JP6735099B2 - 蓄電装置 - Google Patents

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Description

本発明の一態様は、電極、蓄電装置及び電子機器に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様は、物、方法、又は製造方法に関する。本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、又は、それらの製造方法を一例として挙げることができる。
なお、本明細書において電子機器とは、電気によって駆動する装置全般を指し、電気光学装置、および情報端末装置などは全て電子機器である。電子機器は二次電池を内蔵する場合がある。なお、ここで内蔵という定義は、取り外して交換できないように内蔵することは言うまでもなく、バッテリーパックなどとして自由に取り外しできるものも内蔵と呼ぶ。
近年、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、空気電池等、種々の蓄電装置の開発が盛んに行われている。特に高出力、高エネルギー密度であるリチウムイオン二次電池は、携帯電話やスマートフォン、ノート型コンピュータ等の携帯情報端末、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ等の電子機器、あるいは医療機器、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、またはプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車など、半導体産業の発展と併せて急速にその需要が拡大し、充電可能なエネルギーの供給源として現代の情報化社会に不可欠なものとなっている。
また、使用者が体に身につけて使用するウェアラブルデバイスの開発が盛んに行われている。使用者がより快適に使用するために、ウェアラブルデバイスは、湾曲した形状を有するか、可撓性を有するものが多い。また、このようなウェアラブルデバイスに搭載するために、湾曲した形状を有するか、可撓性を有している二次電池の開発が行われている。
例えば、特許文献1には、少なくとも一軸方向に湾曲することのできるシート状の蓄電装置と、該蓄電装置を搭載した電子デバイスが開示されている。
特開2013−211262号公報
多くの二次電池では容量を増大させるために、複数の正極および複数の負極が積層されている。このような二次電池を湾曲させると、二次電池の容量およびサイクル特性が悪化する傾向がある。
本発明の一態様は、可撓性を有する蓄電装置を提供することを課題とする。また、本発明の一態様は、湾曲させても容量及びサイクル特性が悪化しにくい蓄電装置を提供することを課題とする。また、可撓性を有する蓄電装置を有する電子機器を提供することを課題とする。
または、本発明の一態様は、新規な電極、新規な二次電池、新規な蓄電装置などを提供することを課題とする。なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、集電体と、活物質層と、摩擦層とを有し、集電体の一方の面に、活物質層を有し、集電体の他方の面に、摩擦層を有する電極である。
上記構成の電極において、摩擦層の表面に働く摩擦力は、集電体の表面に働く摩擦力よりも小さいとより好ましい。また、上記構成の電極において、摩擦層は、無機膜を有していてもよい。また、上記構成において、摩擦層は、有機膜を有していてもよい。また、有機膜はフッ素樹脂を有していてもよい。
また、本発明の一態様は、第1の電極と、第2の電極と、電解液とを有し、第1の電極は、上記構成の電極であり、第1の電極は、正極および負極のいずれか一方として動作させることができる機能を有し、第2の電極は、正極および負極のいずれか他方として動作させることができる機能を有する蓄電装置である。
また、上記構成の蓄電装置において、第1の電極は、第1の部分と、第2の部分とを有し、第1の部分と、第2の部分とは、それぞれ、集電体と、活物質層と、摩擦層と、を含み、第1の部分と、第2の部分とが重なり、第1の部分に含まれる摩擦層と、第2の部分に含まれる摩擦層とが、互いに接してもよい。
また、上記構成の蓄電装置において、第1の部分に含まれる摩擦層と、第2の部分に含まれる摩擦層との間の静摩擦係数は、第1の部分に含まれる集電体と、第2の部分に含まれる集電体との間の静摩擦係数より小さくてもよい。
また、上記構成の蓄電装置において、第1の電極は、第1の部分と、第2の部分を有し、第1の部分は、集電体と、活物質層とを含み、第2の部分は、集電体と、活物質層と、摩擦層とを含み、第1の部分と第2の部分が重なり、第1の部分に含まれる集電体と、第2の部分に含まれる摩擦層とが、互いに接してもよい。
また、上記構成の蓄電装置において、第1の部分に含まれる集電体と、第2の部分に含まれる摩擦層との間の静摩擦係数は、第1の部分に含まれる集電体と、第2の部分に含まれる集電体との間の静摩擦係数より小さくてもよい。
また、上記各構成の蓄電装置において、第2の電極は、上記構成の電極であってもよい。
また、上記構成の蓄電装置において、第2の電極は、第3の部分と、第4の部分を有し、第3の部分と、第4の部分は、それぞれ、集電体と、活物質層と、摩擦層と、を含み、第3の部分と第4の部分が重なり、第3の部分に含まれる摩擦層と、第4の部分に含まれる摩擦層とが、互いに接してもよい。
また、上記構成の蓄電装置において、第3の部分に含まれる摩擦層と、第4の部分に含まれる摩擦層との間の静摩擦係数は、第3の部分に含まれる集電体と、第4の部分に含まれる集電体との間の静摩擦係数より小さくてもよい。
また、上記構成の蓄電装置において、第2の電極は、第3の部分と、第4の部分を有し、第3の部分は、集電体と、活物質層とを含み、第4の部分は、集電体と、活物質層と、摩擦層とを含み、第3の部分と第4の部分が重なり、第3の部分に含まれる集電体と、第4の部分に含まれる摩擦層とが、互いに接してもよい。
また、上記構成の蓄電装置において、第3の部分に含まれる集電体と、第4の部分に含まれる摩擦層との間の静摩擦係数は、第3の部分に含まれる集電体と、第4の部分に含まれる集電体との間の静摩擦係数より小さくてもよい。
また、上記各構成の蓄電装置は、第1の電極と、第2の電極との間に挟まれるセパレータを有していてもよい。また、上記各構成の蓄電装置において、第1の電極の有する摩擦層と、セパレータが接し、第1の電極の有する摩擦層と、セパレータとの間の静摩擦係数は、第1の電極の有する集電体と、セパレータとの間の静摩擦係数よりも小さくてもよい。
また、上記各構成の蓄電装置は、捲回型であってもよい。また上記各構成の蓄電装置は、蛇腹型であってもよい。また、上記各構成の蓄電装置は、可撓性を有する外装体を有し、可撓性を有する外装体は、第1の電極、第2の電極及び電解液を囲んでいてもよい。
また、本発明の一態様は、第1の電極と、第2の電極と、第3の電極と、第4の電極と電解液と、を有し、第1の電極及び第2の電極は、それぞれ、上記各構成の電極であって、第3の電極及び第4の電極は、それぞれ、活物質層と集電体を重ねて有し、第1の電極及び第2の電極は、正極および負極のいずれか一方として動作させることができる機能を有し、第3の電極及び第4の電極は、正極および負極のいずれか他方として動作させることができる機能を有し、第1の電極の有する摩擦層は、第2の電極の有する摩擦層と接し、第1の電極の活物質層を有する面は、第3の電極の活物質層を有する面と対向し、第2の電極の活物質層を有する面は、第4の電極の活物質層を有する面と対向する蓄電装置である。
上記構成の蓄電装置において、第1の電極の有する摩擦層と、第2の電極の有する摩擦層の間の静摩擦係数が、第1の電極の有する集電体と、第2の電極の有する集電体の間の静摩擦係数よりも小さくてもよい。
また、上記各構成の蓄電装置は、可撓性を有する外装体を有し、可撓性を有する外装体は、第1の電極、第2の電極、第3の電極、第4の電極及び電解液を囲んでいてもよい。
また、上記各構成の蓄電装置において、可撓性を有する外装体は、フィルムを有していてもよい。
また、上記各構成の蓄電装置は、可撓性を有していてもよい。
また、本発明の一態様は、上記各構成の蓄電装置と、湾曲部を有する筐体、または湾曲部を有する表示部を有する電子機器である。また、本発明の一態様は、上記各構成の蓄電装置と、可撓性を有する筐体、または可撓性を有する表示部を有する電子機器である。
本発明の一態様により、蓄電装置が有する電極を保護することができる。また、本発明の一態様により、電極の破損を防ぐことができる。また、本発明の一態様により、電極の表面と、他の部品が接触する際に、接触面に働く摩擦力を小さくすることができる。また、本発明の一態様により、可撓性を有する蓄電装置を湾曲させるときに生じる、電極と電極、電極とセパレータ、または電極と外装体が接する際に、それらの接触面に働く摩擦力を小さくすることで、湾曲の内径と外径の差に起因する応力を逃がしやすくすることができる。これにより、蓄電装置を湾曲させる際に、電極の湾曲が局所的に強くなることにより、電極が損傷するのを防ぐことができる。また、蓄電装置を湾曲させる際に、電極において局所的に湾曲が強くなる部分と、あまり湾曲しない部分が生じるのを抑制することができる。また、正極と負極の間の距離のばらつきを抑制することができる。また、湾曲による蓄電装置の容量の低下や劣化を抑制することができる。
また、本発明の一態様は、可撓性を有する蓄電装置を提供することができる。また、本発明の一態様は、可撓性を有する蓄電装置を有する電子機器を提供することができる。
また、新規な電極、新規な電子デバイス、新規な電子機器、新規な二次電池、または新規な蓄電装置を提供することができる。なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
本発明の一態様の電極を説明する図。 本発明の一態様の二次電池を説明する図。 本発明の一態様の二次電池が有する積層体を説明する図。 本発明の一態様の二次電池が有する積層体を説明する図。 本発明の一態様の二次電池が有する積層体を説明する図。 本発明の一態様の二次電池が有する積層体を説明する図。 本発明の一態様の二次電池が有する積層体を説明する図。 本発明の一態様の二次電池が有する積層体を説明する図。 本発明の一態様の二次電池が有する積層体を説明する図。 本発明の一態様の二次電池が有する積層体を説明する図。 本発明の一態様の二次電池が有する積層体を説明する図。 本発明の一態様の二次電池が有する積層体を説明する図。 本発明の一態様の二次電池を説明する図。 本発明の一態様の二次電池の製造方法を説明する図。 本発明の一態様の二次電池の製造方法を説明する図。 本発明の一態様の二次電池の製造方法を説明する図。 本発明の一態様の二次電池の製造方法を説明する図。 本発明の一態様の二次電池の製造方法を説明する図。 本発明の一態様の二次電池の製造方法を説明する図。 本発明の一態様の電子機器を説明する図。 本発明の一態様の電子機器を説明する図。 本発明の一態様の電子機器を説明する図。 本発明の一態様の電子機器を説明する図。 本発明の一態様の電子機器を説明する図。 本発明の一態様の電子機器を説明する図。 本発明の一態様の電子機器を説明する図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限はない。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、図1を用いて、本発明の一態様に係る電極の構成について、説明する。
図1に示す電極21は、シート状の集電体11を有し、集電体11の一方の面に活物質層12が設けられ、集電体11の他方の面に接する摩擦層13が設けられる。
摩擦層13の表面と、摩擦層13に接する他の面との接触面に働く摩擦力が、集電体11の表面と、集電体11に接する他の面との接触面に働く摩擦力より小さいと好ましい。具体的には、摩擦層13と、摩擦層13に接する他の面との間の静摩擦係数が0.6以下であれば好ましく、0.2以下であればより好ましく、0.05以下であるとさらに好ましい。
