JP5012099B2 - 画像形成装置及び中間転写部材 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置及び中間転写部材に関する。
中間転写ベルト等の中間転写部材を用いてトナーを静電転写することでカラー画像を形成する画像形成装置が知られている。中間転写部材を用いて用紙に画像形成を行う場合、一般的にまず感光体等の像担持体から中間転写部材にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックトナーの四色を互いに重ね合わせた状態で転写(一次転写)した後、一括して用紙に多色画像を転写する(二次転写)。
このような画像形成装置において用いられる用紙としても様々な種類が求められ、表面が平滑なものから、エンボス紙と呼ばれる表面に凹凸が形成されたものまである。凹凸用紙では、凹部で用紙と中間転写部材表面との間に空隙が生じ、放電により中間転写部材表面に形成されたトナーが逆帯電し、転写不良となることがある。特に中間転写部材を用いたシステムでは、一次転写工程で先に転写されたトナーは次々に転写電界の作用と放電により帯電電荷量が高くなり、この高帯電トナーを転写するため二次転写工程では高電界を必要とすることも凹凸用紙での転写不良を加速している。
凹凸用紙で転写不良のない良好な転写を得るためには、凹部で用紙と中間転写部材表面との間に生じる空隙を極力なくすことが必要となる。例えば、特許文献1には所定のヤング率の弾性層を有するゴム材料からなる中間転写ベルトが記載され、特許文献2には多層構造で層の一つが低硬度材料からなる中間転写ベルトが記載されている。
特開2005−195679号公報 特開2004−191659号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載の中間転写部材に用いられる弾性体でも凹凸用紙の凹部への追従性に限界があり、転写性が十分ではなかった。したがって、更なる凹部への中間転写部材の追従性が求められている。
本発明は、凹凸用紙に対しても良好な転写性を有する画像形成装置及びそれに用いられる中間転写部材である。
本発明は、トナー像が形成される像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記トナー画像を中間転写部材に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写部材に転写されたトナー画像を被転写体に二次転写する二次転写手段と、を備え、前記中間転写部材は弾性層を有し、少なくとも前記弾性層の表面が複数の切込部により分割されており、前記複数の切込部は、その切込深さが70〜100μmの範囲である画像形成装置である。
また、前記画像形成装置において、前記複数の切込部は、その切込ピッチが200μm以下であることが好ましい。
また、前記画像形成装置において、前記切込ピッチに対する前記切込深さの比(「深さ/ピッチ」の値)が0.25〜1.0の範囲であることが好ましい。
また、前記画像形成装置において、前記中間転写部材が中間転写ベルトであり、前記像担持体の表面に沿って接触するよう配置されることが好ましい。
また、前記画像形成装置において、前記二次転写手段が転写ロールを有し、前記中間転写ベルトが前記転写ロールの表面に沿って接触するよう配置されることが好ましい。
また、前記画像形成装置において、前記中間転写ベルトの表面をクリーニングするクリーニング手段を備え、前記クリーニング手段は、クリーニング部材と前記クリーニング部材に対向する対向部材とを有し、前記中間転写ベルトが前記対向部材の表面に接触するよう配置されることが好ましい。
また、前記画像形成装置において、前記クリーニング部材がクリーニングブラシであることが好ましい。
また、前記画像形成装置において、前記中間転写ベルトの前記対向部材の表面における曲率が、前記転写ロールの表面における曲率よりも大きいことが好ましい。
また、前記画像形成装置において、前記中間転写部材の表面を被覆する被覆層を有することが好ましい。
また、前記画像形成装置において、前記被覆層の厚みが2μm〜15μmの範囲であることが好ましい。
また、前記画像形成装置において、前記クリーニング部材がクリーニングブレードであり、前記中間転写部材の表面を被覆する被覆層を有することが好ましい。
また、本発明は、像担持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写部材を介して被転写体に転写する画像形成装置に用いられ、弾性層を有し、少なくとも前記弾性層の表面が複数の切込部により分割されており、前記複数の切込部は、その切込深さが70〜100μmの範囲である中間転写部材である。
また、前記中間転写部材において、前記複数の切込部は、その切込ピッチが200μm以下であることが好ましい。
また、前記中間転写部材において、前記切込ピッチに対する前記切込深さの比(「深さ/ピッチ」の値)が0.25〜1.0の範囲であることが好ましい。
また、前記中間転写部材において、前記中間転写部材の表面を被覆する被覆層を有することが好ましい。
また、前記中間転写部材において、前記被覆層の厚みが2μm〜15μmの範囲であることが好ましい。
本発明では、像担持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写部材を介して被転写体に転写する画像形成装置及びそれに用いられる中間転写部材において、中間転写部材の表面が複数の切込部により分割されていることにより、凹凸用紙に対しても良好な転写を行うことができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例である4サイクル方式のフルカラープリンタの画像形成部を示す概略構成図であり、図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置である4サイクル方式のフルカラープリンタを示す全体概略構成図である。「4サイクル方式」のカラー画像形成装置では、単一の感光体ドラム上に順次形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒等の各色のトナー画像を、中間転写部材上に互いに重ね合わせた状態で一次転写した後、当該中間転写部材上に多重に転写されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒等のトナー画像を、二次転写ロールによって記録用紙上に二次転写することにより、カラー画像を形成するように構成されている。
