JP7410563B2 - 帽子 - Google Patents

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Description

本発明は、帽子に関する。
クラウン(帽子における着用者の頭部を覆う部分)の内部と外部とで換気(ベンチレーション)を行うことができるようにした帽子は、これまでに各種のものが提案されている。例えば、特許文献1の図2及び図5には、クラウン110を、遮光素材からなるクラウン表地111と、通気素材からなるクラウン裏地112とで構成し、クラウン表地111の下縁における所定区間Sを、クラウン裏地112に対して縫着せずにふらした状態とし、クラウン表地111の下縁におけるふらした部分の隙間からクラウン表地111とクラウン裏地112との隙間へ外気を導入することができるようにした帽子100が記載されている。
特開2008-308790号公報
ところが、特許文献1の帽子は、同文献の図4に示されるように、クラウン110の内側におけるクラウン110の下縁に沿った箇所に、ビン皮130が環状に取り付けられているところ、同文献の図5に示すように、クラウン表地111を、ビン皮130の下縁付近まで延在させると、クラウン表地111の下縁におけるふらした部分の隙間から空気が効率的に取り込まれにくくなる場合があった。このため、特許文献1の帽子において、空気が効率的に取り込まれるようにするためには、同文献の図6及び図7に示すように、クラウン表地111の下縁をビン皮130の下縁よりも高い位置とする必要があった。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、クラウンの下縁に沿った箇所にビン皮が環状に取り付けられた帽子であっても、クラウン(特にクラウン表地)の下縁の位置を高くすることなく、クラウンの下側からクラウンの内部へと空気を効率的に取り込むことができるようにした帽子を提供するものである。
上記課題は、
着用者の頭部を覆うクラウンと、
クラウンの内側におけるクラウンの下縁部に沿った箇所に環状(開環状も含む。以下同じ。)に取り付けられたビン皮と
を備えた帽子であって、
クラウンの下縁部に対してビン皮を固着しない区間(以下「非固着区間」という。)を設けることによって、
非固着区間におけるクラウンとビン皮との隙間を通じてクラウンの内外のベンチレーションを行うことができるようにした
ことを特徴とする帽子
を提供することによって解決される。
これにより、クラウンの下縁に沿った箇所にビン皮が環状に取り付けられた帽子でありながら、クラウン(特にクラウン表地)の下縁の位置を高くすることなく、クラウンの下側からクラウンの内部へと空気が効率的に取り込まれるようにすることができる。
本発明の帽子において、前記隙間(非固着区間におけるクラウンとビン皮との隙間)は、クラウンの下縁部の全周部において1箇所のみに設けていてもよい。しかし、この場合には、クラウンにおける狭い範囲でしかベンチレーションが行われなくなるおそれがある。このため、非固着区間を、クラウンの下縁部に沿って繰り返し設けることによって、複数の前記隙間を、クラウンの下縁部に沿って環状に設けることが好ましい。これにより、クラウンにおける広い範囲でベンチレーションが行われやすくすることができる。
本発明の帽子においては、一の非固着区間に沿ったビン皮の長さを、当該一の非固着区間に沿ったクラウンの下縁部の長さよりも短くすることが好ましい。これにより、クラウンの下縁部における余った部分をビン皮から外側に浮きやすくして、前記隙間(非固着区間におけるクラウンとビン皮との隙間)を潰れにくくすることが可能になる。したがって、前記隙間を通じてベンチレーションが適切に行われやすくなる。
