JP6917615B2 - 帽子及び帽子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クラウンがクラウン表地とメッシュ状のクラウン裏地とで構成され、ベンチレーションを行うための通気用開口部がクラウン表地に設けられた帽子と、この帽子の製造方法とに関する。
強い日差しを長時間に亘って頭部に浴びると日射病にかかるおそれがあるために、日差しの強い日中における野外活動は帽子を被って行うように薦められている。しかし、夏の暑い時期に帽子を被ると、頭が蒸れて不快さを感じることも多いために、帽子を敬遠する者も多い。特に、撥水加工や防水加工が施された生地でクラウンを形成した帽子は、通気性を確保することが困難であるために、そのような傾向が強い。このような実状に鑑みてか、帽子メーカーは、通気性を向上させるための様々な工夫を帽子に施すようになってきている。
例えば、本出願人は、特許文献1に示されるように、クラウンをクラウン表地(同文献の図4における「クラウン10」を参照。)とメッシュ状のクラウン裏地(同文献の図5における「メッシュシート20」を参照。)とで構成し、クラウン表地に通気用開口部(同文献の図1〜4における「通気用開口部O,O」を参照。)を設けた帽子を既に提案している。これにより、クラウンの遮光性を維持しながらも、クラウンの通気性を向上させることが可能となっている。
特開201−138526号公報
ところが、帽子のクラウンの外面には、その帽子の着用者が在籍する学校名やチーム名を表すためや、帽子のブランド名を表すため等に、マーク等の意匠部が設けられることがある。この種の意匠部は、クラウン表地の外面に刺繍を施すことや、ワッペンを貼り付けることによって設けられることが多いところ、この種の意匠部がクラウン表地に設けられた帽子では、その意匠部が設けられた箇所に上記の通気用開口部を設けることができず、その意匠部が設けられた箇所ではベンチレーションを行うことができないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、クラウンにおけるマーク等の意匠部が施された箇所であっても、ベンチレーションを行うことができる帽子を提供するものである。また、この帽子を製造するための帽子の製造方法を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
着用者の頭部を覆うためのクラウンが、
クラウンの外面を形成するクラウン表地と、
クラウンの内面を形成する、メッシュ状のクラウン裏地と、
で構成され、
クラウン表地に、所定形状に開口された通気用開口部が設けられた
帽子であって、
クラウン裏地における、クラウン表地の通気用開口部に重なる箇所に、文字、模様若しくは色彩又はこれらの結合からなる裏地側意匠部が設けられ、
裏地側意匠部が、通気用開口部を通じてクラウンの外部から視認できるようにした
ことを特徴とする帽子
を提供することによって解決される。
このように、クラウン裏地における、クラウン表地の通気用開口部に重なる箇所に、意匠部(裏地側意匠部)を設けることによって、クラウンにおけるマーク等の意匠部が施された箇所であっても、ベンチレーションを行うことが可能になる。
本発明の帽子において、クラウン裏地に裏地側意匠部を設ける態様は、特に限定されない。クラウン裏地に裏地側意匠部を設ける態様としては、刺繍、着色若しくはワッペン又はこれらの結合が例示される。
裏地側意匠部を刺繍によって設けると、裏地側意匠部を立体的に設ける(盛り上がった状態に設ける)ことができるとともに、帽子の高級感を高めることができるという利点がある。また、裏地側意匠部を着色(プリント等)によって設けると、その着色した部分、すなわちマーク等の裏地側意匠部を施した部分において、クラウン裏地の目(上記のように、クラウン裏地はメッシュ状とされる)が塞がれないようにし、裏地側意匠部を刺繍等で設けた場合と比較してその部分の通気性を良好に保ちやすいという利点がある。さらに、裏地側意匠部をワッペンによって設けると、緻密で凝った意匠を表わしやすいという利点に加えて、帽子の歩留まりをよくすることができるという利点もある。
