JP5621688B2 - シュリンク包装用グラビア印刷インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、収縮ポリスチレンフィルム、収縮ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの何れにも良好な接着性を有し、収縮ポリスチレンフィルムに対する原反アタック性(インキ中のエステル系溶剤によって収縮ポリスチレンフィルムが劣化、溶解することを示す)が少なく、耐熱水性が良好なシュリンク包装用印刷インキ組成物に関する。
現在、プラスチック製ボトル、瓶などのラベルとして熱で収縮するシュリンクフィルムが広く使用されている。多くの場合、シュリンクフィルムには意匠性付与や、傷防止、滑り性などの機能性付与の目的で印刷インキが印刷されている。
上記シュリンクフィルムとしては、使用される用途、要求特性などに合せて、ポリスチレン(PS)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが用いられている。従来、収縮ポリスチレンフィルムにはアクリル樹脂系印刷インキが、収縮ポリエチレンテレフタレートフィルムにはポリウレタン樹脂系印刷インキが使用されてきた。印刷メーカーでのインキの在庫管理などの面から、収縮ポリスチレンフィルムおよび収縮ポリエチレンテレフタレートフィルムに印刷可能な兼用インキが望ましい。
特開2006−219670号公報にはウレタン系樹脂を用いた兼用インキが開示されているが、ウレタン樹脂系インキは比較的高価でありコスト面で問題があった。また、特開2008−163215号公報にはアクリル系樹脂とエステル化セルロース系樹脂を用いた印刷インキが開示されている。しかし、
アクリル樹脂/エステル化セルロース樹脂系印刷インキは収縮ポリエチレンテレフタレートフィルムへの接着性が充分でなかった。
特開2006−219670号公報 特開2008−163215号公報
従来のアクリル樹脂あるいはウレタン樹脂を用いたシュリンク包装用印刷インキの問題点を解決して、収縮ポリスチレンフィルム、収縮ポリエチレンテレフタレートフィルムの何れにも印刷が可能な汎用性を有するシュリンク包装用印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、グラビア印刷インキ組成物中にポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)とカルボン酸によりエステル化されているセルロース系樹脂(B)を含有し、かつ、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を併用することにより、収縮ポリスチレンフィルム、収縮ポリエチレンテレフタレートフィルムの何れにも接着性が良好で、シュリンク包装用印刷インキに必要なテープ接着性、原反アタック性など諸物性を有することを見出し、本発明に至った。
第1の発明は、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)、カルボン酸によりエステル化されているセルロース系樹脂(B)、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)および溶剤(D)を含有するシュリンク包装用インキ組成物であって、
ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)が、
インキ組成物の全樹脂固形分重量比に対して、2〜20重量%
含まれており、かつ、
溶剤(D)が、
全溶剤に対して、炭素数1〜4の低級アルコールを50〜70重量%
含むことを特徴とするシュリンク包装用印刷インキ組成物に関するものである。
また、第2の発明は、
前記ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂 (A)が、
酸価5〜20mgKOH/g、
重量平均分子量40,000〜95,000
および
ガラス転移点(Tg)30〜70℃
であることを特徴とする前記シュリンク包装用印刷インキ組成物に関するものである。
さらに、第3の発明は、
前記カルボン酸によりエステル化されているセルロース樹脂(B)が、
エステル化度35〜50%
であることを特徴とする前記シュリンク包装用印刷インキ組成物に関するものである。
さらに、第4の発明は、
前記ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、前記酸価を有するアクリル樹 脂(A)の固形分重量比をW1
および
前記カルボン酸によりエステル化されているセルロース樹脂(B)の固形分重量を
W2
とした時、
W1/W2=50/50〜95/5
であることを特徴とする前記シュリンク包装用印刷インキ組成物に関するものである。
さらに、第5の発明は、
前記ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)が、
重量平均分子量が30,000〜70,000
および
酸価2〜30mgKOH/g(固形分換算)
であり、かつ、
合成時の仕込み重量比で、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)の
ポリウレタン/アクリルの重量固形分の比率を
30/70〜50/50
にしてなることを特徴とする前記シュリンク包装用印刷インキ組成物に関するものである。
本発明のシュリンク包装用印刷インキ組成物は収縮ポリスチレンフィルム、収縮ポリエチレンテレフタレートフィルムの何れのシュリンク包装用フィルムにも印刷可能で、従来製品のようにフィルム種類毎に印刷インキを使い分けする必要がないことから、印刷インキの在庫管理、フィルム変更時のインキ替え時間などの面からコスト低減、生産性向上に有用である。
本発明のシュリンク包装用印刷インキ組成物は、収縮ポリスチレンフィルム、収縮ポリエチレンテレフタレートフィルムの何れのシュリンク包装用フィルムに対して良好な接着性を発現させるために、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)がインキ組成物中の全樹脂固形分重量比に対して2〜20重量%となる量で使用される。好ましくは、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)の含有量が3〜15重量%である。この含有量で使用することで収縮ポリエチレンテレフタレートフィルムへのテープ接着性が良好となり、耐ブロッキング性の低下もない。
ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)の含有量が2重量%未満の場合は充分なテープ接着性を得ることが困難になり、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)の含有量が20重量%を超える場合は耐ブロッキング性(印刷裏面へのインキ皮膜の転移)が低下する。
本発明で使用するポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)としては、1)ラジカル重合性カルボン酸単量体(a)とラジカル重合性アクリル系単量体(b)との共重合体、および2)ラジカル重合性カルボン酸単量体(a)、ラジカル重合性アクリル系単量体(b)以外のラジカル重合性単量体(c)も含む共重合体が挙げられる。
前記ラジカル重合性カルボン酸単量体(a)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸のモノエステル、モノアミド;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸;ビニルアルコールと酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、ステアリン酸などの
炭素原子数2〜18の飽和カルボン酸のエステルなどが挙げられる。
前記ラジカル重合性アクリル系単量体(b)としては、アクリル酸やメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルアルコールなどのアルコールエステル、エチレングリコール、ピロピレングリコールなどのジエステルが挙げられる。また、ラジカル重合性カルボン酸単量体(a)およびラジカル重合性アクリル系単量体(b)以外のラジカル重合性単量体(c)としては、スチレン、αメチルスチレンなどが挙げられる。
前記の単量体を共重合して得られるポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)の酸価は5〜20mgKOH/gの範囲であることが好ましい。5mgKOH/g未満では、カルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂(B)との相溶性に問題が生じ易く、20mgKOH/g以上では塗膜物性が劣る傾向である。
また、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)の重量平均分子量は40,000〜95,000の範囲であることが好ましい。40,000未満では耐ブロッキング性などの塗膜物性に問題が生じ易く、95,000以上では溶解性、および、カルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂(B)との相溶性に問題が生じ易い。
また、前記ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)はガラス転移点(Tg)が30〜70℃の範囲あることが好ましい。Tgが30℃未満ではブロッキングなどの問題が生じる傾向があり、70℃以上では溶解性、フィルムの収縮に対するインキ皮膜のクラック(亀裂)の点で問題が生じる傾向にある。
本発明に使用するカルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂(B)は、セルロースをカルボン酸によりエステル化することにより得られた樹脂である。
上記カルボン酸としては、酢酸、酪酸、プロピオン酸、無水酢酸、無水酪酸などが挙げられる。
エステル化セルロース樹脂としては、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート
(CAB)樹脂、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂などが挙げられる。好ましくは
セルロースアセテートブチレート(CAB)樹脂、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂である。
本発明に使用するカルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂(B)としては市販品を用いてもよく、イーストマンケミカルジャパン製「CAB−551−0.2」、「CAP−504−0.2」などが市場で入手可能である。
カルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂(B)のエステル化度は35〜50%が好ましい。なお、エステル化度はセルロース樹脂中のエステル化された水酸基の割合を意味する。
カルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂(B)の重量平均分子量は12,000〜75,000が好ましく、より好ましくは20,000〜40,000である。重量平均分子量が12,000以下だと耐ブロッキング性が劣る傾向にあり、75,000を超えると印刷インキの粘度が上昇し、グラビア印刷適性が低下する場合がある。
本発明の印刷インキ組成物において、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)とカルボン酸エステル化されたセルロース樹脂(B)との配合比率は、固形分比率で50/50〜95/5の範囲であり、好ましくは70/30〜90/10である。カルボン酸エステル化されたセルロース樹脂(B)が50重量%以上だと溶剤に対する溶解性が低下する傾向にあり、印刷インキとして用いることができなくなり、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)が95重量%以上だと耐ブロッキング性などが劣る傾向である。
本発明に使用するポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)としては、Polym.,Bull.,8,239(1982)に製造法が開示されているポリウレタンセグメントとアクリルセグメントを化学的に
結合し一液型として使用し得るポリウレタン/アクリルグラフト共重合樹脂、特開平10−001524号開示のエチレン性不飽和二重結合基を両末端に有する高分子直鎖状ポリウレタンプレポリマー(メタ)アクリル酸エステルを含むビニル系モノマーを重合させるポリウレタン/アクリル共重合樹脂などが使用できる。
ポリウレタンのポリマー成分としてはポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどが使用できる。好ましくはポリエステルポリオールである。
ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)の重量平均分子量は30,000〜70,000が好ましい。30,000以下だと印刷裏面へのインキ皮膜の転移(ブロッキング)が生じ易く、70,000以上だと樹脂皮膜が硬く、フィルムの収縮に追従しなくなるためインキ皮膜のクラック(亀裂)が生じ易い。
ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)のポリウレタン/アクリルの重量固形分の比率は30/70〜50/50が好ましい。ポリウレタン/アクリル比率が100/0〜50/50だと印刷裏面へのインキ皮膜の転移(ブロッキング)が生じ易く、ポリウレタン/アクリル比率が30/70〜0/100だと収縮ポリエチレンテレフタレートフィルムへの充分なテープ接着性を得ることが困難になる傾向にある。
本発明の印刷インキ組成物に用いられる溶剤は、炭素数が1〜4である低級アルコールを必須成分として含有する。
前記炭素数が1〜4である低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどが挙げられるが、特に好ましくはイソプロパノールである。
これらのアルコールは、溶剤による収縮ポリスチレンフィルムの原反アタックを低減する目的で添加している。
前記炭素数が1〜4の低級アルコールの含有量は全溶剤に対して50〜70重量%であり、炭素数が1〜4の低級アルコールの含有量が50重量%以下の場合には収縮スチレンフィルムが劣化、溶解するため、兼用インキとして用いることができなくなり、70重量%以上であると収縮ポリエチレンテレフタレートフィルムに対する接着性が低下する。
前記炭素数が1〜4のアルコールと併用できる溶剤としてはエステル系溶剤、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類がある。エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどが挙げられるが、特に好ましくは酢酸エチル、酢酸プロピルである。
本発明の印刷インキ組成物には、着色剤として印刷インキで一般的に用いられている各種無機顔料、有機顔料などが使用できる。無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、カーボンブラックなどの有色顔料、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウムなどの体質顔料を挙げることができる。有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料などを挙げることができる。
本発明の印刷インキ組成物には必要に応じて、滑剤を含有することができる。滑剤としてポリエチレンワックスなどのポリオレフィン系ワックス、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス、カルナバワックスなどの既知の各種ワックス類が利用できる。さらに、必要に応じて、顔料分散剤、レベリング剤、界面活性剤、可塑剤などの各種インキ用添加剤を添加することができる。
本発明は公知のグラビア印刷方式とフレキソ印刷方式でシュリンク包装用フィルムに印刷できる。
好ましくはグラビア印刷である。
グラビア印刷は円筒状のシリンダー表面に彫られた画像部となる凹部にインキを詰め、ドクターと呼ばれる金属板で非画像部のインキをかきとった後、シリンダー凹部に残ったインキを紙やプラスチックフィルムなどの被印刷体に転移させて画像を形成する印刷方法である。
以下、実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本発明において特に断りのない限り「部」および「%」は「重量部」および「重量%」である。
<アクリル樹脂ワニス(a1)の調整>
アクリル樹脂(重量分子量分子量45,000、Tg点50℃、酸価7.0mgKOH/g、三菱レーヨン(株)製「ダイヤナールBR116」40部をIPA35部、酢酸エチル25部に混合溶解させて、試験用アクリル樹脂ワニス(樹脂ワニスa1、固形分40重量%)を得た。
<アクリル樹脂ワニス(a2)の調整>
アクリル樹脂(重量分子量分子量30,000、Tg点75℃、酸価3.5mgKOH/g、三菱レーヨン(株)製「ダイヤナールBR113」40部をIPA35部、酢酸エチル25部に混合溶解させて、試験用アクリル樹脂ワニス(樹脂ワニスa2、固形分40重量%)を得た。
<カルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂ワニス(b1)の調整>
セルロースアセテートプロピオネート樹脂(エステル化度39〜44%、イーストマンケミカルジャパン製「CAP−504−0.2」20部をIPA50部、酢酸エチル30部に混合溶解させて、試験用CAP樹脂ワニス(樹脂ワニスb1、固形分20重量%)を得た。
<ポリウレタン/アクリル共重合樹脂ワニス>
樹脂ワニスc1:ポリウレタン(ポリエステル系)/アクリル=50/50、固形分40%、酢酸エチル60%、酸価6.2mgKOH/g、重量平均分子量30,000
樹脂ワニスc2:ポリウレタン(ポリエーテル系)/アクリル=50/50、固形分50%、酢酸エチル30%、IPA20%、酸価22.0mgKOH/g、重量平均分子量40,000
樹脂ワニスc3:ポリウレタン(ポリカーボネート系)/アクリル=30/70、固形分35%、MEK13%、酢酸エチル50.7%、IPA1.3%、酸価5.7mgKOH/g、重量平均分子量30,000
<顔料> リオノールブルー7358(東洋インキ製造(株)製)
<滑剤> ハイフラットT10P4(岐阜セラック製造所(株)製)
<溶剤> イソプロパノール(IPA)
酢酸エチル
<実施例1>
顔料10部、樹脂ワニス(a1)38部、樹脂ワニス(b1)19部、樹脂ワニス(c1)2.5部、滑剤0.5部、IPA18.9部、酢酸エチル11.1部を配合し、サンドミルで混練して印刷インキ(1)を得た。
<実施例2〜9>
実施例2〜9については、表1の配合に従い、実施例1と同じ方法で印刷インキ組成物(2)〜(9)を得た。
<比較例1〜5>
比較例1〜5については、表2の配合に従い、実施例1と同じ方法で印刷インキ組成物(10)〜(14)を得た。
<シュリンク包装用印刷物の作成>
調整した試験用グラビア印刷インキ組成物を収縮フィルムにグラビア校正機を利用して印刷してシュリンク包装用印刷物を得た。収縮フィルムとしては、収縮ポリスチレン(PS)フィルム(三菱樹脂(株)製、DXL−219−45)および収縮ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱樹脂(株)製、ヒシペットLX−10)を使用した。
