JP4208538B2 - エレベータの釣合補償用索状体案内装置 - Google Patents

エレベータの釣合補償用索状体案内装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータにおける釣合補償用索状体の案内装置に関し、より詳しくは、索状体が揺動しても索状体の上下動を滑らかに案内することができるとともに、索状体の揺動を効果的に減衰させることができ、かつ索状体の湾曲部における湾曲半径の変化にも追従できるように改良された案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駆動シーブに巻き掛けたメインロープによって乗りかごと釣合錘とを釣瓶状に懸架するエレベータにおいては、乗りかごの昇降に伴い、メインロープのうち駆動シーブから乗りかご側に垂下する部分の長さおよび駆動シーブから釣合錘側に垂下する部分の長さが刻々と変化する。
これにより、メインロープのうち駆動シーブから乗りかご側に垂下する部分の重量と駆動シーブから釣合錘側に垂下する部分の重量との間に不釣合が生じる。
【0003】
このようなメインロープの重量の不釣合を補償するために、図8に示したように、ケーブル若しくはロープやゴム材で被覆したチェーン等の釣合補償用索状体1の一端を乗りかご2の下端部2aに連結するとともに、この索状体1の他端を釣合錘3の下端部3aに連結してエレベータの昇降路内に垂下している。
このような構成によると、駆動シーブから昇降路の底部4の近傍にまで延びるメインロープおよび索状体1の長さの合計が乗りかご2側および釣合錘3側において常に等しくなるから、乗りかご2側と釣合錘3側との間におけるメインロープの重量の不釣合を打ち消すことができる。
【0004】
ところで、乗りかご2が上昇すると、索状体1のうち乗りかご2から垂下する部分1aの長さが長くなるとともに釣合錘3から垂下する部分1bの長さが短くなる。これに伴い、索状体1の重心が全体的に左右方向で乗りかご2側に寄るため、昇降路の底面4の近傍において湾曲している索状体1の湾曲部1cが左右方向で乗りかご2側に移動する。
これに対して、乗りかご2が降下すると、索状体1のうち乗りかご2から垂下する部分1aの長さが短くなるとともに釣合錘3から垂下する部分1bの長さが長くなる。これに伴い、索状体1の重心が全体的に左右方向で釣合錘3側に寄るため、索状体1の湾曲部1cが釣合錘3側に移動する。
すなわち、索状体1の湾曲部1cは、乗りかご2の昇降に伴って乗りかご2側と釣合錘3側との間で左右方向に往復揺動する。
【0005】
このような索状体1の揺動を放置すると、昇降路内に設けられている他の機器類に索状体1が干渉するおそれがある。そこで、昇降路の底部には、図9および図10に示したような索状体案内装置5が設けられている。
【0006】
この案内装置5は、かご側ガイドレール6やかご側バッファ台6aおよび錘側ガイドレール7に固定されたフレーム8を有している。フレーム8の上方の水平梁8a上には左右一対のローラ組立9L,9Rが固定されている。
各ローラ組立9L,9Rは、ブラケット9aにそれぞれ回転自在に支持されて互いに平行に延びる一対のガイドローラ9b,9cを有している。
これらのガイドローラ9b,9cは、索状体1のうち乗りかご2から垂下する部分1aと釣合錘3から垂下する部分1bとをそれぞれ左右方向に挟み込むように装着され、索状体1の揺動を規制しつつその上下動を案内している。
また、フレーム8の下方の水平梁8bには前後方向に水平に延びる左右一対のパイプ8c,8dが固定されている。これらのパイプ8c,8dは、索状体1の湾曲部1cが跳ね上がってフレーム8や各ガイドローラ9b,9cに絡みつくことを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図9および図10に示した従来の索状体案内装置5においては、各ローラ組立9L,9Rがフレーム8の水平梁8a上に固定されている。
これにより、索状体1が大きく揺動すると、索状体1がガイドローラ9b,9cに強く押し付けられてその上下動が妨げられるおそれがあった。
また、索状体1の揺動を減衰させる機能を持たないため、索状体1がフレーム8や昇降路内の他の機器類と干渉するおそれがあった。
【0008】
また、昇降路内の温度が変化すると索状体1の剛性が変化し、湾曲部1cの湾曲半径Rの値が変化する。
ところが、各ローラ組立9L,9Rは水平梁8a上に固定されており、湾曲半径Rの値の変化に追従することができない。
これにより、湾曲半径Rの値が大きくなったり小さくなったりすると索状体1がガイドローラ9b,9cに強く押し付けられてその上下動が妨げられるおそれがあった。
【0009】
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、索状体が揺動しても索状体の上下動を滑らかに案内することができるとともに、索状体の揺動を効果的に減衰させることができ、かつ索状体の湾曲部における湾曲半径の変化にも追従できるように改良された案内装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する請求項1に記載の手段は、
エレベータの乗りかごおよび釣合錘に連結されて昇降路内に垂下する釣合補償用の索状体を案内するための装置であって、
前記索状体のうち前記乗りかごより垂下する第1の部分の側から前記釣合錘より垂下する第2の部分の側へと左右方向に延びる支持梁と、
前記索状体の第1の部分を左右方向に挟むように互いに対向する一対のガイドローラを有した、左右方向にスライド自在に前記支持梁上に支持された第1のローラ組立と、
前記索状体の第2の部分を左右方向に挟むように互いに対向する一対のガイドローラを有した、左右方向にスライド自在に前記支持梁上に支持された第2のローラ組立と、
