JP6745676B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両、特に、エンジンと、力行運転及び回生運転可能なモータジェネレータを搭載したハイブリッド車両に関する。
エンジンのみを駆動源として搭載する車両(エンジン搭載車両)には、一般にイグニッションスイッチと呼ばれるスタートスイッチが搭載され、イグニッションスイッチをオン操作するとエンジンが運転され、イグニッションスイッチのオフ操作でエンジンが停止される。
このようにイグニッションスイッチを搭載する車両にあって、下記特許文献1に記載される車両では、例えば車輪への制動力を制御する制動力制御装置が搭載された車両の走行中に、例えば車両を強制的に停止するためにイグニッションスイッチがオフ操作された場合、制動力制御装置にはバッテリからの電力を継続して供給し、車両が安定して停止できるようにしている。
特許第4247646号公報
前述した特許文献1に記載される電力供給制御を、エンジンとモータジェネレータを搭載するハイブリッド車両に適用しようとした場合、車両の走行中にスタートスイッチ(エンジン搭載車両のイグニッションスイッチに相当)がオフ操作された場合、例えば制動力制御装置には、12Vバッテリからの電力しか供給することができない。ハイブリッド車両では、一般的に、スタートスイッチがオフ操作されると、エンジンの運転が停止されると共に、モータジェネレータに電力を供給する駆動バッテリは電力供給経路から遮断されてしまうためである。12Vバッテリは、エンジン始動の際、電力を供給する。しかしながら、エンジンが停止されている状態では12Vバッテリは充電されないので、制動力制御装置に電力を供給し続ける間、12Vバッテリは放電し続ける。この12Vバッテリの放電状態が継続すると、制動力制御装置によって安定して車両を停止することができたとしても、その時点で12Vバッテリの充電状態は低下しており、場合によってはエンジンを再始動できないおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の走行中にスタートスイッチがオフ操作された場合、車両を安定して停止することができると共に、停止後のエンジン再始動に必要な12Vバッテリの電力を確保することが可能なハイブリッド車両を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1に記載のハイブリッド車両は、エンジンと、力行運転及び回生運転可能なモータジェネレータと、前記モータジェネレータの運転状態を制御するパワー制御部と、ブレーキ手段による車輪への制動力の付与を制御するブレーキ制御部と、オン操作で少なくとも前記エンジンの運転を許可し且つオフ操作で少なくとも前記エンジンの運転を停止するスタートスイッチと、を備え、前記パワー制御部は、前記スタートスイッチのオフ操作時であって且つ車両が走行している場合に、前記モータジェネレータを回生運転し、その回生運転で発電された電力を前記ブレーキ制御部に供給するスタートスイッチオフ制御手段を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、車両の走行中にスタートスイッチがオフ操作されると、モータジェネレータが回生運転されるので、車両に制動力が付与される。また、このモータジェネレータの回生運転で発電された電力がブレーキ制御部に供給されるので、車両を安定して停止することができる。また、この間、12Vバッテリからは電力が放電されないので、停止後のエンジン再始動に必要な12Vバッテリの電力を確保することができる。
また、前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力を蓄電し、蓄電されている電力を前記モータジェネレータに供給して力行運転する駆動バッテリと、前記エンジンを始動するための電力を蓄電し且つ供給すると共に前記ブレーキ制御部が接続され、前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力を蓄電可能な12Vバッテリと、を備え、前記スタートスイッチオフ制御手段は、前記スタートスイッチのオフ操作時であって且つ車両が走行している場合に、前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力の前記駆動バッテリへの蓄電経路を遮断し且つ当該電力の前記12Vバッテリへの蓄電経路を接続することで当該電力を前記ブレーキ制御部に供給することを特徴とする。
この構成によれば、モータジェネレータの回生運転で発電された電力をブレーキ制御部に確実に供給することができると共に、余剰の電力を12Vバッテリに蓄電することができ、停止後のエンジン再始動に必要な12Vバッテリの電力をより一層確保することができる。
