以下、図面を参照して、本発明による各実施形態の横型ブラインドを説明する。尚、本願明細書中、図1又は図7に示す横型ブラインドの斜視図に対して、図示上方及び図示下方をスラットの吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向を横型ブラインドの左側、図示右方向を横型ブラインドの右側と定義する。また、図1又は図7の斜視図を視認する側を前側(室内側)、及び、その反対側を後側(又は室外側)とする。
〔第1実施形態〕
まず、図1乃至図8を参照して、本発明による第1実施形態の横型ブラインドについて説明する。図1は、本発明による第1実施形態の横型ブラインドの概略構成を示す斜視図である。また、図2は、本発明による第1実施形態の横型ブラインドにおけるスラット4の平面図である。図3(a),(b)は、本発明による第1実施形態の横型ブラインドにおけるスラット4のチルト動作時の説明図である。図4(a),(b)は、本発明による第1実施形態の横型ブラインドにおけるスラット4の遮蔽状態時の説明図である。図5は、本発明による第1実施形態の横型ブラインドの部分的な概略構成を示す側面図である。そして、図6は、本発明による第1実施形態の横型ブラインドにおける遮蔽効果を説明する部分的な側面断面図である。図7(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の横型ブラインドにおける遮蔽効果をより詳細に説明する部分的な側面断面図と、その比較例である。図8(a),(b)は、本発明による第1実施形態の横型ブラインドにおける横ずれ・ねじれ抑制効果を説明する平面図である。
図1に示すように、本実施形態の横型ブラインドは、ヘッドボックス1の長手方向における左端部側、中央部側、及び右端部側からそれぞれ吊下されるラダーコード7L,7M,7Rを介して多数段のスラット4が支持される。各ラダーコード7L,7M,7Rの下端にボトムレール8が吊下支持されている。また、室外側又は室内側のラダーコード7L,7M,7Rに併設して複数本の昇降コード6L,6M,6Rがヘッドボックス1から垂下され、その昇降コード6L,6M,6Rの下端にボトムレール8が取着されている。
多数段のスラット4の角度を調整する機構や、多数段のスラット4を昇降させる機構、並びに、これらの機構を操作する操作手段は様々な既知の形態で実現することができ、これらの機構は、本発明の主旨とは直接的には関係しないことから、その一例を簡潔に説明する。
ヘッドボックス1内にはラダーコード7L,7M,7R及び昇降コード6L,6M,6Rを吊下支持する支持部材が配設され、この支持部材には四角棒状の駆動軸が挿通されている(図示せず)。このような支持部材にはチルトドラムが回転可能に支持され、このチルトドラムに当該駆動軸が相対回転不能に挿通されている。したがって、この駆動軸が回転されると、当該チルトドラムが回転し、ラダーコード7L,7M,7Rにより吊下支持された多数段のスラット4の角度が調整されるようになっている。
また、昇降コード6L,6M,6Rをヘッドボックス1内への引き込み又はヘッドボックス1からの引き出し可能にするために、当該支持部材には、当該駆動軸に対して相対回転不能に取着される巻取軸が設けられている(図示せず)。したがって、この駆動軸が回転されると、当該チルトドラムが回転し、ラダーコード7L,7M,7Rにより吊下支持された多数段のスラット4の角度が水平方向に対して略垂直方向にチルトされた後、当該巻取軸による昇降コード6L,6M,6Rの巻取り、又は巻戻しが行われ、ボトムレール8を昇降させることによりスラット4を昇降させることができる。
ヘッドボックス1の右端部側には、当該駆動軸の回転を操作する操作プーリーが収容され、この操作プーリーに掛装される無端状の操作コード5が、ヘッドボックス1の右端部側の前面に設けられた導出口1aから垂下される。また、ヘッドボックス1内には、当該駆動軸の回転をロック可能なストッパー装置が設けられる。したがって、操作コード5を操作することで、当該駆動軸の回転を操作し、当該支持部材を介してラダーコード7L,7M,7Rにより吊下支持された多数段のスラット4の角度を調整することや、昇降コード6L,6M,6Rにより多数段のスラット4を昇降させることができる。
本実施形態の横型ブラインドでは、図2に示すように、複数本の昇降コード6L,6M,6Rのうち昇降コード6L,6Rについては、各スラット4の短手方向の一縁部(室外側縁部)近傍に設けられた当該短手方向に延びる長孔状の挿通孔4aに挿通して垂下するよう構成し、昇降コード6Mについては、各スラット4の短手方向の他縁部に沿って垂下するよう構成している。この長孔状の挿通孔4aは、各スラット4の短手方向の一縁部(室外側縁部)から各スラット4の短手方向の中央部までの範囲内で延びるよう形成するのが好適である。そして、各スラット4は、ヘッドボックス1の長手方向における複数個所に配設して吊下される一対のラダーコード7L(又は7M,7R)間に所定間隔で接続された横糸7a,7bに載置されてそれぞれ支持されている。
特に、長孔状の挿通孔4aは、各スラット4のチルト動作を妨げることなく、且つ各スラット4が遮蔽状態となるようチルトされる際に、各スラット4の縁部で少なくとも挿通孔4aの一部が遮蔽される位置に形成されている。
より具体的には、図3に示すように、昇降コード6L,6Rを挿通するべく、各スラット4の短手方向(即ち、前後方向)の室外側縁部近傍に長孔状の挿通孔4aを形成することで、各スラット4の水平状態(図3(a)参照)や、各スラット4のチルト状態(図3(b)参照)の際にも、昇降コード6L,6Rをその吊下に係る鉛直方向へと負担なく張設させることができる。また、長孔状の挿通孔4aは室外側縁部近傍に設けられるため、図3(b)に示すように、当該挿通孔4aからの光漏れを抑制し、外部光に対する遮光性を高めることができる。
即ち、図4(a)に示すように、長孔状の挿通孔4aは、各スラット4の短手方向の一縁部(室外側縁部)から各スラット4の短手方向の中央部までの範囲内で延びるよう形成され、各スラット4の遮蔽状態時では、各スラット4は水平方向に対して略垂直方向にチルトされ、このとき、各スラット4の縁部で少なくとも挿通孔4aの一部が遮蔽されるようになっている。尚、後述するように、挿通孔4aの全部が各スラット4の縁部で遮蔽されるように構成することもできる。これにより、当該挿通孔4aからの光漏れを抑制し、外部光に対する遮光性を高めることができる。更に、室外側縁部近傍に挿通孔4aを設けることで遮光性向上以外の効果として、図4(a)(或いは図3(b))の状態のような全閉状態において挿通孔4aが下位のスラット4により殆ど隠されるため、意匠性も良くなる。
また、図4(b)に示すように、長孔状の挿通孔4aの短径Dは、当該挿通する昇降コード6L,6Rの断面径dと略同一に形成するのが好適である。これにより、各スラット4の縁部で挿通孔4aの全部が遮蔽されない場合でも、効果的に当該挿通孔4aからの光漏れを抑制することができる。尚、「昇降コード6L,6Rの断面径dと略同一の挿通孔4aの短径D」とは、挿通孔4aに対する昇降コード6L,6Rの移動を阻害しない程度の径を意味し、例えば短径Dを断面径dと完全に同一とするか、又は短径Dを断面径dよりわずかに拡径したものを云う。また、ラダーコード7L,7Rの径を長孔状の挿通孔4aの短径Dと略同一とするか、又はそれ以上の太さとすることで、より確実に光漏れを抑制することができる。
尚、本実施形態のように3本の昇降コード6L,6M,6Rとする以外にも、4本又はそれ以上の昇降コードを用いる形態とすることができる。この場合、複数本の昇降コードのうち少なくとも2本の昇降コードは当該長孔状の挿通孔4aに挿通して垂下させ、該少なくとも2本の昇降コード以外の昇降コードのうち、少なくとも1本の昇降コードは、各スラット4の短手方向の他縁部に沿って垂下させる。
