JP6683434B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明の一様態は、物、方法、又は、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、照明装置または電子機器の製造方法に関する。特に、電子機器およびそのオペレーティングシステムに関する。
なお、本明細書中において電子機器とは、二次電池を有する装置全般を指し、二次電池を有する電気光学装置、二次電池を有する情報端末装置などは全て電子機器である。
使用者が携帯する電子機器や、使用者が装着する電子機器が盛んに開発されている。例えば、薄型携帯書籍が特許文献1に記載されている。
使用者が携帯する電子機器や、使用者が装着する電子機器は、二次電池を電源として動作する。使用者が携帯する電子機器は、長時間使用することが望まれ、そのために大容量の二次電池を用いればよい。電子機器に大容量の二次電池を内蔵させると大容量の二次電池は大きく、重量がかさむ問題がある。そこで携帯する電子機器に内蔵できる小型または薄型で大容量の二次電池の開発が進められている。
特許文献1には、活物質合剤層が、複数の開口部を有する領域と、開口部を有していない領域とからなり、集合シートの少なくとも曲げの生じている部分を複数の開口部を有する領域が覆っている角形リチウムイオン二次電池が開示されている。
特開2013−140781号公報
外装体として金属缶を用いる場合、二次電池自体の重量が増加する問題点がある。また、薄い二次電池を実現するために、薄い金属缶を成形加工によって製造することが困難であり、薄い金属缶を用いて二次電池を作製することも困難である。
外装体として金属箔(アルミニウム、ステンレスなど)と樹脂(熱融着性樹脂)の積層を含むフィルム(ラミネートフィルムとも呼ぶ)を用いると、金属缶を用いた二次電池よりも軽量であり、薄型の二次電池を作製することができる。
使用者の装着感を快適なものとするため、人体に装着して使用される表示装置は軽量化、及び小型化が求められ、さらに表示装置の駆動装置や電源を含めた電子機器全体の軽量化が求められる。
新規な構造の電子機器を提供する。具体的には、さまざまな外観形状にすることができる新規な構造の電子機器を提供する。
または、本発明の一態様は、新規な蓄電装置、新規な二次電池などを提供することを課題とする。なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
二次電池の外装体にフィルムを用いた場合、フィルムの強度は、金属缶よりも弱く、外部から力が加わった場合に、外装体の内部に配置される集電体、または集電体表面に設けられた活物質層などにダメージを与える恐れがある。
可撓性を有する二次電池、または曲げられた二次電池を作製する場合、複数の電極を曲げると、それぞれ異なる曲率で曲げられる。曲率中心に近い電極と比べて曲率中心に遠い電極のほうが湾曲されて、端部の位置がずれる、或いは引っ張られるような状態となる。電極の端部には、リードと電気的に接する部分(電極タブ部とも呼ばれる)がある。なお、電極タブ部には活物質層は設けない。
ラミネートフィルムを外装体に用いる薄型の二次電池は、亀裂の入りやすい電極形状、即ち、リード電極の引き出しのため一部が突出している突出部(電極タブ部、リード端子部とも呼ぶ)を有している。
薄型の二次電池を作製する場合、外装体に囲われた領域に第1の電極(正極)と活物質層と第2の電極(負極)との組み合わせを複数積層させる。また、複数の第1の電極は、第1の電極同士を重ねた後、端部を固定するために超音波接合などを行う。また、同様に第2の電極も、第2の電極同士を重ねた後、端部を固定するために超音波接合などを行う。
積層数が多くなればなるほど容量が大きくなり、厚さも厚くなるため、曲率半径の差が大きくなると曲率中心に近い電極と比べて曲率中心に遠い電極のほうの端部の位置が大きくずれる、或いは引っ張られる。
具体的には、集電体の片面または両面に活物質層を形成した後、曲げられる領域の活物質層を部分的に除去する。活物質層を除去する領域は、ライン状、ドット状、マス目状などとすることができる。
本明細書で開示する発明の構成の一つは、集電体と、集電体と接する複数の活物質層と、集電体及び複数の活物質層に接する電解液と、を有し、複数の活物質層は、集電体の長辺方向、或いは短辺方向のどちらか一方向に間隔を開けて並べて配置することを特徴とする二次電池である。
活物質層は、集電体の表面にある一定の膜厚で全面形成した後、レーザ光の照射や切削やプレスなどによって部分的に除去することで集電体の表面が露出されて模様(ストライプ模様、ドット模様、マス目模様など)が形成される。例えば、ストライプ模様とする場合には隣り合う活物質層のピッチは均一とする。具体的には、集電体の片面または両面に活物質層を形成した後、レーザ光などを用いて照射領域の活物質層の一部を除去するレーザ加工を行う。
この集電体の表面が露出された領域は、活物質層が形成されず、隣り合う活物質層同士を接続する領域として機能する。このような領域を形成することで、広い範囲で可動領域を有する二次電池、例えば集電体端部の上面方向または下面方向に可動域を有する二次電池を実現することができる。
または、二次電池で用いる集電体の一部を切削加工し、複雑なパターン形状(例えば蛇行形状)とすることで、曲率中心に近い集電体と比べて曲率中心に遠い集電体のほうが湾曲されて、端部の位置が曲率中心に近い集電体の位置とずれることを抑える、或いは曲率中心に遠い集電体に負荷される張力を緩和させてもよい。また、二次電池の形状を電子機器に合わせて複雑な形状としてもよく、その場合には集電体もその電子機器の形状に合わせた形状とすることが好ましい。例えば、眼鏡タイプの電子機器の場合、眼鏡のフレームの一部、例えばテンプルに二次電池を収納する構成としてもよい。
レーザ光の強度を調節することで集電体の一部を除去することができる。集電体の一部を除去するレーザ光の照射よりも弱いレーザ光照射条件とすることで集電体を残して照射した領域のみの活物質層を除去することもできる。
本明細書で開示する発明の他の構成の一つは、集電体と、集電体と接する複数の活物質層と、集電体及び複数の活物質層に接する電解液と、を有し、集電体の上面形状は、蛇行部を有し、蛇行部において幅が細い部分は、少なくとも2箇所以上あり、少なくとも1箇所は隣り合う活物質層の境界と重なることを特徴とする二次電池である。
上記構成において、蛇行部は、メアンダ状、波状、又は複数のカーブを有する形状のパターンとも言え、その部分は、二次電池の折り曲げ可能な部分となる。二次電池の端部の上面方向または下面方向に二次電池の端部を持って変形させた場合、端部が引っ張られ、蛇行部が伸びても集電体が切断されずに二次電池の変形に耐えることができる。
複数の屈曲部を有する蛇行形状(蛇行状のパターン)を有する正極集電体を用いる場合、負極集電体の形状は、正極集電体と異なる形状とする。タブ電極を設ける場合、正極と負極とが近い距離にあると短絡する恐れがあるため、正極のタブ電極と負極のタブ電極は、間隔を広くする位置になるように正極集電体と負極集電体とを重ねる。なお、集電体の蛇行パターンの先端部には電気的に接続するタブ電極が接続される。
また、集電体の表面にある一定の膜厚で全面形成した後、レーザ光の照射や切削などによって部分的に活物質層を除去することに限定されない。活物質層を部分的にプレスすることで部分的に膜厚を薄くしてもよい。また、部分的なプレスを行うと集電体にも圧力がかかり、集電体も部分的に薄くすることもできる。集電体を部分的に薄くすることによって二次電池は、二次電池の端部の可動域を広げる効果を有する。
本明細書で開示する発明の他の構成の一つは、集電体と、集電体と接する活物質層と、活物質層に接する電解液と、を有し、活物質層は、膜厚の厚い領域と、膜厚の薄い領域とを有し、膜厚の薄い領域は集電体上に線状に配置されていることを特徴とする二次電池である。
上記各構成において、活物質層は、リチウムを含み、上記構成を用いた二次電池はリチウムイオン二次電池である。
また、上記各構成において、集電体を複数重ねて有し、フィルム(代表的にはラミネートフィルム)を用いた外装体で包囲する薄型の二次電池とする。曲がりやすくするため、フィルム(代表的にはラミネートフィルム)に対してエンボス加工を行ってもよい。
