JP5072532B2 - プラスチックラベル - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックフィルム等に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びプラスチックフィルムに該樹脂組成物を塗工してなるプラスチックラベルに関する。
現在、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、PETボトルなどのプラスチック製ボトルや、ボトル缶などの金属製ボトルが広く用いられている。これらの容器には、多くの場合、内容物を表示しかつ装飾性、耐スクラッチ性、滑り性などの各種機能性を付与する目的で、インキやコーティング剤等の樹脂組成物が塗工されたプラスチックフィルムからなるラベル(いわゆるシュリンクラベルやストレッチラベル)が装着されている。
これらの樹脂組成物には、それぞれのラベル加工工程に適した加工性が求められるとともに、硬化後の樹脂層(以下、樹脂硬化物層ということがある)が商品の流通過程で擦過して装飾性や機能性が低下することのない強靱性が求められる。また近年、とりわけ飲料の分野では、複雑かつ高度に立体成型された容器が多用されるようになり、装着されるフィルム、特にシュリンクフィルム、の容器形状への追従性など加工性に関わる要求性能はますます高まってきている。これら高い加工性や強靱性を両立するためには、フィルム基材への樹脂硬化物層の高い密着性(接着性)が必須である。
ところで、これらの樹脂組成物を印刷インキ等として基材に塗工する場合、一般にグラビア印刷が用いられているが、グラビアインキは通常多量の有機溶剤を含んでいるため、製造工程においてこれら溶剤を蒸発処理する必要がある。近年、環境負荷低減の観点から、かかる溶剤の回収・分解処理が義務付けられようとしており、そのための設備投資及び設備維持費がグラビア印刷業界の新たな負担となってきている。他方、有機溶剤を用いない又は有機溶剤の使用量が少ない水性インキの場合は、溶剤型グラビアインキに比べ乾燥に時間を要するため印刷速度が遅く、生産性の低下が避けられないという事情があった。
こうした課題に対して、アクリル系モノマー、アクリル系オリゴマーを主成分とする実質的に溶剤を用いない活性エネルギー線硬化型インキが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、これらの樹脂組成物は、無機顔料を添加する場合には、粘度が高い、あるいは、粘度が低くても硬化速度が十分でないため、高速のグラビア印刷やフレキソ印刷で用いるには不十分であるという未解決の問題を有していた。
特開2002−371217号公報 特開2003−119230号公報
本発明の目的は、実質的に溶剤を使用しない樹脂組成物であって、無機顔料を比較的多量に添加する場合であっても、低粘度(顔料分散性良好)であり、硬化性が良好であるため、グラビア印刷などに用いる場合の印刷適性(塗工性)が良好で生産性に優れ、さらに、硬化後にはプラスチックフィルムに対する密着性(接着性)や強靱性に優れた樹脂硬化物層を形成する、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することにある。また、プラスチックフィルムに該樹脂組成物を塗工してなるプラスチックラベルを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、分子量400未満のアクリル系化合物、分子量400以上のアクリル系化合物、特定の有機酸、及び、無機顔料の少なくとも4成分を配合することにより、塗工性、密着性、硬化速度が飛躍的に向上した優れた樹脂組成物、および、プラスチックラベルを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、プラスチックフィルムの少なくとも片面に、分子量400未満のアクリル系化合物(成分A)、分子量400以上のアクリル系化合物(成分B)、ベンゼン環の1個の水素原子がカルボキシル基で置換された構造を有する有機酸、及び、無機顔料を含む樹脂組成物であって、樹脂組成物の総重量に対して、前記有機酸を0.05〜10重量%含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布、硬化してなる樹脂硬化物層を有するプラスチックラベルを提供する。
さらに、本発明は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、無機顔料を、樹脂組成物の総重量に対して、25〜50重量%含有する前記のプラスチックラベルを提供する。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、無機顔料添加系においても低粘度であるため、グラビア印刷やフレキソ印刷などによるプラスチックフィルムへの塗工性が良好であり、また硬化速度が速いため、プラスチックラベルの生産効率が向上する。また、硬化後の樹脂層は、プラスチックフィルムとの密着性および強靱性に優れる。このため、本発明の樹脂組成物はプラスチックラベル用の印刷インキなどとして特に有用である。また、該樹脂組成物を塗工したプラスチックラベルは、ガラス瓶やPETボトルなどのプラスチック容器、ボトル缶などの金属容器などに用いられるラベル用途として特に有用である。
以下に、本発明の活性エネルギー線樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物という)について、さらに詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、可視光、紫外線、電子線などの活性エネルギー線によって硬化させることができる活性エネルギー線硬化性の組成物である。熱硬化性の場合と異なり、シュリンクフィルムなどの熱により変形を起こしやすい基材にも好適に用いられる。活性エネルギー線の中でも、特に紫外線硬化性、近紫外線硬化性であることが好ましい。好ましい吸収波長は200〜460nmである。
