JP6011243B2 - 発光部品、プリントヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光部品、プリントヘッドおよび画像形成装置に関する。
公報記載の従来技術として、発光素子アレイによりネガタイプフィルムを露光し、それを現像して作成されたフィルムをその発光素子アレイにおける光量分布補正用マスクとして用いるようにした発光素子アレイの光量分布補正方法が存在する(特許文献1参照)。
他の公報記載の従来技術として、絶縁基板の上面に、多数の発光部を有する複数個のLEDチップを一直線状に配置し、前記各発光部から発する光を感光体に投射するLEDアレイヘッドにおいて、前記各LEDチップの発光部上面に、光出力を均一にする光出力調整部材を配備したLEDアレイヘッドが存在する(特許文献2参照)。
さらに他の公報記載の従来技術として、基板の上面に、半導体薄膜から成る発光素子を複数個、配設させるとともに、これら発光素子の上面に透明な樹脂、ガラスもしくはセラミックスから成る光量補正膜を被着させ、前記発光素子の光が通過する光量補正膜の表面に該発光素子の発光輝度に応じた粗面化処理を施してなる半導体発光装置が存在する(特許文献3参照)。
特開昭63−9270号公報 特開昭63−66979号公報 特開2002−198559号公報
本発明は、複数の発光素子が列状に配列された発光素子アレイにて発光素子からレンズを介して取り出される光量の差を抑制した発光部品等を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板上に列状に配置された複数の発光素子と、前記複数の発光素子のそれぞれの発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられて当該発光素子から光を取り出す複数のレンズを備え、当該複数のレンズが、構造上、高さの異なるレンズを含み、当該レンズの高さの差に起因して生じる取り出し光量の差が抑制された光取り出し手段とを備え、前記光取り出し手段は、前記複数の発光素子において、前記取り出し光量が予め定められた値より大きくなる発光素子と前記複数のレンズにおいて当該発光素子に対応して設けられたレンズとの間、または当該レンズの表面に、当該取り出し光量を小さくする光量調整部材を備えることを特徴とする発光部品である。
請求項に記載の発明は、基板上に列状に配置された複数の発光素子と、前記複数の発光素子のそれぞれの発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられて当該発光素子から光を取り出す複数のレンズを備え、当該複数のレンズが、構造上、高さの異なるレンズを含み、当該レンズの高さの差に起因して生じる取り出し光量の差が抑制された光取り出し手段と、を備え、前記光取り出し手段は、前記複数の発光素子において、前記取り出し光量が予め定められた値より小さくなる発光素子では、当該発光素子に対応して設けられたレンズの表面形状が当該取り出し光量が増加するように設定されていることを特徴とする発光部品である。
請求項3に記載の発明は、前記複数の発光素子と前記光取り出し手段との間に台座をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光部品である。
請求項に記載の発明は、基板上に列状に配置された複数の発光素子と、当該複数の発光素子のそれぞれの発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられ、当該発光素子から光を取り出す複数のレンズを備え、当該複数のレンズが、構造上、高さの異なるレンズを含み、当該レンズの高さの差に起因して生じる取り出し光量の差が抑制された光取り出し手段と、を備える発光手段と、前記発光手段から照射される光を結像させる光学手段とを備え、前記光取り出し手段は、前記複数の発光素子において、前記取り出し光量が予め定められた値より大きくなる発光素子と前記複数のレンズにおいて当該発光素子に対応して設けられたレンズとの間、または当該レンズの表面に、当該取り出し光量を小さくする光量調整部材を備えることを特徴とするプリントヘッドである。
請求項に記載の発明は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、基板上に列状に配置された複数の発光素子と、当該複数の発光素子のそれぞれの発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられ、当該発光素子から光を取り出す複数のレンズを備え、当該複数のレンズが、構造上、高さの異なるレンズを含み、当該レンズの高さの差に起因して生じる取り出し光量の差が抑制された光取り出し手段と、を備え、光学手段を介して前記帯電手段により帯電された前記像保持体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光され前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像手段と、前記像保持体に現像された画像を被転写体に転写する転写手段とを備え、前記光取り出し手段は、前記複数の発光素子において、前記取り出し光量が予め定められた値より大きくなる発光素子と前記複数のレンズにおいて当該発光素子に対応して設けられたレンズとの間、または当該レンズの表面に、当該取り出し光量を小さくする光量調整部材を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1、2の発明によれば、抑制手段を用いない場合に比べて、複数の発光素子が列状に配列された発光素子アレイにてレンズを介して発光素子から取り出される光量の差が抑制できる。
請求項の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、端子上の開口と発光素子とをより近接して配置することができる。
請求項の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、プリントヘッドから取り出される光量の差が抑制できる。
請求項の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、画像形成において画質の劣化が抑制できる。
第1の実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成の一例を示した図である。 プリントヘッドの構成を示した断面図である。 発光装置の上面図である。 発光チップの構成、発光装置の信号発生回路の構成および回路基板上の配線(ライン)の構成を示した図である。 自己走査型発光素子アレイ(SLED)が搭載された発光チップの回路構成を説明する等価回路図である。 第1の実施の形態が適用される発光チップの平面レイアウト図および断面図の一例である。 発光装置および発光チップの動作を説明するためのタイミングチャートである。 第1の実施の形態の発光チップにおいて、ペデスタルおよび光量調整部材を形成する方法を説明する断面図である。 第1の実施の形態の発光チップにおいて、レンズを形成する方法を説明する断面図である。 ペデスタル上にレンズを形成するためのポジ型の感光性ポリイミドの前駆体膜を塗布した状態の一例を示す図である。 それぞれの発光サイリスタに形成されたレンズの高さhの一例を示した図である。 レンズの高さh(μm)と取り出し光量の変化率(%)との関係の一例を示す図である。 光量調整部材の一例を示す図である。 光量調整部材の他の例を示す図である。 第2の実施の形態が適用される発光チップの平面レイアウト図および断面図の一例である。 第2の実施の形態の発光チップにおいて、ペデスタルおよびレンズを形成する方法を説明する断面図である。
電子写真方式を採用した、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、帯電された感光体上に、画像情報を光記録手段により照射することにより静電潜像を得た後、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着することによって画像形成が行われる。かかる光記録手段として、レーザを用い、主走査方向にレーザ光を走査させて露光する光走査方式の他、近年では、装置の小型化の要請を受けて発光素子としての発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を主走査方向に複数、配列して発光素子アレイとしたLEDプリントヘッド(LPH:LED Print Head)を用いた記録装置が採用されている。
また、基板上に複数の発光素子が列状に設けられ、順次点灯制御される自己走査型発光素子アレイ(SLED)を搭載する発光チップでは、発光素子として発光サイリスタが使用されている。列状に設けられた複数の発光素子のそれぞれの光量間において差が小さいことが求められている。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
(画像形成装置1)
図1は、第1の実施の形態が適用される画像形成装置1の全体構成の一例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置である。この画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部10、画像形成プロセス部10を制御する画像出力制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3に接続され、これらから受信された画像データに対して予め定められた画像処理を施す画像処理部40を備えている。
画像形成プロセス部10は、予め定められた間隔を置いて並列に配置される4つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kを備えている。画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、それぞれ、静電潜像を形成してトナー像を保持する像保持体の一例としての感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電手段の一例としての帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を露光するプリントヘッド14、プリントヘッド14によって得られた静電潜像を現像する現像手段の一例としての現像器15を備えている。画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。なお、画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kをそれぞれ区別しないときは、画像形成ユニット11と表記する。
また、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12にて形成された各色のトナー像を被転写体の一例としての記録用紙25に多重転写させるために、この記録用紙25を搬送する用紙搬送ベルト21と、用紙搬送ベルト21を駆動させる駆動ロール22と、感光体ドラム12のトナー像を記録用紙25に転写させる転写手段の一例としての転写ロール23と、記録用紙25にトナー像を定着させる定着器24とを備えている。
この画像形成装置1において、画像形成プロセス部10は、画像出力制御部30から供給される各種の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。そして、画像出力制御部30による制御の下で、パーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3から受信された画像データは、画像処理部40によって画像処理が施され、画像形成ユニット11に供給される。そして、例えば黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器13により予め定められた電位に帯電され、画像処理部40から供給された画像データに基づいて発光する露光手段の一例としてのプリントヘッド14により露光される。これにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上には黒(K)色のトナー像が形成される。画像形成ユニット11Y、11M、11Cにおいても、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
各画像形成ユニット11で形成された感光体ドラム12上の各色トナー像は、矢印B方向に移動する用紙搬送ベルト21の移動に伴って供給された記録用紙25に、転写ロール23に印加された転写電界により順次静電転写され、記録用紙25上に各色トナーが重畳された合成トナー像が形成される。
その後、合成トナー像が静電転写された記録用紙25は、定着器24まで搬送される。定着器24に搬送された記録用紙25上の合成トナー像は、定着器24によって熱および圧力による定着処理を受けて記録用紙25上に定着され、画像形成装置1から排出される。
(プリントヘッド14)