本発明の帽子において、クラウン表地における通気用開口部の開口縁には、通常、ほつれ防止処理が施される。このほつれ防止処理は、パイピング処理やかがり縫い等によって行ってもよいが、クラウン表地における通気用開口部の開口縁に沿った箇所を、刺繍によって縁取りすることによって行うと好ましい。
これにより、クラウン表地における通気用開口部の開口縁にほつれ防止処理を行うだけでなく、帽子の高級感を高めることが可能になる。加えて、裏地側意匠部だけでなく、通気用開口部の開口縁も、マーク等の意匠部を構成する一部(表地側意匠部)と認識されやすくして、裏地側意匠部と表地側意匠部とで構成される意匠部の意匠性を高めることも可能になる。例えば、裏地側意匠部の刺繍に用いる糸と表地側意匠部の刺繍に用いる糸とで色を変えること等によって、裏地側意匠部と表地側意匠部とで構成される意匠部の見た目に変化を持たせることが可能になる。
本発明の帽子において、通気用開口部の開口縁は、裏地側意匠部の外縁線とは全く異なる形状としてもよいが、裏地側意匠部の外縁線に倣った形状とすると好ましい。例えば、裏地側意匠部を菱型とした場合には、通気用開口部の開口縁も菱型に形成し、裏地側意匠部を星型とした場合には、通気用開口部の開口縁も星型に形成するといった具合である。
このように、通気用開口部の開口縁を、裏地側意匠部の外縁線に倣った形状とすることによっても、通気用開口部の開口縁を、マーク等の意匠部を構成する一部(表地側意匠部)と認識されやすくすることが可能になる。この構成は、上述した刺繍による縁取りの構成(クラウン表地における通気用開口部の開口縁に沿った箇所を、刺繍によって縁取りする構成)と合わせて採用すれば、より好適である。
本発明の帽子においては、通気用開口部及び裏地側意匠部を、クラウンにおける1箇所のみに設けてもよいが、複数箇所に設けると好ましい。具体的には、
通気用開口部を、クラウン表地における複数箇所に設け、
クラウン裏地における、クラウン表地のそれぞれの通気用開口部に重なる箇所に、裏地側意匠部を表わす
と好ましい。
このように、通気用開口部を複数箇所に設けることによって、帽子をベンチレーション機能により優れたものとすることが可能になる。特に、通気用開口部の配置によっては、一の通気用開口部からクラウン内部に入り込んだ空気が、他の通気用開口部を通じてクラウン外部へと抜け出るようにすることも可能になる。
以上のように、本発明によって、クラウンにおけるマーク等の意匠部が施された箇所であっても、ベンチレーションを行うことができる帽子を提供することが可能になる。また、この帽子を製造するための帽子の製造方法を提供することも可能になる。
第一実施態様の帽子を示した斜視図である。 第一実施態様の帽子を各部に分解した状態を示した斜視図である。 第一実施態様の帽子における第一意匠部を、第一意匠部の正面から見た状態を拡大して示した図である。 第一実施態様の帽子におけるクラウン表地とクラウン裏地とを重ね合わせて第一意匠部を構成する様子を拡大して示した斜視図である。 第一実施態様の帽子における第二意匠部を、第二意匠部の正面から見た状態を拡大して示した図である。 第一実施態様の帽子におけるクラウン表地とクラウン裏地とを重ね合わせて第二意匠部を構成する様子を拡大して示した斜視図である。 第二実施態様の帽子を示した斜視図である。
0. 本発明の帽子
本発明に係る帽子の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、主に、第一実施態様及び第二実施態様の2つの実施態様を例に挙げて、本発明の帽子を説明する。しかし、本発明の帽子の技術的範囲は、これらの実施態様に限定されることなく、発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。