本発明の樹脂組成物は、分子量400未満のアクリル系化合物(以下、成分Aという)、分子量400以上のアクリル系化合物(以下、成分Bという)、ベンゼン環の1個の水素原子がカルボキシル基で置換された構造を有する有機酸(以下、成分Cという)、及び、無機顔料を必須の構成成分として含有する。上記4成分を含まない場合には、本発明の効果は得られない。
本発明の樹脂組成物には、上記成分の他にも、活性エネルギー線硬化性を発現させるために重合開始剤(以下、光重合開始剤という)を含有することが好ましい。また、その他の機能付与の目的で、他の樹脂成分、増感剤、分散剤、酸化防止剤、香料、消臭剤、安定剤、滑剤、色別れ防止剤等を、本発明の効果を損なわない程度に、添加してもよい。
本発明の樹脂組成物を構成する成分Aは、分子量400未満のアクリル系化合物、即ち、分子中に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有する分子量400未満の化合物((メタ)アクリル酸の誘導体)である。成分Aは、一般的に、公知慣用のアクリル系紫外線硬化性インキ(UVインキ)のモノマー成分として用いられるものである。成分Aの分子量は、400未満であり、好ましくは100〜350、より好ましくは150〜350である。
上記成分Aとしては、具体的には、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは炭素数1〜12程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等];2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは炭素数1〜12程度の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等];(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオール成分、イソシアネート成分、(メタ)アクリレート成分から構成される化合物である。上記(メタ)アクリレート成分は、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートであり、具体的には、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。上記イソシアネート成分としては、芳香族、脂肪族及び脂環族の公知のジイソシアネート類の1種又は2種以上の混合物を用いることができる。ジイソシアネート類の具体例として、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、必要に応じて3官能以上のポリイソシアネート類やポリイソシアネートアダクト体を上記ジイソシアネートと混合して用いることもできる。上記ポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ブタンジオール(1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等)、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの低分子量グリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール−ポリカプロラクトン共重合体等のポリエーテルジオール;プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどのジオール類とアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸などの2塩基酸類とから得られるポリエステルジオール;ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、ラクトンブロック共重合ポリオールなどのラクトンジオールなどの公知のジオール類を使用できる。また、必要に応じて上記のジオール類と、3官能以上のポリオール化合物とを混合して用いることもできる。
上記の中でも、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレートが好ましく、特に好ましくは、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートである。
上記成分Aは、市販品を用いることも可能であり、例えば、東亞合成(株)製「アロニックス M−240」(ポリエチレングリコールジアクリレート)、大阪有機化学工業(株)製「ビスコート#150」(テトラヒドロフルフリルアクリレート)、サートマー社製「SR 285」(テトラヒドロフルフリルアクリレート)、新中村化学(株)製「NKエステル A−DEPD(2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート)、A−DMHD(3−メチル−1,7−オクタンジオールジアクリレート)、A−NOD(1,9−ノナンジオールジアクリレート)、A−DOD(1,10−デカンジオールジアクリレート)、A−TMM−3LM−N(ペンタエリスリトールトリアクリレート)」等が挙げられる。
上記成分Aは、中でも、基材との密着性、粘度の観点から、テトラヒドロフルフリルアクリレートを必須成分とし、さらに2又は3官能のアクリル系化合物を混合して用いることが好ましく、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば、上記「アロニックス M−240」)とテトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、上記「ビスコート#150」)を組み合わせて用いることが好ましい。また、配合比は、特に限定されないが、前者(2〜3官能のアクリル系化合物)/後者(テトラヒドロフルフリルアクリレート)(重量比)が4/1〜1/4の程度が好ましく、より好ましくは3/1〜1/3、さらに好ましくは2/1〜1/2である。
本発明の樹脂組成物を構成する成分Bは、分子量400以上のアクリル系化合物、即ち、分子中に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有する分子量400以上の化合物である。成分Bは、一般的に、アクリル系オリゴマー成分と呼ばれる場合がある。
