JP6739989B2 - リンクル模様塗膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、工場施工で形成される特定のリンクル模様塗膜と同様のリンクル塗膜模様を現場施工で形成するリンクル模様塗膜の形成方法に関する。
近年、塗装パネルの意匠性を付与する目的で模様塗装を施されることが一般的になっている。このような模様塗膜は、現場における施工前に、予め、工場施工において、模様を発現する塗料をパネルに塗装することによって特定のリンクル模様塗膜を形成する場合が多い。そのため、設置現場までの運搬の間及び施工時に傷が発生し、塗膜表面の模様が損なわれる場合がある。そこで、予め工場施工において形成された特定のリンクル模様塗膜を設置現場において容易に再現する必要が生じる。
その場合、その模様塗膜を形成するために、工場施工で特定のリンクル模様塗膜を形成するために用いた塗料を用いて被補修部分を直接、筆指し、タンポ塗り、ローラー塗りなどにより補修しても、設置現場においては、塗装設備、塗装環境が工場施工と異なるため、設置現場で形成されたリンクル模様塗膜は、工場施工で形成された特定のリンクル模様塗膜と異なる模様になり、設置現場において、外観上、補修部分と被補修部分の模様を同様に見えるように特定のリンクル模様塗膜をパネルの表面に形成することは非常に困難なことである。
リンクル模様塗膜を形成する塗料組成物として、特定のポリエステル樹脂、ヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂、脱水剤、アミン化合物でブロックされたスルホン酸化合物および模様を安定化するための粒子成分等を含んだ組成物が開示されている。(特許文献1)しかしながら、この組成物を用いて設置現場でリンクル模様塗膜を形成しても、設置現場の塗装設備、塗装環境が工場と異なるため、この組成物を用いて工場で形成された特定のリンクル模様塗膜と同様に見えるように、この組成物を用いて設置現場でリンクル模様塗膜を形成することは困難である、また、補修する場合、正常部と補修部の境界を目立たないように傾斜塗装を行うと傾斜塗装での薄膜部でリンクル模様が発現し難くなる等の課題を有している。
施工現場において特定のリンクル模様塗膜を形成する方法として、実塗装の模様塗膜を形成する塗装環境及び条件と同一の環境及び条件で粘着シートに模様塗装を行い、実塗装された模様塗膜の被補修部分に貼着する模様塗膜の補修方法が開示されている。(特許文献2)しかしながら、貼着面積が広くなった場合、施工現場でゴミ、ブツ等の影響を受けずに均一に貼着することは困難な場合がある。また、補修部分の形状に合わせて模様塗装された粘着シートを切断しなければならない、実塗装された模様塗膜と模様塗装された粘着シートの境界が目立たないように貼着しなければならない、曲面等の形状に合わせてシワ等が生じないように模様塗装された粘着シートを貼着しなければならない等の課題を有している。
また、基材上に下地塗膜を設け、該下地塗膜上に模様塗膜を設けた意匠性塗膜の補修方法であって、補修部分に下地塗膜用の塗料を塗布し、該下地塗膜が乾燥硬化する前の粘着性を有する状態で、離型性シートの表面に模様塗膜が形成された模様転写シートの模様塗膜側を該下地塗膜の上に載せて押しつけ、該模様塗膜を下地塗膜上に転写して、補修部分に意匠性塗膜を形成することを特徴とする意匠性塗膜の補修方法が開示されている。(特許文献3)しかしながら、この場合、貼着面積が広くなると、下地塗膜の乾燥状態が不均一になり下地塗膜の粘着性が不均一になり模様がうまく転写できない場合がある。
特開2008−291195号公報 特開2002−102791号公報 特開平11−290769号公報
上記のように、特許文献1に記載されているような塗料組成物を用いた場合、現場施工では同じ塗料組成物を用いても工場施工で形成されるリンクル模様塗膜が形成され難い。主な原因の一つは、現場では採用可能な塗装方法が限られており、工場施工と同様な膜厚分布を得ることが困難なためである。例えば、スプレー塗装をする場合に霧状に吹き付ける必要があるため、工場施工に比べ均一な膜厚を得ることが困難であり、結果として、薄膜部で工場施工で形成されるリンクル模様は形成されない。また、ハケ塗りやローラー塗り等を行う場合にも、一度に全面を塗装することができず、隙間なく塗装するためには塗り重ねる必要があるが、重複部分が発生し、工場施工に比べ均一な膜厚を得ることが困難となる。