1. 第一実施態様の帽子
まず、第一実施態様の帽子について説明する。図1は、第一実施態様の帽子を示した斜視図である。図2は、第一実施態様の帽子を各部に分解した状態を示した斜視図である。図3は、第一実施態様の帽子における第一意匠部αを、第一意匠部αの正面から見た状態を拡大して示した図である。図4は、第一実施態様の帽子におけるクラウン表地11とクラウン裏地12とを重ね合わせて第一意匠部αを構成する様子を拡大して示した斜視図である。図5は、第一実施態様の帽子における第二意匠部βを、第二意匠部βの正面から見た状態を拡大して示した図である。図6は、第一実施態様の帽子におけるクラウン表地11とクラウン裏地12とを重ね合わせて第二意匠部βを構成する様子を拡大して示した斜視図である。
第一実施態様の帽子は、着用者の頭部を覆うクラウン10(図1)と、クラウン10から前方に突出して設けられた鍔20(図1)と、クラウン10の下縁部内側に沿って帯状に設けられたビン皮30(図2)と、クラウン10における縫合部分をクラウン10の内側から補強するための裏打ち用帯片40(図2)とを備えたものとなっている。クラウン10は、図2に示すように、クラウン10の外面を形成するクラウン表地11と、クラウン10の内面を形成するクラウン裏地12とで構成されている。クラウン裏地12は、メッシュ状の素材(シート)によって形成されており、クラウン表地11の内面に沿って配されるようになっている。
第一実施態様の帽子は、図1に示すように、クラウン10の外面における前側部分に第一意匠部αが施され、クラウン10の外面における左横部分に第二意匠部βが施されたものとなっている。第一意匠部αや第二意匠部βは、装飾性を有するものであると好ましいが、その帽子の着用者の所属を表わす機能や、帽子自体の出所を表す機能等を有するのであれば、必ずしも装飾性を有するものに限定されない。例えば、帽子の着用者が在籍する学校名やチーム名を表すためのマーク等や、帽子のブランド名を表すためのマーク等を、第一意匠部αや第二意匠部βとして表わすこともできる。
第一実施態様の帽子において、第一意匠部αは、図3に示すように、アルファベットの「H」の文字を装飾的に表わしたマークとしており、第二意匠部βは、図5に示すように、星型のマークとしている。ただし、これらのマークは、飽くまで一例に過ぎない。第一意匠部αと第二意匠部βには、文字、模様若しくは色彩又はこれらの結合によって構成された各種の意匠を採用することができる。第一意匠部α及び第二意匠部βは、意匠部としての機能だけでなく、後述するように、帽子のクラウン10にベンチレーション機能を付与する通気部分としての機能をも発揮する部分となっている。
クラウン表地11は、図1及び図2に示すように、それぞれが略三角状を為す複数枚の表地用分割生地11a,11b,11c,11d,11eの側縁同士を互いに縫着することによって略半球状に形成される。また、クラウン裏地12は、図1及び図2に示すように、それぞれが略三角状を為す複数枚の裏地用分割生地12a,12b,12c,12d,12eの側縁同士を互いに縫着することによって略半球状に形成される。裏地用分割生地12a,12b,12c,12d,12eは、それぞれ、表地用分割生地11a,11b,11c,11d,11eの内面側に重ねられた状態で配される。
表地用分割生地11a及び裏地用分割生地12aは、着用者の頭部前側(前頭部)を覆う部分となっている。上記の第一意匠部αは、この表地用分割生地11aと裏地用分割生地12aとに施されている。また、表地用分割生地11b及び裏地用分割生地12bは、着用者の頭部左側(左側頭部)を覆う部分となっている。上記の第二意匠部βは、この表地用分割生地11bと裏地用分割生地12bとに施されている。その他、表地用分割生地11c及び裏地用分割生地12cは、着用者の頭部右側(右側頭部)を覆う部分となっており、表地用分割生地11d及び裏地用分割生地12dは、着用者の頭部左後側(左後頭部)を覆う部分となっており、表地用分割生地11e及び裏地用分割生地12eは、着用者の頭部右後側(右後頭部)を覆う部分となっている。
