JP6671944B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式や静電記録方式を用いた画像形成装置では、ドラム状やベルト状の感光体(電子写真感光体)や静電記録誘電体とされる像担持体に、適宜の作像プロセスにてトナー像が形成され、このトナー像が最終的に記録材に転写され、定着される。このとき、像担持体に形成されたトナー像が、一旦中間転写体に1次転写された後に記録材に2次転写される中間転写方式がある。中間転写体としては、無端状のベルトで構成された中間転写ベルトが多く用いられている。
また、中間転写方式のカラー画像形成装置として、それぞれが像担持体を備えた画像形成部が中間転写体の移動方向に並べて配置されたタンデム型(インライン方式)の画像形成装置がある。像担持体として感光ドラムを有する、中間転写方式を採用したタンデム型の画像形成装置を例に更に説明する。この画像形成装置では、複数の感光ドラムの表面に形成された複数色のトナー像が、中間転写体の表面に重ね合わせるようにして順次1次転写される(1次転写工程)。中間転写体の表面に1次転写された複数色のトナー像は、記録材の表面に一括して2次転写される(2次転写工程)。トナー像が転写された記録材は、加熱及び加圧されることで、その上にトナー像が定着される。これにより、フルカラー画像が形成される。一般に、2次転写工程後の中間転写体の表面には、記録材に転写しきれなかったトナー(2次転写残トナー)が残留する。そのため、この2次転写残トナーを除去することが行われる。
2次転写残トナーを除去する方法として、次のような方法がある。中間転写体の移動方向において2次転写部よりも下流、かつ、1次転写部よりも上流で中間転写体に接触する帯電部材を設ける。2次転写残トナーがこの帯電部材と中間転写体との接触部を通過する時に、帯電部材に電圧を印加して2次転写残トナーをトナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯電させる。この逆極性に帯電させたトナーを、1次転写部で感光ドラムに転移させて、感光ドラムのクリーニング手段によって回収する。また、帯電部材に付着した(1次回収された)トナーは、非画像形成時(後回転工程時など)に中間転写体に戻し(吐出し)、1次転写部において感光ドラムに転移させて、感光ドラムのクリーニング手段によって回収することができる。
特許文献1では、帯電部材として中間転写体に接触して配置されたブラシ部材を用いる方法が提案されている。このブラシ部材は、中間転写体に対して固定配置(移動する中間転写体を摺擦するように移動不可能に固定)されている。具体的には、ブラシ部材に直流電圧を印加して、中間転写体上の2次転写残トナーを機械的に散らすと共に帯電させる。帯電させた2次転写残トナーは、1次転写部で感光ドラムに転移させ、感光ドラムのクリーニング手段により回収する。この2次転写残トナーの感光ドラムへの転移は、1次転写工程と同時に行うことができる。
特開2009−205012号公報
しかしながら、中間転写体に接触して配置されたブラシ部材を用いた画像形成装置においては、次のような問題が生じることがあることがわかった。
つまり、中間転写方式の画像形成装置では、記録材が2次転写部を通過する際に、2次転写残トナー以外に記録材から生じる紙粉の一部が中間転写体に付着する場合がある。この紙粉は、2次転写残トナーと同様、ブラシ部材と中間転写体との接触部に搬送される。そのため、紙粉の繊維長が長い場合などには、ブラシ部材のブラシ繊維に紙粉繊維が絡まって、ブラシ部材に紙粉が堆積する場合がある。その結果、紙粉が堆積した部分で生じる2次転写残トナーの帯電不良などにより、中間転写体のクリーニング不良が発生する場合がある。これは、ブラシ部材が中間転写体に対して固定配置されている場合、また2次転写残トナーをより均一に散らし、より均一に帯電させるためにブラシ部材の繊維密度が比較的高密度とされている場合に顕著となる。
ここで、繊維長が長い紙粉の代表例として、記録材のコバ部の紙粉が挙げられる。記録材のコバ部は、記録材の製造工程における裁断部であるため、記録材の面内よりも紙粉の発生量や紙粉繊維の長さが不安定である。さらに、裁断時のカッターの状態などによっては繊維長の長い紙粉が多量に発生する場合がある。特に、このような記録材に対し大量に画像形成を行った場合などに、ブラシ部材の長手方向における記録材の両端のコバ部に対応する位置に、局所的に紙粉が堆積しやすい。そして、この堆積した紙粉が、ブラシ部材の長手方向において中間転写体の画像形成領域に対応する位置にまで侵入することで、中間転写体クリーニング不良が発生する場合がある。
ここで、本発明者らは、前述のようにブラシ部材に付着した2次転写残トナーをブラシ部材から吐出させ、感光ドラムに転移させて回収させるのと同様に、ブラシ部材に堆積した紙粉を吐出させ、吐出した紙粉を感光ドラムに転移させて回収できないか検討した。その結果、2次転写残トナーの吐出し工程だけでは十分に紙粉を吐出すことは難しいことがわかった。また、局所的に多量に紙粉が吐出された場合には、これを特定の画像形成部で回収すると、その画像形成部の回収負荷が増えて、場合によっては感光ドラムのクリーニング不良の原因になるおそれがあることがわった。
したがって、本発明の目的は、ブラシ部材に紙粉が堆積することにより発生する中間転写体のクリーニング不良を抑制すると共に、特定の画像形成部の回収負荷の増大による不具合を抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像をそれぞれが担持する複数の像担持体と、前記複数の像担持体のそれぞれにトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記複数の像担持体のそれぞれに対応する複数の1次転写部で前記像担持体からトナー像が1次転写され、2次転写部でトナー像を記録材に2次転写させる移動可能な中間転写体と、前記複数の1次転写部のそれぞれに、正規の帯電極性に帯電したトナーを前記像担持体側から前記中間転写側に付勢する第1の電界と、前記第1の電界とは逆向きの第2の電界とを形成することが可能な電界形成手段と、前記中間転写体の移動方向において前記2次転写部よりも下流かつ最上流の前記1次転写部よりも上流の接触部で前記中間転写体に接触するブラシ部材と、前記ブラシ部材に電圧を印加するブラシ電源と、非画像形成時に、前記トナー像形成手段により前記像担持体に形成した所定のトナー像を前記中間転写体に転写し、前記ブラシ電源から前記ブラシ部材に電圧を印加して前記所定のトナー像のトナーを前記ブラシ部材に回収し、該回収したトナーを前記中間転写体に吐出し、該吐出したトナーを前記中間転写体から前記像担持体に転移させて、前記ブラシ部材に堆積した紙粉を減少させるクリーニング動作を実行させる制御手段と、を有し、前記制御手段は、記録材の搬送方向と略直交する幅方向の長さが所定の長さである所定のサイズの記録材の所定枚数に画像を形成した場合に、少なくとも前記中間転写体の移動方向と略直交するスラスト方向の両端部側の前記2次転写部で前記所定のサイズの記録材の前記幅方向の端部に接触する領域を含む前記中間転写体の領域に前記所定のトナー像を転写し、前記吐出しを行っている時に前記接触部を通過した前記中間転写体の移動方向に関する領域を、前記電界形成手段により前記第1の電界を形成した1次転写部と前記第2の電界を形成した1次転写部とを含む前記複数の1次転写部を通過させることで、前記吐出したトナーを前記複数の1次転写部のうち少なくとも2つで前記中間転写体から前記像担持体に転移させるように制御することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、ブラシ部材に紙粉が堆積することにより発生する中間転写体のクリーニング不良を抑制することができると共に、特定の画像形成部の回収負荷の増大による不具合を抑制することができる。
画像形成装置の概略断面図である。 ブラシ部材の斜視図である。 画像形成装置の要部の制御態様を示すブロック図である。 2次転写残トナーの吐出し工程を説明するためのチャート図である。 ブラシ部材に堆積した紙粉を示す模式図である。 ブラシ部材の長手方向における各部の位置関係を示す模式図である。 ブラシクリーニング動作での補助トナーの搬送過程を示す模式図である。 ブラシクリーニング動作でブラシ部材に印加する電圧のチャート図である。 ブラシ部材から紙粉が吐出される様子を示す模式図である。 ブラシクリーニング動作での補助トナーの搬送過程を示す模式図である。 ブラシクリーニング動作でブラシ部材に印加する電圧のチャート図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本発明の一実施例に係る画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することのできる、中間転写方式を採用したタンデム型のレーザビームプリンタである。