なお、本実施形態において画像形成装置は、4サイクル方式のカラー画像形成装置に限らず、複数(例えば、4つ)の感光体上に形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒等の互いに色が異なる各色のトナー画像を、中間転写部材上に互いに重ね合わせた状態で一次転写した後、当該中間転写部材上に多重に転写されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒等のトナー画像を、二次転写ロールによって記録用紙上に二次転写することにより、カラー画像を形成するように構成した、「タンデム方式」のカラー画像形成装置等であってもよい。
図2に示す画像形成装置1は、静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム2と、感光体ドラム2表面を帯電する帯電手段としての帯電ロール3と、感光体ドラム2を回転駆動する駆動手段(図示せず)と、感光体ドラム2の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置4と、感光体ドラム2の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する現像手段としての現像装置5と、感光体ドラム2によって従動駆動され、感光体ドラム2上に順次現像される各色のトナー画像が複数色重ね合わされて一次転写される中間転写部材としての中間転写ベルト6と、感光体ドラム2上に順次現像される各色のトナー画像を中間転写部材に一次転写する一次転写手段としての一次転写ロール7と、中間転写ベルト6上のトナー画像を一括して記録用紙(被転写体)9上に二次転写する二次転写手段としての二次転写ロール8と、中間転写ベルト6上の残トナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置18と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。図2において、画像形成装置1の内部には、中央よりもやや右上部に、像担持体としての感光体ドラム2が回転可能に配設されている。この感光体ドラム2は、図示しない駆動手段により、矢印方向に沿って回転駆動される。感光体ドラム2の表面は、図1に示すように、感光体ドラム2の略直下に配置された帯電手段としての帯電ロール3によって所定の電位に帯電された後、感光体ドラム2直下の離れた位置に配置された露光手段としての露光装置4であるROS(Raster OutputScanner)によって、レーザービーム(LB)による画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。感光体ドラム2上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器5Y、5M、5C、5Kを周方向に沿って配置した回転式の現像装置5によって現像され、所定の色のトナー画像となる。
その際、感光体ドラム2の表面には、形成する画像の色に応じて、帯電、露光、現像の各工程が、所定回数だけ繰り返される。回転式の現像装置5は、所定のタイミングで回転駆動され、現像する色に対応した現像器5Y、5M、5C、5Kが、感光体ドラム2と対向する現像位置に移動する。例えば、フルカラーの画像を形成する場合、感光体ドラム2の表面には、帯電、露光、現像の各工程が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応して4回繰り返され、感光体ドラム2の表面には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー画像が順次形成される。トナー画像が形成されるにあたって感光体ドラム2が回転する回数は、画像のサイズに応じて異なるが、例えば、A4サイズであれば、感光体ドラム2が3回転することによって、1色の画像が形成される。つまり、感光体ドラム2の表面には、感光体ドラム2が3回転するごとに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー画像が順次形成される。なお、感光体ドラム2上に順次形成されるトナー画像は、後述するように、一次転写位置を通過する際に、中間転写ベルト6上に互いに重ね合わされた状態で一次転写される。
感光体ドラム2上に順次形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー画像は、感光体ドラム2の外周に中間転写部材としての中間転写ベルト6が巻き付けられた一次転写位置において、中間転写ベルト6上に互いに重ね合わされた状態で、一次転写ロール7によって一次転写される。この中間転写ベルト6上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー画像は、二次転写ロール8によって、所定のタイミングで給紙される記録用紙9上に一括して二次転写される。二次転写ロール8は、中間転写ベルト6に従動するように構成しても良いが、図示しない駆動源からギアを介して回転駆動されるように構成しても良い。その際、二次転写ロール8は、中間転写ベルト6との間に移動速度の差が生じないように、二次転写ロール8の回転速度の方が速くなった場合に空回転するように、トルクリミッターを介して回転駆動するように構成するのが望ましい。