このとき、当該複数本の昇降コードのうち当該複数段のスラット4の各々の長手方向の「両端部から最近位置」にて垂下される昇降コード(図1及び図2の例では、昇降コード6L,6R)は、各スラット4の短手方向の一縁部(室外側縁部)近傍に設けられた当該短手方向に延びる長孔状の挿通孔4aに挿通させるように構成し、当該長孔状の挿通孔4aに挿通される昇降コード以外の昇降コード(図1及び図2の例では、昇降コード6M)は全て、切欠きや挿通孔を利用せずに、各スラット4の短手方向の他縁部(室内側縁部)に沿って垂下させるように構成するのが好適である。これにより、より効果的に光漏れを抑制するとともに、詳細に後述するがスラット4の横ずれ及びねじれを抑制することができる。
本実施形態の横型ブラインドでは、各スラット4は、平板状の硬質材料(例えば、木製)からなり、このスラット4に係るラダーコード7L,7M,7R及び昇降コード6L,6R,6Mの配設位置によって、光漏れを抑制しつつ組立性を改善し、スラットの横ずれ及びねじれを効果的に抑制できるようになっている。
図1及び図2に示すように、スラット4の短手方向(即ち、前後方向)に互いに対向して一対のラダーコード7L,7M,7Rが吊下され、一対のラダーコード7L間には、X字状に交差する横糸7a,7bが所定間隔で接続され、図5に示すように、この横糸7a,7b上にスラット4が上乗せされている。同様に、一対のラダーコード7M(又は7R)間には、X字状に交差する横糸7a,7bが所定間隔で接続され、この横糸7a,7b上にスラット4が上乗せされている。
一般的な横型ブラインドにおいては、アルミニウム製の屈曲可能な軟質材料からなる僅かに湾曲した薄板状の形態を有するスラットを利用する形態もあり、このような屈曲可能なスラットを利用する場合には、その屈曲性を利用して当該スラットをX字状に交差する横糸7a,7b間に挿通することは比較的容易に行うことができるので、その組立性もそれほど大きな負担とはならない。また、従来の横型ブラインドにおいては、昇降コードではなく、ラダーコードを当該スラットの切欠きに係合させることで当該スラットの横ずれを抑制させることがある。
一方、本実施形態の横型ブラインドにおけるスラット4は、図1及び図5に示すように、木製等の屈曲不能な硬質材料からなる平板状の形態を有している。この硬質材料からなる平板状のスラット4を当該X字状に交差する横糸7a,7b間に挿通しながら組み立てることは容易とは云えない。このため、本実施形態の横型ブラインドでは、この硬質材料からなる平板状のスラット4を当該X字状に交差する横糸7a,7bに上乗せするよう構成することで、組立性を改善することができる。また、本実施形態の横型ブラインドにおけるスラット4には、各ラダーコード7L,7M,7Rの横糸7a,7bに係合させる切欠きを設けておらず、当該光漏れを抑制するだけでなく、スラット4を各ラダーコード7L,7M,7Rの横糸7a,7bに対する設置も容易化している。
通常であれば、切欠きを設けることなく単に平板状のスラット4を横糸7a,7bに上乗せすると、各スラット4の長手方向(即ち、左右方向)の横ずれや、各スラット4の短手方向(即ち、前後方向)に作用するねじれが生じ、スラット4の昇降操作時やチルト操作時に不具合が生じうるが、本実施形態の横型ブラインドでは、このような横ずれ・ねじれも抑制させることができる。
即ち、本実施形態の横型ブラインドでは、図1及び図2に示すように、各スラット4の長手方向(即ち、左右方向)の両端部から最近位置にてヘッドボックス1から垂下される昇降コード6L,6Rについては、各スラット4の短手方向(即ち、前後方向)の室外側縁部近傍に設けられた前後方向に長孔状の挿通孔4aに挿通し、ボトムレール8の上面における室外側縁部近傍に設けられた貫通部8L,8Rを経て底面側に係止して取着する。そして、当該各スラット4の長手方向(即ち、左右方向)の両端部から最近位置にて垂下される昇降コード6L,6R以外の昇降コードのうち少なくとも1本(即ち、本例では昇降コード6M)は、各スラット4の短手方向(即ち、前後方向)の室内側縁部に沿って垂下し、ボトムレール8の前側面に沿って底面に設けられた取付部8Mに係止して取着する。つまり、昇降コード6L,6R間にて複数本の昇降コードを垂下するよう構成することが可能であるが、このうち少なくとも1本の昇降コードは室内側縁部に沿って垂下するよう構成する。
このように構成された本実施形態の横型ブラインドでは、図4に示すように、各スラット4の縁部で少なくとも挿通孔4aの一部が遮蔽することで、挿通孔4aからの光漏れを抑制することができるが、より好適には、挿通孔4aの全部が各スラット4の縁部で遮蔽されるように構成する。これにより、当該挿通孔4aからの光漏れを確実に抑制し、外部光に対する遮光性を高めることができる。例えば、図6に示すように、本実施形態におけるスラット4には厚みがあるため、チルト時(全閉時)に挿通孔4aの全部を隠すには、下位のスラット4の上端Aの位置が上位のスラット4の挿通孔4aの上縁Bの位置と水平となる位置か、又はそれ以上の高さとなるように挿通孔4aを形成する。このとき、昇降コード6R(又は6L)は、図6に示すように多少の弛みが生じてもかまわない。
また、挿通孔4aをスラット4の室外側縁部近傍に設けることで、チルト時(全閉時)における遮蔽性を向上させることができる。例えば、図7(a)に示す本実施形態のように、挿通孔4aをスラット4の室外側縁部近傍に設けると、昇降コード6R(又は6L)の垂下が略鉛直方向に向かう場合でも(破線矢印参照)、この昇降コード6R(又は6L)やラダーコード7R(又は7L)はスラット4のチルト動作を阻害しないため、遮蔽性の向上につながる。一方、図7(b)に示すように、挿通孔4aをスラット4の室内側縁部近傍に設けると、昇降コード6R(又は6L)の垂下が略鉛直方向に向かう場合(破線矢印参照)、スラット4のチルト動作を阻害しうるため、その遮蔽性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、挿通孔4aをスラット4の室外側縁部近傍に設けることで、チルト時(全閉時)における遮蔽性を向上させることができる。
このように挿通孔4aをスラット4に設け、図2に示すように複数本の昇降コード6L,6R,6Mを配設することで、単に横糸7a,7bに上乗せられた各スラット4であっても、図6及び図7に示すようにチルト時(全閉時)における遮蔽性を向上させつつ、その横ずれ(図8(a)参照)やねじれ(図8(b)参照)を抑制できるようになる。
そして、横ずれやねじれを抑制しつつ更なる組立性の改善のために、図5に示すように、複数段のスラット4に対して、昇降コード6L(又は6R)を所定段置き(図示する例では5段置き)に各横糸7a,7bに対して編み込むよう構成するのが好適である。また、昇降コード6L,6Rの各横糸7a,7bに対する編み込みは、スラット4毎に、その長手方向の中央部を基点として、互いに対称となるように編み込むのが好適である。例えば、図5に示すように、或るスラット4について、昇降コード6L,6Rは、対応する横糸7a,7bに対して当該中央部側に挿通する。別のスラット4については、昇降コード6L,6Rは、対応する横糸7a,7bに対して当該中央部とは逆の外縁部側に挿通する。このように、昇降コード6L,6Rの各横糸7a,7bに対する編み込みをスラット4毎に互いに対称とすることで、各スラット4の横ずれ・ねじれを抑制することができる。
昇降コード6Mについては、同様に、複数段のスラット4に対して所定段置き(図示する例では5段置き)に各横糸7a,7bに対して編み込むよう構成することができるが、美観の観点から各横糸7a,7b間に挿通するのが好ましい(図2参照)。或いは、連続する上下段のスラット4間で、各横糸7a,7b間に編み込んで挿通する際に、上側スラット4では横糸7aの右側且つ横糸7bの左側に昇降コード6Mを挿通し、下側スラット4では横糸7aの左側且つ横糸7bの右側に昇降コード6Mを挿通して、編み込む態様とすることもできる(図示せず)。