画像形成装置100は、複数の画像形成部(ステーション)として、第1、第2、第3、第4の画像形成部10a、10b、10c、10dを有する。第1〜第4の画像形成部10a〜10dは、周回移動可能な中間転写体としての中間転写ベルト6の表面の移動方向(回転方向)に沿って上流側からこの順序で一列に配列されている。本実施例では、第1、第2、第3、第4の画像形成部10a、10b、10c、10dは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する。
なお、本実施例では、各画像形成部10a、10b、10c、10dの構成及び動作は、後述する現像工程で使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じである。したがって、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表す符号の末尾のa、b、c、dは省略して、当該要素について総括的に説明する。本実施例では、画像形成部10は、後述する感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置4、1次転写ローラ5、ドラムクリーナ7を有して構成される。
画像形成部10は、像担持体としての回転可能なドラム型の感光体(電子写真感光体)である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、駆動手段(図示せず)によって図中矢印R1方向(図中反時計回り)に回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、像担持体帯電手段としてのローラ型の像担持体帯電部材である帯電ローラ2により、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に略一様に帯電される。帯電工程時に、帯電ローラ2には、帯電電圧供給手段としての帯電電源(高圧電源回路)31(図3)により、所定の帯電バイアス(帯電電圧)が印加される。
帯電された感光ドラム1の表面は、露光装置(レーザスキャナ)3により画像情報に応じたレーザ光Lが照射され、これにより感光ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置4によって、現像剤としてのトナーを用いてトナー像として現像(可視化)される。本実施例では、現像装置4は、反転現像方式で感光ドラム1上の静電潜像を現像する。すなわち、一様に帯電処理された後に露光によって電位が減衰した露光部に、感光ドラム1の帯電極性(本実施例では負極性)と同極性に帯電したトナーが付着する。つまり、本実施例では、現像時のトナーの帯電極性(トナーの正規の帯電極性)は負極性である。現像工程時に、現像装置4が備える現像剤担持体としての現像ローラには、現像電圧供給手段としての現像電源(高圧電源回路)32(図3)により、所定の現像バイアス(現像電圧)が印加される。
本実施例では、各画像形成部10の帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4が、複数の感光ドラム1のそれぞれにトナー像を形成するトナー像形成手段を構成する。
各感光ドラム1a〜1dと対向して、中間転写体としての無端状のベルトである中間転写ベルト6が配置されている。中間転写ベルト6は、複数の支持部材(張架ローラ)として、テンションローラ61、駆動ローラ62及び補助ローラ63の3個のローラに掛け回されて張架されている。本実施例では、中間転写ベルト6は、負荷がかけられていない状態で円筒状、かつ、無端ベルト状のフィルムで構成されている。中間転写ベルト6は、駆動ローラ62が回転駆動されることによって、図中矢印R2方向(図中時計回り)に周回移動(回転)する。本実施例では、感光ドラム1の表面の移動速度(周速度)と、中間転写ベルト6の表面の移動速度(周速度)とは略等速度である。中間転写ベルト6の内周面側において、中間転写ベルト6を挟んで各感光ドラム1と対向する位置には、1次転写手段としてのローラ型の1次転写部材である各1次転写ローラ5が配置されている。1次転写ローラ5は、中間転写ベルト6を介して感光ドラム1に向けて押圧され、感光ドラム1と中間転写ベルト6とが接触する1次転写部(1次転写ニップ部)N1を形成する。
上述のように感光ドラム1上に形成されたトナー像は、1次転写部N1において、1次転写ローラ5の作用により、中間転写ベルト6上に転写(1次転写)される。この時、1次転写ローラ5には、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の1次転写バイアス(1次転写電圧)が、1次転写電圧供給手段としての1次転写電源(高圧電源回路)50から印加される。これにより、1次転写工程時には、1次転写部N1に、正規の帯電極性に帯電したトナーを感光ドラム1側から中間転写ベルト6側へと移動させる(付勢する)方向の電界が形成される。1次転写ローラ5と1次転写電源50とは、1次転写部N1に電界を形成する電界形成手段を構成する。例えばフルカラー画像の形成時には、上述のようにして各感光ドラム1a〜1dに形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッックの4色のトナー像が、各1次転写部N1a〜N1dにおいて順次重ね合わせるようにして転写される。
1次転写工程において中間転写ベルト6に転写されずに感光ドラム1上に残留したトナーは、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーナ7によって、感光ドラム1上から除去されて回収される。ドラムクリーナ7は、クリーニング部材として、感光ドラム1の表面に当接して配置された、板状の弾性体で形成されたクリーニングブレード71を有する。また、ドラムクリーナ7は、クリーニングブレード71によって感光ドラム1の表面から除去されたトナーを回収する回収トナー容器72を有する。
中間転写ベルト6の外周面側において、中間転写ベルト6を挟んで駆動ローラ62と対向する位置には、2次転写手段としてのローラ型の2次転写部材である2次転写ローラ8が配置されている。2次転写ローラ8は、中間転写ベルト6を介して駆動ローラ62に向けて押圧され、中間転写ベルト6と2次転写ローラ8とが接触する2次転写部(2次転写ニップ部)N2を形成する。中間転写ベルト6上に形成されたトナー像は、2次転写部N2において、2次転写ローラ8の作用により、記録材S上に転写(2次転写)される。記録用紙などの記録材Sは、記録材供給カセット21に収容されており、供給ローラ22によって記録材供給カセット21から送り出された後、レジストローラ対23によって2次転写部N2に所定のタイミングにて供給される。それと略同時に、2次転写ローラ8には、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の2次転写バイアス(2次転写電圧が、2次転写電圧供給手段としての2次転写電源(高圧電源回路)26から印加される。これにより、2次転写工程時には、2次転写部N2に、正規の帯電極性に帯電したトナーを中間転写ベルト6側から記録材S側へと移動させる(付勢する)方向の電界が形成される。
2次転写工程において記録材Sに転写されずに中間転写ベルト6上に残留した2次転写残トナー(残留トナー)は、帯電部材としてのブラシ部材であるクリーニングブラシ(以下、単に「ブラシ」ともいう。)11により均一に散らされると共に、電荷が付与される。ブラシ11には、クリーニング電圧供給手段としてのクリーニング電源(高圧電源回路)13が接続されている。ブラシ11とクリーニング電源13とは、中間転写体クリーニング手段を構成する。ブラシ11は、中間転写ベルト6の移動方向において2次転写部N2よりも下流、かつ、1次転写部N1(より詳細には最上流の第1の画像形成部10aの1次転写部N1a)よりも上流で中間転写ベルト6に接触するように配置されている。ブラシ11と中間転写ベルト6との接触部を、以下「クリーニング部CL」ともいう。特に、本実施例では、ブラシ11は、中間転写ベルト6の外周面側において、中間転写ベルト6を挟んで駆動ローラ62と対向する位置に配置されており、中間転写ベルト6を介して駆動ローラ62に向けて押圧されている。なお、駆動ローラ62は、電気的に接地(グランドに接続)されている。これにより、ブラシ11は、第1の画像形成部10aの1次転写部N1aよりも上流で、2次転写工程後に中間転写ベルト6上に残留した2次転写残トナーを帯電させる。ブラシ11により電荷が付与された2次転写残トナーは、少なくとも1つの画像形成部10、本実施例では第1の画像形成部10aの感光ドラム1aに転移する(逆転写される)。この電荷が付与された2次転写残トナーの感光ドラム1aへの転移は、感光ドラム1aから中間転写ベルト6へのトナー像の1次転写と同時に行うことができる。そして、感光ドラム1aに転移した2次転写残トナーは、ドラムクリーナ7aによって感光ドラム1a上から除去されて回収される。ブラシ11の構成や作用に関しては後述して更に詳しく説明する。
