以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本発明のいくつかの例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。
本実施形態では、店舗に来店したユーザが店舗内の販売装置を操作する際にユーザと対向する方向を「前方」と称し、前方とは反対方向を「後方」と称する。また、本実施形態では、店舗の高さ方向を「上方」と称し、上方と反対方向を「下方」と称する。また、本実施形態では、前後方向及び上下方向のそれぞれに垂直な方向を「幅方向」と称する。
[実施形態1:無人店舗システムの構成]
図1は、本発明の実施形態1に係る無人店舗システム1の全体構成を示す図である。図2は、実施形態1に係る無人店舗10の外観構成を示す図である。
無人店舗システム1は、無人店舗10を運営するシステムである。無人店舗10は、来店したユーザが、食品、雑貨、日用品、家電製品等の様々な商品を購入可能な店舗である。具体的には、無人店舗10は、来店したユーザが、これらの様々な商品を人手の介在無く購入可能な店舗である。無人店舗10は、ユーザによる商品の購入過程が無人化された、コンビニエンスストア及びスーパーマーケット等の小売店舗であってよい。
無人店舗システム1は、図1に示されるように、無人店舗10と、管理サーバ50と、決済サーバ60と、オペレータ端末70と、ユーザ端末80とを有する。無人店舗10、管理サーバ50、決済サーバ60、オペレータ端末70及びユーザ端末80は、コンピュータネットワークを構築する通信回線に接続されている。
無人店舗10は、図2に示されるように、来店したユーザに対して商品を販売する販売装置20によって区分けされた販売エリア11と、販売エリア11に隣接して設置され、販売装置20により販売される商品を保管する自動倉庫30とを有する。販売エリア11と自動倉庫30とは、隔壁12によって隔てられている。無人店舗10に来店したユーザは、ゲート13を通過して販売エリア11へ入場し、商品を購入した後は、ゲート13を通過して販売エリア11から退場するという行動を取る。無人店舗10に来店したユーザは、自動倉庫30へ立ち入ることができない。
図3は、実施形態1に係る販売装置20を前方から視た図である。図4は、実施形態1に係る販売装置20の機能的構成を示す図である。
販売装置20は、無人で商品を販売する装置であり、隔壁12の販売エリア11側の壁面に設置される。販売装置20は、隔壁12の壁面に沿って複数配置される。複数の販売装置20は、それぞれが独立して商品を販売することができる。
複数の販売装置20のそれぞれは、図3及び図4に示されるように、表示部21と、取出口22と、扉23と、取出口センサ24と、カメラ26と、スピーカ27と、通信部28と、制御部29とを備える。
表示部21は、販売装置20にて販売される商品に関する情報を表示するディスプレイである。表示部21は、販売装置20の前面中央部に設けられる。表示部21は、販売される商品の商品情報と、商品の決済が行われることを要求する決済要求を含むコード画像Gとを対応付けて表示する。
表示部21に表示される商品情報は、販売される商品の画像、名称、価格及び商品説明等の情報である。決済要求は、ユーザが商品を購入する際に決済サーバ60にアクセスして、商品代金の支払いに関する処理が行われることによって、商品の決済が行われるよう決済サーバ60に要求するための情報である。コード画像Gは、この決済要求、商品情報、及び、販売装置情報等をエンコードして得られた2次元コード画像である。販売装置情報は、コード画像Gが表示された販売装置20の識別情報であり、この販売装置20に設けられた取出口22を識別する情報であり得る。販売装置情報は、一の販売装置20の表示部21に表示された複数のコード画像Gにおいて同一の情報となり得る。
また、表示部21は、ユーザのタッチ操作を受け付けるタッチスクリーンによって構成される。表示部21は、タッチ操作によりユーザに選択された商品の商品情報及びコード画像Gの表示態様を変更することができる。例えば、表示部21は、ユーザにより選択された商品の表示領域を拡大し、その商品情報を詳細に表示することができる。更に、表示部21は、ユーザが撮像しやすいようコード画像Gの表示領域を調整すると共に、コード画像Gが目立つようコード画像Gを強調して表示することができる。
取出口22は、ユーザが販売装置20から商品を取り出すための開口部である。取出口22は、販売装置20の前面下部に設けられる。取出口22には、その開口を販売エリア11側から覆う扉23が設けられている。扉23は、ユーザが取出口22から商品を取り出し可能な状態となった場合に自動で開き、ユーザが取出口22から商品を取り出した後に自動で閉じる。
扉23の開閉動作は、取出口22の内側にある受け部25に設けられた取出口センサ24が商品を検知したか否かに基づいて行われる。取出口センサ24は、反射型若しくは透過型のフォトセンサ又は重量センサ等によって構成されてよい。受け部25は、後述の図5及び図6Cに示されるように、後方から前方へ向かうにつれて斜め下方向へ傾斜するように形成されており、受け部25に載置された商品が滑走して、扉23付近に留まるように形成される。
カメラ26は、販売装置20の前面上部に設けられ、販売エリア11及びユーザを撮像する。カメラ26は、防犯等の目的で販売エリア11の様子を監視するためのカメラであってよい。また、カメラ26は、ユーザの属性に応じた商品を表示部21に表示する目的で、販売装置20に接近したユーザを撮像するためのカメラであってよい。この場合、カメラ26は、顔認識又は歩容認識等によってユーザの属性を分析するために必要な画像を取得することができる。
スピーカ27は、販売装置20の前面上部に設けられ、販売エリア11に音声を発する。スピーカ27は、取出口22から商品を取り出し可能である旨を示す音声を発し、ユーザに報知することができる。
通信部28は、自動倉庫30及び管理サーバ50との間で有線又は無線で通信を行う通信モジュールである。
制御部29は、プロセッサ及び記憶装置を含み、販売装置20の動作を統括的に制御する制御ユニットである。特に、制御部29は、図4に示されるように、取出口センサ24、扉23及びスピーカ27と接続される。そして、制御部29は、取出口センサ24の検知結果に基づいて、扉23の開閉動作を制御すると共に、商品が取り出し可能である旨の音声を発するスピーカ27の動作を制御する。また、制御部29は、カメラ26と接続され、カメラ26で撮像された画像を取得する。また、制御部29は、通信部28及び表示部21と接続される。そして、制御部29は、管理サーバ50により送信された商品情報等を通信部28から取得して、コード画像Gを作成し、商品情報と対応付けて表示部21に表示させる。更に、制御部29は、ユーザが取出口22から商品を取り出した旨を示す取出完了通知を、通信部28から自動倉庫30へ送信する。
図5は、実施形態1に係る自動倉庫30及び取出口22の内部構成を模式的に示す斜視図である。図6Aは、図5に示された自動倉庫30が備える棚31を前方から視て模式的に示す図である。図6Bは、図5に示された自動倉庫30及び取出口22を上方から視て模式的に示す図である。図6Cは、図5に示された自動倉庫30及び取出口22を幅方向から視て模式的に示す図である。図6Dは、図5に示された自動倉庫30が備えるベルトコンベア32を幅方向から視て模式的に示す図である。図7は、実施形態1に係る自動倉庫30の機能的構成を示す図である。
自動倉庫30は、販売装置20により販売される商品を保管し、保管された商品を自動で販売装置20へ運搬する自動倉庫である。自動倉庫30は、複数の販売装置20において共用される倉庫であり、複数の販売装置20のそれぞれの取出口22へ商品を運搬する。
自動倉庫30は、図5〜図7に示されるように、棚31と、ベルトコンベア32と、投入口センサ34と、エレベータ35と、プッシャ38と、移送機構41と、温度調節装置43と、保管商品監視部44と、運搬装置監視部45と、通信部46と、制御部47とを備える。
棚31は、販売装置20により販売される商品を保管するための棚である。棚31は、図6Aに示されるように、棚31の幅方向に沿って複数配置される。棚31の幅方向は、販売装置20の幅方向と略平行である。複数の棚31は、保管される商品の保存環境に応じて棚31ごとに分けて商品を保管することができる。或いは、複数の棚31は、保管される商品の保存環境に応じた棚31内の区画ごとに分けて商品を保管することができる。また、複数の棚31は、販売頻度の高い商品を、プッシャ38の近くの段に保管してよい。
棚31は、図6Cに示されるように、保管される商品を棚31へ投入するための投入口31aが、棚31の後側、すなわちエレベータ35と反対側に設けられる。棚31は、棚31の後側の背板部31cが開閉自在に構成されており、背板部31cを開くことによって投入口31aから商品が投入される。一方、棚31は、保管された商品を棚31から排出するための排出口31bが、棚31の前側、すなわちエレベータ35側に設けられる。
また、棚31は、商品が保管される棚板部31dがベルトコンベア32によって構成され、ベルトコンベア32が上下方向に多段に設けられると共に幅方向に多数並ぶように設けられる。すなわち、ベルトコンベア32は、ベルト33上に商品を載置することによって、商品を保管する。ベルトコンベア32は、ベルト33が前後方向に移動するように配置される。ベルトコンベア32は、その前側端部が排出口31bの縁の下部分を構成し、その後側端部が投入口31aの縁の下部分を構成する。すなわち、投入口31a及び排出口31bは、上下方向及び幅方向に亘って配置された複数のベルトコンベア32のそれぞれに設けられる。ベルトコンベア32は、ベルト33を排出口31bに向けて移動させることによって、ベルト33に載置された商品を排出口31bに向けて搬送して棚31から排出することができる。
ベルトコンベア32の投入口31aの近傍には、図6Dに示されるように、投入口センサ34が設けられる。投入口センサ34は、商品が投入口31aに位置するか否かを検知するセンサである。投入口センサ34は、反射型又は透過型のフォトセンサ等によって構成されてよい。なお、排出口31bの近傍にも投入口センサ34と同様に排出口センサが設けられ、商品が排出口31bに位置するか否かが検知されてよい。
ベルト33には、ベルト33に載置された商品を支持する複数の支持部33aが設けられる。複数の支持部33aのそれぞれは、ベルト33の商品が載置される面から上方に突出するように設けられる。複数の支持部33aは、後述するベルト33の所定移動量に応じた間隔をあけて配置される。具体的には、前後方向において互いに隣り合う2つの支持部33aの間隔は、ベルト33に載置される商品の前後方向のサイズに応じた間隔に設計されている。すなわち、ベルト33に載置される複数の商品のそれぞれの前後方向のサイズは、このベルト33においてが略同一である。言い換えると、棚31の棚板部31dを構成する一のベルトコンベア32には、少なくとも前後方向のサイズが略同一の商品が保管される。好適には、棚31の棚板部31dを構成する一のベルトコンベア32には、同一の商品が保管されてよい。
エレベータ35は、図5に示されるように、複数の棚31のそれぞれの前方に設けられ、多段に設けられた複数のベルトコンベア32の間を昇降する。複数のエレベータ35のそれぞれは、複数の棚31のそれぞれと1対1の関係で対応付けられており、複数の取出口22のそれぞれと1対1の関係で対応付けられている。
エレベータ35は、棚31の幅方向に沿って所定間隔をあけて上下方向に延びるように配置された一対の支柱36と、一対の支柱36の間において支柱36に沿って移動するように設けられ、商品を搭載可能なバケット37とを含んでよい。バケット37は、直方体に前後方向に延びる貫通孔を形成したような枠形状を有する。或いは、バケット37は、平滑な板形状、又は、パンチング等により凹凸加工が施された板形状を有してよい。なお、バケット37には、搭載された商品の落下を防止するストッパが設けられてよい。
エレベータ35は、棚31から排出される商品の保管位置がある段の高さにバケット37を移動させ、この保管位置のベルトコンベア32により搬送されて排出された商品を、バケット37にて受け取る。それにより、エレベータ35は、ベルトコンベア32により搬送された商品を搭載することができる。
プッシャ38は、エレベータ35に搭載された商品をエレベータ35の外へ搬出する搬出機構である。プッシャ38は、図5及び図6Aに示されるように、複数の棚31のそれぞれの所定の段に設けられる。複数のプッシャ38のそれぞれは、複数のエレベータ35のそれぞれと1対1の関係で対応付けられており、複数の棚31のそれぞれと1対1の関係で対応付けられている。
プッシャ38は、図6Cに示されるように、棚31の所定の段に設けられた前後方向に伸縮するシリンダ39と、シリンダ39の前側端部に設けられ商品と当接する当接部40とを含んでよい。シリンダ39及び当接部40は、エレベータ35のバケット37内を前後方向に貫通する形状を有する。バケット37が板形状である場合、シリンダ39及び当接部40の形状は、バケット37に搭載された商品を押し出し、前方へ移動させ得る形状であればよい。