前記第1のローラ組立および前記第2のローラ組立の左右方向のスライド変位に抗してばね反力をそれぞれ負荷する、前記第1のローラ組立前記第2のローラ組立とのに介装された第1のコイルばねと、前記支持梁の一方の端部と前記第1のローラ組立との間に介装された第2のコイルばねと、前記支持梁の他方の端部と前記第2のローラ組立との間に介装された第3のコイルばねと、
を備えることを特徴とするエレベータの釣合補償用索状体案内装置である。
【0011】
すなわち、請求項1に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置においては、第1および第2のローラ組立が支持梁上で索状体と一体に左右方向にスライドすることができるから、索状体が左右方向に大きく揺動しても索状体が各ガイドローラに強く押し付けられることがなく、索状体の上下動を滑らかに案内することができる。
同様に、昇降路の底部において索状体が湾曲する部分の湾曲半径の値が大きくなったり小さくなったりすることに起因して索状体の第1および第2の部分が左右方向に変位しても、索状体がガイドローラに強く押し付けられることがないから、索状体の上下動を滑らかに案内することができる。
また、第1および第2のローラ組立が変位するとコイルばねがばね反力を負荷して第1および第2のローラ組立の変位を妨げようとするとともに、第1および第2のローラ組立と支持梁との間に摩擦抵抗が生じるから、索状体の揺動を効果的に減衰させることができる。
【0012】
なお、請求項2に記載したように、請求項1に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置においては、前記第1、第2および第3のコイルばねは、前記第1および第2のローラ組立が前記索状体の中立位置に対応する中立位置にあるときに、前記第1および第2のローラ組立を左右方向に付勢しないようにその自然長を定めることができる
【0013】
また、請求項3に記載したように、請求項1または2に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置においては、前記第2のコイルばねを、前記支持梁の一方の端部に設けられた一方のストッパと前記第1のローラ組立との間に介装し、前記第3のコイルばねは、前記支持梁の他方の端部に設けられた他方のストッパと前記第2のローラ組立との間に介装し、前記一方のストッパおよび前記他方のストッパを、前記支持梁に対するその固定位置がそれぞれ左右方向に調整可能とすることができる。
【0014】
また、請求項4に記載した手段は、請求項1または3に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置に対し、前記第1、第2および第3のコイルばねの圧縮長さをそれぞれ調整することにより、前記第1および第2のローラ組立の変位に抗して前記第1、第2および第3のコイルばねが前記第1および第2のローラ組立にそれぞれ負荷するばね反力の大きさを調整するためのばね反力調整手段をさらに備えさせたことを特徴とする。
【0015】
すなわち、請求項に記載した案内装置によれば、各コイルばねが各ローラ組立にそれぞれ負荷するばね反力の大きさを調整することにより、各ローラ組立のスライドに抗して各コイルばねが各ローラ組立に負荷するばね反力の大きさを適切に設定することができる。したがって、索状体の構造および重量に合わせてばね反力の大きさを最適に設定することにより、索状体の揺動を確実に減衰させることができる。
また、索状体の全体的な左右方向位置に合わせて、第1および第2のローラ組立の左右方向位置を最適に調整することができる。
さらに、索状体の湾曲部における湾曲半径の値の変化に起因する索状体の各部分の左右方向位置の変化に合わせ、第1および第2のローラ組立の左右方向位置を最適に調整することができる。
【0016】
なお、請求項5に記載したように、請求項4に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置において、前記ばね反力調整手段は、前記第1および第2のローラ組立にその一端が係止されるねじロッドと、このねじロッドに螺合する係止部材と、この係止部材によって前記ねじロッドの軸線方向に係止されるとともにその側面に前記コイルばねの一端が当接するストッパ部材とから構成することができる。
【0017】
また、請求項に記載した手段は、
エレベータの乗りかごおよび釣合錘に連結されて昇降路内に垂下する釣合補償用の索状体を案内するための装置であって、
前記索状体のうち前記乗りかごより垂下する第1の部分の側から前記釣合錘より垂下する第2の部分の側へと左右方向に延びる支持梁と、
前記索状体の第1の部分を左右方向に挟むように互いに対向する一対のガイドローラを有した、左右方向にスライド自在に前記支持梁上に支持された第1のローラ組立と、
前記索状体の第2の部分を左右方向に挟むように互いに対向する一対のガイドローラを有した、左右方向にスライド自在に前記支持梁上に支持された第2のローラ組立と、を備え、
前記支持梁は、前記第1のローラ組立を支持する第1の梁部分と、前記第2のローラ組立を支持する第2の梁部分と、前記第1および第2の梁部分の端部同士を揺動自在に連結する支軸とを有し、
かつ前記第1および第2の梁部分は、互いに対向しつつ上下方向に傾斜して延びるように配設される、
ことを特徴とするエレベータの釣合補償用索状体案内装置である。
具体的には、支持梁は、第1および第2の梁部分を正面から見たときに「ヘ」字形(山形)若しくは「V」字形(谷形)となるように配設することができる。
また、第1および第2の梁部分にそれぞれ固定したストッパにより、第1および第2のローラ組立が下方にずり落ちないように支持するとともに上方には自在変位できるようにすることもできる。
【0018】
すなわち、請求項に記載した案内装置においては、第1および第2のローラ組立が支持梁上で索状体と一体に左右方向にスライドすることができるから、索状体が左右方向に大きく揺動しても索状体が各ガイドローラに強く押し付けられることがなく、索状体の上下動を滑らかに案内することができる。
