JP6730821B2 - 帽子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クラウンの外面にエンブレムが表された帽子の製造方法に関する。
帽子におけるクラウンの外面には、その帽子の着用者が在籍する学校名やチーム名を表すためや、帽子のブランド名を表すため等に、エンブレムが表されることがある。この種のエンブレムは、クラウン形成生地の外面にワッペンを貼り付けることや、クラウン形成生地の外面に刺繍を施すことにより、設けられることが多い。しかし、このような方法でエンブレムが設けられた帽子は、クラウン形成生地におけるエンブレムが設けられた部分の通気性が著しく低下してしまうため、着用者が暑さを感じやすいという欠点を有している。
ところで、これまでには、クラウンの一部をメッシュシートで形成することによって、クラウンの通気性を向上させた各種の帽子が提案されている。例えば、特許文献1の請求項1及び図1には、五角形片と六角形片と台形片とを基調とするパッチワークでクラウンを形成し、該パッチワークの一部にメッシュ織物を用いて通気部とした帽子が記載されている。また、特許文献2の請求項1〜3及び図4,5には、クラウン部の少なくとも一部に、メッシュ状布帛で形成された通気部を設けた帽子が記載されている。
しかし、特許文献1の帽子や特許文献2の帽子でも、クラウン形成生地におけるエンブレムが施された部分の通気性を確保することはできなかった。というのも、これらの帽子において、クラウンにおけるエンブレムを設ける箇所に通気部を形成したとしても、当該箇所にエンブレムを設ける際に、前記通気部がエンブレムによって塞がれてしまうからである。
実開平06−065433号公報 特開2003−147622号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、クラウン形成生地におけるエンブレムが表された部分での通気性を確保することのできる帽子の製造方法を提供するものである。
上記課題は、
クラウンの外面にエンブレムが表された帽子の製造方法であって、
クラウン形成生地におけるエンブレムを表す箇所をエンブレムの外郭線に沿って切断することにより、エンブレムに倣った形状の通気口をクラウン形成生地に形成する通気口形成工程と、
通気口が形成されたクラウン形成生地に対して通気口よりも大きな寸法形状を有するメッシュシートを重ね合わせることにより、メッシュシートで通気口を覆うメッシュシート重合工程と、
エンブレムの外郭線に沿って刺繍を施すことにより、通気口の縁取りを行うとともに、クラウン形成生地に対してメッシュシートを縫合する刺繍工程と、
を経ることによって、エンブレムが表された部分でクラウン内外の通気を行うことができるようにした帽子を製造することを特徴とする帽子の製造方法
を提供することによって解決される。
これにより、クラウン形成生地に形成された通気口をエンブレムとして機能させることが可能になる。逆に言うと、エンブレムを通気口として機能させることが可能になる。このため、クラウン形成生地におけるエンブレムが表された部分での通気性が確保された帽子を得ることが可能になる。また、本発明の製造方法によって製造された帽子は、エンブレムが刺繍によって縁取りされた状態となっており、見た目に優れたものとなっている。さらに、通気口を縁取りするための刺繍を施す際には、通気口を覆うメッシュシートがクラウン形成生地に対して縫合されるようになっている。このため、本発明の製造方法では、メッシュシートをクラウン形成生地に縫合するためだけの工程を別途設ける必要がなく、より少ない工程で帽子を製造することができるようになっている。
本発明の製造方法において、メッシュシートは、クラウン形成生地の通気口を覆うことができる寸法形状を有するものであれば特に限定されない。しかし、例えば、通気口よりも大きな寸法形状を有するメッシュシートをクラウン形成生地の前面側に重ねる場合には、メッシュシートをクラウン形成生地に対して縫合した後(刺繍工程を終えた後)に、メッシュシートの余分な部分(メッシュシートにおける刺繍された部分よりも外側に食み出た部分)を切断する必要が生じる。しかし、クラウン形成生地に縫合された状態のメッシュシートを所望の形状に切断することは必ずしも容易ではない。このため、メッシュシート重合工程でクラウン形成生地に重ね合わせるメッシュシートを、通気口の外周線に沿った形状に予め切断しておくと好ましい。これにより、刺繍工程を終えた後にメッシュシートを切断する必要がなくなる。