図2は、プリントヘッド14の構成の一例を示した断面図である。プリントヘッド14は、ハウジング61、感光体ドラム12を露光する複数の発光素子(本実施の形態では、発光素子の一例としての発光サイリスタ)を備える光源部63を備えた発光手段の一例としての発光装置65、光源部63から出射された光を感光体ドラム12表面に結像させる光学手段の一例としてのロッドレンズアレイ64を備えている。
発光装置65は、前述した光源部63に加え、光源部63を駆動する信号発生回路110(後述の図3参照)などを搭載する回路基板62を備えている。
ハウジング61は、例えば金属で形成され、回路基板62およびロッドレンズアレイ64を支持し、光源部63における発光素子の発光面がロッドレンズアレイ64の焦点面となるように設定されている。また、ロッドレンズアレイ64は、感光体ドラム12の軸方向(主走査方向であって、後述する図3、図4(b)のX方向)に沿って配置されている。
(発光装置65)
図3は、発光装置65の上面図である。
図3に例として示す発光装置65では、光源部63は、回路基板62上に、40個の発光部品の一例としての発光チップC1〜C40を、主走査方向であるX方向に二列に千鳥に配列して構成されている。発光チップC1〜C40の配列の詳細は後述する。
本明細書では、「〜」は、番号によってそれぞれが区別された複数の構成要素を示すもので、「〜」の前後に記載されたものおよびその間の番号のものを含むことを意味する。例えば、発光チップC1〜C40は、発光チップC1から番号順に発光チップC40までを含む。
発光チップC1〜C40のそれぞれの構成は同じであってよい。よって、発光チップC1〜C40をそれぞれ区別しないときは、発光チップCと呼ぶ。
なお、本実施の形態では、発光チップCの数として、合計40個を用いたが、これに限定されない。
発光装置65は、光源部63を駆動する信号発生回路110を搭載している。信号発生回路110は、例えば集積回路(IC)などで構成されている。なお、発光装置65は信号発生回路110を搭載していなくともよい。このときは、信号発生回路110は、発光装置65の外部に設けられ、発光チップC1〜C40を制御する制御信号などを、ケーブルなどを介して発光装置65に供給する。ここでは、発光装置65は信号発生回路110を備えているとして説明する。
図4は、発光チップCの構成、発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を示した図である。図4(a)は発光チップCの構成を示し、図4(b)は発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を示している。
はじめに、図4(a)に示す発光チップCの構成を説明する。
発光チップCは、表面形状が矩形である基板80の表面において、長辺の一辺に近い側に長辺に沿って列状に設けられた複数の発光素子(本実施の形態では発光サイリスタL1、L2、L3、…)から構成される発光部102を備えている。さらに、発光チップCは、基板80の表面の長辺方向の両端部に、各種の制御信号等を取り込むための複数のボンディングパッドである端子(φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子)を備えている。
これらの端子は、基板80の一端部からφ1端子、φ2端子、φI端子の順に設けられ、基板80の他端部に、Vga端子が設けられている。そして、発光部102は、φI端子とVga端子との間に設けられている。さらに、基板80の裏面にはVsub端子としての裏面電極85(後述する図6参照)が設けられている。
端子(φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子)は、ボンディングワイヤを介して、回路基板62上の配線(ライン)に接続される。
なお、端子(φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子)は、図4(a)に示した配列でなくともよく、順番が異なっていてもよい。
ここで、「列状」とは、図4(a)に示したように複数の発光素子が一直線上に配置されている場合に限らず、複数の発光素子のそれぞれの発光素子が、列方向と直交する方向に対して、互いに異なるずれ量を有して配置されている状態でもよい。例えば、発光素子の発光面311(後述する図6参照)を画素としたとき、それぞれの発光素子が、列方向と直交する方向に数画素分又は数十画素分のずれ量をもって配置されていてもよい。また、隣接する発光素子間で交互に、または複数の発光素子毎に、ジグザグに配置されていてもよい。
次に、図4(b)により、発光装置65の信号発生回路110の構成および回路基板62上の配線(ライン)の構成を説明する。
前述したように、発光装置65の回路基板62には、信号発生回路110および発光チップC1〜C40が搭載され、信号発生回路110と発光チップC1〜C40とを接続する配線(ライン)が設けられている。
まず、信号発生回路110の構成について説明する。
信号発生回路110には、図1に示した画像出力制御部30および画像処理部40より、画像処理された画像データおよび各種の制御信号が入力される。信号発生回路110は、これらの画像データおよび各種の制御信号に基づいて、画像データの並び替えや光量の補正等を行う。
そして、信号発生回路110は、各種の制御信号に基づき、発光チップC1〜C40に、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2を送信する転送信号発生部120を備えている。
そしてまた、信号発生回路110は、各種の制御信号に基づき、発光チップC1〜C40に、点灯信号φI1〜φI40をそれぞれ送信する点灯信号発生部140を備えている。なお、点灯信号φI1〜φI40をそれぞれ区別しないときは点灯信号φIと表記する。
さらにまた、信号発生回路110は、発光チップC1〜C40に電位の基準となる基準電位Vsubを供給する基準電位供給部160、発光チップC1〜C40の駆動のための電源電位Vgaを供給する電源電位供給部170を備えている。
次に、発光チップC1〜C40の配列について説明する。
奇数番号の発光チップC1、C3、C5、…は、それぞれの基板80の長辺方向に間隔を設けて一列に配列されている。偶数番号の発光チップC2、C4、C6、…も、同様に配列されている。そして、奇数番号の発光チップC1、C3、C5、…と偶数番号の発光チップC2、C4、C6、…とは、発光チップCに設けられた発光部102側の長辺が互いに向かい合うように、180°回転した状態で千鳥に配列されている。そして、発光チップCは、発光チップC間においても発光素子が主走査方向(X方向)に、発光チップC内の発光素子の間隔で並ぶように、位置が設定されている。なお、図4(b)では、発光チップC1〜C9を示す。そして、発光チップC1〜C9に、矢印で図4(a)に示した発光部102の発光素子の並び(本実施の形態では発光サイリスタL1、L2、L3、…の番号順)の方向を示している。
信号発生回路110と発光チップC1〜C40とを接続する配線(ライン)について説明する。
回路基板62には、基準電位Vsubを供給する電源ライン200aが設けられている。電源ライン200aは、発光チップCの基板80裏面に設けられたVsub端子である裏面電極85(後述の図6参照)に設けられたVsub端子に接続されている。
そして、回路基板62には、発光チップCを駆動するための電源電位Vgaを供給する電源ライン200bが設けられている。電源ライン200bは、発光チップCに設けられたVga端子に接続されている。
回路基板62には、信号発生回路110の転送信号発生部120から、発光チップCに第1転送信号φ1を送信するための第1転送信号ライン201、第2転送信号φ2を送信する第2転送信号ライン202が設けられている。第1転送信号ライン201は、発光チップCのφ1端子に、第2転送信号ライン202は、発光チップCのφ2端子に接続されている。第1転送信号φ1、第2転送信号φ2は、発光チップC1〜C40に共通(並列)に送信される。
そしてまた、回路基板62には、信号発生回路110の点灯信号発生部140から、発光チップC1〜C40のそれぞれに、点灯信号φI1〜φI40を送信する点灯信号ライン204−1〜204−40が設けられている。点灯信号ライン204−1〜204−40は、それぞれ電流制限抵抗RIを介して、発光チップC1〜C40のそれぞれのφI端子に接続されている。
以上説明したように、回路基板62上の発光チップC1〜C40に、基準電位Vsub、電源電位Vgaが共通に供給される。第1転送信号φ1、第2転送信号φ2も、発光チップC1〜C40に共通(並列)に送信される。一方、点灯信号φI1〜φI40は、発光チップC1〜C40にそれぞれ個別に送信される。
なお、発光装置65が、信号発生回路110を備えない場合には、電源ライン200a、200b、第1転送信号ライン201、第2転送信号ライン202、点灯信号ライン204−1〜204−40は、信号発生回路110の代わりに発光装置65上に設けられたコネクタなどに接続される。そして、このコネクタなどに接続されるケーブルを介して、外部に設けられた信号発生回路110に接続される。
(発光チップCの構成)
図5は、自己走査型発光素子アレイ(SLED)が搭載された発光チップCの回路構成を説明する等価回路図である。以下において説明する各素子は、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)を除き、発光チップC上のレイアウト(後述する図6参照)に基づいて配置されている。なお、端子(φ1端子、φ2端子、Vga端子、φI端子)の位置は、図4(a)と異なるが、説明の便宜上、図中左端に示している。そして、基板80の裏面に設けられたVsub端子を、基板80の外に引き出して示している。
ここでは、信号発生回路110との関係において発光チップC1を例に、発光チップCを説明する。そこで、図5において、発光チップCを発光チップC1(C)と表記する。他の発光チップC2〜C40の構成は、発光チップC1と同じである。
発光チップC1(C)は、前述したように基板80上に列状に配列された発光サイリスタL1、L2、L3、…から構成される発光サイリスタ列(発光部102(図4(a)参照))を備えている。
そして、発光チップC1(C)は、発光サイリスタ列と同様に列状に配列された転送サイリスタT1、T2、T3、…から構成される転送サイリスタ列を備えている。
なお、図5では、発光チップC1(C)において、発光サイリスタL1〜L4、転送サイリスタT1〜T4を中心とした部分を示している。
また、発光チップC1(C)は、転送サイリスタT1、T2、T3、…をそれぞれ番号順に2つをペアにして、それぞれのペアの間に結合ダイオードDx1、Dx2、Dx3、…を備えている。
さらに、発光チップC1(C)は、電源線抵抗Rgx1、Rgx2、Rgx3、…を備えている。
また、発光チップC1(C)は、1個のスタートダイオードDx0を備えている。そして、後述する第1転送信号φ1が送信される第1転送信号線72と第2転送信号φ2が送信される第2転送信号線73とに過剰な電流が流れるのを防止するために設けられた電流制限抵抗R1、R2を備えている。
発光サイリスタ列の発光サイリスタL1、L2、L3、…、転送サイリスタ列の転送サイリスタT1、T2、T3、…は、図5中において、左側から番号順に配列されている。さらに、結合ダイオードDx1、Dx2、Dx3、…、電源線抵抗Rgx1、Rgx2、Rgx3、…も、図中左側から番号順に配列されている。
そして、発光サイリスタ列、転送サイリスタ列は、図5において上から、転送サイリスタ列、発光サイリスタ列の順に並べられている。
ここでは、発光サイリスタL1、L2、L3、…、転送サイリスタT1、T2、T3、…、結合ダイオードDx1、Dx2、Dx3、…、電源線抵抗Rgx1、Rgx2、Rgx3、…をそれぞれ区別しないときは、発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合ダイオードDx、電源線抵抗Rgxと表記する。
発光サイリスタ列における発光サイリスタLの数は、予め定められた個数とすればよい。本実施の形態で、発光サイリスタLの数を例えば128個とすると、転送サイリスタTの数も128個である。同様に、電源線抵抗Rgxの数も128個である。しかし、結合ダイオードDxの数は、転送サイリスタTの数より1少ない127個である。
なお、転送サイリスタTの数は、発光サイリスタLの数より多くてもよい。
上記のサイリスタ(発光サイリスタL、転送サイリスタT)は、ゲート端子、アノード端子、カソード端子の3端子を有する半導体素子である。
転送サイリスタT、発光サイリスタLのそれぞれのアノード端子は、発光チップC1(C)の基板80に接続されている(アノードコモン)。
そして、これらのアノード端子は、基板80裏面に設けられたVsub端子である裏面電極85(後述の図6参照)を介して電源ライン200a(図4(b)参照)に接続されている。この電源ライン200aは、基準電位供給部160から基準電位Vsubが供給される。
転送サイリスタTの配列に沿って、奇数番号(奇数番目)の転送サイリスタT1、T3、…のカソード端子は、第1転送信号線72に接続されている。そして、第1転送信号線72は、電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている。