なお、本実施例では、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びドラムクリーナ7とは、一体的に画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジを構成している。また、テンションローラ61、駆動ローラ62及び補助ローラ63に張架された中間転写ベルト6、1次転写ローラ5a〜5d等によって、画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能な中間転写ユニットが構成されている。
2.転写部材、中間転写体、クリーニング部材及び帯電部材
次に、本実施例における転写部材、中間転写体、クリーニング部材及び帯電部材について更に説明する。
(1)1次転写ローラ
1次転写ローラ5としては、体積抵抗率が1×10〜1×10Ωcm、ゴム硬度が30°(アスカーC硬度計)の弾性ローラを用いた。1次転写ローラ5は、中間転写ベルト6を介して感光ドラム1に対し、総圧約9.8Nで押圧される。1次転写ローラ5は、中間転写ベルト6の回転に伴い、従動して回転する。1次転写ローラ5には、1次転写電源50から、−2.0〜3.5kVの電圧を印加することが可能となっている。
(2)中間転写ベルト
中間転写ベルト6としては、基層と表層とからなる2層構成のものを用いた。基層は、PEN(ポリエチレンナフタレート)を主成分とするものであり、表層は、基層の表面にアクリル樹脂をコーティングして形成したものである。中間転写ベルト6は、厚さが65μm、周長が712mm、体積抵抗率が1×10〜1×1011Ωcmである。中間転写ベルト6は、駆動ローラ62により移動方向に148mm/秒の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
なお、本実施例では、中間転写ベルト6の基層の材料としてPENを用いているが、これに限定されるものではない。また、本実施例では、中間転写ベルト6として2層構成のベルトを用いたが、2層構成に限定されるものではない。
(3)クリーニングブレード
ドラムクリーナ7が備えるクリーニングブレード71としては、ポリウレタン樹脂からなるものを用いた。クリーニングブレード71の硬度は、70°(JISA硬度計)である。クリーニングブレード71の寸法は、長手方向(感光ドラム1の回転軸線方向)の長さが230mm、短手方向(長手方向と略直交する方向)の長さが12mmである。クリーニングブレード71は、短手方向の片側(感光ドラム1に当接する自由端側とは反対側の固定端側)の5mmは金属板金に固定され、自由長は7mmとした。また、クリーニングブレード71は、感光ドラム1に対してカウンター方向(自由端が感光ドラム1の回転方向の上流側を向く方向)に当接される。クリーニングブレード71の設定角度(当接部における感光ドラム1の接線とクリーニングブレード71の長手方向に延在する側面とのなす角度)は25°とした。また、クリーニングブレード71の感光ドラム1に対する侵入量(感光ドラム1によって変形されていないと仮定した場合のクリーニングブレード71の先端の位置と当接部との間の感光ドラム1の法線方向の距離)は1mmとした。
(4)ブラシ
図2は、本実施例における帯電部材としてのブラシ11の斜視図である。ブラシ11としては、体積抵抗率が1×10〜1×10Ωcmの導電性を有するナイロン製の繊維で形成された起毛部を有するものを用いた。ブラシ繊維には、繊維密度が110F/mm、繊度が6デニールのものを用いた。ブラシ11の寸法は、繊維長が5mm、繊維起毛部の長手方向(中間転写ベルト6の移動方向と略直交する方向)の長さが226mm、短手方向(中間転写ベルト6の移動方向と略平行な方向)の幅が4mmである。ブラシ11は、中間転写ベルト6の画像形成領域(中間転写ベルト6の移動方向と略直交する方向におけるトナー像を担持することが可能な領域)の中央に対して略対称に配置されている。また、ブラシ11は、中間転写ベルト6に対して固定配置(移動する中間転写ベルト6を摺擦するように移動不可能に固定)されている。ブラシ11の先端位置は、中間転写ベルト6の表面に対して侵入量(中間転写ベルト6によって変形されていないと仮定した場合のブラシ11の先端の位置と接触部との間の中間転写ベルト6の法線方向の距離)が1.0mmとなるように設定されている。また、ブラシ11は、中間転写ベルト6を介して駆動ローラ62に対し加圧されている。
このように、ブラシ11は、中間転写ベルト6の移動に伴って中間転写ベルト6の表面を摺擦する。そして、ブラシ11には、クリーニング電源13から、−2.0〜+4.0kVの電圧を印加することが可能となっている。
3.制御態様
図3は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。本実施例では、画像形成装置100の各部の動作は、画像形成装置100の装置本体に設けられた制御手段としての制御部60によって制御される。制御部60は、演算制御部(CPU)、記憶部(ROM、RAM)などを備えており、演算制御部が記憶部に記憶されたプログラムやデータに従って画像形成装置100の各部の動作を統括的に制御する。本実施例との関係では、制御部60は、各種電源13、26、31、32、50、露光装置3、感光ドラム1や中間転写ベルト6の駆動部15などを制御して、画像形成動作を実行させると共に、後述のブラシクリーニング動作を実行させる。
なお、本実施例では、クリーニング電源(ブラシ電源)13は、定電圧出力部と電流検出部とを備えている。クリーニング電源13は、所定の電圧値の定電圧制御された電圧をブラシ11に印加することができる。また、クリーニング電源13は、電流検出部で検出されるブラシ11(クリーニング電源13)を流れる電流が所定の電流となるように定電圧出力部の出力を変更することで、定電流制御された電圧をブラシ11に印加することができる。
ここで、画像形成装置100は、一の開始指示により開始される、単一又は複数の記録材Sに画像を形成して出力する一連の画像出力動作(ジョブ、印刷動作)を実行する。ジョブは、一般に、画像形成工程、前回転工程、複数の記録材Sに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材Sに形成して出力する画像の静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写や2次転写を行う期間であり、画像形成時とはこの期間のことをいう。より詳細には、これら静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写や2次転写の各工程を行う位置で、画像形成時のタイミングは異なる。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程は、複数の記録材Sに対する画像形成を連続して行う際(連続画像形成)の記録材Sと記録材Sとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時とは、画像形成時以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程時などが含まれる。後述するブラシクリーニング動作は、非画像形成時に実行される。
4.紙粉の堆積
前述のように、2次転写残トナーは、ブラシ11によって帯電されて、第1の画像形成部10aの感光ドラム1aに転移させられる。この時、ブラシ11には、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性の電圧が印加される。これにより、多くの2次転写残トナーは、均一に正極性の所定の電位に帯電され、第1の画像形成部10aの1次転写ローラ5aに印加されている正極性の電圧の作用により、感光ドラム1aに転移する。一方、この時、正極性に帯電させられず、負極性に帯電している2次転写残トナーは、ブラシ11に付着する(1次回収される)。そのため、非画像形成時(後回転工程時など)に、ブラシ11に付着しているトナーを中間転写ベルト6に戻す(吐出す)動作が行われる。図4は、ジョブの最終画像の2次転写残トナーがクリーニング部CLを通過している時、またその直後の当該ジョブの後回転工程時にブラシ11からトナーを吐出している時にクリーニング電源13がブラシ11に印加する電圧の推移を示している。