得られた各シュリンク包装用印刷物について接着性、原反アタック性、耐ブロッキング性の評価を行なった。
それぞれの試験用グラビア印刷インキ組成物の印刷物の評価結果を表1に示した。
<接着性>
各シュリンク包装用印刷物についてインキ皮膜のセロハンテープ剥離試験を行ない、剥離度合を目視評価した。接着性の評価基準を下記に示す。
○:インキが剥離しない。
△:インキが僅かに剥離する。
×:大部分のインキが剥離するか、完全にインキが剥離する。
実用レベルは△以上である。
<原反アタック性>
収縮ポリスチレン(PS)フィルムに印刷したシュリンク包装用印刷物のクラック(亀裂)発生度合を目視評価した。原反アタック性の評価基準を下記に示す。
○:印刷物にクラックが全く生じていない。
△:印刷物に僅かにクラック状態が認められる。
×:印刷物にかなりのクラック状態が認められるか、または印刷物が完全に裂けてい る。
実用レベルは△以上である。
<耐ブロッキング性>
各シュリンク包装用印刷物のインキ印刷面と非印刷面を合せて、29.4×10Pa(3kg/cm)の荷重下に40℃で24時間放置した後、手で剥がして剥離抵抗の強さとインキ皮膜の剥離程度を評価した。耐ブロッキング性の評価基準を下記に示す。
○:インキの剥離が全くなく、剥離抵抗も感じられない。
△:インキの剥離が僅かにあり、剥離抵抗が感じられる。
×:インキがほとんど剥離し、剥離抵抗が強く感じられる。
実用レベルは△以上である。
Figure 0005621688
Figure 0005621688
以上のように実施例1〜9において、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)、カルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂(B)、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)の3種類の樹脂を併用し、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)をインキ組成物中の全樹脂固形分に対して特定の割合で使用し、また、溶剤(D)に特定のアルコールを用いることにより、収縮ポリスチレン(PS)フィルムおよび収縮ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムへの接着性、原反アタック性、耐ブロッキング性に優れたシュリンク包装用印刷インキ組成物が得られることが示された。
一方、比較例1〜5において、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を併用しない場合、カルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂(B)を併用しない場合、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)がインキ組成物中の併用量が全固形分重量比に対して2〜20重量%の範囲外である場合、溶剤(D)が全溶剤に対して50〜70重量%の範囲外にある場合は収縮ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムへの接着性、原反アタック性、耐ブロッキング性が劣ることが示された。

Claims (5)

  1. ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)、カルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂(B)、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)および溶剤(D)を含有するシュリンク包装用印刷インキ組成物であって、
    ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)が、
    インキ組成物中の全樹脂固形分重量比に対して、2〜20重量%
    含まれており、かつ
    溶剤(D)が、
    全溶剤に対して、炭素数1〜4の低級アルコールを50〜70重量%
    含むことを特徴とするシュリンク包装用印刷インキ組成物。
  2. 前記ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂(A)が、
    酸価5〜20mgKOH/g、
    重量平均分子量40,000〜95,000
    および
    ガラス転移点(Tg)30〜70℃
    であることを特徴とする請求項1に記載のシュリンク包装用印刷インキ組成物。
  3. 前記カルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂(B)が、
    エステル化度35〜50%
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のシュリンク包装用印刷インキ組成物。
  4. 前記ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)を除く、酸価を有するアクリル樹脂 (A)の固形分重量をW1
    および
    前記カルボン酸によりエステル化されたセルロース樹脂(B)の固形分重量をW2
    とした時、
    W1/W2=50/50〜95/5
    であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のシュリンク包装用印刷インキ組成物。
  5. 前記ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)が、
    重量平均分子量30,000〜70,000
    および
    酸価2〜30mgKOH/g(固形分換算)
    であり、かつ、
    合成時の仕込み重量比で、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂(C)のポリウレタ ン/アクリルの重量固形分の比率を
    30/70〜50/50
    にしてなることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のシュリンク包装用印刷インキ組成物。
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