本発明の製造方法によって製造された帽子において、メッシュシートは、通気口からクラウン形成生地の外面側に露出し、通気口の縁取りである刺繍とともにエンブレムを形成する。このため、メッシュシートの色彩は、エンブレムの印象に大きな影響を及ぼすことになる。したがって、メッシュシートには、所望のエンブレムに応じた色彩で着色が施される。メッシュシートを着色する方法は、特に限定されないが、昇華式プリント(昇華(気化)させたインクで生地を染め抜く方法のプリント)を採用すると好ましい。これにより、メッシュシートは、気化したインクの細かい粒子で染められるようになり、インクがメッシュシートの目を塞ぎにくくなるため、メッシュシートの通気性を良好に保つことが可能になる。また、インクがメッシュシートから剥離しにくくすることや、メッシュシートのゴワつきを防ぐことも可能になる。さらに、メッシュシートにグラデーションが現れる(メッシュシートの色彩が場所に応じて連続的に変化する)ようにすることも容易であり、見栄えのよいエンブレムを簡単に表すことも可能になる。
以上のように、本発明によって、クラウン形成生地におけるエンブレムが表された部分での通気性を確保することのできる帽子の製造方法を提供することが可能になる。
本発明の帽子の製造方法によって製造された帽子の全体を示した斜視図である。 図1の帽子を各部に分解した状態を示した斜視図である。 エンブレム形成工程における通気口形成工程を終えた状態のクラウン形成生地をオモテ側から見た状態を示した図である。 エンブレム形成工程におけるメッシュシート重合工程を終えた状態のクラウン形成生地をオモテ側から見た状態を示した図である。 エンブレム形成工程における刺繍工程を終えた状態のクラウン形成生地をオモテ側から見た状態を示した図である。
1.帽子の製造方法の概要
本発明の帽子の製造方法について、図面を用いてより詳しく説明する。図1は、本発明の帽子の製造方法によって製造された帽子の全体を示した斜視図である。図2は、図1の帽子を各部に分解した状態を示した斜視図である。以下においては、説明の便宜上、図1,2に示すキャップ型の帽子を製造する場合を例に挙げて、本発明の帽子の製造方法の説明をする。しかし、本発明の帽子の製造方法は、キャップ型の帽子を製造するものに限定されず、ハット型の帽子や、サンバイザー型の帽子等、着用者の頭部を覆うためのクラウン(サンバイザー型の帽子においては、前鍔の後端縁から上向きに立ち上がる部分を「クラウン」と呼ぶことにする。)を備えた各種の帽子を製造する際に採用することができる。後述するクラウン形成生地の寸法形状や枚数、又は、前鍔の寸法形状等の各仕様は、帽子の形態に応じて適宜変更することができる。
本実施態様において製造する帽子は、図1に示すように、着用者の頭部の略全体を覆うことができるように半球状に形成されたクラウン10と、クラウン10の前面側下縁から前方に突出して設けられた三日月状の前鍔20とを備えたものとなっている。クラウン10は、図2に示すように、「れんげ」と呼ばれる略二等辺三角形状に裁断された複数枚のクラウン形成生地11〜15を縫合することによって半球状に形成される。第一のクラウン形成生地11は、クラウン10における、着用者の頭部前面(頭部左前面及び頭部右前面)を覆う部分を形成する。第二のクラウン形成生地12は、クラウン10における、着用者の頭部左側面を覆う部分を形成する。第三のクラウン形成生地13は、クラウン10における、着用者の頭部右側面を覆う部分を形成する。第四のクラウン形成生地14は、クラウン10における、着用者の頭部左後面を覆う部分を形成する。第五のクラウン形成生地15は、クラウン10における、着用者の頭部右後面を覆う部分を形成する。
一般的に、半球状のクラウンを有する帽子においては、クラウンにおける着用者の頭部前面を覆う生地(図1の帽子におけるクラウン形成生地11に相当する部分)が、左右に分離した2枚の生地によって形成されているところ、本実施態様で製造する帽子においては、クラウン10における着用者の頭部前面を覆う生地が、連続する1枚のクラウン形成生地11によって形成されている。これは、本実施態様においては、クラウン10の前面中央部(クラウン形成生地11の中央部)にエンブレム50を表すところ、着用者の頭部前面を覆うクラウン形成生地11が左右の2枚の生地に分かれているよりも、継ぎ目のない連続する1枚の生地で形成されている方が、エンブレム50を綺麗に設けやすいからである。