同様に、昇降路の底部において索状体が湾曲する部分の湾曲半径の値が大きくなったり小さくなったりすることに起因して索状体の第1および第2の部分が左右方向に変位しても、索状体がガイドローラに強く押し付けられることがないから、索状体の上下動を滑らかに案内することができる。
また、第1および第2の梁部分が互いになす角度を変化させることにより、第1のローラ組立と第2のローラ組立との左右方向の間隔を自在に調節することができる。
さらに、第1の梁部分および第2の梁部分が傾斜して延びているので、その上に支持されている第1および第2のローラ組立は自らの重量によって、それぞれ第1および第2の梁部分の傾斜方向下側に変位しようとする。
これにより、ローラ組立を支持梁の傾斜に沿って押し上げるためには、ローラ組立に作用する重力の支持梁傾斜方向の分力に打ち勝つだけの力が必要となる。したがって、ローラ組立を傾斜方向の上側に変位させるために必要な力の大きさとローラ組立を傾斜方向の下側に変位させるために必要な力の大きさとが異なるから、ローラ組立から索状体に作用する減衰力の大きさを索状体の揺動方向によって異ならせることができる。
第1および第2の梁部分を正面から見たときに「ヘ」字形に配設すると、索状体の第1および第2の部分が互いに接近する方向に揺動するときに大きな減衰力を作用させることができる。
これに対して、第1および第2の梁部分を正面から見たときに「V」字形に配設すると、索状体の第1および第2の部分が互いに離間する方向に揺動するときに大きな減衰力を作用させることができる。
【0019】
なお、請求項7に記載したように、請求項6に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置に、前記第1および第2のローラ組立が前記支持梁の傾斜方向下側にずり落ちないように前記第1および第2のローラ組立を前記支持梁にそれぞれ懸架するコイルばねをさらに備えさせることができる。
【0020】
請求項に記載した手段は、請求項6または7に記載した案内装置に対し、
前記支持梁をエレベータ昇降路の底部に固定するための手段であって、
前記第1の梁部分の自由端にその一端が揺動自在に軸支され、かつその他端が前記昇降路の底部に揺動自在に支持された第1の支持アームと、
前記第2の梁部分の自由端にその一端が揺動自在に軸支され、かつその他端が前記昇降路の底部に揺動自在に支持された第2の支持アームと、
を有する支持梁固定手段をさらに備えさせたことを特徴としている。
【0021】
すなわち、請求項に記載した案内装置においては、第1および第2の支持アームの揺動角度を調整することにより、エレベータ昇降路の底部に対する支持梁の上下方向位置および左右方向位置を、索状体の位置に合わせて最適に設定することができる。
【0022】
また、請求項に記載した案内装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置に、
前記第1のローラ組立が所定値を超えて変位したことを検出する第1のセンサと、
前記第2のローラ組立が所定値を超えて変位したことを検出する第2のセンサと、をさらに備えさせ、
かつエレベータの運転を制御する制御装置は、前記第1のセンサ若しくは前記第2のセンサから検出信号を受信すると前記乗りかごの昇降速度を減少させることを特徴としている。
【0023】
すなわち、請求項に記載した案内装置においては、第1および第2のローラ組立が所定値を超えてスライドしたこと、したがって索状体の第1および第2の部分が大きく揺動したことを第1および第2のセンサが検出すると、制御装置が乗りかごの昇降速度を減少させるので、各ローラ組立のガイドローラや昇降路内の機器類に索状体が干渉することを確実に防止することができる。
なお、第1および第2のセンサの両方から検出信号を受信したときに乗りかごの昇降速度を減少させる制御を行うように制御装置を構成することもできる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図6を参照し、本発明に係るエレベータの釣合補償用索状体案内装置の各実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、索状体のうち乗りかごより垂下する部分から釣合錘より垂下する部分へと水平に向かう方向を左右方向と言う。また、同一の部分に同一の符号を用いてその説明を省略する。
【0025】
第1実施形態
まず最初に図1および図2を参照し、本発明に係るエレベータの釣合補償用索状体案内装置の第1実施形態について詳細に説明する。
【0026】
第1実施形態
図1に示した案内装置100は、図8に示したように、エレベータの乗りかご2および釣合錘3に連結されて昇降路内に垂下する釣合補償用の索状体1を案内するための装置であって、索状体1のうち乗りかご2より垂下する第1の部分1aから釣合錘3より垂下する第2の部分1bに向かって左右方向(図示左右方向)に水平に延びる支持梁10と、この支持梁10を支持するためのフレーム11を備えている。
フレーム11は、乗りかご2の昇降を案内するかご側ガイドレール6の下端に取り付けられたブラケット12と、釣合錘3の昇降を案内する錘側ガイドレール7に取り付けられた水平梁13とにより、昇降路の底部4に対して変位不能に固定されている。
また、水平梁13の下面には、索状体1の湾曲部1cが跳ね上がってフレーム11等に絡みつくことを防止するための、前後方向に水平に延びるパイプ8c,8dが固定されている。
【0027】
支持梁10は、図9に示した従来の案内装置5における支持梁8aと同様に互いに平行かつ水平に延びる前後一対のアングル材から構成され、それらの底壁10a上には、次述する左右一対のローラ組立20L,20Rが左右方向(支持梁10の長手方向)にスライド自在に載置されている。
また、ローラ組立20L,20Rのスライドを案内する支持梁10の各縦壁10bには、各ローラ組立20L,20Rのスライド範囲に対応して水平に延びるガイド孔10c,10dがそれぞれ貫設されている。