記録用紙9は、図2に示すように、画像形成装置1本体の下部に配置された給紙部10から、ピックアップロール11によって送り出されるとともに、フィードロール12及びリタードロール13によって1枚ずつ捌かれた状態で給紙され、レジストロール14によって中間転写ベルト6上に転写されたトナー画像と同期した状態で、中間転写ベルト6の二次転写位置へと搬送される。また、二次転写ロール8は、所定のタイミングで中間転写ベルト6の表面に接離するように構成されている。この負荷ユニットとしての二次転写ロール8は、中間転写ベルト6の周上における距離が、感光体ドラム2の下流側に近い位置に配置されており、後述するように、当該負荷ユニットが中間転写ベルト6に当接するタイミングに呼応して、感光体ドラム2の駆動速度を低減もしくは増加するように構成されている。
中間転写ベルト6は、図1に示すように、複数のロールによって張架されており、所定のプロセススピードで循環移動するように、感光体ドラム2の回転に伴って従動されるように構成されている。この中間転写ベルト6は、感光体ドラム2における回動方向の上流側にて中間転写ベルト6のラップ位置を特定するラップインロール15と、感光体ドラム2上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト6上に転写する一次転写ロール7と、ラップ位置の下流側にて中間転写ベルト6のラップ位置を特定するラップアウトロール16と、二次転写ロール8に中間転写ベルト6を介して当接するバックアップロール17と、中間転写ベルト6のクリーニング装置18に対向する第1のクリーニングバックアップロール19と、第2のクリーニングバックアップロール20とによって、所定の張力で張架されている。
また、中間転写ベルト6は、複数のロール7,15,16,17,19,20によって張架されているが、本実施形態では、画像形成装置1本体の小型化を図るため、その張架される断面形状が、偏平な細長い略台形状となるように構成されている。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、画像形成装置1の全体が可能な限り小型化されているが、画像形成装置1本体の大きなスペースを回転式の現像装置5が占めている。そのため、画像形成装置1本体は、装置の小型化を達成しつつ、中間転写ベルト6や回転式の現像装置5などのメンテナンス性を向上させるように設計されている。具体的に、中間転写ベルト6は、感光体ドラム2や帯電ロール3、二次転写ロール8を含めて、一体的に画像形成ユニット21を構成しており、画像形成装置1本体の上部カバー22を開くことによって、画像形成ユニット21の全体が画像形成装置1本体に着脱自在となるように構成されている。また、中間転写ベルト6の上部には、当該中間転写ベルト6上に形成されたトナーのパッチ濃度を検出する反射型フォトセンサからなる濃度センサ23が配設されている。
また、中間転写ベルト6のクリーニング装置18は、図1に示すように、第1のクリーニングバックアップロール19によって張架された中間転写ベルト6の表面に当接するように配置されたスクレーパ24と、第2のクリーニングバックアップロール20によって張架された中間転写ベルト6の表面に圧接するように配置されたクリーニングブラシ25とを備えている。これらのスクレーパ24やクリーニングブラシ25によって除去された残留トナーや紙粉等は、クリーニング装置18の内部に回収されるようになっている。なお、クリーニング装置18は、揺動軸26を中心にして、図中反時計周り方向に揺動可能に支持されており、中間転写ベルト6の表面から離間した位置に退避しているとともに、所定のタイミングで中間転写ベルト6の表面に当接するように構成されている。この負荷ユニットとしてのクリーニング装置18は、中間転写ベルト6の周上における距離が、感光体ドラム2の上流側に近い位置に配置されており、後述するように、負荷ユニットが中間転写ベルト6に当接するタイミングに呼応して、感光体ドラム2の駆動速度を増加もしくは低減するように構成されている。なお、クリーニングブラシ25の代わりにクリーニングブレード等を用いても良い。
二次転写ロール8とクリーニング装置18は、中間転写ベルト6の表面に所定のタイミングで当接することによって、中間転写ベルト6に負荷を与える負荷ユニットとして作用するようになっている。そして、二次転写ロール8とクリーニング装置18の一方又は双方は、中間転写ベルト6の表面に当接したり、離間することによって、中間転写ベルト6の負荷が変動する。
さらに、中間転写ベルト6からトナー画像が転写された記録用紙9は、図2に示すように、定着器27へと搬送され、この定着器27によって熱及び圧力でトナー画像が記録用紙9上に定着され、片面プリントの場合には、排出ロール28によって画像形成装置1本体の上部に設けられた排出トレイ29上にそのまま排出される。
一方、両面プリントの場合には、定着器27によりトナー画像が定着された記録用紙9を、排出ロール28によって排出トレイ29上にそのまま排出せずに、排出ロール28によって記録用紙9の後端部を挟持した状態で、当該排出ロール28を逆転させるとともに、記録用紙9の搬送径路を両面用の用紙搬送路30に切り替え、この両面用の用紙搬送路30に配設された搬送ロール31によって、記録用紙9の表裏を反転した状態で、再度、中間転写ベルト6の二次転写位置へ搬送して、記録用紙9の裏面に画像を形成するようになっている。
さらに、画像形成装置1には、図2に示すように、オプションによって、画像形成装置1本体の側面に手差しトレイ32が開閉自在に装着可能となっている。この手差しトレイ32上に載置された任意のサイズ及び種類の記録用紙9は、給紙ロール33によって給紙され、搬送ロール31及びレジストロール14を介して、中間転写ベルト6の二次転写位置へ搬送されることにより、任意のサイズ及び種類の記録用紙9にも画像を形成することが可能となっている。
なお、トナー画像の転写工程が終了した後の感光体ドラム2の表面は、感光体ドラム2が1回転する毎に、感光体ドラム2の斜め下方に配置されたクリーニング装置34のクリーニングブレード35によって、残留トナーなどが除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置1において用いられる中間転写部材である中間転写ベルト6の一例の断面構造を図3に示す。中間転写ベルト6は、弾性層50及び表面層52を有する。図3に示すように、中間転写ベルト6の表面は、複数の切込部54により分割されている。すなわち、中間転写ベルト6の表面が、多数の独立した弾性体を集合させて略面を形成した構成となっている。
