JP4976843B2 - 印刷インキおよびプラスチックラベルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷インキに関する。さらに、該印刷インキによる印刷層を有するプラスチックラベルに関する。
現在、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、PETボトルなどのプラスチック製ボトルや、ボトル缶等の金属製ボトル等が広く用いられている。これらの容器には、表示や装飾性、機能性の付与のためプラスチックラベルを装着する場合が多く、このプラスチックラベルには、装飾性、加工性(容器への追従性)、広い表示面積等のメリットから、シュリンクラベルやストレッチラベルが広く使用されている。通常これらのラベル表面には、文字やデザインなどの装飾性付与や、傷防止、滑り性などの機能性付与の目的で、印刷インキが、塗布・印刷されている。
上記プラスチックラベルの基材フィルムとしては、使用される用途、要求特性等に合わせて、ポリスチレン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム等が用いられている。そのため、塗工される印刷インキとしては、生産性の観点から、これらすべての基材(特に、ポリエステル系フィルム及びポリスチレン系フィルム)に印刷可能な、いわゆる兼用インキが望ましい。
このような兼用インキとしては、例えば、ウレタン系樹脂を用いた印刷インキが知られている(特許文献1参照)。しかし、当該印刷インキは比較的高価であり、コスト面で不利である問題があった。また、アクリル系樹脂とニトロセルロースを用いた印刷インキが知られている(特許文献2参照)。しかし、ニトロセルロースは取り扱いの安全性の点で問題があった。
すなわち、ポリエステル系フィルム及びポリスチレン系フィルムの両方に印刷可能な兼用インキであって、さらに安価で安全性にも優れた印刷インキは未だ得られていないのが現状である。
特開2006−219670号公報 特開2004−175858号公報
従って、本発明の目的は、安価かつ安全性が高い樹脂を用い、さらに異なった基材のプラスチックフィルム(例えば、ポリエステル系フィルム及びポリスチレン系フィルム)に対して使用可能であり、印刷適性、接着性(密着性)が良好で、さらに耐ブロッキング性、耐熱性や顔料凝集抑止性等にも優れた特性を示す印刷インキを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、アクリル系樹脂、カルボン酸によりエステル化されているセルロース系樹脂を特定の配合比で含む混合樹脂と、アルコール及びエステル系溶剤を特定の配合比で含む混合溶剤を用いることによって、ポリエステル系フィルム、ポリスチレン系フィルムのいずれにも接着性が良好な印刷インキおよび該印刷インキからなる印刷層を有するプラスチックラベルを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、アクリル系樹脂、カルボン酸によりエステル化されているセルロース系樹脂、および、炭素数1〜4のアルコールと比蒸発速度が100より大きなエステル系溶剤を含む溶剤を含有する印刷インキであって、前記アクリル系樹脂の重量平均分子量が8000〜50000、かつ、ガラス転移温度が35〜80℃であり、前記アクリル系樹脂と前記エステル化されているセルロース系樹脂の配合比(前者/後者)が60/40〜99/1(重量比)であり、前記アクリル系樹脂と前記エステル化されているセルロース系樹脂の合計量が全樹脂成分(固形分)に占める割合が65重量%以上であり、印刷インキ全体に対する全溶剤の含有量が20〜70重量%であり、全溶剤に対する前記炭素数1〜4のアルコールの含有量が25重量%以上50重量%未満であり、全溶剤に対する前記比蒸発速度が100より大きなエステル系溶剤の含有量が50〜75重量%であることを特徴とする印刷インキを提供する。
さらに、本発明は、バインダー樹脂が、前記アクリル系樹脂と前記エステル化されているセルロース系樹脂のみからなる前記の印刷インキを提供する。
さらに、本発明は、前記エステル化されているセルロース系樹脂のエステル化度が41〜56%であり、かつ重量平均分子量が12000〜75000である前記の印刷インキを提供する。
また、本発明は、ポリエステル系プラスチックフィルム又はポリスチレン系プラスチックフィルムであるプラスチックフィルムの少なくとも片面に、印刷インキを塗布、乾燥することにより印刷層を設けるプラスチックラベルの製造方法であって、前記印刷層が、前記プラスチックフィルムの表層に、他の層を介さないで設けられており、前記印刷インキが、前記の印刷インキであることを特徴とするプラスチックラベルの製造方法を提供する。
本発明の印刷インキは、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂、カルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂を用いているため、安価且つ取り扱いの際の安全性に優れた印刷インキが得られる。また、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂の配合比を特定の範囲に制御し、なおかつ、特定配合量のアルコールとエステル系溶剤からなる混合溶剤を用いることにより、異なる素材に対しても優れた印刷適性、接着性(密着性)が得られる。さらに耐ブロッキング性、耐熱性や顔料凝集抑止性等にも優れた特性を示す。さらに、該印刷インキを用いることにより、印刷層の接着性や耐ブロッキング性等に優れたプラスチックラベルが得られる。