可撓性を有する二次電池または曲げられた二次電池を実現できる。
また、二次電池が曲げられ、その二次電池の電極も曲げられた時、電極の一部または活物質層の一部が切削されているため、電極の端部が引っ張られて電極にクラックが入ることを防ぐ。その結果、曲げることのできる二次電池または曲げられた二次電池の信頼性を向上することができる。また、電子機器の筐体をフレキシブルな筐体とすれば、電池を含めて電子機器の一部または全部を曲げることができる。
本発明の一態様を示す斜視図及び断面図である。 本発明の一態様を示す斜視図及び断面図である。 本発明の一態様を示す斜視図及び断面図である。 本発明の一態様を示す斜視図及び断面図である。 本発明の一態様を示す斜視図及び断面図である。 本発明の一態様を示す上面図及び写真である。 本発明の一態様を示す上面図および斜視図である。 本発明の一態様を示す斜視図である。 フレキシブルな二次電池を有する電子機器を説明する図である。 電子機器を説明する図である。 二次電池を有する車両を説明する図である。 正極および負極の写真である。 充電後の負極の走査型電子顕微鏡写真である。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限はない。
図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものである。
(実施の形態1)
本実施の形態では、図1、図2、図3、図4、及び図5を用いて、本発明の一態様に係る二次電池用電極及び二次電池の製造方法について説明する。
図1(A)は、正極集電体12上に複数の正極活物質層を形成した斜視図であり、その断面図が図1(B)である。正極集電体12は、一方の面に接して、複数の正極活物質層が形成されている。また、正極集電体12は、一方の面に接して、複数の領域に分断された複数の正極活物質層が形成されているといってもよい。
作製方法としては、スラリーを塗布して乾燥させた後、レーザ光照射により正極活物質層を部分的に除去して複数の正極活物質層18a、18b、18c、18dを形成する。
レーザ光源としては、発振波長約1065nmのML−7320DL(ミヤチテクノス社製)を用い、ステージを移動させた後、ガルバノミラーを動かすことによってレーザ光の走査を行う。
また、片面に複数の正極活物質層18a、18b、18c、18dを形成し、もう片面に複数の正極活物質層18e、18f、18g、18hを形成した断面図が図1(C)である。また、図1(C)では、両面の正極活物質層の端部が一致するように配置する例を示したが特に限定されない。
また、図1(D)に片面に複数の正極活物質層18a、18b、18c、18dを形成し、もう片面に位置をそれぞれずらして複数の正極活物質層18e、18f、18g、18h、18iを形成する例を示す。
また、図1では、複数の正極活物質層の間隔がほぼ一定のピッチとする例を示したが、特に限定されない。図2(B)では、正極活物質層18aと正極活物質層18bの間隔P1を正極活物質層18bと正極活物質層18cの間隔P2よりも広くする例を示した。なお、図2(A)は、斜視図であり、図2(B)と対応している。
図2(C)は片面に複数の正極活物質層18a、18b、18c、18dを形成し、もう片面に複数の正極活物質層18e、18f、18g、18hを形成した断面図である。
また、図2(D)に片面に複数の正極活物質層18a、18b、18c、18dを形成し、もう片面に位置をそれぞれずらして複数の正極活物質層18e、18f、18g、18h、18iを形成する例を示す。
また、凸部を有するロール80を用い、部分的に膜厚の異なる正極活物質層18を形成する斜視図を図3(A)に示し、断面図を図3(B)に示す。また、両面に膜厚の異なる正極活物質層18を形成する例を図3(C)に示す。また、図3(D)に片面に正極活物質層18を形成し、もう片面に凹部の位置をそれぞれずらして正極活物質層18を形成する例を示す。
また、凸部を有するロール80よりもピッチの広い凸部を有するロール90を用い、部分的に膜厚の異なる正極活物質層18を形成する斜視図を図4(A)に示し、断面図を図4(B)に示す。また、両面に膜厚の異なる正極活物質層18を形成する例を図4(C)に示す。また、図4(D)に片面に正極活物質層18を形成し、もう片面に凹部の位置をそれぞれずらして正極活物質層18を形成する例を示す。
また、図4(E)は、凸部を有するロール90を用い、部分的に膜厚の異なる正極活物質層18を形成した後、レーザ光を照射し、複数の正極活物質層18a、18b、18c、18dを形成する例を示している。
図1、図2、図3、図4では合計13種類のバリエーションを示しているが、特に限定されない。また、本実施の形態では正極活物質層の例を示したが、負極活物質層にレーザ照射を行ってもよいし、ロールでプレスを行ってもよい。
図1、図2、図3、及び図4に示した正極活物質層を有する正極集電体12を用いて二次電池40を作製する例を以下に説明する。
図5(B)は正極とセパレータと負極を積層させた斜視図である。正極は集電体と正極活物質層とを少なくとも有する。また、負極は集電体と負極活物質層を少なくとも有する。図5(B)では、蓄電池用電極(正極または負極)を矩形のシート形状で示しているが、蓄電池用電極の形状はこれに限らず、任意の形状を適宜選択することができる。図5(B)では活物質層は集電体の一方の面にのみ形成されているが、活物質層は集電体の両面に形成してもよい。また、活物質層は集電体の表面全域に形成する必要はなく、電極リードと電気的に接続するための領域等の非塗布領域を適宜設ける。
正極や負極に用いる集電体は、二次電池内で顕著な化学変化を引き起こさずに高い導電性を示す限り、特別な制限はない。例えば、金、白金、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、タンタル、マンガン等の金属、及びこれらの合金(ステンレスなど)を用いることができる。また、炭素、ニッケル、チタン等で被覆してもよい。また、シリコン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどを添加して耐熱性を向上させてもよい。また、集電体は、箔状、シート状、板状、網状、円柱状、コイル状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状、多孔質状及び不織布を包括する様々な形態等の形状を適宜用いることができる。さらに、活物質との密着性を上げるために集電体は表面に細かい凹凸を有していてもよい。また、集電体は、厚みが5μm以上30μm以下のものを用いるとよい。
正極や負極に用いる活物質は、リチウムイオン等のキャリアイオンとの可逆的な反応が可能な材料であればよい。適当な手段により粉砕、造粒及び分級する事で、活物質の平均粒径や粒径分布を制御する事が出来る。
正極活物質層18に用いる正極活物質としては、オリビン型の結晶構造、層状岩塩型の結晶構造、またはスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物等がある。正極活物質として、例えばLiFeO、LiCoO、LiNiO、LiMn、V、Cr、MnO等の化合物を用いる。
または、複合材料(一般式LiMPO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiMPOの代表例としては、LiFePO、LiNiPO、LiCoPO、LiMnPO、LiFeNiPO、LiFeCoPO、LiFeMnPO、LiNiCoPO、LiNiMnPO(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFeNiCoPO、LiFeNiMnPO、LiNiCoMnPO(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFeNiCoMnPO(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等のリチウム化合物を材料として用いることができる。