本発明者らは、中間転写部材を用いた画像形成装置において、様々な種類の記録用紙、特にエンボス紙と呼ばれる表面に凹凸が形成された記録用紙に対しても転写不良のない良好な転写を得るように、用紙凹部への中間転写部材の追従性を確保するため、追従性を悪くしている要因である中間転写部材の弾性体の面方向連続性を不連続化する方法を考案した。
すなわち、用紙の凸部により中間転写部材表面の位置が規制され、当該凸部に隣接する凹部と対向する中間転写部材は凸部により規制された位置に影響を受けることとなる。そこで、中間転写部材の表面を分割し、多数の独立した弾性体を集合させ略面を形成するように構成した。この分割によって、用紙の凹部と対向する中間転写部材は、用紙の凸部に対向する中間転写部材と無関係に用紙の凹部にまで入り込むことが可能となる。また、独立した弾性体間の隙間を広げることで、独立した弾性体があたかも倒れるように場所を変えることとなり、さらに凹部への追従性が高まる。これにより、エンボス紙と呼ばれる凹凸が形成された記録用紙に対しても転写不良のない良好な転写が得られる。
中間転写ベルト6の弾性層50としては、クロロプレン、ウレアゴム、シリコンゴム等を含む伸縮性を有する弾性体のベルトを用いることができ、コスト等の点から好ましくはクロロプレンを用いることができる。また、弾性層50のヤング率は1MPa〜7MPaの範囲であることが好ましく、1.5MPa〜5MPaの範囲であることがより好ましい。ヤング率が7MPaを超えるとエンボス紙の凹部への追従性が悪くなる場合があり、1MPa未満であると色ずれが発生する場合がある。弾性層50の厚みは通常、0.2mm〜0.7mmの範囲である。
中間転写ベルト6の弾性層50上にはトナー等の異物の付着を防止するために表面層52が形成されている。表面層52は、ウレタン、アクリル等の樹脂中にPTFE等の離型剤を分散させて形成されるが、耐久性等の点からウレタン中にPTFEを分散させて形成されたものが好ましい。表面層52の厚みは通常、2μm〜20μmの範囲である。
図3に示す中間転写ベルト6における切込部54の切込深さdは、表面層52の表面から10μm〜100μmの範囲であることが好ましく、30μm〜80μmの範囲であることがより好ましい。切込深さdが10μm未満であると、エンボス紙の凹部への追従性が悪くなることがあり、100μmを超えると切込部54の奥にまでトナー等の異物が入り込み、除去することが困難になることがある。
中間転写ベルト6における切込部54の切込ピッチLは、200μm以下であることが好ましく、170μm以下であることがより好ましい。切込ピッチLが200μmを超えると、転写むらが人間の視角で認識できるようになる場合がある。すなわち、空間周波数に対する人間の視覚関数値(VTF)の相関図を図4に示すが、空間周波数を少なくとも5.9(cycle/mm)以上(切込ピッチ換算170μm以下)にすると人間の視覚では認識できないものとすることができ、実際には切込ピッチ200μmでも実用上支障がない。切込ピッチを200μm以下とすることにより、記録用紙の凹凸への追従性と共に、独立弾性体間隙で転写むらが発生しても人間の視角でほとんど認識されない。
また、切込部54の切込ピッチLに対する切込深さdの比、d/Lは、0.25〜1の範囲であることが好ましく、0.3〜1の範囲であることがより好ましい。d/Lが1を超えると耐久性に劣る場合があり、0.25未満であるとエンボス紙の凹部への追従性が悪くなることがある。
なお図3において、切込部54は中間転写ベルト6の表面に対してほぼ垂直方向に形成されているが、用紙の凹部への追従性の効果を損なわない限り、斜め方向に形成されていてもよい。
中間転写ベルト6の表面にこのような切込部54を形成する方法は特に制限されず、例えば、フォトエッチング法により形成したプレス金型を中間転写ベルト6の表面に熱プレスして転写形成する方法、表面を研削する方法等が挙げられる。
また、中間転写ベルト6は、図5に示すように、ベース層56、弾性層58及び表面層60の3層構造であってもよい。この場合も、中間転写ベルト6の表面は、複数の切込部54により分割されている。
ベース層56は、ポリイミド、ポリアミドイミド等を含んで形成され、引張弾性率等の点から好ましくはポリイミドを含んで形成される。その厚みは通常、50μm〜150μmの範囲である。
弾性層58は、上記弾性体から構成され、その厚みは通常、0.05mm〜0.7mmの範囲である。表面層60は、上記表面層52と同様である。
なお、中間転写部材としては、ベルト状の中間転写部材である中間転写ベルトの他に、上記弾性体のロールを弾性層とする中間転写ロールを用いてもよいが、用紙の走行性、レイアウトの自由度等の点から中間転写ベルトであることが好ましい。
このような中間転写部材の表面の分割によって、記録用紙の凹部への追従性が高まるが、一方、表面の切込部54の隙間にトナー等の異物が入り込むと、中間転写部材のクリーニングが難しくなる。この対応として、中間転写部材の表面が伸張され、隙間が開く方向に曲率をつけ、その部分でクリーニングを行うように構成することが好ましい。すなわち、中間転写部材の二次転写工程での曲率に比べ、クリーニング部での曲率を大きく取ることで、二次転写工程での隙間に入ったトナー等の異物による画像汚れを防止することができる。
本実施形態では、像担持体から中間転写部材への一次転写工程においては、中間転写部材が中間転写ベルトであり、中間転写ベルトが像担持体表面に沿って接触配置されることが好ましい。すなわち、図1の中間転写ベルト6を略平面から感光体ドラム2を包み込む方向の曲率を持たせて構成することが好ましい。これにより、独立した弾性体間に一次転写工程でトナー等の異物が入り込むことによる画像欠けを防止することができ、独立した弾性体の動きによる画像乱れがほとんど生じない。