以下に、本発明の印刷インキおよびプラスチックラベルについて、さらに詳細に説明する。
本発明の印刷インキは、アクリル系樹脂、カルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂(以下、エステル化セルロース系樹脂と称する)、および溶剤を必須の構成成分とする。
アクリル系樹脂を構成する単量体成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等]などが挙げられる。
また、上記のほか、必要に応じて、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類やジエン類などの重合性不飽和化合物を単量体成分として用いることもできる。
アクリル系樹脂は単独で又は単量体組成の異なる2種以上の樹脂を組み合わせて用いることができる。例えば、アクリル系樹脂として、(i)カルボキシル基及びヒドロキシル基含有アクリル系重合体、(ii)カルボキシル基含有アクリル系重合体とヒドロキシル基含有アクリル系重合体との混合物、(iii)カルボキシル基及びヒドロキシル基非含有アクリル系重合体と、カルボキシル基含有アクリル系重合体と、ヒドロキシル基含有アクリル系重合体との混合物などを使用できる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量は8000〜50000が好ましく、より好ましくは20000〜40000である。重量平均分子量が8000未満の場合には、耐熱性が不十分となる場合がある。また、重量平均分子量が50000を超えると、インキ自体の粘度が上昇し、グラビア印刷適性が低下する場合がある。なお、上記重量平均分子量はアクリル系樹脂トータルでの値を意味する。従って、アクリル系樹脂として単量体組成の異なる2種以上のポリマーをブレンドして使用する場合には、重量平均分子量が上記範囲外のポリマーを用いることもできるが、重量平均分子量が上記の範囲内のポリマー同士をブレンドするのが好ましい。
アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は35〜80℃の範囲が好ましく、より好ましくは40〜60℃である。ガラス転移温度が35℃未満では、印刷層の耐熱性が低下したりブロッキングが生じやすくなる場合があり、80℃を超えると溶剤への溶解性が低下したり、印刷適性が低下する場合がある。
アクリル系樹脂の酸価は1〜20mg−KOH/gが好ましい。酸価は大きい方が密着性が高くなる傾向にあるが、20mg−KOH/gを超えると、例えば、酸化チタンなどの白色顔料を添加した白色印刷インキとして用いる場合に、顔料が凝集する場合がある。アクリル系樹脂の水酸基価は0〜10mg−KOH/gが好ましい。水酸基価が10mg−KOH/gを超える場合には、上記と同様に顔料が凝集する可能性がある。なお、上記の酸価及び水酸基価は、それぞれアクリル系樹脂トータルでの値を意味する。アクリル系樹脂として単量体組成の異なる2種以上のポリマーをブレンドして使用する場合には、該アクリル系樹脂の酸価(又は水酸基価)は各ポリマーの酸価(又は水酸基価)と各ポリマーの重量比より、計算で求めることができる。
アクリル系樹脂の溶解度パラメータ(Sp値)は、ポリエステル系フィルムへの密着性の観点から、8.0〜9.0が好ましい。
本発明で用いられるアクリル系樹脂としては、市販品を用いてもよく、東亞合成(株)製「アルフォン UP−1100」、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナール BR116」などが市場で入手可能である。
本発明のエステル化セルロース系樹脂は、セルロースをカルボン酸によりエステル化することにより得られた樹脂である。上記カルボン酸としては、酢酸、酪酸、プロピオン酸、無水酢酸、無水酪酸などが挙げられる。このようなエステル化セルロース系樹脂としては、具体的には、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート(CAB)樹脂、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂等が例示される。特に好ましくは、セルロースアセテートブチレート(CAB)樹脂、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)樹脂である。なお、本発明のエステル化セルロース系樹脂には、硝酸エステル(ニトロセルロース)は含まれない。
エステル化セルロース樹脂のエステル化度は41〜56%が好ましい。なお、エステル化度はセルロース樹脂中のエステル化された水酸基の割合を意味する。