一方、転送サイリスタTの配列に沿って、偶数番号(偶数番目)の転送サイリスタT2、T4、…のカソード端子は、第2転送信号線73に接続されている。そして、第2転送信号線73は、電流制限抵抗R2を介してφ2端子に接続されている。
発光サイリスタL1、L2、L3、…のカソード端子は、点灯信号線75に接続されている。点灯信号線75は、φI端子に接続されている。発光チップC1のφI端子は、電流制限抵抗RIを介して点灯信号ライン204−1に接続され、点灯信号発生部140から点灯信号φI1を受信する。なお、他の発光チップC2〜C40のφI端子は、それぞれ電流制限抵抗RIを介して点灯信号ライン204−2〜204−40が接続され、点灯信号発生部140から点灯信号φI2〜φI40を受信する。
転送サイリスタT1、T2、T3、…のそれぞれのゲート端子Gt1、Gt2、Gt3、…は、同じ番号の発光サイリスタL1、L2、L3、…のゲート端子Gl1、Gl2、Gl3、…に、1対1で接続されている。よって、ゲート端子Gt1、Gt2、Gt3、…とゲート端子Gl1、Gl2、Gl3、…とは、同じ番号のものが電気的に同電位になっている。よって、例えばゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)と表記して、電位が同じであることを示す。
ここでも、ゲート端子Gt1、Gt2、Gt3、…、ゲート端子Gl1、Gl2、Gl3、…をそれぞれ区別しないときは、ゲート端子Gt、ゲート端子Glと表記する。そして、ゲート端子Gt(ゲート端子Gl)と表記して、電位が同じであることを示す。
転送サイリスタT1、T2、T3、…のそれぞれのゲート端子Gt1、Gt2、Gt3、…を番号順に2個ずつペアとしたゲート端子Gt間に、結合ダイオードDx1、Dx2、Dx3、…がそれぞれ接続されている。すなわち、結合ダイオードDx1、Dx2、Dx3、…はそれぞれがゲート端子Gt1、Gt2、Gt3、…で順に挟まれるように直列接続されている。そして、結合ダイオードDx1の向きは、ゲート端子Gt1からゲート端子Gt2に向かって電流が流れる方向に接続されている。他の結合ダイオードDx2、Dx3、Dx4、…についても同様である。
転送サイリスタTのゲート端子Gt(ゲート端子Gl)は、転送サイリスタTのそれぞれに対応して設けられた電源線抵抗Rgxを介して、電源線71に接続されている。電源線71はVga端子に接続されている。
そして、転送サイリスタ列の一端側における転送サイリスタT1のゲート端子Gt1は、スタートダイオードDx0のカソード端子に接続されている。一方、スタートダイオードDx0のアノード端子は、第2転送信号線73に接続されている。
図5において、発光チップC1(C)の転送サイリスタT、結合ダイオードDx、電源線抵抗Rgx、スタートダイオードDx0、電流制限抵抗R1、R2を備える部分を転送部101と表記する。前述したように、発光サイリスタLを備える部分が発光部102に該当する。
図6は、第1の実施の形態が適用される発光チップCの平面レイアウト図および断面図の一例である。ここでは、発光チップCと信号発生回路110との接続関係を示さないので、発光チップC1を例とすることを要しない。よって、発光チップCと表記する。
図6(a)は、発光チップCの平面レイアウト図であって、発光サイリスタL1〜L4、転送サイリスタT1〜T4を中心とした部分を示している。図6(b)は、図6(a)に示したVIB−VIB線での断面図である。よって、図6(b)の断面図には、図中下より発光サイリスタL1、転送サイリスタT1、結合ダイオードDx1、電源線抵抗Rgx1の断面が示されている。なお、図6(a)および(b)の図中には、主要な素子や端子を名前により表記している。図6(c)は、図6(a)に示したVIC−VIC線での断面図である。
なお、図6(a)では、図4(a)に対応させて端子(φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子)を設けるとして、図6(a)では、発光サイリスタL1に近接して設けられたφI端子のみを表記している。他のφ1端子、φ2端子、Vga端子は、紙面の外に設けられている(図4(a)参照)。
そして、基板80の裏面に設けられたVsub端子は、基板80の外に引き出して示している。
なお、φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子の位置は、予め定められた場所および順序で配置すればよい。φ1端子、φ2端子を、図6において右側に設ける場合は、電流制限抵抗R1、R2を基板80の右端部に設ければよい。
発光チップCは、図6(b)、(c)に示すように、p型である基板80上に、p型の第1半導体層81、n型の第2半導体層82、p型の第3半導体層83およびn型の第4半導体層84が順に積層され、少なくともn型の第2半導体層82、p型の第3半導体層83およびn型の第4半導体層84が相互に分離された複数の島(アイランド)(後述する第1アイランド301〜第6アイランド306など)から構成されている。
p型の第1半導体層81は、分離されていても、されていなくともよい。図6(b)、(c)では、p型の第1半導体層81は、厚さ方向に一部が除去されている。p型の第1半導体層81が基板80を兼ねてもよい。
なお、複数のアイランドの内の一部は、n型の第4半導体層84が部分的に除去されている(例えば、後述する第1アイランド301)。しかし、複数のアイランドの内の他は、n型の第4半導体層84が除去されている(例えば、後述する第3アイランド303)。
そして、発光チップCには、図6(b)、(c)に示すように、これらのアイランドの表面および側面を覆うように設けられた絶縁層86が設けられている。そして、これらのアイランドと電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75などの配線とが、絶縁層86に設けられたスルーホール(図6(a)では○で示す。)を介して接続されている。以下の説明では、絶縁層86およびスルーホールについての説明を省略する。
さらに、絶縁層86上には、ペデスタル(台座)91が設けられ、さらに発光サイリスタLの部分に、レンズ93から取り出される光の量(光量)を調整する光量調整部材92が設けられている。そして、光量調整部材92上に発光サイリスタLが出射する光を集光するためのレンズ93が設けられている。なお、端子(φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子)上には、ボンディングワイヤとの接続を妨げないように、ペデスタル91は設けられていない(除去されている)(後述する図7参照)。
ここで、複数のレンズ93とそれぞれのレンズ93に対応して設けられた光量調整部材92とが光取り出し手段の一例である。
さらにまた、発光チップCは、p型の第3半導体層83にオーミック接続するp型オーミック電極(後述するp型オーミック電極331など)およびn型の第4半導体層84にオーミック接続するn型オーミック電極(後述するn型オーミック電極321など)を備えている。
まず、図6(a)、(b)、(c)を参照して、第1アイランド301〜第6アイランド306の構成を説明する。
第1アイランド301は、表面形状が長方形であって、発光サイリスタL1が設けられている。発光サイリスタL1は、基板80上に設けられたp型の第1半導体層81をアノード端子、n型の第4半導体層84上に設けられたn型オーミック電極321をカソード端子、n型の第4半導体層84を除去して露出させたp型の第3半導体層83上に設けられたp型オーミック電極331をゲート端子Gl1とする。
発光サイリスタLは、主にn型の第2半導体層82とp型の第3半導体層83との界面で発光する。ここでは、カソードとして働くn型の第4半導体層84から光を取り出すため、発光サイリスタLのn型の第4半導体層84表面を発光面311と表記する。
そして、発光面311の平面形状は正方形であるとし、n型オーミック電極321が発光面311の中央に設けられている。
そして、図6(b)、(c)に示すように、発光サイリスタL1の発光面311上に、絶縁層86、ペデスタル(台座)91および光量調整部材92が設けられ、そしてレンズ93が設けられている。
ペデスタル91、光量調整部材92、レンズ93については、後に詳述する。
第2アイランド302は、表面形状が長方形であって、転送サイリスタT1、結合ダイオードDx1が設けられている。図6(b)に示すように、転送サイリスタT1は、基板80上に設けられたp型の第1半導体層81をアノード端子、n型の第4半導体層84の領域313上に設けられたn型オーミック電極323をカソード端子、n型の第4半導体層84を除去して露出させたp型の第3半導体層83上に設けられたp型オーミック電極332をゲート端子Gt1とする。
同様に、結合ダイオードDx1は、n型の第4半導体層84の領域314上に設けられたn型オーミック電極324をカソード端子、p型の第3半導体層83上に設けられたp型オーミック電極332をアノード端子とする。結合ダイオードDx1のアノード端子と転送サイリスタT1のゲート端子Gt1とはp型オーミック電極332で共通である。
第3アイランド303は、表面形状が中央部のくびれた長方形であって、電源線抵抗Rgx1が設けられている。電源線抵抗Rgx1は、n型の第4半導体層84を除去して露出させたp型の第3半導体層83上に設けられたp型オーミック電極333とp型オーミック電極334との間のp型の第3半導体層83を抵抗とする。
第4アイランド304は、表面形状が長方形であって、スタートダイオードDx0が設けられている。スタートダイオードDx0は、n型の第4半導体層84の領域315上に設けられたn型オーミック電極325をカソード端子、n型の第4半導体層84を除去して露出させたp型の第3半導体層83上に設けられたp型オーミック電極335をアノード端子とする。
第5アイランド305および第6アイランド306は、表面形状が第3アイランド303と同様に表面形状が中央部のくびれた長方形であって、第5アイランド305には電流制限抵抗R1が、第6アイランド306には電流制限抵抗R2が設けられている。電流制限抵抗R1、電流制限抵抗R2は、第3アイランド303に設けられた電源線抵抗Rgx1と同様に、それぞれが2個のp型オーミック電極(符号なし)間のp型の第3半導体層83を抵抗としている。
そして、図6(b)、(c)に示すように、基板80の裏面にはVsub端子となる裏面電極85が設けられている。
なお、発光チップCには、第1アイランド301、第2アイランド302、第3アイランド303と同様なアイランドが、並列するように複数形成されている。これらのアイランドには、発光サイリスタL2、L3、L4、…、転送サイリスタT2、T3、T4、…、結合ダイオードDx2、Dx3、Dx4,…等が、第1アイランド301、第2アイランド302、第3アイランド303と同様に設けられている。そして、発光サイリスタL1と同様に、発光サイリスタL2、L3、…上にそれぞれレンズ93が設けられている。
次に、図6(a)を参照して、第1アイランド301〜第6アイランド306に設けた各素子間の接続関係を説明する。
点灯信号線75は幹部75aと複数の枝部75bとを備え、幹部75aは発光サイリスタ列の列方向に延びるように設けられている。枝部75bは幹部75aから枝分かれして、第1アイランド301に設けられた発光サイリスタL1のカソード端子であるn型オーミック電極321と接続されている。他の発光サイリスタLのカソード端子も同様にして、点灯信号線75に接続されている。そして、点灯信号線75はφI端子に接続されている。
よって、発光面311上を枝部75bが横切るため、枝部75b(n型オーミック電極321を含む)で覆われる(遮光される)部分からは、光を取り出すことができない。すなわち、発光サイリスタLが発光する光は、発光面311の枝部75bで覆われていない部分から、絶縁層86および光量調整部材92を介して取り出され、レンズ93に入射する。そして、レンズ93に入射した光は、レンズ93により集光されて、図2に示したロッドレンズアレイ64に入射する。
第1転送信号線72は、第2アイランド302に設けられた転送サイリスタT1のカソード端子であるn型オーミック電極323に接続されている。第2アイランド302と同様なアイランドに設けられた、他の奇数番号の転送サイリスタTのカソード端子も第1転送信号線72に接続されている。第1転送信号線72は、第5アイランド305に設けられた電流制限抵抗R1を介してφ1端子(不図示)に接続されている。
一方、第2転送信号線73は、符号を付さないアイランドに設けられた偶数番号の転送サイリスタTのカソード端子であるn型オーミック電極(符号なし)に接続されている。第2転送信号線73は、第6アイランド306に設けられた電流制限抵抗R2を介してφ2端子(不図示)に接続されている。
電源線71は、第3アイランド303に設けられた電源線抵抗Rgx1の一方の端子であるp型オーミック電極334に接続されている。他の電源線抵抗Rgxの一方の端子も電源線71に接続されている。電源線71はVga端子(不図示)に接続されている。
そして、第1アイランド301に設けられた発光サイリスタL1のp型オーミック電極331(ゲート端子Gl1)は、第2アイランド302のp型オーミック電極332(ゲート端子Gt1)に接続配線76で接続されている。