2次転写工程において記録材Sに転写されずに中間転写ベルト6上に残留する2次転写残トナーには、正負両極性のトナーが混在している。この2次転写残トナーがクリーニング部CLを通過する際、ブラシ11にはクリーニング電源13からトナーの正規の帯電極性(2次転写工程前の中間転写ベルト6上のトナーの帯電極性)とは逆極性である正極性の電圧(図4のV1)が印加される。この時、2次転写残トナーのうち正極性のトナーは、ブラシ11から正極性の放電を受けて通過するが、負極性のトナーはブラシ11内に1次回収される。このトナーをブラシ11から吐出すために、本実施例ではジョブの最終画像の2次転写残トナーがクリーニング部CLを通過した後の後回転工程時に吐出し工程が実施される。つまり、ブラシ11に1次回収されたトナーは負極性であるため、ブラシ11に負極性の電圧(図4のV2)が印加されることで、1次回収トナーを中間転写ベルト6上に吐出すことができる。さらに、ブラシ11に印加する電圧の極性を比較的短い時間間隔(本実施例では100msec)で交互に切替えることで、極性の切替え時(V1→V2)に効率的にトナーを吐出すことができる。中間転写ベルト6上に吐出された2次転写残トナーは、例えば第1の画像形成部10aの1次転写部N1aで中間転写ベルト6から感光ドラム1aへと転移させられ、ドラムクリーナ7aによって回収される。この時、1次転写ローラ5aには、トナーの正規の帯電極性と同極性である負極性の電圧が印加される。
このような制御により、画像形成時にブラシ11に溜まるトナーを非画像形成時(本実施例では後回転工程時)に吐出すことで、装置寿命を通して中間転写ベルト6の良好なクリーニング性能を得ることができる。
しかしながら、前述のように、中間転写ベルト6に接触して配置されたブラシ11を用いる場合、ブラシ11に紙粉が堆積することによる中間転写ベルト6のクリーニング不良が発生することがあることがわかった。
特に、紙粉が多量に発生しやすい記録材Sに対して大量に画像形成を行った場合などに、ブラシ11の長手方向における記録材Sの両端のコバ部に対応する位置において、局所的に紙粉がブラシ11の隙間を埋めるようにして堆積しやすい。この堆積した紙粉が、ブラシ11の隙間の容量を超えると、紙粉の堆積がブラシ11の長手方向に広がり始める。そして、この紙粉の堆積の広がりが、ブラシ11の長手方向において、コバ部に対応する位置の内側の、中間転写ベルト6の画像形成領域に対応する位置にまで侵入すると、中間転写ベルト6のクリーニング不良が発生する場合があることがわかった。
このように、紙粉の堆積度合いから、中間転写ベルト6のクリーニング不良の発生する可能性のある領域が、どの程度画像形成領域の内側に侵入してきているか判断することができる。
図5は、ブラシ11に紙粉Pが堆積した様子を中間転写ベルト6の移動方向と略直交する方向に見た断面図である。また、図6は、ブラシ11の長手方向における紙粉Pが堆積する位置を示している。
5.ブラシクリーニング動作
次に、上述の紙粉の堆積による中間転写ベルト6のクリーニング不良を抑制するために本実施例において実施するブラシクリーニング動作(クリーニング動作)について説明する。ここでは、記録材Sとして、後述する評価において使用されるA4サイズ紙を想定して説明する。また、ここでは、中間転写ベルト6の移動方向と略直交する方向、並びに、該方向と略平行であるブラシ11の長手方向及び記録材Sの搬送方向と略直交する方向を、「スラスト方向」ともいう。
本実施例におけるブラシクリーニング動作は、主に、補助トナー転写工程、補助トナー1次回収工程、補助トナー及び紙粉吐出し工程、補助トナー及び紙粉回収工程の4工程からなる。各工程に関して以下で説明する。本実施例では、A4サイズ紙の250枚に画像形成するごとに1回、非画像形成時としての後回転工程時や紙間工程時に、ブラシクリーニング動作が実施される。
(1)補助トナー転写工程
ブラシクリーニング動作では、最初に補助トナー像(クリーニング補助トナー像)Tcが中間転写ベルト6上に形成される。図6は、スラスト方向における記録材S(A4サイズ紙:幅210mm)と中間転写ベルト6とブラシ11との位置関係、記録材Sのコバ部に対応する位置に堆積する紙粉P、及び補助トナー像Tcの形成領域を示している。
図6に示すとおり、スラスト方向においてA4サイズの記録材Sのコバ部に対応する位置をまたぐ中間転写ベルト6の領域に、補助トナー像Tcを形成する。すなわち、本実施例では、第1〜第4の画像形成部10a〜10bの少なくとも1つにおいて、感光ドラム1上に前述の帯電、露光、現像の各工程と同様にして所定のトナー像である補助トナー像Tcを形成する。そして、この補助トナー像Tcを、前述の1次転写工程と同様にして中間転写ベルト6上に転写する。本実施例では、補助トナー像Tcの形成領域は、スラスト方向に関してはA4サイズの記録材Sのコバ部に対応する位置に対して内側4mm、外側3mmの7mm幅、中間転写ベルト6の移動方向に関しては30mmの長さの、長方形領域である。なお、本実施例では、A4サイズ紙のスラスト方向の両端部の余白(左右余白)は5mmであり、上記コバ部に対応する位置の内側の補助トナーTcの形成領域は、該左右余白の範囲内に収められている。これにより、仮に補助トナー像Tcの影響が後続の画像形成時に生じた場合でも、画像形成領域内にその影響がおよぶことを抑制することができる。
このように、所定のトナー像である補助トナー像Tcは、2次転写部N2で記録材Sの搬送方向と略直交する方向の端部に接触する領域を含む中間転写ベルト6の領域に転写されることが好ましい。特に、本実施例では、補助トナー像Tcは、中間転写ベルト6の移動方向と略直交する方向の両端部側の、2次転写部N2で記録材Sの搬送方向と略直交する方向の端部に接触する領域をまたぐ領域にそれぞれ転写される。また、2次転写部N2で記録材Sの搬送方向と略直交する方向の両端部に接触する領域より内側の中間転写ベルト6の領域に転写される補助トナー像Tcは、2次転写部N2で記録材Sの余白領域に接触する中間転写ベルト6の領域内に転写されることが好ましい。
図7(a)は、中間転写ベルト6上の補助トナー像Tcが2次転写部N2へと搬送される様子を示している。本実施例では、補助トナー像Tcが2次転写ローラ8に付着することを抑制するために、補助トナー像Tcが2次転写部N2を通過する時には、2次転写電源26から2次転写ローラ8にトナーの正規の帯電極性と同極性である負極性の電圧が印加される。本実施例では、この電圧の印加は、補助トナー像Tcが形成された中間転写ベルト6の領域が2次転写部N2に到達する前から、2次転写部N2を通過した後まで維持される。
なお、本実施例では、補助トナー像Tcは、中間転写ベルト6の移動方向において最下流の第4の画像形成部10dでブラック色のトナーで形成される。これにより、中間転写ベルト6により補助トナー像Tcをクリーニング部CLに搬送するまでの時間を低減して、ブラシクリーニング動作に要する時間を低減することができる。ただし、補助トナー像Tcはいずれの画像形成部10でいずれの色のトナーで形成してもよく、また複数の画像形成部10で複数色のトナーを重ね合わせるようにして形成してもよい。つまり、補助トナー像Tcは、少なくとも1つの感光ドラム1に形成して、中間転写ベルト6に転写すればよい。
(2)補助トナー1次回収工程
次に、中間転写ベルト6上に形成され、2次転写部N2を通過した補助トナー像Tcのトナーは、ブラシ11で1次回収される。なお、補助トナー像Tcを構成するトナーを「補助トナー」と呼び、該補助トナーについても補助トナー像と同じ符号「Tc」を付すこととする。
図7(b)は、中間転写ベルト6上の補助トナー像Tcがブラシ11と中間転写ベルト6との接触部であるクリーニング部CLへと搬送される様子を示している。中間転写ベルト6上の補助トナー像Tcは負極性の補助トナーTcで構成されている。この補助トナーTcがクリーニング部CLを通過する時に、クリーニング電源13からブラシ11にトナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性の電圧が印加される。本実施例では、この電圧の印加は、補助トナー像Tcが形成された中間転写ベルト6の領域がクリーニング部CLに到達する前から、クリーニング部CLを通過した後まで維持される。これにより、補助トナーTcはブラシ11に1次回収される。本実施例では、ブラシ11の回収能力を考慮して、補助トナー像Tcの中間転写ベルト6の移動方向における長さを30mmとした。
