JP6746129B2 - 自己修復性材料 - Google Patents

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Description

本発明は、塗膜や複合材料等を構成する高分子層の内部にマイクロクラックの如き損傷
が発生した際に自己修復する機能を備えた自己修復性材料に関する。
高分子材料は、加工性や成形性がよく、軽量で錆びず、また耐薬品性等の化学的特性に優れるという利点がある反面、継続的・熱的な負荷によって内部にマイクロクラックが生じ易く、その成長によって全体の破壊や被覆下地の腐食に繋がるという難点がある。特に、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂では、その傾向が顕著である。しかるに、マイクロクラックは構造の奥深くで発生するため、その発見及び修復を行うことは、技術的に難しい上に多大な時間及び費用を要するので現実的ではない。
そこで、近年において、マイクロカプセルを利用して高分子材料自体に修復機能を付与した自己修復性材料が種々検討されている。その自己修復機構は、一般的に、ポリマーマトリックス中に、修復剤として液状のモノマーやプレポリマーを内包するマイクロカプセルと、重合用触媒や重合開始剤の如き重合活性化剤の固形粒子を分散含有させておき、ポリマーマトリックスの内部にマイクロクラックが発生した際、亀裂面に臨むマイクロカプセルが破裂することで、流出した修復剤が重合活性化剤と接触して重合硬化し、その重合硬化物によってマイクロクラックを埋めて修復するものである。なお、これとは逆に、重合活性化剤の方をマイクロカプセルに内包させる考え方もある。
例えば、特許文献1では、エポキシマトリックス中に、グラブス(Grubbs)触媒の固形粒子と、液体ジシクロペンタジエンを内包するマイクロカプセルを含有する材料が提案されている。また、特許文献2では、ポリマーマトリックス、重合剤、重合活性化剤を内包するマイクロカプセルを含む複合材料が提案されている。更に、特許文献3では、ポリマーマトリックス、光導電性成分、修復剤内包のマイクロカプセル又はナノカプセル、触媒を含む自己修復性複合材料コーティングを有する光導電性部材が提案されている。一方、本出願人に係る既往技術を示す非特許文献1では、ポリマーマトリックス中に、修復剤としてトリメタクリル酸トリメチロールプロパンを内包したメラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルと、重合開始剤である2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを分散含有させた自己修復性材料が提案されている。
米国特許第6518330号公報 特表2008−540733号公報 特開2009−211070号公報 特表2015−526568号公報
福島真理成ら,Studies in Science and Technology,Vol 3,pp.127-132(2014)
上述のような自己修復性材料としての機能を確実に発現するには、ポリマーマトリックス中でマイクロカプセルが長期間にわたって修復成分を安定的に内包した状態を維持する一方、マイクロクラック発生時の応力によって該マイクロカプセルが容易に破裂する必要がある。すなわち、マイクロカプセルとして、機械的強度と脆弱性という相反する性質をバランスよく併せ持ち、且つカプセル外壁が内包する修復成分の滲出を防止し得る封止性を備える必要がある。また、修復成分にも、変質や分解等による経時的劣化を生じにくいことが要求される。加えて、高い自己修復率を得るには、亀裂面全体に修復剤が充分に行き渡って効率よく重合反応を生じると共に、その重合硬化物が亀裂面を強固に結着する性状を有することが望まれるが、マイクロカプセル及び修復剤によって高分子材料本来の必要特性が損なわれないことも肝要である。
しかしながら、従来の提案技術では、マイクロカプセルの機械的強度と脆弱性のバランス、カプセル外壁の封止性、修復成分の安定性、自己修復率、高分子材料の必要特性への影響度合等で、充分に満足し得る自己修復性材料は得られておらず、まだ多分に改良の余地を残している。例えば、前記の非特許文献1に開示される自己修復性材料は、マイクロカプセルの機械的強度と脆弱性のバランス、カプセル外壁の封止性等の多くの面で優れ、高分子材料の必要特性を阻害せず、しかも80%以上という非常に高い自己修復率が得られているが、重合開始剤の2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の10時間半減期が51℃であるように、使用するアゾ系重合開始剤には熱による分解性が高いため、長期安定性に欠けるという難点がある。
