JP7465526B2 - 帽子 - Google Patents

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Description

本発明は、ベンチレーション機能を備えた帽子に関する。
強い日差しを長時間に亘って頭部に浴びると、日射病にかかるおそれがある。このため、日差しの強い日中に野外活動を行う際には、帽子を被ることが推奨されている。しかし、夏の暑い時期に帽子を被ると、頭が蒸れて不快さを感じることも多く、帽子を敬遠する者も多い。特に、撥水加工や防水加工が施された生地でクラウンを形成した帽子は、通気性を確保することが困難であるために、そのような傾向が強い。このような実状に鑑みてか、帽子メーカーは、通気性を向上させるための様々な工夫を帽子に施すようになってきている。
例えば、特許文献1の図1には、着用者の頭部を覆うクラウン1に通気部2を設けて、クラウン1の内側と外側とで換気(ベンチレーション)を行うことができるようにした帽子が提案されている。同文献の帽子は、クラウン1を形成する複数枚の生地を、通気部2を形成するメッシュ織物(メッシュ生地)と、通気部2以外の箇所を形成する六角形片1b(非メッシュ生地)とで切り替えることによって、クラウン1に通気部2を形成している。
また、特許文献2の図1及び図2には、着用者の頭部を覆うクラウン2と、クラウン2の下縁から前方に突出して設けられたつば4(前鍔)とを備えた帽子であって、クラウン2における前方下縁部から頂部に至る部分を、表地(クラウン2A)と裏地(内層3)とを重ねた構造とし、表地2Aと裏地3との隙間6が、ベンチレーション空間として機能するようにしたものが記載されている。
実開平06-065433号公報 特許第6233909号公報
しかし、特許文献1の図1に示された帽子のように、クラウン1を構成する生地をメッシュ生地と非メッシュ生地で切り替えると、縫製が難しくなるという問題があった。特に、メッシュ生地は、通常の生地(非メッシュ生地)と比べて目が大きいため、そのままの状態では、他の生地に対して強固な状態(ほつれ等が生じない状態)で縫着しにくい。このため、メッシュ生地を他の生地に縫着する際には、メッシュ生地の縁部に補強処理を施す必要があるところ、特許文献1の帽子のように、複数個所に通気部2(メッシュ生地で形成された部分)を形成するのには、多大な手間を要するようになる。
また、特許文献2の図1及び図2に示された帽子では、クラウン1の内側に空気を導入する部分が、前鍔4の基端縁付近に下向きに形成されている。このため、前鍔4の下面側にある空気W(同文献の図2を参照。)をクラウン2の内側(隙間6)に取り入れることができても、前鍔4の上面側にある空気をクラウン2の内側(隙間6)に取り入れることができなかった。このため、この帽子では、ベンチレーション機能を高めにくいという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、クラウンを構成する生地をメッシュ生地と非メッシュ生地とで切り替えることなく、前鍔の上面側にある空気をクラウンの内側に取り入れることができ、クラウンのベンチレーションを効率的に行うことができる帽子を提供するものである。
上記課題は、
着用者の頭部を覆うクラウンと、
クラウンの下縁から前方に突出して設けられた前鍔と
を備えた帽子であって、
クラウンの前面部における、前鍔よりも上側に位置する部分に、クラウン外側の空気をクラウン内側に取り入れるための空気取入口が設けられるとともに、
前記空気取入口の内側が、クラウンの前面部の内面に沿って設けられたメッシュ生地からなる前立てによって覆われた状態とされた
ことを特徴とする帽子
を提供することによって解決される。
ここで、「前立て」とは、帽子(その多くは、前鍔を有するキャップ型の帽子)において、クラウンの前面部の保形を行うために、クラウンの前面部の内面側に宛がわれる保形用の面状芯材のことを言う。以前の前立ては、セルロイド等の合成樹脂からなる板材を用いたものが多かったが、近年の前立ては、メッシュ生地で形成されていることが多い。メッシュ生地で形成された前立ては、「前立てメッシュ」と呼ばれることもある。通常、前立ては、その下縁部のみがクラウンの下縁部に対して縫着され、前立ての下縁部以外の縁部(上縁部や側縁部)は、クラウンに対して縫着されずにふらされた状態となっている。
