JP6796735B2 - 熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物 - Google Patents
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(1)イソブチルメタクリレートと、リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを含むアクリルモノマー成分より合成することによりなるアクリル樹脂と、
繊維系樹脂とを含有し、
前記アクリル樹脂の固形分重量(A)と、前記繊維系樹脂の固形分重量(B)の割合が、A/B=100/0〜100/250であり、
前記アクリル樹脂100%中に、前記イソブチルメタクリレートが5〜80質量%であり、前記リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが0.01〜2質量%であることを特徴とする低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物、
(2)さらに、前記アクリル樹脂100%中に、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルが0.1〜5質量%であることを特徴とする(1)に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物、
(3)さらに、顔料を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物、
(4)前記顔料が、無機顔料および有機顔料のなかから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする(3)に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物、
に関するものである。
CH2=CRCOO(R1O)nP=O(OR2)2 (1)
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす、R1は炭素数が1〜4のアルキレン基を表わす、R2は炭素数が1〜8のアルキレン基を表わす、nは1〜8の整数を表わす)
[CH2=CRCOO(R1O)n]mP=O(OR3)3−m (2)
(式中、R、R1は式1と同様、R3は水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を表わす、nは1または2の整数を表わす、mは2または3の整数を表わす)
CH2=CRCOO(R1O)nP=O(O−Ph)m(OH)2−m (3)
(式中、R、R1は式1と同様、Phはベンゼン環を表わす、nは1または2の整数を表わす、mは1または2の整数を表わす)
前記ニトロセルロース樹脂は、セルロースの水酸基を硝酸でニトロ化することにより、得られる。平均重合度は35〜480程度であり、ニトロ基への置換度により、バイオマス度が変化するが約50質量%がバイオマス由来である。
前記無機顔料としては、二酸化チタン、酸化鉄、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、シリカ、アルミニウムペースト、パール顔料、カーボンブラック、真鍮、マイカなどが挙げられる。カーボンブラックは、無機顔料に区分されることもあるが、本発明では除く。なかでも、二酸化チタン、酸化鉄、アルミニウムペーストのなかから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
前記有機顔料としては、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフラロン顔料、ジオキサジン系顔料、ピロロピロール系顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。また、カーボンブラックも好ましい。なかでも、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、カーボンブラックのなかから選ばれる少なくとも1つであること好ましい。特に、有機顔料である場合、使用される前記アクリル樹脂は、アクリルモノマー成分として、さらに、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル含むことが好ましい。これら顔料は、インキ組成物の濃度、着色力、隠蔽力に応じ、適宜添加量が決められるが、インキ組成物中に0.1〜50質量%含有することが好ましい。
インキ組成物中に溶剤は30〜95質量%の範囲内であることが好ましい。30質量%より少ないと固形分が多くなり、流動性がなくなる。95質量%より多いと粘度が低くなり、有機顔料が沈降しやすくなる。また、バイオマス由来の溶剤としてエタノールなども使用できる。なかでも印刷作業環境を考慮して、芳香族炭化水素系溶剤を含まないことが好ましい。
分散体における有機顔料の平均粒径は、ビーズミルのビーズ分離機構、ビーズ種、ビーズ粒径、ビーズ充填率、撹拌羽の形状および枚数、回転速度、分散体の粘度、吐出量、プレミックス時間などによって適宜調整できる。
インキ組成物中の粗大粒子や気泡は、公知のろ過機や遠心分離機などにより取り除くことができる。
インキ組成物中の固形分としては、2〜80質量%の範囲内であることが好ましい。2質量%より低いと、印刷時の塗布量が十分でなく、80質量%を超えると、流動性が悪く、インキ化が困難となる。
インキ組成物は、印刷条件に適した粘度や濃度にまで、希釈溶剤で適宜希釈して印刷に供される。
なかでも、印刷作業環境を考慮すると、ノントルエン系の希釈溶剤が好ましい。また、バイオマス由来の有機溶剤などを使用することが好ましい。
なかでもバイオマス由来としては、ペンタン−1,5−ジイソシアネートおよびこれらの変性体が好ましい。