または、一般式Li(2−j)MSiO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、0≦j≦2)等の複合材料を用いることができる。一般式Li(2−j)MSiOの代表例としては、Li(2−j)FeSiO、Li(2−j)NiSiO、Li(2−j)CoSiO、Li(2−j)MnSiO、Li(2−j)FeNiSiO、Li(2−j)FeCoSiO、Li(2−j)FeMnSiO、Li(2−j)NiCoSiO、Li(2−j)NiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li(2−j)FeNiCoSiO、Li(2−j)FeNiMnSiO、Li(2−j)NiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2−j)FeNiCoMnSiO(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等のリチウム化合物を材料として用いることができる。
また、正極活物質として、A(XO(A=Li、Na、Mg、M=Fe、Mn、Ti、V、Nb、Al、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表されるナシコン型化合物を用いることができる。ナシコン型化合物としては、Fe(MnO、Fe(SO、LiFe(PO等がある。また、正極活物質として、LiMPOF、LiMP、LiMO(M=Fe、Mn)の一般式で表される化合物、NaFeF、FeF等のペロブスカイト型フッ化物、TiS、MoS等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMVO等の逆スピネル型の結晶構造を有する酸化物、バナジウム酸化物系(V、V13、LiV等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等の材料を用いることができる。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンや、アルカリ土類金属イオンの場合、正極活物質として、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。
セパレータ13としては、セルロース(紙)、または空孔が設けられたポリプロピレン、ポリエチレン等の絶縁体を用いることができる。
電解液は、電解質として、キャリアイオンが移動可能であり、且つキャリアイオンであるリチウムイオンを有する材料を用いる。電解質の代表例としては、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等のリチウム塩がある。これらの電解質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
また、電解液の溶媒としては、キャリアイオンが移動可能な材料を用いる。電解液の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましい。非プロトン性有機溶媒の代表例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つまたは複数を用いることができる。また、電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いたり、電解液にゲル化のための高分子材料を添加する等で、漏液性等に対する安全性が高まる。また、蓄電池の薄型化及び軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代表例としては、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド系ゲル、ポリプロピレンオキサイド系ゲル、フッ素系ポリマーのゲル等がある。また、電解液の溶媒として、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つまたは複数用いることで、蓄電池の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、蓄電池の破裂や発火などを防ぐことができる。なお、イオン液体は、流動状態にある塩であり、イオン移動度(伝導度)が高い。また、イオン液体は、カチオンとアニオンとを含む。イオン液体としては、エチルメチルイミダゾリウム(EMI)カチオンを含むイオン液体、またはN−メチル−N−プロピルピペリジニウム(PP13)カチオンを含むイオン液体などがある。
また、電解液の代わりに、硫化物系や酸化物系等の無機物材料を有する固体電解質や、PEO(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用いることができる。固体電解質を用いる場合には、セパレータやスペーサの設置が不要となる。また、電池全体を固体化できるため、漏液のおそれがなくなり安全性が飛躍的に向上する。
また、負極活物質層19の負極活物質としては、リチウムの溶解・析出、又はリチウムイオンとの可逆的な反応が可能な材料を用いることができ、リチウム金属、炭素系材料、合金系材料等を用いることができる。
リチウム金属は、酸化還元電位が低く(標準水素電極に対して−3.045V)、重量及び体積当たりの比容量が大きい(それぞれ3860mAh/g、2062mAh/cm)ため、好ましい。
炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等がある。
黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等の人造黒鉛や、球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム−黒鉛層間化合物の生成時)にリチウム金属と同程度に卑な電位を示す(0.1〜0.3V vs.Li/Li)。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が小さい、安価である、リチウム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
負極活物質として、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な合金系材料または酸化物も用いることができる。キャリアイオンがリチウムイオンである場合、合金系材料としては、例えば、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Ag、Au、Zn、Cd、In、Ga等のうち少なくとも一つを含む材料がある。このような元素は炭素に対して容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと飛躍的に高い。このため、負極活物質にシリコンを用いることが好ましい。このような元素を用いた合金系材料としては、例えば、MgSi、MgGe、MgSn、SnS、VSn、FeSn、CoSn、NiSn、CuSn、AgSn、AgSb、NiMnSb、CeSb、LaSn、LaCoSn、CoSb、InSb、SbSn等がある。
また、負極活物質として、SiO、SnO、SnO、二酸化チタン(TiO)、リチウムチタン酸化物(LiTi12)、リチウム−黒鉛層間化合物(Li)、五酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物を用いることができる。なお、SiOとは、ケイ素リッチの部分を含むケイ素酸化物の粉末を指しており、SiO(2>y>0)とも表記できる。例えばSiOは、Si、Si、またはSiOから選ばれた単数または複数を含む材料や、Siの粉末と二酸化ケイ素SiOの混合物も含む。また、SiOは他の元素(炭素、窒素、鉄、アルミニウム、銅、チタン、カルシウム、マンガンなど)を含む場合もある。即ち、単結晶Si、アモルファスSi、多結晶Si、Si、Si、SiO、SiOから選ばれる複数を含む材料を指しており、SiOは有色材料である。SiOではないSiO(Xは2以上)であれば無色透明、或いは白色であり、区別することができる。ただし、二次電池の材料としてSiOを用いて二次電池を作製した後、充放電を繰り返すなどによって、SiOが酸化した場合には、SiOに変質する場合もある。