上記成分Bは、硬化性の観点から、分子中に1〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する1〜6官能性の化合物であることが好ましく、より好ましくは2〜3官能性の化合物である。
上記成分Bの分子量は、400以上であり、粘度、硬化性の観点から、500〜10000が好ましく、より好ましくは500〜6000、さらに好ましくは500〜3500である。
上記成分Bとしては、具体的には、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、特に主鎖に芳香族ポリエステル成分を有するウレタンアクリレートオリゴマーが好ましい。さらに、粘度(60℃)が10000(mPa・s)以下のものが好ましい。
上記成分Bは、市販品を用いることも可能であり、例えば、サートマー製「CN 115、929、9006、996、999、981」(ウレタンアクリレートオリゴマー)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物中における成分Aと成分Bの配合比[成分A:成分B](重量比)は、3:1〜1:3が好ましく、より好ましくは2:1〜1:2である。成分Aの含有量が多すぎると硬化性や硬化物の強度が不足する場合があり、成分Bの含有量が多すぎると高粘度となる場合がある。本発明の樹脂組成物中における成分Aと成分Bの合計の含有量は40〜70重量%が好ましく、より好ましくは45〜65重量%である。40重量%未満では硬化性、強靭性が低下する場合があり、70重量%を超えるとインキとしての着色力が不足する場合がある。
本発明の樹脂組成物中における成分Aの含有量は30〜60重量%が好ましく、より好ましくは35〜50重量%である。また、本発明の樹脂組成物中における成分Bの含有量は10〜30重量%が好ましく、より好ましくは15〜25重量%である。
本発明の樹脂組成物を構成する成分Cは、ベンゼン環の1個の水素原子がカルボキシル基で置換された構造を有する有機酸である。成分Cは、上記構造を分子内に含む化合物であればよく、上記カルボキシル基以外に置換基を有さない安息香酸であってもよいし、上記カルボキシル基で置換された以外の水素原子が他の置換基で置換された化合物や、ナフタレン環を有する化合物であってもよい。中でも、粘度低下の観点から、カルボキシル基に対して、オルト位又はメタ位が他の置換基で置換された化合物が好ましい。このような成分Cとしては、代表的には下記式で表される化合物である。
Figure 0005072532
式中、Xは置換基を表す。本発明の成分Cに用いられる置換基としては、特に限定されないが、カルボキシル基、水酸基、アセチル基、ニトロ基、置換または未置換のアルキルカルボキシル基、アルコキシル基などが例示される。中でも、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基が特に好ましい。
上記成分Cとしては、具体的には、安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、フタル酸、イソフタル酸、m−ニトロ安息香酸などが挙げられる。
なお、本発明の成分Cにおけるカルボキシル基は、ビニルエーテル基やメチル基などで保護されている場合には本発明の効果を得られないため好ましくない。例えば、サリチル酸メチルは、粘度低下の効果を奏することはできない。
本発明の成分Cの含有量は、樹脂組成物の総重量に対して、0.05〜10重量%であり、好ましくは0.1〜7重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。成分Cの含有量が0.05重量%未満である場合には、成分C添加の効果が小さく、粘度が高くなり印刷性が低下する。また、10重量%を超える場合には、成分A、Bの量が不足して硬化性が低下し、インキとしての安定性が低下する。
本発明の樹脂組成物は、無機顔料を添加した系においても、低粘度かつ高い硬化性、密着性を有することを特徴とするため、無機顔料を必須の成分とする。本発明は、無機顔料添加系において効果を発揮する。このような無機顔料としては、酸化チタン(二酸化チタン)、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカなどが例示される。これらの顔料は、白色顔料や体質顔料などとして用いられる。なお、上記樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない程度であれば、有機顔料等を添加して使用してもよい。
上記顔料の含有量は、顔料の種類や目的の色の濃度等により任意に設計できるが、樹脂組成物の総重量に対して、0.1〜60重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜55重量%、さらに好ましくは5〜55重量%、さらに好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは25〜50重量%である。
中でも、本発明の樹脂組成物を、白色印刷インキとして用いる場合には、顔料としては、酸化チタンが好ましく用いられる。酸化チタンとしては、ルチル型(正方晶高温型)、アナターゼ型(正方晶低温型)、ブルッカイト型(斜方晶)のいずれを用いてもよいが、例えば、石原産業(株)製酸化チタン粒子「タイペーク」、テイカ(株)製酸化チタン「JRシリーズ」等が入手可能である。また、酸化チタン粒子の平均粒径(凝集体を形成している場合には、凝集体の粒径、いわゆる2次粒径)は、例えば0.01〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μm、より好ましくは0.2〜0.5μmである。平均粒径が0.01μm未満では白濃度が低下し隠蔽性が不足する。1μmを超えるとグラビア印刷の際にいわゆる「版かぶり」(版の画線部以外の部分のインキ掻き取り不良による印刷不良)を生じるため好ましくない。また、本発明の白色印刷インキの酸化チタンの含有量は、隠蔽性と粗大突起形成抑制の観点から、樹脂組成物の総重量に対して、20〜60重量%が好ましく、より好ましくは30〜55重量%、最も好ましくは30〜50重量%である。