プッシャ38は、シリンダ39の伸縮に応じて、当接部40が棚31から前方に張り出すように移動すると共に後方へ移動して棚31の所定の段に格納される。プッシャ38は、エレベータ35がバケット37を所定の段の高さに移動させると、当接部40を前方に張り出すことによって、バケット37に搭載された商品を前方へ押し出す。それにより、プッシャ38は、エレベータ35に搭載された商品をエレベータ35の外へ搬出することができる。
また、複数のプッシャ38のそれぞれは、複数の販売装置20のそれぞれの取出口22と1対1の関係で対応付けられている。複数のプッシャ38のそれぞれは、図5及び図6Bに示されるように、複数のエレベータ35のそれぞれに搭載された商品を押し出す各方向の先に、複数の取出口22のそれぞれが位置するように設けられる。言い換えると、複数のプッシャ38のそれぞれは、複数のエレベータ35のそれぞれに搭載された商品を、複数の取出口22のそれぞれに向けて押し出す。更に、複数のプッシャ38のそれぞれは、それぞれの当接部40が、複数の取出口22のそれぞれの受け部25の後端部25aに到達するまで張り出すように構成される。それにより、複数のプッシャ38のそれぞれは、複数のエレベータ35のそれぞれに搭載された商品を、複数のエレベータ35のそれぞれの外に搬出して移送機構41に載せるだけでなく、複数の取出口22のそれぞれに到達させることができる。更に、複数のプッシャ38のそれぞれは、複数の取出口22のそれぞれの扉23が開いた状態であっても、複数の取出口22のそれぞれの受け部25を後方から閉塞することができる。
移送機構41は、エレベータ35から搬出された商品を、幅方向に沿って移送する機構である。移送機構41は、複数の棚31のそれぞれに設けられた複数のエレベータ35と、複数の取出口22との間に設けられる。移送機構41は、例えば、ローラコンベア、ベルトコンベア又は台車等によって構成されてよい。移送機構41は、商品が載置される面の高さが、プッシャ38が設けられた棚31の所定の段と略同じ高さとなるように設けられてよい。移送機構41は、プッシャ38が商品を押し出す方向に対して、商品を移送する方向が略直交するように設けられてよい。
移送機構41は、一のプッシャ38が一のエレベータ35に搭載された商品を、これらに対応する一の取出口22に到達させる場合は、一のプッシャ38及び商品が移送機構41の上を円滑に通過するよう、その動作が停止された状態のまま維持される。一方、移送機構41は、一のプッシャ38が一のエレベータ35に搭載された商品を、他の取出口22に到達させる場合は、一のプッシャ38によって移送機構41に商品が載せられた後に商品の移送動作を開始し、載せられた商品を他の取出口22へ向けて移送する。そして、移送機構41は、載せられた商品が、前後方向において他の取出口22と同じ位置まで移送されると、移送動作が停止される。そして、移送機構41に載せられた商品は、他の取出口22に対応する他のプッシャ38によって前方に押し出され、他の取出口22に到達し得る。
このように、自動倉庫30では、ベルトコンベア32、エレベータ35、プッシャ38及び移送機構41の協働によって、棚31に保管された商品を販売装置20の取出口22へ運搬する。本実施形態では、ベルトコンベア32、エレベータ35、プッシャ38及び移送機構41をまとめて、「運搬装置42」とも称する。
温度調節装置43は、棚31に保管された商品の温度を調節する装置である。温度調節装置43は、保管される商品の保存環境に応じて、棚31ごとに分けて商品の温度を調節することができる。例えば、図6Aに示された温度調節装置43は、棚31ごとを、冷凍、冷蔵、常温、温蔵の4つの保存環境に分けて商品の温度を調節することができる。或いは、複数の棚31は、保管される商品の保存環境に応じた棚31内の区画ごとに分けて商品の温度を調節することができる。温度調節装置43は、温冷ヒートポンプによって構成されてよい。
保管商品監視部44は、棚31に保管された商品の保管状況を監視する。保管商品監視部44は、各種センサによって構成され、棚31に保管された商品の保管状況を示す保管情報を作成する。保管情報は、棚31に保管された複数の商品のそれぞれの保管位置、保管時期及び在庫数等を示す情報である。
運搬装置監視部45は、運搬装置42の稼動状況を監視する。運搬装置監視部45は、各種センサによって構成され、運搬装置42であるベルトコンベア32、エレベータ35、プッシャ38及び移送機構41の稼動状況を示す稼動情報を作成する。稼動情報は、運搬装置42のそれぞれの稼動状態、稼動時刻及び稼動頻度等を示す情報である。
通信部46は、販売装置20、管理サーバ50及びオペレータ端末70との間で有線又は無線で通信を行う通信モジュールである。
制御部47は、プロセッサ及び記憶装置を含み、自動倉庫30の動作を統括的に制御する制御ユニットである。特に、制御部47は、図7に示されるように、運搬装置42及び通信部46と接続され、管理サーバ50により送信された運搬指令を通信部46から取得し、取得された運搬指令に基づいて、運搬装置42の動作を制御する。運搬指令は、棚31に保管された商品を販売装置20の取出口22へ運搬させるための指令である。また、制御部47は、商品が販売装置20の取出口22へ運搬されたことを示す運搬完了通知を、通信部46から管理サーバ50へ送信する。また、制御部47は、投入口センサ34と接続され、オペレータ端末70により送信された投入指令を通信部46から取得し、取得された投入指令及び投入口センサ34の検知結果に基づいて、ベルトコンベア32の動作を制御する。投入指令は、オペレータに対して棚31に商品を投入させるための指令である。
また、制御部47は、保管商品監視部44及び運搬装置監視部45と接続され、保管商品監視部44及び運搬装置監視部45から保管情報及び稼動情報をそれぞれ取得して、通信部46から管理サーバ50へ送信する。また、制御部47は、温度調節装置43と接続され、保管商品監視部44から取得された保管情報に基づいて、温度調節装置43の動作を制御する。
図8は、実施形態1に係る管理サーバ50の機能的構成を示す図である。図9Aは、実施形態1に係る管理サーバ50によって管理される商品情報、保管情報及び販売情報を説明するための図である。図9Bは、実施形態1に係る管理サーバ50によって管理される稼動情報を説明するための図である。
管理サーバ50は、無人店舗10を管理するサーバである。具体的には、管理サーバ50は、自動倉庫30により保管された商品、自動倉庫30に備えられた運搬装置42、及び、販売エリア11に設置された販売装置20を管理する。管理サーバ50は、複数の無人店舗10を管理するサーバであってよい。
管理サーバ50は、図8に示されるように、商品販売管理部51と、運搬装置管理部52と、通信部53と、制御部54とを備える。
商品販売管理部51は、無人店舗10における商品の保管状況及び販売状況を管理するための各種情報が登録されたデータベース及びその管理システムである。商品販売管理部51は、商品情報、保管情報及び販売情報を少なくとも管理する。
商品情報は、図9Aに示されるように、商品の属性に関する様々な情報を項目に分けて商品販売管理部51に登録されている。商品情報に含まれる項目は、例えば、商品の識別情報である商品ID、商品の名称、画像、区分、品番、製造者(生産者)、製造地(生産地)、価格、保存環境、サイズ、形状、販売時期及び消費期限等であってよい。保存環境は、冷凍、冷蔵、常温及び温蔵等の、商品を保存する最適な温度環境について製造者(生産者)により定められた情報である。販売時期は、販売装置20の販売開始時期及び販売終了時期を含み、販売開始時期及び販売終了時期の両方に日付が登録されていない場合は、期間限定商品ではなく常時販売される商品であることを示す。
保管情報は、図9Aに示されるように、商品の保管状況に関する様々な情報を項目に分けて商品販売管理部51に登録されている。保管情報は、商品情報(商品ID)に対応付けて登録されている。保管情報に含まれる項目は、例えば、商品の保管位置、保管時期、保管環境、在庫数及び販売状態等であってよい。保管位置は、各棚31の識別情報、棚31内の各段の識別情報、及び、段内の各保管領域の識別情報によって定義されてよい。保管時期は、棚31の特定の保管位置に投入された日付である入荷時期、及び、棚31の特定の保管位置から排出された日付である出荷時期を含む。保管環境は、冷凍、冷蔵、常温及び温蔵等の、商品が実際に保管されている温度環境を示す情報である。販売状態は、商品が販売中の商品であるか否かを示す情報である。
販売情報は、図9Aに示されるように、商品の販売状況に関する様々な情報を項目に分けて商品販売管理部51に登録されている。販売情報は、商品情報(商品ID)に対応付けて登録されている。販売情報に含まれる項目は、例えば、所定期間での売上額、販売数、客層、購入時間帯及びユーザ評価等であってよい。販売情報は、POS(Point of Sales)データであってよい。
運搬装置管理部52は、自動倉庫30における運搬装置42の稼動状況を管理するための各種情報が登録されたデータベース及びその管理システムである。運搬装置管理部52は、稼動情報を少なくとも管理する。
稼動情報は、図9Bに示されるように、運搬装置42の稼動状況に関する様々な情報を項目に分けて運搬装置管理部52に登録されている。稼動情報に含まれる項目は、例えば、運搬装置42の識別情報である装置ID、運搬装置42の名称、区分、品番、製造者、設置位置、稼動時刻、稼動頻度、稼動状態及び保守時期等であってよい。設置位置は、運搬装置42が設置された位置を示す情報である。運搬装置42がベルトコンベア32であれば、設置位置は、各棚31の識別情報、棚31内の各段の識別情報、及び、段内の各保管領域の識別情報によって定義されてよく、保管情報の保管位置と対応し得る。運搬装置42がエレベータ35であれば、設置位置は、各棚31の識別情報によって定義されてよい。運搬装置42が移送機構41であれば、設置位置は、自動倉庫30内の特定のスペースを示す識別情報であってよい。稼働時刻は、所定期間において運搬装置42の稼動が開始及び終了した時刻を示す情報である。稼動頻度は、所定期間において運搬装置42が稼動した頻度を示す情報である。稼動状態は、運搬装置42が稼動中であるか、待機中であるか、又は、停止中であるかを示す情報である。保守時期は、定期的にメンテナンスされる運搬装置42のメンテナンス開始時期及び終了時期を示す。
商品情報、保管情報、販売情報及び稼動情報のそれぞれの項目には、図9A及び図9Bに示されるように、優先度が付されている。管理サーバ50は、後述するように、商品情報、保管情報、販売情報及び稼動情報に基づいて、来店したユーザに対して推薦する商品である推薦商品を決定することができる。そして、管理サーバ50は、決定された推薦商品の商品情報を販売装置20に表示して、来店したユーザに宣伝することによって、商品の販売を促進することができる。優先度は、管理サーバ50が推薦商品を決定する上で、どの項目を優先的に評価対象として推薦商品を決定するのかを示す指標である。優先度は、無人店舗10若しくは管理サーバ50の運営主体又はオペレータ等によって予め定められている。本実施形態では、推薦商品を決定するために管理サーバ50にて行われる処理を、「推薦商品決定処理」とも称する。推薦商品決定処理の詳細については、図13を用いて後述する。
通信部53は、販売装置20、自動倉庫30、決済サーバ60及びオペレータ端末70との間で有線又は無線で通信を行う通信モジュールである。
制御部54は、プロセッサ及び記憶装置を含み、管理サーバ50の動作を統括的に制御する制御ユニットである。特に、制御部54は、商品販売管理部51、運搬装置管理部52及び通信部53と接続され、商品販売管理部51及び運搬装置管理部52から商品情報、販売情報、保管情報及び稼動情報を取得する。そして、制御部54は、取得された商品情報、販売情報、保管情報及び稼動情報に基づいて、販売装置20にて販売するために自動倉庫30へ投入される商品を決定し、商品の投入指令を作成して、通信部53からオペレータ端末70へ送信する。また、制御部54は、投入された商品の販売指令を作成し、通信部53から自動倉庫30及び販売装置20へ送信する。販売指令は、投入された商品の販売を開始させるための指令である。また、管理サーバ50は、販売装置20にて販売する商品の商品情報を通信部53から販売装置20へ送信し、表示部21に表示させる。また、管理サーバ50は、決済サーバ60により送信された決済完了通知を通信部53から取得し、運搬指令を作成して、通信部53から自動倉庫30へ送信する。決済完了通知は、決済サーバ60が決済要求に応じた決済を行い、商品の決済が完了したことを示す通知である。
決済サーバ60は、決済要求に応じて商品の決済を行うサーバである。決済サーバ60は、無人店舗10及び管理サーバ50の運営主体から独立した決済機関が有するサーバであってよい。決済サーバ60は、管理サーバ50及びユーザ端末80との間で通信可能に構成され、ユーザにより購入を指定された商品の決済を決済要求に応じて行い、決済完了通知を管理サーバ50へ送信する。ユーザは、表示部21に表示された商品のコード画像Gをユーザ端末80にて撮像し、コード画像Gに含まれる決済要求を決済サーバ60へ送信することによって、購入する商品を指定する。
決済サーバ60では、電子決済によって商品の決済が行われるが、その決済方式については、プリペイド方式、ジャストペイ方式又はポストペイ方式等、特に限定されない。また、電子決済で用いられる電子マネーは、法定通貨、企業通貨(ポイント)、仮想通貨又はこれらの組み合わせによって構成されてよい。決済サーバ60は、ユーザごとの決済履歴を蓄積し、決済履歴に応じた特典をユーザに付与することができる。