また、中間転写部材が中間転写ベルトであり、中間転写部材から記録用紙への二次転写工程に転写ロールを用い、中間転写ベルトが転写ロール表面に沿って接触配置されることが好ましい。すなわち、図1の二次転写ロール8と中間転写ベルト6との接触開始位置において中間転写ベルト6の曲率が略平面から二次転写ロール8を包み込む方向の曲率を持たせて構成することが好ましい。このためには、図6に示すように、二次転写ロール8を、対向するバックアップロール17から上流側に角度α=3°〜20°程度回転させた位置に当接するよう配置することが好ましい。これにより、独立した弾性体間に二次転写工程でトナー等の異物が入り込むことによる画像欠けを防止することができ、独立した弾性体の動きによるが画像乱れがほとんど生じない。
また、中間転写ベルト表面をクリーニングするクリーニング手段を備え、クリーニング手段が、クリーニング部材と当該クリーニング部材に対向する対向部材とを有し、中間転写ベルトが対向部材表面に接触配置されることが好ましい。すなわち、図1の中間転写ベルト6上の不要トナーをクリーニングするクリーニング装置18において、クリーニングブラシ25に対向する部分の中間転写ベルトに曲率を付ける第2のクリーニングバックアップロール20を設けることが好ましい。これにより、クリーニング工程において、独立した弾性体間に入り込んだトナー等の異物までクリーニングすることが可能となり、繰り返し画像形成による安定性を確保することができる。また、クリーニング部材がクリーニングブラシであることが好ましい。クリーニングブラシによれば、中間転写ベルト表面を良好にクリーニングすることができる。
さらに、中間転写ベルトの対向部材における曲率が、転写ロールにおける曲率よりも大きいことが好ましい。すなわち、図1のクリーニング装置18における第2のクリーニングバックアップロール20による中間転写ベルト6の曲率が、記録用紙への二次転写工程における二次転写ロール8による中間転写ベルト6の曲率に比べて大きいことが好ましい。これにより、二次転写工程に比べてクリーニング工程において独立した弾性体間の間隙を大きくすることができ、繰り返し画像形成による安定性を確保することができる。
以上のような構成により、像担持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写部材を介して被転写体に転写する画像形成装置及びそれに用いられる中間転写部材において、エンボス紙等の凹凸用紙に対しても良好な転写を行うことができ、画像欠陥や画像乱れを防止し、繰り返し画像形成による安定性を確保することができる。すなわち、従来は、中間転写部材に弾性体を使用しても、転写面が連続しているためエンボス紙などの凹凸の大きい記録用紙に対する追従性が悪く、画質欠陥が生じていたが、中間転写部材の転写面を複数に独立させて不連続とすることで、凹凸の大きい記録用紙に対する追従性を向上することができ、良好な画質が得られる。
また、中間転写ベルト6は、図7に示すように、表面が複数の切込部54により分割された弾性層50及び被覆層62の2層構造であってもよい。すなわち、表面が複数の切込部54により分割された弾性層50の表面が被覆層62により覆われている。本構成により、弾性層50の表面が薄層の連続した(分割されていない)被覆層62により覆われているため、長期に及ぶ使用でも切込部54にトナー等の異物が入り込むことを防止し、トナーとの離型性を確保することができる。また、クリーニングブレード、クリーニングブラシ等を用いるクリーニング装置18による中間転写ベルト6表面のクリーニングを良好に行うことができる。特に、クリーニングブレードを用いても、ブレードのエッジが切込部54に当たってクリーニング不良を起こすことを防止することができる。
被覆層62は、ウレタン、アクリル等の樹脂中にPTFE等の離型剤を分散させて形成されるが、耐久性等の点からウレタン中にPTFEを分散させて形成されたものが好ましい。被覆層62の厚みは、2μm〜15μmの範囲であることが好ましい。被覆層62の厚みが2μm未満であると、均一な薄膜を維持することが困難となるため、トナー等の異物が入り込むことを十分に防止することができない場合があり、15μmを超えると用紙凹部への中間転写部材の追従性が低下する場合がある。また、被覆層62は、表面が複数の切込部54により分割された弾性層50表面にウレタン系樹脂等を主成分とし、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を含む被覆層用組成物をスプレー塗布等の塗布方法により塗布し、乾燥、焼成することにより、所定の厚さで連続層として形成することができる。
感光体ドラム2は、少なくとも静電潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。感光体ドラム2としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、円筒状基体上に、必要に応じて下引き層、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層、必要に応じて表面層(表面保護層)がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
帯電ロール3は、従来から使用されているものと同様に、感光体ドラム2の画像形成領域全体に対応させて長いものとして構成し、感光体ドラム2に対して帯電ロール3を両側の軸に配置したスプリング等の付勢手段(図示せず)を用いて、所定の押圧力で接触させ、感光体ドラム2の回転に追従させて、回転しながら感光体ドラム2の表面を帯電させるような動作を行う。帯電ロール3には、鉄やステンレス等の金属系材料で構成した軸部材の周囲に弾性体層を一体に所定の厚さで設けており、この弾性体はカーボン等を分散したEPDMゴム(エチレンプロピレンゴム)等の導電性の材料を用いることができる。
帯電後、感光体ドラム2表面に露光装置4により画像情報に応じた画像光(露光)が照射されると、照射された部分は電位が低下する。画像光は画像の黒/白等に応じた光量の分布であるため、画像光の照射によって感光体ドラム2表面に記録画像に対応する電位分布、すなわち静電潜像が形成される。