エステル化セルロースの重量平均分子量は、12000〜75000が好ましく、より好ましくは20000〜40000である。重量平均分子量が12000未満ではエステル化セルロースの添加効果が小さく、75000を超えると印刷インキの粘度が上昇し、グラビア印刷性が低下する場合がある。
本発明の印刷インキにおいて、アクリル系樹脂とエステル化セルロース系樹脂との配合比率は、アクリル系樹脂/エステル化セルロース系樹脂(重量比)=50/50〜99.5/0.5の範囲であり、好ましくは60/40〜99/1、より好ましくは75/25〜95/5である。この割合が50/50よりも低い(エステル化セルロース系樹脂が多い)と、溶剤に対する溶解性が低下して、印刷インキとして用いることができなくなり、99.5/0.5よりも高い(アクリル系樹脂が多い)と、耐ブロッキング性、耐熱性等が不十分となる。
本発明で用いられるエステル化セルロース系樹脂としては、市販品を用いてもよく、イーストマンケミカルジャパン社製「CAB 381−2」、「CAP 551−0.01」などが市場で入手可能である。
本発明の印刷インキにおいて、アクリル系樹脂とエステル化セルロース系樹脂の合計量が、全樹脂成分(固形分)に占める割合は、通常50重量%以上であり、好ましくは65重量%以上である。なお、アクリル系樹脂及びエステル化セルロース系樹脂以外の樹脂成分としては各種の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用できるが、ウレタン系樹脂又はスチレン・無水マレイン酸樹脂が好ましい。
本発明の印刷インキに用いられる溶剤は、炭素数が1〜4であるアルコールおよび比蒸発速度が100より大きなエステル系溶剤を必須成分として含有する。
上記炭素数が1〜4であるアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどが例示されるが、特に好ましくはイソプロピルアルコールである。これらのアルコールは、溶剤においてポリスチレン系フィルムへの溶剤アタック力を低減する役割を担う。
上記アルコールの含有量は、溶剤全体に対して、20〜60重量%であり、好ましくは25重量%以上、50重量%未満である。低級アルコールの含有量が20重量%未満の場合には、ポリスチレン系フィルムが劣化、溶解するため、兼用インキとして用いることができなくなり、60重量%を超えるとポリエステル系フィルムに対する接着性が低下する。
上記エステル系溶剤としては、比蒸発速度が100より大であればよく、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピルなどが好ましく例示されるが、特に好ましくは酢酸エチル、酢酸プロピルである。エステル系溶剤の溶剤全体に対する含有量は、40〜80重量%が好ましく、より好ましくは50〜75重量%である。本発明においては、溶剤中にエステル系溶剤を混合することにより、ポリエステル系フィルムに対する密着性向上の効果が得られる。
本発明の印刷インキに用いられる溶剤には、インキ安定性、ロングラン適性の観点から、さらに低揮発性溶剤を含有することが好ましい。上記低揮発性溶剤としては、比蒸発速度が100以下、好ましくは20〜100の溶剤であり、特に限定されないが、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類などが好ましく例示される。具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1,2−プロパンジオールから製造されるもの、1,3−プロパンジオールから製造されるものを含む)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが例示される。なお、比蒸発速度とは、25℃において、単位時間に単位面積から気化する溶剤の蒸発速度をいい、酢酸n−ブチルの蒸発速度に対する試料の蒸発速度の百分率で表示される。具体的測定方法としては、例えば、窒素ガスを供給可能にしたフード付き化学天秤2台を用い、両者の天秤皿に濾紙No.5C(9cmφ)を入れた10cmφのシャーレのせ、一方に酢酸n−ブチル、他方に試料をそれぞれ0.7mLずつとり、窒素ガスを30NL/minの流速で同時に供給して、酢酸n−ブチル及び試料の重量減少率が90%になるまでの時間を計測し、下記式によって算出することができる
比蒸発速度(%)=T1/T2×100
1:酢酸n−ブチル90%減量に要した時間
2:試料90%減量に要した時間
本発明の溶剤の印刷インキ全体に対する含有量は、塗工性の観点から、20〜70重量%が好ましい。
本発明の印刷インキには、白色インキやカラーインキとする場合など必要に応じて、染料、顔料などの着色剤が添加される。中でも、有機、無機の着色顔料が好ましく用いられる。用いられる顔料としては、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍(青色)顔料、縮合アゾ系顔料などの赤色顔料、アゾレーキ系顔料等の黄色顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)等が用途に合わせて選択、使用できる。また、顔料として、その他にも、光沢調製などの目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。