また、集電体11を摩擦層13で覆うことにより、集電体11を保護し、亀裂等の発生を抑制することができる。
摩擦層13の表面粗さを小さくすることで、摩擦層13の表面と、摩擦層13に接する他の面との接触面に働く摩擦力を小さくすることができ、より好ましい。具体的には、摩擦層13の表面の少なくとも一部における算術的平均粗さRaが、1μm以下であれば好ましく、0.5μm以下であればより好ましい。摩擦層13の算術的平均粗さRaは、触針式表面形状測定器または原子間力顕微鏡(AFM)等を用いた測定により求めることができる。
また、摩擦層13は、破断しにくいと好ましい。例えば、引張応力を与えて破断させる試験を行うとき、破断する直前の伸び率が5%以上である材料を、摩擦層13として用いると好ましく、また、破断する直前の伸び率が10%以上である材料を、摩擦層13として用いるとより好ましい。
また場合によっては、摩擦層13として、劈開性のある材料を用いることにより、集電体11の表面に潤滑性を付与してもよい。
集電体11を摩擦層13で覆うことにより、可撓性を有する二次電池を湾曲させるとき、電極21と周辺部材との接触面に働く摩擦力を小さくすることができる。ここで、周辺部材とは、可撓性を有する二次電池において、電極21と接触する可能性のある部材のことであり、例えば、外装体、セパレータ、他の電極が挙げられる。
また、集電体11を摩擦層13で覆うことにより、電極21を屈曲させるときに電極21の表面の一部と、他の一部が接触するとき、その接触面に働く摩擦力を小さくすることができる。
なお、本明細書において、摩擦層の表面と、他の部材との接触面に働く摩擦力のことを、摩擦層の表面に働く摩擦力と呼ぶ。また、本明細書において、部材間の接触面に働く摩擦力が小さいとは、部材間の静摩擦係数が小さいことを示すことがある。
本明細書等における静摩擦係数は、傾斜法による測定や、直線摺動式試験機を用いた測定により求めることができる。
また、本明細書等における静摩擦係数は、以下のように求めることができる。例として、試料Aと試料Bとの間の静摩擦係数の測定方法を以下に説明する。まず平らで水平なガラス板の上に、試料Aと、試料Bとをのせる。その上に平らな板と重りをのせる。試料Aをガラス板に固定し、試料Bに荷重試験機をつけて、荷重試験機を例えば約1mm/秒で水平に引っ張る。試料Bが1cm動くまでの間の荷重の最大値を測定し、この測定値を最大摩擦力とする。最大摩擦力をFとし、平らな板、重り及び試料Bの荷重による相手材に対する垂直抗力をNとするとき、静摩擦係数μは、μ=N/Fで求めることができる。
なお、試料Aと、試料Bとの接触面に液が存在すると、試料Aと試料Bとの間の静摩擦係数は小さくなることがある。二次電池として使用する際に、電解液が存在する可能性がある接触面について静摩擦係数の測定をする場合には、試料Aと、試料Bとの間に電解液を供給してから測定を行ってもよい。また、二次電池において、例えばゲル状の電解液を用いる場合等には、接触面に電解液が供給されにくいことがある。このような二次電池に用いる電極について、接触面の静摩擦係数の測定を行う場合には、試料Aと試料Bとの間に電解液を供給しなくてもよい。
二次電池を湾曲させる際に生じる、電極21と外装体との間、電極21と他の電極との間、電極21とセパレータとの間、または電極21の一部と他の一部との接触面に働く摩擦力を小さくすることで、湾曲の内径と外径の差に起因する応力を逃がしやすくすることができる。これにより、二次電池を湾曲させる際に、電極21の湾曲が局所的に強くなることにより、活物質層12が集電体11から剥離すること、又は集電体11が破けること等を抑制することができる。従って、電極21を有する二次電池の容量及びサイクル特性が悪化することを抑制することができる。
摩擦層13としては、導電性を有する膜でも、絶縁性を有する膜でもよい。摩擦層13として、有機膜、無機膜または金属膜等を用いることができる。
有機膜の例として、樹脂膜または低分子化合物により形成される膜が挙げられる。
樹脂膜は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂から選ばれる一種若しくは複数種の樹脂材料、またはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性樹脂から選ばれる一種若しくは複数種の樹脂材料を用いて形成することができる。また、ポリオキシメチレンを用いてもよい。
特に、フッ素樹脂は、他の部材との間の静摩擦係数が小さいため、好ましい。なおここで述べる他の部材とは、同材料を有する他の部材を含む。例えば、ポリテトラフルオロエチレンは、同材料同士の静摩擦係数が約0.04であり、好適に用いることができる。
摩擦層13は、電池反応の電位によって分解が生じないことが好ましい。例えば、負極の電池反応の電位が低い場合、摩擦層13にフッ素樹脂を用いると、摩擦層13は還元分解してしまうことがある。そのため、電極21を正極として用いるときに、摩擦層13にフッ素樹脂を用いるのがより好ましい。
また、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に代表されるポリエーテルケトンは、耐熱性、耐疲労性、耐薬品性に優れ、摩擦層13の表面に働く摩擦力を小さくすることができ、好ましい。また、ポリパラキシリレンに代表されるパリレン樹脂を、化学蒸着法(CVD)で形成してもよい。ポリパラキシリレンは、耐熱性、耐薬品性に優れ摩擦層13の表面に働く摩擦力を小さくすることができ、好ましい。
低分子化合物により形成される膜として、自己組織化単分子膜(SAM:Self−Assembled Monolayer)を用いてもよい。集電体11の表面に、摩擦層13としてSAMを形成することにより、電極21の表面に働く摩擦力を小さくすることができ、好ましい。また、撥液性SAMを用いてもよい。撥液性SAMとして、例えばフルオロアルキル基を有するシランカップリング剤(フルオロアルキルシラン。以下、FASという。)を用いればよい。加熱した集電体11とFASを封じ込め、気相反応によって集電体11の表面にFAS自己組織化単分子膜を形成することができる。また、メラミンシアヌレート等の固体潤滑剤を、蒸着することによって集電体11上に摩擦層13を形成してもよい。
無機膜及び金属膜として、集電体11に付着することができる材料を用いることができる。また、リチウムイオンの挿入及び脱離を起こさず、また、リチウムと合金化・脱合金化反応を起こさない材料を用いると、特に好ましい。例えば無機膜として、固体潤滑剤として代表的な二硫化モリブデン(MoS)もしくは二硫化タングステン(WS)等の金属硫化物または窒化ホウ素(BN)等の劈開性を有する化合物を用いると電極21の表面に働く摩擦力を小さくすることができる。また、無機膜は絶縁性を有していてもよく、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウムもしくは酸化窒化ハフニウム等の酸化物絶縁膜または窒化シリコンもしくは窒化アルミニウム等の窒化物絶縁膜を用いることができる。
金属膜として、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ランタン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、アルミニウムとチタンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金、アルミニウム、ニッケル及びランタンの合金(Al−Ni−La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)や、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金(Ag−Pd−Cu、APCとも記す)、銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いて形成することができる。銀と銅を含む合金は、耐熱性が高いため好ましい。
また、摩擦層13は、上述した有機膜、無機膜及び金属膜等のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
また、摩擦層13の厚みは、集電体11の厚みに対して1%以上80%以下であると好ましい。これによって、電極21の厚みが過剰に増加するのを抑制することができ、湾曲させやすい電池とすることができる。
また、摩擦層13は、集電体11に研磨処理を行うことにより作製してもよい。研磨処理は、研磨布紙や研磨砥粒等の研磨材を用いて集電体11の表面を塑性的平滑作用または摩擦的みがき作用によって平滑にする。また、研磨処理としては、CMP(Chemical Mechanical Polishing)を用いてもよい。
なお、摩擦層13は、集電体11の他方の面の全てを覆わなくてもよい。例えば、複数の電極21の端部を溶接して電気的に接続する際には、電極21の端部に摩擦層13を設けない方が好ましい。また、電極21において電極周辺部材と接触しない箇所には、摩擦層13を設けなくてもよい。摩擦層13の大きさを最小限にすることによって、摩擦層13の形成に必要な材料を減少させ、電極21の製造コストを削減することができる。
次に、電極21が有する集電体11及び活物質層12に用いることができる材料について説明する。
集電体11には、ステンレス、金、白金、鉄、銅、アルミニウムもしくはチタン等の金属またはこれらの合金など、導電性が高く、リチウム等のキャリアイオンと合金化しない材料を用いることができる。また、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウムまたはモリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。集電体11は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜用いることができる。集電体11は、厚みが5μm以上30μm以下のものを用いるとよい。また、集電体11の表面に、グラファイトなどを用いてアンダーコート層を設けてもよい。
活物質層12は、少なくとも、リチウムイオン等のキャリアイオンとの可逆的な反応が可能な活物質を有する。適当な手段により粉砕、造粒及び分級する事で、活物質の平均粒径や粒径分布を制御する事が出来る。活物質の平均粒径は、500nm以下、好ましくは50nm以上500nm以下のものを用いるとよい。
電極21を二次電池の正極として用いる場合には、活物質層12に含まれる正極活物質として、リチウムイオンの挿入及び脱離が可能な材料を用いることができる。例えば、オリビン型の結晶構造、層状岩塩型の結晶構造、又はスピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物等を用いることができる。
オリビン型構造のリチウム含有複合リン酸塩としては、例えば、一般式LiMPO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上)が挙げられる。一般式LiMPOの代表例としては、LiFePO、LiNiPO、LiCoPO、LiMnPO、LiFeNiPO、LiFeCoPO、LiFeMnPO、LiNiCoPO、LiNiMnPO(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFeNiCoPO、LiFeNiMnPO、LiNiCoMnPO(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFeNiCoMnPO(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等が挙げられる。