オペレータ端末70は、無人店舗10を管理するオペレータの情報端末である。オペレータ端末70は、管理サーバ50及び自動倉庫30との間で通信可能に構成され、販売装置20にて販売するために自動倉庫30へ投入される商品の商品情報、保管情報及び販売情報等を表示することができる。また、オペレータ端末70は、販売装置20、運搬装置42及び管理サーバ50との間で通信を行い、これらを遠隔操作することができるよう構成されてよい。
ユーザ端末80は、無人店舗10に来店したユーザの情報端末である。ユーザ端末80には、表示部21に表示されたコード画像Gを撮像可能なカメラと、決済サーバ60との間で決済処理を行うアプリケーションプログラムとが内蔵されている。決済処理とは、ユーザ端末80と決済サーバ60との間で行われる商品の決済に関する処理のことである。決済処理の詳細については、図14を用いて後述する。
[実施形態1:無人店舗システムの商品投入処理]
図10は、実施形態1に係る無人店舗システム1で行われる商品投入処理の流れを示す図である。
無人店舗システム1では、販売装置20により販売される商品は、オペレータによって自動倉庫30の棚31へ投入される。本実施形態では、自動倉庫30に保管される商品を棚31へ投入するために無人店舗システム1にて行われる処理を、「商品投入処理」とも称する。棚31へ投入される商品を、「投入商品」とも称する。
また、無人店舗システム1では、商品投入処理より前に投入された商品が棚31に既に保管され、その商品情報が販売装置20に表示されている場合がある。本実施形態では、商品投入処理より前に投入され棚31に既に保管されている商品を、「既存商品」とも称する。
なお、図10に示された商品投入処理は、一の商品が投入される際の商品投入処理に焦点を絞って説明されるものであり、他の商品についての商品投入処理及び商品販売処理が並行して行われることを妨げない。
ステップ1001において、管理サーバ50は、投入商品の商品情報、保管位置及び目標投入数を特定する。例えば、管理サーバ50は、投入商品の商品情報に含まれる商品サイズ及び保存環境等に基づいて、投入商品の棚31での保管位置を特定する。
ステップ1002において、管理サーバ50は、特定された商品情報、保管位置及び目標投入数を含む投入指令を作成し、オペレータ端末70へ送信する。
ステップ1003において、オペレータ端末70は、管理サーバ50により送信された投入商品の投入指令を受信すると、受信された投入指令に含まれる投入商品の商品情報、保管位置及び目標投入数を表示する。オペレータは、表示された商品情報、保管位置及び目標投入数に基づいて、投入商品を棚31へ投入することができる。
ステップ1004において、オペレータ端末70は、投入商品の投入指令を自動倉庫30へ送信する。オペレータは、オペレータ端末70での操作により自動倉庫30を商品投入モードに切り替えて、自動倉庫30へ投入指令を送信してよい。或いは、オペレータは、自動倉庫30に予め設けられた所定の操作パネル等を操作することによって、自動倉庫30を商品投入モードに切り替えて、自動倉庫30へ投入指令を送信してよい。オペレータは、投入指令の送信後、投入商品を棚31へ手動で投入することができる。
ステップ1005において、自動倉庫30は、オペレータ端末70により送信された投入商品の投入指令を受信すると、投入制御処理を行う。投入制御処理は、投入商品を棚31へ適切に投入するために自動倉庫30によって行われる処理である。投入制御処理の詳細については、図11を用いて後述する。
ステップ1006において、自動倉庫30は、投入制御処理の後、投入商品の保管情報等をオペレータ端末70へ送信する。オペレータ端末70は、自動倉庫30により送信された保管情報等を受信すると、受信された保管情報等を表示することができる。オペレータは、表示された保管情報に基づいて、投入商品の実際の投入結果を確認することができる。その後、自動倉庫30は、ステップ1014へ移行する。
ステップ1007において、オペレータ端末70は、投入商品の保管情報等を含む投入完了通知を、管理サーバ50へ送信する。投入完了通知は、投入商品が棚31へ適切に投入され、投入が完了したことを示す通知である。管理サーバ50は、オペレータ端末70により送信された投入完了通知を受信すると、受信された投入完了通知に含まれる保管情報に基づいて、登録された保管情報を更新する。その後、オペレータ端末70は、本処理を終了する。
ステップ1008において、管理サーバ50は、投入商品の商品情報を確認し、投入商品が既存商品と異なる新発売の商品であるか否かを判断する。管理サーバ50は、投入商品が新発売の商品である場合、ステップ1009へ移行する。一方、管理サーバ50は、投入商品が新発売の商品でない場合、投入商品が、既存商品と同一商品であり、既存商品の在庫を補充する商品であると判断し、本処理を終了する。
ステップ1009において、管理サーバ50は、投入商品の商品情報を確認し、投入商品の販売開始時期を特定する。
ステップ1010において、管理サーバ50は、投入商品の販売開始時期が到来したか否かを判断する。管理サーバ50は、投入商品の販売開始時期が到来していない場合、投入商品の販売開始時期が到来するまで、商品投入処理を待機する。一方、管理サーバ50は、投入商品の販売開始時期が到来した場合、ステップ1011へ移行する。
ステップ1011において、管理サーバ50は、投入商品の保管情報を確認し、投入商品が既存商品の保管位置に保管されたか否かを判断する。言い換えると、管理サーバ50は、投入商品の保管位置に既存商品があるか否かを判断する。管理サーバ50は、投入商品の保管位置に既存商品がない場合、ステップ1013へ移行する。一方、管理サーバ50は、投入商品の保管位置に既存商品がある場合、ステップ1012へ移行する。
ステップ1012において、管理サーバ50は、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数がゼロになったか否かを判断する。管理サーバ50は、投入商品の保管位置にある既存商品の売切通知を自動倉庫30から受信したか否かを判断することによって、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数がゼロになったか否かを判断する。管理サーバ50は、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数がゼロになるまで、商品投入処理を待機する。一方、管理サーバ50は、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数がゼロになった場合、ステップ1013へ移行する。
ステップ1013において、管理サーバ50は、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数がゼロになると、投入商品の商品情報等を含む販売指令を作成し、自動倉庫30及び販売装置20へ送信する。その後、管理サーバ50は、本処理を終了する。
ステップ1014において、自動倉庫30は、投入商品の商品情報を確認し、投入商品が既存商品と異なる新発売の商品であるか否かを判断する。自動倉庫30は、投入商品が新発売の商品である場合、ステップ1015へ移行する。一方、自動倉庫30は、投入商品が新発売の商品でない場合、投入商品が、既存商品と同一商品であり、既存商品の在庫を補充する商品であると判断し、本処理を終了する。
ステップ1015において、自動倉庫30は、管理サーバ50により送信される投入商品の販売指令を受信するまで投入商品の販売を保留するよう設定する。
ステップ1016において、自動倉庫30は、投入商品の保管情報を確認し、投入商品が既存商品の保管位置に保管されたか否かを判断する。言い換えると、自動倉庫30は、投入商品の保管位置に既存商品があるか否かを判断する。自動倉庫30は、投入商品の保管位置に既存商品がない場合、ステップ1019へ移行する。一方、自動倉庫30は、投入商品の保管位置に既存商品がある場合、ステップ1017へ移行する。
ステップ1017において、自動倉庫30は、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数がゼロになったか否かを判断する。自動倉庫30は、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数がゼロになるまで、商品投入処理を待機する。一方、自動倉庫30は、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数がゼロになった場合、ステップ1018へ移行する。
ステップ1018において、自動倉庫30は、投入商品の在庫数がゼロであることを示す保管情報を既存商品の売切通知に含めて、管理サーバ50へ送信する。
ステップ1019において、自動倉庫30は、管理サーバ50により送信された投入商品の販売指令を受信したか否かを判断する。自動倉庫30は、管理サーバ50により送信された投入商品の販売指令を受信していない場合、管理サーバ50により送信された投入商品の販売指令を受信するまで、商品投入処理を待機する。一方、自動倉庫30は、管理サーバ50により送信された投入商品の販売指令を受信した場合、ステップ1020へ移行する。
ステップ1020において、自動倉庫30は、管理サーバ50により送信された投入商品の販売指令を受信すると、保留されていた投入商品の販売を開始するよう設定する。その後、自動倉庫30は、本処理を終了する。
ステップ1021において、販売装置20は、管理サーバ50により送信された投入商品の販売指令を受信すると、受信された販売指令に含まれる投入商品の商品情報、投入商品の決済要求及び販売装置情報等をエンコードし、コード画像Gを作成する。そして、販売装置20は、作成されたコード画像Gを、投入商品の商品情報と対応付けて表示する。その後、販売装置20は、本処理を終了する。このように、販売装置20は、投入商品が、ベルトコンベア32に既に保管された既存商品とは異なる商品である場合には、既存商品が無くなり、且つ、投入商品の販売開始時期が到来した後に、投入商品の商品情報等を表示することができる。
図11は、実施形態1に係る投入制御処理の流れを示す図である。
ステップ1101において、自動倉庫30は、オペレータ端末70により送信された投入商品の投入指令を受信すると、受信された投入指令に基づいて、投入商品が保管される保管位置及び投入商品の商品サイズを特定する。
ステップ1102において、自動倉庫30は、投入商品の保管位置のベルトコンベア32において、既存商品が保管されているか否かを判断する。自動倉庫30は、既存商品が保管されていない場合、ステップ1106へ移行する。一方、自動倉庫30は、既存商品が保管されている場合、ステップ1103へ移行する。なお、投入商品の保管位置のベルトコンベア32に対して保管された既存商品は、その前後方向のサイズが、投入商品の前後方向のサイズと略同一である。
ステップ1103において、自動倉庫30は、既存商品が投入口31aに位置するよう、ベルト33を投入口31aへ向けて移動させる。
ステップ1104において、自動倉庫30は、投入口センサ34の検知結果に基づいて、既存商品が投入口31aに位置するか否かを判断する。自動倉庫30は、既存商品が投入口31aに位置しない場合、ステップ1103へ移行する。一方、自動倉庫30は、既存商品が投入口31aに位置する場合、ステップ1105へ移行する。
ステップ1105において、自動倉庫30は、投入商品の商品サイズに応じた所定移動量だけベルト33を排出口31bへ向けて移動させる。所定移動量は、投入商品の保管位置のベルト33において、前後方向において互いに隣り合う2つの支持部33aの間隔に相当する。この間隔は、投入商品の前後方向のサイズに応じた間隔である。これにより、自動倉庫30は、一の投入商品を載置可能なスペースを、既存商品の直後に続けて、投入口31a付近のベルト33上に確保することができる。
ステップ1106において、自動倉庫30は、商品の投入が開始可能である旨をオペレータへ報知する。具体的には、自動倉庫30は、商品の投入が開始可能である旨を、所定の操作パネル等に表示したり、オペレータ端末70へ送信したりすることによって報知する。オペレータは、投入商品を投入口31aへ手動で投入することができる。
ステップ1107において、自動倉庫30は、投入口センサ34の検知結果に基づいて、投入商品が投入口31aに位置するか否かを判断する。自動倉庫30は、投入商品が投入口31aに位置しない場合、投入商品が投入口31aに位置することが検知されるまで待機する。一方、自動倉庫30は、投入商品が投入口31aに位置する場合、ステップ1108へ移行する。
ステップ1108において、自動倉庫30は、投入商品の商品サイズに応じた所定移動量だけベルト33を排出口31bへ向けて移動させる。所定移動量は、上述のステップ1105と同一の移動量である。
ステップ1109において、自動倉庫30は、ベルト33の移動回数をインクリメントする。ベルト33の移動回数は、ベルト33を所定移動量だけ排出口31bへ向けて移動させた回数である。
