JP6728604B2 - 発光部品、プリントヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、発光部品、プリントヘッドおよび画像形成装置に関する。
特許文献1には、基板側から順に、p型の第1多層膜反射鏡、電流狭窄層、p型の第2多層膜反射鏡、n型ゲート層、p型ゲート層、カソード層が積層された発光サイリスタが記載されている。
特許文献2には、電流狭窄層に到達しない深さの第1のメサ構造と、前記電流狭窄層に到達する深さの第2のメサ構造と、前記第1のメサ構造内に形成されたシフト部サイリスタと、前記第2のメサ構造内に形成され、前記第2のメサ構造の側面から前記電流狭窄層が酸化され形成された電流狭窄構造を有する発光部サイリスタと、を備える自己走査型発光素子アレイが記載されている。
特許文献3には、下部多層膜反射鏡、下部クラッド層、活性層、上部クラッド層および上部多層膜反射鏡を順に含むと共に酸化狭窄層を含む積層構造を備え、前記下部多層膜反射鏡のうち前記メサ部の裾野に、複数の層の端面が露出した非平坦面を有し、前記下部多層膜反射鏡は、Al(アルミニウム)組成の高い低屈折率層と、Al組成の低い高屈折率層とを交互に積層して構成され、前記下部多層膜反射鏡に含まれる複数の低屈折率層のうち前記非平坦面内に露出する層の少なくとも一層が、前記下部多層膜反射鏡に含まれる複数の低屈折率層のうち前記非平坦面内に露出しない層のAl組成比よりも小さな組成比のAlを含む酸化抑制層となっている面発光型半導体レーザが記載されている。
特開2015−032812号公報 特許第5327377号明細書 特開2009−266919号公報
ところで、発光ダイオード、発光サイリスタなどの発光素子を用いた発光部品においては、出射する光量の向上が求められる。そこで、発光素子に分布ブラッグ反射層を設け、発光素子が出射方向と異なる方向に向かう光を出射方向に反射させて、光取り出し効率を向上させることが行われる。さらに、電流狭窄層を設け、電流狭窄により発光素子の中央部に電流を集中させ、発光効率を向上させることが行われる。電流狭窄は、例えば、発光素子を構成する材料におけるアルミニウムを酸化させ、電流経路を絞ることが行なわれる。
このような構成において、エッチングによって分布ブラッグ反射層が露出した状態で電流狭窄層を酸化させる場合があるが、この場合、分布ブラッグ反射層における低屈折率層(高アルミニウム組成層)も一緒に酸化され、その結果、例えば、分布ブラッグ反射層上に形成する絶縁層の密着性が弱くなる場合があった。一方、分布ブラッグ反射層が酸化されないように分布ブラッグ反射層における高アルミニウム組成層のアルミニウムの組成比を下げると、反射率が低下して所望の反射率を得づらかった。
そこで本発明は、分布ブラッグ反射層を構成する高アルミニウム組成層を全て同じアルミニウム組成比で構成する場合と比較し、露出した分布ブラッグ反射層の酸化抑制と分布ブラッグ反射層の反射率低下の抑制とを両立しやすい発光部品などを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板と、前記基板上に、第1多層膜反射鏡と、電流狭窄層と、第2多層膜反射鏡とがこの順で積層された多層膜反射鏡と、前記多層膜反射鏡上に積層された導電型が異なる複数の半導体層と当該多層膜反射鏡とが分離されて構成された島とを備え、前記多層膜反射鏡の第1多層膜反射鏡と、電流狭窄層と、第2多層膜反射鏡とは、アルミニウムを含む化合物半導体層を含んで構成され、前記第1多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、前記第2多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、前記第2多層膜反射鏡のアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層は、前記第1多層膜反射鏡アルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層よりアルミニウム組成比が低く、前記電流狭窄層は、前記第1多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層及び前記第2多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層のいずれよりもアルミニウムを高組成比で含み、前記島は、前記多層膜反射鏡の前記第2多層膜反射鏡に到達するが前記電流狭窄層に到達しない深さの第1分離部と、当該多層膜反射鏡の当該電流狭窄層に到達する深さの第2分離部とで分離され、前記第2分離部で分離された部分における前記複数の半導体層により発光素子が構成され、前記電流狭窄層は、前記第2分離部から酸化された前記発光素子に流れる電流の流れを阻止する素子部と、酸化されないで当該発光素子に流れる電流の流れを通過させる電流通過部と、を有することを特徴とする発光部品である。
請求項に記載の発明は、前記第1分離部と交差し、前記第2分離部と交差しないように配線が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光部品である。
請求項に記載の発明は、基板と、当該基板上に第1多層膜反射鏡と電流狭窄層と第2多層膜反射鏡とがこの順で積層された多層膜反射鏡と、当該多層膜反射鏡上に積層された導電型が異なる複数の半導体層と当該多層膜反射鏡とが分離されて構成された島と、を備える発光手段と、前記発光手段から照射される光を結像させる光学手段と、を備え、前記多層膜反射鏡の第1多層膜反射鏡と、電流狭窄層と、第2多層膜反射鏡とは、アルミニウムを含む化合物半導体層を含んで構成され、当該第1多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、当該第2多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、当該第2多層膜反射鏡のアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層は、当該第1多層膜反射鏡アルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層よりアルミニウム組成比が低く、当該電流狭窄層は、当該第1多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層及び当該第2多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層のいずれよりもアルミニウムを高組成比で含み、前記島は、前記多層膜反射鏡の前記第2多層膜反射鏡に到達するが前記電流狭窄層に到達しない深さの第1分離部と、当該多層膜反射鏡の当該電流狭窄層に到達する深さの第2分離部とで分離され、前記第2分離部で分離された部分における前記複数の半導体層により発光素子が構成され、前記電流狭窄層は、前記第2分離部から酸化された前記発光素子に流れる電流の流れを阻止する素子部と、酸化されないで当該発光素子に流れる電流の流れを通過させる電流通過部と、を有することを特徴とするプリントヘッドである。
請求項に記載の発明は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、基板と、当該基板上に第1多層膜反射鏡と電流狭窄層と第2多層膜反射鏡とがこの順で積層された多層膜反射鏡と、当該多層膜反射鏡上に積層された導電型が異なる複数の半導体層と当該多層膜反射鏡とが分離されて構成された島と、を備え、光学手段を介して前記像保持体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光され前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像手段と、前記像保持体に現像された画像を被転写体に転写する転写手段と、を備え、前記多層膜反射鏡の第1多層膜反射鏡と、電流狭窄層と、第2多層膜反射鏡とは、アルミニウムを含む化合物半導体層を含んで構成され、当該第1多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、当該第2多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、当該第2多層膜反射鏡のアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層は、当該第1多層膜反射鏡アルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層よりアルミニウム組成比が低く、当該電流狭窄層は、当該第1多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層及び当該第2多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層のいずれよりもアルミニウムを高組成比で含み、前記島は、前記多層膜反射鏡の前記第2多層膜反射鏡に到達するが前記電流狭窄層に到達しない深さの第1分離部と、当該多層膜反射鏡の当該電流狭窄層に到達する深さの第2分離部とで分離され、前記第2分離部で分離された部分における前記複数の半導体層により発光素子が構成され、前記電流狭窄層は、前記第2分離部から酸化された前記発光素子に流れる電流の流れを阻止する素子部と、酸化されないで当該発光素子に流れる電流の流れを通過させる電流通過部と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、分布ブラッグ反射層を構成するアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層の全てを同じアルミニウム組成比で構成する場合と比較し、露出した分布ブラッグ反射層の酸化抑制と分布ブラッグ反射層の反射率低下の抑制とを両立させやすい。
請求項の発明によれば、第2分離部と交差するように配線を設ける場合に比較し、配線の形成が容易になる。
請求項の発明によれば、分布ブラッグ反射層を構成するアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層の全てを同じアルミニウム組成比で構成する場合と比較し、プリントヘッドの信頼性が向上する。
請求項の発明によれば、分布ブラッグ反射層を構成するアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層の全てを同じアルミニウム組成比で構成する場合と比較し、画像形成装置の信頼性が向上する。
本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成の一例を示した図である。 プリントヘッドの構成を示した断面図である。 発光装置の上面図である。 発光チップの構成、発光装置の信号発生回路の構成および回路基板上の配線(ライン)の構成を示した図である。(a)は、発光チップCの構成を示し、(b)は、発光装置の信号発生回路の構成および回路基板上の配線(ライン)の構成を示す。 本実施の形態における自己走査型発光素子アレイ(SLED)が搭載された発光チップの回路構成を説明するための等価回路図である。 本実施の形態が適用される発光チップの平面レイアウト図および断面図の一例である。(a)は、発光チップの平面レイアウト図、(b)は、(a)のVIB−VIB線での断面図である。 発光装置および発光チップの動作を説明するためのタイミングチャートである。 第1多層膜反射鏡、電流狭窄層、第2多層膜反射鏡を説明する図である。(a)は、第1分離部を示し、(b)は、第2分離部を示している。 ゲート出しエッチング工程までの工程を説明する図である。(a1)、(b1)、(c1)は、図6(a)におけるP−P線での断面図である。(a2)、(b2)、(c2)は、図6(a)におけるQ−Q線での断面図である。 ゲート出しエッチングの後の工程を説明する図である。(a1)、(b1)、(c1)は、図6(a)におけるP−P線での断面図である。(a2)、(b2)、(c2)は、図6(a)におけるQ−Q線での断面図である。 本実施の形態の発光チップの変形例を示す断面図である。