層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム含有複合ケイ酸塩としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMnO、LiNi0.8Co0.2等のNiCo系(一般式は、LiNiCo1−x(0<x<1))、LiNi0.5Mn0.5等のNiMn系(一般式は、LiNiMn1−x(0<x<1))、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等のNiMnCo系(NMCともいう。一般式は、LiNiMnCo1−x−y(x>0、y>0、x+y<1))が挙げられる。さらに、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O、LiMnO−LiMO(M=Co、Ni、Mn)等も挙げられる。
スピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物としては、例えば、LiMn、Li1+xMn2−x(0<x<2)、LiMn2−xAl(0<x<2)、LiMn1.5Ni0.5等が挙げられる。
LiMn等のマンガンを含むスピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物に、少量のニッケル酸リチウム(LiNiOやLiNi1−x(0<x<1)(M=Co、Al等))を混合すると、マンガンの溶出を抑制する、電解液の分解を抑制する等の利点があり好ましい。
また、正極活物質として、一般式Li(2−j)MSiO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、jは0以上2以下)で表される複合酸化物を用いることができる。一般式Li(2−j)MSiOの代表例としては、Li(2−j)FeSiO、Li(2−j)NiSiO、Li(2−j)CoSiO、Li(2−j)MnSiO、Li(2−j)FeNiSiO、Li(2−j)FeCoSiO、Li(2−j)FeMnSiO、Li(2−j)NiCoSiO、Li(2−j)NiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li(2−j)FeNiCoSiO、Li(2−j)FeNiMnSiO、Li(2−j)NiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2−j)FeNiCoMnSiO(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等が挙げられる。
また、正極活物質として、A(XO(A=Li、Na、Mg、M=Fe、Mn、Ti、V、Nb、Al、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表されるナシコン型化合物を用いることができる。ナシコン型化合物としては、Fe(MnO、Fe(SO、LiFe(PO等が挙げられる。また、正極活物質として、LiMPOF、LiMP、LiMO(M=Fe、Mn)の一般式で表される化合物、FeF等のペロブスカイト型フッ化物、TiS、MoS等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMVO等の逆スピネル型の結晶構造を有するリチウムバナジウム含有複合酸化物、バナジウム酸化物系化合物(V、V13、LiV等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等の材料を用いることができる。
正極活物質の粒径は、例えば5nm以上100μm以下が好ましい。
また、正極活物質として、組成式LiMnで表されるリチウムマンガン複合酸化物を用いることもできる。ここで、元素Mは、リチウム、マンガン以外から選ばれた金属元素、またはシリコン、リンを用いることが好ましく、ニッケルであるとより好ましい。また、x/(y+z)は0以上2未満、かつzは0より大きく、かつ(y+z)/wは0.26以上0.5未満を満たすことが好ましい。なお、リチウムマンガン複合酸化物とは、少なくともリチウムとマンガンとを含む酸化物をいい、クロム、コバルト、アルミニウム、ニッケル、鉄、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、インジウム、ガリウム、銅、チタン、ニオブ、シリコン及びリンなどからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含んでいてもよい。また、リチウムマンガン複合酸化物は、層状岩塩型の結晶構造を有するものであることが好ましい。また、リチウムマンガン複合酸化物は、層状岩塩型の結晶構造及びスピネル型の結晶構造を有するものであってもよい。また、リチウムマンガン複合酸化物は、例えば、平均粒子径が、5nm以上50μm以下であることが好ましい。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンや、アルカリ土類金属イオンの場合、正極活物質として、上記リチウム化合物及びリチウムマンガン複合酸化物において、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。
電極21を二次電池の負極として用いる場合には、活物質層12に含まれる負極活物質として、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な材料を用いることができる。
リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な材料として、例えば、炭素系材料が挙げられる。炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等がある。
黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等の人造黒鉛や、球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム−黒鉛層間化合物の生成時)にリチウム金属と同程度に卑な電位を示す(0.1以上0.3V以下 vs.Li/Li)。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が小さい、安価である、リチウム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
また、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な材料として、例えば、Ga、Si、Al、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Ag、Zn、Cd、In等のうち少なくとも一つを含む材料が挙げられる。このような元素は炭素と比べて容量が大きく、特に、シリコンは理論容量が4200mAh/gと高い。このような元素を用いた材料としては、例えば、MgSi、MgGe、MgSn、SnS、VSn、FeSn、CoSn、NiSn、CuSn、AgSn、AgSb、NiMnSb、CeSb、LaSn、LaCoSn、CoSb、InSb、SbSn等がある。
また、負極活物質として、SiO、SnO、SnO、二酸化チタン、リチウムチタン酸化物、リチウム−黒鉛層間化合物、五酸化ニオブ、酸化タングステンまたは酸化モリブデン等の酸化物を用いることができる。
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、LiN型構造をもつLi3−xN(M=Co、Ni、Cu)を用いることができる。例えば、Li2.6Co0.4は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm)を示し好ましい。
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、正極活物質としてリチウムイオンを含まないV、Cr等の材料と組み合わせることができ好ましい。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あらかじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させることで、負極活物質としてリチウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化鉄等の、リチウムと合金化反応を行わない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反応が生じる材料としては、さらに、Fe、CuO、CuO、RuO、Cr等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn、CuN、Ge等の窒化物、NiP、FeP、CoP等のリン化物、FeF、BiF等のフッ化物でも起こる。
活物質層12は、上述した活物質の他に、活物質の密着性を高めるための結着剤(バインダ)、活物質層12の導電性を高めるための導電助剤等を有していてもよい。
結着剤には、代表的なポリフッ化ビニリデン(PVdF)の他、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンまたはニトロセルロース等を用いることができる。
導電助剤として、例えば天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ等の人造黒鉛、炭素繊維などを用いることができる。炭素繊維としては、例えばメソフェーズピッチ系炭素繊維、等方性ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維を用いることができる。また炭素繊維として、カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブなどを用いることができる。カーボンナノチューブは、例えば気相成長法などで作製することができる。また、導電助剤として、例えばカーボンブラック(アセチレンブラック(AB)など)またはグラフェンなどの炭素材料を用いることができる。また、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金などの金属粉末や金属繊維、導電性セラミックス材料等を用いることができる。
次に、電極21の製造方法について説明する。
活物質層12は、シート状の集電体11の一方の面に、上述した活物質、結着剤、導電助剤及び溶媒の混合物を塗布した後、溶媒を蒸発させることにより形成することができる。また、集電体11の他方の面に対して、CVDや、蒸着等の処理を行うことにより、上述した材料を有する摩擦層13を形成することができる。または、上述した有機膜等の材料の溶液を、集電体11の他方の面に塗布した後、溶媒を蒸発させることによって摩擦層13を形成することができる。
活物質層12を形成する際に、活物質、結着剤、導電助剤及び溶媒の混合物から溶媒を蒸発させると、集電体11が反ること、又は変形することがある。活物質層12を形成する前に、集電体11の他方の面に摩擦層13を形成すると、集電体11を補強し、反りや変形を防ぐことができ、好ましい。
または、活物質層12の形成と、摩擦層13の形成とを同時に行うことによって、集電体の反りや変形を防ぐことができる。活物質、結着剤、導電助剤及び溶媒の混合物を集電体11の一方の面に塗布し、溶媒を蒸発させるのと同時に、摩擦層13の材料を含む溶液を集電体11の他方の面に塗布し、溶媒を蒸発させると、活物質層12の形成と、摩擦層13の形成を同時に行うことができる。