第一実施態様の帽子において、裏地用分割生地12a,12b,12c,12d,12eの縫合部分は、表地用分割生地11a,11b,11c,11d,11eの縫合部分と重なるようになっており、それぞれの縫合部分では、図2に示す裏打ち用帯片40が内側から宛がわれて、この裏打ち用帯片40もともに縫合されるようになっている。このため、クラウン表地11やクラウン裏地12の縫合部分がほつれないようにするだけでなく、その縫合部分を補強することも可能となっている。
裏打ち用帯片40のうち、裏打ち用帯片41は、表地用分割生地11aと表地用分割生地11bとの縫合部分、及び、裏地用分割生地12aとウラ地用分割生地12bとの縫合部分に宛がわれるようになっている。同様に、裏打ち用帯片42は、表地用分割生地11aと表地用分割生地11cとの縫合部分、及び、裏地用分割生地12aとウラ地用分割生地12cとの縫合部分に宛がわれ、裏打ち用帯片43は、表地用分割生地11bと表地用分割生地11dとの縫合部分、及び、裏地用分割生地12bとウラ地用分割生地12dとの縫合部分に宛がわれ、裏打ち用帯片44は、表地用分割生地11cと表地用分割生地11eとの縫合部分、及び、裏地用分割生地12cとウラ地用分割生地12eとの縫合部分に宛がわれ、裏打ち用帯片45は、表地用分割生地11dと表地用分割生地11eとの縫合部分、及び、裏地用分割生地12dとウラ地用分割生地12eとの縫合部分に宛がわれるようになっている。
クラウン表地11とクラウン裏地12は、上記のように、裏地用分割生地12a,12b,12c,12d,12eの側縁、及び、表地用分割生地11a,11b,11c,11d,11eの側縁に重なる箇所で互いに縫合されるところ、第一実施態様の帽子では、さらに、裏地用分割生地12a,12b,12c,12d,12eの下縁、及び、表地用分割生地11a,11b,11c,11d,11eの下縁に重なる箇所においても、クラウン表地11とクラウン裏地12とが互いに縫合されるようになっている。
具体的には、表地用分割生地11aの下縁と裏地用分割生地12aの下縁とが縫合され、表地用分割生地11bの下縁と裏地用分割生地12bの下縁とが縫合され、表地用分割生地11cの下縁と裏地用分割生地12cの下縁とが縫合され、表地用分割生地11dの下縁と裏地用分割生地12dの下縁とが縫合され、表地用分割生地11eの下縁と裏地用分割生地12eの下縁とが縫合されるようになっている。
ただし、クラウン表地11とクラウン裏地12は、上記の箇所以外では、縫合等されていない。このため、クラウン表地11とクラウン裏地12は、その縫合部分以外では、互いに分離した状態となっており、クラウン表地11とクラウン裏地12との隙間を、ベンチレーションを行うための通気空間として機能させることが可能となっている。クラウン表地11とクラウン裏地12との隙間には、後述する通気用開口部11a,11bを通じて、外部の空気が導入されるようになっている。
ところで、第一実施態様の帽子においては、ベンチレーション機能を有する第一意匠部α及び第二意匠部βがクラウン10に設けられていることについては、既に述べた通りである。これらの第一意匠部α及び第二意匠部βは、いずれも、クラウン表地11に、所定形状を有する通気用開口部11a,11bを設けるとともに、クラウン裏地12における、その通気用開口部11a,11bに重なる箇所に、文字、模様若しくは色彩又はこれらの結合からなる裏地側意匠部を設けることによって構成したものとなっている。
具体的には、第一意匠部αは、図4(a)に示すように、クラウン表地11の表地用分割生地11aに通気用開口部11aを設けるとともに、クラウン裏地11における、通気用開口部11aに重なる箇所に、裏地側意匠部αを設け、図4(b)に示すように、表地用分割生地11a(クラウン表地11)の内面側に裏地用分割生地12a(クラウン裏地12)を重ねることによって構成している。裏地側意匠部αは、通気用開口部11aを通じてクラウン10の外部から視認できる状態となっている。