ステップ1110において、自動倉庫30は、商品の投入が終了したか否かを判断する。オペレータは、商品の投入が終了すると、商品の投入が終了した旨を、オペレータ端末70から自動倉庫30へ送信してもよい。或いは、オペレータは、商品の投入が終了した旨を、所定の操作パネル等を操作することによって自動倉庫30へ通知してよい。また、自動倉庫30は、タイマーの計時に基づいて、商品の投入が終了したか否かを判断してもよい。具体的には、自動倉庫30は、タイマーが所定時間の経過を計時するまでは商品の投入が終了していないと判断し、タイマーが所定時間の経過を計時すると商品の投入が終了したと判断してもよい。自動倉庫30は、商品の投入が終了していない場合、ステップ1107へ移行する。一方、自動倉庫30は、商品の投入が終了した場合、ステップ1111へ移行する。
ステップ1111において、自動倉庫30は、ベルト33の移動回数に基づいて、投入商品が実際に投入された数である投入数を取得する。自動倉庫30は、ステップ1108のように、投入商品が投入される毎にベルト33を排出口31bへ所定移動量だけ移動させる。この所定移動量は、投入商品の前後方向のサイズに応じた移動量である。そして、自動倉庫30は、ステップ1109のように、投入商品が投入される毎にベルト33の移動回数をインクリメントする。このため、商品の投入が終了した後におけるベルト33の移動回数は、投入商品の投入数に相当する。例えば、自動倉庫30は、ベルト33の移動回数が2回である場合、投入数は2個である判断することができる。
ステップ1112において、自動倉庫30は、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数と、取得された投入数とに基づいて、排出口31bまでのベルト33の目標移動量を算出する。自動倉庫30では、棚31の棚板部31dを構成する一のベルトコンベア32に保管可能な商品の上限値は、予め定められており、投入口31aと排出口31bとの距離に相当する。また、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数は、保管情報により予め把握されている。
ここで、投入商品の保管位置にある既存商品の在庫数と、ステップ1111において取得された投入数との合計をNとする。投入商品の前後方向のサイズをLとする。投入口31aと排出口31bとの距離をDとする。すると、目標移動量Mは、次の式(1)を用いて算出される。
M=D−(L×N)・・・・式(1)
ステップ1113において、自動倉庫30は、算出された目標移動量だけベルト33を排出口31bへ向けて移動させる。これにより、自動倉庫30では、棚31の棚板部31dを構成する一のベルトコンベア32に保管された商品のうち、最も前方にある商品が、排出口31bに位置し得る。排出口31bに位置する商品は、販売装置20への運搬等により棚31から排出される商品であり、棚31からの排出をスタンバイしている商品である。言い換えると、自動倉庫30は、ベルトコンベア32に保管された商品のうち最も前方にある商品を排出口31bに位置させることによって、販売装置20への運搬を迅速に行うことができる。
ステップ1114において、自動倉庫30は、投入商品の保管情報を作成する。その後、自動倉庫30は、本処理を終了する。
[実施形態1:無人店舗システムの商品販売処理]
図12は、実施形態1に係る無人店舗システム1で行われる商品販売処理の流れを示す図である。
上述のように、無人店舗システム1では、自動倉庫30は、棚31に保管された商品及び運搬装置42を監視し、保管情報及び稼動情報を作成して、管理サーバ50へ送信する。管理サーバ50は、自動倉庫30により送信された保管情報及び稼動情報を登録し、これら情報に基づいて、商品の保管状況及び運搬装置42の稼動状況を管理している。
そして、無人店舗システム1では、販売装置20の表示部21に商品情報及びコード画像Gを表示することによって、無人店舗10に来店したユーザに対して商品を販売する。本実施形態では、ユーザに商品を販売するために無人店舗システム1にて行われる処理を、「商品販売処理」とも称する。
ユーザは、販売装置20の表示部21に表示された商品のコード画像Gをユーザ端末80にて撮像し、コード画像Gに含まれる決済要求を決済サーバ60へ送信することによって、購入する商品を指定することができる。本実施形態では、ユーザにより購入を指定された商品を、「指定商品」とも称する。
なお、図12に示された商品販売処理は、一の商品が販売される際の商品販売処理に焦点を絞って説明されるものであり、他の商品についての商品販売処理及び商品投入処理が並行して行われることを妨げない。
ステップ1201において、管理サーバ50は、推薦商品決定処理を行う。推薦商品決定処理の詳細については、図13を用いて後述する。
ステップ1202において、管理サーバ50は、販売装置20により販売される商品の商品情報及び保管情報を販売装置20へ送信する。販売装置20により販売される商品には、ステップ1201において決定された推薦商品が含まれてよい。その後、管理サーバ50は、ステップ1208へ移行する。
ステップ1203において、販売装置20は、管理サーバ50により送信された商品情報及び保管情報を受信すると、受信された商品情報、この商品情報が示す商品の決済要求、及び、販売装置情報等をエンコードし、コード画像Gを作成する。そして、販売装置20は、作成されたコード画像Gを、商品情報と対応付けて表示する。ユーザは、販売装置20に表示された商品情報を確認し、タッチ操作によって商品を選択することができる。
ステップ1204において、販売装置20は、表示部21にてタッチ操作を受け付けたか否かを判断する。販売装置20は、タッチ操作を受け付けていない場合、ステップ1216へ移行する。一方、販売装置20は、タッチ操作を受け付けた場合、ステップ1205へ移行する。
ステップ1205において、販売装置20は、選択された商品の商品情報及びコード画像Gの表示態様を変更し、ステップ1216へ移行する。例えば、販売装置20は、選択された商品の表示領域を拡大し、その商品情報を詳細に表示する。更に、販売装置20は、ユーザが撮像しやすいようコード画像Gの表示領域を調整すると共に、コード画像Gが目立つようコード画像Gを強調して表示する。
また、選択された商品が衣類又は化粧品等のユーザに試供される商品である場合、販売装置20は、カメラ26にてユーザを撮像し、取得されたユーザの画像と、選択された商品の画像とを合成して、表示部21に表示することができる。また、販売装置20は、選択された商品に関連する商品、イベント又は演出画像等の関連情報を、選択された商品の商品情報と合わせて表示部21に表示することができる。また、販売装置20は、ユーザにより商品が選択されたか否かに関わらず、広告画像、演出画像又は推薦商品の商品情報等を、表示部21に表示することができる。この際、販売装置20は、カメラ26にて販売エリア11を撮像し、取得された画像を解析して、ユーザが販売装置20に接近した場合に表示部21に表示される画像を切り替えてもよい。このように、販売装置20は、バーチャル試着及びバーチャルメイク等のAR(Augmented Reality)機能、並びに、サイネージ機能を備えており、商品の販売を促進することができる。
ステップ1206において、ユーザ端末80は、ユーザの操作により、販売装置20に表示されたコード画像Gを撮像する。
ステップ1207において、ユーザ端末80は、撮像されたコード画像Gに基づいて、決済サーバ60との間で決済処理を行う。決済処理が行われると、決済サーバ60から管理サーバ50へ決済完了通知が送信される。決済処理の詳細については、図14を用いて後述する。その後、ユーザ端末80は、本処理を終了する。ユーザは、販売装置20の取出口22から指定商品を取り出すまで待機する。
ステップ1208において、管理サーバ50は、決済サーバ60により送信された決済完了通知を受信したか否かを判断する。管理サーバ50は、決済完了通知を受信していない場合、決済完了通知を受信するまで待機する。一方、管理サーバ50は、決済完了通知を受信した場合、ステップ1209へ移行する。
ステップ1209において、管理サーバ50は、決済完了通知を受信すると、指定商品の販売情報を更新する。管理サーバ50は、決済完了通知に含まれる指定商品の商品情報を確認することによって、指定商品の代金が支払われたことを把握することができる。それに基づいて、管理サーバ50は、指定商品の販売情報を更新する。
ステップ1210において、管理サーバ50は、決済完了通知を受信すると、指定商品の運搬先を決定する運搬先決定処理を行う。運搬先とは、自動倉庫30に保管された商品が運搬される販売装置20の取出口22のことである。運搬先決定処理は、複数の販売装置20の何れに設けられた取出口22に対して、商品を運搬するのかを決定する処理である。管理サーバ50は、運搬先決定処理を行い、指定商品の運搬先の取出口22を示す運搬先情報を作成する。運搬先決定処理の詳細については、図16を用いて後述する。
ステップ1211において、管理サーバ50は、運搬先決定処理の後、指定商品の商品情報、保管位置及び運搬先情報等を含む運搬指令を、自動倉庫30へ送信する。その後、管理サーバ50は、ステップ1214へ移行する。
ステップ1212において、自動倉庫30は、管理サーバ50により送信された指定商品の運搬指令を受信すると、運搬制御処理を行う。運搬制御処理は、棚31に保管された指定商品を販売装置20の取出口22へ運搬するために自動倉庫30によって行われる処理である。運搬制御処理の詳細については、図17A及び図17Bを用いて後述する。
ステップ1213において、自動倉庫30は、運搬制御処理の後、指定商品の保管情報等を含む運搬完了通知を管理サーバ50へ送信する。運搬完了通知は、指定商品が取出口22へ適切に運搬され、運搬が完了したことを示す通知である。その後、自動倉庫30は、ステップ1222へ移行する。
ステップ1214において、管理サーバ50は、自動倉庫30により送信された運搬完了通知を受信したか否かを判断する。管理サーバ50は、運搬完了通知を受信していない場合、運搬完了通知を受信するまで待機する。一方、管理サーバ50は、運搬完了通知を受信した場合、ステップ1215へ移行する。
ステップ1215において、管理サーバ50は、運搬完了通知を受信すると、受信された運搬完了通知に含まれる保管情報に基づいて、登録された保管情報を更新する。その後、管理サーバ50は、本処理を終了する。
ステップ1216において、販売装置20は、取出口センサ24の検知結果に基づいて、自動倉庫30により運搬された指定商品が取出口22へ到達したか否かを判断する。販売装置20は、指定商品が取出口22へ到達していない場合、ステップ1204へ移行する。一方、販売装置20は、指定商品が取出口22へ到達した場合、ステップ1217へ移行する。
ステップ1217において、販売装置20は、指定商品が到達した取出口22の扉23を開く。
ステップ1218において、販売装置20は、取出口22から指定商品を取り出し可能である旨を報知する。販売装置20は、取出口22から商品を取り出し可能である旨を示す音声をスピーカ27から発したり、取出口22から商品を取り出し可能である旨を示す画像を表示部21に表示したりすることによって、ユーザに報知することができる。ユーザは、指定商品を取出口22から取り出すことができる。
ステップ1219において、販売装置20は、取出口センサ24の検知結果に基づいて、指定商品が取出口22から取り出されたか否かを判断する。販売装置20は、指定商品が取出口22から取り出されていない場合、ステップ1218へ移行する。一方、販売装置20は、指定商品が取出口22から取り出された場合、ステップ1220へ移行する。
ステップ1220において、販売装置20は、指定商品が取り出された取出口22の扉23を閉じる。
ステップ1221において、販売装置20は、指定商品が取出口22から取り出されたことを示す取出完了通知を作成し、自動倉庫30へ送信する。その後、販売装置20は、本処理を終了する。
ステップ1222において、自動倉庫30は、販売装置20により送信された取出完了通知を受信したか否かを判断する。自動倉庫30は、取出完了通知を受信していない場合、取出完了通知を受信するまで待機する。一方、自動倉庫30は、取出完了通知を受信した場合、ステップ1223へ移行する。
ステップ1223において、自動倉庫30は、指定商品が取り出された取出口22に対応するプッシャ38を棚31へ格納する。プッシャ38は、指定商品を取出口22へ到達させた後、取出口22の扉23が閉じるまで、指定商品を取出口22へ向けて押し出した状態を維持する。それにより、取出口22では、扉23が開いた状態でも、取出口22の受け部25がプッシャ38によって閉塞されるため、取出口22から自動倉庫30の内部へ不審物が混入することを抑制することができる。そして、プッシャ38は、指定商品が取出口22から取り出され、扉23が閉じた後に、棚31の所定の段へ格納される。その後、自動倉庫30は、本処理を終了する。
図13は、実施形態1に係る推薦商品決定処理の流れを示す図である。
ステップ1301において、管理サーバ50は、自動倉庫30に保管された商品の商品情報及び保管情報を確認する。
ステップ1302において、管理サーバ50は、商品情報及び保管情報の各項目のうち、優先度が高い上位3項目をそれぞれ特定する。図9Aに示される例では、管理サーバ50は、商品情報の優先度が高い上位3項目として、販売時期、消費期限及び価格を特定する。管理サーバ50は、保管情報の優先度が高い上位3項目として、在庫数、販売状態及び保管時期を特定する。