上記顔料の平均粒径(凝集体を形成している場合には、凝集体の粒径、いわゆる2次粒径)は、例えば0.01〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μm、より好ましくは0.2〜0.5μmである。平均粒径が0.01μm未満では加飾性が不足する場合があり、1μmを超えるとグラビア印刷の際にいわゆる「版かぶり」(版の画線部以外の部分のインキ掻き取り不良による印刷不良)を生じる場合がある。顔料の含有量は、顔料の種類や目的の色の濃度等により任意に設計できるが、印刷インキの総重量に対して、0.1〜60重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜40重量%である。
本発明の印刷インキを白色印刷インキとして用いる場合の酸化チタンとしては、ルチル型(正方晶高温型)、アナターゼ型(正方晶低温型)、ブルッカイト型(斜方晶)のいずれを用いてもよいが、例えば、石原産業(株)製酸化チタン粒子「タイペークシリーズ」、テイカ(株)製酸化チタン「JRシリーズ」等が入手可能である。また、本発明の白色印刷インキの酸化チタンの含有量は、隠蔽性と粗大突起形成抑制の観点から、印刷インキの総重量に対して、20〜60重量%が好ましく、より好ましくは30〜50重量%である。
また、本発明の印刷インキには、必要に応じて、滑剤を含有してもよい。ここでいう滑剤とは、例えば、ポリエチレンワックス等のポリオレフィン系ワックス、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス、カルナウバワックス等の各種ワックス類が例示される。さらに、必要に応じて、前記以外の滑剤、沈降防止剤、可塑剤、分散安定剤、つや消し剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の印刷インキは、上記アクリル系樹脂、エステル化セルロース系樹脂、溶剤および顔料等を混合することにより製造する。その他の添加剤を用いる場合には、同時に混合する。混合は、公知慣用の混合方法を使用することができ特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパーなどのミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどが用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は10〜120分が好ましい。得られたインキ組成物は、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。
本発明の印刷インキの粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えば、グラビア印刷により塗工される場合には、10〜2000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜500mPa・sである。粘度が2000mPa・sを超える場合には、グラビア印刷性が低下し、「かすれ」などが生じて、加飾性が低下する場合がある。また、粘度が10mPa・s未満の場合には、顔料や添加剤が沈降しやすくなる等、貯蔵安定性が低下する場合がある。溶剤型インキの粘度は、バインダー樹脂の種類、添加量、増粘剤、減粘剤等によって制御することが可能である。なお、本明細書中、「粘度」とは、特に限定しない限り、E型粘度計(円錐平板形回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転数50回転の条件下、JIS Z 8803に準じて測定した値を意味している。
本発明の印刷インキは、ポリエステル系フィルム、ポリスチレン系フィルムのいずれに対しても良好な密着性を示すことから、それらのフィルムの兼用インキとして用いることができ、それらのプラスチックフィルムの印刷層として、プラスチックラベルを形成するために好ましく用いられる。
本発明の印刷インキを、プラスチックフィルム(基材フィルム)の少なくとも片面に塗布し、加熱・乾燥して溶剤を除去することにより、本発明の印刷インキからなる印刷層を形成することにより、プラスチックラベルが得られる。本発明の印刷インキはプラスチックフィルムに対して、優れた接着性を有するため、印刷層はプラスチックフィルムの表層に、他の層を介さないで、設けることができる。
本発明のプラスチックラベルに用いられるプラスチックフィルムの種類は、特に限定されないが、ポリエステル系フィルム、ポリスチレン系フィルムなどから、要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能である。