従来、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、多種モノマーのブレンド系や、モノマー/オリゴマーのブレンド系などが知られていたが、樹脂組成物の粘度を低下させるためには、モノマーのみの系やモノマーと低粘度のオリゴマーからなる系が用いられてきた。しかし、これらの系においても、無機顔料を多量に添加する場合には、高粘度化してしまいグラビア印刷性が著しく低下したり、低粘度化のためにモノマーを多量に添加すると硬化性(それに伴う樹脂硬化物層の強靱性)や密着性が低下するなどの問題が生じていた。これに対して、本願発明においては、無機顔料を含む系に、さらに成分C(有機酸)添加することによって、顔料添加による高粘度化を抑制することが可能となり、モノマー/オリゴマー比率を良好な硬化性、密着性を発揮できる比率に制御し、なおかつ、低粘度化させることを実現した。
上述のとおり、成分Cを用いることにより、無機顔料を含む系においても、樹脂組成物(即ち印刷インキ)の粘度を効果的に低下させることが可能となる。印刷インキが成分A、成分Bと顔料のみからなる場合には粘度が高いが、成分Cを添加することにより減粘効果が得られる。このため、グラビア印刷特性やフレキソ印刷特性が向上するため好ましい。上記効果を発揮する作用機構の詳細は不明であるが、成分Cのカルボキシル基と無機顔料表面の極性基の相互作用及び成分Cのベンゼン環を有することによる立体障害効果等により、無機顔料の表面状態が改質され、凝集による粘度上昇を抑制するためと推定される。上記効果は、成分Cがカルボキシル基のオルト位又はメタ位にもう一つの置換基を有する場合に最も高くなる傾向がある。成分Cはベンゼン環を有するため、分子の屈曲性(フレキシビリティ)が少なくなっており、オルト位又はメタ位の置換基同士は向きが同方向に固定されるため、同じ顔料粒子に配位しやすくなり、顔料粒子の凝集を防止することができるためと推定される。カルボキシル基のパラ位に置換基を有する場合には、複数の顔料粒子を結合する作用を及ぼす場合があり、減粘効果が小さくなる場合がある。
また、本発明の樹脂組成物は、成分Cの添加により低粘度化ができるため、低粘度化のためにモノマー成分過多にする必要がないため、上述のとおり良好な硬化性を維持することができ、短時間の活性エネルギー線照射で樹脂硬化物層の硬化が進むため、工程速度の高速化が可能となり生産性が向上する。さらに、停止反応は抑制されるため、高分子量化が可能で高強靱性を達成できる。すなわち、生産性と強靱性を高いレベルで両立させることが可能である。さらに、上記同様、成分Cの添加によって、樹脂組成物のプラスチックフィルム基材への良好な密着性を維持できる。なお、成分A、成分C及び無機顔料からなる系や成分B、成分C及び無機顔料からなる系の場合には、上記のような効果を得ることはできず、成分A〜Cと無機顔料の4成分の混合系であることが必要である。
本発明により、低粘度ながら強固な塗膜(樹脂硬化物層)を形成する樹脂組成物とすることができるため、印刷加工性、生産性に加えて、塗膜の耐摩耗性、耐スクラッチ性、耐もみ性、耐溶剤性などが向上する。また、硬化性の向上により密着性が向上し、また強靱性も向上するため、シュリンク加工を行う際のシュリンクフィルムの変形に対する樹脂硬化物層の追従性が良好となる。
本発明の樹脂組成物には、活性エネルギー線硬化性発現のために、活性エネルギー線重合開始剤(以下、光重合開始剤と称する)を添加することが好ましい。本発明の光重合開始剤としては、特に限定されないが、光ラジカル重合開始剤が好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルケタール類、アセトフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン誘導体、ベンジル、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、α−アシロキシムエステル、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、芳香族過酸化エステル類などが挙げられる。これらは単独もしくは2種以上を混合して使用される。光ラジカル重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物の総重量に対して、0.5〜7重量%が好ましく、より好ましくは1〜6重量%である。
上記光重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製「IRUGACURE 907、651、184、819、250、369」、メルク製「DAROCURE TPO、4265、784、1173」などの市販品を用いることが可能である。
また、本発明の樹脂組成物には、生産効率を高める観点から、必要に応じて、増感剤を添加することが好ましい。上記酸化チタン顔料などを用いる場合には、特に有効である。その場合の増感剤は、用いる活性エネルギー線の種類などを勘案して、既存の増感剤から選択することができる。例えば、(1)脂肪族、芳香族アミン、ピペリジンなど窒素を環に含むアミンなどのアミン系増感剤、(2)アリル系、o−トリルチオ尿素などの尿素系増感剤、(3)ナトリウムジエチルジチオホスフェートなどのイオウ化合物系増感剤、(4)アントラセン系増感剤、(5)N,N−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル系化合物などのニトリル系増感剤、(6)トリ−n−ブチルホスフィンなどのリン化合物系増感剤、(7)N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物などの窒素化合物系増感剤、(8)四塩化炭素などの塩素化合物系増感剤などの増感剤が挙げられる。上記でも、特に、チオキサントン系増感剤やジブトキシアントラセン系増感剤は増感作用が強く好ましい。中でも、チオキサントンや9,10−ジブトキシアントラセンなどが好ましく使用される。また、増感剤の含有量としては、特に限定されないが、樹脂組成物の総重量に対して、0.1〜5重量%が好ましく、特に好ましくは0.3〜3重量%である。
