JP6735181B2 - 冷凍加熱調理済米飯および冷凍炒め米飯の製造方法 - Google Patents

冷凍加熱調理済米飯および冷凍炒め米飯の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は冷凍加熱調理済米飯、特に冷凍炒め米飯の製造方法に関する。
冷凍食品はその保存性や利便性から、近年、需要が伸びている。塩または醤油により主として味付けされる冷凍炒飯は、通常、炒め調理した米飯を冷凍することで工業的に製造されている。しかしながら、トマトケチャップなど塩または醤油以外の調味料で味付けされる冷凍炒め米飯(例えばチキンライス)は、一定の品質や歩留まりを確保し、生産効率を向上させるために、米飯自体の炒め工程を経ずに凍結されて製造されている。例えば、特許文献1および非特許文献1には、冷凍チキンライス等の冷凍炒め米飯は米飯表面への調味液の付与と混合の調理のみで製造されており、炒め調理工程を経た商品は製造されていないことが記載されている。
特開2002−330714号公報
「米に関する調査レポートH26−3 加工米飯の動向 No.2、レトルト米飯、冷凍米飯」2014年8月22日発行)
炒め工程等の加熱調理を経ない冷凍炒め米飯は、必ずしも十分な風味が得られなかった。しかし、当該風味を増加させるため米飯に従来の調味液を混合したものを加熱調理するだけでは十分な風味が得られず、特に炒め調理においては焦げ付いてしまい、品質や生産効率の低下を生じてしまう。発明者らは、トマトケチャップなど塩または醤油以外の調味料により主として味付けされる炒め米飯(チキンライス等)の場合、調味液の脱液および焦げ付きの発生が顕著であることを見出した。以上を鑑み、本発明は香ばしい風味を有する冷凍加熱調理済米飯、特に香ばしい炒め風味を有する冷凍炒め米飯の製造方法を提供することを課題とする。
発明者らは、一般の炒飯に使用される塩または醤油を主成分とする調味液は粘度が低いがトマトケチャップ等の果肉を含む調味素材や味噌などのペースト状の調味素材を含む調味液は粘度が高いこと、粘度が高い調味液を使用する場合、特定の粘度範囲でないと米飯と混合したときに米飯からの脱液が多くなりこの脱液のために、風味が不十分となったり焦げ付きが発生したりする、という知見を得て、本発明を完成した。すなわち、前記課題は以下の本発明により解決される。
[1]B型粘度計によって80℃、20rpmで測定した粘度が50〜180cPである調味液を用いた、冷凍炒め米飯の製造方法。
[2]B型粘度計によって80℃、20rpmで測定した粘度が50〜180cPである調味液と炊飯した米飯とを混合する工程、
前記混合物を炒め調理して炒め米飯を得る工程、および
前記炒め米飯を冷凍する工程
を含む[1]に記載の製造方法。
[3]前記炒め工程における炒め温度が130〜200℃である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]前記炒め工程を、生米1000g重量当たり7〜15重量%の油脂を加えて行う、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記粘度が80〜160cPである、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]B型粘度計によって80℃、20rpmで測定した粘度が50〜180cPである調味液を用いた、冷凍加熱調理済米飯の製造方法
本発明により、香ばしい風味を有する冷凍加熱調理済米飯、特に香ばしい炒め風味を有する冷凍炒め米飯の製造方法が提供できる。
調味液の粘度と脱液量の関係を示す図 調味液の粘度と焦げやすさの関係を示す図
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる調味液よりも粘度が低い調味液を用い炒め調理を経て製造される従来の冷凍炒飯等を「低粘度タイプ冷凍炒め米飯」と、調味液を混合するだけで炒め工程を経ずに製造された冷凍炒め米飯を「混合タイプ冷凍炒め米飯」という。また、本発明において「X〜Y」との記載はその端値すなわちXおよびYを含む。
