JP7177963B1 - 収縮ラベル用水性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐スクラッチ性、耐揉み性、耐ブロッキング性、耐水耐摩擦性に加え、収縮ラベル用に必要とされる熱収縮後のフィルムに対する密着性および耐エッジ割れ性にも優れる収縮ラベル用水性インキ組成物を提供する。【解決手段】コアシェル構造を有する自己架橋アクリル系エマルジョンを含み、自己架橋アクリル系エマルジョンは、酸価が25~85mgKOH/gであり、ガラス転移温度が-15~50℃である、収縮ラベル用水性インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、収縮ラベル用水性インキ組成物に関する。より詳細には、本発明は、耐スクラッチ性、耐揉み性、耐ブロッキング性、耐水耐摩擦性に加え、収縮ラベル用に必要とされる熱収縮後のフィルムに対する密着性および耐エッジ割れ性にも優れる収縮ラベル用水性インキ組成物に関する。
飲料、食料品、化粧品等の分野において、紙容器、アルミ缶、ガラス容器、プラスチック容器等が、それぞれの特性を活かしながら利用されている。これら各種容器のうち、シートあるいは巻紙の状態で必要な印刷が行われた後に成形されるものは、印刷効率が極めて悪い。また、予め特別な形状に成型された容器は、通常の印刷方式を適用出来ない。そのため、これらの容器は、ラベル印刷物が貼り付けられたり、スクリーン方式、たこ印刷または缶用の特別な印刷方式を利用して、成形後に直接印刷されていた。しかしながら、これらの方式は、いずれも作業効率が極めて悪く、多品種少量生産にも適さなかった。
そこで、被印刷材として熱収縮性フィルム等を使用し、これに印刷を行って筒状に印刷した印刷物を容器表面に熱収縮させて包装とする、いわゆるシュリンク包装が開発された。シュリンク包装は、飲料容器、カップ麺の容器、電池等に広く利用されている。
環境問題から、シュリンク包装の分野においても揮発性有機溶剤を使用しない水性インキの要求が高まってきている。そこで、フィルム用の水性インキとして、高分子乳化剤を用いたコアシェル構造を有するスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンを含有する表刷りフィルム用水性印刷インキ組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、自己架橋アクリル系エマルジョンを含有する収縮および非収縮ポリマーフィルム用水系インキが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2018-76431号公報 特表2020-501935号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水性印刷インキ組成物は、熱収縮性フィルムとしての利用に適さない。また、特許文献2に記載の水系インキは、耐ブロッキング性が充分でなく、改善の余地がある。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、耐スクラッチ性、耐揉み性、耐ブロッキング性、耐水耐摩擦性に加え、収縮ラベル用に必要とされる熱収縮後のフィルムに対する密着性および耐エッジ割れ性にも優れる収縮ラベル用水性インキ組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の収縮ラベル用水性インキ組成物には、以下の構成が主に含まれる。
(1)コアシェル構造を有する自己架橋アクリル系エマルジョンを含み、前記自己架橋アクリル系エマルジョンは、酸価が25~85mgKOH/gであり、ガラス転移温度が-15~50℃である、収縮ラベル用水性インキ組成物。
このような構成によれば、収縮ラベル用水性インキ組成物を用いて得られる印刷物は、耐スクラッチ性、耐揉み性、耐ブロッキング性、耐水耐摩擦性に加え、収縮ラベル用に必要とされる熱収縮後のフィルムに対する密着性および耐エッジ割れ性にも優れる。
(2)さらに架橋剤を含む、(1)記載の収縮ラベル用水性インキ組成物。
このような構成によれば、収縮ラベル用水性インキ組成物を用いて得られる印刷物は、耐ブロッキング性、耐水耐摩擦性に加え、収縮ラベル用に必要とされる熱収縮後のフィルムに対する密着性が、より優れる。
(3)フレキソ印刷用またはグラビア印刷用である、(1)または(2)記載の収縮ラベル用水性インキ組成物。
本発明によれば、耐スクラッチ性、耐揉み性、耐ブロッキング性、耐水耐摩擦性に加え、収縮ラベル用に必要とされる熱収縮後のフィルムに対する密着性および耐エッジ割れ性にも優れる収縮ラベル用水性インキ組成物を提供することができる。
<収縮ラベル用水性インキ組成物>
本発明の一実施形態の収縮ラベル用水性インキ組成物(以下、インキ組成物ともいう)は、コアシェル構造を有する自己架橋アクリル系エマルジョンを含む。自己架橋アクリル系エマルジョンは、酸価が25~85mgKOH/gであり、ガラス転移温度が-15~50℃である。以下、それぞれについて説明する。
(自己架橋アクリル系エマルジョン)