また、この支持梁10の左右両端部には、上下方向に延びる板状のストッパ14,15がそれぞれ固定されている。
【0028】
各ローラ組立20L,20Rは、索状体1の各部分1a,1bを左右方向に挟むように互いに対向して前後方向(図示する紙面に対して垂直な方向)に水平に延びる左右一対のガイドローラ21と、これらのガイドローラ21を回転自在に支持するブラケット22とを有している。
また、ブラケット22を前後方向に貫通するガイド軸23の両端部は、支持梁10の縦壁10bに貫設されているガイド孔10c,10d内にそれぞれ挿通され、各ローラ組立20L,20Rのスライド範囲を規制している。
【0029】
各ローラ組立20L,20Rの間には、左右方向に水平に延びる第1のコイルばね31が自然状態で、すなわち圧縮されることもなく引っ張られることもない状態で介装されている。
同様に、左側のローラ組立20Lと左側のストッパ14との間には第2のコイルばね32が、右側のローラ組立20Rと右側のストッパ15との間には第3のコイルばね32がそれぞれ自然状態で、すなわち圧縮されることもなく引っ張られることもない状態で介装されている。
各コイルばね31,32,33の両端部は、それぞれ各ローラ組立20L,20Rおよび各ストッパ14,15の側面に接続されており、各ローラ組立20L,20Rの変位に連動して伸縮しつつ各ローラ組立20L,20Rの変位に抗する方向のばね反力を負荷する。
【0030】
図1および図2に示した中立状態においては、索状体1は中立位置、すなわち昇降行程の中央に位置する乗りかご2および釣合錘3から垂下して静止した位置にある。また、各ローラ組立20L,20Rも、各ガイドローラ21が索状体1の各部分1a,1bに接触しない中立位置にある。
このとき、各コイルばね31,32,33は、各ローラ組立20L,20Rを左右方向に付勢しないようにその初期長さ(自然長)が定められている。
【0031】
図1および図2に示した中立状態から索状体1が全体的に図示右側(乗りかご側)に揺動すると、各ローラ組立20L,20Rは索状体1の各部分1a,1bにより押動されて支持梁10上を図示右側にスライドする。
同様に、索状体1が全体的に図示左側(釣合錘側)に揺動すると、各ローラ組立20L,20Rは索状体1の各部分1a,1bにより押動されて支持梁10上を図示左側にスライドする。
これにより、索状体1が左右方向に大きく揺動しても索状体1は各ガイドローラ21に強く押し付けられないから、各ガイドローラ21は索状体1の上下動を滑らかに案内することができる。
【0032】
各ローラ組立20L,20Rがスライドすると、各ローラ組立20L,20Rと支持梁10の底壁10aとの間に摩擦抵抗が生じる。
また、各ローラ組立20L,20Rが全体的に図示右側にスライドすると、コイルばね33の圧縮反力が右側のローラ組立20Rを左方向に付勢するとともに、コイルばね32の引張り反力が左側のローラ組立20Lを左方向に付勢する。同様に、各ローラ組立20L,20Rが全体的に左側にスライドすると、コイルばね33の引張り反力が右側のローラ組立20Rを右方向に付勢するとともに、コイルばね32の圧縮反力が左側のローラ組立20Lを右方向に付勢する。
そして、各コイルばね31,32が各ローラ組立20L,20Rに負荷するばね反力は、各ローラ組立20L,20Rの中立位置からの変位量に比例する。
これにより、索状体1の全体が左右方向に大きく揺動すれば揺動するほど、大きなばね反力が各ローラ組立20L,20Rに作用するから、索状体1の揺動を確実に減衰させることができる。
【0033】
さらに、索状体1の各部分1a,1bが互いに接近するように揺動すると、各ローラ組立20L,20Rもまた支持梁10上をスライドして互いに接近する。このとき、両者の間に介装されているコイルばね31の圧縮反力および左右のコイルばね32,33の引張反力が、両ローラ組立20L,20Rを離間させるように付勢する。
また、索状体1の各部分1a,1bが互いに離間するように揺動すると、各ローラ組立20L,20Rもまた支持梁10上をスライドして互いに離間する。このとき、両者の間に介装されているコイルばね31の引張反力および左右のコイルばね32,33の圧縮反力が、両ローラ組立20L,20Rを接近させるように付勢する。
これにより、索状体1の各部分1a,1bが互いに接離する揺動をも確実に減衰させることができる。
【0034】
加えて、昇降路内の温度変化等により索状体1の湾曲部1cの湾曲半径Rの値が大きくなったり小さくなったりすると、索状体1の各部分1a,1bが各ガイドローラ21に接触する。
このとき、各ローラ組立20L,20Rは索状体1の各部分1a,1bと一体となって支持梁10の底壁10a上を左右方向にスライドすることができるから、索状体1の各部分1a,1bが各ガイドローラ21に強く押し付けられることがなく、索状体1の上下動を滑らかに案内することができる。
【0035】
なお、左右一対のストッパ14,15を支持梁10上に固定する位置を左右方向に調整することにより、支持梁10上における左右一対のローラ組立20L,20Rの左右方向位置を索状体1の実際の左右方向位置に合わせて最適に調整することができる。
【0036】
第2実施形態
次に図3を参照し、本発明に係るエレベータの釣合補償用索状体案内装置の第2実施形態について詳細に説明する。
【0037】
図3に示した第2実施形態の案内装置200は、上述した第1実施形態の案内装置100に対し、ばね反力調整手段を追加したものである。
ばね反力調整手段の構造を具体的に説明すると、左右一対のローラ組立20L,20Rの間には水平に延びるねじロッド41が介装されている。
このねじロッド41は、その図示左端41aが図示左側のローラ組立20Lに連結されているが、その図示右端41bは図示右側のローラ組立20Rを貫通している。これにより、ねじロッド41は左側のローラ組立20Lと一体に左右方向に変位するが、右側のローラ組立20Rの変位を妨げることはない。
また、ねじロッド41の雄ねじ部分にはダブルナット42が螺合しており、かつねじロッド41に遊嵌されたワッシャ43がこのダブルナット42によって軸線方向に位置決めされている。