1.製造方法
本発明の製造方法は、B型粘度計によって80℃、20rpmで測定した粘度が50〜180cPの調味液を用いる。当該粘度を有する調味液は米飯と混合した際に脱液しにくく調味液を無駄にすることなく有効に使用することができ、さらに炒め調理の際に焦げ付きが発生しにくい。したがって本発明は、炊飯した米飯を炒め調理する工程で当該調味液と当該米飯と混合してよいが、当該調味液と炊飯した米飯とを混合する工程、前記混合物を加熱調理(特に炒め調理)して加熱調理済米飯(特に炒め米飯)を得る工程、および前記調理済米飯を冷凍する工程を含む方法においてより顕著な効果を奏する。以下当該方法を説明する。
(1)混合工程
炊飯した米飯とは、炊飯器や蒸し器等を用いて生米を炊飯または蒸して得られる米飯である。以下、炊飯した米飯を単に米飯ともいう。炊飯等の方法は定法に従って行えばよい。通常は、生米を水に浸漬した後に炊飯等を行う。
調味液(便宜上「炒め調味液」ともいう)とは加熱調理工程の前に味付けのために用いる液であり、本発明では炊飯した米飯に混合される。調味液は、調味成分として砂糖、醤油、塩、発酵調味料、各種エキス、トマトケチャップ、トマトソース、ウスターソース、オイスターソース、チリソース、味噌、コチュジャン、香辛料等の通常使用される調味素材、ならびに調味および粘度調整のための水や酒等の低粘度成分を含む。また調味液は加熱調理のための油脂、着色のための色素を含んでいてもよい。本発明においてはトマトケチャップ等の果肉を多く含む調味素材や味噌およびコチュジャンなどのペースト状の調味素材を含む調味液のように粘度が高い調味液を用いる場合において、顕著な効果を奏する。
本発明で用いる調味液の粘度はB型粘度計を用いて、80℃、20rpmで測定した粘度が50〜180cP(センチポイズ)であり、好ましくは80〜160cP、より好ましくは80〜150cP、さらに好ましくは80〜140cPである。B型粘度計は、適した粘度に合わせて用いることができ、BH型回転粘度計であってもよく、例えば、TOKIMEC製VISCOMETERを使用できる。粘度がこの範囲であると良好な風味を与えることができ、さらに炒め調理の場合には焦げ付きを防止することができる。この理由は限定されないが、粘度がこの範囲である調味液は炊飯した米飯に付着または吸収されやすいので脱液しにくく、その結果、加熱調理機内で調味液が遊離して存在しにくいためと推察される。したがって、粘度が前記上限値を上回ると脱液が多くなって風味を損ない、かつ炒め調理の場合には焦げ付きが発生する。一方、粘度が前記下限値を下回ると調味液中の調味素材の濃度が低下するので、味付けが十分でなくなる。さらに調味液中の低粘度成分が米飯に過度に浸透するので、香ばしい炒め感や米のほどよいしっとり感が得られにくくなる。これに加えて、調味液の脱液を減じることができるので調味液を無駄にすることなく有効に使用できるという効果も奏する。
調味液の粘度は、主たる調味素材の量と粘度を調製するための低粘度成分との配合量で調製できる。例えば、炒めチキンライス用の調味液は、調味液中にトマトケチャップを10〜40重量%含むことが好ましい。トマトケチャップの量がこの範囲であると、前記粘度を達成できかつ完成品の味の品質が向上する。
調味液の量は生米1000gに対して20〜30重量%が好ましい。生米とは、調理していない米であって、水等の液体に浸漬していない米である。よって、炊飯前に生米を水等に浸漬する場合は、調味液の基準となる前記生米は浸漬前の生米である。
調味液と米飯との混合は、例えば、80℃以上に加熱した米飯と80℃程度に加熱した調味液を混合することにより行う。加熱は任意の装置を使用して実施できる。炊飯後の熱い米飯を用いると80℃以上に加熱された米飯を容易に準備できる。混合にはミキサーや撹拌機等の公知の装置を使用できる。混合時間は、混合の度合いにより適宜調整される。