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、LiN型構造をもつLi(3−x)N(M=Co、Ni、Cu)を用いることができる。例えば、Li2.6Co0.4は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm)を示し好ましい。
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、正極活物質としてリチウムイオンを含まないV、Cr等の材料と組み合わせることができ好ましい。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あらかじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させておくことで負極活物質としてリチウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウムと合金化反応を行わない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反応が生じる材料としては、さらに、Fe、CuO、CuO、RuO、Cr等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn、CuN、Ge等の窒化物、NiP、FeP、CoP等のリン化物、FeF、BiF等のフッ化物でも起こる。なお、上記フッ化物の電位は高いため、正極活物質として用いてもよい。
また、負極活物質層19には、上述した負極活物質の他、活物質の密着性を高めるための結着剤(バインダ)、負極活物質層19の導電性を高めるための導電助剤等を有してもよい。
本実施の形態において、蓄電体の構成は、例えば、セパレータ13の厚さは約15μm以上30μm以下、正極101の集電体は約10μm以上約40μm以下、正極活物質層は約50μm以上約100μm以下、負極活物質層は約50μm以上約100μm以下、負極102の集電体は約5μm以上約40μm以下とする。
外装体として、可撓性基材からなるシートを用意する。シートは、積層体を用い、金属フィルムの一方の面または両方の面に接着層(ヒートシール層とも呼ぶ)を有するものを用いる。接着層は、ポリプロピレンやポリエチレンなどを含む熱融着性樹脂フィルムを用いる。本実施の形態では、シートとして、アルミニウム箔の表面にナイロン樹脂を有し、アルミニウム箔の裏面に耐酸性ポリプロピレン膜と、ポリプロピレン膜の積層が設けられている金属シートを用いる。このシートをカットしフィルム11を用意する。フィルム11を中央で折り曲げて2つの端部を重ね、3辺を接着層で封止する構造とする。
次いで、フィルム11を中央部分で2つに折り、図5(A)に示す状態とする。
また、図5(B)に示すように二次電池を構成する正極集電体12、セパレータ13、負極集電体14を積層したものを用意する。
そして図5(C)に示す封止層15を有するリード電極16aおよびリード電極16bを用意する。リード電極16aおよびリード電極16bはリード端子とも呼ばれ、二次電池の正極または負極を外装フィルムの外側へ引き出すために設けられる。リード電極16aは正極に電気的に接続される。リード電極16aの材料としてはアルミニウム等の正極集電体に用いることができる材料を用いることができる。またリード電極16bは負極に電気的に接続される。リード電極16bの材料としては銅等の負極集電体に用いることができる材料を用いることができる。
そして、リード電極16aと、正極集電体12の突出部を超音波溶接などにより、電気的に接続する。そしてリード電極16bと、負極集電体14の突出部を超音波溶接などにより、電気的に接続する。
そして、電解液を入れるための一辺を残すため、フィルム11の2辺に対して熱圧着を行って封止する(以降、この状態のフィルムの形状を袋状ともいう)。熱圧着の際、リード電極に設けられた封止層15も溶けてリード電極とフィルム11との間を固定する。そして、減圧雰囲気下、或いは不活性雰囲気下で所望の量の電解液をフィルム11が袋状となった内側に滴下する。そして、最後に、熱圧着をせずに残していたフィルムの周縁に対して熱圧着を行って封止する。
こうして図5(D)に示す二次電池を作製することができる。また、図5(D)中の点線と端面の領域は熱圧着領域17である。また、図5(E)は図5(D)の鎖線ABで切断した断面図である。図5(E)に示すように正極集電体12には複数の正極活物質層18が設けられ、負極集電体14には複数の負極活物質層19が設けられ、複数の正極活物質層18の間と、複数の負極活物質層19の間には電解液20を有している。また、図5(E)に示すように二次電池40は、端部において接着層30で封止されており、その他の空間には電解液20を有している。接着層30は、熱圧着の際にフィルム11の一部が溶かされた後、冷却されて固体となったものである。
得られた二次電池40は、活物質層が部分的に除去されており、二次電池を曲げた時に加わる応力を緩和することができる。複数の活物質層としたことにより二次電池40が曲がりやすくなり、二次電池の端部の可動域が広がる。
ここで図5(F)を用いて二次電池の充電時の電流の流れを説明する。リチウムを用いた二次電池を一つの閉回路とみなした時、リチウムイオンの動きと電流の流れは同じ向きになる。なお、リチウムを用いた二次電池では、充電と放電でアノード(陽極)とカソード(陰極)が入れ替わり、酸化反応と還元反応とが入れ替わることになるため、反応電位が高い電極を正極と呼び、反応電位が低い電極を負極と呼ぶ。したがって、本明細書においては、充電中であっても、放電中であっても、逆パルス電流を流す場合であっても、充電電流を流す場合であっても、正極は「正極」または「+極(プラス極)」と呼び、負極は「負極」または「−極(マイナス極)」と呼ぶこととする。酸化反応や還元反応に関連したアノード(陽極)やカソード(陰極)という用語を用いると、充電時と放電時とでは、逆になってしまい、混乱を招く可能性がある。したがって、アノード(陽極)やカソード(陰極)という用語は、本明細書においては用いないこととする。仮にアノード(陽極)やカソード(陰極)という用語を用いる場合には、充電時か放電時かを明記し、正極(プラス極)と負極(マイナス極)のどちらに対応するものかも併記することとする。
図5(F)に示す2つの端子には充電器が接続され、二次電池40が充電される。二次電池40の充電が進めば、電極間の電位差は大きくなる。図5(F)では、二次電池40の外部の端子から、正極集電体12の方へ流れ、二次電池40の中において、正極集電体12から負極集電体14の方へ流れ、負極集電体14から二次電池40の外部の端子の方へ流れる電流の向きを正の向きとしている。つまり、充電電流の流れる向きを電流の向きとしている。
本実施の形態では、携帯情報端末などに用いる小型の電池の例を示したが、特に限定されず、車両などに搭載する大型の電池にも適用することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、蛇行部を有する集電体を用いて二次電池を作製する例を以下に示す。
まず、帯状の金属箔の片面または両面に正極活物質層を形成する。
次いで、レーザ光照射によって、正極活物質層を選択的に除去する。除去する箇所は、後の工程によって電極リードと接続する幅の狭い領域と、蛇行部の幅の狭い箇所の二箇所である。そして、レーザ加工を行う。このレーザ加工では、正極活物質層及び金属箔の両方を選択的に除去する。ここでは蛇行部を有する集電体の輪郭を描くように加工し、集電体の形状を形成する。この段階で、図6(A)に示す状態を得ることができる。図6(A)に示すように、集電体の一部(蛇行パターンの根元部)を露出させ、正極活物質層18aと正極活物質層18bが形成される。
また、ここではレーザ加工によって集電体の外形形状を形成したが、切断装置または打ち抜き装置を使用して所望の形状に金属箔を加工した後、さらにレーザ加工を行って複雑な形状の集電体を形成する工程としてもよい。
また、正極集電体12の片面または両面に活物質層を形成した後にレーザ加工を行うことが好ましい。レーザ光を照射して形成された切断面は、強いエネルギーが与えられて集電体と活物質層が強固に固着するため、望ましい。
