JP6727040B2 - エレベータ式駐車装置とそのケージ姿勢制御方法 - Google Patents
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Description
特に、高層のエレベータ式駐車装置の場合、エレベータケーブルの重量が入口と反対側のみに作用するため、車両の前後方向で吊ロープの負荷が相違する。
また、パレット内に車両を停車した場合、車両の重心の位置が車種により異なるため4箇所の吊ロープの張力が異なり、ケージに傾きが生じやすい。
そこで、これらの問題を解決するために、特許文献1,2が既に提案されている。
そのため、各昇降機構は、ワイヤロープに作用する張力を保持しながら、ワイヤロープを上下動させる必要があり、昇降機構の負荷が大きく、必要動力(出力)が過大となる。
前記ケージに固定され、少なくとも1対の前記吊ロープの下端を、案内車を介して互いに反対方向に上下動可能に連結する連動機構と、
前記ケージの傾きを検出して前記連動機構を調整し前記ケージの水平を保持する姿勢調整装置と、を備える、エレベータ式駐車装置が提供される。
前記姿勢調整装置は、前記ケージの傾きを検出する姿勢角センサと、
前記連動紐状体を保持しそれを長さ方向に移動させるアクチュエータと、
前記ケージを水平に保持するように前記アクチュエータを制御する水平制御装置と、を備える。
前記連動機構と前記姿勢調整装置は、前記車両支持面の下方に設けられる。
前記連動機構と前記姿勢調整装置は、前記吊天井部の内部又は上方に設けられる。
前記水平制御装置は、検出された前記姿勢角又は前記角速度に基づき、前記アクチュエータを静的又は動的に制御する。
前記ケージに固定され、少なくとも1対の前記吊ロープの下端を、案内車を介して互いに反対方向に上下動可能に連結する連動機構と、
前記ケージの傾きを検出して前記連動機構を調整し前記ケージの水平を保持する姿勢調整装置と、を準備し、
前記ケージの傾きを検出し、前記吊ロープの前記下端を互いに反対方向に上下動させて、前記ケージを水平に保持する、エレベータ式駐車装置のケージ姿勢制御方法が提供される。
従って、吊ロープの張力の差(アンバランス分)に相当する出力で、連動機構を介して吊ロープの下端を互いに反対方向に上下動させることができ、必要動力(出力)を大幅に低減できる。
この図において、1は車両(例えば、乗用車)、2は車両1を載せるパレット、3は昇降路、4は格納棚、5は昇降路3を昇降するケージ、6は本体フレーム、7は本体フレーム6の上部に設置されたトラクション方式(摩擦駆動式)の巻上機である。
図2において、本発明のエレベータ式駐車装置10は、複数(この例では4組)の吊ロープ12、カウンタウェイト14、及びケーブル16(エレベータケーブル)を備える。
この例で、4組の吊ロープ12は、一端12aが車両1を載せるケージ5の四隅で後述する連動紐状体19の両端19a(図3参照)に固定され、ケージ5を吊下げて鉛直上方に延び、昇降路3の上部で上部シーブ8により反転して下方に延びる。吊ロープ12は、好ましくはワイヤロープである。
各組の吊ロープ12は、この図ではそれぞれ1本であるが、2本以上であるのがよい。2本以上で各組の吊ロープ12を構成することにより、上部シーブ8(滑車)の直径を小さくすることができる。
この例で、第2シーブ8bと第3シーブ8cの間に位置する吊ロープ12を摩擦駆動する駆動シーブ9が設置されている。巻上機7は、駆動シーブ9を回転駆動する。
図3、図4において、本発明のエレベータ式駐車装置10は、連動機構18と姿勢調整装置20を備える。
図4における符号aはケージ吊点、符号bは棚柱である。
連動機構18と姿勢調整装置20は、この例において、車両支持面5cの下方に設けられている。
図4の例では、2組の連動機構18が設けられ、ケージ5の長手方向に対向する2対の吊ロープ12の下端を、それぞれ互いに反対方向に上下動可能に連結している。
なお、対となる吊ロープ12は、ケージ5の幅方向に対向してもよく、平面視で斜めに対向してもよい。
1対の吊ロープ12の下端(一端12a)と連動紐状体19の両端19aとは、直接連結しても、その間に緩衝装置(例えば、コイルスプリング)を介在させて連結してもよい。
1対の吊ロープ12の下端を連結する連動紐状体19は、1本であるのが好ましいが、2本以上を平行に設けてもよい。また、連動紐状体19を長さ方向の中間で分割し、その間に緩衝装置(例えば、コイルスプリング)又は把持部23(図4参照)を設けてもよい。
なお、連動紐状体19の両端19aには、吊ロープ12の張力が反対方向に作用するので、ケージ5の昇降中は、連動紐状体19に常に張力が作用し、たるみ(緩み)が生じない状態になっている。
この構成により、吊ロープ12の下端(一端12a)を、車両1の入出庫に支障のない幅方向位置に保持したままで、連動紐状体19の中間部分を車両支持面5cの幅方向内側に導くことができる。
図4において、姿勢調整装置20は、姿勢角センサ22、アクチュエータ24、及び水平制御装置26を備える。
検出する傾き(姿勢角又は角速度)は、水平に対するケージ5の長手方向又は幅方向の傾きであるのがよい。
図4の例において、アクチュエータ24は、連動紐状体19の中間部分に固定された把持部23を連動紐状体19の長さ方向に移動させる。
アクチュエータ24は、連動紐状体19を保持(固定又は制動)するブレーキ又は閉止弁を有することが好ましい。
静的制御により、検出された姿勢角に比例する制御信号をフィードバックして、ケージ5の傾きを静的に調整することができる。静的制御は、動的制御と比較して制御が容易である。