このように、クラウンの前面部に空気取入口を設け、クラウンの前面部の内面側に配したメッシュ生地からなる前立て(前立てメッシュ)によって、空気取入口を内側から塞ぐことで、クラウンを構成する生地をメッシュ生地と非メッシュ生地とで切り替えることなく、メッシュ生地で覆われた空気取入口をクラウンの前面部に形成することが可能になる。したがって、クラウンのベンチレーション機能を有する帽子を低コストで製造することが可能になる。
加えて、クラウンの内側に空気を取り入れる空気取入口を、クラウンの前面部における前鍔よりも上側に位置する部分に設けたことによって、前鍔の上面側に位置する空気をクラウンの内側に取り入れることができる。したがって、クラウンのベンチレーションを効率的に行うことが可能になる。というのも、帽子を被った状態で歩いたり走ったりした際には、前鍔の下面側よりも、前鍔の上面側に大きな空気の流れが生ずるところ、この大きな空気の流れをクラウンの内側に取り入れることができるようになるからである。
本発明の帽子において、空気取入口は、クラウンの前面部の中央部等、クラウンの前面部における目立つ箇所に設けてもよい。しかし、この場合には、帽子のデザインの自由度が大幅に制限されてしまう。また、空気取入口からクラウンの内側に取り入れられた空気が、クラウンの内側における広い範囲に行き渡りにくくなるおそれもある。クラウンの前面部の中央部から入った空気は、その場所から左右や上側には移動しやすいものの、下側には移動しにくく、帽子の着用者の額周辺には移動しにくいからである。
このため、本発明の帽子では、前記空気取入口を、クラウンの下縁に沿った箇所に設けることが好ましい。これにより、空気取入口を目立ちにくくして、帽子のデザインの自由度を高めることができる。特に、野球帽等のキャップ型の帽子では、クラウンの前面部にエンブレムが表わされることも多いところ、エンブレムを表わすのに邪魔にならない箇所に空気取入口を設けることができる。また、空気取入口からクラウンの内側に取り入れられた空気を、クラウンの内側における広い範囲に行き渡らせることも可能になる。
本発明の帽子においては、前鍔の下面側にある空気を前鍔の上面側に透過させて前記空気取入口に導くための空気透過部を、前鍔の基端寄りの部分に設けることも好ましい。これにより、前鍔の上面側にある空気だけでなく、前鍔の下面側にある空気も、空気取入口からクラウンの内側に取り入れることができるようになる。したがって、クラウンのベンチレーションをより効率的に行うことが可能になる。
上記のように、前鍔に空気透過部を設ける場合、その空気透過部は、完全な開口部(他の部材等で覆われていない穴の状態)であってもよい。しかし、この場合には、空気透過部を通じて帽子の着用者の目に日光が入りやすくなり、前鍔が庇としての機能を発揮しにくくなる。加えて、空気透過部が外観的に目立ちやすくなり、帽子の見た目が悪くなるおそれもある。このため、前記空気透過部は、メッシュ生地で覆った状態で設けることが好ましい。これにより、帽子の見た目を良くするだけでなく、前鍔の機能(庇としての機能)を維持することも可能になる。
本発明の帽子において、クラウンにおける側面部や後面部を形成する部分は、非メッシュ生地で形成してもよい。しかし、空気は、それが通り抜ける出口が多く設けられているほど、効率的に流れるようになる。このため、クラウンにおける側面部又は後面部を形成する部分は、メッシュ生地によって形成することが好ましい。これにより、空気取入口からクラウンの内側に取り入れられた空気が、クラウンの側面部や後面部における広い範囲からクラウンの外側に出るようになり、クラウンの内側に空気がより流れやすくすることができる。もちろん、クラウンの側面部や後面部を通じてクラウンの内側に空気を取り入れることもできる。したがって、クラウンのベンチレーションをより効率的に行うことが可能になる。
以上のように、本発明によって、クラウンを構成する生地をメッシュ生地と非メッシュ生地とで切り替えることなく、前鍔の上面側にある空気をクラウンの内側に取り入れることができ、クラウンのベンチレーションを効率的に行うことができる帽子を提供することが可能になる。
本発明の帽子を示した斜視図である。 本発明の帽子における空気取入口の周辺を拡大して示した斜視図である。 本発明の帽子を下側から見た状態を示した底面図である。 本発明の帽子におけるクラウンの前面部及び前鍔を、左右方向に垂直な平面で切断した状態を示した断面図である。