本実施形態のアクリル系エマルジョンは、コアシェル構造を有する、コアシェル型アクリル系エマルジョンである。コアシェル型アクリル系エマルジョンは、例えば懸濁重合や乳化重合によって製造できる。これらの方法の中でも本実施形態のコアシェル型アクリル系エマルジョンは、シェル部となる下記高分子乳化剤の存在下で、さらにコア部となる重合性モノマーを配合して、公知の乳化重合法により重合して得ることができる。
<高分子乳化剤>
高分子乳化剤は、カルボキシル基含有モノマーとそれ以外の他のラジカル重合性不飽和モノマーとの共重合体である。カルボキシル基含有モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノヘキシル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノ-2-エチルヘキシル、マレイン酸モノラウリル等の炭素数8~13の脂肪族炭化水素基を有するマレイン酸モノエステル化合物、マレイン酸モノミリスチル、マレイン酸モノセチル、マレイン酸モノステアリル、マレイン酸モノオレイル、マレイン酸モノエイコシル等の炭素数14~20の脂肪族炭化水素基を有するマレイン酸モノエステル化合物、クロトン酸とそのエステル化合物、イタコン酸とそのエステル化合物等である。
他のラジカル重合性不飽和モノマーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸エイコシル等の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロニトリル、オレフィン系化合物等、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、t-ブチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン等のスチレン系単量体、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等の(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体、メタクリル酸フェニル、アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸フェニル系単量体等である。
高分子乳化剤は、理論酸価が100~200となるようにカルボキシル基含有モノマーを使用することが好ましい。理論酸価が上記範囲内であることにより、コアシェル型アクリル系エマルジョンは、安定性が優れる。また、得られる印刷物は、耐水性が優れる。
高分子乳化剤の重量平均分子量は、3000~20000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であることにより、高分子乳化剤としての作用が発揮されやすく、かつ、共重合体の溶解性が優れる。
高分子乳化剤は、上記カルボキシル基含有モノマーと上記他のラジカル重合性不飽和モノマーとを配合した混合物を、公知の方法で重合して、重量平均分子量3000~20000の重合体を得、その後、塩基性化合物で中和することにより調製することができる。
<塩基性化合物>
塩基性化合物は特に限定されない。一例を挙げると、塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属;アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミン、イソプロピルアミン、プロパノールアミン、2-メチル-2-アミノプロパノール、ジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン等のアミン類等である。
<自己架橋性成分>
本実施形態のアクリル系エマルジョンは、自己架橋性成分を含む。自己架橋性成分は、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、メラミン化合物、アジリジン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物、オキサゾリン化合物等である。
自己架橋性成分の含有量は、アクリル系エマルジョン溶液100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.4質量部以上であることがより好ましい。また、自己架橋性成分の含有量は、アクリル系エマルジョン溶液100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましい。自己架橋性成分の含有量が上記範囲内であることにより、本実施形態のアクリル系エマルジョンを配合したインキ組成物の保存安定性が優れる。
<コア部を形成するラジカル重合性不飽和モノマー>
コア部を形成するラジカル重合性不飽和モノマーは、上述した高分子乳化剤を形成するラジカル重合性不飽和モノマーと同じものを使用できる。ただし、コア部を形成するラジカル重合性不飽和モノマーは、上記自己架橋性成分と反応するラジカル重合性不飽和モノマーを含有させる必要がある。具体的には、ラジカル重合性不飽和モノマーは、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、ビニルアルキルケトン類、アクロレイン、ホルミルスチロール、アルカナール(メタ)アクリレート類等のカルボニル基を含有するラジカル重合性不飽和モノマー、カルボキシル基を含有するラジカル重合性不飽和モノマー、水酸基を含有するラジカル重合性不飽和モノマー等である。これら自己架橋性成分と反応するラジカル重合性不飽和モノマーは使用する自己架橋性成分によって適宜選択し得る。