このように、少なくとも昇降コード6L,6Rを所定段置きに各横糸7a,7bに対して編み込むよう構成することで、各スラット4の横ずれやねじれを抑制しつつ組立性を更に改善することができる。
また、ボトムレール8の上面に、複数本の昇降コード6L,6Rの垂下位置に応じてそれぞれ貫通部8L,8Rを設けるようにしたため、複数本の昇降コード6L,6Rを略鉛直方向に垂下させることができる。これにより、各スラット4の昇降動作やチルト動作を円滑化させることができる。
以上のように、本実施形態の横型ブラインドは、各スラット4の短手方向(即ち、前後方向)に互いに対向する一対のラダーコード7L,7M,7Rが、ヘッドボックス1の長手方向における複数個所に配設して吊下され、複数本の昇降コード6L,6M,6Rが各一対のラダーコード7L,7M,7Rの近傍位置でヘッドボックス1から垂下され、少なくとも2本の昇降コード、好適には各スラット4の長手方向(即ち、左右方向)の両端部から最近位置にてヘッドボックス1から垂下される昇降コード6L,6Rについては、各スラットの短手方向の一縁部(室外側縁部)近傍に設けられた当該短手方向に延びる長孔状の挿通孔4aに挿通して垂下し、当該昇降コード6L,6R以外の昇降コードのうち少なくとも1本(即ち、本例では昇降コード6M)は、各スラット4の他縁部(室内側縁部)に沿って垂下するよう構成した。
これにより、スラット4の遮蔽時の光漏れを抑制することができる。そして、当該長孔状の挿通孔4aを、各スラット4が遮蔽状態となるようチルトされる際に、各スラット4の縁部で少なくとも該挿通孔4aの一部が遮蔽される位置に形成することで、よりスラット4の遮蔽時の光漏れを抑制することができる。より好適には、各スラット4が遮蔽状態となるようチルトされる際に、各スラット4の縁部で少なくとも該挿通孔4aの全部が遮蔽される位置に形成し、或いはまた、長孔状の挿通孔4aの短径Dは、当該挿通する昇降コード6L(又は6R)の断面径dと略同一に形成することでより一層、当該光漏れを抑制することができる。
また、本実施形態の横型ブラインドは、スラット4として、平板状の硬質材料で構成し、各一対のラダーコード7L,7M,7R間に所定間隔で接続される横糸7a,7b上にスラット4が載置されるよう構成した。これにより、このような硬質材料からなる平板状のスラット4を利用する際における組立性を改善することができる。
また、昇降コード6L,6Rについては、複数のスラット4の所定段おきに当該横糸7a,7bに対して編み込むよう垂下するのが好適である。これにより、組立性を更に改善することができる。
また、本実施形態の横型ブラインドは、挿通孔4aをスラット4の短手方向(即ち、前後方向)に延びる長孔状としたため、特に硬質材料の平板状のスラット4を単に横糸7a,7b上に載置するよう構成した際には、一対のラダーコード7L,7Rを横ずれ及びねじれ抑制作用に利用するためにチルト動作の影響を受けやすくなりうるところ、当該スラット4のチルト動作を円滑化するとともに、ボトムレール8の吊下に係る鉛直方向へと負担なく張設させることができる。そして、本実施形態の横型ブラインドは、ヘッドボックス1から垂下される昇降コード6L,6Rを当該複数のスラット4より下方に設置したボトムレール8の上面にて取着されるよう構成した。これにより、各スラット4の昇降動作やチルト動作を円滑化させることができる。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、X字状に交差する横糸7a,7bを例示して説明したが、横糸7a,7bが交差せずに平行であってもよく、1本の横糸としてもよい。
また、昇降コード6L,6R間にて2以上の昇降コードを垂下するよう構成することができ、このうち少なくとも1本の昇降コードは室内側縁部に沿って垂下するよう構成すればよい。
〔第2実施形態〕
次に、図9乃至図12を参照して、本発明による第2実施形態の横型ブラインドについて説明する。図9は、本発明による第2実施形態の横型ブラインドの概略構成を示す斜視図である。また、図10(a),(b)は、本発明による第2実施形態の横型ブラインドにおける実施例1の板状部材40の組み付け方法を説明する側面断面図である。図12(a),(b)は、本発明による第2実施形態の横型ブラインドにおける実施例3の板状部材40の組み付け方法を説明する側面断面図である。
図9に示すように、第2実施形態の横型ブラインドは、ヘッドボックス1の形態を除き、第1実施形態の横型ブラインドと同様に構成することができる。したがって、同様な構成要素には同一の参照番号を付しており、その更なる詳細な説明は省略する。
即ち、例えば木製等の硬質材料からなる平板状のスラット4を利用する際に、そのスラット4の意匠性を生かすべく、ヘッドボックス1の前面に当該スラット4と同質の板状部材40を設置したいとする要望がある。このような要望を満たすため、当該スラット4と同質の板状部材40をヘッドボックス1の前面に貼付することが考えられるが、別手段によりその作業性を改善することが望ましい。
そこで、第2実施形態の横型ブラインドでは、スラット4と同質の板状部材40をヘッドボックス1の前面に着脱可能に係合設置できるようにしている。尚、この板状部材40は、スラット4自体を利用することができる。また、図9に示す例では、ヘッドボックス1の前面から板状部材40の切欠き40aを経て操作コード5を垂下するよう構成している。
特に、板状部材40は、ヘッドボックス1の前面に設けられた溝部1bへと嵌合又は落とし込みにより係合設置するよう構成することができる。
(実施例1)
図10は、嵌合により板状部材40をヘッドボックス1の前面に係合設置する実施例1の板状部材40の組み付け方法を示している。ヘッドボックス1の前面に設けられた溝部1bは、図10(a),(b)に示すように、ヘッドボックス1の本体部の上面側及び底面側からそれぞれ前面へと延びるそれぞれ爪状の上側突起片11及び下側突起片12により形成され、まず、板状部材40の短手方向の下辺部を下側突起片12に係合させ(図10(a)参照)、その後、板状部材40の短手方向の上辺部を上側突起片11に対して押圧してヘッドボックス1の溝部1bへと板状部材40を嵌合させる(図10(b)参照)。組み付け後には容易には外れないように嵌合することになるが、貼付しないことから取り外しも可能である。このように、室内側から、即ち横型ブラインドの正面から板状部材40をヘッドボックス1の前面に組み付けることができるので、その作業性が容易になる。また、この板状部材40として、スラット4自体を利用することで、その意匠性をより向上させることができる。
(実施例2)
図11は、実施例1の変形例として、嵌合により板状部材40をヘッドボックス1の前面に係合設置する実施例2の板状部材40の組み付け方法を示している。ヘッドボックス1内には、前述した図示しない巻取軸等を支持する支持部材15が配設されており、この支持部材15をその室内側頂部から前面に向けて突出する爪状の上側突起片15aを有するように形成する。そして、図11(a),(b)に示すように、ヘッドボックス1には、当該上側突起片15aを露出可能な開口部1cを設けておき、ヘッドボックス1の上部開口から当該支持部材15を弾性変形させて開口部1cから当該上側突起片15aが露出するよう設置する。このように上側突起片15aを有する支持部材15がヘッドボックス1内に設置されると、ヘッドボックス1の前面に設けられた溝部1bは、この上側突起片15aと、ヘッドボックス1の底面側から前面へと延びる爪状の下側突起片12とにより形成され、まず、板状部材40の短手方向の下辺部を下側突起片12に係合させ(図11(a)参照)、その後、板状部材40の短手方向の上辺部を上側突起片11に対して押圧してヘッドボックス1の溝部1bへと板状部材40を嵌合させることができる(図11(b)参照)。このように、室内側から、即ち横型ブラインドの正面から板状部材40をヘッドボックス1の前面に組み付けることができるので、その作業性が容易になる。また、この板状部材40として、スラット4自体を利用することで、その意匠性をより向上させることができる。
