JP6732151B1 - 非ラミネート用印刷インキ組成物、非ラミネート包装用印刷物および非ラミネート包装用印刷物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記アクリル樹脂の固形分重量(A)と、前記繊維系樹脂の固形分重量(B)の割合が、A/B=100/1〜100/250であり、
前記アクリル樹脂が、樹脂100%中に、0.01〜2質量%であるリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むアクリルモノマーより合成することによりなり、
前記炭素数1〜4のアルコール系溶剤が、全溶剤成分に対して40〜70質量%含むことを特徴とする非ラミネート用印刷インキ組成物とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)アクリル樹脂と、繊維系樹脂と、溶剤成分として炭素数1〜4のアルコール系溶剤とを含有する非ラミネート用印刷インキ組成物であって、
前記アクリル樹脂の固形分重量(A)と、前記繊維系樹脂の固形分重量(B)の割合が、A/B=100/1〜100/250であり、
前記アクリル樹脂が、樹脂100%中に、0.01〜2質量%であるリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むアクリルモノマーより合成することによりなり、
前記炭素数1〜4のアルコール系溶剤が、溶剤成分100質量%に対して40〜70質量%含むことを特徴とする非ラミネート用印刷インキ組成物、
(2)前記繊維系樹脂が、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、およびニトロセルロース樹脂のなかから選択される少なくとも1つであることを特徴とする(1)に記載の非ラミネート用印刷インキ組成物、
(3)前記溶剤成分として、さらにエステル系溶剤が、溶剤成分100質量%に対して30質量%以上含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の非ラミネート用印刷インキ組成物、
(4)前記顔料が、無機顔料(ただし、カーボンブラックを除く)であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれに記載の非ラミネート用印刷インキ組成物、
(5)前記顔料が、有機顔料またはカーボンブラックであり、
かつ前記アクリル樹脂が、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むアクリルモノマーより合成することによりなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれに記載の非ラミネート用印刷インキ組成物、
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の非ラミネート用印刷インキ組成物が、ポリエステル系樹脂またはポリスチレン系樹脂のなかから選ばれる少なくとも1つの基材層の少なくとも片面に印刷してなることを特徴とする非ラミネート包装用印刷物、
(7)ポリエステル系樹脂またはポリスチレン系樹脂のなかから選ばれる少なくとも1つの基材層を準備する工程と、
該基材層の少なくとも片面に(1)〜(5)のいずれかに記載の非ラミネート用印刷インキ組成物からなる印刷層を作成するグラビア印刷工程と、を含み、
前記グラビア印刷工程により作成された印刷層のバイオマス度が、0.3〜50質量%であることを特徴とする非ラミネート包装用印刷物の製造方法、
に関するものである。
CH2=CRCOO(R1O)nP=O(OR2)2 (1)
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす、R1は炭素数が1〜4のアルキレン基を表わす、R2は炭素数が1〜8のアルキレン基を表わす、nは1〜8の整数を表わす)
[CH2=CRCOO(R1O)n]mP=O(OR3)3−m (2)
(式中、R、R1は式1と同様、R3は水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を表わす、nは1または2の整数を表わす、mは2または3の整数を表わす)
CH2=CRCOO(R1O)nP=O(O−Ph)m(OH)2−m (3)
(式中、R、R1は式1と同様、Phはベンゼン環を表わす、nは1または2の整数を表わす、mは1または2の整数を表わす)
前記ニトロセルロース樹脂は、セルロースの水酸基を硝酸でニトロ化することにより、得られる。平均重合度は35〜480程度であり、ニトロ基への置換度により、バイオマス度が変化するが約50質量%がバイオマス由来である。
前記無機顔料としては、二酸化チタン、酸化鉄、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、シリカ、アルミニウムペースト、パール顔料、カーボンブラック、真鍮、マイカなどが挙げられる。カーボンブラックは、無機顔料に区分されることもあるが、本発明では除く。なかでも、二酸化チタン、酸化鉄、アルミニウムペーストのなかから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
前記有機顔料としては、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフラロン顔料、ジオキサジン系顔料、ピロロピロール系顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。また、カーボンブラックも好ましい。なかでも、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、カーボンブラックのなかから選ばれる少なくとも1つであること好ましい。特に、有機顔料またはカーボンブラックである場合、使用される前記アクリル樹脂は、アクリルモノマー成分として、さらに、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル含むことが好ましい。これら顔料は、インキ組成物の濃度、着色力、隠蔽力に応じ、適宜添加量が決められるが、インキ組成物中に0.1〜50質量%含有することが好ましい。
インキ組成物中に前記炭素数1〜4のアルコール系溶剤を含めて、溶剤成分としては、30〜95質量%の範囲内であることが好ましい。30質量%より少ないと固形分が多くなり、流動性がなくなる。95質量%より多いと粘度が低くなり、顔料が沈降しやすくなる。なかでも印刷作業環境を考慮して、芳香族炭化水素系溶剤を含まないことが好ましい。