請求項に記載のハイブリッド車両は、エンジンと、力行運転及び回生運転可能なモータジェネレータと、前記モータジェネレータの運転状態を制御するパワー制御部と、ブレーキ手段による車輪への制動力の付与を制御するブレーキ制御部と、転舵輪を転舵し且つ運転者の操舵を補助するための操舵補助力を発生する操舵装置と、前記操舵装置による操舵補助力を制御する操舵力制御部と、オン操作で少なくとも前記エンジンの運転を許可し且つオフ操作で少なくとも前記エンジンの運転を停止するスタートスイッチと、を備え、前記パワー制御部は、前記スタートスイッチのオフ操作時であって且つ車両が走行している場合に、前記モータジェネレータを回生運転し、その回生運転で発電された電力を前記ブレーキ制御部及び前記操舵力制御部に供給するスタートスイッチオフ制御手段を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、車両の走行中にスタートスイッチがオフ操作されると、モータジェネレータが回生運転されるので、車両に制動力が付与される。また、このモータジェネレータの回生運転で発電された電力がブレーキ制御部及び操舵力制御部に供給されるので、車両を安定して停止することができる。また、この間、12Vバッテリからは電力が放電されないので、停止後のエンジン再始動に必要な12Vバッテリの電力を確保することができる。
また、前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力を蓄電し、蓄電されている電力を前記モータジェネレータに供給して力行運転する駆動バッテリと、前記エンジンを始動するための電力を蓄電し且つ供給すると共に、前記ブレーキ制御部及び前記操舵力制御部が接続され、前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力を蓄電可能な12Vバッテリと、を備え、前記スタートスイッチオフ制御手段は、前記スタートスイッチのオフ操作時であって且つ車両が走行している場合に、前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力の前記駆動バッテリへの蓄電経路を遮断し且つ当該電力の前記12Vバッテリへの蓄電経路を接続することで当該電力を前記ブレーキ制御部及び前記操舵力制御部に供給することを特徴とする。

この構成によれば、モータジェネレータの回生運転で発電された電力をブレーキ制御部及び操舵力制御部に確実に供給することができると共に、余剰の電力を12Vバッテリに蓄電することができ、停止後のエンジン再始動に必要な12Vバッテリの電力をより一層確保することができる。
以上説明したように、本発明によれば、車両の走行中にスタートスイッチがオフ操作されると、モータジェネレータが回生運転されるので、車両に制動力が付与されると共に、モータジェネレータの回生運転で発電された電力が少なくともブレーキ制御部に供給されるので、車両を安定して停止することができる。また、スタートスイッチのオフ操作から車両停止までの間、12Vバッテリからは電力が放電されないので、停止後のエンジン再始動に必要な12Vバッテリの電力を確保することができる。
本発明の前輪転舵制御装置が適用された車両の一実施形態を示す概略平面図である。 図1のパワーコントロールユニットの概略構成を示すブロック図である。 図1のパワーコントロールユニットで行われる演算処理を示すフローチャートである。
以下の実施の形態では、本発明を具体化するための装置や方法を例示する。しかしながら、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や形状、配置等を下記に特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に技術的範囲内で種々の変更を加えることができる。
以下に、本発明のハイブリッド車両の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施形態のハイブリッド車両の概略平面図である。この車両は、例えばステーションワゴン型の乗用車両である。この車両の駆動源の一つであるエンジン12は、車両前方のエンジンルーム内に配置されており、このエンジン12の車両後方にはトランスミッション14が連結されている。この実施形態では、例えば、エンジン12には水平対向4気筒エンジンが、トランスミッション14にはベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が採用されている。
エンジンルーム内には、エンジン12を始動するための12Vバッテリ11も搭載されている。12Vバッテリ11は、一般に鉛蓄電池であり、蓄電された電力を図示しないスタータに供給してエンジン12を始動する。また、エンジン12には図示しないオルタネータが取付けられており、このオルタネータで発電した電力を12Vバッテリ11に蓄電する。この12Vバッテリ11には、後述する種々の制御装置も接続されている。なお、エンジン12やトランスミッション14の形態は、前述のものに限定されるものではなく、あらゆる形態のものを採用することが可能である。