ところで、本発明の帽子が、クラウンの前方下縁部から前方に突出する前鍔を備えており、且つ、前記隙間(非固着区間におけるクラウンとビン皮との隙間)をクラウンの前方下縁部に有している場合には、前鍔の上側に位置する空気が、前鍔に邪魔をされて前記隙間に入りにくい。帽子の着用者がランニングや歩行をする際には、クラウンの前面(クラウンは、当然、前鍔よりも上側に位置している。)に空気が当たりやすいところ、ベンチレーションを効果的に行うためには、この空気も前記隙間に取り込みたいところである。
このため、本発明の帽子に前鍔を設け、前記隙間(非固着区間におけるクラウンとビン皮との隙間)をクラウンの前方下縁部に形成する場合には、前鍔における基端(クラウンの前方下縁部と接続される側の端部)寄りの部分に、前鍔の上下で通気を行うための前鍔側通気部を設けることが好ましい。これにより、前鍔の上側にある空気を、前鍔側通気部に通して前鍔の下側に透過させ、前記隙間に取り込ませることが可能になる。
この場合には、クラウンの前方下縁部に、クラウンの内外で通気を行うためのクラウン側通気部を設けることも好ましい。これにより、前鍔の上側にある空気を、クラウン側通気部を通じて前記隙間(非固着区間におけるクラウンとビン皮との隙間)に直接的に取り込むことも可能になる。したがって、クラウンの外部の空気を前記隙間に効率的に取り込むことができるようになり、ベンチレーションをより効果的に行うことが可能になる。
以上のように、本発明によって、クラウンの下縁に沿った箇所にビン皮が環状に取り付けられた帽子であっても、クラウン(特にクラウン表地)の下縁の位置を高くすることなく、クラウンの下側からクラウンの内部へと空気を効率的に取り込むことができるようにした帽子を提供することが可能になる。
本発明の帽子を示した斜視図である。 本発明の帽子におけるクラウンの前方下縁部周辺を拡大して示した斜視図である。 本発明の帽子を示した底面図である。 本発明の帽子における前鍔の先端縁からクラウンの前方下縁部に至る部分を拡大して示した断面図である。
本発明の帽子の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。図1は、本発明の帽子を示した斜視図である。図2は、本発明の帽子におけるクラウン10の前方下縁部周辺を拡大して示した斜視図である。図3は、本発明の帽子を示した底面図である。図4は、本発明の帽子における前鍔20の先端縁からクラウン10の前方下縁部に至る部分を拡大して示した断面図である。
本実施態様の帽子は、図1に示すように、クラウン10と前鍔20とビン皮30(図3を参照。)とを備えている。
クラウン10は、着用者の頭部を覆うためのものとなっている。クラウン10は、通常、複数枚の生地を繋ぎ合わせることによって、半球状に形成される。本実施態様の帽子は、「れんげ」と呼ばれる三角形状の6枚の生地を繋ぎ合わせることによって、クラウン10を形成している。クラウン10を構成する複数枚の生地の繋ぎ合わせは、通常、縫合によって行われるが、シームレス加工(例えば、超音波による振動で生地同士を摩擦することで熱を発生させ、生地を溶融させて互いに溶着させる加工等)によって繋ぎ合わせる場合もある。図3に示すように、クラウン10の後方下縁部には、切込部10aを設けており、その切込部10aにサイズ調節ベルト40を取り付けている。このため、サイズ調節ベルト40の長さを調節することで、クラウン10の下縁部の長さ(周長)を調節することができるようになっている。
クラウン10は、1枚の生地のみで形成する場合もある。しかし、本実施態様の帽子では、クラウン10を、2枚の生地(クラウン10の外面を形成するクラウン表地と、クラウン10の内面を形成するクラウン裏地)で構成している。
クラウン表地は、通常、遮光性に優れた生地によって形成される。このクラウン表地は、通気性を有さない生地で形成してもよい。しかし、この場合には、着用者の頭部が蒸れやすくなる。また、クラウン表地は、撥水性を有さない生地で形成してもよい。しかし、この場合には、クラウン10が乾きにくくなる。このため、クラウン表地は、撥水性等を有しながらも、通気性もある程度有する素材で形成することが好ましい。このような素材としては、疎水性のゴムや熱可塑性樹脂の溶液やエマルジョンを噴霧若しくはコーティングした布帛(織布や不織布等)、又は、パディングを施した布帛等が例示される。
