JP4927626B2 - シュリンクラベル - Google Patents
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Description
さらに、本発明は、前記樹脂硬化物層がホログラム層である前記のシュリンクラベルを提供する。
本発明のシュリンクラベルは、シュリンクフィルムの少なくとも片面側に後述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物という)を塗布、硬化してなる樹脂硬化物層を有する。
本発明のシュリンクラベルに用いられる樹脂組成物は、可視光、紫外線、電子線などの活性エネルギー線によって硬化させることができる活性エネルギー線硬化性の組成物である。熱硬化性の場合と異なり、シュリンクフィルムなどの熱により変形を起こしやすい基材にも好適に用いられる。活性エネルギー線の中でも、特に紫外線硬化性、近紫外線硬化性であることが好ましい。好ましい吸収波長は200〜460nmである。
本発明に用いられるシュリンクフィルムを構成する樹脂としては、要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アクリル等を用いることができる。中でも好ましくは、ポリエステル(ポリエステル系樹脂)、ポリスチレン(ポリスチレン系樹脂)であり、特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
上記樹脂組成物を上記シュリンクフィルムの少なくとも一方の面側に塗布し、活性エネルギー線で硬化することにより、本発明の樹脂硬化物層を有するシュリンクラベルが得られる。本発明のシュリンクラベルにおいて、樹脂硬化物層は、ラベルの最表層(例えば、最外層や最内層)に設けられてもよいし、他のインキ層(印刷層)等の下層として設けられてもよい。本発明の樹脂硬化物層が最表層として用いられる場合にはラベルに耐傷付き性等を付与する効果が得られ、また下層としては重ね塗りしたインキの剥離を防止する効果が得られる。なお、本発明の樹脂硬化物層はフィルム基材との密着性が良好であるため、シュリンクフィルムの表面上に直接塗工しても優れた効果を発揮するが、これに限定されず、接着層などの他の層を介して設けられてもよい。
以下に、本発明のシュリンクラベルを容器に装着する加工の一例を説明する。なお、ここでは、筒状シュリンクラベルの例を示すが、これに限定されるものではない。
実施例、比較例で、樹脂層に紫外線硬化処理(紫外線照射工程速度:100m/分)を施した直後に、樹脂硬化物層表面を指で触り、指に未硬化の樹脂組成物がつくかどうかを目視にて観察し、指に樹脂組成物が付かない場合は表面硬化性良好(○)、樹脂組成物が付く場合は表面硬化性不良(×)と判断した。
碁盤目のクロスカットを入れない以外は、JIS K 5600に準じて、試験を行った。実施例、比較例で得られたシュリンクラベルの樹脂硬化物層側の表面に、ニチバンテープ(幅18mm)を貼り付け、90度方向に剥離し、5mm×5mmの領域において、樹脂硬化物層の残存した面積を観察し、下記の基準で密着性(接着性)を判断した。
90%以上 : 密着性良好(○)
80%以上、90%未満 : 密着性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
80%未満 : 密着性不良(×)
実施例、比較例で得られたシュリンクラベルから、長さ100mm×幅100mmのサンプル片を採取した。サンプル片の両端を両手でつかみ、10回手でもむ。樹脂硬化物層側表面の樹脂硬化物層の残存面積を目視で観察し、残存面積が90%以上であれば、耐もみ性良好(○)、90%未満であれば、耐もみ性不良(×)と判断した。
実施例、比較例で得られたシュリンクラベルから、長さ100mm×幅100mmのサンプル片を採取した。サンプルを平滑なテーブルの上に置き、樹脂硬化物層を設けた側の表面を、手の爪の甲の部分で、10往復(長手方向20mmの区間)こすった後に表面を観察し、下記の基準で判断した。
樹脂硬化物層は全く剥離していない。 : 耐スクラッチ性良好(○)
樹脂硬化物層に一部剥離がみられる。 : 耐スクラッチ性はやや不良であるが使用可能なレベル(△)
樹脂硬化物層が著しく剥離している。 : 耐スクラッチ性不良(×)
(熱収縮処理)