上記増感剤としては、日本化薬(株)製「KAYACURE DETX−S」、東レ・ダウコーニング(株)製「SH28PA」、川崎化成工業(株)製「MNT、DEA、DPA、DBA、DEHA」などの市販品を用いることが可能である。
また、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、滑剤を含有してもよい。ここでいう滑剤とは、例えば、ポリエチレンワックス等のポリオレフィン系ワックス、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス、カルナウバワックス等の各種ワックス類が例示される。
本発明の樹脂組成物中の、反応に関与せず主に分散剤として使用される溶剤の含有量は、5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下であり、さらに、実質的に溶剤を含有しないことが最も好ましい。なお、ここでいう溶剤とは、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メチルアルコール、エチルアルコールなどの有機溶媒や水のことをいい、グラビア、フレキソ印刷インキ等では、塗布加工性やコーティング剤中の各成分の相溶性や分散性を改良する目的で通常用いられているものであって、硬化後の樹脂組成物に取り込まれる反応性希釈剤はこれに含まれない。本発明の樹脂組成物は、無溶剤でも、優れた塗布性、成分同士の分散性を発揮できるため、溶剤の量を極めて少なくできるため、溶媒の除去が不要となり、高速化、コストダウンがはかれるほか、環境負荷を少なくすることが可能である。
本発明の樹脂組成物の粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えば、グラビア印刷により塗工される場合には、10mPa・s以上、300mPa・s未満が好ましく、より好ましくは20mPa・s以上、300mPa・s未満、さらに好ましくは20mPa・s以上、200mPa・s未満である。粘度が300mPa・s以上である場合には、グラビア印刷性が低下し、「かすれ」などが生じて、加飾性が低下する場合がある。また、粘度が10mPa・s未満の場合には、顔料や添加剤が沈降しやすくなる等、貯蔵安定性が低下する場合がある。樹脂組成物の粘度は、成分A、B、C、無機顔料の配合比、増粘剤、減粘剤等によって制御することが可能である。なお、本明細書中、「粘度」とは、特に限定しない限り、E型粘度計(円錐平板形回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転数50回転の条件下、JIS Z 8803に準じて測定した値を意味している。
本発明の樹脂組成物は、コストや生産性、印刷の装飾性などの観点から、グラビア印刷、フレキソ印刷またはインクジェット印刷方式で塗工されることが好ましい。中でも、グラビア印刷方式が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、顔料を添加した場合にも低粘度であるため、装飾性付与のための印刷インキとして好ましく用いることができる。また、ラベル表面の滑り性を向上させるための透明コーティング剤(滑りメジウム)や、ラベルのつや消しのためのつや消しコーティング剤(マットニス)などとしても使用することができる。本発明の樹脂組成物による樹脂硬化物層は、優れた密着性、耐スクラッチ性を有するため、表印刷、表メジウムなど、樹脂硬化物層がラベルの最外層(容器等の被着物側と反対側の最表層)に設けられる用途にも好適であるし、また、複数のインキ層を積層する場合の下層として用いてもよい。
本発明の樹脂組成物は、プラスチックラベル用途に好ましく用いられ、具体的には、ストレッチラベル、シュリンクラベル、ストレッチシュリンクラベル、インモールドラベル、タックラベル、ロールラベル(巻き付け方式の糊付ラベル)、感熱接着ラベル等に好ましく用いることができる。中でも、本発明の樹脂組成物の密着性、シュリンク加工時の追従性の観点から、シュリンクラベル用途として、特に好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物をプラスチックフィルムの少なくとも一方の面に塗工、活性エネルギー線で硬化することにより、本発明の樹脂硬化物層を有するプラスチックラベルが得られる。本発明の樹脂硬化物層は、ラベルの最表層(例えば、最外層や最内層)に設けられてもよいし、他のインキ層の下層として設けられてもよい。本発明の樹脂硬化物層が最表層として用いられる場合にはラベルに耐傷付き性等を付与する効果が得られ、また下層としては重ね塗りしたインキの剥離を防止する効果が得られる。特に、シュリンクラベル用途に用いられる場合には、密着性、シュリンク加工に対する追従性の良さを反映して、収縮剥離、収縮クラック(インキ割れ)を防止する効果が得られるため好ましい。
本発明のプラスチックラベルに用いられるプラスチックフィルムの種類は、要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アクリル等の樹脂を用いることができる。中でも好ましくは、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリ塩化ビニルフィルムであり、さらに好ましくは、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルムである。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)等を用いることができ、ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状オレフィン等を用いることが可能である。