動的制御により、検出された角速度に比例する制御信号をフィードバックして、ケージ5の傾きを動的に調整することができる。これにより、水平調整を短時間(実質的にリアルタイム)にできる。
この図において、(A)は昇降中のケージ5が水平の場合、(B)は昇降中のケージ5の右側(長手方向奥側)が下がっている状態(破線)からの作動を示している。
上述したように、複数の吊ロープ12は、昇降路3の上部から吊り下げられ、ケージ5の昇降中は、常に互いに同期して昇降する。
この場合、把持部23を図で右方に移動することで、吊ロープ12の下端を互いに反対方向に上下動させて、ケージ5の傾きを調整して水平に保持することができる。
tanθ=2x/L・・・(1)
従って、小さい移動量xで、大きな調整角度θが得られることがわかる。
従って、吊ロープ12の張力の差(アンバランス分)に相当する出力で、連動機構18(連動紐状体19)を介して吊ロープ12の下端を互いに反対方向に上下動させることができ、姿勢調整装置20の必要動力(出力)を大幅に低減できる。
この例において、ケージ5は、車両1を載せる車両支持面5cの上方に吊天井部5dを有する。吊天井部5dの下面は、車両支持面5cより車両1の高さ以上の上方に位置する。
また、車両支持面5cと吊天井部5dは、剛性を有する連結部材5e(例えば金属製棒材)により、互いに一体的に結合されている。連結部材5eの幅方向位置は、車両1の入出庫に支障のない位置に設定する。
図6と図7において、上述した連動機構18と姿勢調整装置20は、この例において、吊天井部5dの内部又は上方に設けられている。
この構成により、吊ロープ12の下端(一端12a)の位置は、車両1の入出庫に影響しないので、車両1の車幅より狭くすることができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
この例において、本発明のエレベータ式駐車装置10は、フォークパーキングであり、ケージ5は、パレット2を用いずに車両1を直接載せて昇降するくし型ケージである。また、このフォークパーキングでは、格納棚4に車両1を載せて格納するくし型トレイ2aを用いる。
なお、フォークパーキングでは、ケーブル16は無くてもよい。
その他の構成は、図2〜図5の第1実施形態と同様である。
この場合、吊天井部5d、連動機構18、及び姿勢調整装置20は、図6、図7の第2実施形態と同様である。
また動的制御により、水平調整を実質的にリアルタイムにできる。
1 車両、2 パレット、2a くし型トレイ、3 昇降路、3a 後側内壁、
4 格納棚、5 ケージ、5c 車両支持面、5d 吊天井部、5e 連結部材、
6 本体フレーム、7 巻上機、8 上部シーブ、8a 第1シーブ、
8b 第2シーブ、8c 第3シーブ、8d 第4シーブ、9 駆動シーブ、
10 エレベータ式駐車装置、12 吊ロープ、12a 一端、12b 他端、
14 カウンタウェイト、16 ケーブル(エレベータケーブル)、
16a 一端、16b 他端、18 連動機構、18a 案内車、
19 連動紐状体、19a 両端、20 姿勢調整装置、22 姿勢角センサ、
23 把持部、24 アクチュエータ、26 水平制御装置
Claims (8)
- 車両を載せるケージを吊下げて鉛直上方に延び、昇降路の上部から互いに同期して昇降される複数の吊ロープと、
前記ケージに固定され、少なくとも1対の前記吊ロープの下端を、案内車を介して互いに反対方向に上下動可能に連結する連動機構と、
前記ケージの傾きを検出して前記連動機構を調整し前記ケージの水平を保持する姿勢調整装置と、を備える、エレベータ式駐車装置。 - 前記連動機構は、両端が前記案内車を介して前記吊ロープの前記下端に連結された連動紐状体を有し、
前記姿勢調整装置は、前記ケージの傾きを検出する姿勢角センサと、
前記連動紐状体を保持しそれを長さ方向に移動させるアクチュエータと、
前記ケージを水平に保持するように前記アクチュエータを制御する水平制御装置と、を備える、請求項1に記載のエレベータ式駐車装置。 - 前記ケージは、前記車両を載せる車両支持面を有し、
前記連動機構と前記姿勢調整装置は、前記車両支持面の下方に設けられる、請求項1に記載のエレベータ式駐車装置。 - 前記ケージは、前記車両を載せる車両支持面の上方に吊天井部を有し、
前記連動機構と前記姿勢調整装置は、前記吊天井部の内部又は上方に設けられる、請求項1に記載のエレベータ式駐車装置。 - 前記姿勢角センサは、前記ケージの姿勢角又は角速度を検出するジャイロセンサであり、
前記水平制御装置は、検出された前記姿勢角又は前記角速度に基づき、前記アクチュエータを静的又は動的に制御する、請求項2に記載のエレベータ式駐車装置。 - 前記連動紐状体は、チェーン、ワイヤロープ又はゴムベルトである、請求項2に記載のエレベータ式駐車装置。
- 前記案内車は、スプロケット又はプーリーである、請求項1に記載のエレベータ式駐車装置。
- 車両を載せるケージを吊下げて鉛直上方に延び、昇降路の上部から互いに同期して昇降される複数の吊ロープと、
前記ケージに固定され、少なくとも1対の前記吊ロープの下端を、案内車を介して互いに反対方向に上下動可能に連結する連動機構と、
前記ケージの傾きを検出して前記連動機構を調整し前記ケージの水平を保持する姿勢調整装置と、を準備し、
前記ケージの傾きを検出し、前記吊ロープの前記下端を互いに反対方向に上下動させて、前記ケージを水平に保持する、エレベータ式駐車装置のケージ姿勢制御方法。
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