本発明の帽子の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。図1は、本発明の帽子を示した斜視図である。図2は、本発明の帽子における空気取入口αの周辺を拡大して示した斜視図である。図3は、本発明の帽子を下側から見た状態を示した底面図である。図4は、本発明の帽子におけるクラウン10の前面部及び前鍔20を、左右方向に垂直な平面で切断した状態を示した断面図である。
本発明の帽子は、図1に示すように、クラウン10と前鍔20とを備えている。図3及び図4に示すように、クラウン10の前面部11の内面側には、前立て30が設けられている。また、本実施態様の帽子においては、図3に示すように、クラウン10の内面側におけるクラウン10の下縁部に沿った箇所に、ビン皮40を設けている。
クラウン10は、着用者の頭部を覆うためのものとなっている。前鍔20は、帽子の着用者の目に日光が入らないようにするための部分(庇としての機能を発揮する部分)となっている。前立て30は、クラウン10の前面部11の保形を行うために、クラウン10の前面部11の内面側に宛がわれる保形用の面状芯材となっている。ビン皮40は、着用者の頭部の汗を吸い取るため部分となっている。
以下、本発明の帽子を構成する各部材について詳しく説明する。

1.クラウン
クラウン10は、図1に示すように、半球状を為している。本実施態様の帽子では採用していないが、クラウン10の後縁部に沿った箇所には、切込部を設け、その切込部にサイズ調節ベルトを取り付ける場合もある。これにより、クラウン10の下縁部の周長を、着用者の頭囲に応じて調節することが可能になる。
クラウン10は、通常、複数枚の生地を繋ぎ合わせることによって、半球状に形成される。クラウン10を構成する生地の枚数は、特に限定されない。本実施態様の帽子では、6枚の三角形状の生地(いわゆる「れんげ」)を繋ぎ合わせることによって、クラウン10を形成している。
具体的には、着用者の頭部の左前部を覆う生地及び右前部を覆う生地と、着用者の頭部の左側部を覆う生地及び右側部を覆う生地と、着用者の頭部の左後部及び右後部を覆う生地とで、クラウン10を形成している。このうち、着用者の頭部の左前部を覆う生地と右前部を覆う生地とが、クラウン10の前面部11を形成している。
クラウン10を構成する複数枚の生地の繋ぎ合わせは、通常、縫合によって行われるが、シームレス加工(例えば、超音波による振動で生地同士を摩擦することで熱を発生させ、生地を溶融させて互いに溶着させる加工等)によって繋ぎ合わせる場合もある。
クラウン10は、通気性を有さない生地で形成してもよい。しかし、この場合には、着用者の頭部が蒸れやすくなる。この点、メッシュ生地であれば、通気性に優れている。しかし、メッシュ生地は、非メッシュ生地と比較して遮光性に劣る。このため、本実施態様の帽子においては、クラウン10の前面部11を非メッシュ生地で形成し、クラウン10における前面部11以外の箇所をメッシュ生地で形成している。これにより、クラウン10を必要な遮光性を有しながらも、通気性に優れたものとすることが可能となっている。
クラウン10の前面部11には、空気取入口αを設けている。この空気取入口αは、クラウン10の外側の空気をクラウン10の内側に取り入れるための部分となっている。空気取入口αの内側は、後述するメッシュ生地から成る前立て30で覆われた状態となっている。このため、空気取入口αからクラウン10の内側(ビン皮40や着用者の頭部)が露出しないようにしながらも、空気取入口αの通気性を確保することが可能となっている。
空気取入口αを設ける場所は、クラウン10の前面部であれば、特に限定されない。しかし、既に述べた理由により、クラウン10における目立ちやすい箇所に空気取入口αを設けることは好ましくない。このため、本実施態様の帽子においては、クラウン10の前面部11における、クラウン10の下縁に沿った箇所(前鍔20との境界部付近)に、空気取入口αを設けている。これにより、空気取入口αを目立ちにくくして、帽子の見た目を良くすることが可能となっている。また、クラウン10の前面部11の中央部分にエンブレムを表わす等、帽子のデザインの自由度を高めることもできる。