(2)加熱調理工程
本工程では、前工程で準備した米飯と調味液の混合物の加熱調理を行う。加熱調理の方法として、炒め調理、過加熱水蒸気による加熱調理、蒸し調理が挙げられるが、炒め調理が好ましい。以下、炒め調理を例にして説明する。
炒め調理には油脂を用いてよい。油脂とは炒め油であり、食用油として用いられるものであれば限定されない。好ましい油脂の例としては、菜種油、大豆油、パーム油、コーン油、オリーブ油、ゴマ油、ベニバナ油、ヒマワリ油、綿実油、米油、ヤシ油などの植物油脂、牛脂、豚油等の動物油、これらの油にエステル交換、水素添加、硬化等の処理をした加工油脂、これらの組合せが挙げられる。米飯に油脂が均一にまぶされるように、前記混合物に油脂を噴霧する等して添加することが好ましい。
油脂の量は、生米1000gに対して、7〜15重量%が好ましく、8〜15重量%がより好ましく、8〜13重量%がさらに好ましく、8〜12重量%がよりさらに好ましい。前述のとおり調味液が油脂を含む場合もある。また、製品の見た目を良好にするために米飯を着色液に浸漬する場合があるが、この際、当該着色液は油脂を含んでいてもよい。このように他の液が油脂を含む場合は、これらの液中の油脂の量との合計が前記範囲になるように調整される。
炒め調理は、フライパンやバッチ式炒め装置、連続炒め装置などを用いて実施できる。本発明は、連続炒め装置を用いた工業的製造において特に好ましく実施することができる。工業的製造とは好ましくは100kg/h以上のスケール、より好ましくは500kg/h以上のスケールでの製造をいう。当該スケールの上限は装置の容量によって決定されるので一概にはいえないが10t/h以下程度である。連続炒め装置としては、ロータリー式加熱ドラムを備えた装置が好ましい。特に本発明は、大型の連続炒め装置を用いた場合に効果が顕著となる。
炒め温度(実測値)は130〜220℃としてよいが、下限は140℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。上限は200℃以下が好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下がよりさらに好ましい。実測値とは、炒め装置において食材を加熱する部位(フライパン、連続炒め装置の場合はロータリーパン等)の表面温度を測定して得られる値である。一般に、粘度の低い調味液を用いる「低粘度タイプ冷凍炒め米飯」は、好ましい炒め食感を得るために250℃以上の高い炒め温度が必要である。しかし、本発明では炒め温度が200℃以下と低くても香ばしい炒め食感を得ることができる。この理由は限定されないが、本発明で用いるトマトケチャップ等の果肉を多く含む調味素材を含む調味液は米飯への付着が良好であるので、炒め工程において速やかに当該調味素材の膜(例えば果肉を主成分とする膜)が米飯表面に形成され、米飯内部からの水分の蒸発が阻害されるためではないかと推察される。
前記温度で実施される炒め調理(以下単に「炒め調理」ともいう)の前に、より低い温度で実施される予備的炒め調理を行ってもよい。予備的炒め調理は105℃以上130℃未満(実測値)で行うことが好ましい。予備的炒め調理により、米飯と油脂と調味液を効率よく混合できるので、優れた品質の炒め米飯を製造できる。連続炒め装置を用いて連続的に炒め工程を実施する場合は、装置の上流側で予備的炒め調理を行い、中流から下流にかけて炒め調理を行うことが好ましい。フライパン等を用いて、または、バッチ式で炒め工程を実施する場合は、最初に予備的炒め調理を行い、その後炒め調理を行うことが好ましい。
また別の態様においては、炒め調理を140〜160℃(実測値)の範囲で行い、その後に、より低い温度で実施される仕上げ炒め調理を行ってもよい。仕上げ炒め調理は105以上13℃未満(実測値)で行うことが好ましい。連続炒め装置を用いる場合は、装置の上流から中流にかけて炒め調理を行い、下流において仕上げ炒め調理を行うことが好ましい。連続炒め装置の投入口から排出口の長さをLとしたとき、上流とは0以上1/3L未満の範囲を、中流とは1/3L以上2/3L未満の範囲を、下流とは2/3L〜Lの範囲をいう。