また、ワッシャ43の右側面と右側のローラ組立20Rの左側面との間には、コイルばね44が圧縮された状態で介装されている。
したがって、ダブルナット42をねじロッド41上で回転させて右側のローラ組立20Rに接近させることにより、コイルばね44の全長を短かくして、そのばね反力の大きさを高めることができる。
【0038】
同様に、右側のローラ組立20Rと右側のストッパ15との間には水平に延びるねじロッド51が介装されている。
このねじロッド51は、その左端51aが右側のローラ組立20Rに連結されているが、その右端51bは右側のストッパ15を貫通しており、右側のローラ組立20Rと一体に左右方向に変位する。
また、ねじロッド51の雄ねじ部分にはダブルナット52が螺合しており、かつねじロッド51に遊嵌されたワッシャ53がこのダブルナット52によって軸線方向に位置決めされている。
また、ワッシャ53の右側面と右側のストッパ15の左側面との間には、コイルばね54が圧縮された状態で介装されている。
したがって、ダブルナット52をねじロッド51上で回転させて右側のストッパ15に接近させることにより、コイルばね54の全長を短かくして、そのばね反力の大きさを高めることができる。
【0039】
同様に、左側のローラ組立20Lと左側のストッパ14との間には水平に延びるねじロッド61が介装されている。
このねじロッド61は、その右端61aが左側のローラ組立20Lに連結されているが、その左端61bは左側のストッパ14を貫通しており、左側のローラ組立20Lと一体に左右方向に変位する。
また、ねじロッド61の雄ねじ部分にはダブルナット62が螺合しており、かつねじロッド61に遊嵌されたワッシャ63がこのダブルナット62によって軸線方向に位置決めされている。
また、ワッシャ63の左側面と左側のストッパ14の右側面との間には、コイルばね64が圧縮された状態で介装されている。
したがって、ダブルナット62をねじロッド61上で回転させて左側のストッパ14に接近させることにより、コイルばね64の全長を短かくして、そのばね反力の大きさを高めることができる。
【0040】
このような構造を有する第2実施形態の案内装置200においては、各ねじロッド41,51,61上における各ダブルナット42,52,62の位置を調整することにより、各コイルばね44,54,64のばね反力の大きさを変更することができる。
したがって、索状体1の構造および重量に合わせて各コイルばね44,54,64のばね反力の大きさを最適に設定することにより、索状体1の揺動を確実に減衰させることができる。
【0041】
また、例えば右端側のダブルナット52を右側のストッパ15に接近させるとともに左端側のダブルナット62を左側のローラ組立20Lに接近させることにより、左右一対のローラ組立20L,20Rを支持梁10上において全体的に左側にずらすことができる。
したがって、索状体1の全体的な左右方向位置に合わせて、第1および第2のローラ組立20L,20Rの左右方向位置を最適に調整することができる。
【0042】
さらに、左右のダブルナット52,62をそれぞれ左右一対のローラ組立20L,20Rに接近させて左右のコイルばね54,64を伸長させるとともに、中央のダブルナット42を右側のローラ組立20Rに接近させて中央のコイルばね44を短縮させることにより、左右一対のローラ組立20L,20Rの左右方向間隔を拡げることができる。
これに対して、左右のダブルナット52,62をそれぞれ左右のストッパ14,15に接近させて左右のコイルばね54,64を圧縮するとともに、中央のダブルナット42を左側のローラ組立20Lに接近させて中央のコイルばね44を伸長させることにより、左右一対のローラ組立20L,20Rの左右方向間隔を狭めることができる。
したがって、索状体1の湾曲部1cにおける湾曲半径Rの値の変化に起因する索状体1の各部分1a,1bの左右方向位置の変化に合わせ、第1および第2のローラ組立20L,20Rの左右方向位置を最適に調整することもできる。
【0043】
第3実施形態
次に図4を参照し、本発明に係るエレベータの釣合補償用索状体案内装置の第3実施形態について詳細に説明する。
【0044】
図4に示した第3実施形態の案内装置300においては、左右一対のローラ組立20L,20Rをそれぞれ左右方向に変位自在に支持する支持梁70が、左側のローラ組立20Lを支持する左側の梁部分(第1の梁部分)71と、右側のローラ組立20Rを支持する右側の梁部分(第2の梁部分)72とに分割されている。
また、左右一対の梁部分71,72は、支軸73によって互いに揺動自在に連結されるとともに、正面から見たときに支軸73を間に挟んで「V」字形(谷形)となるように配設されている。
また、左右一対のローラ組立20L,20Rは、支持梁70の左右両端部に固定されたブラケット74,75に連結された左右一対のコイルばね76,77により、それぞれ傾斜方向下側にずり落ちないように、かつ傾斜方向に変位自在に各梁部分71,72上をスライドできるように懸架されている。
【0045】
また、左側の梁部分71の自由端71aは左側の支持手段80によって、また右側の梁部分72の自由端72aは右側の支持手段90によってそれぞれ支持されている。
左側の支持手段80は、錘側ガイドレール7の取付孔7aに螺着されたブラケット81と、このブラケット81に対して支軸82により左右方向に揺動自在に支持された下側支持アーム83と、この下側支持アーム83に対して支軸84により左右方向に揺動自在に支持された上側支持アーム(第1の支持アーム)85とを有している。そして、上側支持アーム85の揺動端に支軸86を介して左側の梁部分71の自由端71aが揺動自在に軸支されている。
右側の支持手段90は、乗りかご側ガイドレール6の取付孔6bに螺着されたブラケット91と、このブラケット91に対して支軸92により左右方向に揺動自在に支持された下側支持アーム(第2の支持アーム)93とを有している。そして、支持アーム93の揺動端に支軸94を介して右側の梁部分72の自由端72aが揺動自在に軸支されている。