図6(A)に示すように集電体の蛇行部において幅が細い部分は、少なくとも2箇所以上あり、少なくとも1箇所(蛇行パターンの根元部)は隣り合う活物質層の境界(正極活物質層18aと正極活物質層18bとの間の領域)と重なる。
正極集電体12をピンセットで保持した状態で撮影した写真が図6(B)である。図6(A)に示したように、正極集電体12の蛇行部において幅は不均一である。
次に、帯状の金属箔の片面または両面に、負極活物質層を形成する。
次いで、レーザ光照射によって、負極活物質層を選択的に除去する。除去する箇所は、後の工程によって電極リードと接続する幅の狭い領域である。そしてレーザ加工を行う。このレーザ加工では、蛇行部を有する集電体の輪郭を描くように加工し、集電体の形状を形成する。
負極集電体14及び負極活物質層19の上面模式図が図6(C)であり、負極集電体をピンセットで保持した状態で撮影した写真が図6(D)である。
図6に示すように、正極と負極のどちらも集電体は蛇行部を有しているが、部分的に幅が異なっている。蛇行部は、折り返しの曲がり部とも呼べる。また、蛇行部とは、直線状のパターンを含み、屈曲したパターン形状である。本明細書では集電体の上面形状の輪郭の一部が、90°以上の屈曲を2回以上繰り返すものを蛇行形状と呼ぶ。また、集電体の上面形状の輪郭の一部が、矩形波状、三角波状、S字形状等のものも蛇行形状に含む。なお、蛇行形状における屈曲は、同一のパターンを繰り返す必要はなく、不規則な屈曲を有する形状であってもよい。また、蛇行部を形成するために切り取られた部分をスリットと呼ぶ。
後の工程で正極集電体と負極集電体を重畳させると、負極集電体のスリットと重畳する領域に正極活物質層が位置する場合がある。例えば図6の集電体の場合は、負極集電体のスリットと、正極集電体の蛇行部の幅の狭い箇所が重畳するため、この箇所に正極活物質層が存在すると、正極活物質層と重畳する領域に負極活物質層がない状態となる。この場合、正極活物質層と重畳する領域に負極活物質層がないことで、電池反応の際に不具合が生じる恐れがある。具体的には、正極活物質層から出たキャリアイオンが、スリットに最も近い領域の負極活物質層に集中してしまい、負極活物質層表面にキャリアイオンが析出する恐れがある。そこで、重畳する領域に負極活物質層のない正極活物質層、図6の場合は正極集電体の蛇行部の幅の狭い箇所の正極活物質層を、レーザ光照射により除去することで、キャリアイオンの析出を抑制することができる。
また上記の理由から、正極と負極のスリットの幅は、等しいか、正極のスリットの幅のほうが大きいことが好ましい。正極のスリットの幅を大きくすることで、重畳する領域に負極活物質層のない正極活物質層をなくす、または減少させることができる。そのため負極活物質表面にキャリアイオンが析出することを抑制できる。
次に、図7(A)に示すように、正極集電体12をセパレータ13で挟む。そしてセパレータ13の、正極集電体12と重ならない領域の一部13aを接着し、セパレータ13で正極集電体12を包むように作製する(図7(B))。なお、セパレータ13にポリプロピレンやポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いる場合は、190℃〜230℃で熱溶着することにより接着することができる。
次に、図7(C)に示すように、セパレータ13で包まれた正極集電体12と、負極集電体14とを積み重ねる。このとき、複数の正極集電体12と負極集電体14を積み重ねると好ましい。その場合は、セパレータ13で包まれた正極集電体12と負極集電体14を交互に積み重ね、かつ正極集電体12の電極タブ部同士が重畳し、また負極集電体14の電極タブ部同士が重畳するようにするとよい。複数の正極集電体12と負極集電体14を積み重ねて電気的に接続することで、二次電池の容量を増大させることができる。
そして積み重ねられたセパレータ13、正極集電体12および負極集電体14を束ねて固定することが好ましい。固定は、粘着テープ、粘着剤を塗布したポリイミドフィルムをはじめとする樹脂テープ等で行うことができる。
次に、正極集電体12の電極タブ部と、一つのリード電極16aを電気的に接続する。また負極集電体14の電極タブ部と、もう一つのリード電極16bを電気的に接続する。電気的な接続は、超音波溶接により行うことができる。また複数の正極集電体12および負極集電体14を積み重ねている場合は、リード電極16aと複数の正極集電体12の電極タブ部同士を超音波溶接する工程と、リード電極16bと複数の負極集電体14の電極タブ部同士を超音波溶接する工程を同時に処理することができる。これにより複数の正極集電体12同士と、複数の負極集電体14同士の導通が得られる。
なお正極集電体12に接続するリード電極は、アルミニウム等の正極集電体に用いることができる材料を用いればよい。また負極集電体14に接続するリード電極は、銅等の負極集電体に用いることができる材料を用いればよい。正極集電体12に電気的に接続されるリード電極は正極集電体12と同電位となり、負極についても同様であるので、集電体に用いることができる材料はリード電極に用いることができる。
次に、図8(A)に示すようにフィルム11を中央部で折り曲げる。そして、図8(B)に示すように、フィルム11の周辺を、2辺を残して熱圧着により封止する。図8(B)に示すように本実施の形態では、1辺はフィルム11を折り曲げた辺になるため、この工程での封止は1辺11bでよい。これにより、フィルム11で囲われた領域に、積み重ねられたセパレータ13、正極集電体12および負極集電体14を収めることができる。
なお、フィルム11にあらかじめエンボス加工を行ってもよい。エンボス加工を行うことによって、より曲がりやすい二次電池にすることができる。
次に、図8(C)に示すように、フィルム11で囲われた領域に、正極集電体12、セパレータ13および負極集電体14を収め、フィルム11の1辺11cを熱圧着により封止する。このときリード電極16aおよびリード電極16bはフィルム11で囲われた領域の外側に引き出す。
次に、図8(D)で示すように、フィルム11で囲われた領域に、電解液20を注入する。そして真空引き、加熱および加圧を行いながら、図8(E)で示すようにフィルム11の残りの一辺11dを封止する。これらの操作は、グローブボックスを用いるなどして酸素を排除した環境にて行う。真空引きは、脱気シーラー、注液シーラー等を用いて行うとよい。またシーラーが有する加熱可能な2本のバーでフィルム11を挟むことにより、加熱および加圧を行って封止することができる。それぞれの条件は、例えば真空度は60kPa、加熱は190℃、加圧は0.1MPaにおいて3秒とすることができる。
次に、上記の工程で得られた二次電池に、エージング処理を行うことが好ましい。エージング処理により、電極と電解質の界面に生じる被膜を制御し、活物質を活性化することができる。
さらに、エージング処理を行った二次電池を一度開封し、エージングにより生じたガスを抜いてから、電解液を継ぎ足して再封止してもよい。正極と負極の電極の間にガスが存在すると、電池反応に偏りが生じて劣化要因となるため、ガスを抜いて再封止をすることで劣化を抑制することができる。
なお、本実施の形態では矩形のセパレータ13、正極集電体12、負極集電体14およびフィルム11を用いて説明したため、順番に4辺を封止する方法を述べたが、本発明の一態様はこれに限らない。矩形以外の二次電池を作製する場合は、適宜封止の順番、方法を変更することができる。
このように蛇行パターンを有する集電体と、蛇行パターンの根元部の正極活物質層を部分的に除去することによって、曲がる電池を実現できる。
本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1または実施の形態2を用いて得られるリチウムイオン二次電池を組み込んだ電子機器の一例を示す。
実施の形態1または実施の形態2を用いて得られる二次電池は、活物質層が部分的に除去されており、二次電池を曲げた時に加わる応力を緩和することができる。この二次電池は、曲面を有する支持構造体に貼り付け、支持構造体の曲率半径の大きい領域の曲面部分に追随したフレキシブルな形状に変形させることができる。