(実施例3)
図12は、落とし込みにより板状部材40をヘッドボックス1の前面に係合設置する実施例3の板状部材40の組み付け方法を示している。ヘッドボックス1の前面に設けられた溝部1bは、図12(a),(b)に示すように、ヘッドボックス1の本体部の上面側及び底面側からそれぞれ前面へと延びるそれぞれ爪状の上側突起片13及び下側突起片12により形成され、まず、板状部材40の短手方向の上辺部を上側突起片13により形成される溝部1bの上部に挿入し(図12(a)参照)、その後、板状部材40の短手方向の下辺部を、下側突起片12により形成される溝部1bの下部に落とし込む(図12(b)参照)。この場合、組み付け後にも容易に外すことができ、貼付しないことから取り外しも可能である。このように、本実施例においても、室内側から、即ち横型ブラインドの正面から板状部材40をヘッドボックス1の前面に組み付けることができるので、その作業性が容易になる。また、この板状部材40として、スラット4自体を利用することで、その意匠性がより向上する。
以上のように、本実施形態の横型ブラインドは、第1実施形態の作用・効果を全て包含しつつ、ヘッドボックス1を含む全体の意匠性を向上させることができる。特に、貼付することなく、横型ブラインドの正面から板状部材40をヘッドボックス1の前面に組み付けることができるので、その作業性が容易になる。また、着脱可能とすることで、例えば板状部材40の変更・取り換えも容易に行うことができる。そして、板状部材40として、スラット4自体を利用することで、その意匠性をより向上させることができ、更にはそのコストの増大を防止することもできる。
尚、本発明は図9に示す実施形態の例に限定されるものではなく、他の形態の横型ブラインドに適用してもよいし、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、ヘッドボックス1の前面から操作コード5を垂下するよう構成せずともよく、ヘッドボックス1の左右端部側から垂下してもよいし、ヘッドボックス1の底面から垂下するよう構成すればよい。
また、上述した各実施形態の横型ブラインドにおいて、操作コード5による操作とする代わりに、外部スイッチ等からの操作により電動で動作するよう構成してもよい。
〔第3実施形態〕
次に、図13乃至図22を参照して、本発明による第3実施形態の横型ブラインドについて説明する。本実施形態では、以下に説明するように、木製の平板状のスラットに限らずアルミニウム製の僅かに湾曲した薄板状のスラットを用いる場合にも、実用上の観点から光漏れの影響を軽減させることができるよう構成される。
図13は、本発明による第3実施形態の横型ブラインド100の概略構成を示す正面図である。図13に示すように、本実施形態の横型ブラインド100は、ヘッドボックス1の長手方向における左端部側、中央部側、及び右端部側からそれぞれ吊下されるラダーコード7L,7M,7Rを介して多数段のスラット4が支持される。各ラダーコード7L,7M,7Rの下端にボトムレール8が吊下支持されている。また、それぞれのラダーコード7L,7M,7Rに併設して複数本の昇降コード6L,6M,6Rがヘッドボックス1から垂下され、その昇降コード6L,6M,6Rの下端にボトムレール8が取着されている。
尚、ヘッドボックス1の長手方向における左端部側及び右端部側からそれぞれ垂下される昇降コード6R,6Lは、図14(a)に示すようにスラット4の前後方向の略中央部に設けられた挿通孔4aに挿通されて、昇降コード6L,6Rの各下端がボトムレール8に取着される。ここで、本実施形態においては、昇降コード6R,6Lをそれぞれ挿通する挿通孔4aは各スラット4の前後方向に延びる長孔状に形成され、例えば昇降コード6Rを挿通する挿通孔4aは、スラット4のチルト状態でスラット4の重なる領域の一部に重なる長さ(図15(a)参照)であってもよいし、スラット4のチルト状態でスラット4の重なる領域の一部に重なる長さ(図15(b)参照)であってもよく、即ち挿通孔4aの長さはスラット角度の可動範囲として用途に応じた長さとすればよい。
一方、ヘッドボックス1の長手方向における中央部側から垂下される昇降コード6Mは、図14(b)に示すように、スラット4の前後方向の2本配置で一対の垂下となる昇降コード6M‐1,6M‐2で構成されている。この前後2本配置で垂下する昇降コード6M‐1,6M‐2は、スラット4の前後方向の縁部に沿って、ラダーコード7Mの縦糸に設けられたピコと称されるリング状の係合部材27に挿通され、ボトムレール8をループ状に支持するよう構成されている。前後2本配置で垂下する昇降コード6M‐1,6M‐2は、ループ状とせずにボトムレール8に取着する構成とすることもできるが、このようにループ状とすることで、前後2本配置の昇降コード6M‐1,6M‐2の相対的な長さ調整が不要となる。即ち、昇降コード6M‐1,6M‐2のいずれか一方の長さ調整を行うことで他方の長さも調整されるようになり、その長さ調整が容易となることから組立性が向上するという利点がある。
また、このような前後2本配置の昇降コード6M‐1,6M‐2よりなる昇降コード6Mを構成することで、3本以上の昇降コードが、各スラット4又はボトムレール8の重心位置を維持するよう配設することができ、その詳細は後述するが、ボトムレール8やスラット4の昇降動作を安定化させることができる。
多数段のスラット4の角度を調整する機構や、多数段のスラット4を昇降させる機構、並びに、これらの機構を操作する操作手段は様々な既知の形態で実現することができるが、ここではコードイコライザー21及び操作棒22により操作可能とする例を説明する。
図13に示すように、ヘッドボックス1内にはラダーコード7L,7M,7Rをそれぞれ吊下支持するチルトドラム25が配設され、このチルトドラム25には六角棒状のチルト軸26が挿通されている。このチルトドラム25は、ヘッドボックス1内で回転可能に支持され、このチルトドラム25に当該チルト軸26が相対回転不能に挿通されている。したがって、このチルト軸26が回転すると、当該チルトドラム25が回転し、ラダーコード7L,7M,7Rにより吊下支持された多数段のスラット4の角度が調整されるようになっている。
そして、本例ではヘッドボックス1の右端近傍に設けられた操作部24に、操作棒22が吊下支持されている。操作棒22を回転操作すると、ヘッドボックス1内に配設されるギヤ機構を介してチルト軸26が回転される。したがって、操作棒22の回転操作により、各スラット4の角度調節が可能となっている。
ボトムレール8にそれぞれ一端が取着された複数本の昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2の各他端は、図16に示すように、ヘッドボックス1の内部で案内されて、そのヘッドボックス1内に設けられたコードストッパー装置28を介し操作部24として設けられたコード導出口から外部に導出される。そして、ヘッドボックス1の外部に導出される複数本の昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2の各他端は、その操作部24に吊下支持される筒状の操作棒22の内部に挿通されて、コードイコライザー21に連結し固定される。
図示する例では、筒状の操作棒22の下端側にグリップ22aが取着され、操作者はこのグリップ22aを把持して操作棒22の回転操作が可能となっている。そして、昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2は、操作棒22からグリップ22aを経て下方に垂下され、その下端にコードイコライザー21が取着されている。
