JP7232086B2 - 半導体発光装置、露光ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

半導体発光装置、露光ヘッド及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体発光装置、露光ヘッド及び画像形成装置に関する。
画像形成装置の感光ドラムへの潜像形成用の露光ヘッドとして、面発光素子アレイが利用されている。この露光ヘッドの典型的な構成では、多数の面型発光素子(半導体基板主面に対して垂直に光を放射する発光素子)がある方向に配列されており、各発光素子の配列方向と同一な方向にレンズアレイが並んでいる。そして、発光素子からの光は、当該レンズを通して感光ドラム上に結像する。発光素子としては、発光ダイオード(LED)で構成されたものと発光サイリスタで構成されたものが知られている。
特許文献1には、発光サイリスタを用いた自己走査型発光素子アレイが開示されている。特許文献1に記載の自己走査型発光素子アレイでは、シフト部サイリスタの間を結合ダイオードで結合することによって、シフト部サイリスタのゲート間に電位勾配を形成し、シフト部サイリスタの閾値電圧差を利用して自己走査機能を実現している。
特開2007-250853号公報
しかしながら、発光サイリスタを用いた従来の自己走査型発光素子アレイでは、シフト部サイリスタのゲート間に所定の電位勾配を形成することができず、転送動作に不具合が生じることがあった。
本発明の目的は、自己走査型回路の転送動作を安定化しうる半導体発光装置、露光ヘッド及び画像形成装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、シフトサイリスタのゲートと発光サイリスタのゲートとが各々に接続された複数のノードと、前記複数のノードの間を接続する複数の転送ダイオードと、を有する半導体発光装置であって、半導体基板の上に設けられた第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に設けられた前記第1導電型と異なる第2導電型の第2の半導体層と、前記第2の半導体層の上に設けられた前記第1導電型の第3の半導体層と、前記第3の半導体層の上に設けられた前記第2導電型の第4の半導体層と、前記第4の半導体層の上に設けられた前記第1導電型の第5の半導体層と、を含む積層構造を有し、前記複数の転送ダイオードの各々は、前記第4の半導体層と前記第5の半導体層とが形成するpn接合によって構成されたダイオードであり、前記半導体基板と前記複数の転送ダイオードの各々との間に、前記第1の半導体層と、前記第2の半導体層と、前記第3の半導体層と、前記第4の半導体層と、からなるpnpn接合が構成されており、
前記転送ダイオードの動作時に前記pnpn接合において寄生サイリスタがオンになるのを抑制するように前記第3の半導体層の電位が設定されている半導体発光装置が提供される。
本発明によれば、自己走査型の半導体発光装置において、自己走査型回路の転送動作を安定化することができる。
本発明の第1実施形態による半導体発光装置の概略構成を示す等価回路図である。 本発明の第1実施形態による半導体発光装置におけるシフトサイリスタのオン状態の転送動作を説明する図である。 本発明の第1実施形態による半導体発光装置の駆動方法を示すタイミング図である。 本発明の第1実施形態による半導体発光装置の転送ダイオード部を構成する半導体素子を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による半導体発光装置における転送ダイオード部の構成例を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態による半導体発光装置における発光サイリスタ部及びシフトサイリスタ部の構成例を示す概略断面図である。 参考例による半導体発光装置における走査回路部の等価回路図である。 参考例による半導体発光装置における課題を説明する図である。 本発明の第2実施形態による半導体発光装置の概略構成を示す等価回路図である。 本発明の第2実施形態による半導体発光装置の転送ダイオード部を構成する半導体素子を示す概略図である。 本発明の第3実施形態による半導体発光装置の概略構成を示す等価回路図である。 本発明の第3実施形態による半導体発光装置の転送ダイオード部を構成する半導体素子を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による画像形成装置の構成例を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による画像形成装置の露光ヘッドの構成例を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による画像形成装置の面発光素子アレイチップ群を示す概略図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体発光装置の概略構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体発光装置の概略構成を示す等価回路図である。
本実施形態による半導体発光装置100は、図1に示すように、複数のシフトサイリスタTと、複数の転送ダイオードDと、複数の発光サイリスタLと、を有する。複数の転送ダイオードDの各々には、寄生サイリスタPが接続されている。
本実施形態による半導体発光装置100は、ダイオード結合を用いた自己走査型の発光装置(SLED:Self-scanning Light Emitting Device)である。自己走査型の発光装置としては発光ダイオード(LED)や面発光レーザ(VCSEL)を用いたものもあるが、サイリスタを利用した発光装置は配線数が少なくてすむメリットがあり、複写機などの露光ヘッドとして好適である。自己走査型の半導体発光装置では、シフトサイリスタTの間を転送ダイオードDで結合することによって、シフトサイリスタTのゲート間に電位勾配を形成し、シフトサイリスタTの閾値電圧差を利用して自己走査機能を実現する。
図1には、このように構成される自己走査型回路のうち、複数のシフトサイリスタTとして、4個のシフトサイリスタTn-1~Tn+2を示している。また、複数の発光サイリスタLとして、16個の発光サイリスタL4n-7~L4n+8を示している。また、複数の転送ダイオードDとして、5個の転送ダイオードDn-2~Dn+2を示している。また、寄生サイリスタPとして、寄生サイリスタPn-2~Pn+2を示している。ただし、シフトサイリスタT、転送ダイオードD、寄生サイリスタP及び発光サイリスタの数は、発光装置の規模等に応じて適宜選択されうる。添え字のnは、2以上の整数である。
転送ダイオードDn-2~Dn+2は、隣り合う転送ダイオードDのアノードとカソードとが接続されるように、直列に接続されている。すなわち、転送ダイオードDn-2のアノードが転送ダイオードDn-1のカソードに接続され、転送ダイオードDn-1のアノードが転送ダイオードDのカソードに接続されている。また、転送ダイオードDのアノードが転送ダイオードDn+1のカソードに接続され、転送ダイオードDn+1のアノードが転送ダイオードDn+2のカソードに接続されている。複数の転送ダイオードDn-2~Dn+2により構成される直列接続体は、スタート信号Φsが供給されるスタート信号ラインを構成する。スタート信号Φsは、当該直列接続体のカソード側の端部から供給される。寄生サイリスタPは、アノードが対応する転送ダイオードDのアノードに接続され、カソードが基準電圧に接続され、ゲートが電気的に開放状態(フローティング状態)とされている。