この実施形態のトランスミッション14内には、もう一つの駆動源であるモータジェネレータ13が設けられている。このモータジェネレータ13は、駆動バッテリ15からの電力で力行運転すると共に、回生運転で発電した電力を駆動バッテリ15に充電する。このモータジェネレータ13の力行運転時には、単独で又はエンジン12と共に車両を駆動し、回生運転時には、車両に制動力(後進駆動力)が付与される。なお、この実施形態では、モータジェネレータ13で発電した電力を12Vバッテリ11にも蓄電できるように構成されている。
前述したトランスミッション14内には、センターデフ(センターディファレンシャルギヤ)16が設けられており、このセンターデフ16で分割された駆動力はドライブピニオンシャフト18を介して前車軸に伝達されると共にプロペラシャフト20などを介して後車軸に伝達される。この実施形態では、フロントデフ(フロントディファレンシャルギヤ)22がトランスミッション14のケース内に収納されており、フロントデフ22で分割された駆動力は前左右ドライブシャフト24FL、24FRを介して前左右輪10FL、10FRに伝達される。また、後車軸に伝達された駆動力はリヤデフ(リヤディファレンシャルギヤ)26で分割され、後左右ドライブシャフト28RL、28RRを介して後左右輪10RL、10RRに伝達される。
車両の転舵輪である前左右輪10FL、10FRのナックル(ハブハウジング)30は、タイロッド32を介してステアリング装置34に連結されている。ステアリング装置34は、周知のように、ステアリングホイール36の操作によって転舵輪である前左右輪10FL、10FRを転舵するためのものであり、例えば周知のラックアンドピニオン機構などによって構成される。この実施形態のステアリング装置34には、電動式パワーステアリング装置が採用されている。電動式パワーステアリング装置34では、運転者の操舵を補助するための操舵補助力が図示しないモータによって付与されると共に、その操舵補助力を調整することができるように構成されている。
各車輪10FL〜10Rには、車輪に制動力を付与するためのブレーキ装置38が取付けられている。このブレーキ装置38には、周知の油圧式或いは電動式のブレーキ装置を用いることができる。従って、各車輪10FL〜10Rには、運転者によるブレーキペダル操作に応じた制動力が付与される。なお、各車輪10FL〜10RRには、各車輪の回転速度を検出するための車輪速度センサ39が取付けられている。
この実施形態のブレーキ装置38は、制動力調整装置40によって、運転者の意思と関係なく、制動力を調整・制御することができるようにも構成されている。この制動力調整装置40には、例えば周知の横滑り防止装置(VDC:Vehicle Dynamics Control)の制動力調整装置を用いることができる。この種の制動力調整装置40によれば、運転者がブレーキペダルを踏込んでいないときでも、各車輪10FL〜10Rに制動力を付与することができ、またその制動力を調整することもできる。また、この種の制動力調整装置40では、周知のABS装置のように、付与されている制動力を強制的に解除することもできる。
この車両では、近年の車両と同様に、エンジン12はエンジンコントロールユニット42によって、トランスミッション14はトランスミッションコントロールユニット43によって、制動力調整装置40はブレーキコントロールユニット44によって、ステアリング装置34はステアリングコントロールユニット45によって、モータジェネレータ13はパワーコントロールユニット46によって、夫々制御される。
エンジンコントロールユニット42は、例えば運転者によるスロットル開度とエンジン回転速度から目標エンジントルクを設定し、その目標エンジントルクが達成されるように例えば燃料噴射量や点火時期を制御する。また、後述するパワーコントロールユニット46と協調制御を行う場合には、例えば運転者が要求し且つ燃費を向上する目標駆動トルクを設定し、そのうちエンジンに割り振られた目標エンジントルクが達成されるように例えば燃料噴射量や点火時期を制御する。また、トランスミッションコントロールユニット43は、例えば車両の走行速度と入力回転速度とスロットル開度から目標変速比を設定し、その目標変速比が達成されるように例えばトランスミッション14内のベルトプーリ比を制御する。
また、ブレーキコントロールユニット44は、例えば運転者によるステアリングホイール36の操舵量から目標ヨーレートを設定し、その目標ヨーレートが達成されるように各車輪10FL〜10Rの制動力を制御する。また、このブレーキコントロールユニット44は、各車輪10FL〜10RRに取付けられている車輪速度センサ39から車輪速度を検出し、例えば車体速度から設定される目標車輪速度よりも検出された車輪速度が小さい場合に、その車輪の制動力を小さくするように各車輪10FL〜10RRの制動力を制御する。また、このブレーキコントロールユニット44は、後述するパワーコントロールユニット46と協調制御を行う場合には、モータジェネレータ13を回生運転したときに生じる制動力(後進駆動力)分だけブレーキ装置38による制動力が小さくなるように各車輪10FL〜10RRの制動力を制御する。