また、空気取入口αからクラウン10の内側に取り入れられた空気は、着用者の頭部の表面に沿って流れるようになるところ、空気取入口αよりも下側には行きにくい。この点、空気取入口αを設ける場所自体を、クラウン10の下縁部に沿った箇所(低い位置)としたことによって、空気取入口αからクラウン10の内側に取り入れられた空気を、クラウン10の内側における広い範囲に行き渡らせることも可能となっている。本実施態様の帽子においては、空気取入口αを1箇所のみに設けているが、複数個所に分断して設けてもよい。
空気取入口αの形状は、特に限定されない。しかし、空気取入口αを大きくしすぎると、空気取入口αが目立ちやすくなるおそれがある。その一方で、空気取入口αを小さくしすぎると、クラウン10の外側の空気がクラウン10の内側に取り込まれにくくなるおそれがある。
このため、本実施態様の帽子では、図2に示すように、空気取入口αを、クラウン10の前面部11の下縁部における中央区間(左端近傍及び右端近傍を除いた区間)に沿って帯状に形成している。これにより、空気取入口αを目立ちにくくしながらも、空気取入口αから空気を効率的に取り込むことが可能となっている。
具体的に、空気取入口αの横幅W(図2)をどの程度に設定するのかは、特に限定されない。しかし、空気取入口αの横幅Wが小さすぎると、クラウン10のベンチレーションが効率的に行われにくくなる。このため、空気取入口αの横幅W(上下位置によって横幅Wが異なる場合にはその最大値。以下同じ。)は、50mm以上とすることが好ましい。空気取入口αの横幅Wは、80mm以上とすることがより好ましく、100mm以上とすることがさらに好ましい。
ただし、空気取入口αの横幅Wが大きすぎると、空気取入口10が目立ちやすくなるおそれがある。加えて、本実施態様の帽子のように、クラウン10の前面部11の下縁部に沿った箇所に空気取入口αを設ける場合には、クラウン10の下縁部が捲れ上がりやすくなるおそれもある。このため、空気取入口αの横幅Wは、200mm以下とすることが好ましい。本実施態様の帽子においては、空気取入口αの横幅Wを、約140mmとしている。
また、空気取入口αの縦幅W(図2)をどの程度に設定するのかも特に限定されない。しかし、空気取入口αの縦幅Wが小さすぎると、クラウン10のベンチレーションが効率的に行われにくくなる。このため、空気取入口αの縦幅W(左右位置によって縦幅Wが異なる場合にはその最大値。以下同じ。)は、3mm以上とすることが好ましい。空気取入口αの縦幅Wは、5mm以上とすることがより好ましく、7mm以上とすることがさらに好ましい。
ただし、空気取入口αの縦幅Wが大きすぎると、空気取入口10が目立ちやすくなるおそれがある。このため、空気取入口αの縦幅Wは、50mm以下とすることが好ましい。空気取入口αの縦幅Wは、30mm以下とすることがより好ましく、20mm以下とすることがさらに好ましい。本実施態様の帽子においては、空気取入口αの縦幅Wを、約10mmとしている。

2.前鍔
前鍔20は、クラウン10の前側の下縁から前方に突出して設けられている。本実施態様の帽子において、前鍔20は、図4に示すように、前鍔20の保形を行う保形芯21と、保形芯21の上側を覆う上側生地22a,22bと、保形芯21の下側を覆う下側生地23とで構成している。保形芯21は、樹脂やエラストマーや厚紙など、ある程度の厚みと硬さを有する素材で形成される。また、上側生地22aは、薄手のメッシュ生地となっており、上側生地22bは、厚手のメッシュ生地となっている。さらに、下側生地23は、薄手のメッシュ生地となっている。
ところで、鍔(庇)を備えた各種の帽子のなかには、クラウン10の下縁全周部を取り囲む環状鍔を備えたもの(プリム型の帽子など)もある。この環状鍔などは、「前鍔」の概念から除外されて解釈されることがある。しかし、環状鍔であっても、クラウン10の下縁から前方に突出する部分を有している(その一部が、前鍔に相当する部分となっている)ことには変わらない。このため、本明細書においては、クラウン10の下縁から前方に突出した部分を有するのであれば、環状鍔なども、「前鍔」の概念から除外されないものとする。
