行方向に対する幅方向について,トナー像が担持される範囲である画像形成領域は通常,ベルトの全幅より小さい範囲である。つまり,ベルトの幅方向について,画像形成領域の両外側には,積極的にはトナー像が形成されることのない非画像領域が設けられている。
このような画像形成装置として,中間転写ベルトをクリーニングするブレード部材を有するものがある。このブレード部材は,ゴム等の弾性を有する材質で形成された板状の部材であり,そのエッジで中間転写ベルトの表面を掻き取ることによって,トナー等の付着物をクリーニングするものである。そのために,ブレード部材は通常,その板面が中間転写ベルトの移動方向に逆らう角度となるように保持され,エッジが中間転写ベルトの表面に押し当てられる。また,中間転写ベルトの進行方向に対する幅方向について,ブレード部材によって掻き取られる範囲は,画像形成領域より大きく,非画像領域を含むベルトの全幅より小さく設定されることが多い。
なお,上述のものとは異なるタイプの画像形成装置においては,ベルト自体にトナー像の転写を受けることはないものの,クリーニングの対象となるベルトもある。例えば,直接転写方式の装置における直接転写ベルトや,ベルト転写方式の2次転写装置における2次転写ベルト等である。このようなベルトでは,用紙等を担持してその用紙上にトナー像の転写を受ける。この場合は,担持できる最大幅の用紙幅が画像形成領域に相当し,その両外側に非画像領域がある。このようなベルトにも,例えば用紙のジャム時にはトナーが付着する。そのため,ブレード部材によるクリーニングが行われるものがある。
このようなものでは,ブレード部材の幅方向の端部であるエッジ両端部は,中間転写ベルトの非画像領域の表面に接触されている。そして従来より,そのエッジ両端部が中間転写ベルトの移動によって引き込まれて強く湾曲し,ブレード部材の本来の板面の方向に逆らってめくれた状態となるおそれがあった。このようになると,ブレード部材や中間転写ベルトのその部分が特に摩耗が進み,以後のクリーニング性が低下するおそれがある。これに対して,特許文献1では,ブレード部材の幅より大きい範囲にわたって,潤滑剤を塗布する画像形成装置が開示されている。この文献によれば,潤滑剤の幅とそれを塗布するブラシの幅とを適切に決定しておくことにより,ブレード部材のめくれを防止できるとされている。
特開2008−129443号公報
しかしながら,前記した従来の画像形成装置では,ブレード部材よりも広範囲にわたって潤滑剤が塗布される。そのため,ブレード部材の端部によって,潤滑剤が飛散されるおそれがある。そして,飛散した潤滑剤が付着する場所によっては,画質不良や用紙への潤滑剤の付着等を引き起こす原因となるおそれがある。
本発明は,前記した従来の画像形成装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,潤滑剤の飛散を引き起こすおそれがなく,ブレード部材のめくれを防止し,長期にわたり安定したクリーニング性を維持することのできる画像形成装置を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,トナー像を形成するトナー像形成部と,ローラに架け渡されてそのローラの回転によって移動しつつ,トナー像形成部によって形成されたトナー像,またはトナー像形成部によって形成されたトナー像の転写を受ける媒体を,担持面によって担持する無端ベルト状の担持体と,担持体の移動方向について担持体がトナー像またはトナー像の転写を受ける媒体を担持しない箇所で担持体の担持面を掻き取るブレード部材とを有する画像形成装置であって,担持体は,その移動方向に対する幅方向について,少なくともトナー像を担持し得る最大の範囲または媒体を担持し得る最大の範囲を含み,担持面の全幅より小さい範囲である画像形成領域と,画像形成領域の幅方向両外側に設けられた非画像領域とを有しており,ブレード部材の掻き取り幅は,画像形成領域を包含し,かつ,画像形成領域と非画像領域との合計範囲に包含される範囲内であり,担持体の担持面の表面状態は,非画像領域の摩擦係数が画像形成領域の摩擦係数より小さいものである。
本発明の画像形成装置によれば,画像形成領域と非画像領域とでその表面の状態が異なる。特に,その摩擦係数が,非画像領域では画像形成領域より小さい。従って,非画像領域では,ブレード部材と担持面との間に働く摩擦力が小さい。つまり,潤滑剤を使用しなくても,ブレード部材の幅方向端部が,担持体によって引っ張られる力は小さい。これにより,潤滑剤の飛散を引き起こすおそれがなく,ブレード部材のめくれを防止し,長期にわたり安定したクリーニング性を維持することのできる画像形成装置となっている。