分散体における顔料の平均粒径は、ビーズミルのビーズ分離機構、ビーズ種、ビーズ粒径、ビーズ充填率、撹拌羽の形状および枚数、回転速度、分散体の粘度、吐出量、プレミックス時間などによって適宜調整できる。
インキ組成物中の粗大粒子や気泡は、公知のろ過機や遠心分離機などにより取り除くことができる。
インキ組成物中の固形分としては、2〜80質量%の範囲内であることが好ましい。2質量%より低いと、印刷時の塗布量が十分でなく、80質量%を超えると、流動性が悪く、インキ化が困難となる。
インキ組成物は、印刷条件に適した粘度や濃度にまで、希釈溶剤で適宜希釈して印刷に供される。
なかでも、印刷作業環境を考慮すると、ノントルエン系の希釈溶剤が好ましい。また、バイオマス由来の有機溶剤などを使用することが好ましい。
なかでもバイオマス由来としては、ペンタン−1,5−ジイソシアネートおよびこれらの変性体が好ましい。
ここで、バイオマス度とは、基材層上に形成した印刷層について、印刷層中の顔料成分やワックスなどの固形分を除いた樹脂固形成分に含まれるバイオマス由来樹脂固形分の割合をいい、次の式(1)で表される。
バイオマス度(%)=(バイオマス由来樹脂固形分/樹脂固形分)×100 (1)
アクリル樹脂溶液1 48部、CAPニス1 14部、ワックス(ポリエチレンワックス、三井化学(株)製) 2部、酢酸エチル 9部、酢酸n−プロピル 9部、イソプロピルアルコール 18部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、インキNo.1を100部得た。同様に、表1〜表38の配合に従い、実施例2〜653、比較例1〜91のインキNo.2〜724を作製した。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算分子量として評価した。
アクリル樹脂溶液1:樹脂100質量%中、0.01質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと35質量%含有するメチルメタクリレートと64.99質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000、酸価0.1mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂溶液2:樹脂100質量%中、2質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと35質量%含有するメチルメタクリレートと63質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000、酸価0.1mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂溶液3:樹脂100質量%中、0.04質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと1質量%含有するジメチルアミノエチルメタクリレートと35質量%含有するメチルメタクリレートと63.96質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000、酸価0.1mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂溶液4:樹脂100質量%中、0.01質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと1質量%含有するジメチルアミノエチルメタクリレートと35質量%含有するメチルメタクリレートと63.99質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000、酸価0.1mgKOH/g、バイオマス度0%
アクリル樹脂溶液5:樹脂100質量%中、2質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと1質量%含有するジメチルアミノエチルメタクリレートと35質量%含有するメチルメタクリレートと62質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000、酸価0.1mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂溶液6:樹脂100質量%中、0.04質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと0.01質量%含有するジメチルアミノエチルメタクリレートと35質量%含有するメチルメタクリレートと64.95質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000、酸価0.1mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂溶液7:樹脂100質量%中、0.04質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと5質量%含有するジメチルアミノエチルメタクリレートと35質量%含有するメチルメタクリレートと59.96質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000、酸価0.1mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂溶液8:樹脂100質量%中、2.5質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと35質量%含有するメチルメタクリレートと62.5質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000、酸価0.1mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂溶液9:樹脂100質量%中、1質量%含有するジメチルアミノエチルメタクリレートと35質量%含有するメチルメタクリレートと64質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000、酸価0.1mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂溶液10:樹脂100質量%中、2.5質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと1質量%含有するジメチルアミノエチルメタクリレートと35質量%含有するメチルメタクリレートと61.5質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000、酸価0.1mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂11:樹脂100質量%中、24質量%含有するメチルメタクリレートと66質量%含有するブチルメタクリレートと10質量%含有する2−ヒドロキシエチルメタクリレートの常法による合成によりなる樹脂、固形分100%、重量平均分子量60,000、水酸基価40mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂12:樹脂100質量%中、17質量%含有するメチルメタクリレートと60質量%含有するブチルメタクリレートと23質量%含有する2−ヒドロキシエチルメタクリレートの常法による合成によりなる樹脂、固形分100%、重量平均分子量12,000、水酸基価92mgKOH/g、バイオマス度は0%であった。
アクリル樹脂13:ARUFON UC−3000(三菱ケミカル(株)製)、固形分100%、重量平均分子量10,000、酸価74mgKOH/g、Tg65℃)、バイオマス度は0%であった。
CAPニス1:下記の配合にて作成
CAPニス2:下記の配合にて作成
CAB二ス1:下記の配合にて作成
CAB二ス2:下記の配合にて作成
ニトロセルロース樹脂ワニス:下記の配合にて作成
フタロシアニン系顔料:Pigment Blue 15:4
モノアゾ系顔料:Pigment Red 48:3
ジスアゾ系顔料1:Pigment Yellow 14
ジスアゾ系顔料2:Pigment Yellow 83
二酸化チタン:Pigment White 7
弁柄(酸化鉄):Pigment Red 101
アルミニウムペースト:Pigment Metal 1(固形分50%)
カーボンブラック:Pigment Black 7
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートプロピオネートCAP−504−0.2(数平均分子量15,000、プロピオニル含有率40〜45%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CAPニス1を作成した。CAPニス1の樹脂固形分は15%、バイオマス度は54.4〜59.4%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートプロピオネートCAP−482−0.5(数平均分子量25,000、プロピオニル含有率43〜47%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CAPニス2を作成した。CAPニス2の樹脂固形分は15%、バイオマス度は50.5〜54.5%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートブチレートCAB−381−0.5(数平均分子量30,000、ブチリル含有率36〜40%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CABニス1を作成した。CABニス1の樹脂固形分は15%、バイオマス度は46.5〜50.5%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートブチレートCAB−553−0.4(数平均分子量20,000、ブチリル含有率44〜50%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CABニス2を作成した。CABニス2の樹脂固形分は15%、バイオマス度は48〜54%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール36部、酢酸エチル21.3部、酢酸n−プロピル21.3部を仕込み、撹拌しながら硝化綿 RS1/16(イソプロピルアルコール混合物、TNC社製)を21.4部添加して、ニトロセルロース樹脂ワニスを作成した。ニトロセルロース樹脂ワニスの樹脂固形分は15%、バイオマス度は47.7%であった。
インキに、イソプロピルアルコールと酢酸エチルの混合溶剤(1/1重量比)を加えて希釈し、ザーンカップNo.3で粘度15秒に調整した。さらに、インキの初期重量の50重量%の上記混合溶剤を加え、2時間後のインキの状態を目視で観察し、評価した。インキが相分離せず、粘度変化がないものが、インキ安定性が良好と判断した。インキの状態について、○:調整直後と変化がない(相分離もなく、粘度変化もない)、△:わずかに相分離、粘度上昇がある(実用上問題ない)、×:相分離、粘度上昇があり実用上使用できない、××:インキ化できない、の4段階で評価した。なお、××:インキ化できない、の評価のものは、以下の評価はしなかった(表中では、「−」で表記)。
4色グラビア印刷機(富士機械工業(株)製)の1〜4色印刷各ユニットに、セラミックドクター((株)東京製作所製)、クロム硬度1050Hv/スタイラス130度の彫刻ヘリオ版((株)東和プロセス製)、ファニッシャーロールを取り付け、インキを希釈溶剤AC372またはAC341(東京インキ(株)製)にて、ザーンカップNo.3で粘度15秒に調整した後、第1ユニットのインキパンにインキを投入した。全てのユニットにおいて、ドクター圧2kgf/cm2、乾燥温度50℃、印圧2kg/cm2、印刷速度150m/分にて、厚み20μmのスチレン(OPS)フィルム(GM、旭化成(株)製)に印刷して、印刷物を8,000m得た。また、印刷中は粘度コントローラー((株)メイセイ製)にて、一定に保った。その後、印刷層のバイオマス度、転移性、耐ブロッキング性、白化性について評価した。
バイオマス度は、顔料分、ワックス成分を含まず、下記式(1)にて、計算した。
バイオマス度(%)=(バイオマス由来樹脂固形分/樹脂固形分)×100 (1)
前記[印刷物の作製]で作製した印刷物の10%〜100%階調部について、抜けの有無を観察し、評価した。抜けがないものが、転移性が良好と判断した。抜けについて、○:抜けがない、△:わずかに抜けがある(実用上問題ない)、×:抜けがある、の3段階で評価した。