本発明は、工場施工で形成される特定のリンクル模様塗膜と同様のリンクル塗膜模様を現場施工で形成するため、膜厚が変動しても工場施工と同様なリンクル模様を得ることができるリンクル模様塗膜の形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、工場施工で形成される特定のリンクル模様塗膜と同様のリンクル塗膜模様を現場施工で形成するリンクル模様塗膜の形成方法、及び、運搬及び施工時にリンクル模様塗膜のような模様塗膜に生じた傷等を設置現場において容易に補修できるリンクル模様塗膜の形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、工場施工において特定のリンクル模様を形成させるために用いたベース塗料A1に特定の平均粒径を有する微粒子シリカを特定量別途添加した塗料組成物A2を設置現場で用いることによって、現場施工においても容易に工場施工において形成された特定のリンクル模様が再現できることを見出した。また、運搬及び施工時にリンクル模様塗膜のような模様塗膜に生じた傷等を設置現場において容易に補修できることを見出し、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、工場施工でベース塗料A1を塗布して形成される特定のリンクル模様塗膜と同様のリンクル塗膜模様を現場施工で形成するリンクル模様塗膜の形成方法であって、前記ベース塗料A1に前記ベース塗料A1の固形分100質量部に対して0.1〜20質量部の平均粒径が0.1μm〜40μmである微粒子シリカを別途添加した塗料組成物A2をリンクル塗膜模様の対象部材の設置現場において該対象部材に塗布して加熱硬化することを特徴とするリンクル模様塗膜の形成方法に関するものである。
また、本発明は、上記塗料組成物A2をリンクル塗膜模様の対象部材の設置現場において上記対象部材にハケ塗り、および/または、スプレー塗装により塗布して加熱硬化することを特徴とするリンクル模様塗膜の形成方法に関するものである。
また、本発明は、上記ベース塗料A1において、(A)水酸基価が5〜200mgKOH/g、数平均分子量500〜20000である水酸基含有ポリエステル樹脂、(B)ヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂、(C)沸点が50〜300℃の3級アミン化合物でブロックされたブロック化スルホン酸化合物、及び、(D)(a)平均粒径40μm以下の有機樹脂粒子、(b)平均粒径100μm以下の無機質ガラス粒子、(c)平均長さ300μm以下の無機質繊維から選ばれた少なくとも1種とを含有するベース塗料A1であって、(A)成分と(B)成分との質量比が固形分で、60/40〜90/10であり、(A)成分と(B)成分との合計固形分100質量部に対して、(C)成分の含有量が固形分で0.1〜5質量部、(D)成分の含有量が固形分で1〜30質量部であることを特徴とするベース塗料A1であるリンクル模様塗膜の形成方法に関するものである。
また、本発明は、上記ベース塗料A1において、(A)水酸基価が5〜200mgKOH/g、数平均分子量500〜20,000である水酸基含有ポリエステル樹脂、(B)ヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂、(C)スルホン酸に対してモル比が0.2〜0.9である、沸点が50〜300℃の3級アミン化合物でブロックされたブロック化スルホン酸化合物、(D)(a)平均粒径40μm以下の有機樹脂粒子、(b)平均粒径100μm以下の無機質ガラス粒子、(c)平均長さ300μm以下の無機質繊維から選ばれた少なくとも1種と、(E)一般式(1)で表されるオルガノシリケート、及び一般式(2)
で表されるオルガノシリケート、前記2種のオルガノシリケートのいずれか一方若しくは両者の縮合物又は該縮合物の部分加水分解物であるシリケート化合物、及び(F)脱水剤とを含有するベース塗料A1であって、(A)成分と(B)成分との質量比が固形分で、60/40〜90/10であり、(A)成分と(B)成分との合計固形分100質量部に対して、(C)成分の含有量が固形分で0.1〜5質量部、(D)成分の含有量が固形分で1〜30質量部、(E)成分の含有量が固形分で0.5〜10質量部、(F)成分の含有量が固形分で0.1〜10質量部であることを特徴とするベース塗料A1であるリンクル模様塗膜の形成方法に関するものである。
−Si−(OR (1)
(式中、Rはフェニル基又は炭素数1〜18のアルキル基であり、Rは炭素数が1〜6のアルキル基である。)
Si−(OR (2)
(式中、Rは炭素数が1〜6のアルキル基である。)
本発明のリンクル模様塗膜の形成方法を用いれば、現場施工でも予め工場施工で形成された特定のリンクル模様塗膜を容易に再現できる。また、リンクル模様塗膜に発生した傷等を容易に補修することができる。さらに、補修部分も優れた耐汚染性を有する塗膜を得ることができる。
本発明は、少なくともベース塗料A1と微粒子シリカを含有する塗料組成物A2を、対象部材の設置現場において該対象部材に塗布し、加熱硬化させることにより、工場施工で形成される標準リンクル模様塗膜と同様のリンクル模様塗膜を形成する。なお、リンクル模様はちぢみ模様とも表現でき、光沢の抑えられた塗膜の表面状態を意味する。