ステップ1303において、管理サーバ50は、自動倉庫30に保管された商品を、特定された各上位3項目について評価し、評価値を付与する。例えば、管理サーバ50は、商品情報の優先度が高い上位3項目については、販売時期の販売終了時期及び消費期限が間近に迫っており、且つ、価格が高い商品に対して、高い評価値を付与してよい。また、例えば、管理サーバ50は、保管情報の優先度が高い上位3項目については、在庫数が多く、販売状態が販売中であり、且つ、保管時期の出荷日時が過去にある商品に対して、高い評価値を付与してよい。
ステップ1304において、管理サーバ50は、評価値が高い上位10種類の商品を推薦商品候補群として特定する。
ステップ1305において、管理サーバ50は、運搬装置42の稼動情報を確認する。
ステップ1306において、管理サーバ50は、稼動情報の各項目のうち、優先度が高い上位3項目を特定する。図9Bに示される例では、管理サーバ50は、稼動情報の優先度が高い上位3項目として、稼動頻度、稼動状態及び保守時期を特定する。
ステップ1307において、管理サーバ50は、推薦商品候補群の商品を、特定された上位3項目について評価し、評価値を付与する。例えば、管理サーバ50は、運搬装置42としてベルトコンベア32に着目し、稼動頻度が低く、稼動状態が稼動中であり、且つ、保守時期が間近に迫っているベルトコンベア32に保管された商品に対して、高い評価値を付与してよい。また、例えば、管理サーバ50は、運搬装置42としてエレベータ35に着目し、稼動頻度が低く、稼動状態が稼動中であり、且つ、保守時期が間近に迫っているエレベータ35に対応する棚31に保管された商品に対して、高い評価値を付与してよい。
ステップ1308において、管理サーバ50は、最も評価値が高い商品を、推薦商品に決定する。
ステップ1309において、管理サーバ50は、決定された推薦商品の商品情報を確認し、決定された推薦商品の現在の価格を特定する。
ステップ1310において、管理サーバ50は、稼動情報の最上位項目の1つである稼動頻度に基づいて、推薦商品の価格を変更する。例えば、管理サーバ50は、推薦商品の新しい価格を、現在の価格から30%割引する価格に変更する。なお、推薦商品の価格は、推薦商品をプレミア商品として位置付けるのであれば、割増するように変更されてもよい。
ステップ1311において、管理サーバ50は、変更された価格が反映されるよう、推薦商品の商品情報を更新し、本処理を終了する。その後、管理サーバ50は、価格が変更された推薦商品の商品情報を、販売装置20へ送信する。販売装置20では、変更された推薦商品の価格を、商品情報及びコード画像Gに反映させて表示する。このように、無人店舗システム1では、商品の保管状況又は運搬装置42の稼動状況に基づいて、商品を宣伝するため、自動倉庫30に保管された商品を効率的に販売することができる。
図14は、実施形態1に係る決済処理の流れを示す図である。図15Aは、実施形態1に係る決済処理において決済要求を決済サーバ60へ送信する前のユーザ端末80の画面を模式的に示す図である。図15Bは、実施形態1に係る決済処理において決済完了通知を受信したユーザ端末80の画面を模式的に示す図である。
ステップ1401において、ユーザ端末80は、撮像されたコード画像Gを特定する。
ステップ1402において、ユーザ端末80は、特定されたコード画像Gをデコードし、指定商品の商品情報、販売装置情報及び決済要求を抽出する。
ステップ1403において、ユーザ端末80は、抽出された指定商品の商品情報及び決済要求を表示する。ユーザ端末80は、図15Aに示されるように、指定商品の商品情報として、商品ID、名称、画像及び価格等を表示してよい。更に、ユーザ端末80は、決済要求として、ユーザの操作により入力されたクレジットカード番号等の決済手段情報、及び、決済サーバ60への送信可否の確認ボタン等を表示してよい。
また、ユーザ端末80は、指定商品のコード画像Gが表示された販売装置20の販売装置情報を表示することができる。この販売装置情報は、指定商品のコード画像Gが表示された販売装置20の取出口22を示している。販売装置情報が示す取出口22は、指定商品のコード画像Gが表示された販売装置20の取出口22である。すなわち、販売装置情報が示す取出口22は、ユーザが商品を購入しようとする販売装置20の取出口22であり、指定商品のデフォルトの運搬先であってよい。
ステップ1404において、ユーザ端末80は、ユーザ情報、指定商品の商品情報及び販売装置情報を含む決済要求を、決済サーバ60へ送信する。ユーザ情報は、ユーザ端末80を所持するユーザの識別情報であって、ユーザ端末80の端末IDであってよい。その後、ユーザ端末80は、決済サーバ60により送信される決済完了通知を受信するまで待機する。
ステップ1405において、決済サーバ60は、ユーザ端末80により送信された決済要求を受信すると、受信された決済要求に応じて指定商品の決済を行う。具体的には、決済サーバ60は、指定商品の代金の支払いに関する処理を行う。
ステップ1406において、決済サーバ60は、指定商品の商品情報及び販売装置情報を含む決済完了通知を作成し、管理サーバ50へ送信する。この際、決済サーバ60は、ユーザの個人情報に相当するユーザ情報及び決済手段情報を、管理サーバ50へ送信しない。このため、ユーザは、無人店舗10側に個人情報を通知しなくても、商品を購入することができる。
なお、決済サーバ60は、ユーザ情報に基づいてユーザの客層を特定し、特定された客層を示す客層情報を作成してよい。そして、決済サーバ60は、作成された客層情報を決済完了通知に含めて、管理サーバ50へ送信してよい。管理サーバ50は、登録された指定商品の販売情報における客層の項目を更新し、より詳細な販売情報を蓄積することができる。
ステップ1407において、決済サーバ60は、ユーザ情報に基づいて、ユーザの決済履歴を特定する。
ステップ1408において、決済サーバ60は、決済履歴に応じてユーザに付与される特典を決定する。この特典は、例えば、商品の割引、企業通貨(ポイント)等の還元、及び、特別商品の販売等である。
ステップ1409において、決済サーバ60は、決定された特典をユーザへ付与することを示す特典付与情報を作成する。
ステップ1410において、決済サーバ60は、特典付与情報を含む決済完了通知を作成し、ユーザ端末80へ送信する。その後、決済サーバ60は、本処理を終了する。
ステップ1411において、ユーザ端末80は、決済サーバ60により送信された決済完了通知を受信すると、受信された決済完了通知を表示する。ユーザ端末80は、図15Bに示されるように、決済完了通知の他、図15Aに示された指定商品の商品情報、決済手段情報及び販売装置情報、並びに、特典付与情報を表示することができる。その後、ユーザ端末80は、本処理を終了する。
なお、図15Bに示された特典付与情報は、ユーザ端末80を所持するユーザが、販売装置20の表示部21に表示された価格よりも5%割引された価格で、商品の購入が可能であるという特典が付与されたことを示す。この割引率は、カスタマーランクが高いほど高くなるよう、カスタマーランクに応じて変更されてよい。
図16は、実施形態1に係る運搬先決定処理の流れを示す図である。
ステップ1601において、管理サーバ50は、決済サーバ60により送信された決済完了通知を受信すると、受信された決済完了通知に含まれる指定商品の商品情報及び販売装置情報を特定する。
ステップ1602において、管理サーバ50は、指定商品の商品情報を確認し、指定商品の保管情報を特定する。
ステップ1603において、管理サーバ50は、指定商品の保管情報及び販売装置情報を確認し、指定商品の保管位置から販売装置情報が示す取出口22までの運搬経路を特定する。販売装置情報が示す取出口22は、指定商品のデフォルトの運搬先であってよい。すなわち、管理サーバ50は、ステップ1603において、指定商品のデフォルトの運搬経路を特定する。
ステップ1604において、管理サーバ50は、運搬装置42の稼動情報に基づいて、特定された運搬経路での運搬時間を計算する。運搬時間は、指定商品が、特定された運搬経路を通って取出口22へ運搬されるために要する時間である。管理サーバ50は、運搬装置42の稼動情報を確認する。そして、管理サーバ50は、指定商品の保管位置に対応するベルトコンベア32、エレベータ35、プッシャ38及び移送機構41のそれぞれの設置位置、稼動状態及び稼動時刻等を用いて、特定された運搬経路での運搬時間を計算する。
ステップ1605において、管理サーバ50は、計算された運搬時間が許容範囲以内か否かを判断する。許容範囲は、運搬装置42の性能、販売される商品の数の規模、ユーザの待機限度時間等によって、予め定められている。管理サーバ50は、運搬時間が許容範囲以内でない場合、ステップ1607へ移行する。一方、管理サーバ50は、運搬時間が許容範囲以内である場合、ステップ1606へ移行する。
ステップ1606において、管理サーバ50は、指定商品の運搬先を、販売装置情報が示す取出口22に決定する。すなわち、管理サーバ50は、運搬時間が許容範囲以内であれば、指定商品の運搬先を、デフォルトの運搬先の取出口22に決定する。その後、管理サーバ50は、ステップ1614へ移行する。
ステップ1607において、管理サーバ50は、販売装置情報が示す取出口22の近くにある他の取出口22を探索する。
ステップ1608において、管理サーバ50は、指定商品の保管位置から、探索された取出口22までの運搬経路を特定する。
ステップ1609において、管理サーバ50は、運搬装置42の稼動情報に基づいて、特定された運搬経路での運搬時間を計算する。
ステップ1610において、管理サーバ50は、計算された運搬時間が許容範囲以内か否かを判断する。管理サーバ50は、運搬時間が許容範囲以内でない場合、ステップ1612へ移行する。一方、管理サーバ50は、運搬時間が許容範囲以内である場合、ステップ1611へ移行する。
ステップ1611において、管理サーバ50は、指定商品の運搬先を、探索された取出口22に決定する。その後、管理サーバ50は、ステップ1614へ移行する。
ステップ1612において、管理サーバ50は、全ての取出口22について運搬時間を検討したか否かを判断する。管理サーバ50は、全ての取出口22について運搬時間を検討していない場合、ステップ1607へ移行する。ステップ1607へ移行後、管理サーバ50は、販売装置情報が示す取出口22から遠ざかる順に従って取出口22を探索することになる。一方、管理サーバ50は、全ての取出口22について運搬時間を検討した場合、ステップ1613へ移行する。
ステップ1613において、管理サーバ50は、指定商品の運搬先を、販売装置情報が示す取出口22に決定する。すなわち、管理サーバ50は、全ての取出口22について運搬時間が許容範囲を超える場合には、指定商品の運搬先を、デフォルトの運搬先の取出口22に決定する。その後、管理サーバ50は、ステップ1614へ移行する。
ステップ1614において、管理サーバ50は、決定された指定商品の運搬先の取出口22を示す運搬先情報を作成する。
ステップ1615において、管理サーバ50は、指定商品の商品情報、保管位置及び運搬先情報等を含む運搬指令を作成する。その後、管理サーバ50は、本処理を終了する。
図17Aは、実施形態1に係る運搬制御処理の流れを示す図である。図17Bは、図17Aに続いて行われる運搬制御処理の流れを示す図である。図18Aは、実施形態1に係る運搬制御処理における自動倉庫30の動作例を説明するための図である。図18Bは、図18Aの後の自動倉庫30の様子を示す図である。図18Cは、図18Bの後の自動倉庫30の様子を示す図である。図18Dは、図18Cの後の自動倉庫30の様子を示す図である。図19Aは、実施形態1に係る運搬制御処理における自動倉庫30の動作例を説明するための図である。図19Bは、図19Aの後の自動倉庫30の様子を示す図である。図19Cは、図19Bの後の自動倉庫30の様子を示す図である。図20Aは、実施形態1に係る運搬制御処理における自動倉庫30の動作例を説明するための図である。図20Bは、図20Aの後の自動倉庫30の様子を示す図である。図20Cは、図20Bの後の自動倉庫30の様子を示す図である。
図18A〜図20Cにおいて、濃い灰色の箱は、指定商品を模式的に示し、薄い灰色の箱及び白色の箱は、指定商品とは異なる他の商品を模式的に示している。
ステップ1701において、自動倉庫30は、管理サーバ50により送信された運搬指令を受信すると、受信された運搬指令に含まれる商品情報、保管位置及び運搬先情報を確認する。そして、自動倉庫30は、指定商品の保管位置、商品の前後方向のサイズ、及び、運搬先の取出口22を特定する。
ステップ1702において、自動倉庫30は、指定商品の保管位置から、運搬先の取出口22までの運搬経路を特定する。
ステップ1703において、自動倉庫30は、指定商品の保管位置がある棚31に対応するエレベータ35が、商品を搭載可能であるか否かを判断する。自動倉庫30は、このエレベータ35が商品を搭載可能でない場合、ステップ1707へ移行する。一方、自動倉庫30は、このエレベータ35が商品を搭載可能である場合、ステップ1704へ移行する。
なお、エレベータ35が商品を搭載可能でない場合、エレベータ35のバケット37は、プッシャ38が設けられた棚31の所定の段の高さに存在し、搭載された商品がエレベータ35の外へ搬出されることを待機中の状態である。