また、ステアリングコントロールユニット45は、例えば運転者による操舵トルクを図示しないトルクセンサで検出し、その検出された操舵トルクと車両の走行速度から目標操舵補助力を設定し、その操舵補助力が出力されるように図示しないモータの回転状態を制御する。パワーコントロールユニット46は、例えば車両の走行速度と運転者によるスロットル開度から目標モータトルクを設定し、その目標モータトルクが達成されるようにモータジェネレータ13の回転状態を制御する。また、エンジンコントロールユニット42と協調制御を行う場合には、例えば運転者が要求し且つ燃費を向上する目標駆動トルクを設定し、そのうちモータジェネレータ13に割り振られた目標モータトルクが達成されるようにモータジェネレータ13の回転状態を制御する。また、車両の減速走行時には、駆動バッテリ15の充電状態に応じて、最も大きな電力が発電されるようにモータジェネレータ13を回生運転する。
これらのコントロールユニット42〜46は、例えばマイクロコンピュータなどの演算処理装置を搭載して構成され、高度な演算処理機能を有する。そのため、これらのコントロールユニット42〜46は、コンピュータシステムと同様に、演算処理部の他、入出力部、記憶部などを備えて構成される。また、近年の車両と同様に、コントロールユニット42〜46同士で、互いに相互通信を行い、互いに協調制御を行ったり、情報を授受・共有したりするように構成されている。なお、各コントロールユニット42〜46で制御するモータやバルブ、ポンプなどのアクチュエータは、夫々のコントロールユニット42〜46からの電気信号で作動する。つまり、制御対象のアクチュエータには各コントロールユニット42〜46から電力が供給される。
そして、この車両には、車両の作動を許可するスタートスイッチ48が、例えばインストゥルメントパネルに設けられている。このスタートスイッチ48は、オン操作によってエンジン12の運転を許可すると共に、車両としての作動開始を許可する。このスタートスイッチ48は、エンジン搭載車両のイグニッションスイッチに相当するが、ハイブリッド車両では、多くの場合、車両の停車中はエンジン12を停止するので、スタートスイッチ48のオン操作でエンジン12の運転が許可される。また、スタートスイッチ48をオフ操作すると、エンジン12の運転は強制的に停止される。
図2は、パワーコントロールユニット46の概略構成を示すブロック図である。このパワーコントロールユニット46は、前述のように演算処理を司るパワー制御装置46aと、モータジェネレータ13の運転状態を制御するためのインバータ50と、モータジェネレータ13で発電された電力又は駆動バッテリ15に蓄電されている電力を12Vバッテリ11に供給するためのDCDCコンバータ52と、インバータ50と駆動バッテリ15を断続する駆動バッテリ用リレー54と、インバータ50又は駆動バッテリ15とDCDCコンバータ52を断続する12Vバッテリ用リレー56と、駆動バッテリ用リレー54及び12Vバッテリ用リレー56を作動するリレー制御回路58を備えている。インバータ50は、例えばモータジェネレータ13を力行運転する際、駆動バッテリ15の直流電力を交流電力に変換すると共に、走行速度やシステム制御に必要な周波数信号を創生し、モータジェネレータ13の回転速度、駆動トルク、電力を制御して車両の加減速を行う。また、リレー制御回路58は、パワー制御装置46aからの指令に応じて駆動バッテリ用リレー54や12Vバッテリ用リレー56を作動する。
なお、エンジンコントロールユニット42、トランスミッションコントロールユニット43、ブレーキコントロールユニット44、ステアリングコントロールユニット45には、夫々、制御装置42a〜45aの他に、エンジンコントロールユニット用リレー42b、トランスミッションコントロール用リレー43b、ブレーキコントロールユニット用リレー44b、ステアリングコントロールユニット用リレー45bが設けられており、パワー制御装置46aからの指令に応じて、リレー制御回路58が、それらのリレー42a〜45aを作動する。
次に、この実施形態のパワーコントロールユニット46で行われるスタートスイッチオフ制御のための演算処理について図3のフローチャートを用いて説明する。この演算処理は、例えば予め設定された所定サンプリング周期毎にタイマ割込処理によって実行される。この演算処理では、まずステップS1で、スタートスイッチ48がオフ操作されたか否かを判定し、スタートスイッチ48がオフ操作された場合にはステップS2に移行し、そうでない場合に復帰する。
ステップS2では、駆動バッテリ用リレー54をオフすると共に12Vバッテリ用リレー56をオンする。
次にステップS3に移行して、エンジンコントロールユニット用リレー42bをオフすると共にトランスミッションコントロールユニット用リレー43bをオフする。
次にステップS4に移行して、各車輪速度センサ39で検出された各車輪速度を読込む。