電子写真方式を採用した、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、帯電された感光体上に、画像情報を光記録手段により照射することにより静電潜像を得た後、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着することによって画像形成が行われる。かかる光記録手段として、レーザを用い、主走査方向にレーザ光を走査させて露光する光走査方式の他、近年では、装置の小型化の要請を受けて発光素子としての発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を主走査方向に複数、配列して発光素子アレイとしたLEDプリントヘッド(LPH:LED Print Head)を用いた記録装置が採用されている。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
なお、以下では、アルミニウムをAlとするなど、元素記号を用いて表記する。
(画像形成装置1)
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1の全体構成の一例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置である。この画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部10、画像形成プロセス部10を制御する画像出力制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3に接続され、これらから受信された画像データに対して予め定められた画像処理を施す画像処理部40を備えている。
画像形成プロセス部10は、予め定められた間隔を置いて並列に配置される複数のエンジンを含む画像形成ユニット11を備えている。この画像形成ユニット11は、4つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kから構成されている。画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、それぞれ、静電潜像を形成してトナー像を保持する像保持体の一例としての感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電手段の一例としての帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を露光するプリントヘッド14、プリントヘッド14によって得られた静電潜像を現像する現像手段の一例としての現像器15を備えている。画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
また、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12にて形成された各色のトナー像を被転写体の一例としての記録用紙25に多重転写させるために、この記録用紙25を搬送する用紙搬送ベルト21と、用紙搬送ベルト21を駆動させるロールである駆動ロール22と、感光体ドラム12のトナー像を記録用紙25に転写させる転写手段の一例としての転写ロール23と、記録用紙25にトナー像を定着させる定着器24とを備えている。
この画像形成装置1において、画像形成プロセス部10は、画像出力制御部30から供給される各種の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。そして、画像出力制御部30による制御の下で、パーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3から受信された画像データは、画像処理部40によって画像処理が施され、画像形成ユニット11に供給される。そして、例えば黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器13により予め定められた電位に帯電され、画像処理部40から供給された画像データに基づいて発光するプリントヘッド14により露光される。これにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上には黒(K)色のトナー像が形成される。画像形成ユニット11Y、11M、11Cにおいても、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
各画像形成ユニット11で形成された感光体ドラム12上の各色トナー像は、矢印B方向に移動する用紙搬送ベルト21の移動に伴って供給された記録用紙25に、転写ロール23に印加された転写電界により、順次静電転写され、記録用紙25上に各色トナーが重畳された合成トナー像が形成される。
その後、合成トナー像が静電転写された記録用紙25は、定着器24まで搬送される。定着器24に搬送された記録用紙25上の合成トナー像は、定着器24によって熱および圧力による定着処理を受けて記録用紙25上に定着され、画像形成装置1から排出される。
(プリントヘッド14)
図2は、プリントヘッド14の構成を示した断面図である。露光手段の一例としてのプリントヘッド14は、ハウジング61、感光体ドラム12を露光する複数の発光素子(本実施の形態では、発光素子の一例としての発光サイリスタ)を備える光源部63を備えた発光手段の一例としての発光装置65、光源部63から出射された光を感光体ドラム12の表面に結像させる光学手段の一例としてのロッドレンズアレイ64を備えている。
発光装置65は、前述した光源部63、光源部63を駆動する信号発生回路110(後述の図3参照)等を搭載する回路基板62を備えている。
ハウジング61は、例えば金属で形成され、回路基板62およびロッドレンズアレイ64を支持し、光源部63の発光素子の発光面がロッドレンズアレイ64の焦点面となるように設定されている。また、ロッドレンズアレイ64は、感光体ドラム12の軸方向(主走査方向であって、後述する図3、図4(b)のX方向)に沿って配置されている。
(発光装置65)
図3は、発光装置65の上面図である。
図3に例として示す発光装置65では、光源部63は、回路基板62上に、40個の発光部品の一例としての発光チップC1〜C40が、主走査方向であるX方向に二列に千鳥状に配置して構成されている。
本明細書では、「〜」は、番号によってそれぞれが区別された複数の構成要素を示すもので、「〜」の前後に記載されたものおよびその間の番号のものを含むことを意味する。例えば、発光チップC1〜C40は、発光チップC1から番号順に発光チップC40までを含む。
発光チップC1〜C40の構成は同じであってよい。よって、発光チップC1〜C40をそれぞれ区別しないときは、発光チップCと呼ぶ。
なお、本実施の形態では、発光チップCの数として、合計40個を用いたが、これに限定されない。
そして、発光装置65は、光源部63を駆動する信号発生回路110を搭載している。信号発生回路110は、例えば集積回路(IC)などで構成されている。なお、発光装置65が信号発生回路110を搭載していなくともよい。このときは、信号発生回路110は、発光装置65の外部に設けられ、発光チップC1〜C40を制御する制御信号などを、ケーブルなどを介して供給する。ここでは、発光装置65は信号発生回路110を備えているとして説明する。
発光チップC1〜C40の配列についての詳細は後述する。
図4は、発光チップCの構成、発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を示した図である。図4(a)は発光チップCの構成を示し、図4(b)は発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を示す。なお、図4(b)では、発光チップC1〜C40の内、発光チップC1〜C9の部分を示している。
はじめに、図4(a)に示す発光チップCの構成を説明する。
発光チップCは、表面形状が矩形である基板80の表面において、長辺の一辺に近い側に長辺に沿って列状に設けられた複数の発光素子(本実施の形態では発光サイリスタL1〜L128)から構成される発光部102を備えている。さらに、発光チップCは、基板80の表面の長辺方向の両端部に、各種の制御信号等を取り込むための複数のボンディングパッドである端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)を備えている。なお、これらの端子は、基板80の一端部からφI端子、φ1端子の順に設けられ、基板80の他端部からVga端子、φ2端子の順に設けられている。そして、発光部102は、φ1端子とφ2端子との間に設けられている。さらに、基板80の裏面にはVsub端子として裏面電極88(後述する図6参照)が設けられている。
なお、「列状」とは、図4(a)に示したように複数の発光素子が一直線上に配置されている場合に限らず、複数の発光素子のそれぞれの発光素子が、列方向と直交する方向に対して、互いに異なるずれ量を有して配置されている状態でもよい。例えば、発光素子の発光面(後述する図6における発光サイリスタLのカソード領域311)を画素としたとき、それぞれの発光素子が、列方向と直交する方向に数画素分または数十画素分のずれ量をもって配置されていてもよい。また、隣接する発光素子間で交互に、または複数の発光素子毎に、ジグザグに配置されていてもよい。
次に、図4(b)により、発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を説明する。
前述したように、発光装置65の回路基板62には、信号発生回路110および発光チップC1〜C40が搭載され、信号発生回路110と発光チップC1〜C40とを接続する配線(ライン)が設けられている。
まず、信号発生回路110の構成について説明する。
信号発生回路110には、画像出力制御部30および画像処理部40(図1参照)より、画像処理された画像データおよび各種の制御信号が入力される。信号発生回路110は、これらの画像データおよび各種の制御信号に基づいて、画像データの並び替えや光量の補正等を行う。
そして、信号発生回路110は、各種の制御信号に基づき、発光チップC1〜C40に、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2を送信する転送信号発生部120を備えている。
そしてまた、信号発生回路110は、各種の制御信号に基づき、発光チップC1〜C40に、点灯信号φI1〜φI40をそれぞれ送信する点灯信号発生部140を備えている。なお、点灯信号φI1〜φI40をそれぞれ区別しないときは点灯信号φIと表記する。
さらにまた、信号発生回路110は、発光チップC1〜C40に電位の基準となる基準電位Vsubを供給する基準電位供給部160、発光チップC1〜C40の駆動のための電源電位Vgaを供給する電源電位供給部170を備えている。
次に、発光チップC1〜C40の配列について説明する。
奇数番号の発光チップC1、C3、C5、…は、それぞれの基板80の長辺方向に間隔を設けて一列に配列されている。偶数番号の発光チップC2、C4、C6、…も、同様にそれぞれの基板80の長辺の方向に間隔を設けて一列に配列されている。そして、奇数番号の発光チップC1、C3、C5、…と偶数番号の発光チップC2、C4、C6、…とは、発光チップCに設けられた発光部102側の長辺が向かい合うように、互いに180°回転した状態で千鳥状に配列されている。そして、発光チップC間においても発光素子が主走査方向(X方向)に予め定められた間隔で並ぶように位置が設定されている。なお、図4(b)の発光チップC1〜C40に、図4(a)に示した発光部102の発光素子の並び(本実施の形態では発光サイリスタL1〜L128の番号順)の方向を矢印で示している。
信号発生回路110と発光チップC1〜C40とを接続する配線(ライン)について説明する。
回路基板62には、発光チップCの基板80の裏面に設けられたVsub端子である裏面電極88(後述の図6参照)に接続され、基準電位Vsubを供給する電源ライン200aが設けられている。
そして、回路基板62には、発光チップCに設けられたVga端子に接続され、駆動のための電源電位Vgaを供給する電源ライン200bが設けられている。
回路基板62には、信号発生回路110の転送信号発生部120から、発光チップC1〜C40のφ1端子に第1転送信号φ1を送信するための第1転送信号ライン201、発光チップC1〜C40のφ2端子に第2転送信号φ2を送信するための第2転送信号ライン202が設けられている。第1転送信号φ1、第2転送信号φ2は、発光チップC1〜C40に共通(並列)に送信される。