したがって、図17(a)に示すように、例えばコードイコライザー21を下方へ引いて、ヘッドボックス1から昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2を引き出すことにより、ボトムレール8を引き上げて、スラット4を引き上げ可能である。また、昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2の引出し操作を停止すれば、コードストッパー装置28が作動して、ボトムレール8及びスラット4の自重による下降が阻止されて、スラット4が所望位置に吊下支持される。尚、操作棒22には、引き出された昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2が邪魔にならないよう引掛けることが可能なコードフック23が二箇所に設けられている。
コードストッパー装置28は、ヘッドボックス1から昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2を引き出した後に手放したとき、昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2のヘッドボックス1への引き込みを阻止してボトムレール8及びスラット4の自重降下を防止するロック状態となる。また、この状態から昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2を僅かに引き出せば、ロック状態を解除して昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2をヘッドボックス1内に引き込ませて、ボトムレール8及びスラット4の下降操作を可能とする構成となっている。
ボトムレール8及びスラット4を所望高さまで引き上げた後、コードイコライザー21を手放すと、コードストッパー装置28が作動して、ボトムレール8の自重降下が阻止される。ボトムレール8及びスラット4を下降させるときには、コードイコライザー21をわずかに下方へ引いてコードストッパー装置28の作動を解除した状態でコードイコライザー21を手放す。すると、ボトムレール8及びスラット4の重量により、操作棒22内を経て垂下される昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2がヘッドボックス1内に引き込まれ、ボトムレール8が自重降下するとともに、コードイコライザー21が引き上げられる。そして、ボトムレール8が下限まで下降すると、図17(b)に示すように、コードイコライザー21が操作棒22の下端、即ちグリップ22aの下端のキャップ22bに当接するか、近接した位置に到達する。
尚、昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2が操作棒22内に引き込まれて、図17(b)に示すように、コードイコライザー21が操作棒22の下端、即ちグリップ22aの下端のキャップ22bに当接するか又は、近接した位置に到達するときボトムレール8が下限に達するように、昇降コード6R,6L,6M‐1,6M‐2の長さが調整されている。
このように構成された第3実施形態の横型ブラインド100は、実用上の観点から光漏れの影響を軽減させることができるように、各スラット4の前後方向に延びる長孔状の挿通孔4aに挿通される昇降コード6R,6Lは、スラット4の長手方向における各端部近傍に垂下され、更に、当該各端部近傍に垂下される昇降コード6R,6L以外の他の昇降コード、即ち昇降コード6M‐1,6M‐2は、各スラット4の前後方向の縁部に沿って垂下されるようになっている。
これにより、本実施形態の横型ブラインド100は、各スラット4のチルトにより遮蔽された状態では、横型ブラインド100を設置面積の大部分を占める領域で当該光漏れの原因となる挿通孔4aが形成されていないため、従来技法よりも遮光性が向上する。
また、本実施形態の横型ブラインド100では、各スラット4の挿通孔4aは、できる限りスラット4の長手方向における各端部近傍に設けられるように構成され、特に、各スラット4の挿通孔4aは、当該スラット4の対応する端部に対しラダーコード7R(又は7L)の横糸長以上で近接する位置に設けられている。このため、通常、横型ブラインド100の設置対象の窓枠等の取付面の存在で、スラット4の長手方向における各端部近傍に設けられる挿通孔4aからの漏れ光の影響も軽減されることが多いことから、設置時の遮光作用が向上する。
また、本実施形態の横型ブラインド100では、操作部24がヘッドボックス1の長手方向の一端部又は両端部近傍に設けられているとき、スラット4の左右方向端部側に最も近接して垂下するよう配設される昇降コード(本例では、6R)は、ヘッドボックス1における操作部24の位置よりも左右方向端部側から垂下するよう支持される(図13参照)。これにより、挿通孔4aによる光漏れの影響を軽減させる昇降コードの配設とすることができる。
また、本実施形態の横型ブラインド100では、ヘッドボックス1における操作部24の位置よりも端部側から垂下される当該昇降コード(本例では、6R)は、他の昇降コードと同一方向からコードストッパー装置28に挿通されるようヘッドボックス1の内部にて案内されている。即ち、図16に示すように、当該端部側から垂下される昇降コード6Rが、ヘッドボックス1の内部にて他方方向(当該端部に対し中央側方向)へ向かい所定位置で転向され、他の昇降コード6L,6M‐1,6M‐2と同一方向に向かうよう案内される。これにより、全ての昇降コードに対し1つのコードストッパー装置28で対応することができ、当該ロック動作を安定化させることができる。
また、本実施形態の横型ブラインド100では、昇降コードの端部が操作部24として構成されるコード導出口から延びる操作棒22の内部を経て導出されてコードイコライザー21に取着され、ボトムレール8の下限位置でコードイコライザー21が操作棒22の下端に当接する状態で昇降コードのコード導出口からの引き出し量を規制することができるため、ラダーコードの横糸がスラット4から外れるのを抑制するようになっている。
したがって、本発明に係る横型ブラインドの形態では、2本の昇降コード6R,6Lで多数段のスラット4を昇降させる構成とする場合も同様に、挿通孔4aをできる限りスラット4の長手方向における各端部近傍に設けるようにし、2本の昇降コード6R,6L以外に更に多数の昇降コードを利用する場合には、当該各スラット4の前後方向の縁部に沿って垂下されるようにする。このため、本発明に係る横型ブラインドの形態では、昇降コードについて、紐状・テープ状を含む任意のものとすることができ、スラット4は、平板状、曲板状のいずれでもよい。また、左右両端側以外に配設される昇降コードは、各スラット4の前後方向の縁部の面、縁部に設けられチルト時には遮光される切欠き、ラダーコードに設けられたピコと称されるリング状の係合部材27のうちいずれか、或いはこれらの組み合わせによって、各スラット4の前後方向の縁部に沿って垂下するよう構成すればよい。
そして、本実施形態では、操作部24を操作棒28の吊下支持とコードイコライザー21による昇降コードの引き出し操作を実現する形態として利用する例を示しているが、昇降コードの引き出しを直接又は間接的に操作可能とする操作コードや、外部スイッチ等からの操作により電動で動作する操作部24とした場合も、操作部24の位置よりも左右方向端部側から垂下する昇降コードとすることで、挿通孔4aによる光漏れの影響を軽減させる昇降コードの配設とすることができる。