一方、クラウン裏地は、通常、メッシュ生地など、通気性と肌触りに優れた生地によって形成される。ただし、野球帽などの場合には、着用者の額を覆う部分のクラウン裏地(前側の2枚のれんげを構成するクラウン裏地)は、厚手の生地によって形成せれる場合もある。これにより、クラウン10の保形性を高めることができる。
前鍔20(図1)は、帽子の着用者の目に日光が入らないようにするための部分(庇としての機能を発揮する部分)となっている。前鍔20は、クラウン10の前方下縁部から前方に突出している。本実施態様の帽子において、前鍔20は、図4に示すように、前鍔20の保形を行う保形芯21と、保形芯21の上側を覆う上側生地22と、保形芯21の下側を覆う下側生地23とで構成している。保形芯21は、樹脂やエラストマーや厚紙など、ある程度の厚みと硬さを有する素材で形成される。前鍔20の形態は、特に限定されない。本実施態様の帽子においては、前鍔20を平面視三日月状に形成している。
ところで、鍔(庇)を備えた各種の帽子のなかには、クラウン10の下縁全周部を取り囲む環状鍔を備えたもの(プリム型の帽子など)もある。この環状鍔などは、「前鍔」の概念から除外されて解釈されることがある。しかし、環状鍔であっても、クラウン10の前方下縁部から前方に突出する部分を有している(その一部が、前鍔に相当する部分となっている)ことには変わらない。このため、本明細書においては、クラウン10の前方下縁部から前方に突出した部分を有するのであれば、環状鍔なども、「前鍔」の概念から除外されないものとする。
ビン皮30(図3)は、着用者の頭部の汗を吸収するためのものとなっている。このビン皮30を設けることによって、着用者の頭部に対するクラウン10の下縁部の当たりを柔らかくすることも可能になる。ビン皮30には、一般的な帽子でビン皮として用いられる各種素材を用いることができ、吸水性と速乾性に優れた素材を用いることが好ましい。本実施態様の帽子においては、内側(着用者の頭部に当たる側)に太い繊維を用い、外側(クラウン10が配される側)に細い繊維を用いた織物(例えば、東レ株式会社製フィールドセンサー(登録商標))を用いている。この織物は、毛細管現象により頭部の汗を速やかに吸収することのできるものとなっている。また、柔らかく肌触りも良いものとなっている。
ビン皮30は、図3に示すように、クラウン10の内側におけるクラウン10の下縁部に沿った箇所に環状に取り付けられている。上述したように、本実施態様の帽子では、クラウン10の後方下縁部に切欠部10a(サイズ調節ベルト40を設けるための切込部10a)を形成したところ、クラウン10の下縁部における切込部10aが形成された箇所を除いた区間にビン皮30を設けている。このため、クラウン10の下縁部における略全周部において、着用者の汗を吸収することが可能となっている。
ところで、一般的な帽子では、ビン皮30が、ビン皮30の長手方向における全区間(全長部)において、クラウン10の下縁部に対して連続的に縫着(固着)される。しかし、本発明の帽子では、図3に示す固着部P,P,P,P,P,Pのみで、クラウン10の下縁部に対してビン皮30を局所的に縫着(固着)している。このため、ビン皮30における、固着部Pと固着部Pとの間の区間、固着部Pと固着部Pとの間の区間、固着部Pと固着部Pとの間の区間、固着部Pと固着部Pとの間の区間、及び、固着部Pと固着部Pとの間の区間は、クラウン10の下縁部に対してビン皮30を固着しない「非縫着区間」となっている。