一方、第二意匠部βは、図6(a)に示すように、クラウン表地11の表地用分割生地11bに通気用開口部11bを設けるとともに、クラウン裏地11における、通気用開口部11bに重なる箇所に、裏地側意匠部βを設け、図6(b)に示すように、表地用分割生地11b(クラウン表地11)の内面側に裏地用分割生地12b(クラウン裏地12)を重ねることによって構成している。裏地側意匠部βは、通気用開口部11bを通じてクラウン10の外部から視認できる状態となっている。
第一意匠部αを構成する裏地側意匠部αと、第二意匠部βを構成する裏地側意匠部βを設ける態様は、特に限定されないが、刺繍、着色若しくはワッペン又はこれらの結合によって設けると好ましい。第一実施態様の帽子において、第一意匠部αの裏地側意匠部αは、図4に示すように、メッシュ状の裏地用分割生地12a(クラウン裏地12)に対して、アルファベットの「H」の文字を刺繍によって表したものとなっている。このため、裏地側意匠部αは、立体的に盛り上がった状態となっている。一方、第二意匠部βの裏地側意匠部βは、図6に示すように、メッシュ状の裏地用分割生地12a(クラウン裏地12)に対して、星型の図形を印刷によって表したものとなっている。このため、裏地側意匠部βが設けられた箇所においても、クラウン裏地12の目が塞がれておらず、通気を行うことができるようになっている。
第二意匠部βの裏地側意匠部βのように、裏地側意匠部を着色によって表わす場合において、その着色の方法は、特に限定されないが、昇華式プリント(昇華(気化)させたインクで生地を染め抜く方法のプリント)を採用すると好ましい。これにより、メッシュ状のクラウン裏地12は、気化したインクの細かい粒子で染められるようになり、インクがクラウン裏地12の目をさらに塞ぎにくくなるため、クラウン裏地12の通気性を良好に保つことが可能になる。また、メッシュ状のクラウン裏地12からインクが剥離しにくくすることや、メッシュ状のクラウン裏地12のゴワつきを防ぐことも可能になる。さらに、クラウン裏地12にグラデーションが表われる(クラウン裏地12の色彩が場所に応じて連続的に変化する)ようにすることも容易であり、見栄えのよい意匠部を簡単に表すことも可能になる。第一実施態様の帽子においても、第二意匠部βの裏地側意匠部βは、昇華式プリントによって着色している。
通気用開口部11a及び通気用開口部11bの開口縁は、それぞれ、裏地側意匠部α及び裏地側意匠部βの外縁線とは全く異なる形状としてもよい。しかし、第一実施態様の帽子において、通気用開口部11aは、裏地側意匠部αの外縁線に倣った略「H」字状としており、通気用開口部11bは、裏地側意匠部βの外縁線に倣った略星型としている。このため、通気用開口部11aの開口縁によって裏地側意匠部αの形状をさらに目立たせるとともに、通気用開口部11bの開口縁によって裏地側意匠部βの形状を目立たせることが可能となっている。すなわち、通気用開口部11aの開口縁を、第一意匠部αの構成要素として機能させるとともに、通気用開口部11bの開口縁を、第二意匠部βの構成要素として機能させることが可能となっている。この構成は、後述するように、通気用開口部11a,11bの開口縁に、刺繍α,βによる縁取りを施す場合に採用すると好適である。
このとき、通気用開口部11a及び通気用開口部11bの開口縁は、それぞれ、裏地側意匠部α及び裏地側意匠部βの外縁線に一致する又は当該外縁線よりも内側に位置するように設けてもよい。しかし、第一実施態様の帽子においては、通気用開口部11aを、裏地側意匠部αよりも一回り大きく設けるとともに、通気用開口部11bを、裏地側意匠部βよりも一回り大きく設けている。