本発明は、上述の事情に鑑みて、高分子材料の必要特性を阻害せず、長期間にわたって安定的に高い自己修復率が得られる自己修復性材料を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る自己修復性材料は、ポリマーマトリックス中に、修復剤としてトリメタクリル酸トリメチロールプロパンを内包したメラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルと、臭化コバルト及び臭化第二銅の一方又は両方からなる触媒成分とが分散含有され、該マイクロカプセルの応力による破裂で流出するトリメタクリル酸トリメチロールプロパンが前記触媒成分を介して重合硬化して修復機能を発揮するように構成されてなり、ポリマーマトリックス中に重合開始剤が含まれない
また、上記請求項1の自己修復性材料において、請求項2の発明では前記マイクロカプセルは平均粒子径が1〜10μmの単核カプセルからなる構成を、請求項3の発明では前記マイクロカプセルにおけるトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの含有量が50〜80重量%である構成を、請求項4の発明では前記マイクロカプセル中のトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの総量に対し、前記触媒成分が0.5〜5重量%の範囲にある構成を、請求項5の発明では前記ポリマーマトリックスの樹脂成分に対し、修復剤内包の前記マイクロカプセルが1〜20重量%の割合で含有されてなる構成を、請求項6の発明では前記ポリマーマトリックスがエポキシ系ポリマーからなる構成を、それぞれ好適態様としている
一方、請求項7の発明に係る修復剤内包マイクロカプセルの製造方法は、界面活性剤を含有する酸性水溶液からなる水相と、修復剤であるトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの有機相とを撹拌混合することにより、前記水相中に有機相が分散したO/Wエマルションを調製し、このO/Wエマルションにメチロール化メラミンのアルカリ性水溶液を添加し、酸性域にpH調整して加温下で撹拌混合し、分散有機相の液滴界面でメチロール化メラミンの縮合反応を生じさせてカプセル壁を形成することにより、前記有機相を内包するマイクロカプセルを生成させることを特徴としている。
更に、上記請求項7の修復剤内包マイクロカプセルの製造方法において、請求項8の発明では前記界面活性剤がポリエチレン無水マレイン酸の加水分解物である構成を好適態様としている。
本発明の自己修復性材料は、ポリマーマトリックス中に分散含有させる修復剤内包マイクロカプセルとして、既述した本出願人に係る既往技術と同様に、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンを内包したメラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルを用いるが、該既往技術におけるアゾ系重合開始剤に代えて臭化コバルト及び臭化銅の一方又は両方からなる触媒成分を用いるため、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンの高効率な重合性を確保できると共に、触媒成分の分解温度が高く、塗膜や複合材料等として通常の使用状態下で晒される程度の熱には安定であることから、長期間にわたって極めて優れた自己修復性を確実に発揮でき、常に該既往技術に匹敵する非常に高い自己修復率を達成できる。また、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルは、内包する修復成分の滲出を防止し得る封止性が高い上、機械的強度と脆弱性という相反する性質をバランスよく併せ持ち、ポリマーマトリックス中で長期間にわたって修復成分を安定的に内包した状態を維持する一方、マイクロクラック発生時の応力によって容易に破裂するから、修復剤内包マイクロカプセルとしての適性に優れている。
この自己修復性材料において、前記マイクロカプセルが平均粒子径1〜10μmの単核カプセルであることにより、高分子材料の特性への悪影響を抑えながら、各カプセルの高い修復剤含有率によって優れた自己修復性を付与できる。また、マイクロカプセルにおけるトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの含有量を50〜80重量%とすることで、該マイクロカプセルの少ない添加量で高い自己修復率を達成できる。更に、前記触媒成分の添加量をマイクロカプセル中のトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの総量に対して0.5〜5重量%の範囲とすることで、触媒成分の余剰を抑えて高い重合性を確保できる。特に、ポリマーマトリックスの樹脂成分に対して修復剤内包マイクロカプセルを1〜20重量%の割合で含有させることで、高分子材料の特性への悪影響を高度に抑制しつつ、確実に高い自己修復性を付与できる。そして、この自己修復性機能は、とりわけポリマーマトリックスがエポキシ系ポリマーからなる場合に大きく発現する。