さらに本発明では,担持体の担持面のうち,非画像領域における十点平均粗さRzは,画像形成領域における十点平均粗さRzより大きいことが望ましい。
このようにすることにより,非画像領域において担持体とブレード部材との間に働く摩擦力を画像形成領域におけるものより充分小さくできる。
さらに本発明では,担持体の担持面のうち,非画像領域におけるユニバーサル硬度は,画像形成領域におけるユニバーサル硬度より大きいことが望ましい。
このようにしても,非画像領域において担持体とブレード部材との間に働く摩擦力を画像形成領域におけるものより充分小さくできる。
本発明の画像形成装置によれば,潤滑剤の飛散を引き起こすおそれがなく,ブレード部材のめくれを防止し,長期にわたり安定したクリーニング性を維持することのできる画像形成装置とすることができる。
本形態に係る画像形成装置の主要部分を示す概略構成図である。 中間転写ベルトとクリーニング部材との幅の関係を示す説明図である。 ベルトと試験用ブレードとの間に働く動摩擦力の大きさを求める試験の概略構成を示す説明図である。 中間転写ベルトの表面粗さと摩擦力との関係を示すグラフ図である。 中間転写ベルトの表面のユニバーサル硬度と摩擦力との関係を示すグラフ図である。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,電子写真方式の画像形成装置に,本発明を適用したものである。
本形態のカラープリンタ1は,その主要部を図1に示すように,各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kを有するいわゆるタンデム型の画像形成装置である。各色の画像形成部は,中間転写ベルト11に沿って図中左から右へ,イエロー10Y,マゼンタ10M,シアン10C,ブラック10Kの順に配置されている。さらに,中間転写ベルト11の図中左方にはクリーニング部材13,図中右方には2次転写ローラ14がそれぞれ配置されている。これらは,中間転写ベルト11を挟んで,中間転写ベルト11を張架するローラ16,17にそれぞれ対向して配置されている。本形態では,クリーニング部材13としてブレード部材を用いている。
イエローの画像形成部10Yにおいては,感光体21を中心として,感光体21にトナー像を形成するための各装置がその周囲に並べられている。ただし,この図1では,現像器24と1次転写部25のみを示している。また,他の色の画像形成部も,このイエローのものとほぼ同様の構成となっている。
画像形成時には中間転写ベルト11は,図1中に矢印Aで示すように,図中反時計回りに移動される。各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kによって,それぞれの感光体21に各色のトナー像が形成される。形成された各色のトナー像は,1次転写部25によって中間転写ベルト11の表面11a上に重ねて転写される。次いで,重ねられたトナー像が2次転写ローラ14によって,用紙に転写される。この中間転写ベルト11の表面11aは,ローラ16,17に巻き掛けられたときに外側となっている面であり,担持面に相当する。
用紙に転写された後の中間転写ベルト11に残留するトナーは,クリーニング部材13によって掻き取られる。本形態のクリーニング部材13は,例えばウレタンゴム等の硬質の弾性材によって形成された板状の部材であり,図1に見えているのはその側面である。クリーニング部材13は,角部分であるエッジ18を含む先端部を自由端とした状態で,基部19を保持されており,エッジ18のみが中間転写ベルト11に接触するように押し当てられている。
エッジ18を中間転写ベルト11の表面11aに押し当てるために,クリーニング部材13は,図1に示すように,表面11aに対して傾けて取り付けられている。ここでは,クリーニング部材13の基部19に対して,エッジ18が中間転写ベルト11の移動方向について上流側に向けられている。このエッジ18と中間転写ベルト11との接触箇所は,中間転写ベルト11の移動方向に直角な方向の線状である。