図1に示す帽子は、エンブレム形成工程と、クラウン形成生地縫合工程と、前鍔縫合工程とを経ることによって製造されるものとなっている。エンブレム形成工程は、クラウン10にエンブレム50を形成する工程である。エンブレム50は、後述するように、それが設けられた箇所で通気性を確保することができる状態で設けられる。また、クラウン形成生地縫合工程は、複数枚のクラウン形成生地11〜15を、継ぎ目テープ31〜35(図2)を介して縫合することによって、半球状のクラウン10を形成する工程である。さらに、前鍔縫合工程は、クラウン10の前面側の下端縁(クラウン形成生地11の下端縁)に前鍔20の後端縁を縫合する工程である。
クラウン10の内面側の下端縁に沿ってビン皮40(図2)を設ける場合には、上記の各工程に加えて、クラウン10の下端縁に沿ってビン皮40の下端縁を縫合するビン皮縫合工程も行われる。ビン皮縫合工程は、通常、前鍔縫合工程を終えた後に行われる。ビン皮40は、エンブレム50における通気性を阻害することのないように、エンブレム50の下端に達しない高さにすると好ましい。
また、帽子の着用感等を向上させること等を目的として、クラウン形成生地11〜15の内面側に裏地(図示省略)を設ける場合には、上記の各工程に加えて、クラウン形成生地11〜15の内面側に裏地を縫合する裏地縫合工程も行われる。裏地縫合工程を行うタイミングは、特に限定されないが、クラウン形成生地縫合工程でクラウン形成生地11〜15を縫合する際に、裏地も一緒に縫合すると容易である。裏地は、クラウン10の内面側の全体に設ける場合だけでなく、クラウン10の前面部の内面側だけに裏地を設ける等、クラウン10の内面側の一部の領域にのみ裏地を設ける場合もある。エンブレム50の内面側に裏地が配される場合には、裏地がエンブレム50における通気性を阻害することのないように、裏地をメッシュ素材等の通気性を有する素材で形成すると好ましい。裏地をメッシュ素材とする場合には、後述するメッシュシート52を、エンブレム50が形成されるクラウン形成生地11の裏地として機能させるようにすることもできる。
さらに、クラウン10の前面部(クラウン形成生地11)の内面側に、クラウン10の保形性を保つための前立て(図示省略)を設ける場合には、クラウン10の前面側の下端縁(クラウン形成生地11の下端縁)に前立ての下端縁を縫合する前立て縫合工程も行われる。前立て縫合工程は、通常、クラウン形成生地縫合工程を終えた後(ビン皮縫合工程を設ける場合には、クラウン形成生地縫合工程を終えた後、且つ、ビン皮縫合工程を行う前)に行われる。前立てが、エンブレム50の内面側を覆う状態となる場合には、前立てがエンブレム50における通気性を阻害することのないように、前立てをメッシュ素材等の通気性を有する素材で形成すると好ましい。
このように、帽子の製造工程は、帽子に要求される仕様等に応じて適宜増減することができる。
ところで、本発明の帽子の製造方法は、クラウン10に、通気性を有するエンブレム50を形成することに特徴を有するものである。すなわち、本発明の帽子の製造方法は、上記の各工程のうち、エンブレム形成工程に関わるものである。エンブレム形成工程は、半球状のクラウン10を形成した後(クラウン形成生地縫合工程を終えた後)に行ってもよい。しかし、本発明の帽子の製造方法において、エンブレム形成工程では、後述するように、クラウン形成生地11を切断してクラウン形成生地11に通気口51(図3)を形成する通気口形成工程や、通気口51の縁取りを刺繍53(図5)で行うことでメッシュシート52をクラウン形成生地11に縫合する刺繍工程を行う必要があるところ、このような通気口形成工程や刺繍工程は、クラウン形成生地11が球面状に湾曲した状態にあるよりも平坦な状態にある方が行いやすい。このため、エンブレム形成工程は、クラウン形成生地縫合工程よりも前に行うと好ましい。
以上では、図1に示す帽子が、エンブレム形成工程と、クラウン形成生地縫合工程と、前鍔縫合工程等の複数の工程を経ることによって製造される旨を説明した。これらの工程のうち、エンブレム形成工程以外の工程(クラウン形成生地縫合工程や前鍔縫合工程等)は、従来の帽子において採用される方法と同様の方法により実施することができる。このため、以下においては、主にエンブレム形成工程について説明し、エンブレム形成工程以外の工程については、説明を割愛する。
2.エンブレム形成工程の詳細