ベース塗料A1は工場施工でリンクル模様塗膜を形成するために用いることのできる塗料であるが、現場施工で塗装し、加熱硬化した場合、塗装設備、温度、湿度等の塗装環境、加熱装置等の加熱条件の違いにより、塗布量、塗布された塗料の乾燥状態、硬化速度等が変動し、規定の塗布量未満の場合、または、加熱温度が低い場合等では、リンクル模様が発現しにくくなり、光沢が上がってしまい、工場施工で形成された特定のリンクル模様塗膜との違いが発生してしまう。そこで、ベース塗料A1に微粒子シリカを別途添加した塗料組成物A2を使用することにより、光沢の上昇を抑制し、工場施工で形成された特定のリンクル模様塗膜と同様に見えるようになる。なお、本明細書では、工場施工で形成された、あるいは工場施工と同様の方法で形成された標準塗膜のリンクル模様塗膜を「工場施工でベース塗料A1を塗布して形成される特定のリンクル模様塗膜」と称することがある。
本発明に使用する微粒子シリカとしては、湿式法、乾式法のいずれの方法によって製造されたものでも使用できる。また、表面をコーティングなどの処理をされたものも使用できる。
本発明に使用される微粒子シリカは、公知の微粒子シリカの中から適宜選択して使用できるが、微粒子シリカの平均粒径は、0.1〜40μmが好ましく、より好ましくは、1〜25μmである。平均粒径が0.1μmより小さいと、微粒子シリカのつやけし効果が得られず、予め工場等で形成された特定のリンクル模様塗膜を設置現場で再現できない場合がある。また、平均粒径が40μmを超えると、塗膜外観が低下する場合がある。ここで微粒子シリカとは、数十nmの一次粒子が凝集した凝集体である。
本発明に使用される微粒子シリカの添加量は、ベース塗料A1の固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部であり、好ましくは、0.2〜18質量部であり、より好ましくは、0.5〜15である。添加量が0.1質量部に満たないと、微粒子シリカの添加効果が得られず、予め工場等で形成された特定のリンクル模様塗膜を設置現場で再現できない場合がある。また、添加量が20質量部を超えると、塗膜外観が低下する場合がある。
ベース塗料A1への微粒子シリカの添加方法は、ディスパー等を使った通常の添加方法で行うことができる。例えば、ベース塗料A1をディスパーで攪拌しながら、そこへ、微粒子シリカを徐々に加えて均一に混合する。工場施工で特定のリンクル模様塗膜を形成するために用いられたベース塗料A1の残量を小分けして、施工現場において小分けしたベース塗料A1に微粒子シリカを添加することができる。施工現場でのベース塗料A1への微粒子シリカの添加は、施工現場の環境を考慮して微粒子シリカの添加量を調整できるという利点がある。また、複数の施工現場がある場合、各々の現場環境に合わせて微粒子シリカの添加量を施工現場毎に調整できるという利点がある。
本発明のベース塗料A1は、水酸基含有樹脂、メラミン樹脂、及び、アミンでブロックしたスルホン酸化合物を含有することを特徴とする塗料組成物であり、通常、工場施工で特定のリンクル模様塗膜を形成するために用いられる公知のベース塗料A1であればよい。例えば、特開昭62−174276号公報、特開昭62−205173号公報、特開平01−31875号公報、特開平05−39443号公報、特開平05−320578号公報、特開平10−195346号公報、特開平10−265732号公報、特開平11−172163号公報、特開2000−73007号公報、特開2002−146280号公報、特開2005−66440号公報、特開2008−195796号公報、特開2009−235287号公報等に記載されているリンクル模様用塗料組成物が挙げられる。
具体的には、(A)特定の水酸基含有ポリエステル樹脂、(B)ヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂、及び、(C)特定の3級アミン化合物でブロックされたブロック化スルホン酸化合物とを含有するベース塗料A1が挙げられる。
また、良好なリンクル模様の柄の形成及び柄の安定化させたベース塗料A1として、(A)特定の水酸基含有ポリエステル樹脂、(B)ヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂、(C)特定の3級アミン化合物でブロックされたブロック化スルホン酸化合物、及び、(D)特定の粒子及び/または繊維とを含有するベース塗料A1が挙げられる。
また、耐汚染性を付与したベース塗料A1として、(A)特定の水酸基含有ポリエステル樹脂、(B)ヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂、(C)特定の3級アミン化合物でブロックされたブロック化スルホン酸化合物、及び、(D)特定の粒子及び/または繊維と、(E)一般式(1)で表されるオルガノシリケート、及び一般式(2)で表されるオルガノシリケート、前記2種のオルガノシリケートのいずれか一方若しくは両者の縮合物又は該縮合物の部分加水分解物であるシリケート化合物、及び(F)脱水剤とを含有するベース塗料A1が挙げられる。