印刷物を3cm×3cmの大きさに切り、印刷面と非印刷面とを重ね合わせて、50℃で24時間、500g/cm2の荷重を掛けた後、印刷面と非印刷面の重ね合わせ部を剥離した時のインキ剥離状態を観察し、その際の剥離抵抗を評価した。インキ剥離がなく、剥離抵抗がないものが、耐ブロッキング性が良好と判断した。インキ剥離と剥離抵抗について、○:インキ剥離がなく、剥離抵抗もない、△:わずかにインキ剥離が認められ、剥離抵抗がある、×:全体にわたってインキ剥離が認められ、剥離抵抗がかなりある、の3段階で評価した。
印刷物の状態について、目視で観察し、白化性を評価した。当該白化性評価において、基材層を劣化させない(白化させない)ものが良好と判断した。白化性について、○:変化がない、×:白化する、の2段階で評価した。
前記[印刷物の作製]と同様の方法にて、基材層がPSシート(デンカスチレンシート、デンカ(株)製)の印刷物を形成した。真空成形機(小型真空成形機フォーミングシリーズ300X型、成光産業(株)製)を用いて1辺100mm幅の正方形状の容器を作成した。作成した容器の外観を目視にて観察した。印刷された基材層に穴が開いたり、割れたりしないものが良好と判断した。○:穴が開いたり、割れたりしない、×:穴が開いたり、割れたりする、の2段階で評価した。
前記[印刷物の作製]と同様の方法にて、基材層がPSシュリンクフィルム(ファンシーラップGMGS、グンゼ(株)製)の印刷物を形成した。PETボトルに巻き付けて、100℃の恒温乾燥炉で1分間加熱し、シュリンクフィルムを熱収縮させて、当該PETボトルに密着させた。密着したシュリンクフィルムの印刷面を顕微鏡にて観察した。印刷された基材層が熱収縮した際の当該PETボトル形状に基材層上の印刷面が追従しているもの(インキ皮膜が追従し、クラックが発生しないもの)が良好と判断した。○:クラックが発生しない、×:クラックが発生する、の2段階で評価した。
リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含まないアクリルモノマーより合成することによりなるアクリル樹脂を使用したインキ組成物を使用した比較例19、22、25、28およびリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むアクリルモノマーの含有量が、アクリル樹脂中に2質量%を超える量を使用して合成することによりなるアクリル樹脂を使用したインキ組成物を使用した比較例3〜8、15、18、20、21、23、24、26、27、29、30、31、44、61〜65は、インキ化できないか、インキ化ができたとしても、顔料の沈降がみられたり、増粘がある。また、これらは転移性、成形適性が劣る。
溶剤成分として炭素数1〜4のアルコール系溶剤が、溶剤成分100質量%に対して40質量%より少ない比較例2、53〜60はフィルムを劣化させ、成形適性も劣る。一方、70質量%を超える比較例1、45〜52はインキ化できない。
また、炭素数5以上のアルコール系溶剤を使用した比較例68〜91は、粘度上昇がみられ、インキ安定性が劣るとともに、転移性、成形性も劣る。
アクリル樹脂の固形分重量(A)と、前記繊維系樹脂の固形分重量(B)の割合について、Aを100としたときに、Bが250を超えるインキ組成物を使用した比較例9〜14、16、17、32〜43は、転移性、成形適性が劣る。
特許文献1の例である比較例66は、リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含まないアクリルモノマーより合成することによりなるアクリル樹脂を使用したインキ組成物であり、インキ化できなかった。特許文献2の例である比較例67は、インキ化はできるものの増粘がみられ、耐ブロッキング性が劣る。
Claims (7)
- アクリル樹脂と、繊維系樹脂と、溶剤成分として炭素数1〜4のアルコール系溶剤とを含有する非ラミネート用印刷インキ組成物であって、
前記アクリル樹脂の固形分重量(A)と、前記繊維系樹脂の固形分重量(B)の割合が、A/B=100/1〜100/250であり、
前記アクリル樹脂が、樹脂100%中に、0.01〜2質量%であるリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むアクリルモノマーより合成することによりなり、
前記炭素数1〜4のアルコール系溶剤が、溶剤成分100質量%に対して40〜70質量%含むことを特徴とする非ラミネート用印刷インキ組成物。 - 前記繊維系樹脂が、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、およびニトロセルロース樹脂のなかから選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の非ラミネート用印刷インキ組成物。
- 前記溶剤成分として、さらにエステル系溶剤が、溶剤成分100質量%に対して30質量%以上含むことを特徴とする請求項1または2に記載の非ラミネート用印刷インキ組成物。
- 前記顔料が、無機顔料(ただし、カーボンブラックを除く)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載の非ラミネート用印刷インキ組成物。
- 前記顔料が、有機顔料またはカーボンブラックであり、
かつ前記アクリル樹脂が、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むアクリルモノマーより合成することによりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載の非ラミネート用印刷インキ組成物。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の非ラミネート用印刷インキ組成物が、ポリエステル系樹脂またはポリスチレン系樹脂のなかから選ばれる少なくとも1つの基材層の少なくとも片面に印刷してなることを特徴とする非ラミネート包装用印刷物。
- ポリエステル系樹脂またはポリスチレン系樹脂のなかから選ばれる少なくとも1つの基材層を準備する工程と、
該基材層の少なくとも片面に(1)〜(5)のいずれかに記載の非ラミネート用印刷インキ組成物からなる印刷層を作成するグラビア印刷工程と、を含み、
前記グラビア印刷工程により作成された印刷層のバイオマス度が、0.3〜50質量%であることを特徴とする非ラミネート包装用印刷物の製造方法。
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