アクリル樹脂溶液1 62部、酢酸エチル 9.5部、酢酸n−プロピル 9.5部、イソプロピルアルコール 19部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、インキNo.1を100部得た。同様に、表1〜表3および表12の配合に従い、実施例2〜44、比較例1〜2、比較例10〜11のインキNo.2〜44、No.206〜207、No.215〜216を作製した。
フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue15:4)10部、顔料分散剤(アジスパーPB824、味の素ファインテクノ(株)製) 1部、アクリル樹脂溶液1 40部、CAPニス1 12部、酢酸エチル 9.2部、酢酸n−プロピル 9.2部、イソプロピルアルコール 18.6部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、インキNo.45を100部得た。同様に、表3〜表12の配合に従い、実施例46〜205、比較例3〜9、比較例12〜18のインキNo.46〜205、No.208〜213、No.217〜223を作製した。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算分子量として評価した。
アクリル樹脂溶液1:樹脂100質量%中、100質量%含有するイソブチルメタクリレートの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液2:樹脂100質量%中、1質量%含有するイソブチルメタクリレートと34質量%含有するメチルメタクリレートと65質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液3:樹脂100質量%中、80質量%含有するイソブチルメタクリレートと15質量%含有するメチルメタクリレートと5質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液4:樹脂100質量%中、50質量%含有するイソブチルメタクリレートと1質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと17質量%含有するメチルメタクリレートと32質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液5:樹脂100質量%中、50質量%含有するイソブチルメタクリレートと0.04質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと1質量%含有するアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと21質量%含有するメチルメタクリレートと27.96質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液6:樹脂100質量%中、50質量%含有するイソブチルメタクリレートと2質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと1質量%含有するアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと21質量%含有するメチルメタクリレートと26質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液7:樹脂100質量%中、50質量%含有するイソブチルメタクリレートと0.04質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと0.1質量%含有するアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと21質量%含有するメチルメタクリレートと28.86質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液8:樹脂100質量%中、50質量%含有するイソブチルメタクリレートと0.04質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと5質量%含有するアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと21質量%含有するメチルメタクリレートと23.96質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液9:樹脂100質量%中、35質量%含有するメチルメタクリレートと65質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、固形分40%、重量平均分子量50,000
CAPニス1:下記の配合にて作成
CAPニス2:下記の配合にて作成
CAB二ス1:下記の配合にて作成
CAB二ス2:下記の配合にて作成
フタロシアニン系顔料:Pigment Blue 15:4
モノアゾ系顔料:Pigment Red 48:3
ジスアゾ系顔料:Pigment Yellow 14
二酸化チタン:Pigment White 7
弁柄(酸化鉄):Pigment Red 101
アルミニウムペースト:Pigment Metal 1(固形分50%)
カーボンブラック:Pigment Black 7
顔料分散剤:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ(株)製)