隣り合う転送ダイオードDの間の接続ノードの各々は、ゲート抵抗Rgを介して、電源電圧VGKが供給されるゲートラインに接続されている。また、隣り合う転送ダイオードDの間の接続ノードの各々には、1つのシフトサイリスタTのゲートと、4つの発光サイリスタLのゲートと、が接続されている。すなわち、転送ダイオードDn-2と転送ダイオードDn-1との間の接続ノード(共通ゲートGn-1)には、シフトサイリスタTn-1のゲートと、発光サイリスタL4n-7~L4n-4のゲートと、が接続されている。転送ダイオードDn-1と転送ダイオードDとの間の接続ノード(共通ゲートG)には、シフトサイリスタTのゲートと、発光サイリスタL4n-3~L4nのゲートと、が接続されている。転送ダイオードDと転送ダイオードDn+1との間の接続ノード(共通ゲートGn+1)には、シフトサイリスタTn+1のゲートと、発光サイリスタL4n+1~L4n+4のゲートと、が接続されている。転送ダイオードDn+1と転送ダイオードDn+2との間の接続ノード(共通ゲートGn+2)には、シフトサイリスタTn+2のゲートと、発光サイリスタL4n+5~L4n+8のゲートと、が接続されている。
奇数番目のシフトサイリスタT(例えば、シフトサイリスタTn-1,Tn+1)のアノードは、入力抵抗R1を介して転送信号Φ1が供給される転送信号ラインに接続されている。偶数番目のシフトサイリスタT(例えば、シフトサイリスタT,Tn+2)のアノードは、入力抵抗R2を介して転送信号Φ2が供給される転送信号ラインに接続されている。
発光サイリスタLのアノードは、抵抗Rwを介して点灯信号ΦWが供給される所定の点灯信号ラインに接続されている。すなわち、発光サイリスタL4n-7,L4n-3,L4n+1,L4n+5のアノードは、抵抗Rw4を介して点灯信号ΦW4が供給される点灯信号ラインに接続されている。発光サイリスタL4n-6,L4n-2,L4n+2,L4n+6のアノードは、抵抗Rw3を介して点灯信号ΦW3が供給される点灯信号ラインに接続されている。発光サイリスタL4n-5,L4n-1,L4n+3,L4n+7のアノードは、抵抗Rw2を介して点灯信号ΦW2が供給される点灯信号ラインに接続されている。発光サイリスタL4n-4,L4n,L4n+4,L4n+8のアノードは、抵抗Rw1を介して点灯信号ΦW1が供給される点灯信号ラインに接続されている。
次に、本実施形態による半導体発光装置100におけるシフトサイリスタTのオン状態の転送動作について、図1及び図2を用いて説明する。ここでは、ゲートラインに供給される電源電圧VGKは5Vであり、転送信号ラインに供給される転送信号Φ1,Φ2は0V及び5Vのいずれかであるものとする。
図2は、本実施形態による半導体発光装置におけるシフトサイリスタのオン状態の転送動作を説明する図である。
図2(a)は、転送信号Φ1が0V、転送信号Φ2が5Vであり、シフトサイリスタTがオン状態のときの共通ゲートGn-1~Gn+4の電位の分布を示している。なお、共通ゲートGn+3,Gn+4は、共通ゲートGn+2の後に続く図1には不図示の共通ゲートである。
シフトサイリスタTがオン状態のとき、シフトサイリスタTのゲート及び発光サイリスタL4n-3~L4nのゲートに接続されている共通ゲートGの電位は、約0.2Vまで低下する。共通ゲートGと共通ゲートGn+1との間には、共通ゲートGと共通ゲートGn+1とを接続する転送ダイオードDの拡散電位にほぼ等しい電位差が発生する。本実施形態において転送ダイオードDの拡散電位は約1.5Vであり、共通ゲートGn+1の電位は、共通ゲートGの電位である0.2Vに転送ダイオードDの拡散電位である1.5Vを加えた1.7Vとなる。同様に、共通ゲートGn+2の電位は3.2Vとなり、共通ゲートGn+3(図示せず)の電位は4.7Vとなる。
ここで、共通ゲートGの上限電圧は電源電圧VGKであるため、共通ゲートGn+4以降の電位は電源電圧VGKの値である5Vとなる。また、共通ゲートGと共通ゲートGn-1との間の転送ダイオードDは逆バイアスになっているため、共通ゲートGn-1には電源電圧VGKがそのまま供給される。共通ゲートGn-1よりも前の共通ゲートGについても同様である。すなわち、共通ゲートGより前の共通ゲートGn-1等の電位は、電源電圧VGKの値である5Vとなる。こうして、共通ゲートG~Gn+3には、図2(a)に示すような電位勾配が形成される。
シフトサイリスタTがオンするために必要な電圧(閾値電圧)は、ゲート電位に拡散電位を加えた電圧とほぼ同じである。シフトサイリスタTがオンのとき、転送信号Φ2が供給される転送信号ラインに接続されている他のシフトサイリスタTの中で最もゲート電位が低いのはシフトサイリスタTn+2である。シフトサイリスタTn+2に対応する共通ゲートGn+2の電位は前述のように3.2Vであり、シフトサイリスタTn+2の閾値電圧は4.7Vとなる。
しかしながら、シフトサイリスタTがオン状態であることにより、転送信号Φ2が供給される転送信号ラインの電位は、拡散電位に相当する電圧(約1.5V)に低下している。そのため、転送信号Φ2が供給される転送信号ラインの電位はシフトサイリスタTn+2の閾値電圧よりも低くなっており、シフトサイリスタTn+2はオンすることができない。同じ転送信号ラインに接続されている他の総てのシフトサイリスタTは、シフトサイリスタTn+2よりも閾値電圧が高いため、シフトサイリスタTn+2と同様にオンすることができない。その結果、シフトサイリスタTのみがオン状態を保つことができる。
図2(b)は、図2(a)の状態から、転送信号Φ1を5Vに遷移したときの共通ゲートGn-1~Gn+4の電位の分布を示している。
転送信号Φ1が供給される転送信号ラインに接続されているシフトサイリスタTに着目すると、最も閾値電圧が低い状態のシフトサイリスタTn+1の閾値電圧は3.2Vである。次に閾値電圧が低い状態のシフトサイリスタTn+3の閾値電圧は6.2Vである。したがって、この状態で転送信号Φ1を0Vから5Vに遷移することで、転送信号Φ1が供給される転送信号ラインに接続されているシフトサイリスタTのうち、シフトサイリスタTn+1だけをオン状態にすることができる。この状態では、シフトサイリスタTとシフトサイリスタTn+1とがオンした状態であり、シフトサイリスタTn+1よりも右側のシフトサイリスタTのゲート電位は各々拡散電位の分だけ低下していく。ただし、電源電圧VGKは5Vであり、ゲート電位は電源電圧VGKで制限される。したがって、シフトサイリスタTn+5よりも右側のシフトサイリスタTにおいては、ゲート電位は5Vとなる。
図2(c)は、図2(b)の状態から、転送信号Φ2を0Vに遷移したときの共通ゲートGn-1~Gn+4の電位の分布を示している。
転送信号Φ2を5Vから0Vに遷移すると、シフトサイリスタTがオフとなる。これにより、共通ゲートGの電位は、電源電圧VGKまで上昇する。
このようにして、シフトサイリスタTからシフトサイリスタTn+1へのオン状態の転送が完了する。
なお、転送ダイオードDのアノードには寄生サイリスタPが接続されているが、寄生サイリスタPのゲートは開放状態となっている。そのため、寄生サイリスタPがオンするためには例えば20V程度以上の高電圧が必要である。典型的には、電源電圧VGK、転送信号Φ1,Φ2の電圧は5V程度以下であるため寄生サイリスタPがオンすることはなく、シフトサイリスタTのオン状態の転送動作に寄生サイリスタPが影響することはない。