図8は、本実施例におけるブラシクリーニング動作においてクリーニング電源13がブラシ11に印加する電圧の推移を示している。本実施例では、補助トナー1次回収工程でブラシ11に印加する電圧は、目標電流値10μAで定電流制御された電圧Viとした。このようにブラシ11に印加する電圧を定電流制御することで、スラスト方向において中間転写ベルト6のコバ部に対応する位置の近傍にのみ存在する補助トナーTcを、効率よくブラシ11で1次回収することができる。
なお、補助トナーTcは、クリーニング部CLにおいてブラシ11によって散らされるが、スラスト方向におけるブラシ11のコバ部に対応する位置の近傍の領域に、その他の領域よりも相対的に多くの補助トナーTcが1次回収される。
(3)補助トナー及び紙粉吐出し工程
次に、ブラシ11に1次回収された補助トナー像Tcは、中間転写ベルト6上に吐出される。この時、ブラシ11に堆積している紙粉が、補助トナーTcと一緒に中間転写ベルト6上に吐出される。
図7(c)は、中間転写ベルト6上に吐出された補助トナーTcが搬送される様子を示している。本実施例では、中間転写ベルト6の補助トナー像Tcが形成された領域がクリーニング部CLを通過した後に、クリーニング電源13からブラシ11にトナーの正規の帯電極性と同極性である負極性の電圧が印加される。さらに、クリーニング電源13からブラシ11に印加する電圧の極性を比較的短い時間間隔(本実施例では100msec)で交互に切替えることが行われる。これにより、ブラシ11に1次回収された補助トナーTc、及びブラシ11に堆積している紙粉を効率的に中間転写ベルト6上に吐出すことができる。
本実施例では、図8に示すように、補助トナー及び紙粉吐出し工程でブラシ11に印加する正負それぞれの極性の電圧は、目標電圧値+1.5kV、−1.5kVで定電圧制御された電圧とした。また、補助トナー及び紙粉吐出し工程では、ブラシ11に印加する電圧は、100msec間隔で極性を切替えた。ブラシ11に1次回収された補助トナーTcの極性は主に負極性であるので、図7(c)に示すように主にブラシ11に負極性の電圧を印加した際に補助トナーTcは中間転写ベルト6上に吐出される。
ここで、ブラシ11に1次回収された補助トナーTcと一緒に紙粉も吐出されるメカニズムについて説明する。紙粉繊維の大きさは紙の種類やコバの裁断状態によって様々だが、ブラシ11に絡まり堆積する紙粉繊維を調べたところ、0.5mm〜2mmの長さのものが多く確認された。小さい紙粉繊維(〜0.5mm)はブラシ11をすり抜けることができるが、それ以上大きい紙粉繊維は高密度なブラシ繊維間に絡まってすり抜けることができなかったものと考えられる。一方、一般的なトナーの粒径は数μm〜数十μm程度であり、紙粉繊維の大きさに対して小さい。よって、前述の補助トナー1次回収工程では、補助トナーTcは、ブラシ繊維間及び紙粉繊維間に入り込む形で回収される。その様子を図9(a)に示す。補助トナーTcが紙粉繊維間に入りこむことで、補助トナー及び紙粉吐出し工程でブラシ11に負極性の電圧を印加した際に、負極性の補助トナーTcの移動に伴って、紙粉繊維の一部も中間転写ベルト6上に吐出される。この時、ブラシ11の中間転写ベルト6の移動方向下流側の紙粉Pから吐出される。これにより、下流側の紙粉Pが堆積していることによって上流側に堆積していた紙粉Pは下流側に移動する。その様子を図9(b)に示す。このようにして、ブラシ11に補助トナー像Tcを1次回収した状態で、好ましくはブラシ11に印加する電圧の極性の切替えを比較的短い間隔で複数回行うことで、ブラシ11内に堆積した紙粉Pが下流側から順次吐出される。
(4)補助トナー及び紙粉回収工程
次に、中間転写ベルト6上に吐出された補助トナーTc及び紙粉Pは、1次転写部N1で感光ドラム1に転移して、ドラムクリーナ7によって回収される。
ここで、補助トナー及び紙粉吐出し工程では、中間転写ベルト6上に局所的に多量のトナーと紙粉とが吐出されるため、これを1つの画像形成部10で全て回収しようとすると、その画像形成部10のクリーニングブレード71への負荷が集中する。その結果、その画像形成部10で感光ドラム1のクリーニング不良が発生する可能性がある。
また、中間転写ベルト6上に吐出された補助トナーTcの極性は主に負極性であるが、紙粉Pの極性は紙の種類などによって様々である。そのため、中間転写ベルト6上に吐出された補助トナーTc及び紙粉Pは、1次転写部N1に印加する電圧の極性を正負両極性に切替えて、感光ドラム1に転移させることが好ましい。特に、タンデム型の画像形成装置100では、複数の画像形成部10のうち少なくとも2つの1次転写部N1に印加する電圧の極性を異ならせて、補助トナーTc及び紙粉Pをいずれかの画像形成部10に振分けて回収することができる。
そこで、本実施例では、補助トナー及び紙粉の吐出しを行っている時にクリーニング部CLを通過した中間転写ベルト6の領域を、互いに向きの異なる第1の電界と第2の電界とをそれぞれ形成した1次転写部N1を含む複数の1次転写部N1を通過させる。これにより、補助トナー及び紙粉を少なくとも2つの1次転写部N1で中間転写ベルト6から感光ドラム1に転移させるようにする。ここで、第1の電界は、正規の帯電極性に帯電したトナーを像担持体側から中間転写側に付勢する(移動させる)向きの電界である。つまり、第1の電界は、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナー(或いは紙粉)を中間転写体側から像担持体側に付勢する(移動させる)向きの電界である。また、第2の電界は、第1の電界とは逆向きの電界である。つまり、第2の電界は、正規の帯電極性に帯電したトナー(或いは紙粉)を中間転写側から像担持体側に付勢する(移動させる)向きの電界である。
特に、本実施例では、4つの画像形成部10a〜10dに補助トナーTc及び紙粉Pを振分けて回収することで、各画像形成部10の回収負荷を分散する。これにより、中間転写ベルト6のクリーニング不良を抑制すると共に、感光ドラム1のクリーニング不良の発生の可能性も低減することが可能となる。
表1は、本実施例における補助トナー及び紙粉回収工程で各画像形成部10の1次転写部N1に印加する電圧の極性の組合せパターン(以下、単に「極性の組合せパターン」ともいう。)を示す。表1中の「−」は、該当する画像形成部10の1次転写ローラ5に負極性の電圧を印加すること、「+」は正極性の電圧を印加することを意味する。
本実施例では、ブラシクリーニング動作を実施するごとに、表1に示すように極性の組合せパターンをA〜Dに順次切替える。本実施例ではA4サイズ紙の250枚に画像形成するごとに1回、ブラシクリーニング動作が実施される。
最初のブラシクリーニング動作の実施タイミングでは、補助トナー及び紙粉吐出し工程において中間転写ベルト6上に吐出された補助トナーTc及び紙粉が第1の画像形成部10aの1次転写部N1aに到達する前に、極性の組合せパターンをパターンAにする。本実施例では、このパターンAでの電圧の印加は、補助トナー及び紙粉吐出し工程時にクリーニング部CLを通過した中間転写ベルト6の領域が、最上流の1次転写部N1に到達する前から、最下流の1次転写部N1dを通過した後まで維持される。パターンAでは、補助トナーTc及び紙粉Pのうち負極性のものは最初に第1の画像形成部10aで回収され、第1の画像形成部10aで回収しきれなかったものは第4の画像形成部10dで回収される。つまり、この時、第1、第4の画像形成部10a、10dの1次転写部N1a、N1dに、第2の電界が形成される。一方、補助トナーTc及び紙粉Pのうち正極性のものは、最初に第2の画像形成部10bで回収され、第2の画像形成部10bで回収しきれなかったものは第3の画像形成部10cで回収される。つまり、この時、第2、第3の画像形成部10b、10cの1次転写部N1b、N1cに、第1の電界が形成される。
次のブラシクリーニング動作の実施タイミングでは、補助トナー及び紙粉回収工程において極性の組合せパターンをパターンBにする。このように表1に示す極性の組合せパターンA〜Dを、ブラシクリーニング動作の実施タイミングごとにA→B→C→D→A→・・・といったように切替えていく。これにより、長期的に見れば、補助トナーTc及び紙粉Pを4つの画像形成部10a〜10dに略均等に振分けて回収することができ、各画像形成部10の回収負荷を分散させることができる。