実施例、比較例で得られたシュリンクラベルから、主配向方向(ラベルの幅方向)を長さ方向として、サンプル長さ100mm(サンプル幅50mm)の短冊状サンプル片を採取した。
上記サンプルの長さ方向の両端(100mm間隔)を、80mm間隔に固定できる治具に固定した(熱処理前はたるんだ状態である)。上記治具に両端を固定したサンプルを、90℃の温水に20秒間浸漬して熱処理し、サンプルを20%熱収縮させた。
(ヘイズ測定)
次いで、上記20%熱収縮させたサンプルの透明性(ヘイズ値)を、東洋精機(株)製「ダイレクトリーディングヘイズメーター」を用いて、JIS K 7136に準拠して、測定した。
ヘイズ値が15%以下の場合は収縮白化抑止性(加工追従性)良好(○)、15%を超え25%以下の場合は透明トップコート層として使用可能なレベル(△)、25%を超える場合は透明性不良(×)と判断した。
フィルム厚みは、触針式厚みゲージを用いて測定した。樹脂硬化物層厚みは、樹脂硬化物層を設けた部分(塗工面)と樹脂硬化物層を設けていない部分(非塗工面)の段差を、3次元顕微鏡(キーエンス(株)製VK8510)を用いて測定した。
シュリンクフィルムまたはシュリンクラベルから、測定方向(長手方向または幅方向)に長さ200mm(標線間隔150mm)、幅10mmの長方形のサンプル片を作成する。
サンプル片を90℃の温水中で、10秒熱処理(無荷重下)し、熱処理前後の標線間隔の差を読み取り、以下の計算式で熱収縮率を算出する。
熱収縮率(%) = (L0−L1)/L0×100
L0 : 熱処理前の標線間隔
L1 : 熱処理後の標線間隔
なお、実施例、比較例で用いたシュリンクフィルムの主配向方向は幅方向である。
成分Aとしてビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]エーテル(東亞合成(株)製、商品名「アロンオキセタン OXT−221」)、成分Bとしてエポキシモノマー(ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド 2021P」)、成分C(C1)としてアクリルポリオール(東亞合成(株)「ARUFON UH2000」、ガラス転移温度:−55℃、水酸基価:20(mg−KOH/g−resin))、光重合開始剤(ダウケミカル(株)製、商品名「UVI−6992」)、増感剤としてジブトキシアントラセン(川崎化成工業(株)製)を、表1に示した配合量(重量部)に従い配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。なお、溶剤は使用しなかった。
得られた樹脂組成物を、卓上グラビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「GRAVO PROOF MINI」)および90線、版深30μmのグラビア版を用いて、ポリエステル系シュリンクフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「スペースクリーン S7042」:フィルム厚み45μm)の片面に、工程速度70m/分で全面グラビア印刷(樹脂層厚み:4μm)を施した。
続いて、上記の樹脂組成物を塗工したシュリンクフィルムを、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、商品名「LIGHT HAMMER 10」:出力100%、Dバルブ)を用いて、コンベア速度100m/分、240W/cmの条件で光照射を行い、表面硬化性を評価した。なお、上記照射装置の照射強度(EIT社製、商品名「UV Power Puck」で測定)は、コンベア速度10m/分の場合、55mJ/cm2(UVC)、515mJ/cm2(UVB)、1550mJ/cm2(UVA)、955mJ/cm2(UVV)であった。
また、上記で得られたシュリンクラベル(樹脂硬化物層厚み:4μm)に対して、密着性、耐もみ性、耐スクラッチ性、収縮白化を評価した。
表1に示すように、得られた樹脂組成物およびシュリンクラベルは、優れた表面硬化性、密着性(接着性)、耐もみ性、耐スクラッチ性を有していた。また、シュリンク加工時にも収縮白化がなく、優れた加工追従性であった。
表1に示すように、成分A〜Cの配合量、成分Cの種類などを変更し、実施例1と同様にして、樹脂組成物およびシュリンクラベルを得た。