【0046】
支持梁70を位置決めして固定する際には、まず最初に中立位置にある索状体1の各部分1a,1bの左右方向の実際の間隔に合わせて左右一対の梁部分71,72が互いになす角度を決定し、支軸73の部分を締め付けて固定する。
次いで、錘側ガイドレール7に貫設されている複数の取付孔7aのうち上下方向に最適な取付孔7aを選択してブラケット81を螺着する。同様に、かご側ガイドレール6に貫設されている複数の取付孔6bのうち上下方向に最適な取付孔6bを選択してブラケット91を螺着する。
その後、各支持アーム83,85,93の揺動角度を適宜選択しつつ各支軸82,84,86,92,94を締め付けることにより、支持梁70を固定する。これにより、中立位置にある左右一対のローラ組立20L,20Rの各ガイドローラ21が索状体1の各部分1a,1bを左右方向に押動しないように、エレベータ昇降路の底部4に対する支持梁70の上下方向位置および左右方向位置を索状体1の実際の位置に合わせて最適に設定することができる。
【0047】
このような構造を有する第3実施形態の案内装置300においては、索状体1が左右方向に揺動すると、各ローラ組立20L,20Rは索状体1の各部分1a,1bにより押動されて各梁部分72,73の傾斜方向に変位する。
このとき、各ローラ組立20L,20Rは傾斜方向に自在に変位することができるから、索状体1が左右方向に大きく揺動しても索状体1が各ガイドローラ21に強く押し付けられることがなく、索状体1の上下動を滑らかに案内することができる。
同様に、索状体1が湾曲する部分1cの湾曲半径Rの値が大きくなったり小さくなったりすることに起因して索状体1の各部分1a,1bが左右方向に変位しても、索状体1が各ガイドローラ21に強く押し付けられることがなく、索状体1の上下動を滑らかに案内することができる。
また、左右一対の梁部分71,72が互いになす角度を変化させることにより、左右一対のローラ組立20L,20Rの左右方向間隔を自在に調節することができる。
【0048】
一方、索状体1の揺動により押動された各ローラ組立20L,20Rが支持梁70の各梁部分71,72の傾斜に沿って上下方向に変位すると、各コイルばね76,77がばね反力を負荷して各ローラ組立20L,20Rの変位を妨げようとする。
また、索状体1により押動された各ローラ組立20L,20Rが支持梁70の各梁部分71,72の傾斜に沿って上方に変位する際には、各ローラ組立20L,20Rを各梁部分71,72の底壁71b,72bに押し付けようとする分力が作用するため、両者間における摩擦抵抗が大きくなる。
これにより、索状体1の各部分1a,1bが互いに離間する方向に揺動するときに大きな減衰力を作用させ、索状体1の揺動を効果的に減衰させることができる。
【0049】
第4実施形態
次に図5を参照し、本発明に係るエレベータの釣合補償用索状体案内装置の第4実施形態について詳細に説明する。
【0050】
図5に示した第4実施形態の案内装置400においては、左右一対のローラ組立20L,20Rが支持梁70の各梁部分71,72上において、ブラケット74,75により係止されたコイルばね76,77により下方にずり落ちないように押し上げらた状態でそれぞれスライド自在に支持されている。
各ローラ組立20L,20Rは、図示した中立位置から傾斜方向の上方に変位するとやがてコイルばね76,77から離間するが、傾斜方向の下方に変位するときにはコイルばね76,77を圧縮する。
【0051】
このような構造を有する第4実施形態の案内装置400においては、索状体1が左右方向に揺動すると、各ローラ組立20L,20Rは索状体1の各部分1a,1bにより押動されて各梁部分72,73の傾斜方向に変位する。
これにより、索状体1が左右方向に大きく揺動しても索状体1が各ガイドローラ21に強く押し付けられることがないから、索状体1の上下動を滑らかに案内することができる。
【0052】
一方、索状体1により押動された各ローラ組立20L,20Rが支持梁70の各梁部分71,72の傾斜に沿って上方に変位する際には、各ローラ組立20L,20Rを各梁部分71,72の底壁71b,72bに押し付けようとする分力が作用するため、両者間における摩擦抵抗が大きくなる。
また、各ローラ組立20L,20Rを各梁部分71,72の傾斜に沿って上方に変位させるためには、各ローラ組立20L,20Rに作用する重力のうち各梁部分71,72の傾斜方向に沿った分力を上回る力が必要である。
このとき、本第4実施形態の案内装置400においては、支持梁70の各梁部分71,72が正面から見たときに「V」字形(谷形)となるように配設されている。
これにより、索状体1の各部分1a,1bが互いに離間する方向に揺動するときに大きな減衰力を作用させることができるから、索状体1の揺動を効果的に減衰させることができる。
【0053】
第5実施形態
次に図6を参照し、本発明に係るエレベータの釣合補償用索状体案内装置の第5実施形態について詳細に説明する。
【0054】
図6に示した第5実施形態の案内装置500においては、支持梁70の左側の梁部分71と右側の梁部分72とが正面から見たときに支軸73を間に挟んで「ヘ」字形(山形)となるように配設されている。
また、左右一対のローラ組立20L,20Rが支持梁70の各梁部分71,72上において、ブラケット74,75により係止されたコイルばね76,77により下方にずり落ちないように押し上げらた状態でスライド自在に支持されている。
そして、各ローラ組立20L,20Rは、図示した中立位置から傾斜方向の上方に変位するとやがてコイルばね76,77から離間するが、傾斜方向の下方に変位するときにはコイルばね76,77を圧縮するようになっている。
【0055】
このような構造を有する第5実施形態の案内装置500においては、索状体1が左右方向に揺動すると、各ローラ組立20L,20Rは索状体1の各部分1a,1bにより押動されて各梁部分72,73の傾斜方向に変位する。