一方、本発明の修復剤内包マイクロカプセルの製造方法によれば、上記の自己修復性材料に用いる修復剤内包マイクロカプセルを効率よく確実に製造できる。また、この製造方法において、特に水相に含有させる界面活性剤にポリエチレン無水マレイン酸の加水分解物を用いることにより、単核カプセルで内包する修復剤が漏出しにくい高品位の修復剤内包マイクロカプセルを容易に製出できる。
本発明の自己修復性材料に用いる修復剤内包マイクロカプセルの調製機構を示す模式図である。 修復剤内包マイクロカプセルの電子顕微鏡写真図であり、A〜Dはマイクロカプセル調製時のメチロール化メラミンの使用モル数の違いに対応する。 修復剤内包マイクロカプセルの製造におけるメチロール化メラミン使用量と修復剤含有率との相関図である。 修復剤内包マイクロカプセルの圧縮試験による荷重−伸び相関図である。 自己修復性試験に用いる試験片の平面図である。 同試験片に自己修復性材料を固着した試験供試前の状態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X線の断面図である。 同試験片を自己修復性試験機にセットした状態を示す側面図である。 自己修復率の判定基準を示す荷重−伸び相関図である。 本発明の自己修復性材料における修復剤内包マイクロカプセル添加量と自己修復率との相関を示し、(a)は重合用触媒が臭化銅である場合の相関図、(b)は重合用触媒が臭化コバルトである場合の相関図である。 同自己修復性材料の曲げ試験による修復剤内包マイクロカプセル添加量と曲げ弾性率との相関図である。
本発明に係る自己修復性材料は、既述のように、ポリマーマトリックス中に、修復剤としてトリメタクリル酸トリメチロールプロパンを内包したメラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルと、臭化コバルト及び臭化銅の一方又は両方からなる触媒成分とが分散含有されたものであり、塗膜や複合材料としての使用中に内部にマイクロクラック等の損傷が発生した際、その損傷面に臨むマイクロカプセルが応力によって破裂することで自己修復機能を発揮する。すなわち、マイクロカプセルの破裂により、内包するトリメタクリル酸トリメチロールプロパンが流出し、同様に損傷面に臨む触媒成分に接触することで重合硬化し、その重合硬化物が損傷部を埋めて修復することで損傷の拡大を防止する。
修復剤とするトリメタクリル酸トリメチロールプロパン〔別名:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタノールトリメタクリラート〕は、常態では液状(融点−25℃、沸点200°以下)であって、分子構造中に3つの二重結合を有することから、重合によって高い架橋密度で機械的強度に優れた硬化物を形成する。一方、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルは、メラミン−ホルムアルデヒド骨格のカプセル外殻が単核で細孔を形成しにくいことから、芯物質であるトリメタクリル酸トリメチロールプロパンを高含有率で漏出させずに安定的に保護できる。
触媒成分の臭化コバルト及び臭化銅は、修復剤のトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの重合触媒としての活性が高く、高効率な重合性を確保できる上、本出願人に係る既往技術(非特許文献1)で使用されていた2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の如きアゾ系重合開始剤に比較して、分解温度が格段に高い(融点:CoBr2 で678℃、CuBr2 で498℃)固形粉末であるため、塗膜や複合材料等として通常の使用状態下で晒される程度の熱では劣化することがなく、ポリマーマトリックス中に分散された状態で長期間にわたって安定している。なお、臭化ニッケル、臭化錫、臭化鉄等の他の臭化物では、後述する硬化試験結果で示すように、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンに対する触媒活性は認められなかった。
この触媒成分と用いる臭化コバルト及び臭化銅は、そのいずれか一方を単独で用いてもよいし、両者を併用してもよい。しかして、これら触媒成分の使用量は、特に制約されないが、前記マイクロカプセル中のトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの総量に対し、前記触媒成分が0.5〜5重量%の範囲が好ましく、少な過ぎてはトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの重合硬化が不充分となり、多過ぎては無駄になると共にポリマーマトリックスを構成する高分子材料の必要特性に悪影響を及ぼす懸念がある。