本実施の形態に示すように、電極21に摩擦層13を設けることにより、集電体11を保護し、亀裂等の発生を抑制することができる。また、電極21の表面に働く摩擦力を小さくすることができる。また、電極21の製造工程において、集電体11が変形すること、活物質層12が剥離することを防ぐことができる。また、本実施の形態で示した電極21を二次電池の正極及び負極のいずれか一方、または両方として用いることにより、湾曲させても容量及びサイクル特性が悪化しにくい二次電池とすることができる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、電極において、集電体の一方の面に活物質層が接し、集電体の他方の面に摩擦層が接する場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、電極の集電体は、様々なものが接していてもよい。また、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、電極の集電体は、活物質層以外のもの、または、摩擦層以外のものが、接していてもよい。また、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、電極の集電体は、摩擦層が接していなくてもよい。また、本発明の一態様として、リチウムイオン二次電池に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、鉛蓄電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池もしくは酸化銀・亜鉛蓄電池等の二次電池、固体電池、空気電池、亜鉛空気電池、一次電池、または、電気二重層キャパシタ、ウルトラ・キャパシタ、スーパー・キャパシタもしくはリチウムイオンキャパシタ等のキャパシタに適用してもよい。または例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、リチウムイオン二次電池、または、二次電池に適用しなくてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、図2を用いて、本発明の一態様に係る二次電池の構成について説明する。
図2に、正極111、負極115及びセパレータ108を有する積層体118を、可撓性を有する外装体110に封入して電解液109を注入した、ラミネート型の二次電池100を示す。二次電池の形態をラミネート型とした場合、電池が可撓性を有するため、フレキシビリティを要求される用途に適する。例えば、可撓性を有する部位を少なくとも一部有する電子機器に実装すれば、電子機器の変形に合わせて二次電池も曲げることもできる。
図2において、正極111及び負極115は、実施の形態1に記載の電極である。正極111は、正極集電体101の一方の面に正極活物質層102を有し、また、他方の面に正極摩擦層103を有する。また、負極115は、負極集電体105の一方の面に負極活物質層106を有し、他方の面に負極摩擦層107を有する。積層体118において、正極111の有する正極活物質層102と、負極115の有する負極活物質層106とは、セパレータ108を介して対向している。また、正極摩擦層103及び負極摩擦層107は、積層体118の外側に面し、外装体110とそれぞれ対向している。
本実施の形態は、図2で示した例に限られない。正極111および負極115のいずれか一方を、実施の形態1に記載の電極とすると、積層体118の、外装体110と対向する面に働く摩擦力を小さくすることができる。従って、二次電池を湾曲させた際に、積層体118と外装体110との接触面に働く摩擦力を小さくすることができる。それによって、外装体110が傷つくことを抑制し、二次電池100の漏液性等に対する安全性を高めることができる。また、積層体118が傷つくことを抑制し、湾曲させても容量及びサイクル特性が悪化しにくい電池とすることができる。また、摩擦熱により二次電池100が発熱するのを抑制することができる。
また、正極111又は負極115のいずれか一方を実施の形態1に記載の電極とするとき、二次電池100を湾曲させる向きが規定されていてもよい。例えば、湾曲の内側において、積層体118が破損しやすいと想定されるとき、正極111を実施の形態1に記載の電極とし、正極111が湾曲の内側になるように、二次電池100を湾曲させる向きを規定するとよい。
正極111及び負極115の両方を、実施の形態1に記載の電極とすると、二次電池100を湾曲させる向きを使用者の自由に設定することができ、好ましい。
図2に示すラミネート型の二次電池100において、正極集電体101及び負極集電体105は、外部との電気的接触を得る端子の役割も兼ねている。そのため、正極集電体101及び負極集電体105の一部は、外装体110から外側に露出するように配置される。
ラミネート型の二次電池100において、外装体110には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノマーまたはポリアミド等の材料からなる膜上に、アルミニウム、ステンレス、銅またはニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を設け、さらに該金属薄膜上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を設けた三層構造のラミネートフィルムを用いることができる。このような三層構造とすることで、電解液や気体の透過を遮断するとともに、絶縁性を確保し、併せて耐電解液性を付加することができる。
負極115または正極111の少なくとも一方には、本発明の一態様である電極を用いることができる。また、負極115と正極111の両方に、本発明の一態様である電極を用いてもよい。本発明の一態様の電極を用いることで、二次電池100を湾曲させる際に発生する、電極と外装体110との間の摩擦を小さくすることができる。
次に、セパレータ108について説明する。セパレータとは、正極と負極との接触を防止するために、これらの間に配置される。当該セパレータは、正極と負極との間のイオンの移動を妨げないため、微細孔を有する。当該微細孔により、固体以外の電解質の通過も可能となる。当該セパレータは、蓄電装置を使用する環境に応じて、状態変化の少ないものがよい。高温環境であっても、状態変化が少ないと好ましい。状態変化する場合であっても、正極と負極が接触しなければよい。
セパレータ108としては、例えば、紙、不織布、ガラス繊維、セラミックス、またはナイロン(ポリアミド)、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィンもしくはポリウレタンを用いた合成繊維等で形成されたものを用いることができる。
セパレータ108は、正極111または負極115のいずれか一方を包むように配置されていると好ましい。例えば、負極115を挟むようにセパレータ108を2つ折りにし、負極115と重なる領域よりも外側で封止することで、負極115をセパレータ108で包むことができる。そして、セパレータ108に包まれた負極115と正極111とを交互に積層し、これらを外装体110が囲むように配置することでラミネート型の二次電池100を作製するとよい。
電解液109について説明する。電解液109は、少なくとも、電解質と、溶媒を有する。電解液109の電解質としては、キャリアイオンを移送することが可能な材料を用いる。例えば、キャリアイオンがリチウムイオンである場合、リチウムイオンを有する材料を用いる。電解質の代表例としては、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiAlCl、LiSCN、LiBr、LiI、LiSO、Li10Cl10、Li12Cl12、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiN(CFSO、LiN(CSO)(CFSO)、LiN(CSO等のリチウム塩がある。これらの電解質は、一種を単独でもちいてもよく、又はこれらのうちの二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの場合、正極活物質として、上記リチウム化合物及びリチウム含有複合リン酸塩及びリチウム含有複合ケイ酸塩において、リチウムを、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)などのキャリアで置換した化合物を用いてもよい。
電解液109の溶媒としては、キャリアイオンが移動可能な材料を用いる。溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラン、スルホラン、スルトン等があり、これらの1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
電解液109にポリマーを添加し、ゲル状にしてもよい。電解液109をゲル状にすることにより、漏液性等に対する安全性が高まる。また、二次電池の薄型化及び軽量化が可能である。電解液109をゲル状にすることのできるポリマーとしては、例えば、ポリアルキレンオキシド系、ポリアクリロニトリル系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系ポリマーを用いることができる。なお本明細書等において、例えばポリフッ化ビニリデン系ポリマーとは、ポリフッ化ビニリデンを含むポリマーを意味し、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体等を含む。形成されるポリマーは、多孔質形状を有してもよい。
FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)等を用いることで、上記のポリマーを定性分析することができる。例えばポリフッ化ビニリデン系ポリマーは、FT−IRで得たスペクトルに、C−F結合を示す吸収を有する。またポリアクリロニトリル系ポリマーは、FT−IRで得たスペクトルに、C≡N結合を示す吸収を有する。
また、電解液109の溶媒として、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つ又は複数用いることで、二次電池の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、二次電池の破裂や発火などを防ぐことができる。イオン液体は、カチオンとアニオンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。電解液に用いる有機カチオンとして、四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン及び四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオンや、イミダゾリウムカチオン及びピリジニウムカチオン等の芳香族カチオンが挙げられる。また、電解液に用いるアニオンとして、1価のアミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート、パーフルオロアルキルボレート、ヘキサフルオロホスフェート、またはパーフルオロアルキルホスフェート等が挙げられる。
また、電解液109は、粒状のごみや電解液の構成元素以外の元素(以下、単に「不純物」ともいう。)の含有量が少ない高純度化された電解液を用いることが好ましい。具体的には、電解液に対する不純物の重量比を1%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.01%以下とすることが好ましい。
電解液109にビニレンカーボネート、プロパンスルトン(PS)、tert−ブチルベンゼン(TBB)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、LiBOBなどの添加剤を添加してもよい。添加剤の濃度は、例えば溶媒全体に対して0.1wt%以上5wt%以下とすればよい。
また、電解液109の代わりに、硫化物系や酸化物系等の無機物材料を有する固体電解質を用いることができる。固体電解質を用いる場合には、セパレータやスペーサの設置が不要となる。また、固体電解質またはゲル状の電解質を用いる場合には、電池全体を固体化またはゲル化することができるため、漏液のおそれがなくなり安全性が飛躍的に向上する。