露光装置4としては、特に制限はなく、例えば、感光体ドラム2表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光できるレーザ光学系、LEDアレイなどの光学系機器等が挙げられる。
現像装置5は、感光体ドラム2上に形成された静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む一成分現像剤あるいは二成分現像剤により現像してトナー画像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、トナー層が感光体ドラム2に接触する方式のものでも、接触しない方式のものでもよい。例えば、静電荷像現像用トナーを現像ロールを用いて感光体ドラムに付着させる機能を有する現像器、あるいはブラシ等を用いてトナーを感光体ドラムに付着させる機能を有する現像器等、公知の現像器等が挙げられる。現像剤担時体には、通常直流電圧が使用されるが、更に交流電圧を重畳させて使用してもよい。
定着手段としての定着器27としては、記録用紙9に転写されたトナー画像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであれば特に制限はない。
クリーニング装置34については、感光体ドラム2表面上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコンゴム等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。但し、転写効率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング装置34を使用しない態様もありえる。
トナー画像を転写する被転写体である記録用紙9としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等の他に表面に凹凸が形成されたエンボス紙(凹凸用紙)、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を使用することができる。本実施形態に係る画像形成装置においては、上記構成によりエンボス紙の凹部への追従性に優れるため、記録用紙9としてエンボス紙を使用しても、凹部で用紙と中間転写部材表面との間に空隙がほとんど生じることなく、放電により中間転写部材表面に形成されたトナーが逆帯電し、転写不良となることがない。特に中間転写部材を用いたシステムでは、一次転写工程で先に転写されたトナーは次々に転写電界の作用と放電により帯電電荷量が高くなり、この高帯電トナーを転写するため二次転写工程では高電界を必要とするが、本実施形態に係る画像形成装置においては、凹凸用紙での転写不良がほとんど起きない。
なお、本明細書において「エンボス紙」とは表面に凹凸をつけた特殊な紙、特に表面凹凸差が40μm〜60μm、厚さ100μm〜260μmの記録用紙である。このようなエンボス紙としては例えば、レザック等が挙げられ、富士ゼロックスオフィスサプライ社製の「レザック66(151g/m)」などとして入手することができる。また、「普通紙」とは通常、表面の凹凸差が10μm程度のものをいう。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
図1,2に示す画像形成装置(富士ゼロックス製、DocuPrint C525 A)を使用して、各種記録用紙を使用して画像形成を行い、転写性、繰り返し画像形成による安定性を確認した。
(実施例1)
中間転写ベルト6として図3のような、弾性層50のヤング率が3MPaであるクロロプレンからなる0.55mm厚の弾性ベルトであり、弾性層50の表面に3μmのフッ素系コート層(表面層52)が形成された2層構造のものを用いた。また、中間転写ベルト6の表面から70μmの深さ(切込深さd)まで200μm角(切込ピッチL)の格子状(角柱)の切込部54を形成した(切込ピッチLに対する切込深さdの比、d/L=0.35)。切込部54はフォトエッチング法により形成したプレス金型を中間転写ベルト6表面に熱プレスして転写形成した。なお、弾性層50のヤング率は引張試験装置(東洋精機製ストログラフVE5D)を用いて常温(22℃、55%RH)の条件で測定した。また、中間転写ベルト6の切込深さd、切込ピッチLは実態顕微鏡装置(ニコン製MM−60型)を用いて表面と断面から測定した。
また本実施例では、図1に示すように、感光体ドラム2から中間転写ベルト6への一次転写手段として、感光体ドラム2を包み込む方向の曲率を持たせて中間転写ベルト6を構成した。これにより、中間転写ベルト6の独立弾性体の間隙が狭められ、不要なトナー等の異物の入り込みを防ぐ構成となっている。
中間転写ベルト6から記録用紙9へのトナー画像の二次転写手段としては、二次転写ロール8として、ウレタン発泡体をシャフトの周りに形成した転写ロールを用い、図6に示すように二次転写ロール8を、対向するバックアップロール17から上流側に角度α=12°回転させた位置に当接するよう配置した。このことにより独立弾性体の間隙が狭まった状態で二次転写工程を行うことを可能とし、一次転写工程と同様に不要なトナー等の異物の入り込みを防ぐことができる構成となっている。
中間転写ベルト6のクリーニング装置18としては、第1のクリーニングバックアップロール19と、中間転写ベルト6の表面に当接するように配置されたスクレーパ24と、第2のクリーニングバックアップロール20と、中間転写ベルト6を介して対向するクリーニングブラシ25とを備えた。クリーニングブラシ25は、転写残トナーと逆極性にバイアスして回転駆動した。ここでは第2のクリーニングバックアップロール20に中間転写ベルト6が沿っているため、独立弾性体間隙は広がる方向となる。このことにより、独立弾性体間隙に入り込んでしまったトナー等の異物も除去しやすくなる構成となっている。