なお、本実施例では表1に示すような極性の組合せパターンとしたが、これに限定されるものではない。ただし、少なくとも2つの画像形成部10で1次転写部N1に印加する電圧の極性を異ならせて回収する。例えば、表1に示す極性の組合せパターンのうちパターンAとパターンCとを交互に用いるなどしてもよい。ただし、複数の感光ドラム1の数以上(典型的には複数の感光ドラム1と同数)の予め設定された極性の組合せパターンを、クリーニング動作を実行させるごとに順次変更することが好ましい。これにより、画像形成装置100が有する複数の画像形成部10の全てに補助トナー及び紙粉を略均等に振分けて回収することができる。また、例えば、紙粉Pの極性が主に補助トナーTcの極性と同じであることがわかっている場合などには、補助トナーTcの極性と同極性の電圧を印加する画像形成部10の数を、それとは反対の極性の電圧を印加する画像形成部10よりも増やしてもよい。また、所望により、複数の画像形成部100のうち、1次転写部N1に特定の方向の電界を形成しない(例えば1次転写ローラ5に電圧を印加しない)画像形成部10があってもよい。
ここで、本実施例では、1次転写ローラ5に印加する電圧の極性を変更することで、1次転写部N1に形成する電界の向きを変更した(なお、本実施例ではブラシクリーニング動作時には感光ドラム1は画像形成時と同様に帯電処理されている。)。しかし、これに限定されるものではなく、感光ドラム1と中間転写ベルト6との間に所望の電位差があれば、中間転写ベルト6から感光ドラム1に補助トナーTc及び紙粉を転移させることができる。したがって、1次転写ローラ5に印加する電圧の制御に代えて又は加えて、帯電ローラ2による帯電処理や露光装置3による露光処理による感光ドラム1の表面電位の制御を行って、1次転写部N1に所望の電界を形成することができる。1次転写部N1に第1の電界を形成する場合には、中間転写体側を感光体側よりも相対的にトナーの正規の帯電極性とは逆極性側に高い電位とすればよい。また、1次転写部N1に第2の電界を形成する場合には、中間転写体側を像担持体側よりも相対的にトナーの正規の帯電極性側に高い電位とすればよい。
6.評価実験
次に、本実施例の効果を確認するために行った評価実験について説明する。
記録材Sとしては、紙粉の発生量が比較的多いことがわかっているA4サイズの炭酸カルシウム紙を用いた。評価環境は、低温低湿環境(温度及び湿度が15℃、10%)とした。そして、連続画像形成の耐久試験を実施した。この際、画像形成枚数が25k枚、50k枚、75k枚のタイミングで、次のような中間転写ベルト6のクリーニング不良の評価を実施した。1枚目が全面200%印字画像(左右余白5mm)、2〜3枚目が全白となるような連続3枚のプリントを実施し、3枚目に現れる中間転写ベルト6のクリーニング不良に起因する画像不良を評価した。この評価実験を、上述のブラシクリーニング動作を250枚の画像形成ごとに1回実施する本実施例と、ブラシクリーニング動作を実施しない比較例とについて行った。比較例の画像形成装置100の構成及び動作は、ブラシクリーニング動作を実施しないことを除いて本実施例の画像形成装置100のものと実質的に同じとした。結果を表2に示す。
表2には、左右余白5mmの内側の画像形成領域に、どの程度クリーニング不良が侵入したかを示している。比較例では画像形成枚数が増えるにつれて、クリーニング不良の侵入量が増えているのに対して、本実施例ではクリーニング不良の発生を抑えることができた。また、画像形成枚数が75k枚の時点でのブラシ11に溜まっている紙粉を観察すると、比較例ではスラスト方向においてA4サイズ紙のコバ部に対応する位置から約13mm内側まで紙粉が堆積していた。これに対して、本実施例ではコバ部に対応する位置から約4mm程度内側までに抑えられていることが確認できた。
なお、本実施例ではA4サイズ紙を想定して説明したが、サイズの異なる記録材Sを用いる場合には、サイズごとに画像形成枚数をカウントすることができる。そして、各サイズの積算画像形成枚数が所定枚数に達するごとに、各サイズの記録材Sに対応するブラシクリーニング動作を実施することができる。このとき、各サイズの記録材Sに対応するブラシクリーニング動作では、それぞれ該当するサイズの記録材Sのコバ部に対応する位置の近傍(好ましくはコバ部に対応する位置をスラスト方向にまたぐ領域)に補助トナー像Tcを形成するようにする。このように、典型的には、同一のサイズの記録材Sの所定枚数に画像を形成するごとにブラシクリーニング動作を実行させる。
以上、本実施例によれば、ブラシ11に紙粉が堆積することにより発生する中間転写ベルト6のクリーニング不良を抑制することができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能、構成を有する要素については、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
1.本実施例のブラシクリーニング動作
実施例1では、中間転写ベルト6のクリーニング不良の発生は抑えることができたが、スラスト方向におけるブラシ11のA4サイズ紙のコバ部に対応する位置付近に紙粉が確認された。実施例1では、画像形成枚数250枚に1回の頻度でブラシクリーニング動作を実施したが、さらに頻繁に実施すれば、一時的に溜まる紙粉の量が少ないうちにブラシ11からこまめに紙粉を吐出すことができるため効果は向上する。しかし、実施例1で説明したブラシクリーニング動作は、補助トナー転写工程から補助トナー及び紙粉回収工程までに約10秒の時間を要する。そのため、ブラシクリーニング動作を実施する頻度を増やすと、その分頻繁にインタラプション(画像形成を行うことのできない調整動作の期間)が長くなってしまう。
そこで、本実施例では、1回のブラシクリーニング動作において中間転写ベルト6に形成する補助トナー像Tcの数を複数とする。そして、各補助トナー像Tcについて、実施例1と同様の補助トナー転写工程、補助トナー1次回収工程、補助トナー及び紙粉吐出し工程、補助トナー及び紙粉回収工程の4工程を行う。各工程に関して以下で説明する。ここでは、実施例1と同様、記録材Sとして、A4サイズ紙を想定して説明する。また、本実施例においても、実施例1と同様、A4サイズ紙の250枚に画像形成するごとに1回、非画像形成時としての後回転工程時や紙間工程時に、ブラシクリーニング動作が実施される。
(1)補助トナー転写工程
本実施例においても、図6に示す実施例1のものと同様の位置及びサイズの補助トナー像Tcを形成する。ただし、本実施例では、図10に示すように、中間転写ベルト6の移動方向の3か所に、実施例1と同様の補助トナー像Tcを形成する。本実施例では、3個の補助トナー像Tcは、中間転写ベルトの1周以内の3か所に形成される。これにより、1回のブラシクリーニング動作にかかる時間を低減することができる。以下、この3つの補助トナー像Tcを、中間転写ベルト6に形成する順にTc1、Tc2、Tc3とする。
実施例1と同様、この補助トナー像Tc1〜Tc3が2次転写部N2を通過する時には、2次転写ローラ8に負極性の電圧が印加される。本実施例では、この電圧の印加は、1個目の補助トナー像Tc1が形成された中間転写ベルト6の領域が2次転写部N2に到達する前から、3個目の補助トナー像Tc3が形成された中間転写ベルト6の領域が2次転写部N2を通過した後まで維持される。
なお、本実施例では3個の補助トナー像Tcを形成するが、3個に限定されるもではなく、より少なくても、より多くてもよい。ただし、ブラシ11の回収能力との関係で1個の補助トナー像の中間転写ベルト6の移動方向の長さを設定し、後述する各吐出し工程で十分に吐出しを行える補助トナー像間の間隔を確保しつつ、中間転写ベルト6の1周以内に形成できる数が好ましい。
(2)補助トナー1次回収工程、及び補助トナー及び紙粉吐出し工程
図11は、本実施例におけるブラシクリーニング動作においてクリーニング電源13がブラシ11に印加する電圧の推移を示している。1個目の補助トナー像Tc1がクリーニング部CLを通過する時に、クリーニング電源13からブラシ11にトナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性の電圧Viが印加される。本実施例では、この電圧の印加は、1個目の補助トナー像Tc1が形成された中間転写ベルト6の領域がクリーニング部CLに到達する前から、クリーニング部CLを通過した後まで維持される。これにより、補助トナーTc1はブラシ11に1次回収される。そして、補助トナーTc1が形成された中間転写ベルト6の領域がクリーニング部CLを通過した後に、クリーニング電源13からブラシ11に短い間隔で極性が交互に切替えられる電圧が印加される。これにより、補助トナーTc1及び紙粉Pが、ブラシ11から中間転写ベルト6上に吐出される。ここまでの動作は実施例1と同様である。そして、本実施例では、後続の補助トナー像Tc2、Tc3に対しても、1個目の補助トナー像Tc1に対するものと同様の動作が繰り返し行われる。