また図2では、一例として、向かい合う正極と負極の組の数を1組としているが、勿論、電極の組は1組に限定されず、2組以上でもよい。電極層数が多い場合には、より多くの容量を有する二次電池とすることができる。また、電極層数が少ない場合には、薄型化でき、可撓性に優れた二次電池とすることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る蓄電装置について、図3乃至図12を用いて二次電池を例に挙げて説明する。
実施の形態2で説明したように、二次電池100は、正極111、負極115、セパレータ108を有する積層体118、外装体および電解液により構成される。本実施の形態では、積層体118の構成について、例を挙げて説明する。
なお、本実施の形態で説明する正極111及び負極115についての説明は、実施の形態1を参照することができる。また、セパレータ108及び電解液109についての説明は、実施の形態2を参照することができる。
なお、本実施の形態において、正極111及び負極115は、適宜入れ替えて使用しても構わない。
〈構成例1〉
図3に、積層体118の構造の一例を示す。図3(A)に、積層体118の斜視図を、図3(B)、図4、図5、図6及び図7に、構成例1の積層体118の側面図を示す。
図3(A)及び図3(B)に、正極111、負極115及びセパレータ108を重ねた後、正極111の第1の部分121と、第2の部分122が対向するように1回屈曲させ、2つ折りとした構造を有する積層体118を示す。2つ折り構造とすると、積層体118の表面積を小さくすることができ、好ましい。これによって、二次電池100を小型化することができる。
積層体118を有する二次電池100において、外部から力を加えて二次電池100を湾曲させると、それに伴い積層体118も湾曲する。図3(B)に、湾曲する前後の積層体118を示す。積層体118が湾曲する際、湾曲の内径と外径の差に起因して応力が生じるが、正極111の第1の部分121と第2の部分122がずれることによって、この応力を逃がすことができる。
図3(B)に示すように、正極111は、正極集電体101、正極活物質層102及び正極摩擦層103を有し、負極115は、負極集電体105及び負極活物質層106を有する。また、正極活物質層102は、セパレータ108を介して負極活物質層106と対向している。また、第1の部分121と、第2の部分122は、それぞれ、正極集電体101、正極活物質層102及び正極摩擦層103を含む。正極集電体101の表面は、正極摩擦層103によって保護されているため、正極111の第1の部分121と第2の部分122がずれる際、摩擦によって正極集電体101が傷つくのを抑制することができる。
正極摩擦層103の表面と、正極摩擦層103に接する他の面との間に働く摩擦力が、正極集電体101の表面と、正極集電体101に接する他の面との間に働く摩擦力より小さいと、湾曲の内径と外径の差に起因する応力を逃がしやすくなり、好ましい。より具体的には、第1の部分121に含まれる正極摩擦層103と、第2の部分122に含まれる正極摩擦層103との間の静摩擦係数が、第1の部分121に含まれる正極集電体101と、第2の部分122に含まれる正極集電体101との間の静摩擦係数よりも小さいと好ましい。これによって、第1の部分121と、第2の部分122をずれやすくすることができ、積層体118を湾曲させる際、湾曲の内径と外径の差に起因する応力を逃がしやすくすることができる。従って、二次電池を湾曲させる際に、正極111の湾曲が局所的に強くなることを防ぎ、正極活物質層102が、正極集電体101から剥離すること、又は正極集電体101が破けること等を抑制することができる。従って、湾曲させても容量及びサイクル特性が悪化しにくい二次電池100とすることができる。
なお、図3(A)および図3(B)において、正極摩擦層103を有する正極111を内側とした2つ折り構造を有する積層体118の例を示したが、本発明の一態様はこれに限られない。正極111は正極摩擦層103を有さず、負極摩擦層107を有する負極115を内側とした2つ折り構造を有する積層体118を構成してもよい。
図4には、積層体118の別の構成を示す。図4(A)には、負極115が、負極集電体105および負極活物質層106に加えて、負極摩擦層107を有する点で、図3に示した積層体118と異なる。
図4(A)に示す構成とすると、第1の部分121および第2の部分122は、それぞれ、正極摩擦層103を含み、積層体118の外側に、負極摩擦層107が位置する。従って、この構成とすることにより、二次電池を湾曲させた際に発生する、正極111の第1の部分121と、第2の部分122との間の摩擦を小さくすることができる。また、負極115と外装体110の間の摩擦を小さくすることができる。
なお、図3及び図4(A)においては積層体118の端部が概略一致する2つ折り構造の例を示したが、これに限られない。図4(B)に示すように、積層体118の端部が一致しないように折り返す構成としてもよい。この構成であっても、積層体118が湾曲する際、第1の部分121と、第2の部分122がずれることによって、湾曲の内径と外径の差に起因して生じる応力を逃がすことができる。
また、正極111において、正極摩擦層103は、正極集電体101の有する面の一部のみを覆う構造としてもよい。図4(C)に示す積層体118において、正極111は、第1の部分121と、第2の部分122を有し、第1の部分121は、正極集電体101及び正極活物質層102を含み、第2の部分122は、正極集電体101、正極活物質層102及び正極摩擦層103を含む。従って、第1の部分121と、第2の部分122が接触するとき、第1の部分121に含まれる正極集電体101と、第2の部分122に含まれる正極摩擦層103とが、接触する。このような構成においても、第1の部分121と、第2の部分122がずれやすくすることができる。
なお、正極摩擦層103の材料として、正極摩擦層103同士が接するときの静摩擦係数よりも、正極摩擦層103と正極集電体101とが接するときの静摩擦係数を小さくすることのできる材料を用いる場合に、図4(C)に示す構成とすると好ましい。
また、図5に示すように積層体118を複数重ねてもよい。これによって、二次電池100の容量を増加させることができる。本構成において、2つの積層体118は、負極摩擦層107同士が接するように互いに重なる。従って、二次電池100を湾曲させるときに生じる、積層体118同士の摩擦を小さくし、湾曲の内径と外径の差に起因する応力を逃がしやすくすることができる。また、積層体118が傷つきにくくすることができる。また、二次電池を湾曲させる際に、負極115の湾曲が局所的に強くなることを防ぎ、負極活物質層106が負極集電体105から剥離することを防ぐことができる。
また、図5に示すように、積層体118において、正極111は、正極集電体101の両方の面に接して正極活物質層102を有していてもよい。これによって、二次電池100の容量を増加させることができる。
図6(A)及び図6(B)に、正極摩擦層103を有する正極111、負極115及びセパレータ108を重ね、屈曲部125において軸120を挟み込むようにして屈曲させた構造を有する積層体118を示す。軸120を有することにより、屈曲部125における正極111、負極115及びセパレータ108の曲率半径を大きくすることができる。従って、正極111及び負極115が屈曲部125において局所的に屈曲することにより活物質層が集電体から剥離することを抑制することができる。
なお、図6(A)には、正極摩擦層103の第1の部分121と第2の部分122が対向するものの、互いに接触していない図を示したが、実際には図6(B)に示すように、第1の部分121に含まれる正極摩擦層103と、第2の部分122に含まれる正極摩擦層103とが、互いに接触することができる。
図6(C)には、正極111が軸120と接触する屈曲部125付近に、正極摩擦層103を設けない例を示す。軸120と正極集電体101との間の静摩擦係数が、軸120と正極摩擦層103との間の静摩擦係数よりも小さい場合は、屈曲部125付近に正極摩擦層103を設けない方が、積層体118を有する二次電池を湾曲させやすくなるため好ましい。
また、図7(A)に示す積層体118のように、正極111、負極115及びセパレータ108で、複数の軸120を挟みこむ構成としてもよい。また、軸120の形状は円柱状に限らず、図7(B)に示すように、板状の構造体120aを用いてもよい。
〈構成例2〉
図8、図9及び図10を用いて、構成例2として、蛇腹型に折り畳んだ構造を有する積層体118について説明する。
図8に正極111、負極115及びセパレータ108を重ねて2回屈曲させ、3つ折り構造とした積層体118を示す。正極111は正極集電体101、正極活物質層102及び正極摩擦層103を有し、負極115は負極集電体105、負極活物質層106及び負極摩擦層107を有する。
正極111は、第1の部分121と、第2の部分122とを有し、第1の部分121と、第2の部分122は、それぞれ、正極集電体101、正極活物質層102及び正極摩擦層103を含む。また、負極115は、第3の部分123と、第4の部分124とを有し、第3の部分123と、第4の部分124は、それぞれ、負極集電体105、負極活物質層106及び負極摩擦層107を含む。積層体118において、正極111の第1の部分121と第2の部分122が接触し、負極115の第3の部分123と第4の部分124が接触している。
積層体118が湾曲する際、湾曲の内径と外径の差に起因して応力が生じるが、正極111の第1の部分121と第2の部分122がずれ、また、負極115の第3の部分123と第4の部分124がずれることによって、この応力を逃がすことができる。
正極摩擦層103の表面と、他の面との接触面に働く摩擦力が、正極集電体101と、他の面との接触面に働く摩擦力よりも小さいと、湾曲の内径と外径の差に起因する応力を逃がしやすくなり、好ましい。また、負極摩擦層107は、負極摩擦層107の表面と、他の面との接触面に働く摩擦力が、負極集電体105と、他の面との接触面に働く摩擦力よりも小さいと、湾曲の内径と外径の差に起因する応力を逃がしやすくなり、好ましい。
より具体的には、第1の部分121に含まれる正極摩擦層103と、第2の部分122に含まれる正極摩擦層103との間の静摩擦係数が、第1の部分121に含まれる正極集電体101と、第2の部分122に含まれる正極集電体101との間の静摩擦係数よりも小さいと好ましい。これによって、第1の部分121と、第2の部分122をずれやすくすることができ、積層体118を湾曲させる際、湾曲の内径と外径の差に起因する応力を逃がしやすくすることができる。
また、第3の部分123に含まれる負極摩擦層107と、第4の部分124に含まれる負極摩擦層107との間の静摩擦係数が、第3の部分123に含まれる負極集電体105と、第4の部分124に含まれる負極集電体105との間の静摩擦係数よりも小さいと好ましい。これによって、第3の部分123と、第4の部分124をずれやすくすることができ、積層体118を湾曲させる際、湾曲の内径と外径の差に起因する応力を逃がしやすくすることができる。従って、二次電池を湾曲させる際に、正極111及び負極115の湾曲が局所的に強くなることを防ぎ、正極活物質層102が正極集電体101から剥離すること、負極活物質層106が負極集電体105から剥離すること、並びに正極集電体101又は負極集電体105が破けること等を抑制することができる。
なお、図8(A)に示す積層体118においては、正極集電体101の全面に、正極摩擦層103が接し、負極集電体105の全面に、負極摩擦層107が接するが、必ずしも集電体の全面に摩擦層が設けられる必要はない。図8(B)に示すように、正極111の第1の部分121と第2の部分122にあたる箇所にのみ、正極摩擦層103を設けてもよい。同様に、負極115の第3の部分123と、第4の部分124にあたる箇所のみ、負極集電体105に負極摩擦層107を設けてもよい。これによって、電極における摩擦層の面積を小さくすることができるため、電極の製造コストを低下させることができる。