−Si−(OR (1)
(式中、Rはフェニル基又は炭素数1〜18のアルキル基であり、Rは炭素数が1〜6のアルキル基である。)
Si−(OR (2)
(式中、Rは炭素数が1〜6のアルキル基である。)
上記ベース塗料A1において、(A)成分である水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価は5〜200mgKOH/gが好ましい。水酸基価が5mgKOH/g未満では、硬化塗膜にしたとき架橋密度が低くなりすぎるため耐溶剤性能が低下する。水酸基価が200mgKOH/gを超えると、硬化塗膜にしたとき架橋密度が高くなりすぎるため、加工性が低下する。また、(A)成分である水酸基含有ポリエステル樹脂の数平均分子量は、500〜20000が好ましい。数平均分子量が500未満では、硬化塗膜にしたとき架橋密度が高くなりすぎるため、加工性が低下し、数平均分子量20000を超えると、硬化塗膜の架橋密度が低くなりすぎるため、耐溶剤性能が低下する。
(A)成分の水酸基含有ポリエステル樹脂は、直接エステル法、エステル交換法、開環重合法などの公知の方法を用いて得られる。多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合により直接エステル化法にて合成する場合、多価カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸などの二塩基酸類及びそれらの無水物類、トリメリット酸、ピロメリット酸などの三価以上の多価カルボン酸類及びそれらの無水物類などが挙げられる。また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの三価以上の多価アルコール類などが挙げられる。
(A)成分の水酸基含有ポリエステル樹脂は、また、多価カルボン酸の低級アルキルエステルと多価アルコールとのエステル交換による縮重合によっても得ることができる。さらに、(A)成分の水酸基含有ポリエステル樹脂は、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン類の開環重合によっても得ることができる。
上記ベース塗料A1において、(B)成分のヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂は、(A)成分の水酸基と反応して、架橋構造を形成する役割と、リンクル模様を塗膜に付与する役割を担っている。(B)成分のヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂は、6個のアルコキシル基を有するメチル化メラミン樹脂である。メチル化メラミン樹脂は、メラミン環の3個のアミノ基にホルムアルデヒドが付加した6個のメチロール基を有する化合物であり、(B)成分のヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂は、前記6個のメチロール基をさらにアルコキシ化した化合物である。(B)成分の末端の6個のアルキル基(ヘキサキスアルコキシル基におけるアルキル基)は、メチル基、イソプロピル基、n−ブチル基などが挙げられるが、メチル基が最も好ましい。
市販されているヘキサキスメチル化メラミン樹脂としては、サイメル300、サイメル303(商品名、日本サイテックインダストリーズ(株)製)、ニカラックMW−30(商品名、三和ケミカル(株)製)などがある。
上記ベース塗料A1において、(A)成分と(B)成分との質量比は固形分で60/40〜90/10が好ましい。(A)成分と(B)成分との質量比が固形分で60/40よりも(A)成分が少ない場合は、柔軟な樹脂成分が不足するため、十分な加工性が得られず、(A)成分が90/10よりも多い場合は、塗膜架橋成分が不十分となり耐溶剤性が低下する。
上記ベース塗料A1において、(C)成分である3級アミン化合物でブロックされたブロック化スルホン酸化合物は、スルホン酸を特定割合の3級アミン化合物の塩としたものであり、特定割合のスルホン酸の触媒としての作用を一時的にブロックしたものである。すなわちスルホン酸は(A)成分と(B)成分の反応触媒であって、反応時間を短縮し、塗膜の表面硬化と内部硬化との差を大きくして、リンクル模様を良好にするものであるが、3級アミン化合物の塩とすることにより、この触媒作用は一時的にブロックされる。
(C)成分である3級アミン化合物でブロックされたブロック化スルホン酸化合物に用いられる3級アミン化合物の沸点は、50〜300℃が好ましい。3級アミン化合物の沸点が50℃未満の場合、揮発性が高いため、塗装経時でのリンクル模様の柄安定性が低下し、300℃を超えた場合、揮発性が低いため、リンクル模様の柄の形成が困難である。