そして、p型オーミック電極332(ゲート端子Gt1)は、第3アイランド303に設けられたp型オーミック電極333(電源線抵抗Rgx1の他方の端子)に接続配線77で接続されている。
第2アイランド302に設けられたn型オーミック電極324(結合ダイオードDx1のカソード端子)は、隣接して設けられている転送サイリスタT2のゲート端子Gt2であるp型オーミック電極(符号なし)に接続配線79で接続されている。
ここでは説明を省略するが、他の発光サイリスタL、転送サイリスタT、結合ダイオードDx等についても同様である。
第2アイランド302のp型オーミック電極332(ゲート端子Gt1)は、第4アイランド304に設けられたn型オーミック電極325(スタートダイオードDx0のカソード端子)に接続配線78で接続されている。p型オーミック電極335(スタートダイオードDx0のアノード端子)は、第2転送信号線73に接続されている。
このようにして、発光チップCが構成される。
次に、図6(a)、(b)、(c)により、ペデスタル91、光量調整部材92、レンズ93について説明する。
ペデスタル91は、発光サイリスタLが発光する光を透過する材質で構成されるとともに、電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75などの配線が設けられた上に設けられ、発光面311とレンズ93との間の距離を設定する。
ここでは、ペデスタル91は、発光チップCにおいて、端子(φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子)表面のボンディングワイヤと接続する部分を除いて、全面に設けられている。すなわち、ペデスタル91は、ボンディングパッドである端子(φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子)上には設けられていない。なお、ペデスタル91は、レンズ93が設ける部分に設けてもよい。
光量調整部材92は、それぞれが発光サイリスタLに対応して設けられ、レンズ93から出射され、ロッドレンズアレイ64を介して感光体ドラム12を露光する光量を調整する。ここでは、ロッドレンズアレイ64を介して感光体ドラム12を露光する光量は、レンズ93から予め定められた方向に取り出される光量であるので、レンズ93から取り出される光量(取り出し光量)と表記する。
後述するように、光量調整部材92を用いない場合においては、レンズ93から取り出される光量は、発光サイリスタLの位置(番号)によって異なる。このため、光量調整部材92は、レンズ93から取り出される光量の発光サイリスタLの位置(番号)における差を抑制するために設けられている。すなわち、光量調整部材92を用いない場合において、取り出し光量が最も小さい発光サイリスタLに対して、取り出し光量が大きい発光サイリスタLについては、取り出し光量が小さくなるように光量調整部材92を設定し、発光サイリスタLの位置(番号)における取り出し光量の差を抑制する。
光量調整部材92については、後に詳述する。
レンズ93は、発光サイリスタLが発光する光を透過する材質で構成されるとともに、発光サイリスタLの発光面311に対向するように設けられている。そして、図6(b)では、レンズ93は、表面形状(プロファイル)が発光面311から離れる方向に凸状となっている。なお、レンズ93の表面形状は、ロッドレンズアレイ64を介して感光体ドラム12を効率よく露光するように設定されればよい。このため、レンズ93は、発光面311が発光する光を集光するように構成されてもよく、発散するように構成されてもよい。すなわち、レンズ93は、表面形状を凸状としてもよく、凹状としてもよい。また、一部に孔(開口)が設けられた形状としてもよい。ここではレンズ93は凸状であるとし、凸状の頂点93aが発光面311の中心(枝部75bとn型オーミック電極321とが接続されるスルーホールの位置)に対向するとして説明する。
そして、レンズ93の光量調整部材92と接する部分における直径diは、発光サイリスタ列における発光サイリスタLのピッチより大きく設定している。このため、発光サイリスタLにそれぞれ設けられたレンズ93は、光量調整部材92と接する部分において、互いに重なる部分が切り取られた形状となっている。そして、後述するように、隣接する発光サイリスタL間でレンズ93が互いに接して一体化して形成される。このように、光量調整部材92と接する部分において、重なる部分が切り取られた形状であっても、レンズ93と表記する。また、隣接する発光サイリスタL間でレンズ93が一体化して形成されていても、発光サイリスタLごとにレンズ93が設けられているとする。
ここでは、レンズ93のペデスタル91の表面(レンズ93が設けられた側の面)から頂点93aまでを、発光サイリスタL1では高さh1、発光サイリスタL2では高さh1より大きい高さh2、発光サイリスタL3では高さh2より大きい高さh3とする(h1<h2<h3)。このように、レンズ93の高さを、発光サイリスタLの番号を「h」に付して表記する。そして、レンズ93の高さh1、h2、h3、…をそれぞれ区別しないときは、高さhと表記する。
そして、番号が4以上の発光サイリスタLでは、それぞれに対応するレンズ93の高さhは高さh3とする。よって、図6(c)において、発光サイリスタL4に対するレンズ93の高さh4は、発光サイリスタL3に対する高さh3と同じに表記している。
これらのレンズ93の高さhの差は、後述するように構造上生じている。
なお、レンズ93の高さhを、ペデスタル91の表面からとした。しかし、光量調整部材92の表面(レンズ93が設けられた側の面)からとしてもよい。
なお、光量調整部材92は、ペデスタル91の表面に設けられているとしたが、発光サイリスタLの発光面311とペデスタル91との間またはレンズ93の表面に設けられていてもよい。また、光量調整部材92は、ペデスタル91の表面、発光サイリスタLの発光面311とペデスタル91との間、または、レンズ93の表面のいずれか複数の箇所に設けられていてもよい。
(発光装置65の動作)
次に、発光装置65の動作について説明する。
前述したように、発光装置65は発光チップC1〜C40を備えている(図3、4参照)。
図4に示したように、基準電位Vsub、電源電位Vgaは、回路基板62上のすべての発光チップC1〜C40に共通に供給される。同様に、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2は、発光チップC1〜C40に共通(並列)に送信される。
一方、点灯信号φI1〜φI40は、発光チップC1〜C40のそれぞれに個別に送信される。点灯信号φI1〜φI40は、画像データに基づいて、各発光チップC1〜C40の発光サイリスタLを点灯または非点灯に設定する信号である。よって、点灯信号φI1〜φI40は、画像データによって相互に波形が異なる。しかし、点灯信号φI1〜φI40は、同じタイミングで並列に送信される。
発光チップC1〜C40は並列に駆動されるので、発光チップC1の動作を説明すれば足りる。
<サイリスタ>
発光チップC1の動作を説明する前に、サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)の基本的な動作を説明する。サイリスタは、前述したように、アノード端子、カソード端子、ゲート端子の3端子を有する半導体素子である。
以下では、一例として、Vsub端子である裏面電極85(図6参照)に供給される基準電位Vsubをハイレベルの電位(以下では「H」と表記する。)として0V、Vga端子に供給される電源電位Vgaをローレベルの電位(以下では「L」と表記する。)として−3.3Vとして説明する。
本実施の形態では、発光装置65は負の電位で駆動される。
サイリスタのアノード端子であるp型の第1半導体層81はp型である基板80と同電位であるので、サイリスタのアノード端子は裏面電極85に供給される基準電位Vsub(「H」(0V))になっている。
サイリスタは、例えば、図6に示したように、GaAs、GaAlAsなどによるp型半導体層(p型の第1半導体層81、p型の第3半導体層83)、n型半導体層(n型の第2半導体層82、n型の第4半導体層84)を基板80上に積層して構成される。ここでは、p型半導体層とn型半導体層とで構成されるpn接合の順方向電位(拡散電位)Vdを一例として1.5Vとして説明する。
アノード端子とカソード端子との間に電流が流れていないオフ状態のサイリスタは、しきい電圧より低い電位(絶対値が大きい負の電位)がカソード端子に印加されるとオン状態に移行(ターンオン)する。ここで、サイリスタのしきい電圧は、ゲート端子の電位からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた値である。よって、ゲート端子の電位が0Vであると、サイリスタのしきい電圧は−1.5Vとなる。すなわち、−1.5Vより低い電位(絶対値が大きい負の電位)がカソード端子に印加されると、サイリスタはターンオンする。サイリスタは、ターンオンすると、アノード端子とカソード端子との間に電流が流れた状態(オン状態)になる。
オン状態のサイリスタのゲート端子の電位は、アノード端子の電位に近い電位になる。ここでは、アノード端子を基準電位Vsub(0V(「H」))に設定しているので、ゲート端子の電位は0V(「H」)になるとする。また、オン状態のサイリスタのカソード端子は、アノード端子の電位からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた電位に近い電位となる。ここでは、アノード端子を基準電位Vsub(0V(「H」))に設定しているので、オン状態のサイリスタのカソード端子の電位は−1.5Vに近い電位(絶対値が1.5Vより大きい負の電位)となる。なお、カソード端子の電位は、オン状態のサイリスタに電流を供給する電源との関係で設定される。
サイリスタは、一度ターンオンすると、カソード端子の電位が、オン状態を維持するために必要な電位(上記の−1.5Vに近い電位)より高い電位(絶対値が小さい負の電位、0Vまたは正の電位)が印加されると、オフ状態に移行(ターンオフ)する。例えば、カソード端子が「H」(0V)になると、オン状態を維持するために必要な電位より高い電位であるとともに、カソード端子の電位とアノード端子の電位とが同じになるので、サイリスタはターンオフする。
一方、オン状態のサイリスタのカソード端子に、オン状態を維持するために必要な電位より低い電位(絶対値が大きい負の電位)が継続的に印加され、オン状態を維持しうる電流(維持電流)が供給されると、サイリスタはオン状態を維持する。
そして、発光サイリスタLは、ターンオンすると点灯(発光)し、ターンオフすると消灯(非点灯)する。オン状態の発光サイリスタLの発光量は、発光面311の面積およびカソード端子とアノード端子との間に流す電流によって決まる。
<タイミングチャート>
図7は、発光装置65および発光チップCの動作を説明するためのタイミングチャートである。
図7では、発光チップC1の発光サイリスタL1〜L5の5個の発光サイリスタLの点灯または非点灯を制御(点灯制御と表記する。)する部分のタイミングチャートを示している。前述したように、他の発光チップC2〜C40は、発光チップC1と並行して動作するため、発光チップC1の動作を説明すれば足りる。
なお、図7では、発光チップC1の発光サイリスタL1、L2、L3、L5を点灯させ、発光サイリスタL4を消灯(非点灯)としている。
図7において、時刻aから時刻kへとアルファベット順に時刻が経過するとする。発光サイリスタL1は、時刻bから時刻eの期間T(1)において、発光サイリスタL2は、時刻eから時刻iの期間T(2)において、発光サイリスタL3は、時刻iから時刻jの期間T(3)において、発光サイリスタL4は、時刻jから時刻kの期間T(4)において点灯または非点灯の制御(点灯制御)がされる。以下、同様にして番号が5以上の発光サイリスタLが点灯制御される。
第1転送信号φ1、第2転送信号φ2、点灯信号φI1の波形について説明する。なお、時刻aから時刻bまでの期間は、発光チップC1(発光チップC2〜C40も同じ。)が動作を開始する期間である。この期間の信号については、動作の説明において説明する。
φ1端子(図5、図6参照)に送信される第1転送信号φ1およびφ2端子(図5、図6参照)に送信される第2転送信号φ2は、「H」と「L」との2つの電位を有する信号である。そして、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2は、連続する2つの期間T(例えば、期間T(1)と期間T(2))を単位として波形が繰り返される。
第1転送信号φ1は、期間T(1)の開始時刻bで「H」から「L」に移行し、時刻fで「L」から「H」に移行する。そして、期間T(2)の終了時刻iにおいて、「H」から「L」に移行する。
第2転送信号φ2は、期間T(1)の開始時刻bにおいて「H」であって、時刻eで「H」から「L」に移行する。そして、期間T(2)の終了時刻iにおいて「L」を維持している。