図9に、正極111、負極115及びセパレータ108を重ね、2か所の屈曲部125においてそれぞれ軸120を挟み込む、3つ折り構造を有する積層体118を示す。軸120を有することにより、屈曲部125における正極111、負極115及びセパレータ108の屈曲の曲率半径を大きくすることができる。従って、正極111及び負極115が屈曲部125において局所的に屈曲し、活物質層が集電体から剥離することを抑制することができる。
図9(A)に示す積層体118においては、正極集電体101の全面に、正極摩擦層103が接し、負極集電体105の全面に、負極摩擦層107が接するが、必ずしも集電体の全面に摩擦層が設けられる必要はない。図9(B)には、正極集電体101において、正極集電体101の他の部分と接しうる部分にのみ、正極摩擦層103を設け、また、負極集電体105において、負極集電体105の他の部分と接しうる部分にのみ、負極摩擦層107を設ける構成を示す。軸120と正極集電体101との間の静摩擦係数が、軸120と、正極摩擦層103との間の摩擦係数よりも小さく、軸120と負極集電体105との間の静摩擦係数が、軸120と、負極摩擦層107との間の静摩擦係数よりも小さいときにこの構成とすると、積層体118を有する二次電池を湾曲させやすくなるため好ましい。また、正極摩擦層103及び負極摩擦層107の面積を小さくすることができるため、電極の製造コストを低下させることができる。
また、図9(B)において、正極111の第1の部分121は、正極集電体101と、正極活物質層102を有し、第2の部分122は、正極集電体101と、正極活物質層102と、正極摩擦層103を有する。また、負極115の第3の部分123は、負極集電体105と、負極活物質層106を有し、第4の部分124は、負極集電体105と、負極活物質層106と、負極摩擦層107を有する。この構成とすることによって、第1の部分121に含まれる正極集電体101と、第2の部分122に含まれる正極摩擦層103とが、接することができる。また、第3の部分123に含まれる負極集電体105と、第4の部分124に含まれる負極摩擦層107とが、接することができる。
図9(B)に示す構成とする場合、第1の部分121に含まれる正極集電体101と、第2の部分122に含まれる正極摩擦層103との間の静摩擦係数が、第1の部分121に含まれる正極集電体101と、第2の部分122に含まれる正極集電体101との間の静摩擦係数よりも小さいと、第1の部分121と、第2の部分122がより滑りやすくすることができ、好ましい。また、第3の部分123に含まれる負極集電体105と、第4の部分124に含まれる負極摩擦層107との間の静摩擦係数は、第3の部分123に含まれる負極集電体105と、第4の部分124に含まれる負極集電体105との間の静摩擦係数より小さいと、第3の部分123と、第4の部分124がより滑りやすくすることができ、好ましい。
なお、図8及び図9に示す積層体118においては、正極111、負極115及びセパレータ108を重ね、2回屈曲させることにより蛇腹型の構造としたが、例えば図10に示すように、正極111、負極115及びセパレータ108を重ね、3回屈曲させた蛇腹構造としてもよい。また、4回以上屈曲させた蛇腹型の構造としてもよい。正極111、負極115及びセパレータ108を、より多くの回数屈曲させることにより、積層体118をより小さくすることができる。また、積層体118を備える二次電池100をより小型化することができる。
〈構成例3〉
図11(A)及び(B)に、正極111、負極115及びセパレータ108を重ねて捲回した構造を有する積層体118の側面図を示す。捲回型とすることにより、積層体118を小さくすることができるため、二次電池を小型化することができる。
図11(A)に示す積層体118において、セパレータ108が負極115を覆う。これにより、正極111と負極115が接触して短絡が発生することを防ぐことができる。
図11(A)に示す積層体118において、セパレータ108は、正極摩擦層103と接触面130で接する。積層体118が湾曲する際、セパレータ108と正極111が接触面130で滑ることによっても、湾曲の内径と外径の差に起因して生じる応力を逃がすことができる。従って、正極摩擦層103とセパレータ108との間の静摩擦係数が、正極集電体101とセパレータ108との間の静摩擦係数よりも小さいと好ましい。これによって、正極111とセパレータ108が接触面130で滑りやすくすることができ、好ましい。
正極摩擦層103及び負極摩擦層107が絶縁性を有する場合、セパレータ108で負極115を覆わなくてもよい。図11(B)において、正極111は、正極集電体101、正極活物質層102及び絶縁性を有する正極摩擦層103を有し、負極115は、負極集電体105、負極活物質層106及び絶縁性を有する負極摩擦層107を有する。このような構造であれば、積層体118を捲回することにより正極111と負極115が接触しても、実際には互いに絶縁性を有する層である、正極摩擦層103と、負極摩擦層107が接触するため、短絡が発生するのを防ぐことができる。
なお、図11(A)および図11(B)には、正極111、負極115及びセパレータ108を重ね、1回転半捲回させた積層体118を示したが、2回転以上捲回させてもよい。より多くの回数捲回することにより、積層体118を小さくすることができる。また、積層体118を有する二次電池を小型化することができる。
〈構成例4〉
次に、図12を用いて、異なる構造を有する積層体118について説明する。
図12に示す積層体118は、2つのユニット118a、ユニット118bおよび帯状のセパレータ108bを有する。ユニット118aは、正極111a、負極115、正極111b及びセパレータ108aが積層して構成される。また、ユニット118bは、正極111a、負極115及びセパレータ108aが積層して構成される。正極111aは、正極集電体101の一方の面に接する正極活物質層102および他方の面に接する正極摩擦層103を有する。正極111bは、正極集電体101の両面に正極活物質層102を有する。積層体118は、セパレータ108bをユニット118bに巻き付けたものを、2つのユニット118aで挟んだあと、セパレータ108bをさらに全体に巻き付けた構造を有している。
正極111aは、正極摩擦層103を有することによって、セパレータ108bとの摩擦を小さくすることができる。従って、積層体118が湾曲する際に、正極111aの有する正極集電体101がセパレータ108bと摩擦することにより、損傷することを抑制することができる。
また、積層体118において、ユニット118aの有する正極111bと、ユニット118bの有する負極115は、セパレータ108bを介して対向する。従って、本構成においては、ユニット間で電池反応をすることができる。帯状のセパレータ108bを巻き付ける構造とすることで、ユニット118aとユニット118bとが過剰にずれることを抑制することができる。従って、ユニット間で起きる電池反応を妨げにくくすることができる。
なお、本実施の形態において、正極111及び負極115は、適宜入れ替えて使用しても構わない。
なお、上述した構成例のうち、複数を適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、図13を用いて、本発明の一態様に係る蓄電装置の構造について、積層型の二次電池を例に挙げて説明する。
図13(A)に示す二次電池100は、正極111、負極115及びセパレータ108を有する。正極111及び負極115はそれぞれ実施の形態1に記載の電極であり、正極111は正極集電体101、正極活物質層102及び正極摩擦層103を有し、負極115は、負極集電体105、負極活物質層106及び負極摩擦層107を有する。また、正極集電体101の一方の面と負極集電体105の一方の面の間に、ゲル電解液109aを有する。
ゲル電解液109aは、正極集電体101と、負極集電体105とを貼りあわせ、正極集電体101と負極集電体105の間の距離を一定に保ちやすくすることができる。そのため、集電体の面内で電池反応の速度がばらつくことを防ぎ、二次電池100の容量の低下および劣化を抑制することができる。
上記の正極111、セパレータ108、ゲル電解液109aおよび負極115で、1つのユニットを構成し、二次電池100は、複数のユニットを有する。
図13(B)および図13(C)に3つのユニットを積層した二次電池100の例を示す。図13(B)は、二次電池100の斜視図、図13(C)は、図13(B)の矢印方向から見た二次電池100の側面図である。なお説明を明瞭にするため、正極集電体101、負極集電体105およびゲル電解液109aを抜粋して示す。複数のユニットは、正極111の正極摩擦層103同士、または負極115の負極摩擦層107同士が対向するように配置される。このように配置することで、正極摩擦層103同士の接触面201および負極摩擦層107同士の接触面205を作ることができる。
このとき、正極摩擦層103同士の間の静摩擦係数が、正極集電体101同士の間の静摩擦係数より小さいとより好ましい。
接触面201および接触面205は、正極活物質層102とセパレータ108、および負極活物質層106とセパレータ108の接触面と比較して、摩擦の小さい接触面とすることができる。正極集電体101の他方の面同士、または負極集電体105の他方の面同士が対向するようにユニットを積層して二次電池100を構成することで、二次電池100を湾曲させた際に、図13(D)に示すように、この摩擦の小さい接触面がずれる。そのため湾曲の内径と外径の差に起因する応力を逃がしやすくすることができる。これにより、集電体のなかで局所的に湾曲が強くなる部分とそうでない部分が生じることを抑制し、正極111と負極115の間の距離のばらつきを抑制することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る蓄電装置の作製方法について、二次電池100の作製方法を例に挙げて、図14乃至図19を用いて説明する。
[1.正極をセパレータで覆う]
まず、セパレータ108上に正極111を配置する(図14(A)参照。)。正極111は、実施の形態1に記載の電極であり、正極集電体101の一方の面に正極活物質層102を有し、他方の面に正極摩擦層103を有す。そのため正極111は、図14(A)に示す面には正極活物質層102を有さず、もう一方の面に正極活物質層102を有する。次いで、セパレータ108を図14(A)の点線で示した部分で折り(図14(B)参照。)、セパレータ108で正極111を挟む(図14(C)参照。)。
次に、正極111の外側を囲むように、セパレータ108の外周部分を接合する(図14(D)参照。)。セパレータ108の外周部分の接合は、接着材などを用いて行ってもよいし、超音波溶接や、加熱による融着により行ってもよい。
本実施の形態では、セパレータ108としてポリプロピレンを用いて、セパレータ108の外周部分を加熱により接合する。図14(D)に接合部108cを示す。このようにして、正極111をセパレータ108で覆うことができる。セパレータ108は、正極活物質層102を覆うように形成すればよく、正極111の全体を覆う必要は無い。
なお、図14では、セパレータ108を折り曲げているが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、2枚のセパレータで正極111を挟んで形成してもよい。その場合、接合部108cが4辺のほとんどを囲う形で形成されていてもよい。
また、セパレータ108の外周部分の接合は、連続的又は断続的に行ってもよいし、一定間隔毎の点状として接合してもよい。
または、外周部分の1辺にのみ、接合を行ってもよい。または、外周部分の2辺にのみ、接合を行ってもよい。または、外周部分の4辺に、接合を行ってもよい。これにより、4辺を均等な状態にすることが出来る。