炒め時間は炒め調理の進行度合いにより適宜調整される。連続炒め装置を用いる場合、炒め時間は0.5〜2分であることが好ましく、0.8〜1.2分がより好ましい。
本発明の炒め米飯には、具材として通常使われる、鶏肉、豚肉、牛肉等の肉類、魚や貝類等の魚介類、タマネギ、グリーンピース、コーン等の野菜類、マッシュルーム等のキノコ類等を添加できる。具材は、米飯とともに炒め工程に供してもよいが、別途調理した後、炒め工程を経た米飯と混合することがより好ましい。
(3)冷凍工程
本工程では、前工程で得た炒め米飯を冷凍する。冷凍する方法は特に限定されず、機械式の冷凍装置やドライアイス等を使用した冷凍装置を使用して実施できる。例えば、ほぐしながら撹拌する冷凍工程を行うことにより、炒め飯をバラ状に凍結させることもできる。
2.冷凍炒め米飯
本発明で得られた冷凍炒め米飯は、電子レンジ等により加熱して喫食される。前述のとおり、本発明の冷凍された炒め米飯は、喫食時に香ばしい炒め食感を有する。本発明の冷凍炒め米飯は、冷凍チキンライス、冷凍ピラフ、冷凍ドライカレー、冷凍ビビンバ、冷凍ジャンバラヤ、または冷凍ナシゴレンであってよい。限定されないが、炒めチキンライスを製造した後、スパイス等を加えることによって、炒め感のあるドライカレーを製造することができる。また、当業者であれば、調味液に使われる調味素材を適宜変更することにより、これらの炒め米飯を得ることができる。
実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[製造例1]炒め調味液の粘度測定
炒め調味液の粘度と米飯に混合した後の脱液量との関係を調べるために、ケチャップをベースとした調味液A、B、C、Dを調製した。具体的に、業務用ケチャップ(カゴメ株式会社製)を約85℃まで加熱し、加熱したケチャップと約80℃の湯を表1に示す割合で混合し、均一になるように撹拌した。得られた調味液について、BH型回転粘度計(TOKIMEC製VISCOMETER)を使用して80℃での粘度の測定を行った。測定において、No.1のローターを使用し回転数を20rpmとした。しかし、湯を加えなかった調味液Dについては、この方法では粘度を測定できなかったため、No.2のローターを使用し、回転数を2rpmとして測定した。
比較のため、炒め工程を経ない冷凍チキンライス(「混合タイプ冷凍炒め米飯」に相当)に使用されている調味液E、F、Gを準備し、同様にして粘度を測定した。調味液Eは、テーブルマーク株式会社製の従来品に使用されており、トマトケチャップ、トマトペースト、および水を主として含む調味液であり、トマトケチャップおよびトマトペーストの合計量は調味液中7.3重量%である。また、調味液F(株式会社田中食品興業所製、チキンライス用ベースHO)、G(株式会社田中食品興業所製、チキンライス用ベースGF)も調味液Eと同様の組成を有する。さらに、醤油を主たる調味素材として含む冷凍炒飯(テーブルマーク株式会社製、「低粘度タイプ冷凍炒め米飯」に相当)に使用している調味液Hについても粘度を測定した。調味液の粘度測定結果を表1に示す。
[製造例2]炒め調味液の粘度と脱液量
生米300gを11分蒸した後、色素、油脂および下味エキスを含む着色液に2分30秒浸漬し、再度11分間蒸らして炊飯を行った。
製造例1で調製した各調味液を約80℃に加熱した。炊飯した米飯をボールに移し、加熱した調味液150gを当該米飯に添加して7秒程度、ボールを用いて混合撹拌した。この米飯を2mmメッシュの篩に移して、さらに篩を別のボールの上に置いた。篩を手で叩いて10回の振動を与えた後、再度篩上にて米飯を撹拌した。その後、更に篩に10回の振動を与えてボールに落ちた液量を観察した。結果を図1に示す。この結果から、粘度が200cP以上の調味液を用いた場合、米飯に十分に吸収されずに脱液してしまうことが明らかとなった。