この「非固着区間」においては、クラウン10とビン皮30との間に隙間α(図3において黒く塗り潰した部分)が形成された状態となっている。本発明の帽子は、この隙間αを通じて、クラウン10の外部にある空気をクラウン10の内部に取り込んだり、クラウン10の内部にある空気をクラウン10の外部に送出したりできるようになっている。すなわち、隙間αを通じて、クラウン10の内外のベンチレーションを行うことができるようになっている。
隙間α(非固着区間)は、1箇所にのみ設けてもよい。しかし、隙間α(非固着区間)を複数個所に設けた方が、クラウン10の内外のベンチレーションをより効率的に行うことができる。隙間α(非固着区間)の数は、2つ以上であることが好ましく、3つ以上であることがより好ましく、4つ以上であることがさらに好ましい。ただし、隙間α(非固着区間)の数が多すぎると、1つ1つの隙間αを大きく確保することが難しくなるおそれがある。このため、隙間α(非固着区間)の数は、15個以下とすることが好ましく、10個以下とすることがより好ましく、8個以下とすることがさらに好ましい。
このように、複数個所に隙間αを設ける場合には、クラウン10の下縁部に沿って環状に配することが好ましく、クラウン10における対称性を有する箇所に隙間αを設けることがより好ましい。これにより、クラウン10の略全体でバランスよくベンチレーションを行うことが可能になる。本実施態様の帽子では、図3に示すように、クラウン10の下縁部に沿って計5個の隙間αを左右対称に設けている。具体的には、クラウン10の前方下縁部と、左横下縁部と、左後下縁部と、右横下縁部と、右後下縁部との計5箇所に隙間αを設けている。
また、得られるベンチレーション効果は、クラウン10の下縁部に沿った隙間αの長さ(非固着区間を長さ)によっても影響される。すなわち、隙間α(非固着区間)を長くすればするほど、クラウン10のベンチレーション効果が高まる。このため、ビン皮30の全長(図3における固着部P側の端部から、固着部P,P,P,Pを経て、固着部P側の端部に至るまでの長さ。以下同じ。)を「L」とし、隙間α(非固着区間)の長さ(複数個所に隙間α(非固着区間)が設けられている場合には、その合計の長さ。以下同じ。)を「L」としたときに、ビン皮30の全長Lに対する隙間α(非固着区間)の長さLの比L/Lが、0.3以上となるようにすることが好ましい。比L/Lは、0.4以上とすることがより好ましく、0.5以上とすることがさらに好ましい。
ただし、ビン皮30の全長Lに対する隙間α(非固着区間)の長さLの比L/Lが大きすぎると、クラウン10の下縁部に対するビン皮30の固着強度を確保しにくくなる。このため、帽子の着用や洗濯を重ねると、ビン皮30がクラウン10から取れやすくなるおそれがある。したがって、比L/Lは、0.9以下とすることが好ましい。比L/Lは、0.85以下とすることがより好ましく、0.8以下とすることがさらに好ましい。本実施態様の帽子においては、クラウン10の左前下縁部の固着部Pと右前下縁部の固着部Pを、他の固着部P,P,P,Pよりも長めに確保することによって、比L/Lを約0.6~0.7の範囲に抑えている。
このように、本発明の帽子では、隙間αによってクラウン10のベンチレーションを行うところ、隙間αが潰れてしまうと、その隙間αを通じてベンチレーションを行いにくくなってしまう。この点、本実施態様の帽子では、以下の工夫を施すことによって、隙間αを潰れにくくしている。具体的には、ビン皮30の全長を、クラウン10の下縁部におけるビン皮30が取り付けられる区間の全長(切欠部10aを除いた部分の長さ。以下同じ。)よりも短くしている。
加えて、固着部Pと固着部Pとの間の非固着区間に沿ったビン皮30の長さが、その非固着区間に沿ったクラウン10の下縁部の長さよりも短くなり、固着部Pと固着部Pとの間の非固着区間に沿ったビン皮30の長さが、その非固着区間に沿ったクラウン10の下縁部の長さよりも短くなり、固着部Pと固着部Pとの間の非固着区間に沿ったビン皮30の長さが、その非固着区間に沿ったクラウン10の下縁部の長さよりも短くなり、固着部Pと固着部Pとの間の非固着区間に沿ったビン皮30の長さが、その非固着区間に沿ったクラウン10の下縁部の長さよりも短くなり、固着部Pと固着部Pとの間の非固着区間に沿ったビン皮30の長さが、その非固着区間に沿ったクラウン10の下縁部の長さよりも短くなるようにしている。