次に、本実施形態による半導体発光装置における発光サイリスタLの発光動作について、図1乃至図3を用いて説明する。ここでは、ゲートラインに供給される電源電圧VGKは5Vであり、転送信号ラインに供給される転送信号Φ1,Φ2及び点灯信号ラインに供給される点灯信号ΦW1,ΦW2,ΦW3,ΦW4の電圧は0V及び5Vのいずれかであるものとする。
シフトサイリスタTがオン状態のとき、共通ゲートGの電位は、前述の通り約0.2Vである。したがって、共通ゲートGに接続されている発光サイリスタL4n-3~L4nの閾値電圧は、1.7Vである。つまり、電圧が1.7V以上の点灯信号ΦW1~ΦW4が供給されれば、発光サイリスタL4n-3~L4nを点灯可能である。ここで、点灯信号ΦW1,ΦW2,ΦW3,ΦW4は、それぞれ、発光サイリスタL4n-3,L4n-2,L4n-1,L4nに対応している。したがって、点灯信号ΦW1,ΦW2,ΦW3,ΦW4の組み合わせに応じた任意の組み合わせで発光サイリスタL4n-3,L4n-2,L4n-1,L4nを点灯することができる。
共通ゲートGの電位が0.2Vのとき、隣の共通ゲートGn+1の電位は1.7Vであり、共通ゲートGn+1に接続されている発光サイリスタL4n+1~L4n+4の閾値電圧は3.2Vである。点灯信号ΦW1~ΦW4は5Vであるため、発光サイリスタL4n-3~L4nの点灯駆動と同時に発光サイリスタL4n+1~L4n+4が点灯するようにも思われる。
しかしながら、発光サイリスタL4n-3~L4nの閾値電圧は発光サイリスタL4n+1~L4n+4の閾値電圧よりも低いため、発光サイリスタL4n-3~L4nの方が発光サイリスタL4n+1~L4n+4よりも先にオンになる。一旦、発光サイリスタL4n+1~L4n+4がオンになると、オンになった発光サイリスタL4n+1~L4n+4に接続されている点灯信号ラインの電位が拡散電位に相当する1.5Vまで低下する。その結果、当該点灯信号ラインの電位が発光サイリスタL4n+1~L4n+4の閾値電圧よりも低くなり、発光サイリスタL4n+1~L4n+4がオンになることはない。
図3は、本実施形態による半導体発光装置の駆動方法の一例を示すタイミング図である。図3には、電源電圧VGK、スタート信号Φs、転送信号Φ1,Φ2、点灯信号ΦW1,ΦW2,ΦW3,ΦW4を示している。転送信号Φ1は奇数番目のシフトサイリスタT用のクロック信号であり、転送信号Φ2は偶数番目のシフトサイリスタT用のクロック信号である。
まず、スタート信号Φsを5Vから0Vに遷移する。これにより、スタート信号Φsの入力側に最も近いシフトサイリスタTのゲートに接続される共通ゲートG(例えば、共通ゲートGn-1)の電位が5Vから1.7Vに低下し、シフトサイリスタTn-1の閾値電圧が3.2Vになる。これにより、シフトサイリスタTn-1は、転送信号Φ1によってオンにできる状態となる。
次いで、転送信号Φ1を0Vから5Vに遷移し、シフトサイリスタTn-1をオンにする。また、シフトサイリスタTn-1をオンにしてから少し遅れてスタート信号Φsを0Vから5Vに遷移する。スタート信号Φsは、次の点灯動作の開始のタイミングまで5Vのまま保持する。
転送信号Φ1は、奇数番目のシフトサイリスタT用のクロック信号であり、周期Tcで0Vから5Vに立ち上がる周期パルスである。転送信号Φ2は、偶数番目のシフトサイリスタT用のクロック信号であり、転送信号Φ1と同じ周期Tcで0Vから5Vに立ち上がる周期パルスである。転送信号Φ1と転送信号Φ2とは、概ね逆位相の信号であるが、パルスの前後に互いのオン状態(5Vの期間)が重なる期間Tovを有するように構成されている。
点灯信号ΦW1,ΦW2,ΦW3,ΦW4は、転送信号Φ1,Φ2の半分の周期(Tc/2)で送信される。シフトサイリスタTがオン状態のときに5Vの点灯信号ΦWが印加されると、5Vになった点灯信号ΦWに対応する発光サイリスタLが点灯する。
例えば、時刻aでは、同一のシフトサイリスタT(例えば、シフトサイリスタTn-1)に接続されている4つの発光サイリスタLのうち、点灯信号ΦW1,ΦW2,ΦW3,ΦW4に対応する4つの発光サイリスタLが同時に点灯する。また、時刻bでは、同一のシフトサイリスタT(例えば、シフトサイリスタT)に接続されている4つの発光サイリスタLのうち、点灯信号ΦW1,ΦW3,ΦW4に対応する3つの発光サイリスタLが同時に点灯する。また、時刻cでは、点灯信号ΦW1,ΦW2,ΦW3,ΦW4はいずれも0Vであり、総ての発光サイリスタLが消灯状態である。また、時刻dでは、同一のシフトサイリスタT(例えば、シフトサイリスタTn+2)に接続されている4つの発光サイリスタLのうち、点灯信号ΦW1,ΦW4に対応する2つの発光サイリスタLが同時に点灯する。また、時刻eでは、同一のシフトサイリスタT(例えば、図示しないシフトサイリスタTn+3)に接続されている4つの発光サイリスタLのうち、点灯信号ΦW2に対応する発光サイリスタLのみが点灯する。
次に、本実施形態による半導体発光装置100の具体的な構造について、図4乃至図6を用いて説明する。
図4は、本実施形態による半導体発光装置の転送ダイオード部を構成する半導体素子を示す概略図である。図4(a)が平面図であり、図4(b)が図4(a)のA-A′線断面図であり、図4(c)が転送ダイオード部の等価回路図である。なお、本実施形態において転送ダイオード部とは、半導体基板上に本実施形態の半導体発光装置を形成したときに転送ダイオードDが配される部分を意味する。転送ダイオード部には、図1に示す回路要素のうち、転送ダイオードDと、寄生サイリスタPと、が含まれる。
転送ダイオード部は、半導体基板10に設けられる。半導体基板10の上には、第1導電型(例えばn型)の半導体層12と、第1導電型と異なる第2導電型(例えばp型)の半導体層14と、第1導電型の半導体層16と、第2導電型の半導体層18と、第1導電型の半導体層20と、がこの順番で積層されている。半導体層12,14,16,18,20の各々は、複数の半導体層によって構成されていてもよい。転送ダイオード部は、これら半導体層の積層体によって構成される。
半導体層18の上の半導体層20は一部が除去されている。露出した半導体層18の上には電極34が設けられている。半導体基板10の半導体層12が設けられた面とは反対側の面には電極30が設けられている。この場合、半導体基板10は、第1導電型を有することが望ましい。また、半導体層12を省略し、第1導電型の半導体基板10を半導体層12の代わりに使用してもよい。半導体層20の上には電極32が設けられている。
こうして、半導体層18,20のpn接合により、転送ダイオードDが構成されている。また、半導体層18,16,14,12のpnpn接合により、寄生サイリスタPが構成されている。電極34,32が、転送ダイオードDのアノード電極とカソード電極とを構成する。また、電極34,30が、寄生サイリスタPのアノード電極とカソード電極とを構成する。例えば、第2導電型がp型の場合、電極34が転送ダイオードD及び寄生サイリスタPのアノード電極となる。電極30は、基準電圧(例えば0V)が供給される電極でもある。寄生サイリスタPのゲート(半導体層16又は半導体層14)は、電極等の電気的な接続部を持たない状態(開放状態或いはフローティング状態)である。
このようにして構成される転送ダイオード部の等価回路図は、図4(c)に示すようになる。
図5は、本実施形態による半導体発光装置における転送ダイオード部の具体的な構成例を示す概略断面図である。図5は、図4(a)のA-A′線断面図に対応している。図4に示した構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付し、この符号にA,B,Cの添え字を付記することで区別している。