そしてまた、回路基板62には、信号発生回路110の点灯信号発生部140から、各発光チップC1〜C40のそれぞれのφI端子に、それぞれ電流制限抵抗RIを介して、点灯信号φI1〜φI40を送信する点灯信号ライン204−1〜204−40が設けられている。
以上説明したように、回路基板62上のすべての発光チップC1〜C40に、基準電位Vsub、電源電位Vgaが共通に供給される。第1転送信号φ1、第2転送信号φ2も、発光チップC1〜C40に共通(並列)に送信される。一方、点灯信号φI1〜φI40は、発光チップC1〜C40にそれぞれ個別に送信される。
(発光チップC)
図5は、本実施の形態における自己走査型発光素子アレイ(SLED)が搭載された発光チップCの回路構成を説明するための等価回路図である。以下において説明する各素子は、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)を除き、発光チップC上のレイアウト(後述する図6参照)に基づいて配置されている。なお、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)の位置は、図4(a)と異なるが、信号発生回路110との接続の関係の説明のため、図中左端に示している。そして、基板80の裏面に設けられたVsub端子を、基板80の外に引き出して示している。
ここでは、信号発生回路110との関係において発光チップC1を例に、発光チップCを説明する。そこで、図5において、発光チップCを発光チップC1(C)と表記する。他の発光チップC2〜C40の構成は、発光チップC1と同じである。
発光チップC1(C)は、前述したように基板80上に列状に配列された発光サイリスタL1〜L128から構成される発光サイリスタ列(発光部102(図4(a)参照))を備えている。
そして、発光チップC1(C)は、発光サイリスタ列と同様に列状に配列された転送サイリスタT1〜T128から構成される転送サイリスタ列を備えている。
また、発光チップC1(C)は、転送サイリスタT1〜T128をそれぞれ番号順に2つをペアにして、それぞれのペアの間に結合ダイオードDx1〜Dx127を備えている。
さらに、発光チップC1(C)は、電源線抵抗Rgx1〜Rgx128を備えている。
また、発光チップC1(C)は、1個のスタートダイオードDx0を備えている。そして、後述する第1転送信号φ1が送信される第1転送信号線72と第2転送信号φ2が送信される第2転送信号線73とに過剰な電流が流れるのを防止するために設けられた電流制限抵抗R1、R2を備えている。
発光サイリスタ列の発光サイリスタL1〜L128、転送サイリスタ列の転送サイリスタT1〜T128は、図5中において、左側から番号順に配列されている。さらに、結合ダイオードDx1〜Dx127、電源線抵抗Rgx1〜Rgx128も、図中左側から番号順に配列されている。
そして、発光サイリスタ列、転送サイリスタ列は、図5において上から、転送サイリスタ列、発光サイリスタ列の順に並べられている。
ここでは、発光サイリスタL1〜L128、転送サイリスタT1〜T128、結合ダイオードDx1〜Dx127、電源線抵抗Rgx1〜Rgx128をそれぞれ区別しないときは、発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合ダイオードDx、電源線抵抗Rgxと表記する。
本実施の形態では、発光サイリスタ列における発光サイリスタL、転送サイリスタ列における転送サイリスタT、電源線抵抗Rgxはそれぞれ128個とした。しかし、結合ダイオードDxの数は、転送サイリスタTの数より1少ない127個である。
なお、発光サイリスタLなどの数は、上記に限らず、予め定められた個数とすればよい。
そして、転送サイリスタTの数は、発光サイリスタLの数より多くてもよい。
上記のサイリスタ(発光サイリスタL、転送サイリスタT)は、ゲート端子、アノード端子、カソード端子の3端子を有する半導体素子である。
では次に、発光チップC1(C)における各素子の電気的な接続について説明する。
転送サイリスタT、発光サイリスタLのそれぞれのアノード端子は、発光チップC1(C)の基板80に接続されている(アノードコモン)。
そして、これらのアノード端子は、基板80の裏面に設けられたVsub端子である裏面電極88(後述の図6参照)を介して電源ライン200a(図4(b)参照)に接続されている。この電源ライン200aは、基準電位供給部160から基準電位Vsubが供給される。
転送サイリスタTの配列に沿って、奇数番号の転送サイリスタT1、T3、…のカソード端子は、第1転送信号線72に接続されている。そして、第1転送信号線72は、電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている。このφ1端子には、第1転送信号ライン201(図4(b)参照)が接続され、転送信号発生部120から第1転送信号φ1が送信される。
一方、転送サイリスタTの配列に沿って、偶数番号の転送サイリスタT2、T4、…のカソード端子は、第2転送信号線73に接続されている。そして、第2転送信号線73は、電流制限抵抗R2を介してφ2端子に接続されている。このφ2端子には、第2転送信号ライン202(図4(b)参照)が接続され、転送信号発生部120から第2転送信号φ2が送信される。
発光サイリスタL1〜L128のカソード端子は、点灯信号線75に接続されている。点灯信号線75は、φI端子に接続されている。発光チップC1では、φI端子は、電流制限抵抗RIを介して点灯信号ライン204−1に接続され、点灯信号発生部140から点灯信号φI1が送信される(図4(b)参照)。点灯信号φI1は、発光サイリスタL1〜L128に点灯のための電流を供給する。なお、他の発光チップC2〜C40のφI端子には、それぞれ電流制限抵抗RIを介して点灯信号ライン204−2〜204−40が接続され、点灯信号発生部140から点灯信号φI2〜φI40が送信される(図4(b)参照)。
転送サイリスタT1〜T128のそれぞれのゲート端子Gt1〜Gt128は、同じ番号の発光サイリスタL1〜L128のゲート端子Gl1〜Gl128に、1対1で接続されている。よって、ゲート端子Gt1〜Gt128とゲート端子Gl1〜Gl128とは、同じ番号のものが電気的に同電位になっている。よって、例えばゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)と表記して、電位が同じであることを示す。
ここでも、ゲート端子Gt1〜Gt128、ゲート端子Gl1〜Gl128をそれぞれ区別しないときは、ゲート端子Gt、ゲート端子Glと表記する。そして、ゲート端子Gt(ゲート端子Gl)と表記して、電位が同じであることを示す。
転送サイリスタT1〜T128のそれぞれのゲート端子Gt1〜Gt128を番号順に2個ずつペアとしたゲート端子Gt間に、結合ダイオードDx1〜Dx127がそれぞれ接続されている。すなわち、結合ダイオードDx1〜Dx127はそれぞれがゲート端子Gt1〜Gt128のそれぞれの間に挟まれるように直列接続されている。そして、結合ダイオードDx1の向きは、ゲート端子Gt1からゲート端子Gt2に向かって電流が流れる方向に接続されている。他の結合ダイオードDx2〜Dx127についても同様である。
転送サイリスタTのゲート端子Gt(ゲート端子Gl)は、転送サイリスタTのそれぞれに対応して設けられた電源線抵抗Rgxを介して、電源線71に接続されている。電源線71はVga端子に接続されている。Vga端子には、電源ライン200b(図4(b)参照)が接続され、電源電位供給部170から電源電位Vgaが供給される。
そして、転送サイリスタ列の一端側の転送サイリスタT1のゲート端子Gt1は、スタートダイオードDx0のカソード端子に接続されている。一方、スタートダイオードDx0のアノード端子は、第2転送信号線73に接続されている。
図5において、発光チップC1(C)の転送サイリスタT、結合ダイオードDx、電源線抵抗Rgx、スタートダイオードDx0、電流制限抵抗R1、R2を備える部分を転送部101と表記する。そして、発光サイリスタLを備える部分が発光部102に該当する。
図6は、本実施の形態が適用される発光チップCの平面レイアウト図および断面図の一例である。図6(a)は、発光チップCの平面レイアウト図、図6(b)は、図6(a)のVIB−VIB線での断面図である。ここでは、発光チップCと信号発生回路110との接続関係を示さないので、発光チップC1を例とすることを要しない。よって、発光チップCと表記する。
図6(a)では、発光サイリスタL1〜L4、転送サイリスタT1〜T4を中心とした部分を示している。なお、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)の位置は、図4(a)と異なるが、説明の便宜上、図中左端部に示している。そして、基板80の裏面に設けられたVsub端子(裏面電極88)は、基板80の外に引き出して示している。図4(a)に対応させて端子を設けるとすると、φ2端子、φI端子、電流制限抵抗R2は、基板80の右端部に設けられる。また、スタートダイオードDx0は基板80の右端部に設けられてもよい。
図6(a)のVIB−VIB線での断面図である図6(b)では、図中下より発光サイリスタL1、転送サイリスタT1、結合ダイオードDx1及び電源線抵抗Rgx1が示されている。なお、図6(a)および(b)の図中には、主要な素子や端子を名前により表記している。
まず、発光チップCの断面構造を、図6(b)により説明する。
発光チップCは、p型の基板80上に、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83、n型の第1半導体層84、p型の第2半導体層85及びn型の第3半導体層86が順に積層されて構成され、互いに分離された複数の島(アイランド)(後述する第1アイランド301、第2アイランド302、第3アイランド303など)から構成されている。なお、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82及び第2多層膜反射鏡83を多層膜反射鏡と呼ぶことがある。そして、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82及び第2多層膜反射鏡83は、p型の半導体層として機能する。
なお、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82及び第2多層膜反射鏡83については、後述する。
これらのアイランドは、p型の基板80上に、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83、n型の第1半導体層84、p型の第2半導体層85及びn型の第3半導体層86がエピタキシャル成長により順に積層されたのち、アイランドの間の層をエッチングにより除去することで相互に分離される。このようなアイランドはメサと呼ばれる。
ここでは、アイランド間のエッチングされた部分を分離部と表記する。電流狭窄層82に到達することなく、第2多層膜反射鏡83の一部まで除かれた第1分離部M1と、電流狭窄層82を越えて、第1多層膜反射鏡81の一部まで除かれた第2分離部M2とがある。なお、第2分離部M2は、少なくとも電流狭窄層82に到達していればよい。ここでは、第2分離部M2は、第1多層膜反射鏡81の一部まで除かれて構成されているとする。
第1分離部M1及び第2分離部M2をそれぞれ区別しない場合は、分離部と表記する。
そして、複数のアイランドには、n型の第3半導体層86を部分的に有しているもの(例えば、後述する第1アイランド301)と、n型の第3半導体層86を有していないもの(例えば、後述する第3アイランド303)とがある。
発光チップCには、これらのアイランドの表面および側面を覆うように設けられた絶縁層87が設けられている。そして、これらのアイランドと電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75などの配線とが、絶縁層87に設けられたスルーホール(図6(a)では○で示す。)を介して接続されている。なお、図6(a)、(b)では、配線を破線で示し、配線の下側が見えるようにしている。以下の説明では、絶縁層87およびスルーホールについての説明を省略する。