ステップ1704において、自動倉庫30は、指定商品の保管位置がある棚31の段の高さへエレベータ35のバケット37を移動させる。
図18Aに示される例では、指定商品の保管位置が、複数の棚31のうちの1つである第1棚311の上から3番目の段にある。この場合、複数のエレベータ35のうちの1つであり第1棚311に対応する第1エレベータ351の第1バケット371は、図18Bに示されるように、第1棚311の上から3番目の段の高さへ移動される。
ステップ1705において、自動倉庫30は、指定商品がエレベータ35へ搭載されるよう、指定商品の保管位置のベルトコンベア32を動かして、ベルト33を排出口31bへ向けて移動させる。
図18Bに示される例では、指定商品は、前方に搬送されて第1棚311から排出され、第1エレベータ351の第1バケット371へ搭載される。
ステップ1706において、自動倉庫30は、プッシャ38が設けられた棚31の所定の段の高さへエレベータ35のバケット37を移動させる。
図18Cに示される例では、複数のプッシャ38のうちの1つである第1プッシャ381が、第1棚311の下から2番目の段に設けられている場合、第1エレベータ351の第1バケット371は、第1棚311の下から2番目の段の高さへ移動される。
ステップ1707において、自動倉庫30は、移送機構41が商品を移送中であるか否かを判断する。自動倉庫30は、移送機構41が商品を移送中である場合、ステップ1713へ移行する。一方、自動倉庫30は、移送機構41が商品を移送中でない場合、ステップ1708へ移行する。
ステップ1708において、自動倉庫30は、エレベータ35に搭載された商品の運搬先が、エレベータ35に対応する取出口22とは異なる他の取出口22か否かを判断する。自動倉庫30は、エレベータ35に搭載された商品の運搬先が、エレベータ35に対応しない他の取出口22である場合、ステップ1710へ移行する。一方、自動倉庫30は、エレベータ35に搭載された商品の運搬先が、エレベータ35に対応する取出口22である場合、ステップ1709へ移行する。
ステップ1709において、自動倉庫30は、エレベータ35に搭載された商品を、この商品の運搬先である、このエレベータ35に対応する取出口22へ到達させるよう、この取出口22に対応するプッシャ38にて前方へ押し出す。その後、自動倉庫30は、ステップ1720へ移行する。
図18Dに示される例では、第1エレベータ351に搭載された商品は、第1エレベータ351に対応する第1プッシャ381によって、複数の取出口22のうちの1つであり第1プッシャ381に対応する第1取出口221へ向けて前方へ押し出される。押し出された商品は、第1エレベータ351から第1取出口221へ搬出され、第1取出口221の第1受け部251へ到達する。
ステップ1710において、自動倉庫30は、エレベータ35に搭載された商品を、移送機構41へ搬出するよう、このエレベータ35に対応するプッシャ38にて前方へ押し出す。
図19Aに示される例では、第1エレベータ351に搭載された商品は、第1プッシャ381によって、第1取出口221へ向けて前方へ押し出される。押し出された商品は、第1エレベータ351から移送機構41へ搬出され、移送機構41に搭載される。
ステップ1711において、自動倉庫30は、エレベータ35から搬出された商品を、この商品の運搬先である、このエレベータ35に対応する取出口22とは異なる他の取出口22へ向けて移送機構41にて移送される。
図19Bに示される例では、第1エレベータ351から搬出された商品は、この商品の運搬先であって、複数の取出口22のうちの1つであり第1取出口221とは異なる第2取出口222へ向けて移送される。
ステップ1712において、自動倉庫30は、移送された商品を、運搬先である他の取出口22へ到達させるよう、他の取出口22に対応するプッシャ38にて前方へ押し出す。その後、自動倉庫30は、ステップ1720へ移行する。
図19Cに示される例では、移送機構41により移送された商品は、複数のプッシャ38のうちの1つであり第2取出口222に対応する第2プッシャ382によって、第2取出口222へ向けて前方へ押し出される。押し出された商品は、移送機構41から第2取出口222へ搬出され、第2取出口222の第2受け部252へ到達する。
なお、図19Cには、移送機構41により移送された商品が第2プッシャ382によって押し出される際、第2エレベータ352の第2バケット372は、第2プッシャ382が設けられた所定の段の高さに位置する例が示されている。しかしながら、移送機構41により移送された商品が第2プッシャ382によって押し出される際、第2バケット372は、この所定の段の高さに位置する必要はなく、他の商品を運搬するために、第2棚312の他の段へ移動されてよい。
ステップ1713において、自動倉庫30は、指定商品とは異なる保管位置に保管された他の商品を運搬するか否かを判断する。自動倉庫30は、管理サーバ50から送信された他の商品の運搬指令を受信したか否かを判断することによって、他の商品を運搬するか否かを判断してよい。自動倉庫30は、他の商品を運搬しない場合、ステップ1703へ移行する。一方、自動倉庫30は、他の商品を運搬する場合、ステップ1714へ移行する。
ステップ1714において、自動倉庫30は、受信された運搬指令に含まれる商品情報、保管位置及び運搬先情報を確認し、他の商品の保管位置、商品の前後方向のサイズ、及び、運搬先の取出口22を特定する。
ステップ1715において、自動倉庫30は、他の商品の保管位置から、運搬先の取出口22までの運搬経路を特定する。
ステップ1716において、自動倉庫30は、他の商品の保管位置がある棚31に対応するエレベータ35が、商品を搭載可能であるか否かを判断する。自動倉庫30は、このエレベータ35が商品を搭載可能でない場合、ステップ1703へ移行する。一方、自動倉庫30は、このエレベータ35が商品を搭載可能である場合、ステップ1717へ移行する。
ステップ1717において、自動倉庫30は、他の商品の保管位置がある棚31の段の高さへエレベータ35のバケット37を移動させる。
図20Aに示される例では、他の商品の保管位置が、複数の棚31のうちの1つであり第1棚311とは異なる第3棚313の上から1番目の段にある。この場合、複数のエレベータ35のうちの1つであり第3棚313に対応する第3エレベータ353の第3バケット373は、図20Bに示されるように、第3棚313の上から1番目の段の高さへ移動される。
ステップ1718において、自動倉庫30は、他の商品がエレベータ35へ搭載されるよう、他の商品の保管位置のベルトコンベア32を動かして、ベルト33を排出口31bへ向けて移動させる。
図20Bに示される例では、他の商品は、前方に搬送されて第3棚313から排出され、第3エレベータ353の第3バケット373へ搭載される。
ステップ1719において、自動倉庫30は、プッシャ38が設けられた棚31の所定の段の高さへエレベータ35のバケット37を移動させる。その後、自動倉庫30は、ステップ1703へ移行する。
図20Cに示される例では、複数のプッシャ38のうちの1つである第3プッシャ383が、第3棚313の下から2番目の段に設けられている場合、第3エレベータ353の第3バケット373は、第3棚313の下から2番目の段の高さへ移動される。そして、第3エレベータ353の第3バケット373は、搭載された他の商品が第3エレベータ353の外へ搬出されることを待機中の状態となる。言い換えると、第3プッシャ383は、第3エレベータ353に搭載された他の商品を、複数の取出口22のうちの1つであり第3プッシャ383に対応する第3取出口223へ向けて押し出すことを待機する。その後、移送機構41が商品を移送中でなくなると、第3エレベータ353に搭載された他の商品は、第3プッシャ383によって、第3取出口223へ向けて押し出される。
ステップ1720において、自動倉庫30は、指定商品を運搬先の取出口22へ運搬したか否かを判断する。自動倉庫30は、指定商品を運搬先の取出口22へ運搬していない場合、ステップ1703へ移行する。一方、自動倉庫30は、指定商品を運搬先の取出口22へ運搬した場合、ステップ1721へ移行する。
ステップ1721において、自動倉庫30は、指定商品の保管情報を作成する。指定商品とは異なる他の商品を運搬先の取出口22へ運搬した場合には、他の商品の保管情報も作成する。
ステップ1722において、自動倉庫30は、指定商品の保管情報を含む運搬完了通知を作成する。指定商品とは異なる他の商品を運搬先の取出口22へ運搬した場合には、他の商品の保管情報を含む運搬完了通知も作成する。その後、自動倉庫30は、本処理を終了する。
このように、無人店舗システム1では、指定商品がエレベータ35に搭載可能でなかったり、移送機構41が商品を移送中であったりした場合には、指定商品とは異なる他の商品の運搬を並行して行うことができるため、商品を効率的に運搬することができる。
[実施形態1:作用効果]
以上のように、実施形態1に係る無人店舗システム1では、無人店舗10が、商品を販売する販売装置20が設置された販売エリア11と、販売エリア11とは隔壁12により隔てられ商品を保管する自動倉庫30と、商品を管理する管理サーバ50とを有する。そして、販売装置20は、商品情報とコード画像Gとを対応付けて表示する。管理サーバ50は、コード画像Gに含まれる決済要求に応じた決済が行われると、運搬指令を自動倉庫30へ送信する。自動倉庫30は、運搬指令に基づいて、商品を販売装置20へ運搬する。
このため、実施形態1に係る無人店舗システム1では、無人店舗10に来店したユーザを自動倉庫30へ立ち入らせずに、来店したユーザに対してその場で商品を無人で引き渡すことができる。加えて、実施形態1に係る無人店舗システム1では、来店したユーザの購買行動を妨げずに、自動倉庫30への商品投入又は自動倉庫30のメンテナンス等を行うことができる。それにより、実施形態1に係る無人店舗システム1では、自動倉庫30に保管された商品を盗まれたり、自動倉庫30の内部へ不審物を混入されたりすることを抑制しつつ、ユーザに対してスピーディに商品を引き渡すことができる。
しかも、実施形態1に係る無人店舗システム1では、無人店舗10及び管理サーバ50の運営主体から独立した決済サーバ60が、ユーザ端末80との間で決済処理を行うことによって、商品の決済が行われる。それにより、実施形態1に係る無人店舗システム1では、無人店舗10及び管理サーバ50を介在させずに商品の決済を行うことができるため、ユーザの個人情報が無人店舗10側に通知されることなく、商品の購入が可能となる。
よって、実施形態1に係る無人店舗システム1では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を実現することができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗システム1では、管理サーバ50が、自動倉庫30により送信された保管情報に基づいて、ユーザに推薦する推薦商品を決定し、販売装置20が、決定された推薦商品を販売することができる。このため、実施形態1に係る無人店舗システム1では、自動倉庫30に保管された商品の保管状況に基づいて商品を宣伝することができるため、自動倉庫30に保管された商品を効率的に販売することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗システム1では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に促進することができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗システム1では、管理サーバ50が、自動倉庫30により送信された稼動情報に基づいて、ユーザに推薦する推薦商品を決定し、販売装置20が、決定された推薦商品を販売することができる。このため、実施形態1に係る無人店舗システム1では、自動倉庫30における運搬装置42の稼動状況に基づいて商品を宣伝することができるため、自動倉庫30に保管された商品を効率的に販売することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗システム1では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に促進することができる。
特に、実施形態1に係る無人店舗システム1では、自動倉庫30における運搬装置42の稼動頻度に基づいて推薦商品の価格を変更することができるため、商品を更に効率的に販売することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗システム1では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に促進することができる。