ところで、本発明の帽子では、上述したように、クラウン10の前面部11に設けた空気取入口αを通じてクラウン10の内側に空気を取り入れるところ、それだけでは、前鍔20の上面側にある空気A(図4)を空気取入口αに導入することができても、前鍔20の下面側にある空気A(図4)を空気取入口αに導入することができない。このため、得られるベンチレーション効果が限定的になる。
このため、本実施態様の帽子においては、図1に示すように、前鍔20の基端(クラウン10の下縁に接続される側の端縁)寄りの部分に、空気透過部βを設けている。この空気透過部βを設けたことによって、図4に示すように、前鍔20の下面側の空気Aが、空気透過部βを透過して前鍔20の上面側に移動し、空気取入口αからクラウン10の内側に取り込まれるようになっている。したがって、クラウン10のベンチレーションをより効果的に行うことが可能となっている。
空気透過部βは、前鍔20の基端寄りの部分に設けられるのであれば、その配置を特に限定されない。本実施態様の帽子においては、前鍔20の基端縁に達する状態で空気透過部βを設けている。具体的には、前鍔20の保形芯21(図4)の基端縁中央部に切欠部を設け、その切欠部が空気透過部βとして機能するようにしている。
これにより、空気取入口αに連続する形で空気透過部βを設け、空気透過部βを下側から上側に透過してきた空気(前鍔20の下面側にあった空気A)が空気取入口αに効率的に取り込まれるようになっている。加えて、帽子の着用者の額に保形芯21の基端縁が突き当たりにくくして、帽子の被り心地が良くなっている。本実施態様の帽子においては、空気透過部βを1箇所のみに設けているが、複数個所に分断して設けてもよい。
空気透過部βの形態も、特に限定されない。本実施態様の帽子においては、図2に示すように、空気透過部βを半円形状に設けている。換言すると、前鍔20の保形芯21をU字状に形成し、その保形芯21における半円形状に凹んだ部分が、空気透過部βとなるようにしている。このため、空気透過部βを広く確保しながらも、保形芯21をシンプルで安定性に優れた形態とすることが可能となっている。
前鍔20の下面側にある空気A(図4)が空気透過部βを通じて空気取入口αに取り込まれやすくするためには、空気透過部βの面積を、ある程度大きくすることが好ましい。具体的には、空気透過部βの面積を、5cm(空気透過部βを複数個所に分断して設ける場合には、それぞれの空気透過部βの面積を合計した値。以下同じ。)以上とすることが好ましい。空気透過部βの面積は、10cm以上とすることがより好ましく、15cm以上とすることがさらに好ましい。
ただし、空気透過部βの面積を大きくしすぎると、前鍔20の形態を維持しにくくなるおそれがある。また、空気透過部βが目立ちやすくなり、帽子の見た目が悪くなるおそれもある。このため、空気透過部βの面積は、広くしすぎるのもよくない。空気透過部βの面積は、50cm以下とすることが好ましい。空気透過部βの面積は、40cm以下とすることがより好ましく、30cm以下とすることがさらに好ましい。本実施態様の帽子においては、空気透過部βの面積を20~25cmの範囲としている。
空気透過部βの横幅W(図3)は、ある程度広く確保する。空気透過部βの横幅Wが狭いと、空気透過部βを通過する空気の流量を確保しにくくなるからである。また、保形芯21の基端縁における広い範囲で保形芯21が着用者の額に突き当たるようになり、着用者が違和感を覚えやすくなるおそれもある。このため、空気透過部βの横幅W(前後位置によって縦幅Wが異なる場合にはその最大値。以下同じ。)は、50mm以上とすることが好ましい。空気透過部βの横幅Wは、80mm以上とすることがより好ましく、100mm以上とすることがさらに好ましい。
ただし、空気透過部βの横幅Wを広くしすぎると、クラウン10に対して前鍔20をしっかりと固定しにくくなり(前鍔20の向きを安定させにくくなり)、前鍔20が垂れ下がりやすくなる。このため、空気透過部βの横幅Wは、170mm以下とすることが好ましい。空気透過部βの横幅Wは、160mm以下とすることがより好ましく、150mm以下とすることがさらに好ましい。本実施態様の帽子においては、空気透過部βの横幅Wを130~140mmの範囲としている。
空気透過部βの縦幅W(図3)も、ある程度広く確保する。空気透過部βの縦幅Wが狭いと、前鍔20の下面側にある空気A(図4)が空気透過部βを通じて前鍔10の上面側に透過しにくくなるからである。このため、空気透過部βの縦幅Wは、10mm以上とすることが好ましい。空気透過部βの縦幅Wは、20mm以上とすることがより好ましく、30mm以上とすることがさらに好ましい。