[実施例1]炒めチキンライスの連続炒め製造
製造例2の結果から、炒め調味液の粘度として120cPを採用し、加熱された筒状ドラム内で食材を連続的に炒めることのできる食品連続炒め装置を用いて、炒めチキンライスの製造を行った。チキンライスとは主にケチャップで味付けされた炒め米飯であり、通常は調理された鶏肉や玉葱などを具材として含む。本例では簡略化のため、具材は用いなかった。
表2に示す組成の調味液(前記条件で測定した粘度は120cPである)および調味油を調製した。浸漬前の生米1000gを基準とし、約5重量%着色液および約24.2重量%の調味液を、炊飯した米飯に加えて混合撹拌し、混合物を搬送ベルトに載せた。さらに浸漬前の生米1000gを基準として約7.8重量%の調味油を前記混合物に噴霧し、これを加熱ロータリードラムへと連続的に投入して、炒め工程を実施した。この炒め工程に供されたトータルの油脂の量は生米1000gを基準として約8.9重量%であった。装置の上流側での炒め温度150〜200℃(実測値)とし、中流以降での炒め温度を、「低粘度タイプ冷凍炒め米飯」の製造に採用されている温度と同様に200〜220℃(実測値)として、炒め調理を行った。また、ドラム内で炒め工程に供される時間は、約1分とした。その結果、炒め開始からしばらくの間、焦げ付きは見られなかったが、15分を経過するとロータリー板の表面に帯状の膜が生じ始め、次第に焦げが発生した。時間の経過とともに焦げ付きが発生したものの、既存の調味液Eを用いた場合に比べて焦げ付きの発生は格段に低減された。
[実施例2]炒めチキンライスの連続炒め製造
実施例1の条件では、従来に比べて大幅な改善が見られたものの時間経過と共に若干の焦げ付きが見られたため、炒め温度を下げて炒めチキンライスを製造した。すなわち、装置の上流側で予備的炒め調理を105〜130℃(実測値)で行い、中流以降で炒め調理を150〜180℃(実測値)で行った以外は、実施例1と同様にして炒めチキンライスを製造した。その結果、時間経過とともにロータリー板の入り口付近に調味液の膜が観察されたものの、焦げ付きは殆ど発生しなかった。
[実施例3]炒めチキンライスの連続炒め製造
実施例2では焦げ付きは殆ど見られなかったものの、ロータリー板の入り口に調味液の膜が見られたため、これを防ぐために調味油の量を増やして試作を行った。すなわち、調味油の量を約8.83重量%(生米1000g基準)とした以外は実施例2と同じにして、炒めチキンライスを製造した。本例における炒め工程に供されたトータルの油脂の量は生米1000gに対して、約9.9重量%であった。炒め調理を開始してから40分経過しても、焦げはほとんど発生しなかった。本例で使用した調味油の量は、炒め調理を経ずに製造される製品に使用される量の約190%と多量であり、炒め温度も粘度の低い調味液を使用する「低粘度タイプ冷凍炒め米飯」で採用されている温度(200℃〜250℃(実測値))よりも大幅に低い。しかしながら、本例で製造された炒めチキンライスは、油っぽさは感じられず香ばしい炒め風味が十分に感じられる高品質のものであった。
以上から、本発明により、工業的な連続炒め製造においても焦げ付きを抑制し、かつ高品質な炒めチキンライスが得られることが明らかである。この効果は、炒め温度を150〜180℃、生米重量1000gに対する油脂の量を7〜15重量%とするとより顕著になることも明らかである。
[実施例4]炒めチキンライスの連続炒め製造
実施例1〜3では、装置の上流側で予備的炒め調理を行い、中流以降で炒め調理を行った。本実施例では、装置の上流側から中流にかけて炒め調理を140〜160℃で行い、下流で炒め温度を下げた仕上げ炒め調理を105〜130℃で行って炒めチキンライスを製造した。温度条件以外は、実施例1と同様にした。その結果、炒め調理を開始してから40分経過しても、焦げはほとんど発生しなかった。本例で製造された炒めチキンライスは、油っぽさは感じられず香ばしい炒め風味が十分に感じられる高品質のものであった。
[実施例5]炒め調味液の粘度と焦げやすさ
