JP2000273379A - 表刷り用グラビア印刷インキ組成物 - Google Patents

表刷り用グラビア印刷インキ組成物

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Takahiko Inoue
隆彦 井上
Yasushi Hatano
靖 羽田野
Chiaki Aoki
千明 青木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】芳香族炭化水素系溶媒を極力あるいは全く含有
しない溶媒組成でありながら、長期間保存しても良好な
プラスチックフィルムに対する接着性、耐熱性を有する
表刷り用グラビア印刷インキ組成物を提供する事。 【構成】顔料、バインダー樹脂、有機溶媒および離型剤
を主たる成分とし、前記離型剤として、グリセリン脂肪
酸エステル化合物、ポリグリセリン脂肪酸エステル化合
物、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル化合物、ソル
ビタン脂肪酸エステル化合物、ソルビット脂肪酸エステ
ル化合物、しょ糖脂肪酸エステル化合物の群から選択さ
れる少なくとも1種のポリオール脂肪酸エステル化合物
を、インク組成物中に0.05〜5重量%含有させた事
を特徴とする表刷り用グラビア印刷インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表刷り用グラビア印刷イ
ンキ組成物に関し、より詳しくは、トルエン等の芳香族
炭化水素系溶剤の極力あるいは全く含有しない、環境衛
生性に優れた表刷り用グラビア印刷インキ組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】表刷り用グラビア印刷インキは、プラス
チックフィルムや紙容器に印刷され、主に食品包装など
で利用されるが、印刷面が表側に露出した状態である事
から、良好な耐摩擦性が要求される。また、プラスチッ
クフィルムを製袋するために、通常、印刷物の端部がヒ
ートシーラーなどで溶封されるが、この溶封される部分
に印刷図柄が設けられる場合は、インキとしてヒートシ
ーラーの熱板に融着しないだけの耐熱性が要求される。
【0003】そこで、表刷り用グラビア印刷インキで
は、耐摩擦性の付与と熱板への付着防止のために、従来
より、離型剤と滑材の機能を有する脂肪酸アミドとワッ
クスが併用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近では主に環境衛生
の面から、芳香族炭化水素系溶媒を極力含有しないイン
キ組成物が要望されており、表刷り用グラビア印刷イン
キも例外ではない。しかしながら、芳香族炭化水素系溶
媒の含有量の少ない溶媒組成では、インキの保存の間に
脂肪酸アミドが析出して離型作用が消失し、耐熱性が低
下するなどの問題が生じることになる。
【0005】そこで、本発明の課題は、芳香族炭化水素
系溶媒を極力あるいは全く含有しない溶媒組成でありな
がら、長期間保存しても良好な耐熱性とプラスチックフ
ィルムに対する接着性を有する表刷り用グラビア印刷イ
ンキ組成物を提供する事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、顔料、バインダー樹脂、離型剤および有機溶
媒を主たる成分とする表刷り用グラビア印刷インキ組成
物において、前記離型剤として、グリセリンモノ脂肪酸
エステル化合物、ポリグリセリン脂肪酸エステル化合
物、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル化合物、ソル
ビタン脂肪酸エステル化合物、ソルビット脂肪酸エステ
ル化合物、しょ糖脂肪酸エステル化合物の群から選択さ
れる少なくとも1種のポリオール脂肪酸エステル化合物
を、インキ組成物中に0.05〜5重量%含有する事を
特徴とする表刷り用グラビア印刷インキ組成物に関する
ものである。
【0007】また、請求項2に係る発明は、前記ポリオ
ール脂肪酸エステル化合物として、炭素数が8〜22の
飽和もしくは不飽和脂肪酸エステル化合物を含有する表
刷り用グラビア印刷インキ組成物に関するものである。
【0008】さらに、請求項3に係る発明は、芳香族炭
化水素系有機溶媒を含有しない前記の表刷り用グラビア
印刷インキ組成物に関するものである。
【0009】
【発明の作用および実施の形態】離型剤がインキ中に完
全に溶解してしまうと、印刷時にインキ−プラスチック
フィルム界面でも離型作用が働いて接着性が低下し、一
方、離型剤がインキと完全に分離するものは、保存中に
先に離型剤がインキ上面に析出してしまい、部分的に離
型作用の差が著しい印刷物となってトラブルの原因とな