上記ポリエステル系フィルムを形成するポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分とジオール成分とで構成される種々のポリエステルが挙げられる。ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、及びこれらの置換体等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、1,12−ドデカンジオン酸、及びこれらの置換体等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2,4−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシジフェニル)プロパン、ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合物のエチレンオキシド付加物、キシリレングリコール等の芳香族ジオールなどが挙げられる。これらのジオール成分は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
前記ポリエステル系樹脂は、上記以外にも、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;安息香酸、ベンゾイル安息香酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸等の多価カルボン酸;ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル等の1価アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールなどの構成単位を含んでいてもよい。
本発明に用いられるポリエステル系樹脂は、特に限定されないが、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレート(PET)、ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)や、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(CHDM共重合PET)、ジカルボン酸変性PET(テレフタル酸を主成分にイソフタル酸及び/又はアジピン酸で変性)が好ましい。コスト、生産性等の観点で、特に好ましくはPETである。さらに、低温収縮性向上の観点で、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールを共重合していてもよい。
上記ポリスチレン系フィルムを形成するポリスチレン系樹脂は、構成モノマーとして、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体を1種又は2種以上含み、且つ製膜性を示す樹脂であれば特に限定されない。このようなポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体である一般ポリスチレン(GPPS)、スチレン系単量体の単独又は共重合体;ポリスチレンと合成ゴム(例えば、ポリブタジエンやポリイソプレン等)の混合物、合成ゴムにスチレンをグラフト重合させた高衝撃性ポリスチレン(HIPS);スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体などに代表される、スチレン系単量体とブタジエンやイソプレン等の共役ジエンの共重合体(特に、ブロック共重合体)であるスチレン−共役ジエン共重合体;スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体などの共重合体であるスチレン−重合性不飽和カルボン酸エステル共重合体;スチレン−共役ジエン−重合性不飽和カルボン酸エステル共重合体;スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共重合体の連続相中にゴム状弾性体を分散させ、該ゴム状弾性体に前記共重合体をグラフト重合させた透明・高衝撃性ポリスチレン(グラフトTIPS)等が挙げられる。
上記プラスチックフィルムは、単層フィルムであってもよいし、要求物性、用途などに応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合、印刷をする表層の樹脂がポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂であることが好ましく、印刷されない層は異なる樹脂からなるフィルム層を積層していてもよい。例えば、中心層と表層(内層、外層)からなる3層積層フィルムや中心層と表層との間にさらに接着層を有する5層積層フィルムで、中心層がポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂からなり、表層がポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなるフィルム等であってもよい。また、要求物性、用途などに応じて、未延伸フィルム、1軸配向フィルム、2軸配向フィルムのいずれを用いてもよい。特に、プラスチックラベルがシュリンクラベルである場合には、1軸または2軸配向フィルム(シュリンクフィルム)が用いられることが多く、中でも、フィルム幅方向又は長手方向のいずれか一方向(ラベル周方向となる方向)に強く配向しているフィルム(実質的に幅方向に1軸延伸されたフィルム)が一般的に用いられる。