そして、電流狭窄層82は、電流が流れる電流通過部82aと電流の流れを阻止する電流阻止部82bとを備えている。電流阻止部82bは、発光サイリスタL1の周囲をコ字状に囲むように設けられている。他の部分は、電流通過部82aとなっている。
さらに、p型の基板80の裏面にはVsub端子となる裏面電極88が設けられている。
なお、それぞれのアイランドは、図6(a)の発光サイリスタL4に示すように、発光サイリスタLの側面(発光サイリスタL4の矢印α、β、γで示す側面)を三方からコ字状に囲うように、第2分離部M2が構成され、他の部分が第1分離部M1で分離されている。
次に、発光チップCの平面構造を、図6(b)を参照しつつ、図6(a)により説明する。
第1アイランド301には、発光サイリスタL1、転送サイリスタT1及び結合ダイオードDx1が設けられている。第2アイランド302には、電源線抵抗Rgx1が設けられている。第3アイランド303には、スタートダイオードDx0が設けられている。第4アイランド304には電流制限抵抗R1が、第5アイランド305には電流制限抵抗R2が設けられている。
そして、発光チップCには、第1アイランド301、第2アイランド302と同様なアイランドが複数、並列して設けられている。これらのアイランドには、発光サイリスタL2〜L128、転送サイリスタT2〜T128、結合ダイオードDx2〜Dx127及び電源線抵抗Rgx2〜Rgx128が設けられている。なお、図6(a)には、発光サイリスタL2〜L4、転送サイリスタT2〜T4、結合ダイオードDx2〜Dx4及び電源線抵抗Rgx2〜Rgx4のみを示している。
第1アイランド301に設けられた発光サイリスタL1は、n型の第1半導体層84(n型ゲート層)とp型の第2半導体層85(p型ゲート層)がゲートとして機能するが、ここでは、p型の第2半導体層85(p型ゲート層)をゲートとして、ゲート端子Gl1を介して制御する。そして、n型の第1半導体層84(n型ゲート層)とp型の第2半導体層85(p型ゲート層)との間で発光する。p型の基板80、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83がアノード(アノード層)として機能する。アノード(アノード層)は、p型の基板80の裏面に設けられた裏面電極88に繋がっている。裏面電極88はアノード端子である。
発光サイリスタL1は、n型の第3半導体層86がカソード(カソード層)として機能する。なお、n型の第3半導体層86は、島(アイランド)状に構成されて、カソード領域311となっている。そして、カソード領域311上に設けられたn型オーミック電極321をカソード端子とする。
n型の第3半導体層86を除去して露出させたp型の第2半導体層85上に設けられたp型オーミック電極331をゲート端子Gl1とする。
光は、p型オーミック電極331で覆われていないカソード領域311から、絶縁層87を通して出射する。
また、第1アイランド301に設けられた転送サイリスタT1は、n型の第1半導体層84(n型ゲート層)とp型の第2半導体層85(p型ゲート層)がゲートとして機能するが、発光サイリスタL1と同様に、p型の第2半導体層85(p型ゲート層)をゲートとして、ゲート端子Gt1を介して制御する。発光サイリスタL1と同様に、p型の基板80、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83がアノード(アノード層)として機能する。アノード(アノード層)は、裏面電極88に繋がっている。裏面電極88はアノード端子である。
転送サイリスタT1は、n型の第3半導体層86がカソード(カソード層)として機能する。なお、n型の第3半導体層86は、島(アイランド)状に構成されて、カソード領域312となっている。そして、カソード領域312上に設けられたn型オーミック電極322をカソード端子とする。
n型の第3半導体層86を除去して露出させたp型の第2半導体層85上に設けられたp型オーミック電極331をゲート端子Gt1とする。
同じく、第1アイランド301に設けられた結合ダイオードDx1は、p型の第2半導体層85がアノード(アノード層)として機能する。そして、n型の第3半導体層86を除去して露出させたp型の第2半導体層85上に設けられたp型オーミック電極331をアノード端子とする。
結合ダイオードDx1は、n型の第3半導体層86がカソード(カソード層)として機能する。なお、n型の第3半導体層86は、島(アイランド)状に構成されて、カソード領域313となっている。そして、カソード領域313上に設けられたn型オーミック電極323をカソード端子とする。
なお、図6(b)に示すように、発光サイリスタL1、転送サイリスタT1及び結合ダイオードDx1において、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83、n型の第1半導体層84、p型の第2半導体層85は、繋がっている。そして、発光サイリスタL1のゲート端子Gl1、転送サイリスタT1のゲート端子Gt1、結合ダイオードDx1のアノード端子は、p型オーミック電極331で共通である。ここでは、p型オーミック電極331をゲート端子Gt1/Gl1と表記することがある。
第2アイランド302に設けられた電源線抵抗Rgx1は、n型の第3半導体層86を除去して露出させたp型の第2半導体層85上に設けられたp型オーミック電極332とp型オーミック電極333との間のp型の第2半導体層85を抵抗とする。
第3アイランド303に設けられたスタートダイオードDx0は、p型の第2半導体層85がアノード(アノード層)として機能する。そして、n型の第3半導体層86を除去して露出させたp型の第2半導体層85上に設けられたp型オーミック電極334をアノード端子とする。
スタートダイオードDx0は、n型の第3半導体層86がカソード(カソード層)として機能する。なお、n型の第3半導体層86は、島(アイランド)状に構成されて、カソード領域314となっている。そして、カソード領域314上に設けられたn型オーミック電極324をカソード端子とする。
第4アイランド304に設けられた電流制限抵抗R1及び第5アイランド305に設けられた電流制限抵抗R2は、第2アイランド302に設けられた電源線抵抗Rgx1と同様に、それぞれが2個のp型オーミック電極(符号なし)間のp型の第2半導体層85を抵抗とする。
図6(a)において、各素子間の接続関係を説明する。
点灯信号線75は、幹部75aと複数の枝部75bとを備えている。幹部75aは発光サイリスタ列の列方向に延びるように設けられている。枝部75bは幹部75aから枝分かれして、第1アイランド301に設けられた発光サイリスタL1のカソード端子であるn型オーミック電極321と接続されている。他の発光サイリスタLのカソード端子も同様である。
点灯信号線75は、発光サイリスタ列において、発光サイリスタL1側に設けられたφI端子から接続されている。
第1転送信号線72は、第1アイランド301に設けられた転送サイリスタT1のカソード端子であるn型オーミック電極322に接続されている。また、第1転送信号線72は、第1アイランド301と同様なアイランドに設けられた、他の奇数番号の転送サイリスタTのカソード端子にも接続されている。そして、第1転送信号線72は、第4アイランド304に設けられた電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている。
一方、第2転送信号線73は、符号を付さないアイランドに設けられた偶数番号の転送サイリスタTのカソード端子であるn型オーミック電極(符号なし)に接続されている。第2転送信号線73は、第5アイランド305に設けられた電流制限抵抗R2を介してφ2端子に接続されている。
電源線71は、第2アイランド302に設けられた電源線抵抗Rgx1の一方の端子であるp型オーミック電極333に接続されている。他の電源線抵抗Rgxの一方の端子も電源線71に接続されている。電源線71はVga端子に接続されている。
第1アイランド301における発光サイリスタL2及び転送サイリスタT2のゲート端子Gt1/Gl1であるp型オーミック電極331は、第2アイランド302における電源線抵抗Rgx1の他方の端子であるp型オーミック電極332に接続配線76で接続されている。また、p型オーミック電極331は、第3アイランド303におけるスタートダイオードDx0のカソード端子であるn型オーミック電極324に接続配線76で接続されている。
また、スタートダイオードDx0のアノード端子であるp型オーミック電極334は、第2転送信号線73に接続されている。
第1アイランド301に設けられた結合ダイオードDx1のカソード端子であるn型オーミック電極323は、隣接して設けられている発光サイリスタL2及び転送サイリスタT2のゲート端子Gt2/Gl2であるp型オーミック電極(符号なし)に接続配線77で接続されている。
ここでは説明を省略するが、他の発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合ダイオードDx及び電源線抵抗Rgxについても同様である。
なお、電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75及び接続配線76、77などの配線は、第2分離部M2と交差せず、第1分離部M1と交差するように設けられている。
(発光装置65の動作)
次に、発光装置65の動作について説明する。
前述したように、発光装置65は発光チップC1〜C40を備えている(図3、4参照)。
発光チップC1〜C40は並列に駆動されるので、発光チップC1の動作を説明すれば足りる。
<サイリスタ>
発光チップC1の動作を説明する前に、サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)の基本的な動作を説明する。サイリスタは、前述したように、アノード端子、カソード端子、ゲート端子の3端子を有する半導体素子である。
以下では、一例として、Vsub端子である裏面電極88(図5、図6参照)に供給される基準電位Vsubをハイレベルの電位(以下では「H」と表記する。)として0V、Vga端子に供給される電源電位Vgaをローレベルの電位(以下では「L」と表記する。)として−3.3Vとして説明する。
サイリスタのアノード端子は、裏面電極88に供給される基準電位Vsub(「H」(0V))である。
サイリスタは、例えば、図6に示したように、GaAs、GaAlAs、AlAsなどによるp型半導体層(第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83及びp型の第2半導体層85)、n型半導体層(n型の第1半導体層84及びn型の第3半導体層86)をp型の基板80上に積層して構成される。つまり、サイリスタは、pnpn構造を成している。ここでは、p型半導体層とn型半導体層とで構成されるpn接合の順方向電位(拡散電位)Vdを一例として1.5Vとして説明する。
アノード端子とカソード端子との間に電流が流れていないオフ状態のサイリスタは、しきい電圧より低い電位(絶対値が大きい負の電位)がカソード端子に印加されるとオン状態に移行(ターンオン)する。ここで、サイリスタのしきい電圧は、ゲート端子の電位からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた値である。
オン状態のサイリスタのゲート端子の電位は、アノード端子の電位に近い電位になる。ここでは、アノード端子を基準電位Vsub(「H」(0V))に設定しているので、ゲート端子の電位は0V(「H」)になるとする。また、オン状態のサイリスタのカソード端子は、アノード端子の電位からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた電位に近い電位となる。ここでは、アノード端子を基準電位Vsub(「H」(0V))に設定しているので、オン状態のサイリスタのカソード端子の電位は−1.5Vに近い電位(絶対値が1.5Vより大きい負の電位)となる。なお、カソード端子の電位は、オン状態のサイリスタに電流を供給する電源との関係で設定される。
オン状態のサイリスタは、カソード端子が、オン状態を維持するために必要な電位(上記の−1.5Vに近い電位)より高い電位(絶対値が小さい負の電位、0Vまたは正の電位)になると、オフ状態に移行(ターンオフ)する。