補助トナーTcの1次回収と吐出しを複数回繰り返すことで、1回目の吐出し工程時に吐出しきれなかった紙粉に対して、2回目以降の1次回収時に補助トナーTcが再度入り込む。そして、その補助トナーTcの吐出し工程時に、ブラシ11に残っていた紙粉を吐出すことができる。
(3)補助トナー及び紙粉回収工程
本実施例においても、実施例1と同様、各画像形成部10の回収負荷の分散を目的として、補助トナーTc及び紙粉Pを4つの画像形成部10a〜10dに振分けて回収する。
本実施例では、1回のブラシクリーニング動作において補助トナー及び紙粉吐出し工程が3回繰り返される。そのため、1回のブラシクリーニング動作における補助トナー及び紙粉吐出し工程ごとに、各画像形成部10の1次転写部N1に印加する電圧の極性の組合せパターンを切替える。表3は、本実施例における極性の組合せパターンを示す。表3中のA〜Dは、それぞれ実施例1で説明した表1に示すA〜Dの極性の組合せパターンを意味する。
本実施例では、1回のブラシクリーニング動作において補助トナー及び紙粉吐出し工程を行うごとに、表3に示すように極性の組合せパターンをA〜Dに順次切替える。また、ブラシクリーニング動作を実施するごとに、表3に示すように極性の組合せパターンをA’〜D’に順次切替える。
最初のブラシクリーニング動作の実施タイミングでは、1回目の補助トナー及び紙粉吐出し工程で吐出された補助トナーTc1及び紙粉Pが第1の画像形成部10aの1次転写部N1aに到達する前に、極性の組合せパターンをパターンAにする。これにより補助トナーTc1及び紙粉Pのうち負極性のものは最初に第1の画像形成部10aで回収され、第1の画像形成部10aで回収しきれなかったものは第4の画像形成部10dで回収される。一方、補助トナーTc1及び紙粉Pのうち正極性のものは、最初に第2の画像形成部10bで回収され、第2の画像形成部10bで回収しきれなかったものは第3の画像形成部10cで回収される。
そして、2回目の補助トナー及び紙粉吐出し工程で吐出された補助トナーTc2及び紙粉Pに対しては、極性の組合せパターンがパターンBに切替えられて、補助トナー及び紙粉回収工程が行われる。このとき、各画像形成部10の1次転写部N1に印加する電圧は、2回目の補助トナー及び紙粉吐出し工程で吐出された補助トナーTc2及び紙粉Pの回収に備えて、次のようにしてパターンBへと切替えられていく。つまり、1回目に吐出された補助トナーTc1及び紙粉Pが各1次転写部N1を通過した後、かつ、2回目に吐出された補助トナーTc2及び紙粉Pが各1次転写部N1に到達する前に、上流側の画像形成部10から順次印加する電圧の極性が切替えられていく。3回目の補助トナー及び紙粉吐出し工程で吐出された補助トナーTc3及び紙粉Pに対しても、上記同様に極性の組合せパターンがパターンCに切替えられることで、補助トナー及び紙粉回収工程が行われる。このようにして、合計3回の補助トナー及び紙粉回収工程が行われ、補助トナーTc及び紙粉Pが4つの画像形成部10a〜10dに振分けて回収される。以上が表3に示すパターンA’である。
次のブラシクリーニング動作の実施タイミングでは、補助トナー及び紙粉回収工程における極性の組合せパターンをパターンB’にする。このように、表3に示す極性の組合せパターンA’〜D’を、ブラシクリーニング動作の実施タイミングごとにA’→B’→C’→D’→A’→・・・といったように切替えていく。これにより、長期的に見れば、補助トナーTc及び紙粉Pを4つの画像形成部10a〜10dに略均等に振分けて回収することができ、各画像形成部10の回収負荷を分散させることができる。
なお、実施例1で説明したのと同様、極性の組合せパターンは、表3(表1)のものに限定されるものではない。ただし、実施例1の場合と同様、複数の感光ドラム1の数以上(典型的には複数の感光ドラム1と同数)の予め設定された極性の組合せパターンを、それぞれの補助トナー像Tcに関する吐出しを行うごとに順次変更することが好ましい。複数の補助トナー像Tcを形成する場合には、本実施例のようにそれぞれの補助トナー像Tcに関する吐出しを行うごとに極性の組合せパターンを変更することが好ましい。これにより、1回のブラシクリーニング動作においても複数の画像形成部10の回収負荷を分散できる。しかし、所望により、複数の補助トナーTcを形成する場合にも、実施例1と同様にブラシクリーニング動作を実行するごとに極性の組合せパターンを変更するようにしてもよい。
2.評価実験
次に、本実施例の効果を確認するために行った評価実験について説明する。
記録材Sとしては、紙粉の発生量が比較的多いことがわかっているA4サイズの炭酸カルシウム紙を用いた。評価環境は、低温低湿環境(温度及び湿度が15℃、10%)とした。そして、連続画像形成の耐久試験を実施した。この際、画像形成枚数が75k枚のタイミングで、ブラシ11に溜まっている紙粉を観察し、スラスト方向におけるA4サイズ紙のコバ部に対応する位置から内側への紙粉の堆積幅を確認した。この評価実験を、本実施例と実施例1の画像形成装置100で行った。いずれの場合も、それぞれの実施例のブラシクリーニング動作を250枚の画像形成ごとに1回実施した。
実施例1と本実施例とで紙粉の堆積幅を比較したところ、実施例1では4mmだったのに対して、本実施例では1mm以下に抑えられていることが確認できた。
また、本実施例では、補助トナー1次回収工程と、補助トナー及び紙粉吐出し工程とがそれぞれ3回繰り返されることで、実施例1よりも1回のブラシクリーニング動作に要する時間は延びる。しかし、その延長時間は、約2秒に抑えることができる。つまり、2回目と3回目の補助トナー1次回収工程に要する時間の約0.4秒(=30[mm]x2/148[mm/秒])と、2回目と3回目の補助トナー及び紙粉吐出し工程に要する時間の約1.6秒(=0.1[秒]x8x2)との合計約2秒である。一方、本実施例と同様の効果を得るために、実施例1のブラシクリーニング動作を3倍の実施頻度で実施した場合、画像形成枚数250枚あたりのインタラプションは、実施例1の3倍の合計約30秒となる。このように、本実施例によれば、大幅にブラシクリーニング動作のために必要な時間を短縮できる。
以上、本実施例によれば、ブラシクリーニング動作に必要な時間を抑制しつつ、ブラシ11に堆積した紙粉を除去する能力を高めて、中間転写ベルト6のクリーニング不良をより良好に抑制することができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施例では、中間転写ベルトに形成した補助トナー像が2次転写部を通過する時に2次転写ローラにトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧を印加して、2次転写ローラに補助トナーが付着することを抑制した。同様の目的で、補助トナー像が2次転写部を通過する時に、2次転写ローラを中間転写ベルトから離間させてもよい。
また、上述の実施例では、補助トナー像は、中間転写ベルト上のコバ部に対応する位置の近傍にのみ形成したが、所望によりスラスト方向に連続した帯状の補助トナー像を形成してもよい。ただし、少なくともコバ部に対応する位置の近傍(好ましくはコバ部に対応する位置をスラスト方向にまたぐ領域)に補助トナー像が形成されていることが好ましい。
また、上述の実施例におけるように、移動する中間転写ベルトに対してブラシが固定配置されている場合に、ブラシに紙粉が堆積しやすく、本発明が特に有効となる。しかし、ブラシが中間転写ベルトに接触して回転可能なブラシローラなどである場合にも本発明は適用できる。この場合、ブラシローラが中間転写ベルトとの接触部で中間転写ベルトと同方向に略等速で移動する場合であっても、ブラシに紙粉が堆積することがある。また、例えばブラシローラが中間転写ベルトとの接触部で、中間転写ベルトと同方向に相対的に遅い速度で移動する場合や、逆方向に移動する場合には、更にブラシに紙粉が堆積しやすくなる。そのため、このような構成であっても、本発明を適用して上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
また、上述の実施例では、中間転写体は複数の張架ローラに張架された無端状のベルトであるものとして説明したが、これに限定されるものではない。中間転写体が、例えば枠体にフィルムを張設してドラム型とした中間転写ドラムなどの他の形態である場合にも、本発明を適用して上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