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルは、細孔を形成しにくいために内包する修復成分の滲出を防止し得る封止性に優れ、且つ単核カプセルとして修復剤含有率を高く設定できることに加え、機械的強度と脆弱性という相反する性質をバランスよく併せ持ち、ポリマーマトリックス中で長期間にわたって修復成分を安定的に内包した状態を維持する一方、マイクロクラック発生時の応力によって容易に破裂するから、修復剤内包マイクロカプセルとして極めて高い適性を備える。
このようなマイクロカプセルのサイズは、特に制約されないが、ポリマーマトリックスを構成する高分子材料の曲げ弾性率等の必要特性への悪影響を抑える観点から、平均粒子径10μm以下であることが望ましいが、平均粒子径1μm以下のものは製出困難であるため、平均粒子径1〜10μmの範囲が好適である。また、該マイクロカプセルの添加量は、ポリマーマトリックスの樹脂成分に対し1〜20重量%の割合が好ましく、より好適には2〜19重量%であり、少な過ぎては自己修復性が不充分になり、多過ぎては高分子材料の必要特性への悪影響を抑える観点から望ましくない。また、このマイクロカプセルにおけるトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの含有量は、前記のような該マイクロカプセルの少ない添加量で高い自己修復率を達成するために、50重量%以上とすることが望ましいが、80重量%を超える含有量とすることは技術的に困難であるため、50〜80重量%の範囲が推奨される。
トリメタクリル酸トリメチロールプロパン内包マイクロカプセルを調製するには、まず、界面活性剤を含有する酸性水溶液からなる水相に、修復剤であるトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの有機相を加えて加温下で撹拌混合することにより、前記水相中に有機相が分散したO/Wエマルションを調製する。次いで、このO/Wエマルションにメラミン及びホルムアルデヒドを含有するアルカリ性水溶液を添加し、酸性域にpH調整して加温下で撹拌混合し、分散有機相の液滴界面でメチロール化メラミンの縮合反応を生じさせてカプセル壁を形成することにより、前記有機相を内包するマイクロカプセルを生成させたのち、遠心分離及び真空乾燥によって水相を除去してマイクロカプセルを回収すればよい。このような調製方法によれば、上記の修復剤を内包するマイクロカプセルを効率よく確実に製造できる。
なお、上記のメラミン及びホルムアルデヒドを含有するアルカリ性水溶液では、アルカリ性域での加温によってメラミンにホルムアルデヒドが付加反応し、メチロール化メラミンを生成している。このメチロール化メラミンは、メラミンとホルムアルデヒドのモル比により、モノメチロール化メラミン(メラミン/ホルムアルデヒドのモル比:1/1)からヘキサメチロール化メラミン(同1/6)まで調製可能であるが、O/Wエマルションにおける有機相の液滴に対する包囲性と縮合反応性(架橋性)の両面から、トリメチロール化メラミン(同1/3)からペンタメチロール化メラミン(同1/5)が好適であり、特にテトラメチロール化メラミン(同1/4)が推奨される。
すなわち、マイクロカプセル形成の重合メカニズムは、図1に示すように、水相中にトリメタクリル酸トリメチロールプロパン(略号:TMPTMAで示す)の有機相の液滴が分散し、その液滴界面に配位した界面活性剤の親水基(図ではカルボキシル基:−COOH)にメチロール化メラミン(図ではテトラメチロール化メラミン)が酸アミド結合することにより、該液滴の周囲をメチロール化メラミンが包囲し、この包囲状態で隣接するメチロール化メラミン同士がメチロール基間での脱水縮合反応によって重合し、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂のカプセル外殻を形成するものである。従って、メチロール化メラミンとして、上記の酸アミド結合のために、メラミンの三つのアミノ基における窒素原子に結合した水素を1〜3個残す形態が好ましい。また、メラミンのメチロール化割合(メラミンに対するホルムアルデヒドのモル比)はカプセル外殻の緻密さに関連し、メチロール化割合が高い程、架橋密度が上がって緻密になるから、酸アミド結合と相俟って上述のようにテトラメチロール化メラミンが最適である。