次にステップS5に移行して、ステップS4で読込まれた車輪速度の最大値が凡そ0に設定された停止閾値以下であるか否かを判定し、車輪速度の最大値が停止閾値以下である場合にはステップS6に移行し、そうでない場合にはステップS9に移行する。
ステップS6では、ブレーキコントロールユニット用リレー44bをオフしてからステップS7に移行する。
ステップS7では、ステアリングコントロールユニット用リレー45bをオフしてからステップS8に移行する。
ステップS8では、12Vバッテリ用リレー56をオフしてから復帰する。
一方、ステップS9では、モータジェネレータ13を回生運転する制御を行ってからステップS10に移行する。
ステップS10では、ブレーキコントロールユニット用リレー44bをオンしてからステップS11に移行する。
ステップS11では、ステアリングコントロールユニット用リレー45bをオンしてからステップS4に移行する。
この演算処理によれば、車両の走行中にスタートスイッチ48がオフ操作されると、駆動バッテリ用リレー54がオフされる、つまり駆動バッテリ15の蓄電経路が遮断され、12Vバッテリ用リレー56がオンされる、つまり12Vバッテリ11の蓄電経路が接続される。また、これに合わせて、エンジンコントロールユニット用リレー42bがオフされ、つまりエンジンコントロールユニット42が停止され、トランスミッションコントロールユニット用リレー43bがオフされ、つまりトランスミッションコントロールユニット43が停止される。これに対し、車両が停止するまでは、モータジェネレータ13が回生運転され、これに合わせてブレーキコントロールユニット用リレー44bがオンされ、つまりブレーキコントロールユニット44が作動し、ステアリングコントロールユニット用リレー45bがオンされ、つまりステアリングコントロールユニット45が作動する。車両が停止すると、ブレーキコントロールユニット用リレー44bがオフされ、つまりブレーキコントロールユニット44が停止され、ステアリングコントロールユニット用リレー45bがオフされ、つまりステアリングコントロールユニット45が停止される。
車両の走行中にスタートスイッチ48がオフ操作されることは、運転者が車両の停止を要求していると考えられる。また、スタートスイッチ48がオフ操作されると、エンジン12は運転停止される。このような場合、車両を安定して停止すべく、モータジェネレータ13を回生運転することで、車両に制動力(後進駆動力)を付与すると共に、ブレーキコントロールユニット44及びステアリングコントロールユニット45に電力を供給し、車輪10FL〜10RRの制動力を制御可能とすると共にステアリング装置34による操舵補助力を制御可能とする。その際、回生運転されるモータジェネレータ13では電力が発電されるから、この電力をインバータ50、DCDCコンバータ52を介して12Vバッテリ11の蓄電経路に供給する。ブレーキコントロールユニット44及びステアリングコントロールユニット45は12Vバッテリ11に接続されているので、ブレーキコントロールユニット44及びステアリングコントロールユニット45には制御を継続するのに十分な電力が供給されると共に、余剰分は12Vバッテリ11に蓄電される。
従って、車両の走行中にスタートスイッチ48がオフ操作されると、車両を安定して停止することが可能となる。また、12Vバッテリ11からは電力が放電されないので、車両の停止後、エンジンを再始動するのに必要な電力を12Vバッテリ11内に確保することが可能となる。また、この間、駆動バッテリ15は電力経路から遮断されているので、駆動バッテリ15に蓄電されている電力が不要に放電されることもない。
このように、これらの実施形態のハイブリッド車両では、エンジン12と、力行運転及び回生運転可能なモータジェネレータ13と、モータジェネレータ13の運転状態を制御するパワーコントロールユニット46と、ブレーキ装置38による各車輪への制動力を制御するブレーキコントロールユニット44と、ステアリング装置34による操舵補助力を制御するステアリングコントロールユニット45と、オン操作でエンジン12の運転を許可し且つオフ操作でエンジン12の運転を停止するスタートスイッチ48を備えたハイブリッド車両において、車両の走行中にスタートスイッチ48がオフ操作されると、モータジェネレータ13が回生運転され、これにより車両に制動力が付与される。また、このモータジェネレータ13の回生運転で発電された電力がブレーキコントロールユニット44及びステアリングコントロールユニット45に供給されるので、車両を安定して停止することができる。また、この間、12Vバッテリ11からは電力が放電されないので、停止後のエンジン再始動に必要な12Vバッテリ11の電力を確保することができる。