以上の構成で、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色を重ねた画像及びハーフトーン画像をプリントした結果を表1に示す。また、10000枚連続してプリントした後のプリント結果を表2に示す。表2はプリントの維持性を確認した結果である。記録用紙は、エンボス紙として富士ゼロックスオフィスサプライ社の「レザック66」(表面凹凸差80μm、151g/m)、普通紙として富士ゼロックスオフィスサプライ社の「P紙」(表面凹凸差10μm、64g/m)、コート紙として富士ゼロックスオフィスサプライ社の「Jコート紙」(表面凹凸差2μm、95g/m)を使用した。転写性の評価基準は以下の通りとした。
○:濃度・均一性良好
△:均一性不良や混色がみられる
×:濃度・均一性悪
(実施例2)
一次転写工程において、中間転写ベルト6を感光体ドラム2を包み込む方向と逆の曲率を持たせて構成した以外は、実施例1と同様にして画像形成試験を行い、評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
(実施例3)
二次転写工程において、バックアップロール17直上に二次転写ロール8を配置して構成した以外は、実施例1と同様にして画像形成試験を行い、評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
(実施例4)
クリーニング工程において、第2のクリーニングバックアップロール20が無い部分でクリーニングブラシ25によるクリーニングを行うように構成した以外は、実施例1と同様にして画像形成試験を行い、評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
(実施例5)
中間転写ベルト6表面の切込部54の切込ピッチLを400μmとした(d/L=0.175)以外は、実施例1と同様にして画像形成試験を行い、評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
(実施例6)
中間転写ベルト6表面の切込部54の切込深さdを100μmとした(d/L=0.5)以外は、実施例1と同様にして画像形成試験を行い、評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
参考
中間転写ベルト6表面の切込部54の切込深さdを10μmとした(d/L=0.05)以外は、実施例1と同様にして画像形成試験を行い、評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
参考
中間転写ベルト6表面の切込部54の切込深さdを250μmとした(d/L=1.25)以外は、実施例1と同様にして画像形成試験を行い、評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
参考
中間転写ベルト6表面の切込部54の切込深さdを5μmとした(d/L=0.025)以外は、実施例1と同様にして画像形成試験を行い、評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
(比較例1)
中間転写ベルト6の表面に切込部54を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして画像形成試験を行い、評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
Figure 0005012099
Figure 0005012099
表1に示す通り、実施例1〜では、今まで困難であったエンボス紙への転写が良好に行われることが示された。一方、比較例1では、エンボス紙への転写性に劣った。また、表2にある通り、一次転写工程での曲率を逆向きにした場合(実施例2)、二次転写工程でバックアップロール17直上に二次転写ロール8を配置した場合(実施例3)、クリーニング工程を第2のクリーニングバックアップロール20が無い部分で行った(独立弾性体間隙が狭まる)場合(実施例4)に比べ、実施例1では画像汚れがほとんどなく、長期にわたって良好な画質を維持することができた。
(実施例
中間転写ベルト6として図7のような、弾性層50のヤング率が3MPaであるクロロプレンからなる0.55mm厚の弾性ベルトであり、弾性層50の表面に厚さ5μmのウレタン系コート層(被覆層62)が被覆層として形成された2層構造のものを用いた。弾性層50の表面から70μmの深さ(切込深さd)まで200μm角(切込ピッチL)の格子状(角柱)の切込部54を形成した(切込ピッチLに対する切込深さdの比、d/L=0.35)。切込部54はフォトエッチング法により形成したプレス金型を弾性層50表面に熱プレスして転写形成した。その後、弾性層50表面にウレタン系樹脂を主成分とする被覆層用組成物をスプレー塗布し、60℃で10分乾燥、170℃で20分焼成して、被覆層62を厚さ5μmで連続層として形成した。
この中間転写ベルトを用い、中間転写ベルトのクリーニング装置として、第2のクリーニングバックアップロール20と中間転写ベルト6を介して対向するクリーニングブレード(ウレタン製)を備えた以外は、実施例1と同様にして、画像形成試験を行い、評価を行った。イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色を重ねた画像及びハーフトーン画像を実施例1と同じエンボス紙及び普通紙にプリントした結果、また、50000枚連続してプリントした後のプリント結果を表3に示す。また、クリーニングブレードによるクリーニング性及び画像汚れについて、以下の基準で評価した。
<クリーニング性>
○:クリーニング不良の発生無し
×:クリーニング不良の発生あり
<画像汚れ>
○:プリント画像に汚れの発生無し
×:プリント画像に汚れの発生あり
Figure 0005012099