一方、オン状態のサイリスタのカソード端子に、オン状態を維持するために必要な電位より低い電位(絶対値が大きい負の電位)が継続的に印加され、オン状態を維持しうる電流(維持電流)が供給されると、サイリスタはオン状態を維持する。
そして、発光サイリスタLは、ターンオンにより点灯(発光)し、ターンオフにより消灯(非点灯)する。オン状態の発光サイリスタLが出射する光の量は、カソード領域(発光サイリスタL1のカソード領域311)の面積およびカソード端子とアノード端子との間に流す電流によって決まる。
なお、転送サイリスタTも、発光サイリスタLと同様に発光するが、カソード領域(転送サイリスタT1のカソード領域312)の面積を小さくしたり、電極(転送サイリスタT1のn型オーミック電極322)などで遮光したりすることにより、不要な光の発生が抑制されている。
<タイミングチャート>
図7は、発光装置65および発光チップCの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図7では、発光チップC1の発光サイリスタL1〜L5の5個の発光サイリスタLの点灯または非点灯を制御(点灯制御と表記する。)する部分のタイミングチャートを示している。なお、図7では、発光チップC1の発光サイリスタL1、L2、L3、L5を点灯させ、発光サイリスタL4を消灯(非点灯)としている。
図7において、時刻aから時刻kへとアルファベット順に時刻が経過するとする。発光サイリスタL1は、期間T(1)において、発光サイリスタL2は、期間T(2)において、発光サイリスタL3は、期間T(3)において、発光サイリスタL4は、期間T(4)において点灯または非点灯の制御(点灯制御)がされる。以下、同様にして番号が5以上の発光サイリスタLが点灯制御される。
ここでは、期間T(1)、T(2)、T(3)、…は同じ長さの期間とし、それぞれを区別しないときは期間Tと呼ぶ。
φ1端子(図5、図6参照)に送信される第1転送信号φ1およびφ2端子(図5、図6参照)に送信される第2転送信号φ2は、「H」と「L」との2つの電位を有する信号である。そして、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2は、連続する2つの期間T(例えば、期間T(1)と期間T(2))を単位として波形が繰り返される。
第1転送信号φ1は、期間T(1)の開始時刻bで「H」から「L」に移行し、時刻fで「L」から「H」に移行する。そして、期間T(2)の終了時刻iにおいて、「H」から「L」に移行する。
第2転送信号φ2は、期間T(1)の開始時刻bにおいて「H」であって、時刻eで「H」から「L」に移行する。そして、期間T(2)の終了時刻iにおいて「L」から「H」に移行する。
第1転送信号φ1と第2転送信号φ2とを比較すると、第2転送信号φ2は、第1転送信号φ1を時間軸上で期間T後ろにずらしたものに当たる。一方、第2転送信号φ2は、期間T(1)において、破線で示す波形および期間T(2)での波形が、期間T(3)以降において繰り返す。第2転送信号φ2の期間T(1)の波形が期間T(3)以降と異なるのは、期間T(1)は発光装置65が動作を開始する期間であるためである。
第1転送信号φ1と第2転送信号φ2との一組の転送信号は、後述するように、転送サイリスタTを番号順にオン状態を伝播させることにより、オン状態の転送サイリスタTと同じ番号の発光サイリスタLを、点灯または非点灯の制御(点灯制御)の対象として指定する。
次に、発光チップC1のφI端子に送信される点灯信号φI1について説明する。なお、他の発光チップC2〜C40には、それぞれ点灯信号φI2〜φI40が送信される。点灯信号φI1は、「H」と「L」との2つの電位を有する信号である。
ここでは、発光チップC1の発光サイリスタL1に対する点灯制御の期間T(1)において、点灯信号φI1を説明する。点灯信号φI1は、期間T(1)の開始時刻bにおいて「H」であって、時刻cで「H」から「L」に移行する。そして、時刻dで「L」から「H」に移行し、時刻eにおいて「H」を維持する。
図4、図5を参照しつつ、図7に示したタイミングチャートにしたがって、発光装置65および発光チップC1の動作を説明する。なお、以下では、発光サイリスタL1およびL2を点灯制御する期間T(1)およびT(2)について説明する。
(1)時刻a
<発光装置65>
時刻aにおいて、発光装置65の信号発生回路110の基準電位供給部160は、基準電位Vsubを「H」(0V)に設定する。電源電位供給部170は、電源電位Vgaを「L」(−3.3V)に設定する。すると、発光装置65の回路基板62上の電源ライン200aは基準電位Vsubの「H」になり、発光チップC1〜C40のそれぞれのVsub端子は「H」になる。同様に、電源ライン200bは電源電位Vgaの「L」になり、発光チップC1〜C40のそれぞれのVga端子は「L」になる(図4参照)。これにより、発光チップC1〜C40のそれぞれの電源線71は「L」になる(図5参照)。
そして、信号発生回路110の転送信号発生部120は第1転送信号φ1、第2転送信号φ2をそれぞれ「H」に設定する。すると、第1転送信号ライン201および第2転送信号ライン202が「H」になる(図4参照)。これにより、発光チップC1〜C40のそれぞれのφ1端子およびφ2端子が「H」になる。電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている第1転送信号線72の電位も「H」になり、電流制限抵抗R2を介してφ1端子に接続されている第2転送信号線73も「H」になる(図5参照)。
さらに、信号発生回路110の点灯信号発生部140は、点灯信号φI1〜φI40をそれぞれ「H」に設定する。すると、点灯信号ライン204−1〜204−40が「H」になる(図4参照)。これにより、発光チップC1〜C40のそれぞれのφI端子が、電流制限抵抗RIを介して「H」になり、φI端子に接続された点灯信号線75も「H」になる(図5参照)。
次に、発光チップC1の動作を説明する。
<発光チップC1>
転送サイリスタT、発光サイリスタLのアノード端子はVsub端子に接続されているので、「H」に設定される。
奇数番号の転送サイリスタT1、T3、T5、…のそれぞれのカソード端子は、第1転送信号線72に接続され、「H」に設定されている。偶数番号の転送サイリスタT2、T4、T6、…のそれぞれのカソード端子は、第2転送信号線73に接続され、「H」に設定されている。よって、転送サイリスタTは、アノード端子およびカソード端子がともに「H」であるためオフ状態にある。
発光サイリスタLのカソード端子は、「H」の点灯信号線75に接続されている。よって、発光サイリスタLも、アノード端子およびカソード端子がともに「H」であるためオフ状態にある。
図5中の転送サイリスタ列の一端のゲート端子Gt1は、前述したように、スタートダイオードDx0のカソード端子に接続されている。ゲート端子Gt1は、電源線抵抗Rgx1を介して、電源電位Vga(「L」)の電源線71に接続されている。そして、スタートダイオードDx0のアノード端子は第2転送信号線73に接続され、電流制限抵抗R2を介して、「H」のφ2端子に接続されている。よって、スタートダイオードDx0は順バイアスであり、スタートダイオードDx0のカソード端子(ゲート端子Gt1)は、スタートダイオードDx0のアノード端子の電位(「H」)からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた値(−1.5V)になる。また、ゲート端子Gt1が−1.5Vになると、結合ダイオードDx1は、アノード端子(ゲート端子Gt1)が−1.5Vで、カソード端子が電源線抵抗Rgx2を介して電源線71(「L」(−3.3V))に接続されているので、順バイアスになる。よって、ゲート端子Gt2の電位は、ゲート端子Gt1の電位(−1.5V)からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた−3Vになる。しかし、3以上の番号のゲート端子Gtには、スタートダイオードDx0のアノード端子が「H」(0V)であることの影響は及ばず、これらのゲート端子Gtの電位は、電源線71の電位である「L」(−3.3V)になっている。
なお、ゲート端子Gtはゲート端子Glであるので、ゲート端子Glの電位は、ゲート端子Gtの電位と同じである。よって、転送サイリスタT、発光サイリスタLのしきい電圧は、ゲート端子Gt、Glの電位からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた値となる。すなわち、転送サイリスタT1、発光サイリスタL1のしきい電圧は−3V、転送サイリスタT2、発光サイリスタL2のしきい電圧は−4.5V、番号が3以上の転送サイリスタT、発光サイリスタLのしきい電圧は−4.8Vとなっている。
(2)時刻b
図7に示す時刻bにおいて、第1転送信号φ1が、「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行する。これにより発光装置65は、動作を開始する。
第1転送信号φ1が「H」から「L」に移行すると、φ1端子および電流制限抵抗R1を介して、第1転送信号線72の電位が、「H」から「L」に移行する。すると、しきい電圧が−3Vである転送サイリスタT1がターンオンする。しかし、第1転送信号線72にカソード端子が接続された、番号が3以上の奇数番号の転送サイリスタTは、しきい電圧が−4.8Vであるのでターンオンできない。一方、偶数番号の転送サイリスタTは、第2転送信号φ2が「H」(0V)であって、第2転送信号線73が「H」であるのでターンオンできない。
転送サイリスタT1がターンオンすることで、第1転送信号線72の電位は、アノード端子の電位(「H」(0V))からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた−1.5Vになる。
転送サイリスタT1がターンオンすると、ゲート端子Gt1/Gl1の電位は、転送サイリスタT1のアノード端子の電位である「H」になる。そして、ゲート端子Gt2(ゲート端子Gl2)の電位が−1.5V、ゲート端子Gt3(ゲート端子Gl3)の電位が−3V、番号が4以上のゲート端子Gt(ゲート端子Gl)の電位が「L」になる。
これにより、発光サイリスタL1のしきい電圧が−1.5V、転送サイリスタT2、発光サイリスタL2のしきい電圧が−3V、転送サイリスタT3、発光サイリスタL3のしきい電圧が−4.5V、番号が4以上の転送サイリスタT、発光サイリスタLのしきい電圧が−4.8Vになる。
しかし、第1転送信号線72は、オン状態の転送サイリスタT1により−1.5Vになっているので、オフ状態の奇数番号の転送サイリスタTはターンオンしない。第2転送信号線73は、「H」であるので、偶数番号の転送サイリスタTはターンオンしない。点灯信号線75は「H」であるので、発光サイリスタLはいずれもターンオンしない。
時刻bの直後(ここでは、時刻bにおける信号の電位の変化によってサイリスタなどの変化が生じた後、定常状態になったときをいう。)において、転送サイリスタT1がオン状態にあって、他の転送サイリスタT、発光サイリスタLはオフ状態にある。
(3)時刻c
時刻cにおいて、点灯信号φI1が「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行する。
点灯信号φI1が「H」から「L」に移行すると、電流制限抵抗RIおよびφI端子を介して、点灯信号線75が「H」から「L」に移行する。すると、しきい電圧が−1.5Vである発光サイリスタL1がターンオンして、点灯(発光)する。これにより、点灯信号線75の電位が−1.5Vに近い電位(絶対値が1.5Vより大きい負の電位)になる。なお、発光サイリスタL2はしきい電圧が−3Vであるが、しきい電圧が−1.5Vと高い(絶対値が小さい負の電位である)発光サイリスタL1がターンオンして、点灯信号線75が−1.5Vに近い電位になるので、発光サイリスタL2はターンオンしない。
時刻cの直後において、転送サイリスタT1がオン状態にあって、発光サイリスタL1がオン状態で点灯(発光)している。
(4)時刻d
時刻dにおいて、点灯信号φI1が「L」(−3.3V)から「H」(0V)に移行する。