上記の界面活性剤としては、特に制約されないが、親水基としてカルボキシル基を有するもの、特にポリエチレン等の直鎖ポリマーの片末端が官能基化されてカルボキシル基を有するものが好適であり、該カルボキシル基がジカルボン酸無水物の加水分解で生じるものでもよい。とりわけ、ポリエチレン無水マレイン酸の加水分解物は、単核カプセルで内包する修復剤が漏出しにくい高品位のマイクロカプセルを容易に製出できるという利点がある。なお、ポリエチレン無水マレイン酸の分子量は100,000〜500,000程度のものがよい。
自己修復性材料のポリマーマトリックスを構成する高分子材料としては、特に制約されないが、使用中の温湿度変化や負荷応力等によって経時的にマイクロクラックを生じ易い熱硬化性樹脂が好適であり、特にエポキシ系ポリマーは本発明の適用効果が大きいために推奨される。
〔触媒の適性試験〕
臭化コバルト(CoBr2)、臭化銅(CuBr2)、臭化ニッケル(NiBr2)、臭化錫(CuBr2)、臭化鉄(FeBr3)の5種の金属臭化物について、修復剤のトリメタクリル酸トリメチロールプロパンに対する重合触媒としての適性試験を行った。この試験は、シャーレ内で2.5gのトリメタクリル酸トリメチロールプロパンに0.05gの金属臭化物粉末を添加して均一に撹拌混合し、該シャーレをインキュベーターに収容して所定温度(45℃,60℃)で静置し、所定時間後(45℃では1週間後、60℃では48時間後)に取り出して目視及び指触りで硬化の有無を確認するものであり、その結果を次の表1に示す。表中、〇は完全硬化、×は未硬化(変化なし)を示す。なお、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンには和光純薬社製の品位「化学用」を、各金属臭化物には和光純薬社製の品位「和光一級」を、それぞれ使用した。
Figure 0006746129
表1の結果から、臭化コバルト及び臭化銅は修復剤のトリメタクリル酸トリメチロールプロパンに対する重合用触媒として充分な適性を備えるが、他の金属臭化物は触媒活性を示さないことが確認された。
以下に、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の内容に制約されるものではない。なお、以下における%は重量%(W/W)を意味する。
〔修復剤内包マイクロカプセルの調製〕
水相(連続相)として、蒸留水50gに、加熱しつつポリエチレン無水マレイン酸(ALDRICH社製のMKBR8498V)3.5gを溶解したのち、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH調整を行い、64℃,pH4の酸性水溶液を準備した。また、添加相として、後記表2記載量のメラミン及び37%ホルムアルデヒド水溶液と蒸留水を加熱下で混合し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH調整を行うことにより、メラミンにホルムアルデヒドを付加反応させて、71℃,pH12のテトラメチロール化メラミンのアルカリ性水溶液を調製した。
上記水相中に有機相(分散相)として34.9gのトリメタクリル酸トリメチロールプロパンを添加し、ホモジナイザーによって5000rpmで10分撹拌することにより、45℃,pH4のO/Wエマルションを調製した。そして、このO/Wエマルションに、上記添加相を添加混合したのち、10%クエン酸水溶液を加えてpH調整し、ホモジナイザーで300rpmで撹拌混合しつつ、液温80℃で3時間の重合反応によってトリメタクリル酸トリメチロールプロパン内包マイクロカプセルを生成させた。そして、得られたマイクロカプセル含有スラリーを遠心分離器にかけ、8000rpmで15分間の遠心分離を10回行って水槽を除去したのち、更に48時間の真空乾燥を行ってトリメタクリル酸トリメチロールプロパン内包マイクロカプセルA〜Dを回収した。
得られたトリメタクリル酸トリメチロールプロパン内包マイクロカプセルA〜Dについて、その電子顕微鏡写真図(7,000倍)を図2に示す。また、画像解析ソフト(D mesaure)によって測定した該電子顕微鏡写真中のマイクロカプセル200個の平均粒子径を、上記マイクロカプセル調製に用いた材料配合量及び回収率と共に表2に示す。なお、表中、TMPTMAはトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの略号、Et/AMAはポリエチレン無水マレイン酸の略号、HCHOはホルムアルデヒドの化学式である。
Figure 0006746129
図2及び表2で示すように、得られたトリメタクリル酸トリメチロールプロパン内包マイクロカプセルは、添加相の材料配合量が異なるA〜Dのいずれも、平均粒子径が3μm程度の滑らかな球状粒子であった。
〔修復剤含有率の測定〕
上記のトリメタクリル酸トリメチロールプロパン内包マイクロカプセルA〜Dについて、修復剤含有率を測定した結果を図3に示す。なお、修復剤含有率は、マイクロカプセルに内包されたトリメタクリル酸トリメチロールプロパンをアセトンで抽出し、ガスクロマトグラフィーによる定量分析によって修復剤重量を測定し、