また、スタートスイッチ48のオフ操作時であって且つ車両が走行している場合に、モータジェネレータ13の回生運転で発電された電力の駆動バッテリ15への蓄電経路を遮断し且つその電力の12Vバッテリ11への蓄電経路を接続することでその電力をブレーキコントロールユニット44及びステアリングコントロールユニット45に供給する。これにより、モータジェネレータ13の回生運転で発電された電力をブレーキコントロールユニット44及びステアリングコントロールユニット45に確実に供給することができると共に、余剰の電力を12Vバッテリ11に蓄電することができ、停止後のエンジン再始動に必要な12Vバッテリ11の電力をより一層確保することができる。
なお、上記実施形態では、ステアリング装置34に電動式パワーステアリング装置を用いたが、例えばエンジン12の停止中にステアリング装置34による操舵補助力を制御できない場合、少なくともブレーキコントロールユニット44には、モータジェネレータ13で発電された電力を供給するようにする。
本発明が上記していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当とされる特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
10FL〜10RR 車輪
11 12Vバッテリ
12 エンジン
13 モータジェネレータ
15 駆動バッテリ
34 ステアリング装置(操舵装置)
38 ブレーキ装置
40 制動力調整装置
44 ブレーキコントロールユニット(ブレーキ制御部)
45 ステアリングコントロールユニット(操舵力制御部)
46 パワーコントロールユニット(パワー制御部)
48 スタートスイッチ

Claims (2)

  1. エンジンと、
    力行運転及び回生運転可能なモータジェネレータと、
    前記モータジェネレータの運転状態を制御するパワー制御部と、
    ブレーキ手段による車輪への制動力の付与を制御するブレーキ制御部と、
    オン操作で少なくとも前記エンジンの運転を許可し且つオフ操作で少なくとも前記エンジンの運転を停止するスタートスイッチと、
    前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力を蓄電し、蓄電されている電力を前記モータジェネレータに供給して力行運転する駆動バッテリと、
    前記エンジンを始動するための電力を蓄電し且つ供給すると共に前記ブレーキ制御部が接続され、前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力を蓄電可能な12Vバッテリと、を備え、
    前記パワー制御部は、
    前記スタートスイッチのオフ操作時であって且つ車両が走行している場合に、前記モータジェネレータを回生運転し、その回生運転で発電された電力を前記ブレーキ制御部に供給するスタートスイッチオフ制御手段を備え
    前記スタートスイッチオフ制御手段は、
    前記スタートスイッチのオフ操作時であって且つ車両が走行している場合に、前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力の前記駆動バッテリへの蓄電経路を遮断し且つ当該電力の前記12Vバッテリへの蓄電経路を接続することで当該電力を前記ブレーキ制御部に供給することを特徴とするハイブリッド車両。
  2. エンジンと、
    力行運転及び回生運転可能なモータジェネレータと、
    前記モータジェネレータの運転状態を制御するパワー制御部と、
    ブレーキ手段による車輪への制動力の付与を制御するブレーキ制御部と、
    転舵輪を転舵し且つ運転者の操舵を補助するための操舵補助力を発生する操舵装置と、
    前記操舵装置による操舵補助力を制御する操舵力制御部と、
    オン操作で少なくとも前記エンジンの運転を許可し且つオフ操作で少なくとも前記エンジンの運転を停止するスタートスイッチと、
    前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力を蓄電し、蓄電されている電力を前記モータジェネレータに供給して力行運転する駆動バッテリと、
    前記エンジンを始動するための電力を蓄電し且つ供給すると共に、前記ブレーキ制御部及び前記操舵力制御部が接続され、前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力を蓄電可能な12Vバッテリと、を備え、
    前記パワー制御部は、
    前記スタートスイッチのオフ操作時であって且つ車両が走行している場合に、前記モータジェネレータを回生運転し、その回生運転で発電された電力を前記ブレーキ制御部及び前記操舵力制御部に供給するスタートスイッチオフ制御手段を備え
    前記スタートスイッチオフ制御手段は、
    前記スタートスイッチのオフ操作時であって且つ車両が走行している場合に、前記モータジェネレータの回生運転で発電された電力の前記駆動バッテリへの蓄電経路を遮断し且つ当該電力の前記12Vバッテリへの蓄電経路を接続することで当該電力を前記ブレーキ制御部及び前記操舵力制御部に供給することを特徴とするハイブリッド車両。
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