なお、図14などでは、正極111がセパレータ108に覆われている場合について述べているが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、正極111は、セパレータ108に覆われていなくてもよい。例えば、正極111の代わりに、負極115がセパレータ108に覆われていてもよい。
[2.外装体の一辺を接合する]
次に、外装体に用いるフィルムを点線で示した部分で折り曲げ(図15(A))、重なり合った一辺を熱圧着により接合する。図15(B)に外装体110の一辺を熱圧着により接合した部位を、接合部110aとして示す。
[3.正極と負極を重ねあわせ、ユニットを作製する]
次に、1つのユニットを構成する正極111と負極115を重ねあわせて、外装体110で覆う(図15(C))。このとき1つのユニット内では、正極活物質層102と負極活物質層106がセパレータ108を介して対向するように配置する。またユニットの最も外側には、正極111の正極摩擦層103、または負極115の負極摩擦層107の面がくるように配置する。本実施の形態では、1つのユニットが、正極111、セパレータ108、負極115をそれぞれ1枚ずつ有する例について示す。
次に、外装体110の一辺を、熱圧着により接合する。図16(A)に外装体110の一辺を熱圧着により接合した部位を、接合部110aとして示す。
次に、図16(A)に示す、外装体110の封止されていない辺110bから、ゲル電解液109aの材料である電解液を外装体110で覆われた領域に入れる。そして真空引き、加熱および加圧を行いながら、外装体110の残りの一辺を封止する。これらの操作は、グローブボックスを用いるなどして酸素を排除した環境にて行う。真空引きは、脱気シーラー、注液シーラー等を用いて行うとよい。またシーラーが有する加熱可能な2本のバーで挟むことにより、加熱および加圧を行うことができる。それぞれの条件は、例えば真空度は60kPa、加熱は190℃、加圧は0.1MPaにおいて3秒とすることができる。
そして、電解液を十分に硬化させ、ゲル電解液109aとする。このとき、外装体110の上からユニットに加圧してもよい。加圧により、注入の際に混入した気泡を正極と負極の間から排除することができる。
[4.ユニットを取り出し、不要なゲル電解液を取り除く]
次に、外装体110を切断して開封し、ユニットを取り出す(図16(B))。ユニットの中の、正極活物質層102および負極活物質層106が対向している領域のゲル電解液109aにより、正極集電体101と負極集電体105は貼りあわされている。そこで正極集電体101と負極集電体105を貼りあわせているゲル電解液109aを保持したまま、ユニットの外側の面に付着した、ゲル電解液109aを取り除く。ユニットの外側の面に付着したゲル電解液109aを取り除くことで、正極111の正極摩擦層103側の面同士、または負極115の負極摩擦層107側の面同士の摩擦を小さくすることができる。
ゲル電解液109aの不必要な箇所を取り除く方法は特に限定されない。例えば正極集電体101の正極活物質を有さない面、または負極集電体105の負極活物質を有さない面にあらかじめシートを貼っておき、該シートをゲル電解液109aごとはがすことで取り除いてもよい。また、布やウエスなどで拭き取ってもよい。
[5.ユニットを積み重ね、リードを接続する]
次に、上記のように作製したユニットを積み重ねる(図17(A))。本実施の形態ではユニットを3つ用いる例を示す。このとき負極集電体105の他方の面同士が対向するように配置すると好ましい。また、正極集電体を包むセパレータの面同士が対向するように配置すると好ましい。
次に、複数の正極集電体101の正極タブと、封止層140を有する正極リード141を、圧力を加えながら超音波を照射して電気的に接続する(超音波溶接)。
また、リード電極は、蓄電体の作製後に外から力が加えられて生じる応力により、ヒビや切断が生じやすい。
そこで、正極リード141を超音波溶接する際、突起を有するボンディングダイで挟むことで、正極タブに接続領域142と湾曲部143を形成することができる(図17(B))。
この湾曲部143を設けることによって、二次電池100の作製後に外から力が加えられて生じる応力を緩和することができる。よって、二次電池100の信頼性を高めることができる。
また、正極タブに湾曲部143を形成することに限定されず、正極集電体の材料をステンレスなどの強度のあるものとし、正極集電体の膜厚を10μm以下とすることで二次電池の作製後に外から外力が加えられ生じる応力を緩和しやすくする構成としてもよい。
勿論、これらを複数組み合わせて正極タブの応力集中を緩和してもよいことは言うまでもない。
そして正極集電体101と同様に、負極集電体105の負極タブと、封止層140を有する負極リード145を超音波溶接により電気的に接続する。
[6.再封止する]
次に、電気的に接続された複数のユニットを、新しく用意した外装体110で覆う(図18(A))。そして正極リード141が有する封止層140および負極リード145を有する封止層140と重畳する外装体110の一辺を、最初の封止と同様に熱溶着する(図18(B))。その後、必要ならば溶媒または電解質を追加してもよい。そして最初の封止と同様に、真空引き、加熱および加圧を行いながら、外装体110を封止し、二次電池100を得る(図18(C))。
[7.変形例]
二次電池100の変形例として、図19(A)に二次電池100を示す。図19(A)に示す二次電池100は、図18の二次電池100と比べて正極リード141と負極リード145の配置が異なる。具体的には、図18の二次電池100では正極リード141および負極リード145が外装体110の同じ辺に配置されているが、図19の二次電池100では正極リード141および負極リード145をそれぞれ外装体110の異なる辺に配置している。このように、本発明の一態様の二次電池は、リード電極を自由に配置することができるため、設計自由度が高い。よって、本発明の一態様の二次電池を用いた製品の設計自由度を高めることができる。また、本発明の一態様の二次電池を用いた製品の生産性を高めることができる。
図19(B)は、図19(A)の二次電池100の作製工程を説明する図である。詳細は、図18の二次電池100の作製方法を参酌することができる。なお、図19(B)では、ゲル電解液109aの記載を省略している。
また、外装体110に用いるフィルム表面に予め凹凸を持たせるため、プレス加工、例えばエンボス加工を行ってもよい。フィルム表面に凹凸を持たせると、二次電池としてのフレキシブル性、応力の緩和効果が向上する。エンボス加工によりフィルム表面に形成された凹部または凸部は、フィルムを封止構造の壁の一部とする空間の容積が可変な閉塞空間を形成する。フィルムの凹部および凸部が蛇腹構造、ベローズ構造となっていてもよい。また、プレス加工の一種であるエンボス加工に限らず、フィルムの一部に浮き彫り(レリーフ)が形成できる手法であればよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、図20を用いて、本発明の一態様に係る二次電池100を搭載することのできる電子デバイスについて説明する。
本発明の一態様に係る二次電池100は、可撓性を有するためウェアラブルデバイスに好適である。
例えば図20(A)に示すような眼鏡型デバイス400に搭載することができる。眼鏡型デバイス400は、フレーム400aと、表示部400bを有する。湾曲を有するフレーム400aのテンプル部に二次電池100を搭載することで、重量バランスがよく継続使用時間の長い眼鏡型デバイス400とすることができる。
また、ヘッドセット型デバイス401に搭載することができる。ヘッドセット型デバイス401は、少なくともマイク部401aと、フレキシブルパイプ401bと、イヤフォン部401cを有する。フレキシブルパイプ401b内やイヤフォン部401c内には、複数の二次電池100を設けることができる。
また、身体に直接取り付け可能なデバイス402に搭載することができる。デバイス402の薄型の筐体402aの中に、複数の二次電池100を設けることができる。
また、衣服に取り付け可能なデバイス403に搭載することができる。デバイス403薄型の筐体403aの中に、複数の二次電池100を設けることができる。
また、腕章型デバイス404に搭載することができる。腕章型デバイス404は本体404a上に表示部404bを有し、本体404aの中に、複数の二次電池100を設けることができる。
また、腕時計型デバイス405に搭載することができる。腕時計型デバイス405は表示部405aを有し、複数の二次電池100を設けることができる。
また、本発明の一態様に係る二次電池100は、湾曲可能であるため、様々な電子機器において空間効率よく搭載することができる。例えば図20(B)に示すストーブ410は、本体412にモジュール411が取り付けられ、モジュール411は、二次電池100、モーター、ファン、送風口411a、熱電発電装置を有する。ストーブ410では、開口部412aから燃料を投入、着火した後、二次電池100の電力を用いてモジュール411のモーターとファンを回転させ、送風口411aから外気をストーブ410の内部に送ることができる。このように外気を効率よく取り込めるため火力の強いストーブとすることが可能である。さらに、燃料の燃焼に得た熱エネルギーを用いて、上部のグリル413において調理することが可能である。また該熱エネルギーをモジュール411の熱電発電装置により電力に変換し、二次電池100に充電することができる。さらに、二次電池100に充電された電力を外部端子411bより出力することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
さらに、電気機器の一例である移動体の例について、図21を用いて説明する。
先の実施の形態で説明した二次電池を制御用のバッテリに用いる事が出来る。制御用のバッテリは、プラグイン技術や非接触給電による外部からの電力供給により充電をする事が出来る。なお、移動体が鉄道用電気車両の場合、架線や導電軌条からの電力供給により充電をする事が出来る。
図21(A)及び(B)は、電気自動車の一例を示している。電気自動車760には、バッテリ761が搭載されている。バッテリ761の電力は、制御回路762により出力が調整されて、駆動装置763に供給される。制御回路762は、図示しないROM、RAM、CPU等を有する処理装置764によって制御される。
駆動装置763は、直流電動機若しくは交流電動機単体、又は電動機と内燃機関と、を組み合わせて構成される。処理装置764は、電気自動車760の運転者の操作情報(加速、減速、停止など)や走行時の情報(上り坂や下り坂等の情報、駆動輪にかかる負荷情報など)の入力情報に基づき、制御回路762に制御信号を出力する。制御回路762は、処理装置764の制御信号により、バッテリ761から供給される電気エネルギーを調整して駆動装置763の出力を制御する。交流電動機を搭載している場合は、図示していないが、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
バッテリ761は、プラグイン技術による外部からの電力供給により充電することができる。例えば、商用電源から電源プラグを通じてバッテリ761に充電する。充電は、AC/DCコンバータ等の変換装置を介して、一定の電圧値を有する直流定電圧に変換して行なうことができる。バッテリ761として、本発明の一態様に係る二次電池用電極を用いた二次電池を搭載することで、電池の高容量化などに寄与することができ、利便性を向上させることができる。また、バッテリ761の特性の向上により、バッテリ761自体を小型軽量化できれば、車両の軽量化に寄与するため、燃費を向上させる事が出来る。
なお、本発明の一態様の二次電池を具備していれば、上記で示した電気機器に特に限定されない事は言うまでもない。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態8)
本実施の形態では、二次電池100を搭載した無線センサについて、図22及び図23を用いて説明を行う。
〈無線センサの構成例1〉