本形態では,中間転写ベルト11は,その移動方向に対する幅方向(図1中では奥行き方向に相当する)について,画像形成領域Wpと非画像領域Wqとの2種類の領域を有している。画像形成領域Wpは,カラープリンタ1によって画像形成可能な最も幅の大きな用紙への印刷時にトナー像が転写される範囲である。そして幅方向について,画像形成領域Wpより両側の外側の範囲が非画像領域Wqである。この非画像領域Wqへは,積極的にトナーが載置されることはない。
そして,中間転写ベルト11の移動方向に対する幅方向について,クリーニング部材13の幅Yは,図2に示すように,中間転写ベルト11の全幅Wより小さく,画像形成領域Wpの幅より大きい。中間転写ベルト11の幅方向について,エッジ18が接触する範囲は,中間転写ベルト11の全幅Wに包含されているとともに,中間転写ベルト11の画像形成領域Wpを包含している。つまり,クリーニング部材13の幅方向両端部13zは,非画像領域Wqに接触される。なお,非画像領域Wqは,必ずしも中間転写ベルト11の幅方向端部まででなくてもよい。
このような装置において,中間転写ベルト11に押し当てられたクリーニング部材13のエッジ18は,中間転写ベルト11の移動によって引っ張られる。これによって,クリーニング部材13のエッジ18,特にその幅方向両端部13zが,めくれた状態となることがあった。すなわち,中間転写ベルト11とクリーニング部材13との間に引き込まれ,強く湾曲するのである。
これに対し,中間転写ベルト11とクリーニング部材13との間に働く摩擦力を小さくすることによって,このめくれを防止できる。特に,本発明者は,クリーニング部材13のエッジ18の幅方向両端部13zが受ける摩擦力を小さくすることにより,効果的にめくれを防止できることを見出した。すなわち,中間転写ベルト11のうち幅方向両端部13zが接触している箇所の表面状態を適切に調整することにより,この間に働く摩擦力を小さくして,めくれを防止することができる。
上述したように,クリーニング部材13の幅方向両端部13zが接触するのは非画像領域Wqであるため,中間転写ベルト11のうち非画像領域Wqにおける表面状態のみがこの摩擦力に関わる。中間転写ベルト11の画像形成領域Wpの表面状態は,カラープリンタ1によって得られる画像の画質を良好なものとするための各種の条件に基づいて決定されている。そのため,安易に表面の状態を調整することはできない。一方で,非画像領域Wqは画質に直接影響する範囲ではないので,クリーニング部材13との間の摩擦力を低減するためにその表面状態を調整しておいてもかまわない。
そこで,本形態の中間転写ベルト11は,画像形成領域Wpと非画像領域Wqとで,表面状態が異なるものとなっている。すなわち,中間転写ベルト11のうち,非画像領域Wqの表面状態は,画像形成領域Wpにおける表面状態とは異なり,クリーニング部材13との間に働く摩擦力が小さくなるように決定されている。つまり,本形態の中間転写ベルト11は,非画像領域Wqにおける摩擦力が,画像形成領域Wpにおける摩擦力より小さい表面状態となっているものである。それにより,クリーニング部材13の幅方向両端部13zに働く摩擦力を,予め決めた水準以内とするように決定されている。なおここでの摩擦力は,中間転写ベルト11上にトナーのない状態でのものである。
本発明者は,図3に示すような実験によって,この摩擦力の適切な水準を決定した。この実験では,試験用ブレード31として,ウレタンゴム製でJIS−A硬度が70°の材質のものを用いた。試験用ブレード31を支持部材32によって斜めに保持し,試験用ブレード31のエッジ33を実験の対象であるベルト35の表面に対して押し付けた。従って,試験用ブレード31とベルト35との接触箇所は,図中奥行き方向の線状である。
本実験では,この試験用ブレード31の大きさは,厚さ2mm,幅10mmの板状であり,自由長が8mmとなるように支持部材32に固定したものとした。すなわち,エッジ33は,図中奥行き方向に10mmの長さのものである。さらに,図3に示すように,試験用ブレード31をベルト35の表面に対してほぼ直角に,押し付け荷重40N/mで押し付けた。従って,全荷重は0.4Nである。さらに,このように試験用ブレード31を押し当てている状態で,実験対象のベルト35に対し,その表面に平行で,かつ,エッジ33に直角な方向(図中で右向き)の力を加え,ベルト35が動いている時に試験用ブレード31が受ける動摩擦力を測定した。なお,大小関係は動摩擦力も静摩擦力も同じであるので,以下では,単に,摩擦力という。