上記プラスチックフィルムは、単層フィルムであってもよいし、要求物性、用途などに応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合、異なる樹脂からなるフィルム層を積層していてもよい。例えば、中心層と表層部(内層、外層)からなる3層積層フィルムで、中心層がポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂からなり、表層がポリエステル系樹脂からなるフィルム等であってもよい。また、要求物性、用途などに応じて、未延伸フィルム、1軸配向フィルム、2軸配向フィルムのいずれを用いてもよい。特に、プラスチックラベルがシュリンクラベルである場合には、1軸または2軸配向フィルムが用いられることが多く、中でも、フィルム幅方向(ラベル周方向となる方向)に強く配向しているフィルム(実質的に幅方向に1軸延伸されたフィルム)が一般的に用いられる。
上記プラスチックフィルムは、溶融製膜または溶液製膜などの慣用の方法によって作製することができる。また、市販のプラスチックフィルムを用いることも可能である。プラスチックフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理やプライマー処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。
上記プラスチックフィルムの熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、例えばシュリンクラベル用途の場合であれば、シュリンク加工性等の観点から、長手方向が−3〜15%、幅方向が20〜80%が好ましい。
上記プラスチックフィルムの厚みは、用途によって異なり、特に限定されないが、10〜200μmが好ましく、例えば、シュリンクラベル用途の場合には、20〜80μmが好ましく、さらに好ましくは30〜60μmである。
本発明の樹脂組成物を塗工する場合の樹脂層厚みは、用途によっても異なり、特に限定されないが、0.1〜15μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜10μmである。樹脂層の厚みが0.1μm未満である場合には、樹脂層を均一に設けることが困難である場合があり、印刷層として用いる場合などには、部分的な「かすれ」が起こったりして、装飾性が損なわれたり、デザイン通りの印刷が困難となる場合がある。また、樹脂層厚みが15μmを超える場合には、樹脂組成物を多量に消費するため、コストが高くなったり、均一に塗布することが困難となったり、また、樹脂硬化物層がもろくなって、剥離しやすくなったりする。中でも、本発明の樹脂硬化物層が白色インキ層である場合には、厚みは、隠蔽性の観点から、2〜10μmが好ましく、透明コーティング層である場合には、透明性の観点から、0.2〜3μmが好ましい。なお、本発明の樹脂硬化物層は、硬化前後で厚みは殆ど変化しない。
本発明の樹脂硬化物層は、印刷インキ層の他、トップコート層、アンカーコート層など、様々な層として用いることができ、特に、耐傷つき性を要する表層印刷インキ層、トップコート層や他のインキ層に対するアンカーコート層などとして優れた効果を発揮しうる。
本発明のプラスチックラベルには、他にも、本発明の樹脂硬化物層とは異なる印刷層が設けられていてもよい。その場合の、他の印刷層は、グラビア印刷やフレキソ印刷等の慣用の印刷方法により形成することができる。該印刷層の形成に用いられる印刷インキは、例えば顔料、バインダー樹脂、溶剤からなり、前記バインダー樹脂としては、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系、セルロース系、ニトロセルロース系などの一般的な樹脂が使用できる。印刷層の厚みとしては、特に制限されず、例えば0.1〜10μm程度である。
本発明のプラスチックラベルには、他にも、本発明の樹脂硬化物層とは異なるアンカーコート層、プライマーコート層、不織布、紙等の層を必要に応じて設けてもよい。
本発明のプラスチックラベルは、一般的に、容器に装着し、ラベル付き容器として用いられる。このような容器には、例えば、PETボトルなどのソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳容器、調味料などの食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレーなどの化学製品の容器、カップ麺容器などが含まれる。また容器の材質としても、PETなどのプラスチック製、ガラス製、金属製などが含まれる。なお、本発明のプラスチックラベルは、容器以外の被着体に用いられてもよい。
以下に、本発明の樹脂組成物及びプラスチックラベルの製造方法、及び、プラスチックラベルを容器に装着する加工の一例を説明する。なお、ここでは、プラスチックフィルムとして幅方向に収縮するシュリンクフィルムを用いた筒状シュリンクラベルの例を示すが、製造方法、加工方法はこれに限定されるものではない。なお、下記説明において、樹脂硬化物層を設ける前のフィルム原反を「プラスチックフィルム」、これに本発明の樹脂硬化物層を設けたものを「(長尺状)プラスチックラベル」という。さらに容器への装着加工工程では、前記長尺状プラスチックラベルを長尺のまま筒状に加工したものを「長尺筒状プラスチックラベル」と記載する。
[樹脂組成物の作製]
上述の成分A、成分B、成分C、無機顔料および、必要に応じて、光重合開始剤等を混合して樹脂組成物を製造する。さらに、増感剤等その他の添加剤を用いる場合には、同時に混合する。混合は、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパーなどのミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどが用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は10〜120分が好ましい。得られた樹脂組成物は、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。
[プラスチックラベルの作製]