n型のGaAs基板10Aの上には、n型のAlGaAs層12Aと、p型のAlGaAs層14Aと、n型のAlGaAs層16Aと、p型のAlGaAs層18Aと、が設けられている。AlGaAs層18Aの上には、p型のAlGaAs層18Bと、p型のAlGaAs層18Cと、n型のAlGaAs層20Aと、が設けられている。転送ダイオード部は、これら半導体層の積層体によって構成される。
AlGaAs層18Bの上のAlGaAs層18C,20Aは一部が除去されている。露出したAlGaAs層18Bの上には、転送ダイオードDのアノード電極を構成する電極34が設けられている。GaAs基板10AのAlGaAs層12Aが設けられた面とは反対側の面には、電極30が設けられている。AlGaAs層20Aの上には、転送ダイオードDのカソード電極を構成する電極32が設けられている。
こうして、p型のAlGaAs層18Cとn型のAlGaAs層20Aとの間のpn接合により、転送ダイオードDが構成されている。また、p型のAlGaAs層18Aと、n型のAlGaAs層16Aと、p型のAlGaAs層14Aと、n型のAlGaAs層12Aとのpnpn接合により、寄生サイリスタPが構成されている。p型のAlGaAs層18Bは、p型のAlGaAs層18Aと電極34との間のコンタクト層である。
ここで、寄生サイリスタPは、1つの半導体基板10の上に転送ダイオードD、発光サイリスタL及びシフトサイリスタTを集積することに伴って形成されたものである。
図6は、本実施形態による半導体発光装置における発光サイリスタ部及びシフトサイリスタ部を構成する半導体素子の例を示す概略図である。図6(a)が発光サイリスタ部の構成例を示す概略断面図であり、図6(b)がシフトサイリスタ部の構成例を示す概略断面図である。なお、本実施形態においてシフトサイリスタ部とは、半導体基板上に本実施形態の半導体発光装置を形成したときに発光サイリスタLが配される部分を意味する。また、本実施形態においてシフトサイリスタ部とは、半導体基板上に本実施形態の半導体発光装置を形成したときにシフトサイリスタTが配される部分を意味する。
発光サイリスタ部は、GaAs基板10Aの上に設けられたAlGaAs層12A,14A,16A,18A,18B,18C,20Aのうち、AlGaAs層12A,14A,16A,18A,18Bを含む積層体により構成される。発光サイリスタ部のAlGaAs層18C,20Aは、成膜後に除去する、或いは、成膜時に堆積しないようにする。
AlGaAs層18Aの上のAlGaAs層18Bは一部が除去されている。露出したAlGaAs層18Aの上には、絶縁層36が設けられている。AlGaAs層18Bの上には、透明電極38が設けられている。透明電極38は絶縁層36の上に延在しており、絶縁層36が設けられた領域の透明電極38の上には、発光サイリスタLのアノード電極を構成する電極40が設けられている。GaAs基板10AのAlGaAs層12Aが設けられた面とは反対側の面には、電極30が設けられている。
こうして、発光サイリスタ部に設けられたp型のAlGaAs層18Aと、n型のAlGaAs層16Aと、p型のAlGaAs層14Aと、n型のAlGaAs層12Aとのpnpn接合により、発光サイリスタLが構成されている。
発光サイリスタLの発光用電流は、電極40から供給され、透明電極38、AlGaAs層18B、AlGaAs層18A、AlGaAs層16A、AlGaAs層14A、AlGaAs層12A、GaAs基板10Aを介して電極30へと流れる。この発光用電流によって発光部であるAlGaAs層16Aで生じた光が、AlGaAs層18A、AlGaAs層18B及び透明電極38を透過して外部へと出射される。
シフトサイリスタ部は、GaAs基板10Aの上に設けられたAlGaAs層12A,14A,16A,18A,18B,18C,20Aのうち、AlGaAs層12A,14A,16A,18A,18Bを含む積層体により構成される。シフトサイリスタ部のAlGaAs層18C,20Aは、成膜後に除去する、或いは、成膜時に堆積しないようにする。
AlGaAs層16Aの上のAlGaAs層18A,18Bは一部が除去されている。露出したAlGaAs層16Aの上には、シフトサイリスタTのゲート電極を構成する電極44が設けられている。AlGaAs層18Bの上には、シフトサイリスタTのアノード電極を構成する電極42が設けられている。GaAs基板10AのAlGaAs層12Aが設けられた面とは反対側の面には、電極30が設けられている。
こうして、シフトサイリスタ部に設けられたp型のAlGaAs層18Aと、n型のAlGaAs層16Aと、p型のAlGaAs層14Aと、n型のAlGaAs層12Aとのpnpn接合により、シフトサイリスタTが構成されている。
シフトサイリスタTの構造は発光サイリスタLの構造と同じであり、サイリスタとしての動作時には発光する。この発光は、半導体発光装置を例えば複写機の露光ヘッドとして用いる場合、画像悪化の原因となる。したがって、シフトサイリスタ部は、必要に応じて遮光部材(例えば金属膜など)で被覆することが望ましい。
なお、図6(a)では記載を省略しているが、発光サイリスタLもシフトサイリスタTと同様、ゲートを構成する電極を有している。
AlGaAs層12A,14A,16A,18Aの各々の組成、厚さ、不純物濃度は、発光サイリスタL及びシフトサイリスタTにおいて所望のサイリスタ特性が得られるように適宜設定される。AlGaAs層18C,20Aは、転送ダイオードDとして所望のダイオード特性が得られるように適宜設定される。
例えば、AlGaAs層12Aは、厚さ600nm、Al組成25%、ドナー不純物濃度が2×1018cm-3のn型AlGaAs層により構成されうる。AlGaAs層14Aは、厚さ700nm、Al組成25%、アクセプタ不純物濃度が2×1018cm-3のp型AlGaAs層により構成されうる。AlGaAs層16Aは、厚さ350nm、Al組成15%、ドナー不純物濃度が2×1017cm-3のn型AlGaAs層により構成されうる。AlGaAs層18Aは、厚さ320nm、Al組成30%、アクセプタ不純物濃度が2×1017cm-3のp型AlGaAs層により構成されうる。
AlGaAs層18Aは不純物濃度が低く金属電極とオーミックコンタクトを形成するのが困難なため、コンタクト層としてAlGaAs層18Bが設けられる。AlGaAs層18Bは、厚さ200nm、Al組成30%、アクセプタ不純物濃度が7×1019cm-3のp型AlGaAs層により構成されうる。
また、AlGaAs層18Cは、厚さ200nm、Al組成30%、アクセプタ不純物濃度が3×1018cm-3のp型AlGaAs層により構成されうる。AlGaAs層20Aは、厚さ400nm、Al組成30%、ドナー不純物濃度が3×1018cm-3のn型AlGaAs層により構成されうる。
なお、転送ダイオードDの機能として重要な点は、AlGaAs層18CとAlGaAs層20Aとの界面のpn接合である。電極32を構成する金属材料が熱処理などにより拡散してpn接合界面に到達すると、ダイオード機能が阻害されてしまい好ましくない。本発明者等の検討によれば、金属材料は400nm程度の深さまで拡散することが確認された。そのため、AlGaAs層20Aの厚さは、pn接合界面への金属材料の拡散を防止する観点から、400nm以上が好ましい。
本実施形態の半導体発光装置においては、転送ダイオードDに寄生サイリスタPが接続されている。転送ダイオードDの部分に寄生サイリスタPを構成する半導体層を残存しているのは、製造工程を簡略化し、ひいては製造コストを低減するためである。