ただし、空気透過部βの縦幅Wを広くしすぎると、空気透過部βが前鍔20の先端縁(前端縁)近くまで延在するようになり、前鍔20の強度を維持しにくくなるおそれもある。このため、空気透過部βの縦幅Wは、100mm以下とすることが好ましい。空気透過部βの縦幅Wは、70mm以下とすることがより好ましく、50mm以下とすることがさらに好ましい。本実施態様の帽子においては、空気透過部βの横幅Wを30~40mmの範囲としている。
既に述べたように、本実施態様の帽子において、空気透過部βは、前鍔20の保形芯21に設けた開口部(乃至は切欠部)の形態で設けられる。この空気透過部βは、開口部の状態のままとしてもよいが、この場合には、空気透過部βを通じて帽子着用者の目に日光が入りやすくなり、前鍔20が庇としての機能を発揮しにくくなる。加えて、空気透過部βが目立ちやすくなり、帽子の見た目が悪くなるおそれもある。
このため、本実施態様の帽子においては、図2に示すように、空気透過部βを、メッシュ生地で覆っている。具体的には、既に述べたように、前鍔20を、保形芯21と、前鍔20における上側生地22a,22b及び下側生地23をメッシュ生地で形成したところ、保形芯21を切り欠いた部分(空気透過部βとなる部分)に、上側生地22a,22b及び下側生地23を延在させている。これにより、空気透過部βが設けられた帽子をスタイリッシュに見せることが可能となっている。

3.前立て
前立て30は、保形性を有するメッシュ生地によって形成されている。前立て30の縁部には、縁取りを施しており、解れが生じないようにしている。前立て30の下縁部は、図4に示すように、クラウン10の前面部11における下縁部に対して縫着(固着)された状態となっている。前立て30の下縁部以外の縁部(上縁部や側縁部)は、クラウン10に対して縫着されずにふらされた状態となっている。この前立て30によって、クラウン10の前面部11が内側から支えられた状態となっている。このため、クラウン10の前面部11の保形性を高め、クラウン10が型崩れしないようにすることが可能となっている。
前立て30の形状は、クラウン10の形状等に応じて適宜決定される。本実施態様の帽子においては、矩形状を為す前立て30を、クラウン10の形状に沿うように、クラウン10の下縁部に沿って湾曲させている。このため、図3に示すように、クラウン10の内側を下側から見たときには、前立て30がU字状乃至はV字状に見えるようになっている。この他、前立て30は、クラウン10の前面部11を形成する生地(れんげ)に倣った三角形状に形成することもできる。
前立て30をクラウン10の前面部11におけるどの程度の高さまで設けるかは特に限定されない。しかし、前立て30が低いと、前立て30でクラウン10の前面部11をしっかりと支持することができなくなる。加えて、本発明の帽子において、前立て30は、上記の空気取入口αの内側を覆う機能をも有するところ、前立て30が低いと、空気取入口αの全体を前立て30で覆うことができなくなるおそれもある。
このため、前立て30は、少なくとも、空気取入口αの上端よりも高い位置まで設けられ、好ましくは、クラウン10の前面部11の高さの1/2以上の位置まで設けることが好ましい。本実施態様の帽子においては、図4に示すように、クラウン10の前面部11における屈曲部付近の高さまで前立て30を設けている。このため、空気取入口αの全体が前立て30で覆われた状態となっている。また、クラウン10の前面部11における中央部には、ワッペンや刺繍によりエンブレムが施されることが多いところ、このエンブレムが施される部分の裏側(内側)も、前立て30で支持することができるようになっている。

4.ビン皮
ビン皮40は、図3に示すように、クラウン10の内側でクラウン10の下縁部に沿って設けられた帯状の素材となっている。図4に示すように、ビン皮40の下縁部は、クラウン10の下縁部に沿って縫着(固着)されている。ビン皮40をクラウン10に対して縫着する際には、通常、上記の前鍔20や前立て30もクラウン10に対して縫着される。前立て30は、クラウン10の前面部11とビン皮40との間に挟まれた状態に設けられる。ビン皮40の上縁部は、クラウン10に対して縫着されておらず、ふらされた状態となっている。