このようにして,実験対象のベルト35として,種々のものを用いた実験を行った。その結果から,発明者は,上述のような試験用ブレード31を用いて測定した際の摩擦力が,非画像領域Wqにおいて画像形成領域Wpより小さくなっていれば,クリーニング部材13のめくれが発生しないことを見出した。非画像領域Wqにおける摩擦力が,例えば0.4N以下であるようなものとするのである。
すなわち,本形態の中間転写ベルト11は,その非画像領域Wqに相当する範囲内の表面状態を,画像形成領域Wpの表面状態より摩擦係数が小さいものである。このような中間転写ベルト11を使用することによって,クリーニング部材13のめくれが,効果的に防止できる。
さらに,発明者は,ベルト自体の素材を従来のものから変更することなく,上記の条件を満たす表面状態のベルトを形成する2種類の形態を見出した。その形態は,ベルトの表面粗さを部分的に粗くしたもの,または,表面の硬度を大きくするようなコーティングを部分的に施したものである。非画像領域Wqのみにこのような加工をすればよい。このベルトを使用することにより,クリーニング部材13の幅方向両端部13zに働く摩擦力を小さいものとできる。
まず,表面粗さによる形態について説明する。この形態では,中間転写ベルト11の非画像領域Wqにおける表面粗さを,画像形成領域Wpにおける表面粗さより大きいものとしている。より具体的には,従来のような均一の表面状態を有する中間転写ベルト11のうち,非画像領域Wqに相当する範囲の表面を粗く削り取ることにより,この範囲内だけ表面粗さを大きくしたものである。これにより,この範囲内における中間転写ベルト11の表面とクリーニング部材13のエッジ18との実質的な接触面積を小さくすることができる。そのため,ベルト表面粗さが大きいと,その箇所における摩擦力はむしろ小さいものとなる。
なお,このようなベルトを製造する方法としては,例えば,ベルト自体を製造する際の成形金型の形状を調整することによって実現可能である。あるいは,一旦,均一な表面のベルトを製造して,製造されたベルトの表面に,形状矯正金型等を用いて加工を施してもよい。またあるいは,成型後のベルトの表面を部分的に研磨することによっても得ることができる。
発明者は,このようにして表面粗さを大きくした実験用のベルトを製造し,図3に示したような試験用ブレード31による摩擦力を計測した。実験対象のベルトとして,それぞれ異なる表面粗さとしたポリフェニレンサルファイド(PPS)材のベルトを用意した。ここでは,十点平均粗さRzで0.5〜3.0の範囲内の表面粗さの6種類のベルトを用いた。その結果を,図4に示す。この図に示すように,表面粗さRzを大きくすることにより,摩擦力を小さくできることが分かった。
なお,画像形成領域Wpのベルトの表面粗さは,あまり大きくできない。表面粗さが大きいと,トナーがクリーニング部材13のエッジをすり抜けやすくなるため,クリーニング不良が発生するおそれがあるからである。本形態の中間転写ベルト11では,画像形成領域Wpの表面粗さRzは1.0μm以下とすることが望ましい。
一方,非画像領域Wqは,画像を形成するために積極的に使用される範囲ではないので,そのクリーニング性能が画像形成領域Wpより多少低いものであっても問題ない。そこで本形態の中間転写ベルト11は,非画像領域Wqに限って,その表面粗さを1.0μmより大きくしたものとした。このようにすると,画像形成領域Wpの残留トナーは効果的に除去できるとともに,非画像領域Wqでは,中間転写ベルト11とクリーニング部材13との間に働く摩擦力は小さいものとなる。
発明者は,この発明の効果を実験によって確かめた。実験では,画像形成領域Wpの表面粗さRzをいずれも1.0μmとするとともに,非画像領域Wqの表面粗さをそれぞれ異なるものとし,以下の6種類の中間転写ベルトを製造した。実施例1〜4は,非画像領域Wqの表面粗さが1.0μmより大きいものである。比較例1〜2は,非画像領域Wqの表面粗さが1.0μm以下のものである。なお,画像形成領域Wpの表面粗さRzの値は一例であり,この値に限るものではない。非画像領域Wqにおける表面粗さRzより小さいものであればよい。
これらの6種類の中間転写ベルトをカラープリンタ1に装着し,それぞれ耐久試験を行った。耐久試験条件は,ベルトの走行速度を200mm/s,ベルト走行時間中の画像形成時間の割合を20%(耐久CW比20%)として,中間転写ベルトの走行距離で計120kmを上限とした。この条件で連続した画像形成を行った。