(C)成分の3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N´,N´−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−エチルピリジンなどを挙げることができる。これらは1種単独または2種以上の混合使用が可能であるが、特に、トリエチルアミンを用いることが好ましい。
(C)成分に用いられるスルホン酸としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸などが挙げられ、これらは1種単独または2種以上の混合使用が可能である。特に、パラトルエンスルホン酸が好ましい。
耐汚染性を付与するために、上記ベース塗料A1に(E)成分及び(F)成分を含有する場合は、3級アミン化合物でスルホン酸をブロックするに当り、スルホン酸に対する3級アミン化合物のモル比を0.2〜0.9とすることが好ましい。スルホン酸に対する3級アミン化合物のモル比が、0.2未満の場合、3級アミン量が不足するため、良好なリンクル模様の柄が形成出来ず、0.9を超える場合、3級アミン量が多いため、親水化剤の安定性が低下する。
上記ベース塗料A1において、(D)成分である粒子及び/または繊維は、良好なリンクル模様の柄の形成及び柄の安定化に寄与するものであり、具体的には、(a)平均粒径40μm以下の有機樹脂粒子、(b)平均粒径100μm以下の無機質ガラス粒子、(c)平均長さ300μm以下の無機質繊維から選ばれた少なくとも1種が用いられる。
(a)有機樹脂粒子の平均粒径は40μm以下が好ましい。平均粒径が40μmを超える場合は、塗膜外観が悪くなる。有機樹脂粒子の平均粒径の下限値は、通常1μm以上が好ましい。有機樹脂粒子としては、例えば、テクポリマーMBX−5、MBX−12、MBX−30(商品名、積水化成品工業(株)製)などが市販されている。
(b)無機質ガラス粒子の平均粒径は100μm以下が好ましい。平均粒径が100μmを超える場合は、塗膜外観が悪くなる。無機質ガラス粒子の平均粒径の下限値は、通常1μm以上が好ましい。無機質ガラス粒子としては、例えば、クリスタライトAA、VV−S、VX−S2(商品名、(株)龍森製)、グリーンデンシック#600、#800、#1200(商品名、昭和電工(株)製)などが市販されている。
(c)無機質繊維は、平均長さ300μm以下が好ましい。無機質繊維の平均長さが300μmを超える場合は、塗膜外観が悪くなる。無機質繊維の平均長さの下限値は、通常5μm以上が好ましい。無機質繊維の平均直径は、通常1〜40μmが好ましい。
無機質繊維としては、例えば、サーフェストランドREV1、REV4、REV8(商品名、日本板硝子(株)製)、EGP200、EGP−200−10、EFH−100−31、EFH150−31(商品名、セントラル硝子(株)製)などが市販されている。
上記ベース塗料A1において、(E)成分として用いられるシリケート化合物は、塗膜表面を親水化し、耐汚染性能を向上させるものである。(E)成分のシリケート化合物としては、一般式(1)及び一般式(2)で表されるオルガノシリケート、前記2種のオルガノシリケートのいずれか一方若しくは両者の縮合物又は該縮合物の部分加水分解物を用いる。
−Si−(OR (1)
Si−(OR (2)
一般式(1)中、Rはフェニル基又は炭素数1〜18のアルキル基であり、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜14であり、特に好ましくは1〜9である。Rで示される有機基の炭素数が18を超えたオルガノシリケート及び/又はその縮合物を用いると、塗膜にした際十分な表面配向性が得られないため塗膜表面が親水化せず、良好な耐汚染性能が得られないことがある。また、一般式(1)中のR又は一般式(2)中のRは、炭素数が1〜6のアルキル基であり、好ましくは炭素数が1〜3のアルキル基である。R又はRで示されるアルキル基の炭素数が6を超えたオルガノシリケート及び/又はその縮合物を用いると、加水分解速度が遅くなることがある。
上記一般式(1)の具体例としては、例えば、トリメトキシブチルシラン、トリメトキシエチルシランなどが挙げられる。
上記一般式(2)の具体例としては、例えばテトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシランなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上組合せて使用できる。
また、オルガノシリケートの縮合物としては、前記一般式(1)及び一般式(2)で表わされるオルガノシリケートの1種又は2種以上を縮合して得られる分枝状もしくは直鎖状の縮合物であって、縮合度が2〜100の直鎖状のものが好ましい。この縮合度が100を越えると耐汚染性の効果が小さくなり、また塗膜の加工性も低下させるので好ましくない。本発明で用いるオルガノシリケートの縮合物としては、縮合度が2〜50のものが特に好ましい。オルガノシリケートの縮合物の市販品としては、例えば、MKCシリケートMS51、MS56、MS57、MS58B15(商品名、三菱化学(株)製)、エチルシリケート40、エチルシリケート48、EMS−485(商品名、コルコート(株)製)などがある。