る。そこで、離型剤は、インキ中で適度な分散状態を保
ち、印刷面の接着性を阻害しないというのが理想的と考
えられている。
【0010】従来より、トルエンなどの芳香族炭化水素
を多く含有するインキ組成では、インキ中で適度な分散
状態を維持できる事から、脂肪酸アミドが離型剤として
好んで使用されてきた。しかしながら、近年、環境問題
等から芳香族炭化水素を極力含有しない溶媒組成が望ま
れるようになり、その様な溶媒組成では、脂肪酸アミド
が分散状態を維持できず、すぐにインキ上面に析出する
事になる。
【0011】それに対して、本発明で用いるポリオール
脂肪酸エステル化合物は、インキのフィルムに対する接
着性を阻害せずに、良好な離型作用を有し、さらには、
芳香族炭化水素を極力含有しない溶媒組成においても析
出しない事を見出し、本発明を完成させたものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明は、顔料、バインダー樹脂、離型剤
および有機溶媒を主成分とする表刷り用グラビア印刷イ
ンキ組成物である。
【0013】まず、本発明で利用可能な顔料は、一般に
印刷インキや塗料で使用できる各種の無機顔料や有機顔
料であり、具体的に無機顔料としては、酸化チタン、ベ
ンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバ
ルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛など
の有色顔料、および、炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体
質顔料を挙げることができる。さらに有機顔料として
は、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、
縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料な
どを挙げることができる。これら顔料の含有量として
は、インキ組成物中に0.5〜50重量%が適量であ
る。
【0014】次に、本発明のバインダー樹脂としては、
通常、表刷り用グラビア印刷インキで使用されるポリア
ミド樹脂やセルロース誘導体が利用できる。
【0015】ポリアミド樹脂は、主として重合脂肪酸で
あって、さらに脂肪族、脂環族および芳香族ジカルボン
酸や脂肪族モノカルボン酸を一部含有してもよい酸成分
と、主として脂肪族、脂環族、芳香脂肪族及び芳香族ポ
リアミンの単独または混合物であって、さらに一級およ
び二級モノアミンを一部含有してもよいアミン成分とを
反応させたものである。
【0016】ここで、重合脂肪酸とは、一般に炭素数が
16から22の不飽和脂肪酸またはそのエステル化合物
の重合により得られるもので、一塩基性脂肪酸、二量化
重合脂肪酸、三量化重合脂肪酸などを含むものである。
また、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、マレイン酸など、脂環族ジカルボ
ン酸としてはシクロヘキサンジカルボン酸など、芳香族
ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸な
どを挙げる事ができる。さらに脂肪族モノカルボン酸と
しては、酢酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸
などを挙げる事ができる。
【0017】一方、アミン成分では、まず、ポリアミン
として、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂環族ジア
ミン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ジア
ミノジフェニルメタンなどの芳香族ジアミンを挙げる事
ができる。また、一級および二級モノアミンとしては、
ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミンなどの
モノおよびジアルキルアミン、モノエタノールアミン、
モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロ
パノールアミンなどのモノおよびジアルカノールアミン
を挙げる事ができる。
【0018】これらの酸成分とアミン成分とからポリア
ミド樹脂を合成する方法としては、反応成分のカルボキ
シル基:アミノ基の比率を0.9:1.0〜1.0:
0.9、好ましくは1.0:1.0とし、反応温度を1
60〜280℃、好ましくは180〜230℃として、
最終段階では100torr程度の減圧下で反応させる
事が望ましい。
【0019】以上の方法で得られるポリアミド樹脂の重
量平均分子量としては、好ましくは3,000〜10