上記プラスチックフィルムは、溶融製膜または溶液製膜などの慣用の方法によって作製することができる。また、市販のプラスチックフィルムを用いることも可能である。プラスチックフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理やプライマー処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。
上記プラスチックフィルムの熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、例えばプラスチックラベルがシュリンクラベル用途の場合であれば、シュリンク加工性等の観点から、長手方向が−3〜15%、幅方向が20〜80%が好ましい。
上記プラスチックフィルムの厚みは、用途によって異なり、特に限定されないが、10〜200μmが好ましく、例えば、シュリンクラベル用途の場合には、20〜80μmが好ましく、さらに好ましくは30〜60μmである。
本発明のプラスチックフィルムは、市販品を用いてもよく、例えば、東洋紡(株)製「S7042」(ポリエステル系フィルム);シーアイ化成(株)製「BS55S」(ポリスチレン系フィルム);三菱樹脂(株)製「DL」、グンゼ(株)製「HGS」(表層がポリエステル系樹脂、中心層がポリスチレン系樹脂の積層フィルム)などが挙げられる。
本発明のプラスチックラベルは、基材であるプラスチックフィルムの種類、物性等によっても異なるが、シュリンクラベル、インモールドラベル、タックラベル、ロールラベル(巻き付け方式の糊付ラベル)、感熱接着ラベル、キャップシール等として用いることができる。中でも、強靱な接着性と良好な加工追従性の観点から、シュリンクラベルやキャップシール用途として、特に好ましく用いられる。
上記プラスチックラベルは、一般的に、容器に装着し、ラベル付き容器として用いられる。このような容器には、例えば、PETボトルなどのソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳容器、調味料などの食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレーなどの化学製品の容器、カップ麺容器などが含まれる。また容器の材質としても、PETなどのプラスチック製、ガラス製、金属製などが含まれる。なお、上記プラスチックラベルは、容器以外の被着体に用いられてもよい。
[プラスチックラベルの製造、加工方法]
本発明の印刷インキを用いたプラスチックラベルの製造、該プラスチックラベルの加工および容器への装着は、例えば下記のようにして行うことができる。なお、下記では、プラスチックフィルムとしてシュリンクフィルムを用いたシュリンクラベルの一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記プラスチックフィルムの少なくとも片面に、本発明の印刷インキを塗布、乾燥することにより印刷層を設け、プラスチックラベルを作製することができる。上記の塗布、乾燥工程は、プラスチックフィルムの製造工程中に塗布、乾燥、硬化等を行われてもよいし(インラインコート)、フィルム製膜後に行われてもよい(オフラインコート)が、生産性や加工性の観点から、オフラインコートが好ましい。また、必要に応じて、本発明の印刷層以外の層を設けてもよい。
(プラスチックラベルの製造)
プラスチックフィルム上に印刷インキを塗布する方法としては、コストや生産性、印刷の装飾性などの観点から、グラビア印刷、フレキソ印刷、またはインクジェット印刷方式が好ましく、中でも、グラビア印刷方式が特に好ましい。また、塗布されたインキ層を加熱、乾燥する際には、インラインで加熱が可能な、一般的な加熱装置を用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーターなどを用いることができる。加熱温度は30〜70℃が好ましく、特にシュリンクフィルムの場合は、乾燥効率とフィルムの変形抑制の観点から、40〜60℃が好ましい。なお、重ね印刷の場合など、多層の印刷層を形成する場合には、上記、塗布・乾燥工程を繰り返し行えばよい。
上記のように得られた長尺状のプラスチックラベルは、所定の幅にスリットして、ロール状に巻回し、複数個のロール状物とする。
(プラスチックラベルの加工)
上記ロール状物のひとつを繰り出しながら、長尺状のプラスチックラベルの幅方向が円周方向となるように円筒状に成形する。具体的には、長尺状プラスチックラベルを筒状に形成し、ラベルの一方の側縁部に、長手方向に帯状に約2〜4mm幅で、テトラヒドロフラン(THF)などの溶剤や接着剤(以下接着剤等)を内面に塗布し、筒状に丸めて、該接着剤等塗布部を、他方の側縁部から5〜10mmの位置に重ね合わせて外面に接着(センターシール)し、長尺筒状のプラスチックラベル連続体とし、長尺筒状プラスチックラベルを得る。なお、上記の接着剤などを塗工する部分及び接着する部分には、印刷層が設けられていないことが好ましい。
なお、ラベル切除用のミシン目を設ける場合は、所定の長さ及びピッチのミシン目を長手方向に形成する。ミシン目は慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程段階は、印刷工程の後や、筒状加工工程の前後など、適宜選択ことができる。
(容器への装着)