このため、通気用開口部11aの開口縁と裏地側意匠部αの外縁線との間には、図3に示すように、幅が略一定の隙間(クラウン裏地12における裏地側意匠部αが設けられていない部分のうち、通気用開口部11aから露出する部分。以下において、「第一意匠部αの裏地露出隙間」と呼ぶことがある。)が形成されるようになっている。同様に、通気用開口部11bの開口縁と裏地側意匠部βの外縁線との間にも、図5に示すように、幅が略一定の隙間(クラウン裏地12における裏地側意匠部βが設けられていない部分のうち、通気用開口部11bから露出する部分。以下において、「第二意匠部βの裏地露出隙間」と呼ぶことがある。)が形成されるようになっている。
このように、第一意匠部αの裏地露出隙間や第二意匠部βの裏地露出隙間を設けることによって、これらの隙間も、第一意匠部αや第二意匠部βの構成要素として機能させることが可能になる。この構成は、クラウン裏地12の色が、裏地側意匠部α,βの色、及び、クラウン表地11における通気用開口部11a,11bの開口縁周辺の色のいずれとも異なる場合に、採用すると好適である。
クラウン表地11における通気用開口部11a,11bの開口縁には、通常、ほつれ防止処理が施される。既に述べたように、このほつれ防止処理は、パイピング処理やかがり縫い等によって行ってもよいが、第一実施態様の帽子においては、図4及び図6に示すように、クラウン表地11における通気用開口部11a,11bの開口縁に沿った箇所を、刺繍α,βによって縁取りすることによって、上記のほつれ防止処理を行っている。これにより、帽子の高級感を高めるとともに、通気用開口部11a,11bの開口縁(刺繍α,β)も、意匠部を構成する一部(表地側意匠部)と認識させることが可能となり、意匠部α,βの意匠性を高めることが可能となっている。
以上のように、第一実施態様の帽子は、メッシュ状のクラウン裏地12における、クラウン表地11の通気用開口部11a,11bに重なる箇所に、裏地側意匠部α,βを設けたことによって、クラウン10における意匠部α,βが施された箇所であっても、ベンチレーションを行うことが可能となっている。
2. 第二実施態様の帽子
続いて、第二実施態様の帽子について説明する。図7は、第二実施態様の帽子を示した斜視図である。以下においては、主に、第一実施態様の帽子と異なる部分を例に挙げて、第二実施態様の帽子の説明を行う。第二実施態様の帽子において特に言及しない構成は、第一実施態様の帽子と同様の構成を採用することができる。
図1に示した第一実施態様の帽子では、クラウン表地11が、5枚の表地用分割生地11a,11b,11c,11d,11eで構成されていた。これに対し、第二実施態様の帽子では、第一実施態様の帽子における表地用分割生地11aに相当する部分が、図7に示すように、着用者の前頭部左側を覆う表地用分割生地11xと、着用者の前頭部右側を覆う表地用分割生地11yとに分割された状態となっている。このため、第二実施態様の帽子は、そのクラウン表地11が計6枚の表地用分割生地11x,11y,11b,11c,11d,11eで構成されている。
この第二実施態様の帽子には、以下のような利点がある。すなわち、第一実施態様の帽子では、クラウン表地11及びクラウン裏地12における、第一意匠部αが設けられる前頭部側を、それぞれ、縫合部分のない1枚の表地用分割生地11a及び裏地用分割生地12aで構成することによって、第一意匠部αを綺麗に設けやすくしていた。しかし、クラウン表地11における、着用者の前頭部を覆う表地用分割生地11aは、保形性に優れた硬い生地(厚めの生地)が用いられることが多いところ、この部分を1枚の生地で構成すると、クラウン10が綺麗な半球状となりにくい。この点、第二実施態様の帽子のように、クラウン表地11における、着用者の前頭部を覆う部分を2枚の表地用分割生地11x,11yで構成することによって、表地用分割生地11x,11yに、保形性に優れた硬い生地を使用した場合であっても、クラウン10を綺麗な半球状にすることが可能となっている。