Figure 2012018250
この実験の結果は,上記の表1の通りであった。すなわち,非画像領域Wqにおける表面粗さRzを1.0μmより大きくした実施例1〜4ではいずれも,走行距離120kmまでの段階でクリーニング部材13のめくれは発生しなかった。一方,非画像領域Wqにおける表面粗さRzが1.0μm以下の比較例1〜2では,ある程度以上の繰り返しの画像形成によりめくれが発生した。従って,非画像領域Wqにおける表面粗さRzを1.0μmより大きくすることにより,クリーニング部材13のめくれが防止できることが確認できた。なお,実施例1〜4および比較例1〜2のいずれでも,画像形成領域Wpのクリーニング状態や,形成された画像の画質には,問題はなかった。
次に,表面の硬度による形態を説明する。中間転写ベルト11の表面にコート層を設け,コート層の表面の硬度を領域によって異なるものとすることによっても,摩擦力を適切に調整することができる。つまり,中間転写ベルト11のうち非画像領域Wqにおける表面硬度が,画像形成領域Wpにおける表面硬度より大きくされたベルトとするのである。これは,表面が柔らかいベルトは,エッジ18が接触している箇所において変形しやすく,そのためエッジ18との接触面積が大きくなることによる。表面硬度が大きい範囲ではベルトの変形が小さいので,エッジとの間に働く摩擦力が小さくなる。
このようなベルトを製造するためには,例えば,非画像領域Wqのみにフッ素樹脂をスプレーコートすればよい。これにより,その領域内の範囲のみの表面硬度を大きくすることができる。またあるいは,無機酸化物層(例えばSiO2等)を,例えば大気圧プラズマCVD等を用いたコーティング手法によって積層することによっても,実現可能である。
発明者は,表面粗さの場合と同様に,実験用のベルトによる実験を行った。実験対象のベルトとして,PPS材の中間転写ベルトの表面に各種のコート層を設けたものを用意し,上述の図3に示したような試験用ブレード31による動摩擦力を計測した。実験対象のベルトとしては,そのユニバーサル硬度が50〜450N/mm2の範囲内でそれぞれ異なる6種類のものを製造した。なお,この測定に用いた各ベルトではいずれも,表面粗さは全範囲にわたって1.0μmとなるように調整した。
この実験の結果,中間転写ベルト11の表面硬度とクリーニング部材13との摩擦力との間には,図5に示すような関係があることがわかった。すなわち,表面硬度を大きくすると摩擦力が小さくなることが確認できた。そして,この図に示すように,ユニバーサル硬度を大きくすることにより,摩擦力を小さくできることが確認できた。
さらに発明者は,このタイプのベルトによっても耐久試験を行い,表面粗さによるものと同様の効果が得られることを確認した。この実験では,画像形成領域Wpの表面硬度を一律に150N/mm2とし,非画像領域Wqの表面硬度のみを変えたものを,以下の表2に示すように6種類製造した。実施例1〜3は,いずれも表面硬度が150N/mm2より大きいものである。比較例1〜3は,いずれも表面硬度が150N/mm2以下のものである。なお,耐久試験の試験条件は,上述の表面粗さの場合と同じである。なお,画像形成領域Wpの表面硬度の値は一例であり,この値に限るものではない。
Figure 2012018250
この実験の結果は,上記の表2の通りであった。すなわち,非画像領域Wqにおける表面硬度を150N/mm2より大きくした実施例1〜3では,走行距離120kmまでめくれが発生しなかった。一方,非画像領域Wqにおける表面硬度が150N/mm2以下の比較例1〜3では,ある程度以上の耐久使用によりブレードのめくれが発生した。従って,中間転写ベルト11の表面硬度を150N/mm2より大きくすることによっても本発明の効果が得られることが確認できた。なお,実施例1〜3および比較例1〜3のいずれでも,画像形成領域Wpのクリーニング状態や,形成された画像の画質には,問題はなかった。
一般に,クリーニング部材13の材質や中間転写ベルト11の表面への接触角度,押し付け力等は,クリーニングの対象となるトナーの形状(球形度や大きさ等)によって決定されている。また,中間転写ベルト11の画像形成領域Wpにおける表面状態も,形成画像の画質を優先して決定されている。従って,本発明では,これらの条件に変更を加えることはしない。そして,中間転写ベルト11の非画像領域Wqにおける表面状態のみを調整している。つまり,予め定められている画像形成領域Wpの表面状態とは別に,非画像領域Wqにおける表面状態を適切な範囲となるように定めればよい。