これにより、索状体1が左右方向に大きく揺動しても索状体1が各ガイドローラ21に強く押し付けられることがないから、索状体1の上下動を滑らかに案内することができる。
【0056】
索状体1により押動された各ローラ組立20L,20Rが支持梁70の各梁部分71,72の傾斜に沿って上方に変位する際には、各ローラ組立20L,20Rを各梁部分71,72の底壁71b,72bに押し付けようとする分力が作用するため、両者間における摩擦抵抗が大きくなる。
また、各ローラ組立20L,20Rを各梁部分71,72の傾斜に沿って上方に変位させるためには、各ローラ組立20L,20Rに作用する重力のうち各梁部分71,72の傾斜方向に沿った分力を上回る力が必要である。
このとき、本第5実施形態の案内装置500においては、支持梁70の各梁部分71,72が正面から見たときに「ヘ」字形(山形)となるように配設されている。
これにより、索状体1の各部分1a,1bが互いに接近する方向に揺動するときに大きな減衰力を作用させることができるから、索状体1の揺動を効果的に減衰させることができる。
【0057】
第6実施形態
次に図7を参照し、本発明に係るエレベータの釣合補償用索状体案内装置の第6実施形態について詳細に説明する。
【0058】
図7に示した第6実施形態の案内装置600は、図1および図2に示した第1実施形態の案内装置100に対し、左右一対のローラ組立20L,20Rが所定値を超えて変位したことを検出するセンサS1,S2,S3,S4を追加したものである。
【0059】
第1のセンサS1は、図示左側のローラ組立20Lが所定値を超えて図示左側に変位したことを検出すると、エレベータの運転を制御する制御装置Cに検出信号を送出する。同様に、第2のセンサS2は、図示右側のローラ組立20Rが所定値を超えて図示右側に変位したことを検出すると、エレベータの運転を制御する制御装置Cに検出信号を送出する。
これに対して、第3のセンサS3は、図示左側のローラ組立20Lが所定値を超えて図示右側に変位したことを検出すると、エレベータの運転を制御する制御装置Cに検出信号を送出する。同様に第4のセンサS4は、図示右側のローラ組立20Rが所定値を超えて図示左側に変位したことを検出すると、エレベータの運転を制御する制御装置Cに検出信号を送出する。
【0060】
制御装置Cは、各センサS1,S2,S3,S4のうち少なくとも一つから検出信号を受信すると、索状体1が大きく揺動していると判断し、巻上機の作動を制御して乗りかごの昇降速度を低下させ若しくは乗りかごの昇降を停止させる。これにより、索状体1が大きく揺動して各ローラ組立20L,20Rのガイドローラ21や昇降路内の他の機器類に干渉することを確実に防止できる。
なお、第1および第4のセンサS1,S4の両方から検出信号を受信したとき、若しくは第2および第3のセンサS2,S4の両方から検出信号を受信したときに、制御装置Cが乗りかごの昇降速度を減少させる制御を行うように構成することもできる。
【0061】
以上、本発明に係るエレベータの釣合補償用索状体案内装置の各実施形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、第5実施形態において説明した各センサS1,S2,S3,S4を、前述した第2乃至第4実施形態の案内装置200,300,400にそれぞれ追加することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るエレベータの釣合補償用索状体案内装置においては、各ローラ組立が支持梁上で索状体と一体に左右方向に変位することができるとともに、各ローラ組立の変位に抗してばね手段がばね反力を負荷するようになっている。
これにより、索状体が左右方向に大きく揺動しても索状体が各ガイドローラに強く押し付けられることがないから索状体の上下動を滑らかに案内することができるとともに、各ローラ組立に負荷されるばね反力によって索状体の揺動を効果的に減衰させることができる。
また、昇降路の底部において索状体の湾曲部分の湾曲半径の値が大きくなったり小さくなったりすることに起因して索状体の第1および第2の部分が左右方向に変位しても、各ローラ組立が支持梁上で索状体と一体に左右方向に変位することができるから、索状体の湾曲半径の変化にも追従することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の案内装置を示す正面図。
【図2】図1に示した案内装置の要部拡大正面図。
【図3】第2実施形態の案内装置の要部拡大正面図。
【図4】第3実施形態の案内装置の要部拡大正面図。
【図5】第4実施形態の案内装置の要部拡大正面図。
【図6】第5実施形態の案内装置の要部拡大正面図。
【図7】第6実施形態の案内装置の要部拡大正面図。
【図8】エレベータにおける釣合補償用索状体の取付構造を示す正面図。
【図9】従来の案内装置を示す正面図。
【図10】図9に示した案内装置の平面図。
【符号の説明】
1 釣合補償用索状体
2 乗りかご
3 釣合錘
4 昇降路の底面
5 従来の案内装置
6 かご側ガイドレール
6a かご側バッファ台
6b 取付孔
7 錘側ガイドレール
8 フレーム
9L,9R ローラ組立
10 支持梁
11 フレーム
10a 底壁
10b 縦壁
10c,10d ガイド孔
12 ブラケット
13 水平梁
14,15 ストッパ
20L,20R ローラ組立
21 ガイドローラ
22 ブラケット
23 ガイド軸
31,32,33 コイルばね
41,51,61 ねじロッド
42,52,62 ダブルナット
43,53,63 ワッシャ
44,54,64 コイルばね
70 支持梁
71,72 梁部分
73 支軸
74,75 ブラケット
76,77 コイルばね
81 ブラケット
82,84 支軸
83 支持アーム
91 ブラケット
92,94,96 支軸
93,95 支持アーム
S1,S2,S3,S4 センサ
100 第1実施形態の案内装置
200 第2実施形態の案内装置