本実施態様の帽子の製造方法におけるエンブレム形成工程について詳しく説明する。図3は、エンブレム形成工程における通気口形成工程を終えた状態のクラウン形成生地11をオモテ側から見た状態を示した図である。図4は、エンブレム形成工程におけるメッシュシート重合工程を終えた状態のクラウン形成生地11をオモテ側から見た状態を示した図である。図5は、エンブレム形成工程における刺繍工程を終えた状態のクラウン形成生地11をオモテ側から見た状態を示した図である。図3〜5においては、エンブレム50における縁取りがなされる部分の内側の境界線を破線Lで示し、外側の境界線を破線Lで示している。破線Lは、エンブレム50の外郭線に一致する。
エンブレム形成工程は、図5に示すように、刺繍53によって縁取りがなされ、その刺繍53で囲まれた領域がメッシュシート52で形成されたエンブレム50を、クラウン形成生地11に形成するための工程となっている。本実施態様の帽子の製造方法においては、図示の便宜上、エンブレム50は、アルファベットの「H」をモチーフとしてデザイン化した比較的単純なものとなっている。しかし、エンブレム50は、このような単純なものに限定されない。エンブレム50としては、アルファベット等の文字、モノグラム等の記号、若しくは、各種の図形、又は、これらを組み合わせたもの等が例示される。
本実施態様の帽子の製造方法では、エンブレム形成工程において、通気口形成工程と、メッシュシート重合工程と、刺繍工程とがこの順で行われるようになっている。以下、エンブレム形成工程を構成する各工程について詳しく説明する。
2.1 通気口形成工程
通気口形成工程は、図3に示すように、クラウン形成生地11におけるエンブレム50を表す箇所を、エンブレム50の外郭線Lに沿って切断することにより、エンブレム50に倣った形状の通気口51をクラウン形成生地11に形成する工程である。既に述べた通り、本実施態様の帽子の製造方法では、アルファベットの「H」をモチーフとしたエンブレム50を形成するところ、この「H」の文字の外郭線Lの内側に沿った切断線Lでクラウン形成生地11を切断するようにしている。切断線Lは、通気口51の外周線に一致する。「H」型のエンブレム50における真ん中の横棒の上側の区画51a(図3において右上がりの斜線ハッチングで示した区画)と下側の区画51b(図3において右下がりの斜線ハッチングで示した区画)は、切り落とさずに残してもよいが、本実施態様の帽子の製造方法では、これらの区画51a,51bも切り落としている。このように、エンブレム50の内側に入り込んだ区画を切り落とすことで、通気口51の開口面積をより広く確保し、エンブレム50における通気性をより高めることができる。
通気口形成工程でクラウン形成生地11に形成する通気口51の寸法形状は、エンブレム50の形態によっても異なり、特に限定されない。しかし、通気口51の開口面積が小さすぎると、エンブレム50において良好な通気性を確保することが難しくなる虞がある。このため、通気口51の開口面積は、5cm以上とすると好ましい。通気口51の開口面積は、10cm以上であるとより好ましく、15cm以上であるとさらに好ましい。一方、通気口51の開口面積を広くしすぎると、必然的にエンブレム50も大きくなり、帽子の見た目が悪くなる虞がある。このため、通気口51の開口面積は、100cm以下とすると好ましい。通気口51の開口面積は、70cm以下とするとより好ましく、50cm以下とするとさらに好ましい。本実施態様の帽子の製造方法において、通気口51は、縦長が約5cmで横長が約4cmの略矩形状となっており、通気口51の開口面積は、約20cmとなっている。
通気口形成工程でクラウン形成生地11を切断する方法は、特に限定されず、挟みやカッター等を用いてもよい。しかし、通気口51の切断線Lと同じ形状の刃を有するポンチをクラウン形成生地11に押し当てる方法(打ち抜き裁断やプレス裁断による方法)を採用すると、複雑な形状の通気口51を容易に形成することができる。
2.2 メッシュシート重合工程
メッシュシート重合工程は、図4に示すように、通気口51が形成されたクラウン形成生地11に対して、通気口51よりも大きな寸法形状を有するメッシュシート52を重ね合わせることにより、メッシュシート52で通気口51を覆う工程である。本実施態様の帽子の製造方法においては、クラウン形成生地11の外面側にメッシュシート52を重ねているが、クラウン形成生地11の内面側にメッシュシート52を重ねてもよい。特に、メッシュシート52をクラウン形成生地11の裏地として機能させることも可能であることについては、既に述べた通りであるが、このような構成を採用する場合には、クラウン形成生地11の内面側に、クラウン形成生地11と略同一の寸法形状を有するメッシュシート52を重ねるようにする。