図22(A)および図22(B)は、無線センサ800の構成例を示す外観図である。無線センサ800は、回路基板801と、バッテリ802と、センサ803と、を有する。バッテリ802には、ラベル804が貼られている。さらに、図22(B)に示すように、無線センサ800は、端子806と、端子807と、アンテナ808と、アンテナ809と、を有する。バッテリ802として、二次電池100を用いることができる。
回路基板801は、端子805と、集積回路810と、を有する。端子805は、導線813を介して、センサ803に接続される。なお、端子805の数は2個に限定されず、必要に応じた数だけ設ければよい。
また、回路基板801は、トランジスタやダイオードなどの半導体素子、抵抗素子または配線などが形成されていてもよい。
バッテリ802が発熱する熱、またはアンテナ808、809が発生する電磁界がセンサ803の動作に悪影響を与える場合は、導線813の距離を長くして、センサ803を、バッテリ802またはアンテナ808、809から離せばよい。例えば、導線813の長さは、1cm以上、1m以下、好ましくは、1cm以上50cm以下、さらに好ましくは1cm以上30cm以下であればよい。
また、センサ803は、回路基板801上に配置しても良い。
集積回路810は、回路基板801のバッテリ802と対向する面に設けられていてもよい。
アンテナ808およびアンテナ809は、コイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。また、平面アンテナ、開口面アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体アンテナ等のアンテナを用いてもよい。または、アンテナ808若しくはアンテナ809は、平板状の導体でもよい。この平板状の導体は、電界結合用の導体の一つとして機能することができる。つまり、コンデンサの有する2つの導体のうちの一つの導体として、アンテナ808若しくはアンテナ809を機能させてもよい。これにより、電磁界、磁界だけでなく、電界で電力のやり取りを行うこともできる。
集積回路810は、Siトランジスタまたは酸化物半導体を用いたトランジスタ(OSトランジスタ)で構成される回路を有する。
アンテナ808の線幅は、アンテナ809の線幅よりも大きいことが好ましい。これにより、アンテナ808により受電する電力量を大きくできる。
センサ803は、熱的、力学的、あるいは電磁気学的等の諸情報をアナログデータとして出力する機能を有する回路である。
無線センサ800は、アンテナ808およびアンテナ809と、バッテリ802との間に層812を有する。層812は、例えばバッテリ802による電磁界を遮蔽する機能を有する。層812としては、例えば磁性体を用いることができる。
〈無線センサの構成例2〉
図23は、無線センサ880の構成例を示す外観図である。無線センサ880は、支持体850と、アンテナ851と、集積回路852と、回路基板853と、センサ855と、バッテリ854と、を有する。バッテリ854として、二次電池100を用いることができる。
回路基板853には、集積回路852が配置されている。また、回路基板853は、トランジスタやダイオードなどの半導体素子、抵抗素子または配線などが形成されていてもよい。
集積回路852は、SiトランジスタまたはOSトランジスタで構成される回路を有する。
アンテナ851は、導線860を介して、集積回路852に接続されている。アンテナ851の詳細は、無線センサ800のアンテナ808またはアンテナ809の記載を参照すればよい。
センサ855は、導線856を介して、集積回路852に接続されている。また、センサ855は、支持体850の外に形成しても良いし、支持体850の上に形成しても良い。
センサ855は、熱的、力学的、あるいは電磁気学的等の諸情報をアナログデータとして出力する機能を有する回路である。
バッテリ854は、正極及び負極の一方としての機能を有する端子858、および正極及び負極の他方としての機能を有する端子859を有する。それぞれの端子は導線857及び回路基板853を介して、集積回路852に接続されている。
支持体850として、例えば、ガラス、石英、プラスチック、金属、ステンレス・スチル・ホイル、タングステン・ホイル、可撓性基板、貼り合わせフィルム、基板フィルム、繊維状の材料を含む紙、又は木材などを用いればよい。可撓性基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。貼り合わせフィルムの一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。基板フィルムの一例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
無線センサ880は、薄型であることが好ましい。特にバッテリ854及び支持体850を含めた厚さは、0.1mm以上、5mm以下、好ましくは0.1mm以上、3mm以下、さらに好ましくは0.1mm以上、1mm以下であることが好ましい。無線センサ880を上記構成にすることで、ポスターや段ボールなどの紙類に無線センサ880を埋め込むことが可能になる。
また、無線センサ880は、可撓性を有することが好ましい。特に、支持体850及びバッテリ854は、曲率半径30mm以下好ましくは曲率半径10mm以下の範囲で変形できることが好ましい。無線センサ880を上記構成にすることで、衣服や人体などに無線センサ880を貼る際に、衣服や人体の動きに追従することが可能になる。
上記構成を満たすために、バッテリ854は薄型で且つ可撓性を有することが好ましい。バッテリ854の外装体として、例えば、第1の薄膜、第2の薄膜、第3の薄膜の順に形成された三層構造のフィルムを用いればよい。なお、第3の薄膜は外装体の外面としての機能を有する。第1の薄膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド等の材料を用いればよい。第2の薄膜としては、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を用いればよい。第3の薄膜としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を用いればよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態8で説明した無線センサの応用例について、図24乃至図26を用いて説明する。図24乃至図26に示す無線センサ900は、実施の形態8に示した無線センサ800または無線センサ880を適用することが可能である。
例えば、無線センサ900を物品921に貼付、あるいは内部に設置し、外部のリーダー922から無線信号911を送信する。無線信号911を受信した無線センサ900は、センサによって物品921に触れることなく、温度等の情報を取得し、リーダー922に送信することができる。
また別の無線センサの応用形態としては、図25(A)に示す模式図で説明することができる。例えば、トンネル壁面に無線センサ900を埋め込み、外部から無線信号911を送信する。無線信号911を受信した無線センサ900は、センサによってトンネル壁面の情報を取得し、送信することができる。
また別の無線センサの応用形態としては、図25(B)に示す模式図で説明することができる。例えば、橋梁の支柱の壁面に無線センサ900を埋め込み、外部から無線信号911を送信する。無線信号911を受信した無線センサ900は、センサによって橋梁の支柱内の情報を取得し、送信することができる。
また別の無線センサの応用形態としては、図26に示す模式図で説明することができる。例えば、接着パッド等を用いて人体に無線センサ900を取り付け、リーダー922から無線信号911を送信する。無線信号911を受信した無線センサ900は、配線932を介して人体に取り付けられた電極931等に信号を与えて生体情報等の情報を取得し、送信することができる。取得した情報は、リーダー922の表示部933で確認することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
11 集電体
12 活物質層
13 摩擦層
21 電極
100 二次電池
101 正極集電体
102 正極活物質層
103 正極摩擦層
105 負極集電体
106 負極活物質層
107 負極摩擦層
108 セパレータ
108a セパレータ
108b セパレータ
108c 接合部
109 電解液
109a ゲル電解液
110 外装体
110a 接合部
110b 辺
111 正極
111a 正極
111b 正極
115 負極
118 積層体
120 軸
120a 構造体
121 第1の部分
122 第2の部分
123 第3の部分
124 第4の部分
130 接触面
140 封止層
141 正極リード
142 接続領域
143 湾曲部
145 負極リード
201 接触面
205 接触面
400 眼鏡型デバイス
400a フレーム
400b 表示部
401 ヘッドセット型デバイス
401a マイク部
401b フレキシブルパイプ
401c イヤフォン部
402 デバイス
402a 筐体
403 デバイス
403a 筐体
404 腕章型デバイス
404a 本体
404b 表示部
405 腕時計型デバイス
405a 表示部
410 ストーブ
411 モジュール
411a 送風口
411b 外部端子
412 本体
412a 開口部
413 グリル
760 電気自動車
761 バッテリ
762 制御回路
763 駆動装置
764 処理装置
800 無線センサ
801 回路基板
802 バッテリ
803 センサ
804 ラベル
805 端子
806 端子
807 端子
808 アンテナ
809 アンテナ
810 集積回路
812 層
813 導線
850 支持体
851 アンテナ
852 集積回路
853 回路基板
854 バッテリ
855 センサ
856 導線
857 導線
858 端子
859 端子
860 導線
880 無線センサ
900 無線センサ
911 無線信号
921 物品
922 リーダー
931 電極
932 配線
933 表示部

Claims (3)

  1. 正極集電体と、正極活物質層と、正極摩擦層と、負極集電体と、負極活物質層と、負極摩擦層と、セパレータと、を有し、
    前記正極摩擦層及び前記負極摩擦層は、有機膜、フッ素樹脂、または無機膜を有する、蓄電装置であって、
    前記正極集電体の第1の面に、前記正極活物質層が配置され、
    前記負極集電体の第1の面に、前記負極活物質層が配置され、
    前記正極活物質層と、前記負極活物質層とは、前記セパレータを介して重なるように配置され、
    前記正極集電体の第2の面の第1の領域に、前記正極摩擦層が配置され、
    前記正極集電体の第2の面の第2の領域には、前記正極摩擦層は配置されず、
    第1の軸に沿って、前記正極集電体と、前記正極活物質層と、前記負極集電体と、前記負極活物質層と、前記セパレータとが、折り曲げられることにより、前記第1の領域と前記第2の領域は、前記正極摩擦層を介して重なるように配置されており、
    前記負極集電体の第2の面の第3の領域に、前記負極摩擦層が配置され、
    前記負極集電体の第2の面の第4の領域には、前記負極摩擦層は配置されず、
    第2の軸に沿って、前記正極集電体と、前記正極活物質層と、前記負極集電体と、前記負極活物質層と、前記セパレータとが、折り曲げられることにより、前記第3の領域と前記第4の領域は、前記負極摩擦層を介して重なるように配置され、
    前記第1の軸は、前記正極摩擦層と重ならず、
    前記第2の軸は、前記負極摩擦層と重ならない、蓄電装置。
  2. 請求項1において、
    前記正極摩擦層及び前記負極摩擦層は、自己組織化単分子膜である、蓄電装置。
  3. 請求項1において、
    前記正極摩擦層及び前記負極摩擦層は、劈開性を有する材料でなる、蓄電装置。
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