修復剤含有率=(修復剤重量/修復剤内包マイクロカプセル重量)×100
として表した。
図3で示すように、メラミン量を0.07モルで調製したマイクロカプセルAの修復剤含有率は50%を下回るが、同0.036モル以上で調製したマイクロカプセルB〜Dの修復剤含有率は70%程度であった。この結果から、メラミン量が増加することで、カプセル殻の厚みが増大し、該カプセル殻の形成時に修復剤であるトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの漏出が抑えられるものと想定される。
〔マイクロカプセル圧縮試験〕
上記のトリメタクリル酸トリメチロールプロパン内包マイクロカプセルA〜Dについて、テンシロン万能機(オリエンティック社製のRTC-1210A)を用いて圧縮試験を行った結果を表3及び図4に示す。その試験方法は、サンプル充填盤の直径2mmの丸穴状セルに0.015gのマイクロカプセルを充填し、圧縮速度1mm/分で圧縮(最大荷重10N)し、荷重と伸び(圧縮長さ)を記録することで行った。なお、圧縮強度は、実測面積2.54mm2において、
圧縮強度[kgf/mm2]=100[%]×荷重[N]/(9.8[N/kgf]×実測面積[mm2]
として算出している。
Figure 0006746129
表3及び図4の結果から、マイクロカプセル調製時のメラミン量の増加に伴い、圧縮強度が増大していることが判る。これは、メラミン量を多くするほど剛直なマイクロカプセルが得られることを意味する。
〔自己修復性材料の調製〕
後記表4記載の割合で、エポキシ樹脂(Polysciences社製のEPON828)13.3gと硬化剤のジエチレントリアミン(DETA)を混合撹拌し、この混合液に、修復剤内包マイクロカプセルとして前記で調製したマイクロカプセルC(トリメタクリル酸トリメチロールプロパン含有量70.6%)と、触媒成分の臭化銅又は臭化コバルトとを後記表4記載の重量部で添加して均一に撹拌混合し、自己修復性材料M1〜M6の未硬化樹脂液を調製した。なお、触媒成分の添加量は、マイクロカプセルに内包される修復剤に対して2重量%の割合になっている。表中、MCはマイクロカプセルの略称である。
Figure 0006746129
〔自己修復性試験〕
自己修復性材料の自己修復性試験として、ASTM3433に規定されるテーパ型二重カンチレバービーム(TDCB)破壊試験を行うために、図5に示す引張り試験片1を用意した。この引張り試験片1は、略三角形の基部10に略矩形の取付部11が一体化した形態のアルミニウム板(長さL:93.0mm、幅W1:76.2mm、幅W2:61.0mm、図6bで示す厚さt:6.0mm)からなり、取付部11側の端部中央から基部10の中間部に至る直線状の試料装填溝13(長さS:69.0mm、溝幅d:7.0mm)を備えると共に、取付部11には試料装填溝13を挟む両側に円形の取付穴12が形成されている。
試験用試料は、該引張り試験片1を取付部11側を上にして垂直に立てて固定し、その両側面を封鎖した試料装填溝13に前記の自己修復性材料M1〜M6の未硬化樹脂液を流し込み、これを真空デシケーターに収容して0.08MPaで30分間脱気した上で、インキュベーター内で35℃で24時間保持してエポキシ樹脂を硬化させ、次いで亀裂が直線状に生じるように、複合フライス盤(オリジナルマインド社製のKid Mill RD300)を用いて、図6(a)(b)の如く硬化樹脂層Mの両面の各々中央位置に長手方向に沿って深さ1mm程度の浅いV字溝2を形成し、更に図6(a)の如く取付部11側の端部から剃刀刃で該V字溝2に沿って長さc:32.0mm、間隙1mm程度の切込み3を入れて作製する。
自己修復性試験を行うには、図7に示すように、テンシロン万能機(前出)Tの上側昇降台4及び下側固定台5の取付ヘッド部41,51間に、上記の硬化樹脂層Mを設けた引張り試験片1の取付部11を挟み込んで、その上下の取付穴12,12に各々ボルト6を通して締付け固定する。そして、上側昇降台4を引張り速度0.3mm/分で上昇させることにより、該試験片1の試料装填溝13を拡開させて、硬化樹脂層MにV字溝2に沿う亀裂を発生させる。亀裂は切込み3の奥端から入り始めて、図8の実線曲線で示すようにV字溝2に沿って試験片1の基部10側へ伸長してゆくが、亀裂が予め設定した長さ(図の伸びa・・・ここでは1.2mmとしている)に達した時点で上側昇降台4の上昇を停止し、そのときの引張り力つまり初期最大荷重Lv[N]を記録する。