上記ベース塗料A1において、(C)〜(F)成分の樹脂組成物中の含有割合は、(A)成分と(B)成分との合計固形分100質量部に対して、(C)成分の含有量が固形分で0.1〜5質量部、(D)成分の含有量が固形分で1〜30質量部、(E)成分の含有量が固形分で0.5〜10質量部、(F)成分の含有量が固形分で0.1〜10質量部であることが好ましい。
(C)成分の含有量が0.1質量部未満では十分な硬化が行われず耐溶剤性が低下し、5質量部を超える場合は過剰な3級アミン化合物により、親水化剤の安定性が低下する。
(D)成分の含有量が1質量部未満では安定したリンクル模様の柄が形成できず、30質量部を超える場合は加工性が低下する。
(E)成分の含有量が0.5質量部未満では十分な表面親水化が行われないため、良好な耐汚染性能が得られず、10質量部を超える場合は耐水性能が低下する。
(F)成分の含有量が0.1質量部未満では、脱水作用が不十分であり、親水化剤の安定性が十分ではなく、10質量部を超える場合は、リンクル模様の柄安定性が得られない。
上記ベース塗料A1は、上記必須成分のほかに必要に応じて、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、黄鉛などの無機顔料;シアニングリーン、シアニンブルーなどの有機顔料;アルミニウム粉、銅粉などの金属粉末;硫酸バリウム、タルク、マイカなどの体質顔料;顔料分散剤、レベリング剤、沈降防止剤、破泡剤などの添加剤および溶剤の1種以上を含んでいてもよい。
ベース塗料A1に微粒子シリカを別途添加した塗料組成物A2は、有機溶剤を用いて塗装可能な粘度に調整した後、筆指し、タンポ塗り、ハケ塗り、ローラー塗り、スプレー塗装などの一般的な塗膜形成方法で塗装することができる。
上記塗料組成物A2は、塗装後、赤外線乾燥機、カーボン乾燥機、遠赤外線乾燥機、近赤外線乾燥機、熱風式乾燥機などで加熱硬化することができる。なお、表面温度を上昇させることができるものであれば、乾燥機に限定されるものではない。
上記塗料組成物A2を塗装して得られた塗膜の表面温度は、95〜300℃に加熱することが好ましい。より好ましくは、100℃以上250℃以下である。塗膜の表面温度が95℃未満の場合は、塗膜外観が低下する場合がある。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によってなんら制限されるものではない。
製造例1:(A)成分の水酸基含有ポリエステル樹脂の製造
ディーンスタークトラップ付きのステンレス充填材を充填した還流管、温度計、撹拌装置を装備した反応容器にイソフタル酸22.6質量部、アジピン酸12.5質量部、ネオペンチルグリコール19.0質量部、トリメチロールプロパン7.4質量部を仕込み、150℃に昇温した後、200℃まで2時間かけて昇温し、さらに、230℃まで1時間かけて昇温して、キシレン2.5質量部を加えながら、樹脂酸価が10になるまで脱水縮合反応を行い、その後反応温度を140℃まで下げ、シクロヘキサノン36.0質量部を仕込み、外観として透明な水酸基含有ポリエステル樹脂溶液を得た。得られた水酸基含有ポリエステル樹脂溶液の特性は加熱残分が60.3質量%で25℃におけるガードナー粘度がYであった。また、GPCによるポリスチレン換算分子量は数平均分子量で3,250であり、水酸基価は78mgKOH/gであった。
製造例2:(C)成分の3級アミン化合物によるブロック化スルホン酸化合物の製造
反応容器にパラトルエンスルホン酸(PTSA)の50質量%イソプロパノール溶液72質量部とトリエチルアミン(TEA、沸点89.4℃)12.7質量部とを混合後、全体が均一になるまで攪拌し、ブロック化スルホン酸化合物(TEA/PTSAモル比(理論値)=0.6)を得た。
製造例3:ベース塗料A1−1の製造
製造例1に示した水酸基含有ポリエステル樹脂を固形分で80質量部と酸化チタン80質量部と混合溶剤(ソルベッソ#100(エッソ(株)製、商品名:芳香族石油ナフサ)とシクロヘキサノンとを質量部で50/50に混合した溶剤)30質量部とをサンドミルを用いて、顔料の粒度が10μmになるまで分散した。その後、溶剤を除く各原料を固形分比で記載した表1に記載されているその他の原料をそれぞれ添加混合し、ベース塗料A1−1を得た。得られたベース塗料A1−1は、上記混合溶剤により、フォードカップNo.4(25℃)で120±10秒になるように粘度調整を行った。なお、表1に記載されている原料の配合量は質量部(固形分で表示)である。
ベース塗料A1−2、A1−3の製造
表1に記載されている原料を用いて、製造例3と同様の方法にて、ベース塗料A1−2、A1−3を得た。得られたベース塗料A1−2、A1−3は、上記混合溶剤により、フォードカップNo.4(25℃)で120±10秒になるように粘度調整を行った。