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートプロピオネートCAP−504−0.2(数平均分子量15,000、プロピオニル含有率40〜45%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CAPニス1を作成した。CAPニス1の樹脂固形分は15%、バイオマス度は54.4〜59.4%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートプロピオネートCAP−482−0.5(数平均分子量25,000、プロピオニル含有率43〜47%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CAPニス2を作成した。CAPニス2の樹脂固形分は15%、バイオマス度は50.5〜54.5%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートブチレートCAB−381−0.5(数平均分子量30,000、ブチリル含有率36〜40%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CABニス1を作成した。CABニス1の樹脂固形分は15%、バイオマス度は46.5〜50.5%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートブチレートCAB−553−0.4(数平均分子量20,000、ブチリル含有率44〜50%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CABニス2を作成した。CABニス2の樹脂固形分は15%、バイオマス度は48〜54%であった。
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール36部、酢酸エチル21.3部、酢酸n−プロピル21.3部を仕込み、撹拌しながら硝化綿 RS1/16(TNC社製)を21.4部添加して、ニトロセルロース樹脂ワニスを作成した。ニトロセルロース樹脂ワニスの樹脂固形分は15%、バイオマス度は47.7%であった。
4色グラビア印刷機(富士機械工業(株)製)の1〜4色印刷各ユニットに、セラミックドクター((株)東京製作所製)、クロム硬度1050Hv/スタイラス130度の彫刻ヘリオ版((株)東和プロセス製)、ファニッシャーロールを取り付け、インキを希釈溶剤AC372(東京インキ(株)製)にて、ザーンカップNo.3で粘度15秒に調整した後、第1ユニットのインキパンにインキを投入した。全てのユニットにおいて、ドクター圧2kgf/cm2、乾燥温度50℃、印圧2kg/cm2、印刷速度150m/分にて、厚み20μmのスチレン(OPS)フィルム(GM、旭化成(株)製)に印刷して、印刷物を8,000m得た。また、印刷中は粘度コントローラー((株)メイセイ製)にて、一定に保った。その後、転移性、耐ブロッキング性について評価した。
該印刷物の印刷層面と発泡ポリスチレンシート(高発泡PSシート)とを合わせ、該印刷物のフィルム面に厚さ12μmのポリエステルフィルムを置き、ラミネータを用いて、温度120℃、速度5m/minの条件で熱圧着でラミネートを行い、その後ポリエステルフィルムを取り去り、積層体を形成した。積層体のスチレンフィルム面に粘着テープを貼り付け、25mmの幅に切り、引張試験機(RTE−1210(株)オリエンテック製)により、剥離速度300mm/min、剥離角度90°の条件で熱ラミネート強度を測定した。当該剥離強度試験において、スチレンフィルムが切れるものが良好と判断した。剥離強度試験について、○:スチレンフィルムが切れる、×:それ以外、の2段階で評価した。
前記<熱ラミネート強度>と同様の方法にて、積層体を形成した。形成した成形前の積層体を、恒温機に入れ、90℃、60分間でプレヒートを行い、ブリスターの発生状況を目視にて観察した。ブリスターが発生しないものが、良好であると判断した。○:ブリスターが発生しない、×:発生する、の2段階で評価した。なお、ブリスターとは、印刷膜面が部分的に剥離してふくれ、水ぶくれのようになる現象をいう。
前記<熱ラミネート強度>と同様の方法にて、積層体を形成した。真空成形機(小型真空成形機フォーミングシリーズ300X型、成光産業(株)製)を用いて1辺100mm幅の正方形状の容器を作成した。作成した容器の外観を目視にて観察した。インキ割れが発生しないものが良好と判断した。○:インキ割れが発生しない、×:インキ割れが発生する、の2段階で評価した。なお、インキ割れとは、容器などを成形する際に、容器の底の角部や丼形状容器の曲面など伸びが大きい部分で、印刷層のインキ膜がひび割れのようになる現象をいう。
前記<容器成形時のインキ割れ>と同様の方法にて、容器を形成した。形成した容器のスチレンフィルム面に粘着テープを貼り付け、25mmの幅に切り、引張試験機(RTE−1210(株)オリエンテック製)により、剥離速度300mm/min、剥離角度90°の条件で熱ラミネート強度を測定した。当該剥離強度試験において、スチレンフィルムが切れるものが良好と判断した。剥離強度試験について、○:スチレンフィルムが切れる、×:それ以外、の2段階で評価した。
Claims (4)
- イソブチルメタクリレートと、リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを含むアクリルモノマー成分より合成することによりなるアクリル樹脂と、
繊維系樹脂とを含有し、
前記アクリル樹脂の固形分重量(A)と、前記繊維系樹脂の固形分重量(B)の割合が、A/B=100/0〜100/250であり、
前記アクリル樹脂100%中に、前記イソブチルメタクリレートが5〜80質量%であり、前記リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが0.01〜2質量%であることを特徴とする低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物。 - さらに、前記アクリル樹脂100%中に、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルが0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物。
- さらに、顔料を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物。
- 前記顔料が、無機顔料および有機顔料のなかから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物。
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