得られた樹脂組成物およびシュリンクラベルは、優れた表面硬化性、密着性(接着性)、耐もみ性、耐スクラッチ性を有していた。また、シュリンク加工時にも収縮白化がなく、優れた加工追従性であった。
表1に示すように、成分Cを使用しない以外は、実施例1と同様にして、シュリンクラベルを得た。
得られたシュリンクラベルは、シュリンク加工に対する追従性が悪く、シュリンク加工により収縮白化が生じた。
表1に示すように、成分A〜Cの配合量を変更し、実施例1と同様にして、シュリンクラベルを得た。
得られたシュリンクラベルは、シュリンク加工に対する追従性が悪く、シュリンク加工により収縮白化が生じた。
表2に示すように、成分A〜Cの配合量および添加剤を変更し、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を、実施例1と同様に、ポリエステル系シュリンクフィルムの片面に、全面グラビア印刷(樹脂層厚み:4μm)した。
次いで、上記樹脂層上に、市販のホロフィルム(日本コーバン(株)製「ホログラム透明OPPラミネート用フィルム」)を、手で押しつけることによりラミネートした。
続いて、ホロフィルム側から、実施例1と同様に、紫外線照射を行い、その後ホロフィルムを剥離して、ホログラム層を有するシュリンクラベルを得た。
表2に示すように、実施例11、12の樹脂組成物およびシュリンクラベルは、優れた表面硬化性、密着性を有していた。また、シュリンク加工時にも収縮白化がなく、優れた加工追従性であり、さらにホログラム表現性に優れていた。一方、比較例5のシュリンクラベルはシュリンク加工に対する追従性が悪く、シュリンク加工により収縮白化が生じ、ホログラム表現性も劣るものであった。
なお、ホログラム表現性は、実施例、比較例で得られたホログラム層を有するシュリンクラベルを、上記収縮白化試験と同様の方法で、20%熱収縮させた後、目視にて図柄を確認し、以下の基準で評価した。
光学干渉による図柄がはっきりと観察される : ホログラム表現性良好(○)
図柄は明瞭でないが、光学干渉縞が観察される : ホログラム表現性不十分(△)
光学干渉縞が全く観察されない : ホログラム表現性不良(×)
成分A :東亞合成(株)製、商品名「アロンオキセタン OXT−221」
成分B :ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド 2021P」
成分C :
C1:東亞合成(株)製、商品名「ARUFON UH2000」、Tg:−55℃、水酸基価:20(mg−KOH/g−resin)
C2:東亞合成(株)製、商品名「ARUFON UH2041」、Tg:−50℃、水酸基価:120(mg−KOH/g−resin)
C3:東亞合成(株)製、商品名「ARUFON UH2032」、Tg:−60℃、水酸基価:110(mg−KOH/g−resin)
光重合開始剤:ダウケミカル(株)製、商品名「UVI−6992」
増感剤:川崎化成工業(株)製、ジブトキシアントラセン
FA4001CM:ダウコーニング(株)製、商品名「FA4001CM」(シリコーン変性アクリル樹脂)
Claims (4)
- シュリンクフィルムの少なくとも片面側に、オキセタン化合物、エポキシ化合物、及び、水酸基価が1〜200(mg−KOH/g−resin)、ガラス転移温度が50℃以下であるアクリル樹脂を6〜50重量%含有し、かつ前記オキセタン化合物と前記エポキシ化合物の合計の添加量が樹脂組成物の全量に対して30〜94重量%である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布、硬化してなる樹脂硬化物層を有するシュリンクラベル。
- 前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中のオキセタン化合物とエポキシ化合物の重量比が2:8〜8:2である請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 前記樹脂硬化物層中に、顔料を実質的に含有しない請求項1または2に記載のシュリンクラベル。
- 前記樹脂硬化物層がホログラム層である請求項1〜3のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
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