上述したように本実施形態の横型ブラインド100を構成することで、実用上の観点から光漏れの影響を軽減させることができる。更に、本実施形態の横型ブラインド100を構成する上で、各スラット4又はボトムレール8の重心位置を維持するよう複数本の昇降コードを配設することで、ボトムレール8やスラット4の昇降動作を安定化させることができる点について以下に説明する。
図13に示す本実施形態の横型ブラインド100では、図18(a)の平面図で示すように、スラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上の孔中心となるよう、それぞれ昇降コード6L,6R用の挿通孔4aがスラット4の左右方向(長手方向)の端部近傍に設けられている。そして、昇降コード6L,6R用の各挿通孔4a間の略中心を通る前後方向(短手方向)に、ラダーコード7Mが配設されて、前後のラダーコード7Mの縦糸上に設けられたリング状の係合部材27に、それぞれ昇降コード6M‐1,6M‐2が挿通されている。更に、昇降コード6Lは、スラット4を支持するラダーコード7Lの横糸4aに対し多数段のスラット4にて主としてスラット4の左右方向端部側寄りに案内されている。同様に、昇降コード6Rは、スラット4を支持するラダーコード7Rの横糸4aに対し多数段のスラット4にて主としてスラット4の左右方向端部側寄りに案内されている。
このように昇降コード6L,6R,6M‐1,6M‐2を配設すると、図18(a)に示す平面視でひし形状となり(図示する2点鎖線)、その重心位置Opはスラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上となる。したがって、ボトムレール8やスラット4の昇降動作時に、バランスよく安定して移動させることができ、その動的美観を向上させることできる。
一方、比較例として示す図18(b)の平面図で示すように、スラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上の孔中心となるよう設けた各挿通孔4aに挿通する昇降コード6L,6Rと、スラット4の前後方向(短手方向)の一縁部に沿ってのみ垂下する昇降コード6M‐1で配設すると、図18(b)に示す平面視で三角形状となり(図示する2点鎖線)、その重心位置Opはスラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上から大きく外れた距離dLの位置となり、ボトムレール8やスラット4の昇降動作時に不安定となり揺らぎながら移動するため、動的美観として好ましくない。したがって、距離dLをできる限り小さくするようスラット4に対する複数本の昇降コードの配設することが好ましく、このためには、前後2本配置の昇降コード6M‐1,6M‐2を含む形態とするのが好適である。
したがって、前後2本配置の昇降コード6M‐1,6M‐2を含む形態の変形例として、例えば図19(a)に示す変形例1のように、リング状の係合部材27を用いてスラット4の前後方向(短手方向)の一縁部に切欠き4bを設けて昇降コード6M‐1,6M‐2を垂下する場合、スラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上から孔中心をずらした各挿通孔4aに挿通する昇降コード6L,6Rとなるよう配設する。これにより、複数本の昇降コードの配設による重心位置Opはスラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上に近づけることができる(距離dLが短い)。そして、複数本の昇降コードの配設がスラット4の平面視でひし形状になることから(図示する2点鎖線)、ボトムレール8やスラット4の昇降動作時に、バランスよく安定して移動させることができ、その動的美観を向上させることできる。
そして、例えば図19(b)に示す変形例2のようにチルト時の遮光性が問題視されない場合(例えば、図15(a)に示す隣接するスラット4の重なり領域が大きい場合等)には、スラット4の前後方向(短手方向)の両縁部に切欠き4bを設けて、昇降コード6M‐1,6M‐2を垂下する形態とすることもでき、その重心位置Opをスラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上により近づけることもできる。尚、リング状の係合部材27を用いずに複数本の昇降コードを配設する場合も同様の効果が得られることは勿論である。
一方、より長尺なスラット4の場合では、例えば図20(a)に示す変形例3のように、スラット4の左右両端側のラダーコード7L,7R間に、多数のラダーコード7Mを配設して、各ラダーコード7L,7R,7Mの横糸7aでスラット4を支持する必要がある。このような場合では、配設する昇降コードの数もスラット4の左右方向へ増大するよう配設する。複数本の昇降コードを左右方向へ増大するよう配設する際には、スラット4の一縁部側に沿ってのみ垂下する昇降コード6M‐1,6M‐2と、スラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上から孔中心をずらした各挿通孔4aに挿通する昇降コード6L,6Rとなるよう配設する。これにより、複数本の昇降コードの配設による重心位置Opはスラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上に近づけることができ(距離dLが短い)、ボトムレール8やスラット4の昇降動作時に、バランスよく安定して移動させることができる。
また、より長尺なスラット4の場合に、図20(b)に示す変形例4のように、スラット4の一縁部側に沿って垂下する昇降コード6M‐1と、その他縁部側に沿って垂下する昇降コード6M‐2,6M‐3と、スラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上から孔中心をずらした各挿通孔4aに挿通する昇降コード6L,6Rとなるよう配設することも有効である。これにより、複数本の昇降コードの配設による重心位置Opをスラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上に更に近づけることができ(距離dLが短い)、ボトムレール8やスラット4の昇降動作時に、バランスよく安定して移動させることができる。
また、より長尺なスラット4の場合に、図20(c)に示す変形例5のように、スラット4の前後2本配列で複数個所に設ける昇降コード6M‐1,6M‐2,6M‐3,6M‐4と、スラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上に孔中心を有する各挿通孔4aに挿通する昇降コード6L,6Rとなるよう配設することで、複数本の昇降コードの配設による重心位置Opを確実に、スラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上とすることができ、ボトムレール8やスラット4の昇降動作時に、バランスよく安定して移動させることができる。
尚、挿通孔4aに挿通する昇降コード6L,6Rをより長尺なスラット4の場合にもそれぞれ1本ずつとして限定する必要はないが、上述した光漏れの観点から挿通孔4aに挿通する昇降コードは、スラット4の左右方向の端部近傍に設ける1本ずつとするのが好適である。
以上のように、各スラット4又はボトムレール8の重心位置を維持するよう3本以上の昇降コードを配設することで、ボトムレール8やスラット4の昇降動作を安定化させることができる。