点灯信号φI1が「L」から「H」に移行すると、電流制限抵抗RIおよびφI端子を介して、点灯信号線75の電位が「L」から「H」に移行する。すると、発光サイリスタL1は、アノード端子とカソード端子とがともに「H」になるのでターンオフして消灯(非点灯)する。発光サイリスタL1の点灯期間は、点灯信号φI1が「H」から「L」に移行した時刻cから、点灯信号φI1が「L」から「H」に移行する時刻dまでの、点灯信号φI1が「L」である期間となる。
時刻dの直後において、転送サイリスタT1がオン状態にある。
(5)時刻e
時刻eにおいて、第2転送信号φ2が「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行する。ここで、発光サイリスタL1を点灯制御する期間T(1)が終了し、発光サイリスタL2を点灯制御する期間T(2)が開始する。
第2転送信号φ2が「H」から「L」に移行すると、φ2端子を介して第2転送信号線73の電位が「H」から「L」に移行する。前述したように、転送サイリスタT2は、しきい電圧が−3Vになっているので、ターンオンする。これにより、ゲート端子Gt2(ゲート端子Gl2)の電位が「H」(0V)、ゲート端子Gt3(ゲート端子Gl3)の電位が−1.5V、ゲート端子Gt4(ゲート端子Gl4)の電位が−3Vになる。そして、番号が5以上のゲート端子Gt(ゲート端子Gl)の電位が−3.3Vになる。
時刻eの直後において、転送サイリスタT1およびT2がオン状態にある。
(6)時刻f
時刻fにおいて、第1転送信号φ1が「L」(−3.3V)から「H」(0V)に移行する。
第1転送信号φ1が「L」から「H」に移行すると、φ1端子を介して第1転送信号線72の電位が「L」から「H」に移行する。すると、オン状態の転送サイリスタT1は、アノード端子とカソード端子とがともに「H」になって、ターンオフする。すると、ゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)の電位は、電源線抵抗Rgx1を介して、電源線71の電源電位Vga(「L」(−3.3V))に向かって変化する。これにより、結合ダイオードDx1が電流が流れない方向に電位が加えられた状態(逆バイアス)になる。よって、ゲート端子Gt2(ゲート端子Gl2)が「H」(0V)である影響は、ゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)には及ばなくなる。すなわち、逆バイアスの結合ダイオードDxで接続されたゲート端子Gtを有する転送サイリスタTは、しきい電圧が−4.8Vになって、「L」(−3.3V)の第1転送信号φ1または第2転送信号φ2ではターンオンしなくなる。
時刻fの直後において、転送サイリスタT2がオン状態にある。
(7)その他
時刻gにおいて、点灯信号φI1が「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行すると、時刻cでの発光サイリスタL1と同様に、発光サイリスタL2がターンオンして、点灯(発光)する。
そして、時刻hにおいて、点灯信号φI1が「L」(−3.3V)から「H」(0V)に移行すると、時刻dでの発光サイリスタL1と同様に、発光サイリスタL2がターンオフして消灯する。
さらに、時刻iにおいて、第1転送信号φ1が「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行すると、時刻bでの転送サイリスタT1または時刻eでの転送サイリスタT2と同様に、しきい電圧が−3Vの転送サイリスタT3がターンオンする。時刻iで、発光サイリスタL2を点灯制御する期間T(2)が終了し、発光サイリスタL3を点灯制御する期間T(3)が開始する。
以降は、これまで説明したことの繰り返しとなる。
なお、発光サイリスタLを点灯(発光)させないで、消灯(非点灯)のままとするときは、図7の発光サイリスタL4を点灯制御する期間T(4)における時刻jから時刻kに示す点灯信号φI1のように、点灯信号φIを「H」(0V)のままとすればよい。このようにすることで、発光サイリスタL4のしきい電圧が−1.5Vであっても、発光サイリスタL4は消灯(非点灯)のままとなる。
以上説明したように、転送サイリスタTのゲート端子Gtは結合ダイオードDxによって相互に接続されている。よって、ゲート端子Gtの電位が変化すると、電位が変化したゲート端子Gtに、順バイアスの結合ダイオードDxを介して接続されたゲート端子Gtの電位が変化する。そして、電位が変化したゲート端子を有する転送サイリスタTのしきい電圧が変化する。転送サイリスタTは、しきい電圧が「L」(−3.3V)より高い(絶対値が小さい負の値)と、第1転送信号φ1または第2転送信号φ2が「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行するタイミングにおいてターンオンする。
そして、オン状態の転送サイリスタTのゲート端子Gtにゲート端子Glが接続された発光サイリスタLは、しきい電圧が−1.5Vであるので、点灯信号φIが「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行すると、ターンオンして点灯(発光)する。
すなわち、転送サイリスタTはオン状態になることで、点灯制御の対象である発光サイリスタLを指定し、点灯信号φIは、点灯制御の対象の発光サイリスタLを点灯または非点灯に設定する。
このように、画像データに応じて点灯信号φIの波形を設定して、各発光サイリスタLの点灯または非点灯を制御している。
以下では、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83の詳細を説明する。
(第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83)
図8は、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83を説明する図である。図8(a)は、第1分離部M1を示し、図8(b)は、第2分離部M2を示している。
第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83は、p型の基板80上に順に積層されている。そして、第2多層膜反射鏡83上にp型の第1半導体層84が積層されている。
そして、図8(a)に示す第1分離部M1では、電流狭窄層82に到達することなく、第2多層膜反射鏡83の一部までが除かれて構成されている。図8(b)に示す第2分離部M2は、電流狭窄層82を越えて、第1多層膜反射鏡81の一部まで除かれて構成されている。
第1多層膜反射鏡81及び第2多層膜反射鏡83は、屈折率の異なる複数の層を積層した誘電体ミラーであって、層間で生じるブラッグ反射を利用する。すなわち、第1多層膜反射鏡81及び第2多層膜反射鏡83は、複数の層を積層した分布ブラッグ反射鏡(DBR:Distributed Bragg Reflector)である。
そして、発光サイリスタLにおいて、p型の基板80と第1半導体層84(p型ゲート層)との間に設けることで、p型の基板80側に向かう光を反射して、図2に示したロッドレンズアレイ64に向かう光量を増加させる。すなわち、発光サイリスタLからの光取り出し効率を向上させる。
一方、電流狭窄層82は、発光サイリスタLの周囲の三方(図6(a)の発光サイリスタL4の矢印α、β、γで示す側面)に電流の流れを阻止する電流阻止部82bを設ける。これにより、発光サイリスタLに流れる電流を中央部に集中させる(狭窄する)ことで、キャリア密度を高くして正孔と電子との結合効率を高くすることで、発光効率を向上させる。
すなわち、本実施の形態の発光チップCでは、電流狭窄層82を設けて発光サイリスタLの発光効率を向上させるとともに、第1多層膜反射鏡81及び第2多層膜反射鏡83により、光取り出し効率を向上させている。これらにより、発光チップCが出射する光量を向上させている。
図8(a)、(b)において、層構成を説明する。
発光チップCは、例えばGaAs、GaAlAs、AlAsなど、III−V族の化合物半導体を用いて構成される。なお、化合物半導体の導電型及び濃度は、添加される不純物により設定される。
p型の基板80は、例えばGaAsで構成されている。
第1多層膜反射鏡81は、低屈折率層81aと高屈折率層81bとが交互に例えば10対(ペア)積層されて構成されている。低屈折率層81aは、例えばAl0.9Ga0.1Asの高Al組成層であり、高屈折率層81bは、例えばp型のAl0.2Ga0.8Asの低Al組成層である。なお、低屈折率層81aと高屈折率層81bの膜厚(光路長)は、反射させる光の中心波長λに対して、例えば0.25(1/4)λに設定されている。なお、低屈折率層81aと高屈折率層81bとの1対(ペア)の膜厚は、約120nmである。
屈折率は、Al組成比によって変化し、Al組成比が大きいほど小さい。よって、Al組成比の異なるAlGaAs層を交互に積層することで、分布ブラッグ反射鏡が構成される。
なお、反射率は、積層されるAlGaAs層の屈折率差が大きいほど大きい。
第2多層膜反射鏡83は、低屈折率層83aと高屈折率層83bとが交互に例えば3対(ペア)積層されて構成されている。低屈折率層83aは、例えばAl0.8Ga0.2Asの高Al組成層であり、高屈折率層83bは、例えばp型のAl0.2Ga0.8Asの低Al組成層である。なお、低屈折率層83aと高屈折率層83bの膜厚(光路長)は、反射させる光の中心波長λに対して、例えば0.25(1/4)λに設定されている。なお、低屈折率層83aと高屈折率層83bとの1対(ペア)の膜厚は、約120nmである。
電流狭窄層82は、例えばp型のAlAsである。電流狭窄層82の膜厚(光路長)は、例えば0.75(3/4)λに設定されている。
Al組成比が大きい(濃度が高い)ほど、後述する水蒸気酸化などの方法により、Alが酸化されやすい。そして、酸化の速度(酸化されやすさ)は、Al組成比が高くなればなるほど急激に増加する。
そして、Alの酸化によって生成される酸化物(Al)は、電流を通しにくい。すなわち、電流狭窄層82は、Alが酸化された酸化物(Al)により、電流の流れを阻止する電流阻止部82bを形成する。なお、電流狭窄層82のAlが酸化されていない部分は、電流が流れる電流通過部82aである。
以上説明したように、電流狭窄層82は、Alの酸化物を生成させることで、電流阻止部82bを形成する。よって、Al組成比は、第1多層膜反射鏡81の低屈折率層81a(高Al組成層)及び第2多層膜反射鏡83の低屈折率層83a(高Al組成層)のいずれのAl組成比よりも大きく設定されている。よって、電流狭窄層82には、AlAsのようにAl組成比が高い材料を使用するのがよい。例えば、Al組成比が98%以上のAlGaAsであってもよい。
なお、第1多層膜反射鏡81の低屈折率層81a(高Al組成層)と第2多層膜反射鏡83の低屈折率層83a(高Al組成層)のAl組成比は異なっている。つまり、第2多層膜反射鏡83における低屈折率層83a(高Al組成層)のAl組成比が、第1多層膜反射鏡81における低屈折率層81a(高Al組成層)より、小さく設定されている。
これは、配線(電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75、接続配線76、77など)を、第2分離部M2に交差させず、第1分離部M1に交差して設けるためである。
以下では、この理由を説明する。
電流狭窄層82の電流阻止部82bは、組成中のAlを酸化して形成される。そして、電流狭窄層82は、第1多層膜反射鏡81と第2多層膜反射鏡83とで挟まれている。
そして、電流狭窄層82の酸化は、電流狭窄層82の側面を露出させて、側面から酸化させて行う。
このため、図8(b)に示すように、電流狭窄層82を越えて、第1多層膜反射鏡81の一部まで除かれた第2分離部M2を設けて、電流狭窄層82の側面を露出させることになる。このとき、第2分離部M2に第1多層膜反射鏡81が露出した面M2Sが形成される。なお、面M2Sには、第1多層膜反射鏡81の露出した側面が含まれるが、ここでは、第2分離部M2の底面として説明する。
電流狭窄層82は、前述したように、電流阻止部82bによって、発光サイリスタLに流れる電流を中央部に集中させて、発光効率を向上させる。よって、転送サイリスタT、結合ダイオードDxなどには、電流阻止部82bを設けることを要しない。逆に、転送サイリスタT、結合ダイオードDxなどでは、電流阻止部82bを設けると、オン状態の抵抗が増加して、動作を阻害してしまう。