また、上述の実施例では、補助トナー及び紙粉吐出し工程において極性を交互に切替える電圧をブラシに印加したが、これに限定されるものではなく、少なくともトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧を印加することで相応の吐出し効果が得られる。また、所望の吐出し効果によっては、ブラシへの電圧の印加をオフとすることによっても十分に補助トナーを吐出すことができ、その補助トナーと一緒に紙粉を十分に吐出すことができることがある。
1 感光ドラム
5 1次転写ローラ
6 中間転写ベルト
7 ドラムクリーナ
11 ブラシ部材(ブラシ)
CL クリーニング部(接触部)
N1 1次転写部
Tc クリーニング補助トナー(補助トナー)

Claims (15)

  1. トナー像をそれぞれが担持する複数の像担持体と、
    前記複数の像担持体のそれぞれにトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記複数の像担持体のそれぞれに対応する複数の1次転写部で前記像担持体からトナー像が1次転写され、2次転写部でトナー像を記録材に2次転写させる移動可能な中間転写体と、
    前記複数の1次転写部のそれぞれに、正規の帯電極性に帯電したトナーを前記像担持体側から前記中間転写側に付勢する第1の電界と、前記第1の電界とは逆向きの第2の電界とを形成することが可能な電界形成手段と、
    前記中間転写体の移動方向において前記2次転写部よりも下流かつ最上流の前記1次転写部よりも上流の接触部で前記中間転写体に接触するブラシ部材と、
    前記ブラシ部材に電圧を印加するブラシ電源と、
    非画像形成時に、前記トナー像形成手段により前記像担持体に形成した所定のトナー像を前記中間転写体に転写し、前記ブラシ電源から前記ブラシ部材に電圧を印加して前記所定のトナー像のトナーを前記ブラシ部材に回収し、該回収したトナーを前記中間転写体に吐出し、該吐出したトナーを前記中間転写体から前記像担持体に転移させて、前記ブラシ部材に堆積した紙粉を減少させるクリーニング動作を実行させる制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、
    記録材の搬送方向と略直交する幅方向の長さが所定の長さである所定のサイズの記録材の所定枚数に画像を形成した場合に、少なくとも前記中間転写体の移動方向と略直交するスラスト方向の両端部側の前記2次転写部で前記所定のサイズの記録材の前記幅方向の端部に接触する領域を含む前記中間転写体の領域に前記所定のトナー像を転写し、
    前記吐出しを行っている時に前記接触部を通過した前記中間転写体の移動方向に関する領域を、前記電界形成手段により前記第1の電界を形成した1次転写部と前記第2の電界を形成した1次転写部とを含む前記複数の1次転写部を通過させることで、前記吐出したトナーを前記複数の1次転写部のうち少なくとも2つで前記中間転写体から前記像担持体に転移させるように制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記中間転写体の移動方向に関する前記所定のトナー像が転写された領域が前記接触部を通過している時に、前記ブラシ電源から前記ブラシ部材にトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加して前記回収を行い、
    前記中間転写体の移動方向に関する前記所定のトナー像が転写された領域が前記接触部を通過した後に、前記ブラシ電源から前記ブラシ部材にトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧を印加して前記吐出しを行うように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記中間転写体の移動方向に関する前記所定のトナー像が転写された領域が前記接触部を通過した後に、前記ブラシ電源から前記ブラシ部材にトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧と逆極性の電圧とを交互に印加して前記吐出しを行うように制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記吐出しを行っている時に前記接触部を通過した前記中間転写体の移動方向に関する領域を通過させる際に、前記複数の1次転写部の全てに前記電界形成手段により前記第1の電界又は前記第2の電界のいずれかを形成するように制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記クリーニング動作を実行させるごとに、前記複数の1次転写部のうち前記第1の電界を形成する1次転写部と前記第2の電界を形成する1次転写部との組合せを変更するように制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記複数の像担持体の数以上の予め設定された前記組合せを、前記クリーニング動作を実行させるごとに順次変更するように制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、1回の前記クリーニング動作において、前記中間転写体の移動方向に複数の前記所定のトナー像を転写し、それぞれの前記所定のトナー像に関して前記回収、前記吐出し及び前記転移を行うように制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、1回の前記クリーニング動作において、前記中間転写体の移動方向に複数の前記所定のトナー像を転写し、それぞれの前記所定のトナー像に関して前記回収、前記吐出し及び前記転移を行うように制御し、かつ、それぞれの前記所定のトナー像に関する前記吐出しを行うごとに、前記複数の1次転写部のうち前記第1の電界を形成する1次転写部と前記第2の電界を形成する1次転写部との組合せを変更するように制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記複数の像担持体の数以上の予め設定された前記組合せを、それぞれの前記所定のトナー像に関する前記吐出しを行うごとに順次変更するように制御することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御手段は、複数の前記所定のトナー像を、周回移動する前記中間転写体の1周以内に転写するように制御することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、前記スラスト方向の両端部側の、前記2次転写部で前記所定のサイズの記録材の前記幅方向の端部に接触する領域をまたぐ前記スラスト方向に関する所定の幅の前記中間転写体の領域に、それぞれ前記所定のトナー像を転写するように制御することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、前記2次転写部で前記所定のサイズの記録材の前記幅方向の端部に接触する領域よりも前記スラスト方向の内側の前記中間転写体の領域に転写する前記所定のトナー像を、前記2次転写部で前記所定のサイズの記録材の前記幅方向の端部の所定の余白領域に接触する前記中間転写体の領域内に転写するように制御することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御手段は、前記所定のサイズの記録材の所定枚数に画像を形成するごとに前記クリーニング動作を実行させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  14. 前記ブラシ部材は、移動する前記中間転写体に対して固定配置されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  15. 前記電界形成手段は、前記複数の像担持体のそれぞれに対応して設けられた1次転写手段と、それぞれの1次転写手段に正負両極性の電圧を印加することが可能な1次転写電源と、を有し、前記1次転写電源から前記1次転写手段に印加する電圧の極性を切替えることで前記1次転写部に形成する電界を前記第1の電界と前記第2の電界とに切替えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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