フレキシブルな形状を備える蓄電装置を適用した電子機器として、例えば、ヘッドマウントディスプレイやゴーグル型ディスプレイのような表示装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、デスクトップ型やノート型等のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、電子手帳、電子書籍、電子翻訳機、玩具、マイクロフォン等の音声入力機器、電気シェーバ、電動歯ブラシ、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、温水器、扇風機、毛髪乾燥機、加湿器や除湿器やエアコンディショナ等の空気調和設備、食器洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、懐中電灯、電動工具、煙感知器、ガス警報装置や防犯警報装置等の警報装置、産業用ロボット、補聴器、心臓ペースメーカ、X線撮影装置、放射線測定器、電気マッサージ器や透析装置等の健康機器や医療機器、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、照明装置、ヘッドホン、ステレオ、リモートコントローラ、置き時計や壁掛け時計等の時計、コードレス電話子機、トランシーバ、歩数計、電卓、デジタルオーディオプレーヤ等の携帯型又は据置型の音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、フレキシブルな形状を備える蓄電装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図9(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、蓄電装置7407を有している。
図9(B)は、携帯電話機7400を湾曲させた状態を示している。携帯電話機7400を外部の力により変形させて全体を湾曲させると、その内部に設けられている蓄電装置7407も湾曲される。また、その時、曲げられた蓄電装置7407の状態を図9(C)に示す。蓄電装置7407はラミネート構造の蓄電池(積層構造電池、フィルム外装電池とも呼ばれる)である。蓄電装置7407は曲げられた状態で固定されている。なお、蓄電装置7407は集電体7409と電気的に接続されたリード電極7408を有している。例えば、蓄電装置7407の外装体のフィルムにエンボス加工を行っており、蓄電装置7407が曲げられた状態での信頼性が高い構成となっている。さらに、携帯電話機7400は、SIMカードを挿入するためのスロットや、USBメモリなどUSBデバイスを接続するコネクタ部などを設けてもよい。
図9(D)は、曲げることのできる携帯電話の一例を示している。前腕に巻くような形状に曲げれば、図9(E)に示すバングル型の携帯電話にすることができる。携帯電話7100は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び蓄電装置7104を備える。また、図9(F)に曲げることのできる蓄電装置7104の状態を示す。蓄電装置7104は曲げられた状態で使用者の腕への装着時に、筐体が変形して蓄電装置7104の一部または全部の曲率が変化する。具体的には、曲率半径が10mm以上150mm以下の範囲内で筐体または蓄電装置7104の主表面の一部または全部が変化する。なお、蓄電装置7104は集電体7106と電気的に接続されたリード電極7105を有している。例えば、蓄電装置7104の外装体のフィルムの表面に複数の凹凸を形成するプレス加工を行っており、蓄電装置7104が曲率を変化させて曲げられる回数が多くとも高い信頼性を維持できる構成となっている。さらに、携帯電話7100は、SIMカードを挿入するためのスロットや、USBメモリなどUSBデバイスを接続するコネクタ部などを設けてもよい。また、図9(D)に示す携帯電話の中央部分を折り曲げると、図9(G)に示すような形状にすることもできる。また、携帯電話の中央部分をさらに折り曲げて図9(H)に示すように携帯電話の端部が重なるようにして小型化させ、使用者のポケットなどに入れるサイズにできる。このように、図9(D)に示す携帯電話は、複数の形状に変化することのできるデバイスであり、それを実現するためには少なくとも筐体7101、表示部7102、及び蓄電装置7104が可撓性を有することが望ましい。
また、図10(A)は、掃除機の一例を示している。掃除機に二次電池を備えることでコードレスとすることができ、掃除機内部はゴミを吸い取り収納する集塵スペースを確保するため、蓄電装置7604の占める空間は小さければ小さいほど好ましい。従って、薄型であり、外側表面と集塵スペースとの間に曲げることのできる蓄電装置7604を配置することは有用である。
掃除機7600は、操作ボタン7603、及び蓄電装置7604を備える。また、図10(B)に曲げることのできる蓄電装置7604の状態を示す。蓄電装置7604は、外装体のフィルムにエンボス加工を行っており、蓄電装置7604が曲げられた状態での信頼性が高い構成となっている。蓄電装置7604は負極と電気的に接続されたリード電極7601と、正極と電気的に接続されたリード電極7602を有する。
また、外装体の一つの短辺に1つのリード電極をそれぞれ露出させている蓄電装置の例として、図10(C)に曲げることのできる蓄電装置7605の状態を示す。蓄電装置7605は、外装体の2つの短辺にそれぞれ集電体またはリード電極を露出される構成である。蓄電装置7605の外装体のフィルムにもエンボス加工を行えば、曲げることができ、信頼性が高い。
薄型の蓄電装置7604は実施の形態1または実施の形態2に示した二次電池の作製方法を用いて作製することができる。
薄型の蓄電装置7604はラミネート構造であり、曲げられて固定されている。また、掃除機7600は、薄型の蓄電装置7604の電力残量などを表示する表示部7606を有しており、掃除機の外表面の形状に合わせて表示面も湾曲されている表示部7606である。また、掃除機はコンセントに接続するための接続コードを有し、薄型の蓄電装置7604に十分な電力が充電されれば、接続コードを外して掃除機を使用することもできる。また、薄型の蓄電装置7604の充電は接続コードを用いず、ワイヤレスで無線充電を行ってもよい。
また、曲げることのできる蓄電装置を車両に搭載すると、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車を実現できる。また、農業機械、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、電動カート、小型又は大型船舶、潜水艦、固定翼機や回転翼機等の航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑星探査機、宇宙船などの移動体に曲げることのできる蓄電装置を搭載することもできる。
図11において、本発明の一態様を用いた車両を例示する。図11(A)に示す自動車8100は、走行のための動力源として電気モーターを用いる電気自動車である。または、走行のための動力源として電気モーターとエンジンを適宜選択して用いることが可能なハイブリッド自動車である。ラミネート構造の二次電池を車両に搭載する場合、複数のラミネート構造の二次電池を集積させたバッテリーモジュールを一箇所または複数個所に設置する。本発明の一態様を用いることで、蓄電装置自体を小型軽量化することができ、例えば、タイヤの内側に曲面を有する蓄電装置を設け、航続距離の長い車両を実現することができる。また、様々な形状とした蓄電装置を車両の隙間に配置することができ、トランクのスペースや車内の乗車スペースを確保できる。また、自動車8100は蓄電装置を有する。蓄電装置は電気モーターを駆動するだけでなく、ヘッドライト8101やルームライト(図示せず)などの発光装置に電力を供給することができる。
また、蓄電装置は、自動車8100が有するスピードメーター、タコメーターなどの表示装置に電力を供給することができる。また、蓄電装置は、自動車8100が有するナビゲーションゲーションシステムなどの半導体装置に電力を供給することができる。