0,000、より好ましくは5,000〜50,000
程度である。前記ポリアミド樹脂の重量平均分子量が
3,000より低くなると、樹脂皮膜が脆弱となり、そ
のままでは耐摩擦性などが低下し、また、100,00
0を超えると、インキ粘度が高くなりすぎて、そのまま
では良好な印刷適性が得られ難くなる。
【0020】一方、本発明で利用可能なセルロース誘導
体としては、ニトロ基置換体のニトロセルロース、低級
アシル基置換体のセルロースアセテート、セルロースア
セテートプロピオネートなど、低級アルキル置換体とし
てメチルセルロース、エチルセルロースなどを挙げるこ
とができる。
【0021】これらセルロース誘導体の分子量や水酸基
の置換度などは、通常のインキ組成物や塗料で使用され
る範囲のものが、本発明でも支障なく利用でき、水酸基
の置換度は、概ね、1.3〜2.7程度のものが好まし
い。また、耐熱性の面からはニトロ基置換体の使用が有
利であり、接着性の面からは低級アシル基置換体および
低級アルキル基置換体が有利であるため、目的に応じて
適宜選択して使用する事が好ましい。
【0022】表刷り用グラビア印刷インキでは、プラス
チックフィルムに対する接着性と耐熱性の面から、通
常、ポリアミド樹脂とセルロース誘導体が併用され、そ
の併用比率は、ポリアミド樹脂/セルロース誘導体の重
量換算として、1.0/0.1〜1.0/0.5程度で
ある。また、ポリウレタン樹脂やアクリル樹脂などの粘
着性を有する樹脂を併用する事も可能であり、特に耐熱
性に優れたニトロセルロースと組み合わせることによ
り、さらに高い耐熱性を有するインキ組成物を設計する
事ができる。本発明において、これらバインダー樹脂の
含有量は、インキ組成物中に、固形分として0.5〜3
0重量%が適量である。
【0023】さらに本発明は、離型剤として、グリセリ
ン脂肪酸エステル化合物、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル化合物、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル化合
物、ソルビタン脂肪酸エステル化合物、ソルビット脂肪
酸エステル化合物、しょ糖脂肪酸エステル化合物の群か
ら選択される、少なくとも1種のポリオール脂肪酸エス
テル化合物を含有させるものである。
【0024】これらポリオール脂肪酸エステル化合物の
中でも、炭素数が8〜22、さらには炭素数が12〜1
8の飽和もしくは不飽和脂肪酸のエステルが、より良好
な離型作用を有するものであり、具体的には、カプリル
酸エステル、カプリン酸エステル、ラウリン酸エステ
ル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ス
テアリン酸エステル、オレイン酸エステル、リノール酸
エステル、リノレン酸エステル、エルカ酸エステルなど
を挙げる事ができる。
【0025】なお、インキ組成物の保存中に析出しない
という観点からは、ポリオールのモノエステル化合物が
好適であり、それに対して、耐熱性の観点からはポリオ
ールのポリエステル化合物が好適である。さらに、分子
中に遊離の水酸基を多く含むものは、極性溶剤中での溶
解性が高くなり、また、脂肪酸エステルとしての炭素数
が多いものは、離型性では有利であるが、析出する傾向
が高くなる。そこで、これらの要因については、インキ
の溶剤組成に合わせて適宜選択することが望ましい。
【0026】本発明において、以上のポリオール脂肪酸
エステル化合物の含有量は、インキ組成物中に0.05
〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%であ
り、含有量が前記の範囲より少なくなると、十分な離型
作用が得られず、溶封部でのインキがヒートシーラーの
熱板に取られて汚れなどが発生し、また、前記の範囲よ
り多くなると、プラスチックフィルムに対するインキの
接着性などが低下して好ましくない。
【0027】次に、本発明のインキ組成物で利用する溶
媒としては、主に、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコ
ール系有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶媒、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエス
テル系有機溶媒、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オ
クタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶媒、および、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキ
サン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環族炭
化水素系有機溶媒を挙げることができ、通常のインキで
は溶媒組成として30重量%以上含有されている、トル
エンやキシレン等の芳香族炭化水素系の有機溶媒を、極
力あるいは全く使用せずに、インキの設計が可能とな
る。なお、これらの有機溶媒は、バインダー樹脂の溶解
性や乾燥性などを考慮して、混合して利用することが好
ましい。
【0028】さらに、表刷り用グラビア印刷インキで
は、耐熱性や耐摩擦性の向上を目的として、架橋剤やワ
ックス成分を含有させることができる。
【0029】本発明で利用可能な架橋剤としては、アル
キルチタネート系が好適であり、具体的にはテトライソ
プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テト
ラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラス
テアリルオキシチタン、トリイソプロポキシチタンモノ
ステアレート、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレ
ート、ジイソプロポキシチタンジステアレート、ジ−n
−ブトキシチタンジステアレートなどが挙げられる。そ
の中でも、耐熱性の面から、アルコキシチタンステアレ
ート系化合物がより好適に使用できる。
【0030】また、ワックスとしては、ポリオレフィン
ワックス、パラフィンワックスなどが利用できる。
【0031】さらに、顔料分散剤、レベリング剤、界面
活性剤、可塑剤等の各種インキ用添加剤の添加は任意で
ある。
【0032】これらの材料を利用して印刷インキを製造
する方法としては、まず、顔料、バインダー樹脂、有機
溶媒、および必要に応じて顔料分散剤、界面活性剤など
を攪拌混合した後、各種練肉機、例えば、ビーズミル、
ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、
パールミル等を利用して練肉し、さらに、残りの材料を
添加混合する方法が利用される。
【0033】以上の材料と製造方法から得られた表刷り
用グラビア印刷インキ組成物は、グラビア印刷方式で、
各種プラスチックフィルム等の被着体に印刷することが
できる。具体的に、印刷可能なプラスチックフィルムと
しては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの延伸およ
び無延伸ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、セ
ロファン、ビニロンなどを挙げることができる。
【0034】さらに、得られた印刷物は製袋されて、食
品などの包装容器に利用されるが、本発明の印刷インキ
組成物は接着性に優れ、ヒートシールされる部分に印刷
面が存在しても、ヒートシーラー熱板にインキが付着す
る事がなく、良好な耐熱性を有するものである。
【0035】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、実施例等において、「部」および「%」は特に断り
のない限り「重量部」および「重量%」を表わす。
【0036】<樹脂ワニスの調製> ポリアミド樹脂ワニスの調製 メチルシクロヘキサン350部、イソプロパノール21
0部、酢酸エチル140部の混合溶媒中に市販のポリア
ミド樹脂(レオマイドS8200、花王株式会社製)3
00部を溶解させて固形分30%のポリアミド樹脂ワニ
スを得た。
【0037】ニトロセルロースワニスの調製 酢酸エチル850部にニトロセルロース(HIG 1/
2、旭化成株式会社)150部を溶解させて固形分15
%のニトロセルロースワニスを調製した。
【0038】<インキの製造>表1の最終配合処方の中
から、顔料(フタロシアニンブルー、C.I.7410
0)、混練に適度の粘度となる量の樹脂ワニス及び混合
溶媒を仕込み、レッドデビル型ペイントコンディショナ
ーで30分間混練し、さらに残りの成分と添加混合して
実施例1〜9、比較例1〜3、参考例1のインキ組成物
を製造した。なお、脂肪酸アミドとしてラウリン酸アミ
ド、架橋剤としてテトライソプロポキシチタン(日本曹
達株式会社製)を用いた。
【表1】
【0039】評価方法 以下の評価方法にしたがって、実施例1〜9、比較例1
〜3、参考例1のインキ組成物の耐熱性、接着性、経時
による離型剤の析出を評価し、その結果を表1に示し
た。
【0040】1)耐熱性 実施例1〜9、比較例1〜3、参考例1の各試験インキ