また、実施形態1に係る無人店舗10では、自動倉庫30は、棚板部31dを構成するベルトコンベア32が多段に設けられた棚31と、複数のベルトコンベア32の間を昇降するエレベータ35と、エレベータ35に搭載された商品を搬出する搬出機構とを備える。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、来店したユーザの立ち入りができない自動倉庫30を比較的簡易な構成で実現することができる。それにより、実施形態1に係る無人店舗10では、保管された商品を盗まれたり、内部へ不審物を混入されたりすることを抑制し得る自動倉庫30を簡易な構成で実現することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、簡易な構成で実現することができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗10では、自動倉庫30の搬出機構が、複数の棚31のそれぞれの所定の段に設けられ、エレベータ35に搭載された商品を販売装置20の取出口22へ向けて押し出すプッシャ38により構成される。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、エレベータ35に搭載された商品を搬出する搬出機構が、マニュピレータ及びロボットアーム等の複雑な機構を用いずに実現可能であると共に、棚31内に格納されるため省スペース化を図ることができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に簡易な構成で実現することができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗10では、複数の販売装置20のそれぞれの取出口22が、複数のプッシャ38のそれぞれの商品押し出し方向の先に位置するように設けられる。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、プッシャ38の商品を押し出す動作が、商品をエレベータ35の外へ搬出するだけでなく、商品を取出口22へ到達させることにも作用する。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に簡易な構成で実現することができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗10では、自動倉庫30が、エレベータ35と取出口22との間に設けられ、棚31の幅方向に沿って商品を移送する移送機構41を更に備える。そして、実施形態1に係る無人店舗10では、棚31に保管された商品を、この棚31に対応する取出口22とは異なる他の取出口22へ向けて移送し、この他の取出口22へ到達させることができる。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、複数の販売装置20をそれぞれ独立して商品を販売可能な装置とすることができる一方、自動倉庫30を複数の販売装置20において共用させることができる。それにより、実施形態1に係る無人店舗10では、商品サイズ及び保存環境等の異なる様々な商品をコンパクトなスペースで同時に販売することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に簡易な構成で実現することができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗10では、販売装置20に運搬される商品がエレベータ35に搭載可能でなかったり、移送機構41が商品を移送中であったりした場合には、この商品とは異なる他の商品の運搬を並行して行うことができる。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、自動倉庫30全体として商品の運搬時間を短縮することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高い商取引を、簡易な構成であっても更にスムーズに行うことができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗10では、プッシャ38は、商品を取出口22へ到達させた後、取出口22の扉23が閉じるまで、指定商品を取出口22へ向けて押し出した状態を維持する。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、扉23が開いた状態でも、取出口22の受け部25がプッシャ38によって閉塞されるため、取出口22から自動倉庫30の内部へ不審物が混入することを抑制することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、簡易な構成で実現されるスムーズな商取引の安全性を、更に高めることができる。
また、実施形態1に係る無人店舗10では、棚31の棚板部31dがベルトコンベア32によって構成され、棚31における商品の投入口31a及び排出口31bがベルトコンベア32の両端部にそれぞれ設けられる。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、棚31における商品の投入作業を、ベルトコンベア32の搬送動作によってスピーディに行うことができる。加えて、実施形態1に係る無人店舗10では、棚31の後部にある投入口31aから商品が投入され、棚31の前方にある排出口31bから商品が排出されるため、商品の先入れ先出しが可能となる。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、例えば消費期限切れの商品が販売される可能性を低減することができると共に、実際に棚31に保管された商品の数を計測する手段を簡略化することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高い商取引を、簡易な構成であってもスムーズに行うことができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗10では、商品が投入口31aに位置することが投入口センサ34により検知されると、ベルトコンベア32のベルト33を商品のサイズに応じた所定移動量だけ排出口31bへ移動させる。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、商品が投入される毎にベルト33を逐次移動させ、後続して投入される商品が載置可能なスペースを投入口31a付近のベルト33上に確保することができる。それにより、実施形態1に係る無人店舗10では、投入される商品を細密にベルト33に載置することができる。その結果、実施形態1に係る無人店舗10では、限られたスペースの棚31に商品をより多く投入して保管することができるため、様々な商品をコンパクトなスペースで同時に販売することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に簡易な構成で実現することができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗10では、ベルト33には、商品が載置される面から突出すると共に上述の所定移動量に応じた間隔をあけて配置され、載置された商品を支持する複数の支持部33aが設けられる。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、簡易な構成であっても、ベルト33における商品の位置を正確に把握することができ、商品を搬送する際に移動されるベルト33の移動量を正確に制御することができる。加えて、実施形態1に係る無人店舗10では、円筒形の缶及びペットボトル等の、ベルト33での位置の固定が困難な商品であっても、支持部33aによって確実に搬送することができるため、排出口31bから誤った数の商品が排出されることを抑制することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に簡易な構成で実現することができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗10では、商品が投入されるベルトコンベア32に既存商品が保管されていると、既存商品を一旦投入口31aに搬送した後に、ベルト33を上述の所定移動量だけ排出口31bへ向けて移動させる。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、商品が投入されるベルトコンベア32に既存商品が保管されていても、このベルトコンベア32に商品を投入することができると共に、既存商品の直後に続けて商品を投入することができる。それにより、実施形態1に係る無人店舗10では、限られたスペースの棚31に商品をより多く投入して保管することができるため、様々な商品をコンパクトなスペースで同時に販売することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に簡易な構成で実現することができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗10では、ベルト33の移動回数に基づいて、商品の投入数を取得することができる。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、複雑な手段を用いなくとも、実際に棚31に保管された商品の数を正確に計測することができる。それより、実施形態1に係る無人店舗10では、商品の在庫数を正確に管理することができるため、商品の投入時期を正確に定めることができ、商品の販売計画を着実に遂行することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高い商取引を、簡易な構成であってもスムーズに行うことができる。
更に、実施形態1に係る無人店舗10では、投入された商品がベルトコンベア32にある既存商品と異なる商品の場合、既存商品の数がゼロとなり、且つ、投入された商品の販売開始時期が到来した後に、投入された商品の商品情報を販売装置20に表示する。このため、実施形態1に係る無人店舗10では、投入された商品を既存商品の販売中に誤って販売してしまうことを抑制することができる。加えて、実施形態1に係る無人店舗10では、投入された商品の販売開始時期を、他の無人店舗10の商品の販売開始時期と合わせることができる。それにより、実施形態1に係る無人店舗10では、無人でありながら、新発売の商品の販売を複数の無人店舗10で一斉に開始することができる。よって、実施形態1に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に促進することができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る無人店舗システム1について説明する。実施形態2に係る無人店舗システム1の説明において、実施形態1に係る無人店舗システム1と同様の構成及び動作に係る説明については、重複する説明となるため省略する。
上述のように、実施形態1に係る無人店舗システム1では、無人店舗10に来店したユーザは、商品を購入する際、ユーザ端末80を用いて決済サーバ60との間で決済処理を行い、商品を取出口22から取り出す。すなわち、実施形態1に係る無人店舗システム1では、無人店舗10に来店したユーザと、決済処理を行うユーザとが同一のユーザであることを前提としていた。
これに対し、実施形態2に係る無人店舗システム1では、無人店舗10に来店したユーザと、決済処理を行うユーザとが異なるユーザであってよい。本実施形態では、無人店舗10に来店したユーザを「第1ユーザ」とも称し、決済処理を行うユーザを「第2ユーザ」とも称する。また、第1ユーザが所持するユーザ端末80を「第1ユーザ端末」とも称し、第2ユーザが所持するユーザ端末80を「第2ユーザ端末」とも称する。
第1ユーザが商品を購入する際、第1ユーザ端末は、図12のステップ1206に示されるように、販売装置20の表示部21に表示されたコード画像Gを撮像する。実施形態2に係る無人店舗システム1では、ステップ1207に示された決済処理として、図14に示された決済処理の代わりに、図21に示された決済処理を行う。
図21は、実施形態2に係る決済処理の流れを示す図である。
ステップ2101において、第1ユーザ端末は、撮像されたコード画像Gを特定する。
ステップ2102において、第1ユーザ端末は、特定されたコード画像Gを第2ユーザ端末へ転送する。その後、第1ユーザ端末は、第2ユーザ端末により送信される取出依頼通知を受信するまで待機する。取出依頼通知は、第1ユーザに対して指定商品を取出口22から取り出すことを依頼する通知である。
ステップ2103において、第2ユーザ端末は、転送されたコード画像Gを特定する。
ステップ2104において、第2ユーザ端末は、特定されたコード画像Gをデコードし、指定商品の商品情報、販売装置情報及び決済要求を抽出する。
ステップ2105において、第2ユーザ端末は、抽出された指定商品の商品情報、販売装置情報及び決済要求を表示する。第2ユーザ端末の表示内容は、実施形態1と同様に、図15Aに示されるような表示内容であってよい。
ステップ2106において、第2ユーザ端末は、ユーザ情報、指定商品の商品情報及び販売装置情報を含む決済要求を、決済サーバ60へ送信する。ユーザ情報は、第2ユーザ端末を所持する第2ユーザの識別情報であって、第2ユーザ端末の端末IDであってよい。その後、第2ユーザ端末は、決済サーバ60により送信される決済完了通知を受信するまで待機する。
ステップ2107において、決済サーバ60は、第2ユーザ端末により送信された決済要求を受信すると、受信された決済要求に応じて指定商品の決済を行う。
ステップ2108において、決済サーバ60は、指定商品の商品情報及び販売装置情報を含む決済完了通知を作成し、管理サーバ50へ送信する。