ただし、第二実施態様の帽子では、表地用分割生地11xと表地用分割生地11yとの縫合部分が、第一意匠部αを通るようになる。このため、第二実施態様の帽子において、この縫合部分(表地用分割生地11xと表地用分割生地11yとの縫合部分)で、クラウン表地11に対してクラウン裏地も縫合してしまうと、第一意匠部αの周辺のクラウン表地11がクラウン裏地に対して浮き上がりにくくなり、第一意匠部αを通じてクラウン表地11とクラウン裏地との間に外気が導入されにくくなる。このため、第一意匠部αによるベンチレーション効果が低下する虞がある。
したがって、第二実施態様の帽子では、表地用分割生地11xと表地用分割生地11yとを縫合した部分では、クラウン表地11に対してクラウン裏地12を縫合しないようにすると好ましい。これにより、クラウン表地11の縫合部分が第一意匠部αを通る場合であっても、第一意匠部αによるベンチレーション効果を維持することが可能になる。
第二実施態様の帽子において、表地用分割生地11x及び表地用分割生地11yの裏側に位置するクラウン裏地は、第一実施態様の帽子と同様、1枚の裏地用分割生地(図2における裏地用分割生地12aを参照)で構成してもよいし、表地用分割生地11x及び表地用分割生地11yと同様の2枚の裏地用分割生地で構成してもよい。
5.用途
本発明に係る構成は、それを用いる帽子の種類を特に限定されず、クラウンが、クラウン表地と、メッシュ状のクラウン裏地とで構成された各種の帽子において採用することができる。本発明に係る構成を採用できる帽子としては、野球帽やゴルフキャップ等の運動帽や、通学帽や、作業帽等が例示される。
10 クラウン
11 クラウン表地
11a 表地用分割生地
11a 通気用開口部
11b 表地用分割生地
11b 通気用開口部
11c 表地用分割生地
11d 表地用分割生地
11e 表地用分割生地
12 クラウン裏地
12a 裏地用分割生地
12b 裏地用分割生地
12c 裏地用分割生地
12d 裏地用分割生地
12e 裏地用分割生地
20 鍔
30 ビン皮
40 裏打ち用帯片
α 第一意匠部
α 刺繍(表地側意匠部)
α 裏地側意匠部
β 第二意匠部
β 刺繍(表地側意匠部)
β 裏地側意匠部

Claims (6)

  1. 着用者の頭部を覆うためのクラウンが、
    クラウンの外面を形成するクラウン表地と、
    クラウンの内面を形成する、メッシュ状のクラウン裏地と、
    で構成され、
    クラウン表地に、所定形状に開口された通気用開口部が設けられた
    帽子であって、
    クラウン裏地における、クラウン表地の通気用開口部に重なる箇所に、文字、模様若しくは色彩又はこれらの結合からなる裏地側意匠部が設けられ、
    裏地側意匠部が、通気用開口部を通じてクラウンの外部から視認できるようにするとともに、
    クラウン表地における通気用開口部の開口縁に沿った箇所が、クラウン裏地に対して縫着されずにクラウン裏地から分離した状態とされ、
    クラウン表地とクラウン裏地との隙間に通気用開口部を通じて外部の空気を導入できるようにした
    ことを特徴とする帽子。
  2. 裏地側意匠部が、刺繍、着色若しくはワッペン又はこれらの結合によってクラウン裏地に設けられたものとされた請求項1記載の帽子。
  3. クラウン表地における通気用開口部の開口縁に沿った箇所が、刺繍によって縁取りされた請求項1又は2記載の帽子。
  4. 通気用開口部の開口縁が、裏地側意匠部の外縁線に倣った形状とされた請求項1〜3いずれか記載の帽子。
  5. 通気用開口部が、クラウン表地における複数箇所に設けられ、
    クラウン裏地における、クラウン表地のそれぞれの通気用開口部に重なる箇所に、裏地側意匠部が表わされた
    請求項1〜4いずれか記載の帽子。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の帽子の製造方法。
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