また、コア部/シェル部の重量比率は、20/80~80/20であることが好ましく、30/70~70/30であることがより好ましい。重量比率が上記範囲内であることにより、得られるインキ組成物は、再溶解性、流動性や保存安定性が優れる。また、得られるインキ組成物は、耐水性などが優れる。
本実施形態のアクリル系エマルジョンの酸価は、25mgKOH/g以上であればよく、40mgKOH/g以上であることが好ましい。また、アクリル系エマルジョンの酸価は、85mgKOH/g以下であればよく、80mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が25mgKOH/g未満である場合、インキ組成物は、塗膜の再溶解性が劣る。一方、酸価が85mgKOH/gを超える場合、インキ組成物は、耐水耐摩性が低下する。なお、本実施形態において、酸価は、アクリル系エマルジョンを合成するために用いる単量体の組成に基づいて、アクリル系エマルジョン1gを中和するのに理論上要する水酸化カリウムのmg数を算術的に求めた理論酸価である。
本実施形態のアクリル系エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は、-15℃以上であればよく、0℃以上であることが好ましい。また、アクリル系エマルジョンのTgは、50℃以下であればよく、35℃以下であることが好ましい。Tgが-15℃未満である場合、インキ組成物は、耐ブロッキング性が低下する。一方、Tgが50℃を超える場合、インキ組成物は、収縮後の密着性が低下する。なお、本実施形態において、Tgは、下記のWoodの式により求めた理論ガラス転移温度である。
Woodの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3+・・・・・+Wx/Tgx
[式中、Tg1~Tgxはアクリル系エマルジョンを構成する単量体1、2、3・・・xのそれぞれの単独重合体のガラス転移温度、W1~Wxは単量体1、2、3・・・xのそれぞれの重合分率、Tgは理論ガラス転移温度を表す。ただし、Woodの式におけるガラス転移温度は絶対温度である。]
本実施形態のアクリル系エマルジョンの含有量(固形分換算)は、インキ組成物中、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、アクリル系エマルジョンの含有量(固形分換算)は、インキ組成物中、35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
(任意成分)
本実施形態のインキ組成物は、水性インキ組成物において配合され得る任意成分を適宜含有し得る。任意成分は、水系溶媒、着色顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、架橋剤等である。
顔料は、各種の無機顔料、有機顔料等である。無機顔料は、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、群青、紺青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料(白色、黒色等の無彩色の着色顔料も含める)、および、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料である。有機顔料は、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等である。
顔料は、鮮明な色相が表現され得る点において、C.I.Pigment Red 5、7、12、57:1、122、146、202、282等の赤色系顔料;C.I.Pigment Blue 1、2、15:3、15:4、16、17、60等の青色系顔料;C.I.Pigment Violet 19等の紫色系顔料;C.I.Pigment Yellow 12、13、14、17、74、83、93、128、139、151、154、155、180、185、213等の黄色系顔料;C.I.Black 7(カーボンブラック)等であることが好ましい。
インキ組成物は、上記顔料を分散するために、顔料分散剤が併用されてもよい。顔料分散剤は特に限定されない。一例を挙げると、顔料分散剤は、アルカリ可溶性樹脂等の水性樹脂(ワニス)等である。この場合、顔料は、アルカリ可溶性樹脂で被覆された顔料であってもよい。
本実施形態のアクリル系エマルジョンは、架橋剤を必須とせず、印刷後の乾燥等によって自己架橋し得る。そのため、本実施形態のインキ組成物は、架橋剤が必須ではない。