第1転送信号φ1と第2転送信号φ2とを比較すると、第2転送信号φ2は、第1転送信号φ1を時間軸上で期間T後ろにずらしたものに当たる。第1転送信号φ1は、期間T(1)および期間T(2)での波形が、期間T(3)以降において繰り返す。一方、第2転送信号φ2は、期間T(1)において、破線で示す波形および期間T(2)での波形が、期間T(3)以降において繰り返す。第2転送信号φ2の期間T(1)の波形が期間T(3)以降と異なるのは、期間T(1)は発光装置65が動作を開始する期間であるためである。
第1転送信号φ1と第2転送信号φ2との一組の転送信号は、後述するように、図5、図6に示した転送サイリスタTを番号順にオン状態を伝播させることにより、オン状態の転送サイリスタTと同じ番号の発光サイリスタLを、点灯または非点灯の制御(点灯制御)の対象として指定する。
次に、発光チップC1のφI端子に送信される点灯信号φI1について説明する。なお、他の発光チップC2〜C40には、それぞれ点灯信号φI2〜φI40が送信される。点灯信号φI1は、「H」と「L」との2つの電位を有する信号である。
ここでは、発光チップC1の発光サイリスタL1に対する点灯制御の期間T(1)において、点灯信号φI1を説明する。なお、発光サイリスタL1は点灯させるとしている。
点灯信号φI1は、期間T(1)の開始時刻bにおいて「H」であって、時刻cで「H」から「L」に移行する。そして、時刻dで「L」から「H」に移行し、期間T(1)の終了時刻eにおいて「H」を維持している。
では、図4、図5を参照しつつ、図7に示したタイミングチャートにしたがって、発光装置65および発光チップC1の動作を説明する。なお、以下では、発光サイリスタL1およびL2を点灯制御する期間T(1)およびT(2)について説明する。
(1)時刻a
<発光装置65>
時刻aにおいて、発光装置65の信号発生回路110の基準電位供給部160は、基準電位Vsubを「H」(0V)に設定する。電源電位供給部170は、電源電位Vgaを「L」(−3.3V)に設定する。すると、発光装置65の回路基板62上の電源ライン200aは基準電位Vsubの「H」(0V)になり、発光チップC1〜C40のそれぞれのVsub端子は「H」になる。同様に、電源ライン200bは電源電位Vgaの「L」(−3.3V)になり、発光チップC1〜C40のそれぞれのVga端子は「L」になる(図4参照)。これにより、発光チップC1〜C40のそれぞれの電源線71は「L」になる(図5参照)。
そして、信号発生回路110の転送信号発生部120は第1転送信号φ1、第2転送信号φ2をそれぞれ「H」に設定する。すると、第1転送信号ライン201および第2転送信号ライン202が「H」になる(図4参照)。これにより、発光チップC1〜C40のそれぞれのφ1端子およびφ2端子が「H」になる。電流制限抵抗R1を介してφ1端子に接続されている第1転送信号線72の電位も「H」になり、電流制限抵抗R2を介してφ1端子に接続されている第2転送信号線73も「H」になる(図5参照)。
さらに、信号発生回路110の点灯信号発生部140は、点灯信号φI1〜φI40をそれぞれ「H」に設定する。すると、点灯信号ライン204−1〜204−40が「H」になる(図4参照)。これにより、発光チップC1〜C40のそれぞれのφI端子が、電流制限抵抗RIを介して「H」になり、φI端子に接続された点灯信号線75も「H」になる(図5参照)。
<発光チップC1>
転送サイリスタT、発光サイリスタLのアノード端子はVsub端子に接続されているので、「H」(0V)に設定される。
奇数番号の転送サイリスタT1、T3、T5、…のそれぞれのカソード端子は、第1転送信号線72に接続され、「H」に設定されている。偶数番号の転送サイリスタT2、T4、T6、…のそれぞれのカソード端子は、第2転送信号線73に接続され、「H」に設定されている。よって、転送サイリスタTは、アノード端子およびカソード端子がともに「H」であるためオフ状態にある。
発光サイリスタLのカソード端子は、「H」の点灯信号線75に接続されている。よって、発光サイリスタLも、アノード端子およびカソード端子がともに「H」であるためオフ状態にある。
図5中の転送サイリスタ列の一端のゲート端子Gt1は、前述したように、スタートダイオードDx0のカソード端子に接続されている。ゲート端子Gt1は、電源線抵抗Rgx1を介して、電源電位Vga(「L」(−3.3V))の電源線71に接続されている。そして、スタートダイオードDx0のアノード端子は第2転送信号線73に接続され、電流制限抵抗R2を介して、「H」(0V)のφ2端子に接続されている。よって、スタートダイオードDx0は順バイアスであり、スタートダイオードDx0のカソード端子(ゲート端子Gt1)は、スタートダイオードDx0のアノード端子の電位(「H」(0V))からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた値(−1.5V)になる。また、ゲート端子Gt1が−1.5Vになると、結合ダイオードDx1は、アノード端子(ゲート端子Gt1)が−1.5Vで、カソード端子が電源線抵抗Rgx2を介して電源線71(「L」(−3.3V))に接続されているので、順バイアスになる。よって、ゲート端子Gt2の電位は、ゲート端子Gt1の電位(−1.5V)からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた−3Vになる。しかし、3以上の番号のゲート端子Gtには、スタートダイオードDx0のアノード端子が「H」(0V)であることの影響は及ばず、これらのゲート端子Gtの電位は、電源線71の電位である「L」(−3.3V)になっている。
なお、ゲート端子Gtはゲート端子Glに接続されているので、ゲート端子Glの電位は、ゲート端子Gtの電位と同じである。よって、転送サイリスタT、発光サイリスタLのしきい電圧は、ゲート端子Gt(ゲート端子Gl)の電位からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた値となる。すなわち、転送サイリスタT1、発光サイリスタL1のしきい電圧は−3V、転送サイリスタT2、発光サイリスタL2のしきい電圧は−4.5V、番号が3以上の転送サイリスタT、発光サイリスタLのしきい電圧は−4.8Vとなっている。
(2)時刻b
図7に示す時刻bにおいて、第1転送信号φ1が、「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行する。これにより発光装置65および発光チップC1が動作を開始する。以下では、発光チップC1の動作を説明する。
第1転送信号φ1が「H」から「L」に移行すると、φ1端子および電流制限抵抗R1を介して、第1転送信号線72の電位が、「H」から「L」に移行する。すると、しきい電圧が−3Vである転送サイリスタT1がターンオンする。
転送サイリスタT1がターンオンすることで、第1転送信号線72の電位は、アノード端子の電位(「H」(0V))からpn接合の順方向電位Vd(1.5V)を引いた−1.5Vになる。
転送サイリスタT1がターンオンすると、ゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)の電位は、転送サイリスタT1のアノード端子の電位である「H」(0V)になる。そして、ゲート端子Gt2(ゲート端子Gl2)の電位が−1.5V、ゲート端子Gt3(ゲート端子Gl3)の電位が−3V、番号が4以上のゲート端子Gt(ゲート端子Gl)の電位が「L」(−3.3V)になる。
これにより、発光サイリスタL1のしきい電圧が−1.5V、転送サイリスタT2、発光サイリスタL2のしきい電圧が−3V、転送サイリスタT3、発光サイリスタL3のしきい電圧が−4.5V、番号が4以上の転送サイリスタT、発光サイリスタLのしきい電圧が−4.8Vになる。
(3)時刻c
時刻cにおいて、点灯信号φI1が「H」から「L」に移行する。
点灯信号φI1が「H」から「L」に移行すると、電流制限抵抗RIおよびφI端子を介して、点灯信号線75が「H」から「L」に移行する。すると、しきい電圧が−1.5Vである発光サイリスタL1がターンオンして、点灯(発光)する。これにより、点灯信号線75の電位が−1.5Vに近い電位(絶対値が1.5Vより大きい負の電位)になる。
(4)時刻d
時刻dにおいて、点灯信号φI1が「L」から「H」に移行する。
点灯信号φI1が「L」から「H」に移行すると、電流制限抵抗RIおよびφI端子を介して、点灯信号線75の電位が「L」から「H」に移行する。すると、発光サイリスタL1は、アノード端子とカソード端子とがともに「H」になるのでターンオフして消灯(非点灯)する。発光サイリスタL1の点灯期間は、点灯信号φI1が「H」から「L」に移行した時刻cから、点灯信号φI1が「L」から「H」に移行する時刻dまでの、点灯信号φI1が「L」である期間となる。
(5)時刻e
時刻eにおいて、第2転送信号φ2が「H」から「L」に移行する。ここで、発光サイリスタL1を点灯制御する期間T(1)が終了し、発光サイリスタL2を点灯制御する期間T(2)が開始する。
第2転送信号φ2が「H」から「L」に移行すると、φ2端子を介して第2転送信号線73の電位が「H」から「L」に移行する。前述したように、転送サイリスタT2は、しきい電圧が−3Vになっているので、ターンオンする。これにより、ゲート端子Gt2(ゲート端子Gl2)の電位が「H」(0V)、ゲート端子Gt3(ゲート端子Gl3)の電位が−1.5V「H」(0V)、ゲート端子Gt4(ゲート端子Gl4)の電位が−3Vになる。そして、番号が5以上のゲート端子Gt(ゲート端子Gl)の電位が−3.3Vになる。
(6)時刻f
時刻fにおいて、第1転送信号φ1が「L」から「H」に移行する。
第1転送信号φ1が「L」から「H」に移行すると、φ1端子を介して第1転送信号線72の電位が「L」から「H」に移行する。すると、オン状態の転送サイリスタT1は、アノード端子とカソード端子とがともに「H」になって、ターンオフする。すると、ゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)の電位は、電源線抵抗Rgx1を介して、電源線71の電源電位Vga(「L」(−3.3V))に向かって変化する。これにより、結合ダイオードDx1は、電流が流れない方向に電位が加えられた状態(逆バイアス)になる。よって、ゲート端子Gt2(ゲート端子Gl2)が「H」(0V)である影響は、ゲート端子Gt1(ゲート端子Gl1)には及ばなくなる。すなわち、逆バイアスの結合ダイオードDxで接続されたゲート端子Gtを有する転送サイリスタTは、しきい電圧が−4.8Vになって、「L」(−3.3V)の第1転送信号φ1または第2転送信号φ2ではターンオンしなくなる。
(7)その他
時刻gにおいて、点灯信号φI1が「H」から「L」に移行すると、時刻cでの発光サイリスタL1と同様に、発光サイリスタL2がターンオンして、点灯(発光)する。
そして、時刻hにおいて、点灯信号φI1が「L」から「H」に移行すると、時刻dでの発光サイリスタL1と同様に、発光サイリスタL2がターンオフして消灯する。
さらに、時刻iにおいて、第1転送信号φ1が「H」から「L」に移行すると、時刻bでの転送サイリスタT1または時刻eでの転送サイリスタT2と同様に、しきい電圧が−3Vの転送サイリスタT3がターンオンする。時刻iで、発光サイリスタL2を点灯制御する期間T(2)が終了し、発光サイリスタL3を点灯制御する期間T(3)が開始する。
以降は、これまで説明したことの繰り返しとなる。
なお、発光サイリスタLを点灯(発光)させないで、消灯(非点灯)のままとするときは、図7の発光サイリスタL4を点灯制御する期間T(4)における時刻jから時刻kに示す点灯信号φI1のように、点灯信号φIを「H」(0V)のままとすればよい。このようにすることで、発光サイリスタL4のしきい電圧が−1.5Vであっても、発光サイリスタL4は消灯(非点灯)のままとなる。
以上説明したように、転送サイリスタTのゲート端子Gtは結合ダイオードDxによって相互に接続されている。よって、ゲート端子Gtの電位が変化すると、電位が変化したゲート端子Gtに、順バイアスの結合ダイオードDxを介して接続されたゲート端子Gtの電位が変化する。そして、電位が変化したゲート端子を有する転送サイリスタTのしきい電圧が変化する。転送サイリスタTは、しきい電圧が「L」(−3.3V)より高い(絶対値が小さい負の電位)と、第1転送信号φ1または第2転送信号φ2が「H」(0V)から「L」(−3.3V)に移行するタイミングにおいてターンオンする。
そして、オン状態の転送サイリスタTのゲート端子Gtにゲート端子Glが接続された発光サイリスタLは、しきい電圧が−1.5Vであるので、点灯信号φIが「H」から「L」に移行すると、ターンオンして点灯(発光)する。
すなわち、転送サイリスタTはオン状態になることで、点灯制御の対象である発光サイリスタLを指定し、点灯信号φIは、点灯制御の対象の発光サイリスタLを点灯または非点灯に設定する。
このように、画像データに応じて点灯信号φIの波形を設定して、各発光サイリスタLの点灯または非点灯を制御している。
次に、発光チップCの製造方法を説明するとともに、ペデスタル91、光量調整部材92およびレンズ93を詳細に説明する。
(発光チップCの製造方法)
まず、ペデスタル91を設ける前の発光チップCの製造方法を説明する。