図11(B)に示す自動車8200は、自動車8200が有する蓄電装置にプラグイン方式や非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができる。図11(B)に、地上設置型の充電装置8021から自動車8200に搭載された蓄電装置に、ケーブル8022を介して充電を行っている状態を示す。充電に際しては、充電方法やコネクタの規格等はCHAdeMO(登録商標)やコンボ等の所定の方式で適宜行えばよい。充電装置8021は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、また家庭の電源であってもよい。例えば、プラグイン技術によって、外部からの電力供給により自動車8200に搭載された蓄電装置を充電することができる。充電は、ACDCコンバータ等の変換装置を介して、交流電力を直流電力に変換して行うことができる。
また、図示しないが、受電装置を車両に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路や外壁に送電装置を組み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電の方式を利用して、2台の車両どうしで電力の送受信を行ってもよい。さらに、車両の外装部に太陽電池を設け、停車時や走行時に蓄電装置の充電を行ってもよい。このような非接触での電力の供給には、電磁誘導方式や磁界共鳴方式を用いることができる。
本発明の一態様によれば、蓄電装置を曲げることができるため、蓄電装置の設置場所の自由度が上がり、車の車両設計を効率よく行うことができる。また、本発明の一態様によれば、蓄電装置の特性を向上することができ、よって、蓄電装置自体を小型軽量化することができる。蓄電装置自体を小型軽量化できれば、車両の軽量化に寄与するため、航続距離を向上させることができる。また、車両に搭載した蓄電装置を車両以外の電力供給源として用いることもできる。この場合、電力需要のピーク時に商用電源を用いることを回避することができる。
本実施の形態は実施の形態1又は2と自由に組み合わせることができる。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことが出来る。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、明細書の中の図面や文章において規定されていない内容について、その内容を除くことを規定した発明の一態様を構成することが出来る。または、ある値について、上限値と下限値などで示される数値範囲が記載されている場合、その範囲を任意に狭めることで、または、その範囲の中の一点を除くことで、その範囲を一部除いた発明の一態様を規定することができる。これらにより、例えば、従来技術が本発明の一態様の技術的範囲内に入らないことを規定することができる。
別の具体例としては、ある値について、例えば、「ある電圧が、3V以上10V以下であることが好適である」と記載されているとする。その場合、例えば、ある電圧が、−2V以上1V以下である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、ある電圧が、13V以上である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。なお、例えば、その電圧が、5V以上8V以下であると発明を規定することも可能である。なお、例えば、その電圧が、概略9Vであると発明を規定することも可能である。なお、例えば、その電圧が、3V以上10V以下であるが、9Vである場合を除くと発明を規定することも可能である。なお、ある値について、「このような範囲であることが好ましい」、「これらを満たすことが好適である」となどと記載されていたとしても、ある値は、それらの記載に限定されない。つまり、「好ましい」、「好適である」などと記載されていたとしても、必ずしも、それらの記載には、限定されない。
別の具体例としては、ある値について、例えば、「ある電圧が、10Vであることが好適である」と記載されているとする。その場合、例えば、ある電圧が、−2V以上1V以下である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、ある電圧が、13V以上である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。
別の具体例としては、ある物質の性質について、例えば、「ある膜は、絶縁膜である」と記載されているとする。その場合、例えば、その絶縁膜が、有機絶縁膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、その絶縁膜が、無機絶縁膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、その膜が、導電膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、その膜が、半導体膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。
別の具体例としては、ある積層構造について、例えば、「A膜とB膜との間に、ある膜が設けられている」と記載されているとする。その場合、例えば、その膜が、4層以上の積層膜である場合を除く、と発明を規定することが可能である。または、例えば、A膜とその膜との間に、導電膜が設けられている場合を除く、と発明を規定することが可能である。
来る。
なお、本明細書等においては、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有するすべての端子について、その接続先を特定しなくても、当業者であれば、発明の一態様を構成することは可能な場合がある。つまり、接続先を特定しなくても、発明の一態様が明確であると言える。そして、接続先が特定された内容が、本明細書等に記載されている場合、接続先を特定しない発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。特に、端子の接続先が複数のケースがありうる場合には、その端子の接続先を特定の箇所に限定する必要はない。したがって、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有する一部の端子についてのみ、その接続先を特定することによって、発明の一態様を構成することが可能な場合がある。
なお、本明細書等においては、ある回路について、少なくとも接続先を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。または、ある回路について、少なくとも機能を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。つまり、機能を特定すれば、発明の一態様が明確であると言える。そして、機能が特定された発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。したがって、ある回路について、機能を特定しなくても、接続先を特定すれば、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。または、ある回路について、接続先を特定しなくても、機能を特定すれば、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、その一部分を取り出して、発明の一態様を構成することは可能である。したがって、ある部分を述べる図または文章が記載されている場合、その一部分の図または文章を取り出した内容も、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。そして、その発明の一態様は明確であると言える。そのため、例えば、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、配線、受動素子(容量素子、抵抗素子など)、導電層、絶縁層、半導体層、有機材料、無機材料、部品、装置、動作方法、製造方法などが単数もしくは複数記載された図面または文章において、その一部分を取り出して、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。例えば、N個(Nは整数)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を有して構成される回路図から、M個(Mは整数で、M<N)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。別の例としては、N個(Nは整数)の層を有して構成される断面図から、M個(Mは整数で、M<N)の層を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。さらに別の例としては、N個(Nは整数)の要素を有して構成されるフローチャートから、M個(Mは整数で、M<N)の要素を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。さらに別の例としては、「Aは、B、C、D、E、または、Fを有する」と記載されている文章から、一部の要素を任意に抜き出して、「Aは、BとEとを有する」、「Aは、EとFとを有する」、「Aは、CとEとFとを有する」、または、「Aは、BとCとDとEとを有する」などの発明の一態様を構成することは可能である。