300 第3実施形態の案内装置
400 第4実施形態の案内装置
500 第5実施形態の案内装置
600 第6実施形態の案内装置

Claims (9)

  1. エレベータの乗りかごおよび釣合錘に連結されて昇降路内に垂下する釣合補償用の索状体を案内するための装置であって、
    前記索状体のうち前記乗りかごより垂下する第1の部分の側から前記釣合錘より垂下する第2の部分の側へと左右方向に延びる支持梁と、
    前記索状体の第1の部分を左右方向に挟むように互いに対向する一対のガイドローラを有した、左右方向にスライド自在に前記支持梁上に支持された第1のローラ組立と、
    前記索状体の第2の部分を左右方向に挟むように互いに対向する一対のガイドローラを有した、左右方向にスライド自在に前記支持梁上に支持された第2のローラ組立と、
    前記第1のローラ組立および前記第2のローラ組立の左右方向のスライド変位に抗してばね反力をそれぞれ負荷する、前記第1のローラ組立前記第2のローラ組立とのに介装された第1のコイルばねと、前記支持梁の一方の端部と前記第1のローラ組立との間に介装された第2のコイルばねと、前記支持梁の他方の端部と前記第2のローラ組立との間に介装された第3のコイルばねと、
    を備えることを特徴とするエレベータの釣合補償用索状体案内装置。
  2. 前記第1、第2および第3のコイルばねは、前記第1および第2のローラ組立が前記索状体の中立位置に対応する中立位置にあるときに、前記第1および第2のローラ組立を左右方向に付勢しないようにその自然長が定められていることを特徴とする請求項1に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置。
  3. 前記第2のコイルばねは、前記支持梁の一方の端部に設けられた一方のストッパと前記第1のローラ組立との間に介装され、
    前記第3のコイルばねは、前記支持梁の他方の端部に設けられた他方のストッパと前記第2のローラ組立との間に介装され、
    前記一方のストッパおよび前記他方のストッパは、前記支持梁に対するその固定位置がそれぞれ左右方向に調整可能となっていることを特徴とする請求項1または2に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置。
  4. 前記第1、第2および第3のコイルばねの圧縮長さをそれぞれ調整することにより、前記第1および第2のローラ組立の変位に抗して前記第1、第2および第3のコイルばねが前記第1および第2のローラ組立にそれぞれ負荷するばね反力の大きさを調整するためのばね反力調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または3に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置。
  5. 前記ばね反力調整手段は、前記第1および第2のローラ組立にその一端が係止されるねじロッドと、このねじロッドに螺合する係止部材と、この係止部材によって前記ねじロッドの軸線方向に係止されるとともにその側面に前記コイルばねの一端が当接するストッパ部材とから構成されていることを特徴とする請求項4に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置。
  6. エレベータの乗りかごおよび釣合錘に連結されて昇降路内に垂下する釣合補償用の索状体を案内するための装置であって、
    前記索状体のうち前記乗りかごより垂下する第1の部分の側から前記釣合錘より垂下する第2の部分の側へと左右方向に延びる支持梁と、
    前記索状体の第1の部分を左右方向に挟むように互いに対向する一対のガイドローラを有した、左右方向にスライド自在に前記支持梁上に支持された第1のローラ組立と、
    前記索状体の第2の部分を左右方向に挟むように互いに対向する一対のガイドローラを有した、左右方向にスライド自在に前記支持梁上に支持された第2のローラ組立と、を備え、
    前記支持梁は、前記第1のローラ組立を支持する第1の梁部分と、前記第2のローラ組立を支持する第2の梁部分と、前記第1および第2の梁部分の端部同士を揺動自在に連結する支軸とを有し、
    かつ前記第1および第2の梁部分は、互いに対向しつつ上下方向に傾斜して延びるように配設される、
    ことを特徴とするエレベータの釣合補償用索状体案内装置。
  7. 前記第1および第2のローラ組立が前記支持梁の傾斜方向下側にずり落ちないように前記第1および第2のローラ組立を前記支持梁にそれぞれ懸架するコイルばねをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置。
  8. 前記支持梁をエレベータ昇降路の底部に固定するための手段であって、
    前記第1の梁部分の自由端にその一端が揺動自在に軸支され、かつその他端が前記昇降路の底部に揺動自在に支持された第1の支持アームと、
    前記第2の梁部分の自由端にその一端が揺動自在に軸支され、かつその他端が前記昇降路の底部に揺動自在に支持された第2の支持アームと、
    を有する支持梁固定手段をさらに備えることを特徴とする請求項6または7に記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置。
  9. 前記第1のローラ組立が所定値を超えてスライドしたことを検出する第1のセンサと、前記第2のローラ組立が所定値を超えてスライドしたことを検出する第2のセンサと、をさらに備え、
    前記乗りかごの昇降を制御する制御装置は、前記第1のセンサ若しくは前記第2のセンサから検出信号を受信すると前記乗りかごの昇降速度を減少させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載したエレベータの釣合補償用索状体案内装置。
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