このように、それぞれの非固着区間に沿ったビン皮30の長さを、それぞれの非固着区間に沿ったクラウン10の下縁部の長さよりも短くしたことによって、非固着区間におけるクラウン10の下縁部がビン皮30から外側に浮きやすくして、隙間αを潰れにくくすることが可能となっている。
それぞれの非固着区間に沿ったビン皮30の長さ(Lとする。)は、それぞれの非固着区間に沿ったクラウン10の下縁部の長さ(Lとする。)よりも短くすればするほど、隙間αを潰れにくくすることができる。逆に言うと、クラウン10の下縁部の長さLをビン皮30の長さLよりも長くすればするほど、隙間αを潰れにくくすることができる。このため、クラウン10の下縁部の長さLは、ビン皮30の長さLに対する比L/Lが1.01以上となる範囲で設定することが好ましい。比L/Lは、1.03以上とすることがより好ましく、1.05以上とすることがさらに好ましい。特に、クラウン10の前方下縁部の隙間αは、潰れやすいため、比L/Lを大きめに設定することが好ましい。
ただし、クラウン10の下縁部の長さLを、ビン皮30の長さLと比較して大きくしすぎると、クラウン10にシワが形成されやすくなり、帽子の見た目が悪くなるおそれがある。このため、クラウン10の下縁部の長さLは、比L/Lが1.3以下となる範囲で設定することが好ましい。比L/Lは、1.2以下とすることがより好ましく、1.1以下とすることがさらに好ましい。
ところで、本実施態様の帽子においては、クラウン10の前方下縁部に隙間α(図3の固着部Pと固着部Pとの間の隙間α)を設けている。帽子の着用者は、特に額に汗を掻きやすいところ、この前側の隙間αから空気をどのように取り込むかが重要である。ところが、帽子に前鍔20が設けられていると、この前鍔20が邪魔になり、前側の隙間αから空気が取り込まれにくくなるおそれがある。この点、本実施態様の帽子では、以下の工夫を施すことで、帽子に前鍔20を設けた場合であっても、前側の隙間αに空気が効率的に取り込まれるようにしている。
すなわち、図2に示すように、前鍔20における基端(クラウン10の前方下縁部と接続される側の端部)寄りの部分に、前鍔20の上下で通気を行うための前鍔側通気部βを設けている。これにより、図4に示すように、前鍔20の上側にある空気Aを、前鍔側通気部βに通して前鍔20の下側に透過させ、隙間αの下側から取り込むことができるようにしている。
前鍔側通気部βは、前鍔20の基端寄りの部分に設けられるのであれば、その配置を特に限定されない。本実施態様の帽子においては、前鍔20の基端縁に達する状態で前鍔側通気部βを設けている。具体的には、前鍔20の保形芯21(図4)の基端縁中央部に切欠部を設け、その切欠部が前鍔側通気部βとして機能するようにしている。これにより、前側の隙間αのすぐ近くに前鍔側通気部βを配し、前鍔20の上側にある空気Aが、前側の隙間αに取り入れられやすくなっている。加えて、帽子の着用者の額に保形芯21の基端縁が突き当たりにくくして、帽子の被り心地が良くなっている。本実施態様の帽子において、前鍔側通気部βを1箇所のみに設けているが、複数個所に分断して設けることもできる。
前鍔側通気部βの形態も、特に限定されない。本実施態様の帽子においては、図2に示すように、前鍔側通気部βを平面視半円形状に設けている。換言すると、前鍔20の保形芯21をU字状に形成し、その保形芯21における半円形状に凹んだ部分が、前鍔側通気部βとなるようにしている。このため、前鍔側通気部βを広く確保しながらも、保形芯21をシンプルで安定性に優れた形態とすることが可能となっている。
