JP2009102564A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びプラスチックラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、分子量400未満のアクリル系化合物(成分A)、分子量400以上のアクリル系化合物(成分B)、ベンゼン環の1個の水素原子がカルボキシル基で置換された構造を有する有機酸、及び、無機顔料を含む樹脂組成物であって、樹脂組成物の総重量に対して、前記有機酸を0.05〜10重量%含有することを特徴としている。
【選択図】なし
Description
上述の成分A、成分B、成分C、無機顔料および、必要に応じて、光重合開始剤等を混合して樹脂組成物を製造する。さらに、増感剤等その他の添加剤を用いる場合には、同時に混合する。混合は、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパーなどのミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどが用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は10〜120分が好ましい。得られた樹脂組成物は、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。
プラスチックフィルムに、本発明の樹脂組成物を塗工(例えば、グラビア、フレキソ印刷など)して、樹脂層(硬化前)を形成する。塗工は、プラスチックフィルムの製造工程中(例えば、未延伸または縦1軸延伸後)に塗布を行うインラインコートによって設けてもよいし、フィルム製膜後に塗布を行うオフラインコートによって設けてもよく、特に限定されないが、生産性、また、硬化処理を含めた加工性の観点から、オフラインコートが好ましい。
次に、上記ロール状物のひとつを繰り出しながら、長尺状プラスチックラベルの幅方向が円周方向となるように円筒状に成形する。具体的には、長尺状プラスチックラベルを筒状に形成し、ラベルの一方の側縁部に、長手方向に帯状に約2〜4mm幅で、テトラヒドロフラン(THF)などの溶剤や接着剤(以下溶剤等)を内面に塗布し、筒状に丸めて、該溶剤等塗布部を、他方の側縁部から5〜10mmの位置に重ね合わせて外面に接着(センターシール)し、長尺筒状のプラスチックラベル連続体とし、長尺筒状プラスチックラベルを得る。なお、上記の溶剤などを塗工する部分及び接着する部分には、樹脂硬化物層が設けられていないことが好ましい。
最後に、上記で得られた長尺筒状プラスチックラベルを切断後、所定の容器に装着し、加熱処理によって、ラベルを収縮、容器に追従密着させることによってラベル付き容器を作製する。上記長尺筒状プラスチックラベルを、自動ラベル装着装置(シュリンクラベラー)に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填した容器に外嵌し、所定温度の熱風トンネルやスチームトンネルを通過させたり、赤外線等の輻射熱で加熱して熱収縮させ、容器に密着させて、ラベル付き容器を得る。上記加熱処理としては、例えば、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)ことなどが例示される。
(1)樹脂組成物の性状
実施例、比較例で得られた樹脂組成物が均一に混合・分散されている状態であってプラスチックフィルムへの塗工に使用可能な場合には良好な性状(○)、成分の分離、顔料の凝集、沈殿、発熱、黄変等が見られる場合であってプラスチックフィルムへの塗工に使用不可能な場合には不良な性状(×)と判断した。
実施例、比較例の印刷条件に従い、グラビア印刷を施した後の印刷状態を目視観察し、版面どおりに印刷できた場合をグラビア印刷性良好(○)、かすれなどが発生し版面どおりに印刷できなかった場合をグラビア印刷性不良(×)と判断した。
実施例、比較例で、紫外線照射工程速度を70、100m/分で硬化処理を行い、処理直後に樹脂硬化物層表面を指で触り、指にインキがつくかどうかを目視にて観察し、以下の基準で判断した。
○ : 100m/分でインキが付かない。
△ : 70m/分ではインキが付かないが、100m/分ではインキが付く。
× : 70m/分でもインキが付く。
碁盤目のクロスカットを入れない以外は、JIS K 5600に準じて、試験を行った。実施例、比較例で得られたプラスチックラベルの樹脂層側の表面に、ニチバンテープ(幅18mm)を貼り付け、90度方向に剥離し、5mm×5mmの領域において、樹脂層の残存した面積を観察し、下記の基準で判断した。
90%以上 : 密着性良好(○)
80%以上、90%未満 : 密着性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
80%未満 : 密着性不良(×)
E型粘度計(東機産業(株)製「RE115L」)を用い、23±2℃、JIS Z 8803に準じて測定を行った。
粘度は、回転数50rpmで200mPa・s未満であれば○(良好)、200mPa・s以上300mPa・s未満であれば使用可能(△)、300mPa・s以上の場合には×(不良)と判断した。
フィルム厚みは、触針式厚みゲージを用いて測定した。樹脂硬化物層厚みは、樹脂硬化物層を設けた部分(塗工面)と樹脂硬化物層を設けていない部分(非塗工面)の段差を、3次元顕微鏡(キーエンス(株)製VK8510)を用いて測定した。