以上詳細に説明したように,本形態のカラープリンタ1によれば,中間転写ベルト11の表面状態を,非画像領域Wqの摩擦係数が,画像形成領域Wpの摩擦係数よりも小さいものとしている。従って,非画像領域Wqにおけるクリーニング部材13との間に働く摩擦力が,画像形成領域Wpにおける値より小さい。
そのために,例えば,中間転写ベルト11のうち,非画像領域Wqにおける表面粗さ(十点平均粗さ)Rzを画像形成領域Wpにおける表面粗さより大きくしたものとすればよい。あるいは,非画像領域Wqにおける表面硬度(ユニバーサル硬度)を画像形成領域Wpにおける表面硬度より大きくしたものとしてもよい。これにより,クリーニング部材13の端部がめくれることが防止されている。従って,画質不良を引き起こすことなく,ブレード部材のめくれを防止し,安定したクリーニング性を維持することのできる画像形成装置となっている。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
上記の形態では,中間転写ベルト11の表面状態に本発明を適用しているが,トナー像を担持するベルト状の感光体にも適用可能である。この場合には,現像器がトナー像形成部に相当する。また,用紙を担持して,その用紙にトナー像の転写を受けるものにも適用可能である。例えば,直接転写方式の転写ベルト,2次転写装置における用紙担持ベルト等である。このようなものに適用する場合は,その画像形成領域Wpを,担持可能な最大幅の用紙の幅とすればよい。
また,上記の形態では,画像形成領域Wpを形成可能なトナー像の最大幅,または担持可能な用紙の最大幅と等しい幅としているが,これよりはやや大きくクリーニング部材13の幅より小さい予め決めた幅とすることもできる。また,非画像領域Wqは,中間転写ベルト11の幅方向についてかならずしも全幅までとしなくともよい。少なくとも,クリーニング部材13のエッジ18の幅方向両端部13zが接触する可能性がある範囲の全体を含む範囲を,非画像領域Wqとしてあらかじめ設定しておけばよい。
1 カラープリンタ
10Y,10M,10C,10K 各色の画像形成部
11 中間転写ベルト
11a 表面
13 クリーニング部材
16,17 ローラ
31 試験用ブレード
Wp 画像形成領域
Wq 非画像領域

Claims (3)

  1. トナー像を形成するトナー像形成部と,
    ローラに架け渡されてそのローラの回転によって移動しつつ,前記トナー像形成部によって形成されたトナー像,または前記トナー像形成部によって形成されたトナー像の転写を受ける媒体を,担持面によって担持する無端ベルト状の担持体と,
    前記担持体の移動方向について前記担持体がトナー像またはトナー像の転写を受ける媒体を担持しない箇所で前記担持体の前記担持面を掻き取るブレード部材とを有する画像形成装置において,
    前記担持体は,その移動方向に対する幅方向について,
    少なくともトナー像を担持し得る最大の範囲または媒体を担持し得る最大の範囲を含み,前記担持面の全幅より小さい範囲である画像形成領域と,
    前記画像形成領域の幅方向両外側に設けられた非画像領域とを有しており,
    前記ブレード部材の掻き取り幅は,
    前記画像形成領域を包含し,かつ,前記画像形成領域と前記非画像領域との合計範囲に包含される範囲内であり,
    前記担持体の前記担持面の表面状態は,前記非画像領域の摩擦係数が前記画像形成領域の摩擦係数より小さいものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において,
    前記担持体の前記担持面のうち,前記非画像領域における十点平均粗さRzは,前記画像形成領域における十点平均粗さRzより大きいことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の画像形成装置において,
    前記担持体の前記担持面のうち,前記非画像領域におけるユニバーサル硬度は,前記画像形成領域におけるユニバーサル硬度より大きいことを特徴とする画像形成装置。
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