一方、本実施形態のインキ組成物は、架橋剤が配合される場合、架橋剤の種類は特に限定されない。一例を挙げると、架橋剤は、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤等である。架橋剤が配合されることにより、インキ組成物を用いて得られる印刷物は、耐ブロッキング性、耐水耐摩擦性に加え、収縮ラベル用に必要とされる熱収縮後のフィルムに対する密着性が、より優れる。これらの中でも、架橋剤は、耐ブロッキング性を向上させる観点から、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤であることが好ましい。
エポキシ系架橋剤は、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等である。
アジリジン系架橋剤は、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N’-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)等である。
イソシアネート系架橋剤は、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびこれらのポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等である。
カルボジイミド系架橋剤は、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物の縮合物等である。
架橋剤が配合される場合、架橋剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、架橋剤の含有量は、0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。また、架橋剤の含有量は、5.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内であることにより、インキ組成物を用いて得られる印刷物は、耐ブロッキング性、耐水耐摩擦性に加え、収縮ラベル用に必要とされる熱収縮後のフィルムに対する密着性が、より優れる。
インキ組成物全体の説明に戻り、インキ組成物は、25℃における粘度が、300mPa・s以下であることが好ましく、200mPa・s以下であることがより好ましい。粘度は、必要に応じて粘度調整剤等が配合されることにより調整され得る。なお、本実施形態において、粘度は、E型粘度計(RE100L型粘度計、東機産業(株)製)を用いて、25℃、60rpmの条件で測定することができる。
本実施形態のインキ組成物の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、インキ組成物は、ボールミル、アトライター、ロールミル、サンドミル、アジテーターミル等の各種分散機を用いて顔料分散体(インクベース)を調製し、さらに残りの材料を添加することにより調製し得る。
本実施形態のインキ組成物は、収縮ラベル用である。収縮ラベルに用いられる熱収縮プラスチックフィルムは特に限定されない。一例を挙げると、熱収縮プラスチックフィルムは、収縮性ポリ塩化ビニル、収縮性ポリスチレン、収縮性ポリエチレンフタレート、収縮性ポリプロピレン等である。
本実施形態のインキ組成物を収縮ラベルに印刷し、印刷物を作製する方法は特に限定されない。一例を挙げると、印刷物は、グラビア印刷機またはフレキソ印刷機を用いることにより、インキ組成物を、被印刷体である収縮性プラスチックフィルム等に印刷することによって得られる。印刷条件は、従来公知の条件が適宜採用される。印刷物は、印刷後にインキ中の有機溶剤を飛散させるために乾燥されてもよい。乾燥条件は、従来公知の条件が適宜採用される。
本実施形態のインキ組成物は、フレキソ印刷用またはグラビア印刷用として好適である。
得られる印刷物は、シュリンクラベルやラップ用フィルム印刷物等の各種収縮ラベル用途に利用される。シュリンクラベルに利用される場合、印刷物は、溶断シールなどの手段によりチュービングされ、PET容器あるいはガラス容器などに装着された後、所定の収縮温度に加熱されることにより熱収縮され、容器に密着させられる。ラップ用フィルム印刷物に利用される場合、印刷物は、異形物の包装、商品の結束ならびに保証包装などに利用される。
以上、本実施形態のインキ組成物によれば、得られる印刷物は、耐スクラッチ性、耐揉み性、耐ブロッキング性、耐水耐摩擦性に加え、収縮ラベル用に必要とされる熱収縮後のフィルムに対する密着性および耐エッジ割れ性にも優れる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
使用した原料および調製方法を以下に示す。
<白色顔料分散体>
酸化チタンを75質量部、DISPERBYK-190を7質量部、イソブタノールを1質量部、および水17質量部の混合物をビーズミルで混練し白色顔料分散体を得た。
<藍色顔料分散体>
PB15:4(Pigment Blue 15:4)を45質量部、アルカリ可溶型顔料分散用水溶性樹脂(メタクリル酸/メタクリル酸メチル/ステアリルメタクリレート=15/75/10(質量比)、アンモニア中和、固形分28%)を11質量部、顔料分散剤(ソルスパース27000)を2質量部、イソブタノールを2質量部、および水40質量部の混合物をビーズミルで混練し藍色顔料分散体を得た。
<アクリル系エマルジョンの調製>