プラスチックフィルムに、本発明の樹脂組成物を塗工(例えば、グラビア、フレキソ印刷など)して、樹脂層(硬化前)を形成する。塗工は、プラスチックフィルムの製造工程中(例えば、未延伸または縦1軸延伸後)に塗布を行うインラインコートによって設けてもよいし、フィルム製膜後に塗布を行うオフラインコートによって設けてもよく、特に限定されないが、生産性、また、硬化処理を含めた加工性の観点から、オフラインコートが好ましい。
次に、樹脂層の硬化を行う。硬化は、生産性の観点からは、塗工工程と一連の工程で行うことが好ましい。硬化は、紫外線(UV)ランプ、紫外線LEDや紫外線レーザーなどを用いる活性エネルギー線硬化で行い、照射する活性エネルギー線は、樹脂組成物の組成によっても異なり、特に限定されないが、硬化性の観点から、波長が200〜460nmの紫外線(近紫外線)が好ましく、また、照射強度は150mJ/cm2〜1000mJ/cm2、照射時間は0.1〜3秒が好ましい。
上記のように得られた長尺状のプラスチックラベルは、所定の幅にスリットして、ロール状に巻回し、複数個のロール状物とする。
[長尺状プラスチックラベルの加工]
次に、上記ロール状物のひとつを繰り出しながら、長尺状プラスチックラベルの幅方向が円周方向となるように円筒状に成形する。具体的には、長尺状プラスチックラベルを筒状に形成し、ラベルの一方の側縁部に、長手方向に帯状に約2〜4mm幅で、テトラヒドロフラン(THF)などの溶剤や接着剤(以下溶剤等)を内面に塗布し、筒状に丸めて、該溶剤等塗布部を、他方の側縁部から5〜10mmの位置に重ね合わせて外面に接着(センターシール)し、長尺筒状のプラスチックラベル連続体とし、長尺筒状プラスチックラベルを得る。なお、上記の溶剤などを塗工する部分及び接着する部分には、樹脂硬化物層が設けられていないことが好ましい。
なお、ラベル切除用のミシン目を設ける場合は、所定の長さ及びピッチのミシン目を長手方向に形成する。ミシン目は慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程段階は、印刷工程の後や、筒状加工工程の前後など、適宜選択ことができる。
[ラベル付き容器]
最後に、上記で得られた長尺筒状プラスチックラベルを切断後、所定の容器に装着し、加熱処理によって、ラベルを収縮、容器に追従密着させることによってラベル付き容器を作製する。上記長尺筒状プラスチックラベルを、自動ラベル装着装置(シュリンクラベラー)に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填した容器に外嵌し、所定温度の熱風トンネルやスチームトンネルを通過させたり、赤外線等の輻射熱で加熱して熱収縮させ、容器に密着させて、ラベル付き容器を得る。上記加熱処理としては、例えば、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)ことなどが例示される。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
(1)樹脂組成物の性状
実施例、比較例で得られた樹脂組成物が均一に混合・分散されている状態であってプラスチックフィルムへの塗工に使用可能な場合には良好な性状(○)、成分の分離、顔料の凝集、沈殿、発熱、黄変等が見られる場合であってプラスチックフィルムへの塗工に使用不可能な場合には不良な性状(×)と判断した。
(2)グラビア印刷適性
実施例、比較例の印刷条件に従い、グラビア印刷を施した後の印刷状態を目視観察し、版面どおりに印刷できた場合をグラビア印刷性良好(○)、かすれなどが発生し版面どおりに印刷できなかった場合をグラビア印刷性不良(×)と判断した。
(3)硬化性(初期タック性)
実施例、比較例で、紫外線照射工程速度を70、100m/分で硬化処理を行い、処理直後に樹脂硬化物層表面を指で触り、指にインキがつくかどうかを目視にて観察し、以下の基準で判断した。
○ : 100m/分でインキが付かない。
△ : 70m/分ではインキが付かないが、100m/分ではインキが付く。
× : 70m/分でもインキが付く。
(4)密着性(テープ剥離試験)
碁盤目のクロスカットを入れない以外は、JIS K 5600に準じて、試験を行った。実施例、比較例で得られたプラスチックラベルの樹脂層側の表面に、ニチバンテープ(幅18mm)を貼り付け、90度方向に剥離し、5mm×5mmの領域において、樹脂層の残存した面積を観察し、下記の基準で判断した。
90%以上 : 密着性良好(○)
80%以上、90%未満 : 密着性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
80%未満 : 密着性不良(×)
(5)粘度(樹脂組成物の粘度)
E型粘度計(東機産業(株)製「RE115L」)を用い、23±2℃、JIS Z 8803に準じて測定を行った。
粘度は、回転数50rpmで200mPa・s未満であれば○(良好)、200mPa・s以上300mPa・s未満であれば使用可能(△)、300mPa・s以上の場合には×(不良)と判断した。
(6)フィルム層厚み、樹脂硬化物層厚み
フィルム厚みは、触針式厚みゲージを用いて測定した。樹脂硬化物層厚みは、樹脂硬化物層を設けた部分(塗工面)と樹脂硬化物層を設けていない部分(非塗工面)の段差を、3次元顕微鏡(キーエンス(株)製VK8510)を用いて測定した。
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
成分Aとして、2官能ポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成(株)製、商品名「アロニックス M−240」)(A1)及びテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名「ビスコート#150」)(A2)、成分B(B1)として、ウレタンアクリレートオリゴマー(サートマー製、商品名「CN929」)、成分C(C1)として、サリチル酸(和光純薬(株)製)、顔料(白顔料)として二酸化チタン(テイカ(株)製、商品名「JR−809」)、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名「IRUGACURE 907」)、増感剤(日本化薬(株)製、商品名「KAYACURE DETX−S」)及び、添加剤として、フィッシャー・トロプシュワックス(Sazol(株)製、商品名「SPRAY 105」)を、表1に示した配合量(重量部)に従い配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(白色インキ)を得た。なお、溶剤は使用しなかった。