よって、発光サイリスタL以外の素子に対しては、図8(a)に示すように、電流狭窄層82に到達することなく、第2多層膜反射鏡83の一部まで除かれた第1分離部M1を設けて、電流狭窄層82の側面を露出させないようにしている。
なお、第2多層膜反射鏡83を構成する低屈折率層83aと高屈折率層83bとの1対(ペア)の膜厚は、約120nmである。すると、第1分離部M1を形成するエッチングの精度から、露出する面M1Sを、高屈折率層83b(低Al組成層)とすることは難しい。すなわち、露出する面M1Sには、高屈折率層83b(低Al組成層)が現れたり、低屈折率層83a(高Al組成層)が現れたりする。また、面M1Sの一部が低屈折率層83a(高Al組成層)で残りが高屈折率層83b(低Al組成層)になったり、逆の状態になったりする。
すると、第1分離部M1の露出した面M1Sにおいて、電流狭窄層82の酸化にともなって、低屈折率層83a(高Al組成層)のAl成分が酸化され、表面が荒れたり、黒く変色したりする。そして、その上に設けられる絶縁層87(図6(b)参照)の密着性が低下して、配線(電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75など)の形成を難しくする。また、発光チップCの信頼性を低下させる。さらに、プリントヘッド14及び画像形成装置1の信頼性も低下する。
そこで、本実施の形態では、第2多層膜反射鏡83の低屈折率層83a(高Al組成層)のAl組成比を、第1多層膜反射鏡81の低屈折率層81a(高Al組成層)に比べて、低く設定し、第1分離部M1の露出した面M1Sの酸化を抑制している。そして、第1分離部M1と交差するように、配線を設けている。
前述したように、Al組成比が高いほど、Al成分が酸化されやすく、且つ、Al組成比によって、Al成分の酸化速度(酸化されやすさ)が大きく変化する。
例えば、第2多層膜反射鏡83の低屈折率層83a(高Al組成層)のAl組成比を、例えば前述した値(0.8)に設定することで、Al成分の酸化を抑制し、絶縁層87及び配線を形成するのに支障がないようにしている。
そして、第1多層膜反射鏡81の低屈折率層81a(高Al組成層)に含まれるAl成分が、電流狭窄層82の酸化の際に酸化されたとしても、配線は、第1分離部M1と交差するため、配線の形成に影響を与えない。
よって、発光チップCの歩留まりや信頼性が向上し、プリントヘッド14及び画像形成装置1の信頼性が向上する。
しかし、第2多層膜反射鏡83の低屈折率層83a(高Al組成層)のAl組成比を低くすると、屈折率が高くなって、分布ブラッグ反射鏡としての反射率が低下する。このため、第2多層膜反射鏡83のペア数を少なくするとよい。例えば、3ペアとすれば、反射率の低下が小さく抑えられるとともに、第1分離部M1のエッチングにおいて、第2多層膜反射鏡83内に面M1Sが設けられる。
また、発光サイリスタLでは、n型の第1半導体層84(n型ゲート層)とp型の第2半導体層85(p型ゲート層)との境界で発光が生じる。よって、この境界にキャリアが効率的に注入されることがよい。よって、この境界と電流狭窄層82との距離は近いほどよい。このことからも、第2多層膜反射鏡83の膜厚(ペア数)は小さいほどよい。
一方、図8(b)に示す第2分離部M2の面M2Sを交差するように、配線を設けないため、面M2Sに荒れが生じても許容される。よって、第1多層膜反射鏡81では、低屈折率層81a(高Al組成層)のAl組成比を高くし、高い反射率が得られるようにしている。
図8(a)、(b)に示すように、電流狭窄層82は、第1多層膜反射鏡81及び第2多層膜反射鏡83との間にあって、低屈折率層(高Al組成層)として機能する。つまり、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82及び第2多層膜反射鏡83が、全体として多層膜反射鏡として捉えられる。
そして、電流狭窄層82の膜厚(光路長)は、低屈折率層81a、83aと同様に、0.25(1/4)λであってもよい。しかし、電流狭窄層82の膜厚(光路長)が薄いと、酸化の進行が遅くなるとともに、膜厚のばらつきの影響を受けやすくなる。よって、電流狭窄層82の膜厚(光路長)は、0.25(1/4)λの整数倍に設定されるとよい。
なお、電流狭窄層82の膜厚(光路長)が0.25(1/4)λの奇数倍である場合は、電流狭窄層82の下側が第1多層膜反射鏡81の高屈折率層81b(低Al組成層)、上側が第2多層膜反射鏡83の高屈折率層83b(低Al組成層)で挟まれているとよい。図8(a)、(b)は、電流狭窄層82の膜厚(光路長)を0.75(3/4)λとした場合であるので、この構成になっている。
一方、電流狭窄層82の膜厚(光路長)が0.25(1/4)λの偶数倍である場合は、電流狭窄層82の下側が第1多層膜反射鏡81の高屈折率層81b(低Al組成層)、上側が第2多層膜反射鏡83の低屈折率層83a(高Al組成層)で挟まれているとよい。
(発光チップCの製造方法)
発光チップCの製造方法について説明する。
ここでは、図6(a)のP−P線での断面(P−P断面)と、Q−Q線での断面(Q−Q断面)とで説明する。P−P線での断面は、第1分離部M1での断面であって、転送サイリスタT1の断面である。Q−Q線での断面は、第2分離部M2での断面であって、発光サイリスタL1の断面である。
図9は、ゲート出しエッチング工程までの工程を説明する図である。図9(a1)、(b1)、(c1)は、図6(a)におけるP−P線での断面図、図9(a2)、(b2)、(c2)は、図6(a)におけるQ−Q線での断面図である。(an)、(bn)、(cn)の順に工程が進行する。nは、1又は2である。
図9(a1)、(a2)に示すように、p型の基板80上に、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83、n型の第1半導体層84、p型の第2半導体層85、n型の第3半導体層86が積層される。
なお、p型の基板80、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83については、既に説明した。第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83は、p型の半導体層である。
n型の第1半導体層84は、例えば膜厚(光路長)が1.25(5/4)λのn型のAl0.3Ga0.7Asである。p型の第2半導体層85は、例えば膜厚(光路長)が2.25(9/4)λのp型のAl0.14Ga0.86Asである。n型の第3半導体層86は、n型のGaAs又はAlGaAsである。
次に、図9(b1)、(b2)に示すように、n型の第3半導体層86上に、n型の第3半導体層86とオーミックコンタクトするAuGeなどによるn型オーミック電極321、322をリフトオフ法などにより形成する。
そして、図9(c1)、(c2)に示すように、一部のn型の第3半導体層86をエッチングにより除去して、p型の第2半導体層85を露出させる。この工程は、ゲート出しエッチングと呼ばれる。
まず、フォトリソグラフィにより、図9(c1)では、転送サイリスタT1のカソード領域312に対応するフォトレジストのマスクパタン91が形成され、図9(c2)では、発光サイリスタL1のカソード領域311に対応するフォトレジストのマスクパタン92が形成される。そして、例えば、硫酸系のエッチング液(重量比において硫酸:過酸化水素水:水=1:10:300)によるウエットエッチングが行われる。これにより、図9(c1)では、転送サイリスタT1のカソード領域312が形成され、図9(c2)では、発光サイリスタL1のカソード領域311が形成される。
この後、マスクパタン91、92は除去される。
この後に、図示していないが、露出したp型の第2半導体層85上に、p型の第2半導体層85とオーミックコンタクトするAuZnなどによるp型オーミック電極331などをリフトオフ法などにより形成する。
図10は、ゲート出しエッチングの後の工程を説明する図である。図10(a1)、(b1)、(c1)は、図6(a)におけるP−P線での断面図、図10(a2)、(b2)、(c2)は、図6(a)におけるQ−Q線での断面図である。(an)、(bn)、(cn)の順に工程が進行する。nは、1又は2である。
図10(a1)、(a2)では、エッチングにより第1分離部M1が形成される。
まず、フォトリソグラフィにより、図10(a1)、(a2)では、第1アイランド301の平面形状に対応するフォトレジストのマスクパタン93が形成される。マスクパタン93は、図6(a)から分かるように、発光サイリスタL1の部分から転送サイリスタT1の部分まで繋がって形成される。なお、図示していないが、他の第2アイランド302などのアイランドに対応するマスクパタンも同時に形成される。
そして、例えば、硫酸系のエッチング液(重量比において硫酸:過酸化水素水:水=1:10:300)によるウエットエッチングにより、第2多層膜反射鏡83を露出させる。これにより、図6(a)、(b)に示すように、第1アイランド301、第2アイランド302などのアイランドが分離される。
この後、マスクパタン93が除去される。
次に、図10(b2)では、第2分離部M2が形成される。
まず、フォトリソグラフィにより、発光サイリスタL1の三方の側面(図6(a)の発光サイリスタL4における矢印α、β、γの側面)を露出させるように、フォトレジストのマスクパタン94が形成される。他の発光サイリスタLについても同様である。なお、図10(b1)に示すように、P−P線での断面図に現れた転送サイリスタT1などは、エッチングされないように、マスクパタン94で覆われている。マスクパタン94は、図6(a)から分かるように、発光サイリスタL1の部分から転送サイリスタT1の部分まで繋がって形成される。
そして、例えば、リン系のエッチング液(重量比においてリン酸:過酸化水素水:水=1:10:60)によるウエットエッチングにより、露出した第2多層膜反射鏡83、電流狭窄層82を除去し、第1多層膜反射鏡81を露出させる。これにより、発光サイリスタL1の三方の側面において電流狭窄層82の側面が露出する。しかし、転送サイリスタT1などの側面は、マスクパタン94で覆われているので、電流狭窄層82の側面が露出することがない。
この後、マスクパタン94が除去される。
なお、第2分離部M2を形成するエッチングを、例えば塩化ホウ素を用いた異方性ドライエッチングで行ってもよい。なお、異方性ドライエッチングで第1分離部M1又は第2分離部M2を形成すると、適切な表面処理を行わないと、第1分離部M1又は第2分離部M2の表面において、電流が流れやすくなり、サイリスタがターンオンしやすくなる。発光サイリスタLは、ターンオンしやすくてもよいが、転送サイリスタTは、ターンオンしやすいと、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2による転送が正常に行われなくなる。よって、第1分離部M1を形成するエッチングは、ウエットエッチングで行うことがよい。
そして、図10(c2)に示すように、第2分離部M2の側面に露出した電流狭窄層82を側面から酸化して、電流を阻止する電流阻止部82bを形成する。酸化されないで残った部分が電流通過部82aとなる。
例えば、300〜400℃での水蒸気酸化により、AlAsである電流狭窄層82の露出した側面から酸化が進行し、発光サイリスタLの三方の周囲にAlの酸化物であるAlによる電流阻止部82bが形成される。
そして、p型の基板80の裏面に、裏面電極88が形成される。
この後、図示しないが、絶縁層87が形成される。次いで、n型オーミック電極321、322やp型オーミック電極331などの電極に対して、絶縁層87にスルーホールが形成される(図6(a)の〇。)。そして、配線(電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75、接続配線76、77など)が形成される。
以上説明したように、発光サイリスタLの周囲(周辺部)の三方から電流狭窄層82を酸化して、電流を阻止する電流阻止部82bを形成し、発光サイリスタLの中心部に電流を集中させ(狭窄して)、発光効率を向上させるともに、第1多層膜反射鏡81及び第2多層膜反射鏡83により、基板80側に向かう光を反射させて、光取り出し効率を向上させている。これらにより、発光サイリスタLの出射する光量を増加させている。