例えばGaAsやGaAlAsなどの化合物半導体を用い、p型である基板80上に、p型の第1半導体層81、n型の第2半導体層82、p型の第3半導体層83およびn型の第4半導体層84を順に積層する。そののち、図6で示した複数のアイランド(第1アイランド301〜第6アイランド306および符号付さないアイランド)の間の領域において、n型の第4半導体層84、p型の第3半導体層83、n型の第2半導体層82、p型の第1半導体層81をエッチングにより除去する。これにより、相互に分離された複数のアイランドを形成する。このようなアイランドはメサと呼ばれ、このようにアイランドを形成するためのエッチングはメサエッチングと呼ばれる。なお、p型の第1半導体層81は、n型の第2半導体層82との界面から予め定められた深さにおいて除去されてもよい。図6では、p型の第1半導体層81をn型の第2半導体層82との界面から予め定められた深さにおいて除去している。
複数のアイランドの内の一部(例えば、第1アイランド301)は、n型の第4半導体層84を部分的に除去して、p型の第3半導体層83を露出させる。他(例えば、第3アイランド303)は、n型の第4半導体層84を除くことにより、p型の第3半導体層83を露出させる。
そして、p型オーミック電極(p型オーミック電極331など)およびn型オーミック電極(n型オーミック電極321など)を形成する。
そして、アイランドの表面および側面を覆うように、例えば二酸化シリコン(SiO)などの絶縁層86を形成する。次に、p型オーミック電極(p型オーミック電極331など)上およびn型オーミッ電極(n型オーミック電極321など)上の絶縁層86にスルーホールを設けたのち、例えばアルミニウム(Al)などの金属膜を堆積する。さらに、金属膜を、フォトリソグラフィなどにより、電源線71、第1転送信号線72、第2転送信号線73、点灯信号線75などの配線に加工する。
このようにして、ペデスタル91を設ける前の発光チップCが製造される。
なお、以下では、製造の各工程段階においても発光チップCと呼ぶ。
次に、ペデスタル91、光量調整部材92を形成する方法を説明する。
図8は、第1の実施の形態の発光チップCにおいて、ペデスタル91および光量調整部材92を形成する方法を説明する断面図である。図6(a)のVIC−VIC線での断面で説明する。ここでは、発光サイリスタL1、L2、L3および発光サイリスタL1に最も近接して設けられたボンディングパッドとしての端子φIを示している。
まず、ペデスタル91を形成する方法を説明する。
ここでは、ペデスタル91は、感光性を有する樹脂(感光性樹脂)を用いてフォトリソグラフィにより形成されるとする。
感光性樹脂には、露光光(紫外光など波長が短い光)98が照射された部分が分解して現像液に溶解しやすくなるポジ型と、露光光98が照射された部分が重合して現像液に不溶になるネガ型とがある。
ペデスタル91の形成に用いる感光性樹脂は、例えばネガ型の感光性ポリイミドである。ネガ型の感光性ポリイミドは、前駆体に露光光98を照射するとイミド化を生じて現像液に不溶になる。
図8(a)は、前述したよう方向で形成されたペデスタル91を設ける前の発光チップCである。
図8(b)に示すように、発光チップCに、ネガ型の感光性ポリイミドの前駆体膜91bをスピンコーティングなどにより塗布する。
ここで用いるフォトマスク96aは、ボンディングパッドとなる端子(φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子)上の開口91aを設ける部分(図8(c)参照)に露光光98が照射されないように遮光する遮光パターン97aが設けられている。このフォトマスク96aを通して、前駆体膜91bに露光光98を照射する。すると、露光光98が照射された前駆体膜91bは、重合して現像液に不溶になる。一方、露光光98が照射されなかったボンディングパッドとなる端子(φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子)上の開口91aを設ける部分は、重合が生じない。
図8(c)に示すように、現像液に浸漬すると、重合が生じなかった開口91aを設ける部分の前駆体膜91bが溶解し、開口91aを有するペデスタル91が形成される。
次に、光量調整部材92を形成する方法を説明する。
ここでは、光量調整部材92は、複数の発光サイリスタLのそれぞれの発光面311に対して予め定められた光量調整量に対応して、発光サイリスタLが発光する光が通過する面積が異なるように構成されているとする。例えば、後述する図13(a)に示すように、一つの発光面311を8×8のマトリクスに区切り、マトリクスのそれぞれの要素を透過または遮光のいずれかに設定することで、発光サイリスタLの発光する光を透過する面積を100%から0%まで65段階に設定できる。この方法を、密度変調型と表記する。8×8のマトリクスによって光が透過する面積を変えることは、等価的に光透過率を設定することである。以下では、等価的な光透過率も光透過率と呼ぶ。
光量調整部材92は、発光サイリスタLの発光する光を透過しない(遮光性の)材料(遮光性材料)、例えばクロムなどの金属膜で構成されているとする。
図8(d)に示したように、ペデスタル91が形成された発光チップC上に、光量調整部材92に加工される遮光性材料膜92aをスパッタリングなどにより形成する。
次いで、ポジ型のフォトレジスト膜99を塗布する。そして、それぞれの発光面311を8×8のマトリクスに区切り、マトリクスにおけるそれぞれの要素を遮光するように遮光パターン97bを設けたフォトマスク96bを通して、フォトレジスト膜99に露光光98照射する。そして、現像液に浸漬して、フォトレジスト膜99の露光光98が照射された部分を除去する。
その後、遮光性材料膜92aを溶解するエッチング液を用いて、遮光性材料膜92aのフォトレジスト膜99が除去された部分をエッチングする。
図8(e)に示すように、フォトレジスト膜99を除去することにより光量調整部材92が形成される。これにより、レンズ93が形成される前の発光チップCが製造される。
なお、フォトマスク96bの遮光パターン97bにおけるネガ−ポジの関係を逆転させれば、フォトレジスト膜99はネガ型としてもよい。
なお、光量調整部材92は、発光サイリスタLの発光面311上のみならず、転送サイリスタTなどの上に設けられてもよい。このとき、転送サイリスタTなどの部分を遮光することで、転送サイリスタTなどに光が入射して誤動作が発生することが抑制できる。また、転送サイリスタTなどが発光する光が感光体ドラム12に入射して、画像形成における画質が劣化することが抑制できる。
光量調整部材92が発光サイリスタLの発光面311とペデスタル91との間またはレンズ93の表面に設けられる場合であっても、光量調整部材92の形成は、上記したペデスタル91の表面に形成する場合と同様にすればよい。
次に、レンズ93を形成する方法を説明する。
ここでは、図6で説明したように、発光サイリスタL1に対応するレンズ93が高さh1、発光サイリスタL2に対応するレンズ93が高さh1より高い高さh2、発光サイリスタL3に対応するレンズ93が高さh2より高い高さh3とする(h1<h2<h3)。そして、図示していないが、番号が4以上の発光サイリスタLでは高さhは高さh3とする。
図9は、第1の実施の形態の発光チップCにおいて、レンズ93を形成する方法を説明する断面図である。図8と同様に、図6(a)のVIC−VIC線での断面で説明する。
ここでは、レンズ93は、感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィにより形成するとする。なお、ここで用いるフォトリソグラフィは、グレースケールリソグラフィと呼ばれる。
グレースケールリソグラフィは、フォトリソグラフィにおいて、露光光98の透過量(露光量)に分布を持たせたフォトマスク96cを用いて行うリソグラフィである。フォトマスク96cは、例えば、露光光98の波長では解像しない微細なドットからなる遮光パターン97cを有し、ドットの分布(ドット密度)により、露光光98の光透過率を制御するものであってよい。この場合、ドット密度が低い部分は光透過率が大きく、ドット密度が高い部分は光透過率が小さい。すると、感光性樹脂がポジ型の場合、光透過率が大きい部分は現像液に溶解する量が大きく、現像後の感光性樹脂の膜厚(残膜厚)が小さくなる。一方、光透過率が小さい部分は現像液に溶解する量が小さく、現像後の感光性樹脂の膜厚(残膜厚)が大きくなる。すなわち、フォトマスク96cにおける遮光パターン97cを構成するドット密度によって、表面形状(プロファイル)が予め定められた形状に設定されたレンズ93を形成することができる。
ここでは、現像後の感光性樹脂がレンズ93の表面形状が凸状であるとして説明する。
レンズ93の形成に用いる感光性樹脂は、例えばポジ型の感光性ポリイミドである。ここで用いるポジ型の感光性ポリイミドは、前駆体に露光光98を照射すると、現像液に可溶になる。そして、露光光98によって、現像後の膜厚(残膜厚)を制御できる。現像後に、加熱することで前駆体のイミド化が進み、ポリイミドになる。
図9(a)は、レンズ93を形成する前の発光チップCであって、図8(e)に示した光量調整部材92を形成した発光チップCである。
図9(b)に示すように、レンズ93を形成する前の発光チップCの表面に、ポジ型のポリイミドの前駆体膜93bをスピンコートなどにより塗布する。
このとき、前駆体膜93bの膜厚は、ペデスタル91の開口91aの端に生じた段差部91cの影響を受ける。すなわち、段差部91cに対応する前駆体膜93bの矢印Dで示す部分の膜厚tは、段差から離れた矢印Eで示す部分の膜厚tより薄い。これは、前駆体膜93bが粘性を有する液体であるため、前駆体膜93bが発光チップC上に塗布されると、矢印Dで示す段差部91cの上と下とで表面が滑らかにつながるように表面張力の影響を受けるためである。すなわち、段差部91cに近いほど前駆体膜93bの厚さが小さく、段差部91cから離れるにしたがい前駆体膜93bの厚さが大きくなる。そして、段差部91cから大きく離れると、段差部91cの影響を受けなくなり、前駆体膜93bの厚さの変動は小さくなる。この厚さが異なる範囲は、開口91aの大きさ、開口91aからの距離、前駆体膜93bを形成する感光性ポリイミドの前駆体の粘度、塗布方法などに依存する。
その後、図9(b)に示すように、ドット密度に差を設けて光透過率を制御する遮光パターン97cを形成したフォトマスク96cを介して、この前駆体膜93bに露光光98を照射する。そして、露光光98が照射された前駆体膜93bを現像する。
すると、図9(c)に示すように、ドット密度による光透過率の違いにより、現像後の前駆体膜93bの膜厚(残膜厚)が異なることで、レンズ93が形成される。
このようにして、発光チップCが製造される。
しかし、前述した前駆体膜93bの厚さを反映して、段差部91cに最も近い位置にある発光サイリスタL1に対するレンズ93の高さh1は、発光サイリスタL2に対するレンズ93の高さh2より低くなる。発光サイリスタL2に対するレンズ93の高さh2と、発光サイリスタL3の高さh3との関係も同様である。
そして、このレンズ93の高さhが異なる範囲は、発光サイリスタL1〜L10で見られる場合がある(後述する図11参照)。すなわち、発光サイリスタL11より番号が大きい発光サイリスタLでは、レンズ93の高さhの変動が発光サイリスタL1〜L10におけるより小さい。しかし、発光サイリスタL1〜L10では、番号が大きくなるにつれて、レンズ93の高さhが高くなるように変化する。
ここでは、ペデスタル91はネガ型の感光性ポリイミドで、レンズ93はポジ型の感光性ポリイミドを用いて形成した。しかし、ペデスタル91をポジ型の感光性ポリイミドで、レンズ93をネガ型の感光性ポリイミドを用いて形成してもよい。また、ペデスタル91およびレンズ93をともに、ポジ型の感光性ポリイミドで形成してもよく、ネガ型の感光性ポリイミドで形成してもよい。
ペデスタル91およびレンズ93を感光性ポリイミドで構成するとして説明した。しかし、感光性樹脂としては、ポリイミド樹脂の他、フェノールエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂などを用いることができる。
<光量調整部材92とレンズ93との関係>
次に、光量調整部材92とレンズ93との関係について説明する。
第1の実施の形態では、発光サイリスタLのそれぞれに対応するレンズ93の光量調整部材92と接する部分における直径を同じとしている。よって、レンズ93の高さhが異なると、レンズ93表面の曲率半径が異なる。例えば、段差部91cに近い発光サイリスタL1に対応するレンズ93は、段差部91cから発光サイリスタL1より離れた発光サイリスタL3のレンズ93よりレンズの高さhが低いので、表面の曲率半径が大きくなる。すなわち、段差部91cに近い発光サイリスタLに対応するレンズ93は、段差部91cから遠い発光サイリスタLに対応するレンズ93に比べ、高さhが低く且つ曲率半径が大きい。
高さhが低く且つ曲率半径が大きいレンズ93は、高さhが高く且つ曲率半径が小さいレンズ93に比べレンズ93の焦点距離が長くなる。このとき、光量調整部材92を用いない場合には、それぞれの発光サイリスタLの発光する光量が同じでも、レンズ93からの取り出し光量(ロッドレンズアレイ64を介して感光体ドラム12を露光する光量)が低減することが起こりうる。すなわち、発光サイリスタL間で取り出し光量が異なってしまう。