ステップ2109において、決済サーバ60は、ユーザ情報に基づいて、第2ユーザの決済履歴を特定する。
ステップ2110において、決済サーバ60は、決済履歴に応じて第2ユーザに付与される特典を決定する。
ステップ2111において、決済サーバ60は、決定された特典を第2ユーザへ付与することを示す特典付与情報を作成する。
ステップ2112において、決済サーバ60は、特典付与情報を含む決済完了通知を作成し、第2ユーザ端末へ送信する。その後、決済サーバ60は、本処理を終了する。
ステップ2113において、第2ユーザ端末は、決済サーバ60により送信された決済完了通知を受信すると、受信された決済完了通知を表示する。第2ユーザ端末の表示内容は、実施形態1と同様に、図15Bに示されるような表示内容であってよい。
ステップ2114において、第2ユーザ端末は、指定商品の商品情報及び販売装置情報を含む取出依頼通知を、第1ユーザ端末へ送信する。その後、第2ユーザ端末は、本処理を終了する。
ステップ2115において、第1ユーザ端末は、第2ユーザ端末により送信された取出依頼通知を受信すると、受信された取出依頼通知を表示する。第1ユーザ端末は、取出依頼通知の他、指定商品の商品情報及び販売装置情報を表示することができる。
このように、実施形態2に係る無人店舗システム1では、無人店舗10に来店して商品を取り出す第1ユーザと、決済処理を行う第2ユーザとが異なるユーザであっても、商品の決済及び取り出しを適切に行わせることができる。このため、実施形態2に係る無人店舗システム1では、第1ユーザが子供で第2ユーザがその親であり、親が子供にお遣いを頼むといった決済者が遠隔地にいるような様々な購入形態に対して、取引の安全性を確保しつつ柔軟に対応することができる。よって、実施形態2に係る無人店舗システム1では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を実現することができる。
更に、実施形態2に係る無人店舗システム1では、第1ユーザが所持する第1ユーザ端末は、撮像されたコード画像Gに含まれる決済要求を、第2ユーザが所持する第2ユーザ端末へ送信し、第2ユーザ端末が決済サーバ60との間で決済処理を行うことによって、商品の決済が行われる。このため、実施形態2に係る無人店舗システム1では、第1ユーザに対して秘匿したい決済手段情報等の第2ユーザの情報が、第1ユーザ端末には送信されない。特に、実施形態2に係る無人店舗システム1では、第1ユーザ端末は、撮像されたコード画像Gを第2ユーザ端末へ転送するだけであり、コード画像Gから決済要求を抽出することは第2ユーザ端末に行わせることができる。よって、実施形態2に係る無人店舗システム1では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を実現することができる。
更に、実施形態2に係る無人店舗システム1では、第2ユーザ端末は、決済サーバ60との間で決済処理を行う前に、商品情報を表示することができる。このため、実施形態2に係る無人店舗システム1では、第2ユーザは、第1ユーザ端末によって撮像されたコード画像Gに含まれる決済要求の対象が、第1ユーザに依頼した商品であるかを、決済処理の前に確認することができる。それにより、実施形態2に係る無人店舗システム1では、遠隔地にいる第2ユーザであっても、所望の商品を確実に購入することができる。よって、実施形態2に係る無人店舗10では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高い商取引を、更にスムーズに行うことができる。
[実施形態3]
実施形態3に係る無人店舗システム1について説明する。実施形態3に係る無人店舗システム1の説明において、実施形態1及び2に係る無人店舗システム1と同様の構成及び動作に係る説明については、重複する説明となるため省略する。
上述のように、実施形態1に係る無人店舗システム1では、管理サーバ50は、商品情報、保管情報及び稼動情報等に基づいて推薦商品を決定し、決定された推薦商品の価格を、稼動情報の項目である稼動頻度に基づいて変更していた。
これに対し、実施形態3に係る無人店舗システム1では、管理サーバ50は、決定された推薦商品の価格を、保管情報の項目である在庫数に基づいて変更してよい。実施形態3に係る無人店舗システム1では、図12のステップ1201において行われる推薦商品決定処理として、図13に示された推薦商品決定処理の代わりに、図22に示された推薦商品決定処理を行う。
図22は、実施形態3に係る推薦商品決定処理の流れを示す図である。
ステップ2201において、管理サーバ50は、自動倉庫30に保管された商品の商品情報及び運搬装置42の稼動情報を確認する。
ステップ2202において、管理サーバ50は、商品情報及び稼動情報の各項目のうち、優先度が高い上位3項目をそれぞれ特定する。図9Aに示される例では、管理サーバ50は、商品情報の優先度が高い上位3項目として、販売時期、消費期限及び価格を特定する。図9Bに示される例では、管理サーバ50は、稼動情報の優先度が高い上位3項目として、稼動頻度、稼動状態及び保守時期を特定する。
ステップ2203において、管理サーバ50は、自動倉庫30に保管された商品を、特定された各上位3項目について評価し、評価値を付与する。例えば、管理サーバ50は、商品情報の優先度が高い上位3項目については、販売時期の販売終了時期及び消費期限が間近に迫っており、且つ、価格が高い商品に対して、高い評価値を付与してよい。また、例えば、管理サーバ50は、運搬装置42としてベルトコンベア32に着目し、稼動頻度が低く、稼動状態が稼動中であり、且つ、保守時期が間近に迫っているベルトコンベア32に保管された商品に対して、高い評価値を付与してよい。また、例えば、管理サーバ50は、運搬装置42としてエレベータ35に着目し、稼動頻度が低く、稼動状態が稼動中であり、且つ、保守時期が間近に迫っているエレベータ35に対応する棚31に保管された商品に対して、高い評価値を付与してよい。
ステップ2204において、管理サーバ50は、評価値が高い上位10種類の商品を推薦商品候補群として特定する。
ステップ2205において、管理サーバ50は、自動倉庫30に保管された商品の保管情報を確認する。
ステップ2206において、管理サーバ50は、保管情報の各項目のうち、優先度が高い上位3項目を特定する。図9Aに示される例では、管理サーバ50は、保管情報の優先度が高い上位3項目として、在庫数、販売状態及び保管時期を特定する。
ステップ2207において、管理サーバ50は、推薦商品候補群の商品を、特定された上位3項目について評価し、評価値を付与する。例えば、管理サーバ50は、在庫数が多く、販売状態が販売中であり、且つ、保管時期の出荷日時が過去にある商品に対して、高い評価値を付与してよい。
ステップ2208において、管理サーバ50は、最も評価値が高い商品を、推薦商品に決定する。
ステップ2209において、管理サーバ50は、決定された推薦商品の商品情報を確認し、決定された推薦商品の現在の価格を特定する。
ステップ2210において、管理サーバ50は、保管情報の最上位項目の1つである在庫数に基づいて、推薦商品の価格を変更する。
ステップ2211において、管理サーバ50は、変更された価格が反映されるよう、推薦商品の商品情報を更新し、本処理を終了する。その後、管理サーバ50は、価格が変更された推薦商品の商品情報を、販売装置20へ送信する。
このように、実施形態3に係る無人店舗システム1では、決定された推薦商品の価格を、保管情報の項目である在庫数に基づいて変更することができる。このため、実施形態3に係る無人店舗システム1では、商品を更に効率的に販売することができる。よって、実施形態3に係る無人店舗システム1では、店舗側及びユーザ側の双方にとって安全性が高くスムーズな商取引を、更に促進することができる。
[その他]
上述の実施形態において、管理サーバ50は、推薦商品決定処理の際、商品情報、保管情報及び稼動情報に基づいて推薦商品を決定しているが、これらの情報の他、販売情報に基づいて決定してもよし、保管情報又は稼動情報に基づいて決定してもよい。更に、管理サーバ50は、優先度及び評価値を用いて推薦商品を決定しているが、優先度又は評価値を用いて推薦商品を決定してもよいし、オペレータの裁量を反映した他の指標を用いて推薦商品を決定してもよい。更に、管理サーバ50は、決定された推薦商品の価格を変更しているが、特典を付与する等の、価格以外の事項を変更してもよい。更に、上述の実施形態において、推薦商品決定処理は、管理サーバ50が推薦商品を決定しているが、オペレータが決定してもよい。
また、上述の実施形態において、取出口22の扉23は、指定商品が取出口22へ到達すると自動的に開くように構成されていたが、指定商品が取出口22へ到達し、且つ、指定商品を取り出すユーザが認証されたことをもって、自動的に開くように構成されてよい。例えば、販売装置20は、表示部21にパスワード入力画面を表示し、正しいパスワードを入力したユーザを認証するように構成されてよい。パスワードは、例えば、決済サーバ60が発行するワンタイムパスワードであってよい。決済サーバ60は、決済要求に応じた決済を行った後に、ワンタイムパスワードを発行し、決済完了通知に含めて管理サーバ50及びユーザ端末80へ送信する。管理サーバ50は、自動倉庫30から送信された運搬完了通知を受信すると、運搬先情報と共にワンタイムパスワードを販売装置20へ送信すればよい。ユーザは、正しいパスワードを販売装置20に入力することができるし、販売装置20は、入力されたパスワードと、管理サーバ50により送信されたパスワードとを照合することができる。それにより、無人店舗システム1では、ユーザの個人情報を無人店舗10側に通知しなくても、商取引の安全性を更に高めることができる。
また、上述の実施形態において、指定商品の運搬先の取出口22は、その運搬時間に応じて変更されていたが、所定の取出口22に固定されてもよい。例えば、指定商品の運搬先は、販売装置情報が示す取出口22に固定されてもよい。すなわち、指定商品の運搬先は、商品の購入を指定したユーザの待機位置近傍の取出口22に固定されてもよい。それにより、ユーザは購入した商品をその場で取り出すことができ、他のユーザが購入した商品との取り違いを抑制することができる。
或いは、指定商品の運搬先は、ユーザ指定の取出口22に固定されてもよい。指定商品の運搬先をユーザ指定の取出口22に固定する場合には、次のような方法がある。例えば、ユーザは、決済処理においてユーザ指定の取出口22の情報をユーザ端末80に入力し、決済要求に含めて決済サーバ60へ送信する。決済サーバ60は、ユーザ指定の取出口22の情報を、決済完了通知に含めて管理サーバ50へ送信すればよい。それにより、無人店舗システム1では、複雑な手段を用いなくても、ユーザの利便性を向上させることができる。
指定商品の運搬先を指定する際、ユーザは、取出口22の情報だけでなく、取り出す予定の時刻をユーザ端末80に入力し、決済要求に含めて決済サーバ60へ送信してもよい。決済サーバ60は、取り出す予定の時刻の情報を、決済完了通知に含めて管理サーバ50へ送信すればよい。それにより、無人店舗システム1では、ユーザが所望の時刻に指定商品を取り出すことができるため、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
上述の実施形態において、無人店舗10は、特許請求の範囲に記載された「店舗」の一例に該当する。販売装置20は、特許請求の範囲に記載された「販売装置」の一例に該当する。販売エリア11は、特許請求の範囲に記載された「販売エリア」の一例に該当する。自動倉庫30は、特許請求の範囲に記載された「自動倉庫」の一例に該当する。棚板部31dは、特許請求の範囲に記載された「棚板部」の一例に該当する。ベルトコンベア32は、特許請求の範囲に記載された「ベルトコンベア」の一例に該当する。棚31は、特許請求の範囲に記載された「棚」の一例に該当する。エレベータ35は、特許請求の範囲に記載された「エレベータ」の一例に該当する。取出口22は、特許請求の範囲に記載された「取出口」の一例に該当する。投入口31aは、特許請求の範囲に記載された「投入口」の一例に該当する。排出口31bは、特許請求の範囲に記載された「排出口」の一例に該当する。ベルト33は、特許請求の範囲に記載された「ベルト」の一例に該当する。支持部33aは、特許請求の範囲に記載された「支持部」の一例に該当する。投入口センサ34は、特許請求の範囲に記載された「投入口センサ」の一例に該当する。
上述の実施形態は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用し得ることは、当業者には明らかであろう。
上述の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。従って、特許請求の範囲を逸脱することなく本発明の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語は、限定的でない用語として解釈されるべきである。例えば、「含む」という用語は、「含むものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「備える」という用語は、「備えるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。