前鍔20の上側にある空気Aが前鍔側通気部βを通じて前側の隙間αに取り入れられやすくするためには、前鍔側通気部βの面積を、ある程度大きくすることが好ましい。具体的には、前鍔側通気部βの面積を、5cm(前鍔側通気部βを複数個所に分断して設ける場合には、それぞれの前鍔側通気部βの面積を合計した値。以下同じ。)以上とすることが好ましい。前鍔側通気部βの面積は、10cm以上とすることがより好ましく、15cm以上とすることがさらに好ましい。
ただし、前鍔側通気部βの面積を大きくしすぎると、前鍔20の形態を維持しにくくなるおそれがある。また、前鍔側通気部βが目立ちやすくなり、帽子の見た目が悪くなるおそれもある。このため、前鍔側通気部βの面積は、広くしすぎるのもよくない。前鍔側通気部βの面積は、50cm以下とすることが好ましい。前鍔側通気部βの面積は、40cm以下とすることがより好ましく、30cm以下とすることがさらに好ましい。本実施態様の帽子においては、前鍔側通気部βの面積を20~25cmの範囲としている。
前鍔側通気部βの横幅W(図3)は、ある程度広く確保する。前鍔側通気部βの横幅Wが狭いと、前鍔側通気部βを通過する空気の流量を確保しにくくなるからである。また、保形芯21の基端縁における広い範囲で保形芯21が着用者の額に突き当たるようになり、着用者が違和感を覚えやすくなるおそれもある。このため、前鍔側通気部βの横幅Wは、5cm以上とすることが好ましい。前鍔側通気部βの横幅Wは、7cm以上とすることがより好ましく、9cm以上とすることがさらに好ましい。
ただし、前鍔側通気部βの横幅Wを広くしすぎると、クラウン10に対して前鍔20をしっかりと固定しにくくなり(前鍔20の向きを安定させにくくなり)、前鍔20が垂れ下がりやすくなる。このため、前鍔側通気部βの横幅Wは、15cm以下とすることが好ましい。前鍔側通気部βの横幅Wは、14cm以下とすることがより好ましく、13cm以下とすることがさらに好ましい。本実施態様の帽子においては、前鍔側通気部βの横幅Wを10~12cmの範囲としている。
前鍔側通気部βの縦幅W(図3)も、ある程度広く確保する。前鍔側通気部βの縦幅Wが狭いと、前鍔20の上側にある空気Aが前鍔側通気部βを通じて前鍔10の下側に透過しにくくなるからである。このため、前鍔側通気部βの縦幅Wは、1cm以上とすることが好ましい。前鍔側通気部βの縦幅Wは、2cm以上とすることがより好ましく、3cm以上とすることがさらに好ましい。
ただし、前鍔側通気部βの縦幅Wを広くしすぎると、前鍔側通気部βが前鍔20の先端縁(前端縁)近くまで延在するようになり、前鍔20の強度を維持しにくくなるおそれもある。このため、前鍔側通気部βの縦幅Wは、7cm以下とすることが好ましい。前鍔側通気部βの縦幅Wは、5cm以下とすることがより好ましく、4cm以下とすることがさらに好ましい。本実施態様の帽子においては、前鍔側通気部βの横幅Wを約3cmに設定している。
既に述べたように、本実施態様の帽子において、前鍔側通気部βは、前鍔20の保形芯21に設けた開口部(乃至は切欠部)の形態で設けられる。この前鍔側通気部βは、開口部の状態のままとしてもよいが、この場合には、前鍔側通気部βを通じて帽子着用者の目に日光が入りやすくなり、前鍔20が庇としての機能を発揮しにくくなる。加えて、前鍔側通気部βが目立ちやすくなり、帽子の見た目が悪くなるおそれもある。このため、本実施態様の帽子においては、図2に示すように、前鍔側通気部βを、メッシュ生地で覆っている。具体的には、既に述べたように、前鍔20を、保形芯21(図4)と上側生地22(図4)と下側生地23(図4)とで構成したところ、下側生地23をメッシュ生地で形成し、この下側生地23(メッシュ生地)が前鍔側通気部βを覆うようにしている。
また、本実施態様の帽子では、図2に示すように、クラウン10の前方下縁部に、クラウン10の内外で通気を行うためのクラウン側通気部γを設けている。これにより、前鍔20の上側にある空気Aを、クラウン側通気部γを通じて前側の隙間αに直接的に取り込むことも可能になる。したがって、クラウン10のベンチレーションをより効果的に行うことが可能になる。