次に、本実施形態の横型ブラインド100を構成する上で、より確実にスラット4の左右両端部からラダーコードの横糸7aが外れにくくすることを考慮した構成について説明する。本実施形態の横型ブラインド100では、挿通孔4aができる限りスラット4の長手方向における各端部近傍に設けられるように構成されるため、スラット4の左右両端部からラダーコードの横糸7aが外れやすくなるおそれがある。そこで、本実施形態の横型ブラインド100では、ボトムレール8の下限位置でコードイコライザー21が操作棒22の下端に当接する状態で昇降コードのコード導出口からの引き出し量を規制することができる。これは、ラダーコードの横糸7aがスラット4から外れるのを抑制する効果があるが、他の操作部の形態や、より確実にスラット4の左右両端部からラダーコードの横糸7aが外れにくくするのを考慮すると、以下のような形態とするのがより好ましい。
まず、上述したように、各スラット4の挿通孔4aは、当該スラット4の対応する端部に対しラダーコード7R(又は7L)の横糸長以上で近接する位置に設けるのが好適である。
更に、図18(a)を参照して説明したように、スラット4の左右方向の端部側に最も近接して垂下するよう配設される昇降コード6R(又は6L)は、当該挿通孔4aを経て、各スラット4をそれぞれ支持する当該ラダーコード7R(又は7L)の横糸7aに対し主としてスラット4の左右方向端部側寄りに案内する。尚且つ、図21(a)に示すように、スラット4の所定段おきに当該ラダーコード7R(又は7L)の横糸7aに対しスラット4の左右方向中央部側寄りに案内するよう構成する。図示する例では、昇降コード6Rをラダーコード7Rの横糸7aに対し10段連続してスラット4の左右方向端部側寄りに案内し、1段左右方向中央部側寄りに案内した後、昇降コード6Rをラダーコード7Rの横糸7aに対し連続してスラット4の左右方向端部側寄りに案内するよう編み込む形態としているが、これは単なる例示である。このように昇降コード6Rをラダーコード7Rの横糸7aに対し主としてスラット4の左右方向端部側寄りに案内することで、スラット4の右端部からラダーコードの横糸7aが外れにくくなる。更に、編み込む形態とすることで、ラダーコード7Lの縦糸の垂下が昇降コード6Rの垂下に倣うようになり、これに付随してラダーコード7Lの横糸7aがスラット4の右端部からより外れにくくなる。
また、図21(b)に示すように、スラット4の左右方向の端部側に最も近接して垂下するよう配設される昇降コード6R(又は6L)に関して、昇降コード6R(又は6L)が当該挿通孔4aの一縁側に位置する状態(図示A)のスラット4の平面視で、スラット4の前後方向一縁部(図示B)と昇降コード6R(又は6L)の位置とを最短で結ぶ第1線分、及び、昇降コード6R(又は6L)とスラット4の前後方向他縁部に連なり当該端部側のスラット4の角部(図示B)とを結ぶ第2線分の和よりなる線長が、近接するラダーコード7R(又は7L)の横糸7aの長さより大きい位置に当該挿通孔4aを形成する。これにより、スラット4の右端部からラダーコードの横糸7aが外れにくくなる条件が満たされる。尚、スラット4の角部が所定の曲率半径の丸みを持つ場合には、その角部に向かう長さが最長となる線分を第2線分とすればよい。
このような条件が満たされるとき、図22に示すように、多数段のスラット4が吊下支持された状態では、ラダーコード7Rが白抜き矢印方向に力が加わる場合でもスラット4の右端部からラダーコードの横糸7aが外れることがほぼ無い状態となる。
そして、このようにスラット4の右端部からラダーコードの横糸7aが外れることが抑制された範囲内で、各スラット4の挿通孔4aをできる限りスラット4の長手方向における各端部近傍位置に設けるように構成することで、実用上の観点から設置時の遮光作用が大きく向上するようになる。特に、図21(b)に示す例では、挿通孔4aに対し最近位置の当該ラダーコード7Rにおける横糸7aの長さ(横糸長)と、その挿通孔4aの孔中心の位置と当該スラット4の対応する左右方向の端部との間の距離に相当するスラット突き出し長Dsとの関係として、
0.9≦(横糸7aの横糸長/スラット突き出し長Ds)≦1.0
とすることで、上記条件を満たしてスラット4の右端部からラダーコードの横糸7aが外れるのを抑制し、尚且つ各スラット4の挿通孔4aの位置をできる限りスラット4の長手方向における各端部近傍に配置することができる。
〔第4実施形態〕
第3実施形態にて上述した例では、主に、図13に示すコードイコライザー21及び操作棒22によるスラット4のチルト操作及び昇降操作を実現する例を示したが、例えば、ヘッドボックス1内にラダーコード7L,7M,7R及び昇降コード6L,6M,6Rをそれぞれ吊下支持する支持部材50L,50M,50Rを配設した構成で、各スラット4の挿通孔4aをできる限りスラット4の長手方向における各端部近傍に設けた構成とすることで光漏れの実用的な抑制効果を高めることができる。図23は、本発明による第4実施形態の横型ブラインドを例示する図である。第4実施形態では、支持部材50L,50M,50Rには、例えば四角棒状の駆動軸51が挿通されている。
このような支持部材50L,50M,50Rにはチルトドラム(図示せず)が回転可能に支持され、このチルトドラムに当該駆動軸51が相対回転不能に挿通されている。したがって、この駆動軸51が回転されると、当該チルトドラムが回転し、ラダーコード7L,7M,7Rにより吊下支持された多数段のスラット4の角度が調整されるようになっている。また、昇降コード6L,6M,6Rをヘッドボックス1内への引き込み又はヘッドボックス1からの引き出し可能にするために、当該支持部材50L,50M,50Rには、当該駆動軸51に対して相対回転不能に取着される巻取軸52が設けられている(図示せず)。
このため、この駆動軸51が回転されると、当該チルトドラムが回転し、ラダーコード7L,7M,7Rにより吊下支持された多数段のスラット4の角度が水平方向に対して略垂直方向にチルトされた後、当該巻取軸52による昇降コード6L,6M,6Rの巻取り、又は巻戻しが行われ、ボトムレール8を昇降させることによりスラット4を昇降させることができる。尚、図示を省略するが、チルト操作及び昇降操作を実現するため、操作コードや、外部スイッチ等からの操作により電動で動作するよう構成することができる。
図23に示す横型ブラインドのスラット4に対するラダーコード7L,7M,7R及び昇降コード6L,6M,6Rの配設は、図24(a)に示すようになっている。図24(a)に示す例のように、複数本の昇降コードの配設が平面視で三角形状となる場合でも(図示する2点鎖線)、スラット4の前後方向の一縁部側の切欠き4bに沿って垂下する昇降コード6Mと、スラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上から孔中心をずらした各挿通孔4aに挿通する昇降コード6L,6Rとすることで、複数本の昇降コードの配設による重心位置Opをスラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上に更に近づけることができ(距離dLが短い)、ボトムレール8やスラット4の昇降動作時に、バランスよく安定して移動させることができる。
また、図24(b)には昇降コード6R(6L)用の支持部材50R(50L)の部分的な側面図を例示しており、図24(c)には昇降コード6M用の支持部材50Mの部分的な側面図を例示している。昇降コード6L,6M,6Rをヘッドボックス1内への引き込み又はヘッドボックス1からの引き出し可能にするために、当該支持部材50L,50M,50Rには、当該駆動軸51に対して相対回転不能に取着される巻取軸52が設けられている。したがって、この駆動軸51が回転されると、当該チルトドラムが回転し、ラダーコード7L,7M,7Rにより吊下支持された多数段のスラット4の角度が水平方向に対して略垂直方向にチルトされた後、当該巻取軸51による昇降コード6L,6M,6Rの巻取り、又は巻戻しが行われ、ボトムレール8を昇降させることによりスラット4を昇降させることができる。