一方、メッシュシート52を裏地として機能させない場合には、メッシュシート重合工程においてクラウン形成生地11に重ね合わせるメッシュシート52を、図4に示すように、通気口51の外周線Lに沿った形状に予め切断しておくと好ましい。この場合、メッシュシート52は、通気口51よりも一回り大きな寸法とされ、メッシュシート52で通気口51を覆った際に、メッシュシート52の外縁部が、通気口51の周辺のクラウン形成生地11にかかるようにする。このように、メッシュシート52を予め切断しておくことによって、後述する刺繍工程を終えた後に、メッシュシート52における刺繍53(図5)から外側に食み出た余分な部分を切断する必要がなくなる。図4においては、メッシュシート52の切断線(メッシュシート52の外周線)を実線Lで示している。
通気口51に対してメッシュシート52をどの程度大きく切断するかは特に限定されない。しかし、切断後のメッシュシート52が小さすぎると、後述する刺繍工程において、クラウン形成生地11に対してメッシュシート52を縫合しにくくなる虞がある。このため、メッシュシート52は、クラウン形成生地11に対するメッシュシート52の外縁部の重合幅W(図4)を1mm以上確保できる寸法に切断すると好ましい。重合幅Wは、1.5mm以上であるとより好ましく、2mm以上であるとさらに好ましい。一方、切断後のメッシュシート52が大きすぎると、後述する刺繍工程において刺繍幅W(図5)を広くしない限りは、メッシュシート52の余分な部分を切断する必要が生じる。このため、メッシュシート52は、重合幅Wが10mm以下となる寸法に切断すると好ましい。重合幅Wは、7mm以下であるとより好ましく、5mm以下であるとさらに好ましい。本実施態様の帽子の製造方法において、重合幅Wは、2〜3mm程度となっている。
ところで、メッシュシート52は、エンブレム50を構成するものであるため、メッシュシート52に施す色彩がエンブレム50の印象に影響を及ぼすことについては、既に述べた通りである。このため、メッシュシート52には、所望のエンブレム50に応じた色彩で着色を施すと好ましい。メッシュシート52に対する着色方法は、特に限定されない。本実施態様の帽子の製造方法においては、昇華(気化)させたインクの微粒子で生地に着色を行う昇華式プリントによって、メッシュシート52に着色を行っている。このため、メッシュシート52の通気性を良好に保つだけでなく、メッシュシート52からインクが剥離しにくくすることや、メッシュシート52のゴワつきを防ぐことが可能となっている。また、メッシュシート52の色彩にグラデーションが現れるようにすることが容易となっている。本実施態様の帽子の製造方法においても、メッシュシート52の色彩にグラデーションが現れる(図4に示したメッシュシート52における同図の紙面に向かって左側部分から右側部分に向かって、徐々にオレンジ色が濃くなる)ようにしている。
メッシュシート52は、通常、目開きが0.1〜5mm、好ましくは0.5〜3mm程度の編物又は織物によって形成される。メッシュシート52を編織する繊維の素材は、特に限定されず、ポリエステルやナイロン等の合成繊維や、綿等の天然繊維を用いることができる。しかし、上述したように、昇華式プリントによってメッシュシート52を着色する場合には、メッシュシート52をポリエステル繊維で形成すると好ましい。ポリエステル繊維は、インクが染み込みやすく、昇華式プリントによって好適に着色することができるからである。
2.3 刺繍工程
刺繍工程は、図5に示すように、エンブレム50の外郭線Lに沿って刺繍53を施す工程である。本実施態様の帽子の製造方法においては、図5に示すように、破線Lと破線Lとの間の帯状の部分に刺繍53を施している。刺繍53の糸(刺繍糸)は、メッシュシート52の外周縁Lを外周縁Lに交差する方向に跨ぐように繰り返し縫い付けられる。これにより、通気口51の縁取りやエンブレム50の縁取りを行うとともに、クラウン形成生地11に対してメッシュシート52を縫合するようになっている。刺繍53の方法は、通気口51の縁取りを行うことができ、メッシュシート52をクラウン形成生地11に縫合できるのであれば特に限定されない。本実施態様の帽子の製造方法においては、いわゆる「外枠かがり」や「外枠ロック」と呼ばれる方法で刺繍53を施している。刺繍53は、手縫いで施してもよいが、通常は、ミシン等の機械で施される。ところで、本実施態様の帽子の製造方法では、上記の通気口形成工程において、エンブレム50における区画51a,51b(図3)においてクラウン形成生地11を切り落とすようにしていたところ、刺繍工程では、これらの区画51a,51bの外縁部に沿った箇所にも、同様の刺繍を施すようにしている。これにより、通気口51の開口面積を広く確保しながらも、所望のエンブレム50を表すことが可能となっている。