クラウン側通気部γの設け方は、特に限定されない。本実施態様の帽子においては、図4に示すように、クラウン10における着用者の頭部の額を覆う部分を、クラウン表地11とクラウン裏地12とで構成したところ、クラウン表地11の下縁を、前鍔20やクラウン裏地12に対して固着せず、クラウン裏地12から浮かした状態とするとともに、クラウン裏地12を、厚手で保形性を有する生地からなる裏地本体12aと、上側裏地12aの下側に繋がれて前鍔20の基端縁に縫着(固着)される通気部形成裏地12bとで切り替えている。通気部形成裏地12bは、メッシュ生地など、通気性を有する生地によって形成される。これにより、クラウン10の前方から通気部形成裏地12bが露出するようにし、通気部形成裏地12bにおけるその露出した部分が、クラウン側通気部γを形成するようになっている。
クラウン側通気部γの上下幅(前鍔20の基端部における上面からクラウン表地11の下縁までの距離。以下同じ。)を小さくしすぎると、クラウン側通気部γから前側の隙間αに空気が取り込まれにくくなる。かといって、クラウン側通気部γの上下幅を広くしすぎると、クラウン側通気部γが目立ちやすくなり、帽子の見た目が悪くなるおそれがある。このため、クラウン側通気部γの上下幅は、0.5~3cmの範囲に設定することが好ましく、1~2cmの範囲に設定することがより好ましい。一方、クラウン側通気部γの横幅(左右方向にわたる幅。以下同じ。)は、通常、前鍔側通気部βの横幅Wと同程度に設定される。
本発明の帽子は、その用途を特に限定されず、各種の用途で用いることができる。なかでも、暑い環境下で着用されることが多い運動帽や作業帽や通学帽として好適に用いることができる。特に、野球帽やゴルフ帽やランニング帽やウォーキング帽などの運動帽として好適である。
10 クラウン
10a 切込部
11 クラウン表地
12 クラウン裏地
12a 裏地本体
12b 通気部形成裏地
20 前鍔
21 保形芯
22 上側生地
23 下側生地
30 ビン皮
40 サイズ調節ベルト
前鍔の上側にある空気
前鍔の下側にある空気
固着部
固着部
固着部
固着部
固着部
固着部
前鍔側通気部の横幅
前鍔側通気部の縦幅
α 隙間
β 前鍔側通気部
γ クラウン側通気部

Claims (3)

  1. 着用者の頭部を覆うクラウンと、
    クラウンの内側におけるクラウンの下縁部に沿った箇所に環状に取り付けられたビン皮と
    を備えた帽子であって、
    クラウンの下縁部に対してビン皮を固着しない区間(以下「非固着区間」という。)を設けることによって、
    非固着区間におけるクラウンとビン皮との隙間を通じてクラウンの内外のベンチレーションを行うことができるようにし、
    非固着区間を、クラウンの下縁部に沿って繰り返し設けることによって、
    複数の前記隙間を、クラウンの下縁部に沿って環状に配するとともに、
    ビン皮の全長L に対する、非固着区間の合計の長さL の比L /L を、0.5~0.8とし、
    それぞれの非固着区間に沿ったビン皮の長さL に対する、それぞれの非固着区間に沿ったクラウンの下縁部の長さL の比L /L を、1.05~1.1とした
    ことを特徴とする帽子。
  2. クラウンの前方下縁部から前方に突出する前鍔を備え、
    前記隙間が、クラウンの前方下縁部に形成されるとともに、
    前鍔における基端寄りの部分に、前鍔の上下で通気を行うための前鍔側通気部が設けられた
    請求項記載の帽子。
  3. クラウンの前方下縁部に、クラウンの内外で通気を行うためのクラウン側通気部が設けられた請求項記載の帽子。
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