最後に、上記で得られた長尺筒状プラスチックラベルを切断後、所定の容器に装着し、加熱処理によって、ラベルを収縮、容器に追従密着させることによってラベル付き容器を作製する。上記長尺筒状プラスチックラベルを、自動ラベル装着装置(シュリンクラベラー)に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填した容器に外嵌し、所定温度の熱風トンネルやスチームトンネルを通過させたり、赤外線等の輻射熱で加熱して熱収縮させ、容器に密着させて、ラベル付き容器を得る。上記加熱処理としては、例えば、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)ことなどが例示される。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
(1)印刷適性
実施例、比較例で得られた印刷インキを、ポリスチレン(OPS)系フィルム(シーアイ化成(株)製、「BS55S」:厚み50μm)の片面に、彫刻60線、版深30μmのグラビア版を用いて、工程速度300m/分の条件で、全面グラビア印刷を施し、熱風乾燥機を用いて50℃の条件で乾燥して、プラスチックラベルサンプル(OPS)を得た。なお、乾燥後の印刷層の厚みは約3μmであった。
また、ポリエステル(PET)系シュリンクフィルム(東洋紡(株)製、「S7042」:厚み45μm)の片面に、彫刻60線、版深30μmのグラビア版を用いて、工程速度300m/分の条件で、全面グラビア印刷を施し、熱風乾燥機を用いて50℃の条件で乾燥して、プラスチックラベルサンプル(PET)を得た。なお、乾燥後の印刷層の厚みは約3μmであった。
上記で得られたプラスチックラベルサンプル(OPS、PET)の印刷層の形成状態、版面、インキパンを目視にて観察した。版かぶり、ドクター切れ、インキとられ、皮張りなどの印刷適性を以下の基準で判断した。
○ : 版かぶり、ドクター切れ、インキとられ、皮張りがない。
△ : 版かぶり、ドクター切れ、インキとられ、皮張りが一部あるが印刷インキとして使用可能である。
× : 版かぶり、ドクター切れ、インキとられ、皮張りがあり、印刷インキとして使用できない。
(2)接着性(テープ剥離試験)
碁盤目のクロスカットを入れない以外は、JIS K 5600に準じて、試験を行った。(1)と同様にして得られたプラスチックラベルサンプル(OPS、PET)のインキ印刷面に、セロハン粘着テープ(ニチバン(株)製、幅18mm)を貼り付け、90度方向に剥離した。5mm×5mmの領域において、印刷層の残存した面積を観察し、下記の基準で判断した。
○ : 印刷層の残存面積が全体の99%以上
△ : 印刷層の残存面積が全体の90%以上、99%未満
× : 印刷層の残存面積が全体の90%未満
なお、OPS、PETについてそれぞれ接着性を判断した。
(3)OPSフィルム劣化抑止性
平坦なOPSフィルム(シーアイ化成(株)製、「BS55S」:厚み50μm)にインキをバーコーター(#7)で手引きすることにより塗布した。その際のフィルム状態を以下の基準で評価した。
○ : フィルムが平坦の状態のまま、もしくは少しカールした状態である。
× : フィルムが大きくカールした状態、もしくは破れる。
(4)耐ブロッキング性
(1)と同様にして得られたプラスチックラベルサンプル(OPS、PET)のインキ印刷面と非印刷面を重ね合わせて、圧力10MPa、常温の条件下、420秒間加圧した。その後、JIS K 6854−3に準じたT型剥離試験(剥離速度200mm/min)により剥離強度を測定し、以下の基準で評価した。
○ : OPSフィルム、PETフィルム共に、インキの剥離が全くなく、剥離強度が0.1N/15mm未満である。
△ : インキの剥離は全くないが、OPSフィルム、PETフィルムの少なくとも一方が剥離強度が0.1N/15mm以上である。
× : OPSフィルム、PETフィルムの少なくとも一方がインキが剥離する。
(5)顔料(酸化チタン)の凝集抑止性
インキ100gをポリプロピレンボトルに秤量した後、24時間、常温にて静置させた。その後、スパチュラでボトル底部をすくった結果を以下の基準で評価した。
○ : 沈殿物がほとんど存在しない。
× : 沈殿物が存在する。
(6)フィルム層厚み、印刷層厚み
フィルム厚みは、触針式厚みゲージを用いて測定した。印刷層厚みは、印刷層を設けた部分(塗工面)と印刷層を設けていない部分(非塗工面)の段差を、3次元顕微鏡(キーエンス(株)製VK8510)を用いて測定した。
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例5、実施例7、実施例8及び実施例11は「参考例」とする。
実施例1
固形分として、アクリル系樹脂(三菱レーヨン(株)製、「ダイヤナール GR5679」、重量平均分子量30000、Tg40℃)、エステル化セルロース樹脂(イーストマンケミカルジャパン(株)製、CAP樹脂「CAP482−20」、重量平均分子量75000)、顔料(テイカ(株)製、酸化チタン「JR−800」)、ワックス(LUBRIZOL社製「LANCO PP 1362D」、溶剤として、酢酸エチル、イソプロピルアルコールを、表1に示した配合量で配合し、ホモディスパーにて分散し、印刷インキ(白色印刷インキ)を得た。なお、ここで固形分と溶剤分とは1:1として混合している。