以下の表1に記載の酸価およびTgとなるように、No.1のアクリル系エマルジョンを調製した。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸メチル、スチレンで構成された共重合体をアンモニア水で溶解させた水溶液を高分子乳化剤として得た。次いで、コア部を形成するために、メタクリル酸メチル、2-エチルヘキシルアクリレート、ジアセトンアクリルアミドを添加し、常法により乳化重合した。その後、得られたアクリル系エマルジョン溶液に、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)を1質量%添加することにより、No.1のアクリル系エマルジョン溶液を調製した。
Figure 0007177963000001
表1に記載の酸価およびTgとなるよう構成するラジカル重合性不飽和モノマーの種類と量を変更した以外は、上記と同様の方法により、No.2~No.17のアクリル系エマルジョンを調製した。なお、No.18~No.21のエマルジョンは、表1に記載の市販品である。
<実施例1~17、比較例1~8>
表2に記載の処方(質量部)に従って、各色の顔料分散体と、表1に記載の各種エマルジョンおよび各成分および水を攪拌混合し、インキ組成物を調製した。
Figure 0007177963000002
得られたインキ組成物について、フレキソ印刷機を利用し、下記条件で印刷し、25℃下で一晩乾燥させて、評価用の印刷物を得た。
<印刷方法・印刷条件>
フィルム:収縮性未処理ポリスチレンフィルム(BS-55S、厚さ50μm、タキロンシーアイ(株)製)
印刷時の環境:温度25℃、湿度50%
塗工機:フレキソ印刷機
塗工速度:150m/min(インラインコロナ処理有)
刷版:ベタ版
乾燥温度:60℃
上記方法によって得られた印刷物を用いて、以下の評価方法により、収縮後密着性、耐スクラッチ性、耐揉み性、耐ブロッキング性、耐エッジ割れ性、耐水耐摩擦性を評価した。結果を表2に示す。なお、実用レベルはB以上とする。
<収縮後密着性>
印刷物をステンレス板に一部固定し、90℃熱水に20秒浸漬して、収縮、乾燥させたのちに、印刷面にセロハンテープを貼り付け、急速に剥がしたときにインキ皮膜がフィルムから剥離する度合い評価することにより、収縮後密着性を評価した。
(評価基準)
A:全く剥離しなかった。
B:15%未満が剥離した。
C:15%以上、50%未満が剥離した。
D:50%以上が剥離した。
<耐スクラッチ性>
印刷物を爪の背で強く擦り、インキの脱落の度合いを評価することにより、耐スクラッチ性を評価した。
(評価基準)
A:全く傷が入らなかった。
B:一部が剥離した。
C:大部分が剥離した。
D:完全に剥離した。
<耐揉み性>
印刷物を両手で強く10回手揉みした後の各印刷物の塗膜の割れの状態を評価することにより、耐揉み性を評価した。
(評価基準)
A:全く割れなかった。
B:一部が割れた。
C:大部分が割れたが、インキの脱離は見られなかった。
D:大部分が割れ、著しいインキの脱落が見られた。
<耐ブロッキング性>
印刷面と非印刷面とを合わせて、29.4×104Pa(2kg/cm2)の荷重下に40℃で1日間放置したのちに手で剥がし剥離抵抗の強さとインキ被膜の剥離程度を評価することにより、耐ブロッキング性を評価した。
(評価基準)
A:インキ皮膜の剥離が全くなく、剥離抵抗を感じられなかった。
B:インキ皮膜の剥離が全くなかったが、剥離抵抗が感じられた。
C:インキ皮膜が少し剥離し、剥離抵抗が強く感じられた。
D:インキ皮膜がほとんど剥離し、剥離抵抗が強く感じられた。
<耐エッジ割れ性>
四角柱のペットボトルに印刷面が接するように印刷物を巻き付け、90℃の熱水に10秒間浸漬させる。その後印刷物を取り出して乾燥したのち、エッジ部分での割れの程度を評価することにより、耐エッジ割れ性を評価した。
(評価基準)
A:インキの割れが全くなかった。
B:インキの割れがわずかにあった。
C:インキの割れが半分以上あった。
D:インキの割れが全体的にあった。
<耐水耐摩擦性>
印刷面に、摩擦子に水に浸漬したカナキンを用い、学振型試験機((株)大栄科学精器製作所)にて荷重500gで200回往復し、インキの脱落した度合いから耐水耐摩擦性を評価した。
(評価基準)
A:インキの脱落がなかった。
B:インキが20%未満の範囲で脱落した。
C:インキが20%以上、50%未満の範囲で脱落した。
D:インキが50%以上の範囲で脱落した。
表2に示されるように、本発明のインキ組成物は、耐スクラッチ性、耐揉み性、耐ブロッキング性、耐水耐摩擦性に加え、収縮ラベル用に必要とされる熱収縮後のフィルムに対する収縮後密着性および耐エッジ割れ性も優れた。

Claims (3)

  1. コアシェル構造を有する自己架橋アクリル系エマルジョンを含み、
    前記自己架橋アクリル系エマルジョンは、酸価が25~85mgKOH/gであり、ガラス転移温度が-15~50℃である、収縮ラベル用水性インキ組成物。
  2. さらに架橋剤を含む、請求項1記載の収縮ラベル用水性インキ組成物。
  3. フレキソ印刷用またはグラビア印刷用である、請求項1または2記載の収縮ラベル用水性インキ組成物。
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