得られた樹脂組成物を、卓上グラビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「GRAVO PROOF MINI」)および70線、版深30μmのグラビア版を用いて、ポリエステル系シュリンクフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「スペースクリーン S7042」:フィルム厚み45μm)の片面に、工程速度50m/分で全面グラビア印刷(樹脂層厚み:2μm)を施し、グラビア印刷性を評価した。
続いて、上記の樹脂組成物を塗工したシュリンクフィルムを、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、商品名「LIGHT HAMMER 10」:出力100%、Dバルブ)を用いて、240W/cmの条件で光照射を行い、硬化性を評価した。なお、上記照射装置の照射強度(EIT社製、商品名「UV Power Puck」で測定)は、コンベア速度10m/分の場合、55mJ/cm2(UVC)、515mJ/cm2(UVB)、1550mJ/cm2(UVA)、955mJ/cm2(UVV)であった。
得られたプラスチックラベル(コンベア速度50m/分で作製したもの、樹脂硬化物層厚み:2μm)に対して、密着性を評価した。
表1に示すように、得られた樹脂組成物およびプラスチックラベルは、良好な性状を有しており、粘度が低く、グラビア印刷性、硬化性に優れ、密着性も良好であった。
実施例2〜9
表1に示すように、各成分の配合量、種類などを変更し、実施例1と同様にして、樹脂組成物およびプラスチックラベルを得た。
得られた樹脂組成物およびプラスチックラベルは、良好な性状を有しており、粘度が低く、グラビア印刷性、硬化性に優れ、密着性も良好であった。
比較例1、3、4
表1に示すように、成分Cを使用しない以外は、実施例1、8、9と全く同様にして、樹脂組成物およびプラスチックラベルを得た。
得られた樹脂組成物は粘度が高く、印刷時に「印刷ムラ」が生じグラビア印刷適性の劣るものであった。
比較例2
表1に示すように、成分Cの配合量を増加して、実施例1と同様にして、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物は黄変しており、印刷インキとしては性状の劣るものであった。また、印刷時に「かすれ」が生じグラビア印刷適性に劣っており、さらに、硬化性、密着性にも劣っていた。
比較例5
表1に示すように、本発明の成分Cの代わりに、硫酸を用いて、実施例9と同様にして、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物は相分離しており、印刷インキとして性状の劣るものであった。また、印刷時に「印刷ムラ」が生じグラビア印刷適性が不良であり、プラスチックラベルは得られなかった。
また、上記実施例1〜9で得られたプラスチックラベルについては、該ラベルを用いてラベル付き容器を作製した。得られたプラスチックラベルを、印刷面が内面になるように円筒状に形成し、PETボトルの胴部に20%熱収縮されて装着されるように周方向の長さを調整した後、両端を溶着し、筒状プラスチックラベルを得た。さらに、500mlPETボトルに装着し、雰囲気温度90℃のスチームトンネルでラベルを収縮させ、ラベル付き容器を得た。得られたラベル付き容器は優れた仕上がりであった。
Figure 0005072532
なお、表1で用いた成分A〜C、顔料およびその他の添加剤は下記の通りである。また、表中の配合量の単位は「重量部」である。
成分A
A1:東亞合成(株)製、商品名「アロニックス M−240」(ポリエチレングリコールジアクリレート)(分子量:250〜350)
A2:大阪有機化学工業(株)製、商品名「ビスコート#150」(テトラヒドロフルフリルアクリレート)(分子量:156)
成分B(ウレタンアクリレートオリゴマー)
B1:サートマー製、商品名「CN929」(分子量:400以上)
B2:サートマー製、商品名「CN115」(分子量:400以上)
B3:サートマー製、商品名「CN9006」(分子量:400以上)
成分C(和光純薬(株)製)
C1:サリチル酸
C2:m−ニトロ安息香酸
C3:イソフタル酸
C4:m−ヒドロキシ安息香酸
C5:安息香酸
C6:硫酸
顔料 :テイカ(株)製、商品名「JR−809」(二酸化チタン)
光重合開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名「IRUGACURE 907」
増感剤:日本化薬(株)製、商品名「KAYACURE DETX−S」
添加剤(ワックス):Sazol(株)製、商品名「SPRAY 105」(フィッシャー・トロプシュワックス)

Claims (2)

  1. プラスチックフィルムの少なくとも片面に、
    分子量400未満のアクリル系化合物(成分A)、分子量400以上のアクリル系化合物(成分B)、ベンゼン環の1個の水素原子がカルボキシル基で置換された構造を有する有機酸、及び、無機顔料を含む樹脂組成物であって、樹脂組成物の総重量に対して、前記有機酸を0.05〜10重量%含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布、硬化してなる樹脂硬化物層を有するプラスチックラベル。
  2. 前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、無機顔料を、樹脂組成物の総重量に対して、25〜50重量%含有する請求項1に記載のプラスチックラベル
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