実施例1
ベース塗料(A1−1)100質量部をディスパーで攪拌しながら微粒子シリカA5質量部を徐々に加えて均一に混合し、実施例1の塗料組成物A2とした。
実施例2〜27と比較例1〜14
表2および表3に記載されているベース塗料A1と微粒子シリカをそれぞれ実施例1と同様の方法で均一に混合し、実施例2〜27および比較例1〜15の塗料組成物A2とした。なお、比較例5及び6では微粒子シリカの代わりに樹脂粒子、無機ガラス粒子をそれぞれ用いた。
標準塗膜1の作成
塗布型クロメート処理を施された板厚0.27mmのガルバリウム鋼板に、エポキシ樹脂系のプライマー(プレカラープライマー HP301、商品名、BASFジャパン(株)製)を乾燥塗膜厚が5μmになるようにロールコーターで塗装し、PMT(塗布板最高到達温度)が200℃になるような40秒間の条件で焼き付けた。次に、ベース塗料A1−1をロールコーターにて、乾燥塗膜厚が20μmとなるように塗装し、PMTが230℃になるような50秒間の条件で焼き付け、標準塗膜1とした。
標準塗膜2の作成
ベース塗料A1−2を用いて、標準塗膜1の作成と同様の方法にて、標準塗膜2を作成した。
標準塗膜3の作成
ベース塗料A1−3を用いて、標準塗膜1の作成と同様の方法にて、標準塗膜3を作成した。
試験片の作成
塗布型クロメート処理を施された板厚0.27mmのガルバリウム鋼板に、エポキシ樹脂系のプライマープレカラープライマー HP301を乾燥塗膜厚が5μmになるようにロールコーターで塗装し、PMT(塗布板最高到達温度)が200℃になるような40秒間の条件で焼き付けた。次に、実施例1〜27及び比較例1〜14の塗料組成物A2を混合溶剤(ソルベッソ#100(エッソ(株)製、商品名:芳香族石油ナフサ)とシクロヘキサノンとを質量部で50/50に混合した溶剤)により、フォードカップNo.4(25℃)で20±5秒になるように粘度調整を行い、エアースプレーにて、乾燥塗膜厚が0〜25μmとなるように傾斜塗装し、熱風乾燥炉を用いてPMTが表2及び表3に記載の温度になるような50秒間の条件で焼き付けた。評価結果を表2及び表3に示す。


表1乃至表3における注は下記のとおりである。なお、下記微粒子シリカは数十nmの一次粒子が凝集した凝集体である。
*1 微粒子シリカA: サイロイドC807、(商品名、グレースジャパン(株)製、平均粒径7μm)
*2 微粒子シリカB: SFP−20M、(商品名、デンカ(株)製、平均粒径0.3μm)
*3 微粒子シリカC: #200、(商品名、(株)丸東製、平均粒径36μm)
*4 微粒子シリカD: サイロイドC803、(商品名、グレースジャパン(株)製、平均粒径3μm)
*5 微粒子シリカE: #250、(商品名、(株)丸東、平均粒径22μm)
*6 微粒子シリカF: gicaster(43−00−501)、(商品名、コアフロント(株)製、平均粒径0.05μm)
*7 微粒子シリカG: #100、(商品名、(株)丸東製、平均粒径50μm)
*8 樹脂粒子: MBX−20、(商品名、積水化成品工業(株)製、平均粒径 20μm)
*9 無機ガラス粒子: EGB731、(商品名、ポッターズ・バロティーニ(株)製、平均粒径 20μm)(無機ガラス粒子は単独の粒子で構成され、凝集体により構成されていない)
*10 メラミン樹脂: サイメル303(ヘキサメトキシメチル化メラミン、商品名、日本サイテックインダストリーズ(株)製、固形分100質量%)
*11 脱水剤: OFE(オルソ蟻酸エチルエステル、商品名、日宝化学(株)製、固形分98質量%)
*12 シリケート化合物: MKCシリケートMS56(メチルシリケート、商品名、三菱化学(株)製)
*13 有機樹脂粒子: MBX−30(架橋ポリメタクリル酸メチル、商品名、積水化成品工業(株)製、平均粒径30μm)
*14 無機質繊維: サーフェストランドREV−4(商品名、日本板硝子(株)製、平均直径13μm、平均長さ70μm)
また、本発明の塗料組成物A2により得られる塗膜の評価は次の方法により行った。
塗膜外観
塗膜外観の評価は、試験片のリンクル塗膜の乾燥膜厚が20±1μmとなる評価部位1と5±1μmとなる評価部位2の2箇所で試験片のリンクル模様を標準塗膜のリンクル模様と比較して、次のように目視にて評価した。
◎:非常に良好(標準塗膜との目視差が小さく、目立たない)
○:良好(標準塗膜との目視差が認められるが、目立たない)
△:悪い(標準塗膜との目視差が認められ、目立つ)
×:非常に悪い(標準塗膜との目視差が大きく認められ、非常に目立つ)

Claims (4)

  1. 工場施工でベース塗料A1を塗布して形成される特定のリンクル模様塗膜と同様のリンクル塗膜模様を現場施工で形成するリンクル模様塗膜の形成方法であって、前記ベース塗料A1に前記ベース塗料A1の固形分100質量部に対して0.1〜20質量部の平均粒径が0.1μm〜40μmである微粒子シリカを別途添加した塗料組成物A2をリンクル塗膜模様の対象部材の設置現場において該対象部材に塗布して加熱硬化することを特徴とし、前記ベース塗料A1が、