成分Aとして、2官能ポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成(株)製、商品名「アロニックス M−240」)(A1)及びテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名「ビスコート#150」)(A2)、成分B(B1)として、ウレタンアクリレートオリゴマー(サートマー製、商品名「CN929」)、成分C(C1)として、サリチル酸(和光純薬(株)製)、顔料(白顔料)として二酸化チタン(テイカ(株)製、商品名「JR−809」)、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名「IRUGACURE 907」)、増感剤(日本化薬(株)製、商品名「KAYACURE DETX−S」)及び、添加剤として、フィッシャー・トロプシュワックス(Sazol(株)製、商品名「SPRAY 105」)を、表1に示した配合量(重量部)に従い配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(白色インキ)を得た。なお、溶剤は使用しなかった。
得られた樹脂組成物を、卓上グラビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「GRAVO PROOF MINI」)および70線、版深30μmのグラビア版を用いて、ポリエステル系シュリンクフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「スペースクリーン S7042」:フィルム厚み45μm)の片面に、工程速度50m/分で全面グラビア印刷(樹脂層厚み:2μm)を施し、グラビア印刷性を評価した。
続いて、上記の樹脂組成物を塗工したシュリンクフィルムを、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、商品名「LIGHT HAMMER 10」:出力100%、Dバルブ)を用いて、240W/cmの条件で光照射を行い、硬化性を評価した。なお、上記照射装置の照射強度(EIT社製、商品名「UV Power Puck」で測定)は、コンベア速度10m/分の場合、55mJ/cm2(UVC)、515mJ/cm2(UVB)、1550mJ/cm2(UVA)、955mJ/cm2(UVV)であった。
得られたプラスチックラベル(コンベア速度50m/分で作製したもの、樹脂硬化物層厚み:2μm)に対して、密着性を評価した。
表1に示すように、得られた樹脂組成物およびプラスチックラベルは、良好な性状を有しており、粘度が低く、グラビア印刷性、硬化性に優れ、密着性も良好であった。
表1に示すように、各成分の配合量、種類などを変更し、実施例1と同様にして、樹脂組成物およびプラスチックラベルを得た。
得られた樹脂組成物およびプラスチックラベルは、良好な性状を有しており、粘度が低く、グラビア印刷性、硬化性に優れ、密着性も良好であった。
表1に示すように、成分Cを使用しない以外は、実施例1、8、9と全く同様にして、樹脂組成物およびプラスチックラベルを得た。
得られた樹脂組成物は粘度が高く、印刷時に「印刷ムラ」が生じグラビア印刷適性の劣るものであった。
表1に示すように、成分Cの配合量を増加して、実施例1と同様にして、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物は黄変しており、印刷インキとしては性状の劣るものであった。また、印刷時に「かすれ」が生じグラビア印刷適性に劣っており、さらに、硬化性、密着性にも劣っていた。
表1に示すように、本発明の成分Cの代わりに、硫酸を用いて、実施例9と同様にして、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物は相分離しており、印刷インキとして性状の劣るものであった。また、印刷時に「印刷ムラ」が生じグラビア印刷適性が不良であり、プラスチックラベルは得られなかった。
成分A
A1:東亞合成(株)製、商品名「アロニックス M−240」(ポリエチレングリコールジアクリレート)(分子量:250〜350)
A2:大阪有機化学工業(株)製、商品名「ビスコート#150」(テトラヒドロフルフリルアクリレート)(分子量:156)
成分B(ウレタンアクリレートオリゴマー)
B1:サートマー製、商品名「CN929」(分子量:400以上)
B2:サートマー製、商品名「CN115」(分子量:400以上)
B3:サートマー製、商品名「CN9006」(分子量:400以上)
成分C(和光純薬(株)製)
C1:サリチル酸
C2:m−ニトロ安息香酸
C3:イソフタル酸
C4:m−ヒドロキシ安息香酸
C5:安息香酸
C6:硫酸
顔料 :テイカ(株)製、商品名「JR−809」(二酸化チタン)
光重合開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名「IRUGACURE 907」
増感剤:日本化薬(株)製、商品名「KAYACURE DETX−S」
添加剤(ワックス):Sazol(株)製、商品名「SPRAY 105」(フィッシャー・トロプシュワックス)
Claims (4)
- 分子量400未満のアクリル系化合物(成分A)、分子量400以上のアクリル系化合物(成分B)、ベンゼン環の1個の水素原子がカルボキシル基で置換された構造を有する有機酸、及び、無機顔料を含む樹脂組成物であって、樹脂組成物の総重量に対して、前記有機酸を0.05〜10重量%含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 無機顔料を、樹脂組成物の総重量に対して、25〜50重量%含有する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 粘度(23±2℃)が20mPa・s以上、300mPa・s未満である請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- プラスチックフィルムの少なくとも片面に、請求項1〜3のいずれかの項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布、硬化してなる樹脂硬化物層を有するプラスチックラベル。
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