このように、実施例のような連続層として被覆層を形成した中間転写ベルトを用いると、クリーニング装置としてクリーニングブレードを使用しても、クリーニングブレードのエッジが中間転写ベルト表面に引っかかることなく、良好に中間転写ベルト表面をクリーニングすることができた。また、50000枚プリントした後においても、画像汚れが発生することがなかった。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例である4サイクル方式のフルカラープリンタの画像形成部を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例である4サイクル方式のフルカラープリンタを示す全体概略構成図である。 本発明の実施形態に係る中間転写ベルトの一例の断面構造を示す図である。 空間周波数に対する人間の視覚関数値(VTF)の相関を示す図である。 本発明の実施形態に係る中間転写ベルトの他の例の断面構造を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置における二次転写ロールと、対向するバックアップロールとの位置関係を示す図である。 本発明の実施形態に係る中間転写ベルトの他の例の断面構造を示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置、2 感光体ドラム、3 帯電ロール、4 露光装置、5 現像装置、5Y,5M,5C,5K 現像器、6 中間転写ベルト、7 一次転写ロール、8 二次転写ロール、9 記録用紙(被転写体)、10 給紙部、11 ピックアップロール、12 フィードロール、13 リタードロール、14 レジストロール、15 ラップインロール、16 ラップアウトロール、17 バックアップロール、18 クリーニング装置、19 第1のクリーニングバックアップロール、20 第2のクリーニングバックアップロール、21 画像形成ユニット、22 上部カバー、23 濃度センサ、24 スクレーパ、25 クリーニングブラシ、26 揺動軸、27 定着器、28 排出ロール、29 排出トレイ、30 用紙搬送路、31 搬送ロール、32 手差しトレイ、33 給紙ロール、34 クリーニング装置、35 クリーニングブレード、50,58 弾性層、52,60 表面層、54 切込部、56 ベース層、62 被覆層。

Claims (16)

  1. トナー像が形成される像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記トナー画像を中間転写部材に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写部材に転写されたトナー画像を被転写体に二次転写する二次転写手段と、を備え、
    前記中間転写部材は弾性層を有し、少なくとも前記弾性層の表面が複数の切込部により分割されており、
    前記複数の切込部は、その切込深さが70〜100μmの範囲であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記複数の切込部は、その切込ピッチが200μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記切込ピッチに対する前記切込深さの比(「深さ/ピッチ」の値)が0.25〜1.0の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記中間転写部材が中間転写ベルトであり、前記像担持体の表面に沿って接触するよう配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記二次転写手段が転写ロールを有し、前記中間転写ベルトが前記転写ロールの表面に沿って接触するよう配置されることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記中間転写ベルトの表面をクリーニングするクリーニング手段を備え、前記クリーニング手段は、クリーニング部材と前記クリーニング部材に対向する対向部材とを有し、前記中間転写ベルトが前記対向部材の表面に接触するよう配置されることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記クリーニング部材がクリーニングブラシであることを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記中間転写ベルトの前記対向部材の表面における曲率が、前記転写ロールの表面における曲率よりも大きいことを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
  9. 前記中間転写部材の表面を被覆する被覆層を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記被覆層の厚みが2μm〜15μmの範囲であることを特徴とする、請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記クリーニング部材がクリーニングブレードであり、
    前記中間転写部材の表面を被覆する被覆層を有することを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
  12. 像担持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写部材を介して被転写体に転写する画像形成装置に用いられ、弾性層を有し、少なくとも前記弾性層の表面が複数の切込部により分割されており、前記複数の切込部は、その切込深さが70〜100μmの範囲であることを特徴とする中間転写部材。
  13. 前記複数の切込部は、その切込ピッチが200μm以下であることを特徴とする、請求項12に記載の中間転写部材。
  14. 前記切込ピッチに対する前記切込深さの比(「深さ/ピッチ」の値)が0.25〜1.0の範囲であることを特徴とする、請求項12または13に記載の中間転写部材。
  15. 前記中間転写部材の表面を被覆する被覆層を有することを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の中間転写部材。
  16. 前記被覆層の厚みが2μm〜15μmの範囲であることを特徴とする、請求項15に記載の中間転写部材。
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