    (A)水酸基価が5〜200mgKOH/g、数平均分子量500〜20000である水酸基含有ポリエステル樹脂、
    (B)ヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂、及び
    (C)沸点が50〜300℃の3級アミン化合物でブロックされたブロック化スルホン酸化合物、
    を含有し、
    (A)成分と(B)成分との質量比が固形分で、60/40〜90/10であり、(A)成分と(B)成分との合計固形分100質量部に対して、(C)成分の含有量が固形分で0.1〜5質量部であることを特徴とするベース塗料A1である、リンクル模様塗膜の形成方法。
  2. 工場施工でベース塗料A1を塗布して形成される特定のリンクル模様塗膜と同様のリンクル塗膜模様を現場施工で形成するリンクル模様塗膜の形成方法であって、前記ベース塗料A1に前記ベース塗料A1の固形分100質量部に対して0.1〜20質量部の平均粒径が0.1μm〜40μmである微粒子シリカを別途添加した塗料組成物A2をリンクル塗膜模様の対象部材の設置現場において該対象部材に塗布して加熱硬化することを特徴とし、該ベース塗料A1が、
    (A)水酸基価が5〜200mgKOH/g、数平均分子量500〜20000である水酸基含有ポリエステル樹脂、
    (B)ヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂、
    (C)沸点が50〜300℃の3級アミン化合物でブロックされたブロック化スルホン酸化合物、及び、
    (D)(a)平均粒径40μm以下の有機樹脂粒子、(b)平均粒径100μm以下の無機質ガラス粒子、(c)平均長さ300μm以下の無機質繊維から選ばれた少なくとも1種とを含有するベース塗料A1であって、
    (A)成分と(B)成分との質量比が固形分で、60/40〜90/10であり、(A)成分と(B)成分との合計固形分100質量部に対して、(C)成分の含有量が固形分で0.1〜5質量部、(D)成分の含有量が固形分で1〜30質量部であることを特徴とするベース塗料A1であるリンクル模様塗膜の形成方法。
  3. 工場施工でベース塗料A1を塗布して形成される特定のリンクル模様塗膜と同様のリンクル塗膜模様を現場施工で形成するリンクル模様塗膜の形成方法であって、前記ベース塗料A1に前記ベース塗料A1の固形分100質量部に対して0.1〜20質量部の平均粒径が0.1μm〜40μmである微粒子シリカを別途添加した塗料組成物A2をリンクル塗膜模様の対象部材の設置現場において該対象部材に塗布して加熱硬化することを特徴とし、該ベース塗料A1が、
    (A)水酸基価が5〜200mgKOH/g、数平均分子量500〜20000である水酸基含有ポリエステル樹脂、
    (B)ヘキサキスアルコキシメチル化メラミン樹脂、
    (C)スルホン酸に対してモル比が0.2〜0.9である、沸点が50〜300℃の3級アミン化合物でブロックされたブロック化スルホン酸化合物、
    (D)(a)平均粒径40μm以下の有機樹脂粒子、(b)平均粒径100μm以下の無機質ガラス粒子、(c)平均長さ300μm以下の無機質繊維から選ばれた少なくとも1種と、
    (E)一般式(1)で表されるオルガノシリケート
    −Si−(OR (1)
    (式中、Rはフェニル基又は炭素数1〜18のアルキル基であり、Rは炭素数が1〜6のアルキル基である。)、及び一般式(2)で表されるオルガノシリケート
    Si−(OR (2)
    (式中、Rは炭素数が1〜6のアルキル基である。)、前記2種のオルガノシリケートのいずれか一方若しくは両者の縮合物又は該縮合物の部分加水分解物であるシリケート化合物、及び
    (F)脱水剤
    とを含有するベース塗料A1であって、
    (A)成分と(B)成分との質量比が固形分で、60/40〜90/10であり、(A)成分と(B)成分との合計固形分100質量部に対して、(C)成分の含有量が固形分で0.1〜5質量部、(D)成分の含有量が固形分で1〜30質量部、(E)成分の含有量が固形分で0.5〜10質量部、(F)成分の含有量が固形分で0.1〜10質量部であることを特徴とするベース塗料A1であるリンクル模様塗膜の形成方法。
  4. 該塗料組成物A2をリンクル塗膜模様の対象部材の設置現場において該対象部材にハケ塗り、および/または、スプレー塗装により塗布して加熱硬化することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリンクル模様塗膜の形成方法。
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