ここでは、光量調整部材92を用いない場合には、レンズ93のペデスタル91の表面からの高さhが低いほど、曲率半径が大きくなって焦点距離が長くなることにより、取り出し光量が小さくなるとする。そして、ロッドレンズアレイ64を介して感光体ドラム12を露光する光量が小さいとして説明する。
そこで、第1の実施の形態では、光量調整部材92を、ペデスタル91とレンズ93との間に設けている。そして、光量調整部材92の光透過率を、段差部91cに近く、高さhが低いレンズ93が形成される発光サイリスタLに対しては、段差部91cから離れて、高さhが高いレンズ93が形成される発光サイリスタLより大きくなるように設定している。
すなわち、光量調整部材92を介在させることにより、取り出し光量が最も小さい発光サイリスタLに比べ取り出し光量が大きい発光サイリスタLに対して、感光体ドラム12を露光する光量を抑制する。これにより、段差部91cに近く、高さhが低いレンズ93が形成された発光サイリスタLと、その他の発光サイリスタLとの間で、取り出し光量の差を、光量調整部材92を用いない場合に比べ小さくしている。
図10は、ペデスタル91上にレンズ93を形成するためのポジ型の感光性ポリイミドの前駆体膜93bを塗布した状態の一例を示す図である。横軸は、ペデスタル91の開口91aに生じた段差部91c(表面から厚さが減少し始める位置)を0とした距離(μm)である。開口91a側が−、ペデスタル91側が+である。一方、縦軸はペデスタル91が形成される面を0とした高さ(μm)である。
図10に示すように、ペデスタル91の厚さは、13μmで変動が小さい。一方、ペデスタル91上において、前駆体膜93bの厚さは、矢印Dで示す段差部91cに近い部分で最も薄く(ペデスタル91の厚さを加えて22.2μm)、段差部91cから離れるにしたがって厚くなっている。そして、段差部91cから500μm以上離れた部分から厚さの変動が小さくなっている(矢印Eで示す部分でペデスタル91の厚さを加えて25.5μm)。
このように、段差部91cが13μmと高い場合には、その上に塗布した前駆体膜93bの厚さに影響が現れやすい。
図11は、それぞれの発光サイリスタLに形成されたレンズ93の高さhの一例を示した図である。横軸は発光サイリスタLの番号、縦軸はレンズ93の高さh(μm)である。そして、発光サイリスタL1に近い側にペデスタル91の開口91aによる段差部91cがある。
発光サイリスタL1〜L10においては、番号が大きくなるにつれレンズ93の高さhが高くなっている。しかし、発光サイリスタL10と発光サイリスタL128とでは、レンズ93の高さhの差が小さい。すなわち、段差部91cによるレンズ93の高さhへの影響は、発光サイリスタL1〜L9の範囲で生じている。
図12は、レンズ93の高さh(μm)と、取り出し光量の変化率(%)との関係の一例を示す図である。横軸は、レンズ93の高さh(μm)、縦軸はレンズ93の高さhが8μmであるときに取り出すことができる光量を基準とした光量の変化率(%)である。
レンズ93の高さhが6μmであると、高さhが8μmであるときに比較して光量が9%低下する。一方、レンズ93の高さhが9μmであると、高さhが8μmであるときに比較して光量が増加するが、レンズ93の高さhが8μmであるときに比較して差は小さい。
このように、レンズ93の高さhが変化すると、取り出し光量が変化する。これは、前述したように、レンズ93の高さhが低くなるとレンズ93の表面の曲率半径が小さくなって焦点距離が長くなり、ロッドレンズアレイ64に取り込まれる光量が低下するためである。
よって、第1の実施の形態では、レンズ93の高さhが高い発光サイリスタL(図10における番号が10以上の発光サイリスタL)に対しては、取り出し光量が小さくなるように光透過率が小さい光量調整部材92を設け、取り出し光量を小さくしている。一方、図10における発光サイリスタL1〜L9に対しては、番号が小さくなるにしたがって、光透過率が大きくなるように、光量調整部材92を設けている。
なお、取り出し光量が最も小さい発光サイリスタL1については、光量調整部材92を設けなくともよい。
なお、以上説明したように、開口91aから離れた位置に発光サイリスタLを設ければ、段差部91cによるレンズ93の高さhの差が生じにくくなる。図10に示した一例では、レンズ93の高さhに差が生じにくくするためには500μm以上離すことが必要とされる。しかし、発光サイリスタLと開口91aとを離して設けると、発光チップCの長手方向の長さが大きくなって、一枚のウエハから得られる発光チップCの数が少なくなってしまう。これにより、発光チップCの価格が高くなってしまう。すなわち、発光チップCにおいて、発光サイリスタ列と端子(φ1端子、φ2端子、φI端子、Vga端子)とを近づけて設けることが求められる。
図13は、光量調整部材92の一例を示す図である。図13(a)は密度変調型の一例、(b)は図13(a)の光量調整部材92の等価的な光透過率を示す図である。
図13(a)に示す密度変調型は、前述したように、発光サイリスタLの発光面311をマトリクス状に分割し、マトリクスの各要素を透過または遮光に設定することで、透過または遮光の要素の数を変化させて、光透過率(等価的な光透過率)を設定する。図13(a)の左側に、8×8のマトリクスを示す。そして、右側に、透過部分を白、遮光部分を黒として、光透過率を10%刻みで変えた場合の遮光パターンを示している。なお、光透過率100%は全面が透過であるので示していない。
なお、発光サイリスタLの発光サイリスタ列方向のピッチを20μmとすると、マトリクスの各要素の一辺は2.5μmとなる。よって、例えば光量調整部材92をクロム膜で形成し、フォトリソグラフィによって、発光サイリスタLの発光面311ごとに、密度変調型の光量調整部材92を形成することができる。
例えば、光量調整部材92のマトリクスの要素を透過と遮光とのいずれかに設定する場合、光量調整部材92は、金、銀、銅、チタン、アルミニウム、タングステン、クロムなどの金属またはカーボンブラックなど、発光サイリスタLの発光する光を透過しにくい材料の膜で構成する。そして、フォトリソグラフィにより、その膜の透過する要素に対応する部分を除去することで光量調整部材92を形成することができる。この場合、光量調整部材92として、0%から100%の範囲の光透過率が得られる。
なお、金属またはカーボンブラックなどの代わりに、分布型ブラッグ反射(DBR:Distributed Bragg Reflection)を生じさせる誘電体などによる多層膜を用いてもよい。多層膜の構成は、発光サイリスタLの発光する光の波長を反射するように設定すればよい。
一方、光量調整部材92を、染料、顔料などを分散した樹脂の膜とし、フォトリソグラフィにより透過する要素に対応する部分を除去することで光量調整部材92を形成することができる。この場合、染料、顔料などを分散した樹脂の膜の光透過率が90%であれば、光量調整部材92として、90%とから100%の光透過率が得られる。染料としては、アゾ色素、シアニン色素などがあり、発光サイリスタLの発光する波長に対応させて選択すればよい。また、染料、顔料などを分散した樹脂の光透過率は、分散する染料、顔料などの量および膜とした時の膜厚により設定できる。
さらに、樹脂の膜に、この樹脂とは屈折率の異なる他の樹脂の微粒子を分散させてもよい。上記の光量調整部材92と同様に、他の樹脂の微粒子を分散させた樹脂の膜における透過する要素に対応する部分を、フォトリソグラフィにより除去することで光量調整部材92を形成することができる。
この場合、樹脂と他の樹脂の微粒子との屈折率の違いにより、発光サイリスタLの発光する光が散乱される。よって、取り出し光量を小さく設定することができる。
以上説明したように、光量調整部材92を構成する材料は、発光サイリスタLの発光する光を反射または吸収により遮光する材料であってもよく、発光サイリスタLの発光する光の一部を吸収する材料であってもよい。さらに、発光サイリスタLの発光する光を散乱する材料であってもよい。
図13(b)は図13(a)の光量調整部材92における黒の要素の数に対する光透過率(図13(b)では等価的な光透過率と表記)の実測値の一例を示す図である。横軸は、光量調整部材92における黒の要素の数、縦軸は任意単位で示した光透過率である。
原理上、光透過率は、黒の要素の数の増加に伴って小さくなる。しかし、図13(b)に示す光透過率の実測値では、黒の要素の数が56より大きい場合における光透過率の黒の要素の数に対する変化は、黒の要素の数が56未満である場合に比べて小さい。
図14は、光量調整部材92の他の例を示す図である。図14(a)、(b)は面積変調型の一例、(c)は複合(ハイブリッド)型の一例である。
図14(a)、(b)に示す面積変調型は、光量調整部材92において、光が透過または遮光する面積を変えて、光透過率を設定する。例えば、図14(a)では、二つの正方形の遮光する領域(黒で示す領域)を設け、その二つの正方形の遮光する領域の大きさを変えることで、光透過率を設定している。
一方、図14(b)では、二つの同心円の間を光が透過する領域とし、二つの同心円の直径を変えることで、光透過率を設定している。二つの同心円の間を遮光の領域としてもよい。また、同心円の数を3以上としてもよい。
図14(c)に示す複合(ハイブリッド)型は、発光サイリスタLの発光面311を複数の領域に分けたのち、その複数の領域のそれぞれに、図13(a)に示した面積変調型を適用している。詳細な説明は省略する。
なお、図13で説明したように、図14(a)、(b)、(c)における光量調整部材92を、発光サイリスタLの発光する光を遮光する材料の代わりに、吸収する材料、散乱する材料で構成してもよい。
以上説明したように、第1の実施の形態では、発光サイリスタLが発光する光を、それぞれの発光サイリスタLに対応して光透過率が設定された光量調整部材92を、ペデスタル91とレンズ93との間に設けることにより、取り出し光量を制御する。これにより、段差部91cに起因して生じたレンズ93の高さhの差による取り出し光量の差を抑制する。
ここでは、取り出し光量が最も小さくなる発光サイリスタL1を基準にして、他の発光サイリスタLに対して光量調整部材92を適用するとした。後述するように、予め定められた取り出し光量より大きくなる発光サイリスタLに対して光量調整部材92を適用してもよい。
起因して生じるレンズ93の高さhの差、すなわち前駆体膜93bの厚さの差は、予め分かる。よって、発光サイリスタLごとに設定する光量調整部材92の光透過率も予め設定することができる。
また、光量調整部材92によって、発光サイリスタ列のそれぞれの発光サイリスタLからの取り出し光量の差を小さく設定すると、図1に示した画像出力制御部30などにより、発光サイリスタLが発光する期間または発光サイリスタLに流す電流などにより、発光サイリスタLの出射する光量を補正することを要しない。
なお、光量調整部材92による発光サイリスタLの取り出し光量の設定と、画像出力制御部30などによる発光サイリスタLの出射する光量の設定とを併用してもよい。例えば、予め定められた取り出し光量の発光サイリスタLを基準として、光量調整部材92を備えない場合においてそれ以上の取り出し光量となる発光サイリスタLに光量調整部材92を適用して取り出し光量を設定する。そして、それ以下の取り出し光量の発光サイリスタLに対しては、画像出力制御部30などによって出射する光量を設定する。この場合、発光サイリスタ列における最も取り出し光量が小さい発光サイリスタLを基準としないので、この発光サイリスタLより取り出し光量が大きい発光サイリスタLの発光する光量を抑制し過ぎない。
以上の説明では、光量調整部材92を用いない場合に、レンズ93の高さhが高い場合に比べて、レンズ93の高さhが低い場合には、焦点距離が長くなってロッドレンズアレイ64に取り込まれる光量が小さくなるとした。
逆に、レンズ93の高さhが高いと、ロッドレンズアレイ64に取り込まれる光量が増加する場合には、レンズ93の高さhが低い発光サイリスタLに対して光透過率が小さい光量調整部材92を設ければよい。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、光量調整部材92をペデスタル91とレンズ93との間に介在させることで、レンズ93の高さhの違いによって生じる取り出し光量の差を抑制した。
第2の実施の形態では、レンズ93の表面形状(プロファイル)を制御することで、レンズ93の高さhの違いによって生じる感光体ドラム12を露光する光量の差を抑制する。
前述したように、ペデスタル91の段差部91cの影響を受けて、段差部91cに近いレンズ93の高さhが低くなる。すると、レンズ93の直径に差を設けない場合、レンズ93の高さhが低いほど、レンズ93の表面の曲率半径が大きくなる。このため、レンズ93の焦点距離が長くなって、取り出し光量(ロッドレンズアレイ64に取り込まれる光量)が小さくなり、感光体ドラム12を露光する光量が小さくなった。