このように構成する場合、転送ダイオードDは、シフトサイリスタT及び発光サイリスタLを構成する半導体層のうちの2層を用いて構成することも可能である。例えば、AlGaAs層16Aをカソード、AlGaAs層18Aをアノードとし、これらのpn接合によって転送ダイオードDを構成することもできる。この場合の転送部の等価回路は、例えば図7に示すようになる。
しかしながら、図7に示す回路では、サイリスタ構造の一部を転送ダイオードDとして使用しているため、転送ダイオードDに印加される電圧条件によっては寄生サイリスタPがオンしてしまい、所望のゲート電位勾配が得られないことがある。
図8は、転送ダイオードDn+2,Dn+4に接続された寄生サイリスタPn+2,Pn+4がオンになることによって所望のゲート電位勾配が得られない場合の一例を示している。図8は、図2(a)と同様、シフトサイリスタTがオンの状態を示している。しかしながら、寄生サイリスタPn+2,Pn+4がオンになることで、共通ゲートGn+2,Gn+4の電位が本来あるべき電位V3、電源電圧VGKではなく、いずれも電位V1に低下してしまっている。
図8に示している範囲では、共通ゲートG,Gn+2,Gn+4がそれぞれ電位V1になっているため、転送信号Φ2を印加したときにどのシフトサイリスタTがオンするのか、不定な状態となる。したがって、正常な転送ができず、転送戻りや転送とびなどの不具合が生じる虞がある。
この点、本実施形態においては、転送ダイオードDを、シフトサイリスタT及び発光サイリスタLを構成する半導体層(AlGaAs層12A,14A,16A,18A)とは別の半導体層(AlGaAs層18C,20A)を用いて構成している。そして、寄生サイリスタPのゲートを開放状態とし、寄生サイリスタPがオンになるのを抑制している。
ゲートが開放状態の寄生サイリスタPは、アノードとゲートとの間には電流が流れないため、基本的にはオン状態にはならない。ただし、サイリスタの特性として、ゲートが開放状態であってもアノードに一定以上の電圧が加わればオン状態になりうる。ゲートが開放状態のときにサイリスタがオン状態になるアノード電圧を、サイリスタのオン電圧VBOと称する。オン電圧VBOが低ければ、アノード電圧次第で寄生サイリスタPはオン状態になってしまう。
しかしながら、本実施形態の上記構成において転送ダイオードDに接続される寄生サイリスタPのオン電圧VBOを調べたところ、寄生サイリスタPのオン電圧VBOは20V以上であった。典型的には、電源電圧VGK、転送信号Φ1,Φ2等の駆動電圧は5V程度以下であるため、寄生サイリスタPがオンすることはない。
したがって、本実施形態によれば、転送ダイオードDに接続された寄生サイリスタPがオンになるのを抑制し、シフトサイリスタTのオン状態の転送動作を安定して行うことができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体発光装置について、図9及び図10を用いて説明する。第1実施形態による半導体発光装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図9は、本実施形態による半導体発光装置の概略構成を示す等価回路図である。図10は、本実施形態による半導体発光装置の転送ダイオードの構造を示す概略図である。
本実施形態による半導体発光装置100は、転送ダイオードDに接続された寄生サイリスタPのゲートに固定電圧が供給されているほかは、第1実施形態による半導体発光装置と同様である。すなわち、第1実施形態による半導体発光装置では寄生サイリスタPのゲートは開放状態であったが、本実施形態による半導体発光装置100では、図9に示すように、寄生サイリスタPのゲートが電源電圧VGKに接続されている。
第1実施形態においては、寄生サイリスタPのゲートを開放状態にすることで、オン電圧VBOを高め、寄生サイリスタPが動作するのを抑制していた。しかしながら、寄生サイリスタPのゲートは開放状態、すなわちフローティング状態であるため、静電誘導などによってその電位が変化し、寄生サイリスタPが低い電圧でターンオンする虞がある。
本実施形態のように寄生サイリスタPのゲートを電源電圧VGKに接続してその電位を固定することにより、外乱などによって寄生サイリスタPが低い電圧でターンオンするのを防止することができ、オン状態の転送動作を更に安定して行うことができる。なお、本実施形態による半導体発光装置の動作は、第1実施形態による半導体発光装置の動作と同様である。
図10は、本実施形態による半導体発光装置の転送ダイオード部を構成する半導体素子の一例を示す概略図である。図10(a)が平面図であり、図10(b)が図10(a)のA-A′線断面図であり、図10(c)が転送ダイオードDの等価回路図である。
n型のGaAs基板10Aの上には、n型のAlGaAs層12Aと、p型のAlGaAs層14Aと、n型のAlGaAs層16Aと、が設けられている。AlGaAs層16Aの上には、p型のAlGaAs層18Aと、p型のAlGaAs層18Bと、が設けられている。AlGaAs層18Bの上には、p型のAlGaAs層18Cと、n型のAlGaAs層20Aと、が設けられている。本実施形態の転送ダイオードDにおける半導体層の積層構造は、第1実施形態の転送ダイオードDと同様である。
GaAs基板10AのAlGaAs層12Aが設けられた面とは反対側の面には、電極30が設けられている。AlGaAs層20Aの上には、転送ダイオードDのカソード電極を構成する電極32が設けられている。AlGaAs層16Aの上のAlGaAs層18A,18B,18C,20Aの一部は除去されており、露出したAlGaAs層16Aの上には、寄生サイリスタPのゲートを構成する電極46が設けられている。また、AlGaAs層18Bの上のAlGaAs層18C,20Aの一部は除去されており、露出したAlGaAs層18Bの上には、転送ダイオードDのアノード電極を構成する電極34が設けられている。
p型のAlGaAs層18Cとn型のAlGaAs層20Aとの間のpn接合により、転送ダイオードDが構成されている。また、p型のAlGaAs層18Aと、n型のAlGaAs層16Aと、p型のAlGaAs層14Aと、n型のAlGaAs層12Aとのpnpn接合により、寄生サイリスタPが構成されている。p型のAlGaAs層18Bは、p型のAlGaAs層18Aと電極34との間のコンタクト層である。
本実施形態による半導体発光装置のシフトサイリスタT及び発光サイリスタLには、第1実施形態による半導体発光装置と同様の構成を適用可能である。
このように、本実施形態によれば、転送ダイオードDに接続された寄生サイリスタPがオンになるのを抑制し、シフトサイリスタTのオン状態の転送動作を安定して行うことができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による半導体発光装置について、図11及び図12を用いて説明する。第1及び第2実施形態による半導体発光装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図11は、本実施形態による半導体発光装置の概略構成を示す等価回路図である。図12は、本実施形態による半導体発光装置の転送ダイオードの構造を示す概略図である。
本実施形態による半導体発光装置100は、転送ダイオードDに接続された寄生サイリスタPのゲートとアノードとが接続されているほかは、第1実施形態による半導体発光装置と同様である。すなわち、第1実施形態による半導体発光装置では寄生サイリスタPのゲートは開放状態であったが、本実施形態による半導体発光装置100では、図11に示すように、寄生サイリスタPのゲートが寄生サイリスタPのアノードに接続されている。