このビン皮40は、着用者の頭部の汗を吸収する機能を有している。このため、ビン皮40は、吸水性と速乾性に優れた素材で形成することが好ましい。本実施態様の帽子においては、内層(着用者の頭部に接触する側の層)に太い繊維を用い、外層に細い繊維を用いた織物でビン皮40を形成している。このため、着用者の頭部の汗を毛細管現象によりビン皮40に速やかに吸収させることができるようになっている。

5.小括
以上のように、本発明の帽子では、クラウン10を構成する生地をメッシュ生地に切り替えることによって空気取入口αを設けるのではなく、クラウン10に設けた開口部の内側をメッシュ生地からなる前立て30で覆うことによって空気取入口αを設けたものとなっている。このため、一般的な帽子(クラウン10の前面部11に空気取入口αを有さない帽子)よりも縫製が簡単であるにもかかわらず、クラウン10に優れたベンチレーション機能を付与することが可能となっている。
加えて、本発明の帽子では、空気取入口αを、クラウン10の前面部11における前鍔20よりも上側に位置する部分に設けたことによって、前鍔20の上面側に位置する空気A等をクラウン10の内側に取り入れることができるようになっている。また、前鍔20に空気透過部βを設けることによって、前鍔20の下面側にある空気Aも空気取入口αからクラウン10の内側に取り入れることもできる。したがって、クラウン10のベンチレーションを効率的に行うことが可能となっている。

6.その他
本実施態様の帽子では、クラウン10の前面部11の下縁部に沿って空気取入口αを設けた。この点、クラウン10の前面部11の下縁部における空気取入口αを区画する区間(以下、「空気取入口形成区間」と呼ぶことがある。)は、前立て30の前面に密着させてもよいが、前立て30の前面から浮いた状態としてもよい。これにより、空気取入口αからクラウン10の内側に空気が取り込まれやすくなる。
クラウン10の前面部11における空気取入口形成区間を、前立て30の前面から浮いた状態とする場合には、その空気取入口形成区間に沿って保形用線材を設けることもできる。これにより、空気取入口形成区間がアーチ状等に保たれやすくして、空気取入口形成区間が前立て30の前面から浮いた状態を維持しやすくなる。保形用線材としては、形状保持樹脂や金属からなる線材などが例示される。

7.用途
本発明の帽子は、その用途を特に限定されず、各種の用途で用いることができる。なかでも、暑い環境下で着用されることが多い運動帽や作業帽や通学帽として好適に用いることができる。特に、野球帽として好適である。野球帽は、クラウンの前面部の内面に沿って前立てが設けられることが一般的であり、本発明の帽子に係る構成を無理のない自然な状態で実現することができるからである。
10 クラウン
11 クラウンの前面部
12 クラウンの側面部及び後面部
20 前鍔
21 保形芯
22a (上側生地)
22b (上側生地)
23 下側生地
30 前立て
前鍔の上面側にある空気
前鍔の下面側にある空気
空気取入口の横幅
空気取入口の縦幅
空気透過部の横幅
空気透過部の縦幅
α 空気取入口
β 空気透過部


Claims (5)

  1. 着用者の頭部を覆うクラウンと、
    クラウンの下縁から前方に突出して設けられた前鍔と
    を備えた帽子であって、
    クラウンの前面部における、前鍔よりも上側に位置する部分に、クラウン外側の空気をクラウン内側に取り入れるための空気取入口が設けられるとともに、
    前記空気取入口の内側が、クラウンの前面部の内面に沿って設けられたメッシュ生地からなる前立てによって覆われた状態とされ
    前記空気取入口が、クラウンの下縁に沿った箇所に設けられ
    ことを特徴とする帽子。
  2. 前鍔の下面側にある空気を前鍔の上面側に透過させて前記空気取入口に導くための空気透過部が、前鍔の基端寄りの部分に設けられた請求項記載の帽子。
  3. 前記空気透過部が、メッシュ生地で覆われた請求項記載の帽子。
  4. 前記空気透過部が、前鍔の基端縁に達する状態に設けられた請求項又は記載の帽子。
  5. クラウンにおける側面部又は後面部を形成する部分が、メッシュ生地によって形成された請求項1~いずれか記載の帽子。
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