そこで、第2の実施の形態では、第1の実施の形態における光量調整部材92を使用せず、段差部91cに近い、高さhが低いレンズ93に対して、表面形状、すなわち曲率半径を、第1の実施の形態の場合に比べて小さくしている。これにより、高さhが低いレンズ93の焦点距離が第1の実施の形態の場合に比べて短くなり、レンズ93の高さhの違いに起因して、取り出し光量に差が生じることを抑制する。
ここで、表面形状が異なる複数のレンズ93が光取り出し手段の他の一例である。
(発光チップCの構成)
図15は、第2の実施の形態が適用される発光チップCの平面レイアウト図および断面図の一例である。図15(a)は、発光チップCの平面レイアウト図であって、発光サイリスタL1〜L4、転送サイリスタT1〜T4を中心とした部分を示している。図15(b)は、図15(a)に示したXVB−XVB線での断面図である。よって、図15(b)の断面図には、図中下より発光サイリスタL1、転送サイリスタT1、結合ダイオードDx1、電源線抵抗Rgx1の断面が示されている。図15(c)は、図15(a)に示したXVC−XVC線での断面図である。第2の実施の形態では、図6に示した第1の実施の形態における光量調整部材92を備えていない。
そして、レンズ93の高さhは、発光サイリスタL1、L2、L3と番号が大きくなるにつれ、高くなるとする。なお、番号が4以上の発光サイリスタLでは、レンズ93の高さhは発光サイリスタL3の高さh3であるとする。
以下では、同様な部分の説明を省略し、異なる部分について説明する。
図15に示すように、発光サイリスタL1、L2、L3、…のそれぞれに対応して設けられるレンズ93は直径diであるとする。
なお、図15から分かるように、レンズ93は、隣接するレンズ93と一部が重なるように設けられ、重なる部分が切り取られた形状である。よって、直径diはレンズ93が互いに隣接しない部分における直径である。
第2の実施の形態では、例え発光サイリスタL1のレンズ93の高さhが低くても、レンズ93側面の立ち上がりを急峻にして、レンズ93の曲率半径rを小さくしている。これにより、焦点距離が短くなり、発光サイリスタLの発光する光をロッドレンズアレイ64に取り込まれやすくしている。
(発光チップCの製造方法)
図16は、第2の実施の形態の発光チップCにおいて、ペデスタル91およびレンズ93を形成する方法を説明する断面図である。図16は、図15(a)に示すXVC−XVC線での断面で示している。
図16(a)〜(c)は、第1の実施の形態における図8(a)〜(c)と同じである。すなわち、図16(c)は、ペデスタル91が形成された発光チップCである。
次に、図16(d)に示すように、図9(b)と同様に、ポジ型のポリイミドの前駆体膜93bをスピンコートなどにより塗布する。すると、前駆体膜93bの膜厚は、段差部91cに近い部分である矢印Dで示す部分における膜厚tは、段差部91cから離れた矢印Eで示す部分の膜厚tより薄くなる。
そして、図16(d)に示すように、図9(b)と同様に、ドット密度により光透過率を制御した遮光パターン97dを形成したフォトマスク96dを介して、前駆体膜93bに露光光98を照射する。そして、露光光98が照射された前駆体膜93bを現像する。なお、遮光パターン97dは、第1の実施の形態における図9(b)の遮光パターン97cと異なって、段差部91cに近い発光サイリスタL(発光サイリスタL1、L2)に対するレンズ93の曲率半径r1、r2が、段差部91cから離れた発光サイリスタL(番号が3以上の発光サイリスタL)に対するレンズ93の曲率半径r3より小さくなるように設定されている。
こののち、現像すると、図16(e)に示すように、レンズ93が形成される。このとき、段差部91cに近い発光サイリスタL1に対応する高さh1のレンズ93の曲率半径r1は、隣接する発光サイリスタL2に対応する高さh2(h1<h2)のレンズ93の曲率半径r2より小さくなり(r1<r2)、発光サイリスタL2に対応する高さh2のレンズ93の曲率半径r2は、隣接する発光サイリスタL3に対応する高さh3(h2<h3)のレンズ93の曲率半径r3より小さくなる(r2<r3)。なお、番号が4以上の発光サイリスタLのレンズ93の高さhは高さh3と同じであるので、曲率半径rも曲率半径r3と同じである。
このように、レンズ93の高さhが低いほどレンズ93の曲率半径rが小さくなるように設定している。これにより、レンズ93の高さhが低くても、レンズ93の曲率半径rを調整することにより、レンズ93の高さhが高い場合と同様に、発光サイリスタLの発光する光をロッドレンズアレイ64に取りこむことができる。よって、レンズ93の高さhの違いに起因して、取り出し光量に差が生じることを抑制する。
ここでは、番号が4以上の発光サイリスタLのレンズ93の曲率半径rを曲率半径r3としたが、前駆体膜93bの厚さが段差部91cの影響を受ける範囲において、取り出し光量の低下が抑制できるように曲率半径rを設定すればよい。
上記では、フォトマスク96dにおけるドット密度を調整することで、レンズ93の曲率半径rを設定した。表面張力によりレンズ93の曲率半径rが設定される場合には、レンズ93の直径di(図15参照)を異ならせることで、曲率半径rを設定してもよい。
また、曲率半径rのみならず、レンズ93の表面形状(プロファイル)に凹凸をもたせるなど複雑に制御して、取り出し光量の低下が抑制できるようにしてもよい。
また、第2の実施の形態では、取り出し光量が小さくなる発光サイリスタLのレンズ93の表面形状を制御して取り出し光量を増加させている。このとき、取り出し光量が最も大きい発光サイリスタLとの差が小さいほど好ましいが、取り出し光量が増加すればよい。
さらに、最も大きい取り出し光量を基準として、それより小さい取り出し光量の発光サイリスタLのレンズ93のすべての表面形状を設定してもよく、予め定められた取り出し光量を基準として、それより小さい取り出し光量の発光サイリスタLのレンズ93に適用するようにしてもよい。
そして、第1の実施の形態と同様に、画像出力制御部30などによる発光サイリスタLの出射する光量の設定とを併用してもよい。
第1の実施の形態では、光を吸収、遮光、散乱する光量調整部材92を設け、予め定められた小さい取り出し光量に他の発光サイリスタLの取り出し光量を合わせている。このため、発光サイリスタLの出射する光量が有効に利用されない。これに対して、第2の実施の形態では、小さい取り出し光量の発光サイリスタLのレンズ93の表面形状を制御して、取り出し光量を大きくしているので、発光サイリスタLの出射する光量を有効に利用できる。
発光チップCおよび発光装置65の動作は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、レンズ93の高さhの差は、ペデスタル91に開口91aを設けたことに起因した段差部91cによって生じるとして説明した。
しかし、段差部91cによる場合でなくとも、レンズ93に高さhの差が生じる場合にも適用できる。
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)は、アノード端子が基板80に接続されたアノードコモンとして説明した。サイリスタ(転送サイリスタT、発光サイリスタL)は、回路の極性を変更することによって、カソード端子が基板80に接続されたカソードコモンとしてもよい。
また、発光サイリスタLの発光面311の中央に、n型オーミック電極321が設けられているとしたが、n型オーミック電極321は発光面311の中央からずれたところに、設けられていてもよい。
また、n型オーミック電極321が設けられていなくてもよい。
さらに、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、発光サイリスタLと転送サイリスタTとから構成される自己走査型発光素子アレイ(SLED)で説明したが、自己走査型発光素子アレイ(SLED)は、発光サイリスタLと転送サイリスタTの他に、制御用のサイリスタ、ダイオード、抵抗などの他の部材を含んでいてもよい。
また、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、転送サイリスタTの間を結合ダイオードDxで接続したが、抵抗など電位の変化を伝達できる部材であってもよい。
そして、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、発光素子を発光サイリスタLとしたが、発光素子はp型の半導体層とn型の半導体層とが積層された発光ダイオード(LED)であってもよい。
1…画像形成装置、10…画像形成プロセス部、11、11Y、11M、11C、11K…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、14…プリントヘッド、30…画像出力制御部、40…画像処理部、62…回路基板、63…光源部、64…ロッドレンズアレイ、65…発光装置、71…電源線、72…第1転送信号線、73…第2転送信号線、75…点灯信号線、91…ペデスタル、91a…開口、91c…段差部、92…光量調整部材、93…レンズ、110…信号発生回路、120…転送信号発生部、140…点灯信号発生部、160…基準電位供給部、170…電源電位供給部、φ1…第1転送信号、φ2…第2転送信号、φI(φI1〜φI40)…点灯信号、C(C1〜C40)…発光チップ、L…発光サイリスタ、T…転送サイリスタ、Dx…結合ダイオード、Vga…電源電位、Vsub…基準電位

Claims (5)

  1. 基板上に列状に配置された複数の発光素子と、
    前記複数の発光素子のそれぞれの発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられて当該発光素子から光を取り出す複数のレンズを備え、当該複数のレンズが、構造上、高さの異なるレンズを含み、当該レンズの高さの差に起因して生じる取り出し光量の差が抑制された光取り出し手段とを備え
    前記光取り出し手段は、前記複数の発光素子において、前記取り出し光量が予め定められた値より大きくなる発光素子と前記複数のレンズにおいて当該発光素子に対応して設けられたレンズとの間、または当該レンズの表面に、当該取り出し光量を小さくする光量調整部材を備えることを特徴とする発光部品。
  2. 基板上に列状に配置された複数の発光素子と、
    前記複数の発光素子のそれぞれの発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられて当該発光素子から光を取り出す複数のレンズを備え、当該複数のレンズが、構造上、高さの異なるレンズを含み、当該レンズの高さの差に起因して生じる取り出し光量の差が抑制された光取り出し手段と、を備え、
    前記光取り出し手段は、前記複数の発光素子において、前記取り出し光量が予め定められた値より小さくなる発光素子では、当該発光素子に対応して設けられたレンズの表面形状が当該取り出し光量が増加するように設定されていることを特徴とする発光部品。
  3. 前記複数の発光素子と前記光取り出し手段との間に台座をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光部品。
  4. 基板上に列状に配置された複数の発光素子と、当該複数の発光素子のそれぞれの発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられ、当該発光素子から光を取り出す複数のレンズを備え、当該複数のレンズが、構造上、高さの異なるレンズを含み、当該レンズの高さの差に起因して生じる取り出し光量の差が抑制された光取り出し手段と、を備える発光手段と、
    前記発光手段から照射される光を結像させる光学手段とを備え
    前記光取り出し手段は、前記複数の発光素子において、前記取り出し光量が予め定められた値より大きくなる発光素子と前記複数のレンズにおいて当該発光素子に対応して設けられたレンズとの間、または当該レンズの表面に、当該取り出し光量を小さくする光量調整部材を備えることを特徴とするプリントヘッド。
  5. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電する帯電手段と、
    基板上に列状に配置された複数の発光素子と、当該複数の発光素子のそれぞれの発光素子の光を出射する発光面に対向してそれぞれ設けられ、当該発光素子から光を取り出す複数のレンズを備え、当該複数のレンズが、構造上、高さの異なるレンズを含み、当該レンズの高さの差に起因して生じる取り出し光量の差が抑制された光取り出し手段と、を備え、光学手段を介して前記帯電手段により帯電された前記像保持体を露光する露光手段と、
    前記露光手段により露光され前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像手段と、
    前記像保持体に現像された画像を被転写体に転写する転写手段とを備え
    前記光取り出し手段は、前記複数の発光素子において、前記取り出し光量が予め定められた値より大きくなる発光素子と前記複数のレンズにおいて当該発光素子に対応して設けられたレンズとの間、または当該レンズの表面に、当該取り出し光量を小さくする光量調整部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
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