第1実施形態においては、寄生サイリスタPのゲートを開放状態にすることで、オン電圧VBOを高め、寄生サイリスタPが動作するのを抑制していた。しかしながら、寄生サイリスタPのゲートは開放状態、すなわちフローティング状態であるため、静電誘導などによってその電位が変化し、寄生サイリスタPが低い電圧でターンオンする虞がある。
本実施形態のように寄生サイリスタPのアノードとゲートとを短絡することにより、寄生サイリスタPのアノードに外乱が加わってもゲートはアノードと同電位に保たれるため、外乱などによって寄生サイリスタPがターンオンするのを防止することができる。これにより、オン状態の転送動作を更に安定して行うことができる。なお、本実施形態による半導体発光装置の動作は、第1実施形態による半導体発光装置の動作と同様である。
図12は、本実施形態による半導体発光装置の転送ダイオード部を構成する半導体素子の一例を示す概略図である。図12(a)が平面図であり、図12(b)が図12(a)のA-A′線断面図であり、図12(c)が転送ダイオードDの等価回路図である。
n型のGaAs基板10Aの上には、n型のAlGaAs層12Aと、p型のAlGaAs層14Aと、n型のAlGaAs層16Aと、が設けられている。AlGaAs層16Aの上には、p型のAlGaAs層18Aと、p型のAlGaAs層18Bと、が設けられている。AlGaAs層18Bの上には、p型のAlGaAs層18Cと、n型のAlGaAs層20Aと、が設けられている。本実施形態の転送ダイオードDにおける半導体層の積層構造は、第1実施形態の転送ダイオードDと同様である。
GaAs基板10AのAlGaAs層12Aが設けられた面とは反対側の面には、電極30が設けられている。AlGaAs層20Aの上には、転送ダイオードDのカソード電極を構成する電極32が設けられている。AlGaAs層16Aの上のAlGaAs層18A,18B,18C,20Aの一部は除去されており、露出したAlGaAs層16Aの上には、寄生サイリスタPのゲートを構成する電極46が設けられている。また、AlGaAs層18Bの上のAlGaAs層18C,20Aの一部は除去されており、露出したAlGaAs層18Bの上には、転送ダイオードDのアノード電極を構成する電極34が設けられている。また、電極34と電極46との間には、これらを電気的に接続する配線48が設けられている。
p型のAlGaAs層18Cとn型のAlGaAs層20Aとの間のpn接合により、転送ダイオードDが構成されている。また、p型のAlGaAs層18Aと、n型のAlGaAs層16Aと、p型のAlGaAs層14Aと、n型のAlGaAs層12Aとのpnpn接合により、寄生サイリスタPが構成されている。p型のAlGaAs層18Bは、p型のAlGaAs層18Aと電極34との間のコンタクト層である。
本実施形態による半導体発光装置のシフトサイリスタT及び発光サイリスタLには、第1実施形態による半導体発光装置と同様の構成を適用可能である。
このように、本実施形態によれば、転送ダイオードDに接続された寄生サイリスタPがオンになるのを抑制し、シフトサイリスタTのオン状態の転送動作を安定して行うことができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による画像形成装置について、図13乃至図15を用いて説明する。第1乃至第3実施形態による半導体発光装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図13は、本実施形態による画像形成装置の構成例を示す概略図である。図14は、本実施形態による画像形成装置の露光ヘッドの構成例を示す概略図である。図15は、本実施形態による画像形成装置の面発光素子アレイチップ群を示す概略図である。
第1乃至第3実施形態として説明した半導体発光装置100は、種々の電子機器、例えば、イメージスキャナ、複写機、ファックスなどの画像形成装置に適用可能である。本実施形態では、第1乃至第3実施形態の半導体発光装置100を用いた電子機器の一例として、電子写真方式の画像形成装置について説明する。
本実施形態による画像形成装置200は、図13に示すように、スキャナ部210と、作像部220と、定着部240と、給紙/搬送部250と、これらを制御する不図示の画像形成制御部と、を有する。
スキャナ部210は、原稿台に置かれた原稿に対して照明を当てて原稿の画像を光学的に読み取り、その画像を電気信号に変換して画像データを作成する。
作像部220は、電子写真プロセスを用いて現像を行う現像ユニットを複数有する。各現像ユニットは、感光体ドラム222と、露光ヘッド224と、帯電器226と、現像器228と、を有する。現像ユニットは、トナー像の現像に用いる構成を収めたプロセスカートリッジであってもよい。この場合、プロセスカートリッジは、画像形成装置の本体に対して着脱可能であることが好ましい。
感光体ドラム222は、静電潜像が形成される像担持体である。感光体ドラム222は、回転駆動され、帯電器226によって帯電する。
露光ヘッド224は、前記画像データに応じた光を感光体ドラム222に照射し、感光体ドラム222に静電潜像を形成する。
現像器228は、感光体ドラム222に形成された静電潜像に対してトナー(現像剤)を供給して現像する。トナーは、収納部に収納されている。トナーを収納する収納部は、現像ユニットに含まれていることが好ましい。現像されたトナー像(現像剤像)は、転写ベルト230上に搬送された紙などの記録媒体上に転写される。
本実施形態の画像形成装置は、一連の電子写真プロセスを用いて現像を行う現像ユニット(現像ステーション)を4つ有し、各現像ユニットからトナー像を転写することにより、所望の画像を形成する。4つの現像ユニットは、それぞれ異なる色のトナーを有している。具体的には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に並べられた4つの現像ユニットは、シアンでの作像動作の開始から所定時間経過後に、マゼンタ、イエロー、ブラックでの作像動作を順次実行していく。
給紙/搬送部250は、本体内給紙ユニット252a,252b、外部給紙ユニット252c及び手差し給紙ユニット252dのうち、予め指示された給紙ユニットから紙を給紙する。給紙された紙はレジローラ254まで搬送される。
レジローラ254は、前述した作像部220において形成されたトナー像が紙上に転写されるように、転写ベルト230上に紙を搬送する。
光学センサ232が、転写ベルト230のトナー像が転写される面と対向するように配置されており、各現像ユニット間の色ズレ量を導出するため、転写ベルト230上に印字されたテストチャートの位置検出を行う。ここで導出された色ズレ量は、不図示の画像コントローラ部に送られ、各色の画像位置の補正に用いられる。この制御によって、紙上に、色ずれのないフルカラートナー像を転写することができる。
定着部240は、複数のローラと、ハロゲンヒータ等の熱源とを内蔵し、前記転写ベルト230上からトナー像が転写された紙上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着し、排紙ローラ242にて画像形成装置200の外部に排紙する。
不図示の画像形成制御部は、画像形成装置を含む複合機(MFP)全体を制御するMFP制御部と接続されておりして、MFP制御部からの指示に応じて制御を実行する。また、画像形成制御部は、上述のスキャナ部210、作像部220、定着部240及び給紙/搬送部250の状態を管理しながら、全体が調和を保って円滑に動作できるよう指示を行う。