通気口51の縁取りを行う刺繍53の幅W(図5を参照。以下、この幅Wを「刺繍幅W」と呼ぶ。)は、特に限定されない。しかし、刺繍幅Wが重合幅W(図4)よりも狭いと、刺繍53が施された部分から外側にメッシュシート52が食み出る等、通気口51の縁取りを綺麗に行うことができなくなる虞がある。このため、刺繍幅Wは、通常、重合幅Wよりも広くされる。刺繍幅Wは、重合幅Wよりも0.5mm以上広くすると好ましく、重合幅Wよりも1mm以上広くするとより好ましい。一方、刺繍幅Wを広くしすぎると、エンブレム50の縁取りが太くなり、エンブレム50の見た目が悪くなる虞がある。また、エンブレム50が細かく入り組んだ形状を有する場合に、その入り組んだ部分が刺繍53によって潰れ、エンブレム50を所望の形状に表すことができなくなる虞もある。このため、刺繍幅Wは、通常、15mm以下とされる。刺繍幅Wは、10mm以下であると好ましく、7mm以下であるとより好ましい。本実施態様の帽子の製造方法において、刺繍幅Wは約4mmとなっている。
3.まとめ
以上の本実施態様の帽子の製造方法によって製造された帽子は、図1に示すように、クラウン10の前面中央部に、通気口51とメッシュシート52と刺繍53とからなるエンブレム50が形成されたものとなっている。エンブレム50におけるメッシュシート52が現れている部分では、クラウン10の内外の通気を行うことができるようになっている。このため、本発明の帽子の製造方法によって製造された帽子は、夏期等の暑い時期でも、快適に着用することができるものとなっている。
10 クラウン
11 第一のクラウン形成生地(クラウン形成生地)
12 第二のクラウン形成生地(クラウン形成生地)
13 第三のクラウン形成生地(クラウン形成生地)
14 第四のクラウン形成生地(クラウン形成生地)
15 第五のクラウン形成生地(クラウン形成生地)
20 前鍔
30 継ぎ目テープ
40 ビン皮
50 エンブレム
51 通気口
51a エンブレムにおける内側に入り込んだ部分
51b エンブレムにおける内側に入り込んだ部分
52 メッシュシート
53 刺繍
クラウン形成生地の切断線(通気口の外周線)
メッシュシートの切断線(メッシュシートの外周線)
エンブレムにおける縁取りがなされる部分の内側の境界線
エンブレムにおける縁取りがなされる部分の外側の境界線(エンブレムの外郭線)
クラウン形成生地に対するメッシュシートの外縁部の重合幅
刺繍幅

Claims (3)

  1. クラウンにおける、着用者の頭部左前面を覆う左前部分と頭部右前面を覆う右前部分とが、連続したクラウン形成生地によって形成され、左前部分と右前部分とに跨った箇所の外面にエンブレムが表された帽子の製造方法であって、
    ラウン形成生地におけるエンブレムを表す箇所をエンブレムの外郭線に沿って切断するとともに、エンブレムにおける内側に入り込んだ区画も切り落とすことにより、エンブレムに倣った形状の通気口をクラウン形成生地に形成する通気口形成工程と、
    通気口が形成されたクラウン形成生地に対して通気口よりも大きな寸法形状を有する編物又は織物からなるメッシュシートを重ね合わせることにより、メッシュシートで通気口を覆うメッシュシート重合工程と、
    エンブレムの外郭線及び前記区画の外縁部に沿って外枠かがりで刺繍を施すことにより、通気口の縁取りを行うとともに、クラウン形成生地に対してメッシュシートを縫合する刺繍工程と、
    を経ることによって、エンブレムが表された部分でクラウン内外の通気を行うことができるようにした帽子を製造することを特徴とする帽子の製造方法。
  2. メッシュシート重合工程でクラウン形成生地に重ね合わせるメッシュシートを、通気口の外周線に沿った形状に予め切断しておく請求項1記載の帽子の製造方法。
  3. メッシュシートとして、昇華式プリントによって着色されたものを用いる請求項1又は2記載の帽子の製造方法。
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