JP3212249U - 帽子 - Google Patents
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Abstract
【課題】製作が容易で、しかも、使い勝手のよい帽子を提供する。【解決手段】複数枚の生地を縫い合わせてなる帽子であって、生地は縫代を設けず、端縁同士を直接突き合わせた状態で縫い合わせ可能な厚みを有して、該生地の突き合わせ部分6aをミシンによってジグザグ縫い6bした。生地は、二枚の生地を貼り合わせてなり、互いに色または/及び素材が異なる二枚の生地を貼り合わせたり、ダブルフェイスの生地を使用することもある。また、比較的柔軟な生地を用いることで、リバーシブル可能なハットを構成する。【選択図】図1
Description
この考案は、生地に縫代を設けることなく、端縁同士を直接突き合わせて縫合した新規な帽子に関する。
従来、四枚接ぎや六枚接ぎといった複数枚の生地で構成される帽子は、それぞれの生地に縫代を設け、地縫いによって生地同士を縫い合わせている(非特許文献1)。
帽子専門店HATBLOCK、"帽子製作の流れ"、[online]、山鶴株式会社、[平成29年6月1日検索]、インターネット〈URL:http://www.hatblock.co.jp/nagare.html〉
上記従来の帽子の製作方法は、縫代に係る作業として、いくつもの工程と熟練が必要となっている。即ち、裁断時には縫代を考慮しなければならず、また、縫い合わせる際も、カーブ部分は皺が寄りやすいため、適宜間隔で切れ込みを入れなければならないうえ、中表の状態で縫い合わせるため、生地に柄がある場合、生地同士の柄を合わせるために、一々、表面を確認しなければならず、さらに、縫い合わせた後は、縫代を左右に広げてアイロンをかけ(通称、こてわり)、生地に沿わせる必要がある。
また、完成した帽子は、縫代の部分の厚みが増すため、頭部への圧迫感が生じることもあり、さらに、常に縫代を裏側にして着用するため、同じ形の帽子でも好みの色や柄があれば、それ毎に帽子を用意する必要があった。
本考案は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、製作が容易で、しかも、使い勝手のよい帽子を提供することである。
上述した目的を達成するために本考案では、複数枚の生地を縫い合わせてなる帽子であって、前記生地は縫代を設けず、端縁同士を直接突き合わせた状態で縫い合わせ可能な厚みを有して、該生地の突き合わせ部分をミシンによってジグザグ縫いするという手段を用いた。
上記手段によれば、生地同士を端縁突き合わせの状態で直接縫い合わせるため、縫代を必要としない。また、ジグザグ縫いによって生地同士を強固に縫い合わせることができる。
なお、用いる生地は、通常、帽子に使用されている生地から選択することができるが、二枚の生地を貼り合わせたものであることが好ましい。一枚では端縁同士を突き合わせるのに必要な厚みが確保できない薄い生地である場合に、二枚重ねとするこで突き合わせに必要な厚みが確保されるからである。
また、貼り合わせる二枚の生地は、全く同じ色または/及び素材であってもよいが、互いに色または/及び素材が異なるものであることが好ましい。着用者の好みに応じて表側の生地を決定することができからである。ここで色とは、色彩の他、模様および柄を含む概念である。
一方、裁断生地は、ダブルフェイスであることが好ましい。この場合、素材として表裏の区別がなく、何れの面も表面として使用することができるからである。
さらに、本考案の帽子は、キャップやハンチング帽などの片側ブリムの帽子、カウボーイハットやシルクハットなどの全周ブリムの帽子の何れにも適用可能であるが、その中でも、リバーシブル可能なハットであることであることが好ましい。それ一つで二つの用途に使用することができるからである。
本考案によれば、縫代を不要としたことにより、帽子製作が簡易となる。また、全体が均一な厚みとなり、部分的な圧迫感が生じることもない。さらに、リバーシブルなハットとしたので、それ一つで二通りの楽しみ方ができる。
以下、本考案の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は、本考案の一実施形態を示したもので、クラウンのトップ中央を縦に窪ませ、そのサイズ元にブリムを全周に設けた中折れ帽に適用したものである。なお、この中折れ帽は、ソフトフェルトハットとも呼ばれ、さらにソフトハットとも略称されることがある。
本実施形態の中折れ帽は、トップクラウン1と、前後のサイドクラウン2・3と、帯布のリボン4と、ブリム5の合計5枚の生地を縫い合わせてなる。各パーツの形状は、従来の中折れ帽に用いるものと基本的に同じであるが、本考案の場合、縫代はない。
各パーツの生地についても、従来のものと基本的に同じであり、一枚物であってもよいが、本実施形態では、後述する縫い合わせ方法に適した厚みを確保するために、二枚の生地を貼り合わせたものを用いている。貼り合わせる二枚の生地は、同じ生地であってもよいが、色や模様、さらに素材が異なる二枚の生地を貼り合わせることが好ましい。このような二枚重ねの生地は、その都度、二枚の生地を選択して、接着等により貼り合わせて得ることができる他、上記厚みを有するものであれば、当初より二枚重ね生地として製品化されているダブルフェイスの生地を採用することもできる。
このような形状及び生地によって製作される本実施形態の中折れ帽は、まずトップクラウン1にサイドクラウン2・3を縫い合わせてクラウンを製作し、これにリボン4を介してブリム5を縫い合わせるといったように、従来と同じ順番に各パーツを縫い合わせていくが、各パーツの縫い合わせは生地の突き合わせ部分6aをミシンによってジグザグ縫い6bして構成されている(図1中の拡大図参照)。
即ち、図2に示したように、まず適当な二枚の生地7・8を接着等によって貼り合わせ(同図(a))、この二枚重ねの生地9を重ね合わせることなく、端縁同士を直接突き合わせた状態とし(同図(b))、ミシン10によってジグザグ縫いで縫い合わせたものである(同図(c))。なお、図1において、ブリム5の先端側周囲にはステッチを施しているが、これはその部分のほつれを防止すると同時に、装飾性を考慮したものである。
このように製作した中折れ帽は、全体が均一な厚みとなるため、部分的に頭部を圧迫する部分がなく、装着感に優れる。また、素材や色、模様が異なる二枚の生地を貼り合わせ、裏返し可能な柔軟性を有する生地を使用しているため、それぞれの素材や色等に応じた二種類の風合いを有するリバーシブルなハットとすることができた。
1 トップクラウン
2・3 サイドクラウン
4 帯布のリボン
5 ブリム
6a 生地の突き合わせ部分
6b 縫い合わせ部分(ジグザグ縫い)
2・3 サイドクラウン
4 帯布のリボン
5 ブリム
6a 生地の突き合わせ部分
6b 縫い合わせ部分(ジグザグ縫い)
Claims (5)
- 複数枚の生地を縫い合わせてなる帽子であって、前記生地は縫代を設けず、端縁同士を直接突き合わせた状態で縫い合わせ可能な厚みを有して、該生地の突き合わせ部分をミシンによってジグザグ縫いしたことを特徴とした帽子。
- 生地は、二枚の生地を貼り合わせてなる請求項1記載の帽子。
- 貼り合わせる二枚の生地は、互いに色または/及び素材が異なる請求項2記載の帽子。
- 生地は、ダブルフェイスである請求項1記載の帽子。
- 帽子はリバーシブル可能なハットである請求項1から4のうち何れか一項記載の帽子。
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2017
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