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念を導き出すことは、当業者であれば容易に理解される。したがって、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念も、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。そして、その発明の一態様は、明確であると言える。
なお、本明細書等においては、少なくとも図に記載した内容(図の中の一部でもよい)は、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。したがって、ある内容について、図に記載されていれば、文章を用いて述べていなくても、その内容は、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。同様に、図の一部を取り出した図についても、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。そして、その発明の一態様は明確であると言える。
本実施例では、正極活物質を部分的に除去した二次電池と、除去しなかった二次電池を作製し、充電後の電極を比較した。
<正極活物質除去サンプル>
正極活物質を部分的に除去した二次電池は、以下のように作製した。
正極活物質にはLiCoOを用い、これに導電助剤およびバインダとしてアセチレンブラック(AB)およびPVDFを混合した。これらの混合割合は、LiCoOを90重量%、ABを5重量%、PVDFを5重量%とした。正極集電体には、厚さ20μmのアルミニウムを用い、正極集電体の片面にLiCoO、ABおよびPVDFの混合物を塗工し正極活物質層を形成した。
そして、レーザ光照射によって、後の工程によって電極リードと接続する幅の狭い領域と、蛇行部の幅の狭い箇所の二箇所の正極活物質層を選択的に除去した。さらに蛇行部を有する集電体の輪郭を描くようにレーザ加工を行い、正極活物質層及び金属箔の両方を選択的に除去して、図6(A)に示すような形状の正極集電体と正極活物質層を作製した。
負極活物質には黒鉛を用い、これに導電助剤およびバインダとして気相法炭素繊維(VGCF(登録商標))、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびスチレン・ブタジエンゴム(SBR)を混合した。これらの混合割合は、黒鉛を96重量%、VGCFを1重量%、CMCを1重量%、SBRを2重量%とした。負極集電体には厚さ18μmの銅を用いた。負極集電体の片面に、黒鉛、VGCF、CMCおよびSBRの混合物を塗工し負極活物質層を形成した。
そしてレーザ光照射によって、後の工程によって電極リードと接続する幅の狭い領域の負極活物質を選択的に除去した。さらに蛇行部を有する集電体の輪郭を描くようにレーザ加工を行い、負極活物質層及び金属箔の両方を選択的に除去して、図6(C)に示すような形状の負極集電体と負極活物質層を作製した。
電解液には、EC:DEC:EMC:=3:6:1(重量比)で混合した有機溶媒中に、1.2mol/LのLiPFを溶解させ、添加剤としてプロパンスルトン(PS)を0.5重量%、ビニレンカーボネート(VC)を0.5重量%加えたものを用いた。
セパレータにはポリプロピレンを用いた。
外装体にはアルミニウムラミネートフィルムを用いた。
上記の正極集電体および負極集電体を1枚ずつと、電解液、セパレータおよび外装体を用いて、実施の形態1で示した作製方法に沿って二次電池を作製し、正極活物質除去サンプルとした。
<除去処理なしサンプル>
正極活物質を除去しなかった二次電池は、レーザ光照射の工程で、蛇行部の幅の狭い箇所の正極活物質層を除去しなかったこと以外は、正極活物質除去サンプルと同様に作製した。
<充電>
正極活物質除去サンプルと、除去処理なしサンプルを同じ条件で充電した。充電条件は、4.1V、レート0.3C、CCCV、終止電流0.01Cとした。また充電は25℃にて行った。
<充電後の電極の比較>
充電後の、正極活物質除去サンプルの正極集電体の写真を図12(A)、負極集電体の写真を図12(B)に示す。図12(A)の丸で囲った部分が、正極活物質が除去された、蛇行部の幅の狭い箇所である。図12(B)の丸で囲った部分は、正極集電体の蛇行部の幅の狭い箇所と重畳していた部分である。
また充電後の、除去処理なしサンプルの正極集電体の写真を図12(C)、負極集電体の写真を図12(D)に示す。図12(C)の丸で囲った部分が、正極活物質を除去しなかった蛇行部の幅の狭い箇所である。図12(D)の丸で囲った部分は、正極集電体の蛇行部の幅の狭い箇所と重畳する部分である。
また、充電した後の負極集電体を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した。負極集電体の、正極集電体の蛇行部の幅の狭い箇所から最も近い負極活物質、つまりスリットに最も近い負極活物質の電子顕微鏡写真を図13に示す。図13(A)は正極活物質除去サンプルの負極集電体、図13(B)は除去処理なしサンプルの電子顕微鏡写真である。
図13(A)の正極活物質除去サンプルでは、負極活物質表面に異常は見られない。しかし図13(B)の除去処理なしサンプルでは、負極活物質表面に針状の生成物が観察され、負極活物質表面にリチウムが析出していることがわかった。
上記の結果から、正極活物質を部分的に除去することで、負極活物質表面のリチウム析出を抑制できることが明らかとなった。
11 フィルム
12 正極集電体
13 セパレータ
14 負極集電体
15 封止層
16a リード電極
16b リード電極
18 正極活物質層
18a 正極活物質層
18b 正極活物質層
18c 正極活物質層
18d 正極活物質層
18e 正極活物質層
18f 正極活物質層
18g 正極活物質層
18h 正極活物質層
18i 正極活物質層
19 負極活物質層
20 電解液
40 二次電池
80 ロール
90 ロール
7100 携帯電話
7101 筐体
7102 表示部
7103 操作ボタン
7104 蓄電装置
7105 リード電極
7106 集電体
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク
7407 蓄電装置
7408 リード電極
7409 集電体
7600 掃除機
7601 リード電極
7602 リード電極
7603 操作ボタン
7604 蓄電装置
7605 蓄電装置
7606 表示部
8021 充電装置
8022 ケーブル
8100 自動車
8101 ヘッドライト
8200 自動車

Claims (1)

  1. 集電体と、
    前記集電体と接する複数の活物質層と、
    前記集電体及び前記複数の活物質層に接する電解液と、
    を有し、
    前記集電体の上面形状は、蛇行部を有し、
    前記上面形状は、第1の方向において幅が細い第1の部分と、前記第1の方向と交差する第2の方向において幅が細い第2の部分と、を有し、
    前記第1の部分は、前記複数の活物質層のうち隣り合う第1の活物質層と第2の活物質層との間の領域と重なり、
    前記第2の部分は、前記第1の活物質層と重なる、二次電池。
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