本実施形態による画像形成装置の露光ヘッド224について、図14を用いて説明する。図14(a)は、感光体ドラム222に対する露光ヘッド224の配置を示している。図14(b)は、露光ヘッド224からの光が感光体ドラム222の表面に結像されている様子を示している。
露光ヘッド224は、図14(a)に示すように、感光体ドラム222と対向するように配置されている。露光ヘッド224及び感光体ドラム222の各々は、不図示の取り付け部材によって画像形成装置200に取り付けられて使用される。
露光ヘッド224は、図14(b)に示すように、面発光素子アレイチップ群264と、面発光素子アレイチップ群264を実装するプリント基板262と、ロッドレンズアレイ266と、を有する。また、露光ヘッド224は、ロッドレンズアレイ266とプリント基板262とを支持するハウジング(支持部材)260を有する。
ロッドレンズアレイ266は、面発光素子アレイチップ群264からの光を集光する光学系である。露光ヘッド224は、面発光素子アレイチップ群264のチップ面から発生させた光を、ロッドレンズアレイ266によって感光体ドラム222に集光し、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム222に形成する。
露光ヘッド224は、工場内にて単体で組み立て調整作業が行われ、画像形成装置に取り付けた場合に光の集光位置が適切な位置になるように、各スポットのピント調整、光量調整が行われることが好ましい。ここで、感光体ドラム222とロッドレンズアレイ266との間の距離、及びロッドレンズアレイ266と面発光素子アレイチップ群264との間の距離は、所定の間隔となるように配置される。これにより、露光ヘッド224からの光が感光体ドラム222上に結像される。このため、ピント調整時においては、ロッドレンズアレイ266と面発光素子アレイチップ群264との距離が所望の値となるように、ロッドレンズアレイ266の取り付け位置の調整が行われる。また、光量調整時においては、各発光点を順次発光させていき、ロッドレンズアレイ266を介して集光させた光が、所定光量になるように各発光点の駆動電流が調整される。
本実施形態の露光ヘッド224は、感光体ドラム222に露光を行い、感光体ドラム222に静電潜像を形成する際に好適に用いることができる。しかしながら露光ヘッド224の用途は特に限定はされず、露光ヘッド224を例えばラインスキャナの光源として用いることもできる。
本実施形態による画像形成装置の面発光素子アレイチップ群264について、図15を用いて説明する。図15は、面発光素子アレイチップ群264を配列したプリント基板262を模式的に示す図である。
図15(a)は、面発光素子アレイチップ群264を配列したプリント基板262の、面発光素子アレイチップ群264が実装されている面(以降、「面発光素子アレイ実装面」と称する)を模式的に示している。
図15(a)に示すように、面発光素子アレイチップ群264は、本実施例では、29個の面発光素子アレイチップC1~C29で構成される。面発光素子アレイチップ群264は、プリント基板262の面発光素子アレイ実装面に実装されている。面発光素子アレイチップC1~C29は、プリント基板262お上に千鳥状に2列に配列されている。面発光素子アレイチップC1~C29の各列は、プリント基板262の長手方向に沿って配置される。
面発光素子アレイチップC1~C29の各々は、第1乃至第3実施形態のいずれかに記載の半導体発光装置100によって構成されうる。面発光素子アレイチップC1~C29の各々は、516個の発光点を有しており、それぞれの発光点に対応する516個の発光サイリスタLを有している。面発光素子アレイチップC1~C29のそれぞれにおいて、516個の発光サイリスタLは、チップの長手方向に所定のピッチで一次元的に配列されている。隣接する発光サイリスタL間は、素子分離溝で分離されている。すなわち、面発光素子アレイチップC1~C29は、複数の発光サイリスタLが一次元的に配列された発光サイリスタアレイと呼ぶこともできる。本実施例では、隣接する発光サイリスタ間のピッチは、21.16μmとなっており、これは1200dpiの解像度のピッチに相当する。また、チップ内における516個の発光点の端から端までの間隔は、約10.9mm(≒21.16μm×516)である。
図15(b)は、プリント基板262の、面発光素子アレイ実装面とは反対側の面(以降、「面発光素子アレイ非実装面」と称する)を模式的に示す図である。
図15(b)に示すように、面発光素子アレイ非実装面には、面発光素子アレイチップC1~C15を駆動する駆動部268aと、面発光素子アレイチップC16~C29を駆動する駆動部268bが、コネクタ270の両側に配置されている。コネクタ270には、不図示の画像コントローラ部から駆動部268a,268bを制御する信号線、電源およびグランド線が接続されている。また、コネクタ270には、面発光素子アレイ非実装面上の駆動部268a,268bがそれぞれ配線272a,272bを介して接続されている。駆動部268a,268bからは、面発光素子アレイチップを駆動するための配線がプリント基板262の内層を通り、各々面発光素子アレイチップC1~C15、面発光素子アレイチップC16~C29に接続されている。
図15(c)は、面発光素子アレイチップC28と面発光素子アレイチップC29との間の境界部の様子を示している。
面発光素子アレイチップC28、C29の端部には、それぞれ制御信号を入力するためのワイヤボンディングパッド280,290が配置されている。ワイヤボンディングパッド280,290から入力した信号により、それぞれ面発光素子アレイチップC28、C29の転送部282,292及び発光サイリスタ284,294が駆動する。面発光素子アレイチップ間の境界部においても、発光サイリスタ284,294の長手方向のピッチは、1200dpiの解像度のピッチに相当する21.16μmとなっている。チップの実装精度を考慮し、平面視において、各チップの発光サイリスタがオーバーラップするように配置しても良い。
プリント基板262の上には、1つ当たり516個の発光点を有する面発光素子アレイチップC1~C29が29個配列されているため、面発光素子アレイチップ群264全体では、発光させることができる発光サイリスタLの数は14,964個となる。また、本実施例の面発光素子アレイチップ群264によって露光できる幅は、約316mm(≒10.9mm×29)となる。面発光素子アレイチップ群264を搭載した露光ヘッドを用いれば、この幅に対応した画像を形成することができる。
本実施形態の画像形成装置は、レーザビームをポリゴンモータで偏向走査するレーザ走査方式の画像形成装置と比較して、使用する部品数が少ないため、装置の小型化、低コスト化が容易である。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
また、上記実施形態においては、1個のシフトサイリスタTに対して4個の発光サイリスタLを接続し、同時に4個の発光サイリスタLを点灯可能な構成としたが、同時に点灯可能な発光サイリスタLの数は4個に限定されるものではない。
また、上記実施形態においては、シフトサイリスタT、発光サイリスタL及び寄生サイリスタPについて、nゲートタイプのサイリスタを例にして説明したが、これらをpゲートタイプのサイリスタで構成するようにしてもよい。この場合、シフトサイリスタT、発光サイリスタL、寄生サイリスタP及び転送ダイオードDを構成する各半導体層の導電型を反転するように構成すればよい。