さらに、第2多層膜反射鏡83において低屈折率層83a(高Al組成層)のAl組成比を、第1多層膜反射鏡81において低屈折率層81a(高Al組成層)のAl組成比に比べて、低くすることで、第1分離部M1の面M1Sが酸化によって荒れて絶縁層87や配線の形成を妨げることを抑制している。
(変形例)
図9に示した本実施の形態では、第2多層膜反射鏡83は、低屈折率層83aと高屈折率層83bとを交互に積層して構成されていた。そして、低屈折率層83a(高Al組成層)は、第1多層膜反射鏡81における低屈折率層81a(高Al組成層)より、Al組成比が低く設定されていた。
しかし、前述したように、第2多層膜反射鏡83の低屈折率層83a(高Al組成層)は、第1分離部M1の露出した面M1Sに、酸化によって荒れた表面が形成されることが抑制されればよい。すなわち、面M1Sとなりうる第2多層膜反射鏡83の部分における、低屈折率層83a(高Al組成層)のAl組成比を他の部分に比べて低くして、酸化を抑制してもよい。
図11は、本実施の形態の発光チップCの変形例を示す断面図である。ここでは、図11では、基板80、第1多層膜反射鏡81、電流狭窄層82、第2多層膜反射鏡83、n型の第1半導体層84を示している。
そして、第2多層膜反射鏡83は、上部83Aと下部83Bとを備えている。そして、上部83Aは、低屈折率層83a(高Al組成層)と高屈折率層83b(低Al組成層)とが繰り返し積層されている。そして、下部83Bは、低屈折率層83c(高Al組成層)と高屈折率層83d(低Al組成層)とが繰り返し積層されている。
そして、上部83Aの低屈折率層83a(高Al組成層)のAl組成比は、下部83Bの低屈折率層83c(高Al組成層)より、低く設定されている。なお、下部83Bの低屈折率層83c(高Al組成層)のAl組成比は、第1多層膜反射鏡81の低屈折率層81a(高Al組成層)と同じとしてもよい。
そして、第1分離部M1の面M1Sが第2多層膜反射鏡83の上部83A内に形成されるようにしている。よって、第1分離部M1の面M1Sには、下部83Bの低屈折率層83c(高Al組成層)が露出することが抑制される。
すなわち、第1分離部M1の面M1Sに現れる第2多層膜反射鏡83の低屈折率層83a(高Al組成層)は、酸化によって荒れなどが生じないAl組成比であればよい。
そして、第2多層膜反射鏡83において、酸化の影響が及ぶ範囲(厚さ)、すなわち荒れなどが生じる範囲(厚さ)において、Al組成比が低い低屈折率層83a(高Al組成層)を含むように構成されればよい。
以上説明したように、本実施の形態の発光チップCでは、露出した分布ブラック反射層の酸化防止と分布ブラック反射層の反射率低下の抑制とを両立させている。
本実施の形態では、発光サイリスタL、転送サイリスタT及び結合ダイオードDxを、一つのアイランドに形成したが、発光サイリスタLのアイランドと転送サイリスタT及び結合ダイオードDxのアイランドとしてもよい。すなわち、発光サイリスタLの周辺部に第2分離部M2が形成され、第2分離部M2から電流狭窄層82が酸化され、電流を阻止すればよい。そして、第1分離部M1と交差するように、配線が形成されればよい。
本実施の形態では、サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)は、アノード端子が基板80に接続されたアノードコモンとして説明した。サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)は、回路の極性を変更することによって、カソード端子が基板80に接続されたカソードコモンとしてもよい。
また、発光サイリスタLのカソード領域311の中央に、n型オーミック電極321が設けられているとしたが、n型オーミック電極321はカソード領域311の中央からずれたところに、設けられていてもよい。
また、n型オーミック電極321が設けられていなくてもよい。
さらに、本実施の形態では、発光サイリスタLと転送サイリスタTとから構成される自己走査型発光素子アレイ(SLED)で説明したが、自己走査型発光素子アレイ(SLED)は、発光サイリスタLと転送サイリスタTの他に、制御用のサイリスタおよび/またはダイオード、抵抗などの他の部材を含んでいてもよい。
また、本実施の形態では、転送サイリスタTの間を結合ダイオードDxで接続したが、抵抗など電位の変化を伝達できる部材であってもよい。
そして、本実施の形態では、発光素子を発光サイリスタLとしたが、発光素子はp型の半導体層とn型の半導体層とが積層された発光ダイオード(LED)であってもよい。
1…画像形成装置、10…画像形成プロセス部、11…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、14…プリントヘッド、30…画像出力制御部、40…画像処理部、62…回路基板、63…光源部、64…ロッドレンズアレイ、65…発光装置、71…電源線、72…第1転送信号線、73…第2転送信号線、75…点灯信号線、75a…幹部、75b…枝部、81…第1多層膜反射鏡、82…電流狭窄層、82a…電流通過部、82b…電流阻止部、83…第2多層膜反射鏡、84…第1半導体層、85…第2半導体層、86…第3半導体層、87…絶縁層、88…裏面電極、91、92、93、94…マスクパタン、110…信号発生回路、120…転送信号発生部、140…点灯信号発生部、160…基準電位供給部、170…電源電位供給部、φ1…第1転送信号、φ2…第2転送信号、φI(φI1〜φI40)…点灯信号、C(C1〜C40)…発光チップ、Dx…結合ダイオード、L…発光サイリスタ、M1…第1分離部、M2…第2分離部、T…転送サイリスタ、Vga…電源電位、Vsub…基準電位

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板上に、第1多層膜反射鏡と、電流狭窄層と、第2多層膜反射鏡とがこの順で積層された多層膜反射鏡と、
    前記多層膜反射鏡上に積層された導電型が異なる複数の半導体層と当該多層膜反射鏡とが分離されて構成された島と
    を備え、
    前記多層膜反射鏡の第1多層膜反射鏡と、電流狭窄層と、第2多層膜反射鏡とは、アルミニウムを含む化合物半導体層を含んで構成され、
    前記第1多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、
    前記第2多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、
    前記第2多層膜反射鏡のアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層は、前記第1多層膜反射鏡アルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層よりアルミニウム組成比が低く、
    前記電流狭窄層は、前記第1多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層及び前記第2多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層のいずれよりもアルミニウムを高組成比で含み、
    前記島は、前記多層膜反射鏡の前記第2多層膜反射鏡に到達するが前記電流狭窄層に到達しない深さの第1分離部と、当該多層膜反射鏡の当該電流狭窄層に到達する深さの第2分離部とで分離され、
    前記第2分離部で分離された部分における前記複数の半導体層により発光素子が構成され、
    前記電流狭窄層は、前記第2分離部から酸化された前記発光素子に流れる電流の流れを阻止する素子部と、酸化されないで当該発光素子に流れる電流の流れを通過させる電流通過部と、を有する
    ことを特徴とする発光部品。
  2. 前記第1分離部と交差し、前記第2分離部と交差しないように配線が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光部品。
  3. 基板と、当該基板上に第1多層膜反射鏡と電流狭窄層と第2多層膜反射鏡とがこの順で積層された多層膜反射鏡と、当該多層膜反射鏡上に積層された導電型が異なる複数の半導体層と当該多層膜反射鏡とが分離されて構成された島と、を備える発光手段と、
    前記発光手段から照射される光を結像させる光学手段と、を備え、
    前記多層膜反射鏡の第1多層膜反射鏡と、電流狭窄層と、第2多層膜反射鏡とは、アルミニウムを含む化合物半導体層を含んで構成され、当該第1多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、当該第2多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、当該第2多層膜反射鏡のアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層は、当該第1多層膜反射鏡アルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層よりアルミニウム組成比が低く、当該電流狭窄層は、当該第1多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層及び当該第2多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層のいずれよりもアルミニウムを高組成比で含み、
    前記島は、前記多層膜反射鏡の前記第2多層膜反射鏡に到達するが前記電流狭窄層に到達しない深さの第1分離部と、当該多層膜反射鏡の当該電流狭窄層に到達する深さの第2分離部とで分離され、
    前記第2分離部で分離された部分における前記複数の半導体層により発光素子が構成され、
    前記電流狭窄層は、前記第2分離部から酸化された前記発光素子に流れる電流の流れを阻止する素子部と、酸化されないで当該発光素子に流れる電流の流れを通過させる電流通過部と、を有する
    ことを特徴とするプリントヘッド。
  4. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電する帯電手段と、
    基板と、当該基板上に第1多層膜反射鏡と電流狭窄層と第2多層膜反射鏡とがこの順で積層された多層膜反射鏡と、当該多層膜反射鏡上に積層された導電型が異なる複数の半導体層と当該多層膜反射鏡とが分離されて構成された島と、を備え、光学手段を介して前記像保持体を露光する露光手段と、
    前記露光手段により露光され前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像手段と、
    前記像保持体に現像された画像を被転写体に転写する転写手段と、を備え、
    前記多層膜反射鏡の第1多層膜反射鏡と、電流狭窄層と、第2多層膜反射鏡とは、アルミニウムを含む化合物半導体層を含んで構成され、当該第1多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、当該第2多層膜反射鏡はアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層とアルミニウムを低組成比で含む化合物半導体層とが交互に積層されて構成され、当該第2多層膜反射鏡のアルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層は、当該第1多層膜反射鏡アルミニウムを高組成比で含む化合物半導体層よりアルミニウム組成比が低く、当該電流狭窄層は、当該第1多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層及び当該第2多層膜反射鏡を構成する化合物半導体層のいずれよりもアルミニウムを高組成比で含み、
    前記島は、前記多層膜反射鏡の前記第2多層膜反射鏡に到達するが前記電流狭窄層に到達しない深さの第1分離部と、当該多層膜反射鏡の当該電流狭窄層に到達する深さの第2分離部とで分離され、
    前記第2分離部で分離された部分における前記複数の半導体層により発光素子が構成され、
    前記電流狭窄層は、前記第2分離部から酸化された前記発光素子に流れる電流の流れを阻止する素子部と、酸化されないで当該発光素子に流れる電流の流れを通過させる電流通過部と、を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
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