上記の初期最大荷重Lh[N]を測定した引張り試験片1は、テンシロン万能機Tから取外し、インキュベーター内において45℃で1週間又は60℃で48時間加温することにより、亀裂を修復させる。そして、修復後の該試験片1をテンシロン万能機Tに初期同様に装着し、再び上側昇降台4を引張り速度0.3mm/分で上昇させ、図8の破線曲線で示すように発生した亀裂が同じ設定長さ(伸びa)に達するときの引張り力を測定し、これを修復後の荷重Lh[N]とする。自己修復率H(%)は、H=(Lh/Lv)×100で表される。
既述の調製した自己修復性材料M1〜M6について、各々複数個の試験用試料を作製し、上記の自己修復性試験を行った。その結果を、触媒成分に臭化銅を用いた自己修復性材料M1〜M3については図9(a)に、同じく触媒成分に臭化コバルトを用いた自己修復性材料M4〜M6については図9(b)に示す。なお、図中の〇及び□の値は、各々複数個(2〜4個)の試料の測定値の平均、縦線は最大値と最小値の開きを表している。
図4の結果で示すように、本発明の自己修復性材料は平均的に50%以上の自己修復率が得られており、特に触媒成分に臭化コバルトを用いた自己修復性材料M4〜M6は60℃で48時間の加温を施すことで80%に近い自己修復率が得られている。
〔曲げ試験〕
樹脂材料の本来の特性に対する修復剤内包マイクロカプセルの添加の影響を調べるために、前記実施例の自己修復性材料の調製方法と同様にして、樹脂成分(エポキシ樹脂+硬化剤)に対して修復剤内包マイクロカプセルの添加量が0%、5%、10%、15%、20%の自己修復性材料の未硬化樹脂液を調製し、各未硬化樹脂液を板状成形用型内に注入し、真空デシケーターに収容して0.08MPaで1時間脱気した上で、インキュベーター内で35℃で24時間保持してエポキシ樹脂を硬化させ、幅10.0mm、長さ80.0mm、厚さ4.0mmの帯板状試験片を複数個ずつ作製した。そして、これら帯板状試験片をテンシロン万能機(前出)の曲げ試験用支持台の離間した左右の支点間に、左右対称になるように架け渡して載せ、支点間中央に上方から圧縮子にて2mm/分で荷重をかけ、試験片が破断するか、もしくは積載荷重が停滞することで試験を終了した。
この曲げ試験の結果から算出された曲げ弾性率とマイクロカプセル(MC)添加量との関係を図10に示す。図中、〇は複数個の試験片の平均値、縦線は最大値と最小値の開きを表している。なお、曲げ弾性率は、ISO178に記載の割線法により、曲げ試験における試験片のたわみxと曲げ応力yのグラフチャートを作成し、そのグラフチャートの傾きから求めた。
図10に示すように、エポキシ樹脂本来(MC添加量0%)の曲げ弾性率は3.4±0.1GPaであるが、MC添加量の増加と共に曲げ弾性率が低下することが判る。特にMC添加量が15%になると同じ組成でも試験片ごとの曲げ弾性率の違いが大きく、更にMC添加量が20%になると曲げ弾性率の低下が顕著である。従って、MC添加量は少ない方が望ましいが、高分子材料の特性への悪影響を抑えながら高い自己修復性を確保する上で、既述のように、樹脂成分に対して修復剤内包マイクロカプセルの添加量を1〜20%の範囲とすることが好ましく、より好適には2〜19%とすることが推奨される。
M 自己修復性材料
1 引張り試験片

Claims (6)

  1. ポリマーマトリックス中に、修復剤としてトリメタクリル酸トリメチロールプロパンを内包したメラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルと、臭化コバルト及び臭化第二銅の一方又は両方からなる触媒成分とが分散含有され、該マイクロカプセルの応力による破裂で流出するトリメタクリル酸トリメチロールプロパンが前記触媒成分を介して重合硬化して修復機能を発揮するように構成されてなり、前記ポリマーマトリックス中に重合開始剤が含まれない、自己修復性材料。
  2. 前記マイクロカプセルは平均粒子径が1〜10μmの単核カプセルからなる請求項1に記載の自己修復性材料。
  3. 前記マイクロカプセルにおけるトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの含有量が50〜80重量%である請求項1又は2に記載の自己修復性材料。
  4. 前記マイクロカプセル中のトリメタクリル酸トリメチロールプロパンの総量に対し、前記触媒成分が0.5〜5重量%の範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載の自己修復性材料。
  5. 前記ポリマーマトリックスの樹脂成分に対し、修復剤内包マイクロカプセルが1〜20重量%の割合で含有されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の自己修復性材料。
  6. 前記ポリマーマトリックスがエポキシ系ポリマーからなる請求項1〜5の何れかに記載の自己修復性材料。
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