について、グラビア校正機で二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム(P−2161、厚さ25μm、東洋紡績株式会
社製)に印刷した後、温風乾燥して印刷物を得た。次に
印刷面にアルミ箔を、100〜200℃の熱傾斜を有す
る熱板を備えたヒートシール試験機にて1.6kg/c
の圧力で2秒間押圧し、インキがアルミ箔に転移す
る最低温度からインキ組成物の耐熱性を評価した。な
お、この耐熱性評価には、それぞれ製造直後のインキ組
成物を用いた。 A:180℃以上のもの。 B:160℃以上、180℃未満のもの。 C:140℃以上、160℃未満のもの。 D:120℃以上、140℃未満のもの。 E:120℃未満のもの。
【0041】2)接着性 耐熱性試験を行う際に得た印刷物の印刷面に、セロファ
ンテープを貼り付け、急速に剥がした時の、インキの剥
離する度合いから接着性を評価した。 A:インキがフィルムから全く剥離しない。 B:インキがフィルムから剥離した面積が、セロファン
テープ接着面積に対して20%未満である。 C:インキがフィルムから剥離した面積が、セロファン
テープ接着面積に対して20%以上、50%未満であ
る。 D:インキがフィルムから剥離した面積が、セロファン
テープ接着面積に対して50%以上である。
【0042】3)離型剤の析出 前記耐熱性試験の評価がAまたはBであった実施例1〜
9、比較例2、3および参考例1のインキについて、別
個に400gを容器に採り、密栓して40℃で20日間
経時させた後、静置の状態でインキ表面から40gを細
い管で吸引して除去した。この様な操作(以後、析出離
型剤除去操作と表現する)を行った試験インキについ
て、前記と同じ方法で耐熱性を評価し、製造直後のイン
キの耐熱性との比較から、離型剤のインキ上面への析出
の度合いを以下のように評価した。なお、ここで耐熱性
のランクが低下するとは、製造直後に対して析出離型剤
除去操作後のインキの耐熱性の評価のランクが低下する
ことをいい、例えば、製造直後のインキの耐熱性の評価
がAであって、析出離型剤除去操作後のインキの耐熱性
の評価がCに低下した場合は2ランク低下したものとす
る。 A:耐熱性のランクの低下がなく、離型剤がほとんど析
出していないと考えられるもの。 B:耐熱性が1ランク低下し、離型剤が僅かに析出した
と考えられるもの。 C:耐熱性が2ランク低下し、離型剤がかなり析出した
と考えられるもの。 D:耐熱性が3ランク以上低下し、離型剤がほとんど析
出したと考えられるもの。
【0043】
【表1】
【0044】
【効果】以上、実施例と比較例を用いて具体的に説明し
たように、本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物
は、トルエンなどの有害な芳香族有機溶剤を含有しない
系においても、良好なプラスチックフィルムに対する接
着性、耐熱性を有する表刷り用グラビア印刷インキ組成
物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C034 AA21 4J039 AB02 AE08 BA03 BA04 BA13 BA14 BA16 BA18 BA23 BA30 BA31 BA32 BA35 BA37 BA38 BC02 BC03 BC07 BC16 BC20 BC39 BC60 BE01 BE12 BE33 DA05 EA36 EA37 EA43 EA45 FA02 FA07 GA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料、バインダー樹脂、離型剤および有機
    溶媒を主たる成分とする表刷り用グラビア印刷インキ組
    成物において、前記離型剤として、グリセリン脂肪酸エ
    ステル化合物、ポリグリセリン脂肪酸エステル化合物、
    ペンタエリスリトール脂肪酸エステル化合物、ソルビタ
    ン脂肪酸エステル化合物、ソルビット脂肪酸エステル化
    合物、しょ糖脂肪酸エステル化合物の群から選択される
    少なくとも1種のポリオール脂肪酸エステル化合物を、
    インキ組成物中に0.05〜5重量%含有する事を特徴
    とする表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
  2. 【請求項2】前記ポリオール脂肪酸エステル化合物とし
    て、炭素数が8〜22の飽和もしくは不飽和脂肪酸エス
    テル化合物を含有する請求項1に記載の表刷り用グラビ
    ア印刷インキ組成物。
  3. 【請求項3】芳香族炭化水素系有機溶媒を含有しない請
    求項1または2に記載の表刷り用グラビア印刷インキ組
    成物。
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