炒め調味液の粘度と焦げやすさの関係を調べるためにケチャップをベースとし、粘度を140cP、200cPに調整した炒め調味液を調製した(表3)。具体的には、加熱して約130℃(実測値)としたフライパンに60gの調味液を供し、弱火にて約2分間加熱を続け、各調味液の変化を観察した。2分間加熱後、フライパンの温度は約170℃(実測値)となっていた。結果を図2に示す。200cPの調味液は水分が蒸発し、調味液全体が焦げ付いていた。これに対し140cPの調味液では端部でやや水分が蒸発して膜が生じたものの、全体としてほとんど焦げ付きには至らなかった。この結果から、粘度が200cPの調味液が鉄板上で130〜170℃の温度で加熱された場合、2分程度で焦げ付いてしまうことが確認された。調味液がフライパン上で加熱された場合、粘度が低いと対流が起こりやすく局部的な過熱を回避できるが、粘度が高い場合は対流が起こりにくく局部的な過熱が生じるので焦げ付きやすいと推察された。したがって、本実施例と製造例2の結果から、粘度200cP以上の調味液を用いて炒め温度130〜220℃で炒め米飯を製造した場合、調味液の一部が米飯に吸収されず脱液し、これが加熱され焦げ付きとなることが明らかとなった。
[実施例6]炒め調味液の粘度が炒めチキンライスの食味に及ぼす影響
炒め調味液の粘度が炒めチキンライスの食味に及ぼす影響を確認するために、粘度が30cP、50cP、140cPとなるように配合を調整した炒め調味液(表4)を調製し、炒めチキンライスを製造した。本例では簡略化のため、具材は用いなかった。
生米300gを水に浸漬後、炊飯した。浸漬前の生米300gに対して約25重量%となるように75gの調味液を炊飯した米に加えて混合撹拌した。さらに浸漬前の生米300gに対してトータルの油脂量が約12重量%となるように調味油(菜種油、乳化油脂、シーズニングオイルの混合油)を添加した。これらをフライパンを用いて120〜180℃(実測値)の加熱条件で約1分間炒め調理した。得られた炒めチキンライスを常温で60分間放置した後、十分に訓練されたパネル3名による官能評価試験に供した。食味は炒めチキンライスとして十分な食味であるものを「◎」、食味がやや薄いが製品としての水準は満たしているものを「〇」、食味が弱く製品としての水準を満たさないものを「×」とした。結果を表5に示した。50cP、140cPの調味液を使用した炒めチキンライスは製品として必要な食味を満たしており、特に140cPのものはトマトの旨味・酸味などが十分に感じられ高い評価であった。これに対し、30cPのものは食味が薄く製品としての水準を満たさないものであった。

Claims (6)

  1. B型粘度計によって80℃、20rpmで測定した粘度が50〜180cPである調味液を用いた、冷凍炒め米飯の製造方法。
  2. B型粘度計によって80℃、20rpmで測定した粘度が50〜180cPである調味液と炊飯した米飯とを混合する工程、
    前記混合物を炒め調理して炒め米飯を得る工程、および
    前記炒め米飯を冷凍する工程
    を含む請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記炒め工程における炒め温度が130〜200℃である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記炒め工程を、生米1000g重量当たり7〜15重量%の油脂を加えて行う、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記粘度が80〜160cPである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. B型粘度計によって80℃、20rpmで測定した粘度が50〜180cPである調味液を用いた、冷凍加熱調理済米飯の製造方法。
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