また、上記実施形態では、半導体発光装置を構成するIII-V族化合物半導体として、III族元素として少なくともGaを含み、V族元素として少なくともAsを含む、GaAs系の化合物半導体材料を例示した。しかしながら、半導体発光装置を構成するIII-V族化合物半導体として、III族元素として少なくともInを含み、V族元素として少なくともPを含む、InP系の化合物半導体材料を用いてもよい。また、III-V族化合物半導体のみならず、IV族半導体やII-VI族化合物半導体を用いて半導体発光装置を構成してもよい。また、上記実施形態において説明した半導体層の構成材料の組成、厚さ、不純物濃度などは好適な一例であり、適宜変更することが可能である。
また、転送ダイオード部、シフトサイリスタ部及び発光サイリスタ部を同一の基板上に集積する場合、発光サイリスタLの光出力を増すために、GaAs基板10AとAlGaAs層12Aとの間に分布ブラッグ型反射層(DBR層)を設けてもよい。DBR層は、例えば、高Al組成のAlGaAs層と低Al組成のAlGaAs層とを各層の光学長がλ/4となるように交互に積層することによって構成可能である。高Al組成のAlGaAs層と低Al組成のAlGaAs層との組み合わせとしては、例えば、Al0.8Ga0.2AsとAl0.2Ga0.8Asとの組み合わせや、Al0.9Ga0.1AsとAl0.1Ga0.9Asとの組み合わせを好適に用いることができる。DBR層は、総数が多いほど反射率が高くできるため、20層程度以上の積層体を構成することが好ましい。
また、発光サイリスタLの発光効率を高めるために、発光部となるAlGaAs層16AやAlGaAs層14Aを、多重量子井戸(MQW)構造としてもよい。
また、上記第4実施形態に示した画像形成装置は、本発明の半導体発光装置を適用しうる画像形成装置の例を示したものであり、本発明の半導体発光装置を適用可能な画像形成装置は図13に示した構成に限定されるものではない。また、本発明の半導体発光装置は、画像形成装置のみならず、半導体発光装置を用いる種々の電子機器に適用可能である。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
10…半導体基板
10A…GaAs基板
12,14,16,18,20…半導体層
12A,14A,16A,18A,18B,18C,20A…AlGaAs層
30,32,34,40,42,44,46…電極
36…絶縁層
38…透明電極
48…配線
100…半導体発光装置
200…画像形成装置
224…露光ヘッド

Claims (13)

  1. シフトサイリスタのゲートと発光サイリスタのゲートとが各々に接続された複数のノードと、前記複数のノードの間を接続する複数の転送ダイオードと、を有する半導体発光装置であって、
    半導体基板の上に設けられた第1導電型の第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の上に設けられた前記第1導電型と異なる第2導電型の第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層の上に設けられた前記第1導電型の第3の半導体層と、
    前記第3の半導体層の上に設けられた前記第2導電型の第4の半導体層と、
    前記第4の半導体層の上に設けられた前記第1導電型の第5の半導体層と、を含む積層構造を有し、
    前記複数の転送ダイオードの各々は、前記第4の半導体層と前記第5の半導体層とが形成するpn接合によって構成されたダイオードであり、
    前記半導体基板と前記複数の転送ダイオードの各々との間に、前記第1の半導体層と、前記第2の半導体層と、前記第3の半導体層と、前記第4の半導体層と、からなるpnpn接合が構成されており、
    前記転送ダイオードの動作時に前記pnpn接合において寄生サイリスタがオンになるのを抑制するように前記第3の半導体層の電位が設定されている
    ことを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記第4の半導体層は、前記第3の半導体層の上に設けられた第1の層と、前記第1の層の上に設けられ、前記第1の層よりも不純物濃度の高い第2の層と、を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
  3. 前記転送ダイオードを構成する前記第4の半導体層は、前記第2の層の上に設けられ、前記第2の層よりも不純物濃度の低い第3の層を更に有する
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体発光装置。
  4. 前記第5の半導体層は、前記第4の半導体層の前記第3の層よりも厚い
    ことを特徴とする請求項3記載の半導体発光装置。
  5. 前記転送ダイオードを構成する前記第5の半導体層に接続された第1の電極と、前記転送ダイオードを構成する前記第4の半導体層の前記第2の層に接続された第2の電極と、を更に有する
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  6. 前記半導体基板と転送ダイオードとの間に配された前記第3の半導体層に接続された第3の電極を更に有する
    ことを特徴とする請求項5記載の半導体発光装置。
  7. 前記第2の電極と前記第3の電極とを接続する配線を更に有する
    ことを特徴とする請求項6記載の半導体発光装置。
  8. 前記第3の電極は、電源に接続されている
    ことを特徴とする請求項6又は7記載の半導体発光装置。
  9. 前記半導体基板と転送ダイオードとの間に配された前記第3の半導体層は、電気的にフローティング状態である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  10. 前記シフトサイリスタ及び前記発光サイリスタは、前記第1の半導体層と、前記第2の半導体層と、前記第3の半導体層と、前記第4の半導体層と、からなるpnpn接合によって構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  11. 前記積層構造は、前記転送ダイオードが配された転送ダイオード部と、前記シフトサイリスタが配されたシフトサイリスタ部と、前記発光サイリスタが配された発光サイリスタ部と、を有し、
    前記第5の半導体層は、前記転送ダイオード部に設けられ、前記シフトサイリスタ部及び前記発光サイリスタ部には設けられていない
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の半導体発光装置と、
    前記半導体発光装置からの光を集光する光学系と
    を有することを特徴とする露光ヘッド。
  13. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
    請求項1乃至11のいずれか1項に記載の半導体発光装置を有する露光ヘッドであって、前記帯電手段によって帯電された前記像担持体の表面を露光し、前記像担持体の表面に静電潜像を形成する露光ヘッドと、
    前記露光ヘッドによって形成された前記静電潜像を現像する現像手段と、
    前記現像手段によって現像された画像を記録媒体に転写する転写手段と
    を有する画像形成装置。
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