実施例2〜4
表1に示したとおり、エステル系溶剤とアルコール系溶剤の種類、比率を変更して、実施例1と同様にして、印刷インキを得た。
比較例1
表1に示したとおり、エステル系溶剤とアルコール系溶剤の比率を変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷インキを得た。
Figure 0004976843
表1からわかるとおり、溶剤中のアルコール系溶剤の含有量が本発明の範囲内にある印刷インキ(実施例)は、接着性、ポリスチレン系フィルムの劣化抑止性、耐ブロッキング性、印刷適性、顔料の凝集抑止性に優れていた。一方、溶剤中のアルコール系溶剤の含有量が本発明の範囲より少ない場合には(比較例1)ポリスチレン系フィルムの劣化を生じた。
実施例5〜7
表2に示したとおり、ガラス転移温度(Tg)の異なるアクリル系樹脂(三菱レーヨン(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、印刷インキを得た。
Figure 0004976843
表2からわかるとおり、上記印刷インキ(実施例)は、接着性、ポリスチレン系フィルムの劣化抑止性、耐ブロッキング性、印刷適性、顔料の凝集抑止性に優れていた。
実施例8〜11
表3に示したとおり、重量平均分子量(Mw)の異なるアクリル系樹脂(三菱レーヨン(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、印刷インキを得た。
Figure 0004976843
表3からわかるとおり、上記印刷インキ(実施例)は、接着性、ポリスチレン系フィルムの劣化抑止性、耐ブロッキング性、印刷適性、顔料の凝集抑止性に優れていた。
実施例12、13、比較例2、3
表4に示したとおり、エステル化セルロース系樹脂を重量平均分子量が40000のエステル化セルロース樹脂(イーストマンケミカルジャパン(株)製、CAB樹脂「CAB381−2」)に変更し、さらにアクリル系樹脂とエステル化セルロース系樹脂の配合比率を変更して、実施例1と同様にして、印刷インキを得た。
Figure 0004976843
表4からわかるとおり、アクリル系樹脂とエステル化セルロース系樹脂の配合比率が本発明の範囲内にある印刷インキ(実施例)は、接着性、ポリスチレン系フィルムの劣化抑止性、耐ブロッキング性、印刷適性、顔料の凝集抑止性に優れていた。一方、エステル化セルロース系樹脂を用いなかった場合には(比較例2)、印刷層の耐ブロッキング性が低下し、エステル化セルロース系樹脂が過剰な場合には(比較例3)、エステル化セルロースが溶剤に不要となり、印刷インキとして用いることができなかった。
実施例14
表5に示したとおり、エステル化セルロース系樹脂を重量平均分子量が16000のエステル化セルロース樹脂(イーストマンケミカルジャパン(株)製、CAB樹脂「CAB551−0.01」)に変更し、実施例1と同様にして、印刷インキを得た。
表5からわかるとおり、得られた印刷インキは、接着性、ポリスチレン系フィルムの劣化抑止性、耐ブロッキング性、耐熱性、印刷適性、顔料の凝集抑止性に優れていた。
Figure 0004976843

Claims (4)

  1. アクリル系樹脂、カルボン酸によりエステル化されているセルロース系樹脂、および、炭素数1〜4のアルコールと比蒸発速度が100より大きなエステル系溶剤を含む溶剤を含有する印刷インキであって、
    前記アクリル系樹脂の重量平均分子量が8000〜50000、かつ、ガラス転移温度が35〜80℃であり、
    前記アクリル系樹脂と前記エステル化されているセルロース系樹脂の配合比(前者/後者)が60/40〜99/1(重量比)であり、
    前記アクリル系樹脂と前記エステル化されているセルロース系樹脂の合計量が全樹脂成分(固形分)に占める割合が65重量%以上であり、
    印刷インキ全体に対する全溶剤の含有量が20〜70重量%であり、
    全溶剤に対する前記炭素数1〜4のアルコールの含有量が25重量%以上50重量%未満であり、
    全溶剤に対する前記比蒸発速度が100より大きなエステル系溶剤の含有量が50〜75重量%であることを特徴とする印刷インキ。
  2. バインダー樹脂が、前記アクリル系樹脂と前記エステル化されているセルロース系樹脂のみからなる請求項1に記載の印刷インキ。
  3. 前記エステル化されているセルロース系樹脂のエステル化度が41〜56%であり、かつ重量平均分子量が12000〜75000である請求項1または2に記載の印刷インキ。
  4. ポリエステル系プラスチックフィルム又はポリスチレン系プラスチックフィルムであるプラスチックフィルムの少なくとも片面に、印刷インキを塗布、乾燥することにより印刷層を設けるプラスチックラベルの製造方法であって、
    前記印刷層が、前記プラスチックフィルムの表層に、他の層を介さないで設けられており、
    前記印刷インキが、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷インキであることを特徴とするプラスチックラベルの製造方法。
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