特に、図24(a)に示すような切欠き4bを全てのスラット4に対して設ける構成とすることもできるが、光漏れの軽減効果を図りつつ滑らかな垂下を実現するために、最上段から所定枚数のスラット4に対してのみ切欠き4bを設けることや、図24(c)に示すように最上段のスラット4に対してのみ切欠き4bを設けることで、昇降コード6Mは急角度でスラット4に接することなく滑らかに下方のスラット4に沿うよう垂下させることができ、これによりスラット4の昇降動作時の昇降コードとの摩擦を抑制することができる。
また、特にボトムレール8の前後幅がスラット4の前後幅に対して小さい場合などでは、図24(d)に示すように、ボトムレール8の直近上位のスラット4に対し図24(a)に示すような切欠き4bを設けることで滑らかな垂下となり、これによりスラット4の昇降動作時の摩擦を抑制することができる。
〔第5実施形態〕
第4実施形態にて上述した例では、主に、紐状又はテープ状の昇降コード6L,6M,6Rを意図して説明したが、特に、テープ状の昇降コード6L,6M,6Rで構成した場合には、そのテープ面が左右方向となるよう垂下する構成とし各スラット4の挿通孔4aをできる限りスラット4の長手方向における各端部近傍に設けることで、光漏れの実用的な抑制と、採光性を高めることができる。図25(a)は、本発明による第5実施形態の横型ブラインドにおける支持部材50L,50M,50Rの巻取軸52を簡略図示した図であり、図25(b)には、対応するスラット形状を例示している。支持部材50L,50M,50Rには、図25(a)にて簡略図示しているが例えば四角棒状の駆動軸51が挿通されている。このような支持部材50L,50M,50Rにはチルトドラム(図示せず)が回転可能に支持され、このチルトドラムに当該駆動軸51が相対回転不能に挿通されている。
したがって、この駆動軸51が回転されると、当該チルトドラムが回転し、ラダーコード7L,7M,7Rにより吊下支持された多数段のスラット4の角度が調整されるようになっている。また、昇降コード6L,6M,6Rをヘッドボックス1内への引き込み又はヘッドボックス1からの引き出し可能にするために、当該支持部材50L,50M,50Rには、当該駆動軸51に対して相対回転不能に取着される巻取軸52が設けられている(図示せず)。このため、この駆動軸51が回転されると、当該チルトドラムが回転し、ラダーコード7L,7M,7Rにより吊下支持された多数段のスラット4の角度が水平方向に対して略垂直方向にチルトされた後、当該巻取軸52による昇降コード6L,6M,6Rの巻取り、又は巻戻しが行われ、ボトムレール8を昇降させることによりスラット4を昇降させることができる。尚、図示を省略するが、チルト操作及び昇降操作を実現するため、操作コードや、外部スイッチ等からの操作により電動で動作するよう構成することができる。
テープ状の昇降コード6L,6M,6Rで構成した場合に、そのテープ面が左右方向となるよう垂下するために、駆動軸51の回転方向に対して90度転向させる回転変換ギヤを設けた支持部材50L,50M,50Rとすることもできるが、図25(a)に示すように、例えば昇降コード6L,6Rのテープ面を略90度回転させてスラット4に向けて垂下するよう転向する丸軸状の転向機構54,55をヘッドボックス1に設けるのが好適である(支持部材50L,50Rに設ける場合を含む)。このような略90度回転方向を転向させる転向機構としては様々な形態が考えられるため、ここでは典型的な例を示している。
これにより、駆動軸51の回転方向により、全ての昇降コードを一軸回転で巻取り可能とするようそれぞれの巻取軸52を配設することができ、少なくともスラット4の長手方向における各端部近傍に垂下される昇降コード6L,6Rについては、そのテープ面を略90度回転させてスラット4に向けて垂下するよう転向させることができる。
この場合のスラット4に対して、図25(b)に示すように、ラダーコード7Mの縦糸に設けられたリング状の係合部材27に挿通されてスラット4の前後方向の一縁部側に沿って垂下するテープ状の昇降コード6Mと、スラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上の孔中心を有する各挿通孔4aに挿通するテープ状の昇降コード6L,6Rを配設することができる。スラット4の各挿通孔4aに挿通するテープ状の昇降コード6L,6Rは、そのテープ面が左右方向となるために、図25(b)に示す複数本の昇降コードの配設であっても、その重心位置Opをスラット4の長手方向に延びる中心軸(図示する1点鎖線)上に近づけることが容易となり、ボトムレール8やスラット4の昇降動作時に、バランスよく安定して移動させることができる。
また、テープ状の昇降コード6Mのテープ面についても積極的に左右方向に向くよう、図26(a)に示すように、切欠き4bを少なくとも最上段のスラット4に設けた構成とすることができる。また、昇降コード6R,6Lの転向機構と同様に、昇降コード6Mのテープ面を略90度回転させる転向機構を設けてもよい。
このようにテープ状の昇降コード6R,6Lのテープ面や、好適には昇降コード6Mのテープ面について左右方向に向くよう垂下する構成では、ボトムレール8やスラット4の昇降動作時に、バランスよく安定して移動させることができるとともに、図26(b)に示すように採光性が高まるようになる。
〔第6実施形態〕
第3乃至第5実施形態にて上述した例では、主に、各スラット4の挿通孔4aをできる限りスラット4の長手方向における各端部近傍に設けることで光漏れの実用的な抑制を図る例を説明したが、例えば窓枠等に横型ブラインドを設置する際には、この挿通孔4aを隠すのに適したガイドレールを窓に設置するのが有効である。図27(a)は、本発明による第6実施形態の横型ブラインド100を簡略図示した正面図であり、図27(b),(c)には、対応するガイドレール形状を例示している。
図27(a)に示すように、窓枠Wには、第3実施形態の横型ブラインド100が設置され左右両側にガイドレール80が設けられている。ガイドレール80は、スラット4と窓枠との隙間からの光漏れ防止機能を有し、少なくとも遮蔽面に対し垂直且つ水平の日射に対しスラット4の当該挿通孔4aからの直射光を遮光するよう実板面を備えるように設置されている。ガイドレール80の形状は、図27(b)の部分的な平面図で示すように、例えば室内側又は室外側に長さLbで遮光する遮光片と、窓枠Wに設置するための設置片よりなる断面くの字状の板状部材で構成することができる。このようなガイドレール80は、風等の影響でスラット4がバタつくのを抑制することもでき、図27(c)に示すように、断面コの字状の板状部材で構成することができる。長さLbは、スラット4の挿通孔4aを隠すのに十分な長さがあればよい。遮蔽面と取付面とをヒンジ状に水平方向に相対回転可能に接続し、取付面に対し遮蔽面を回転させ折りたたみ可能としたガイドレールとしてもよい。したがって、本発明に係るガイドレール80は、第3乃至第5実施形態の横型ブラインドにおける多数段のスラット4の当該挿通孔4aからの光漏れを遮光する位置に設置可能に構成することができ、このガイドレール80が設置されている窓であれば、第3乃至第5実施形態の横型ブラインドにおける当該光漏れの影響をより確実に抑制することができる。
〔第7実施形態〕
第1乃至第6実施形態にて上述した例では、主に、各スラット4の挿通孔4aをできる限りスラット4の長手方向における各端部近傍に設けることで光漏れの実用的な抑制を図る横型ブラインドを説明したが、これらの横型ブラインドを内蔵するガラスサッシとして構成し、当該ガラスサッシの縦枠が第3乃至第5実施形態の横型ブラインドのスラット4における当該挿通孔4aからの光漏れを遮光する位置に形成したものとすることができる。図28(a)は、本発明による第6実施形態の横型ブラインド100を内蔵したガラスサッシ200を簡略図示した正面図であり、図28(b)は、簡略図示したその断面平面図である。
本実施形態のガラスサッシ200は、二重ガラスの内部に横型ブラインド100を内蔵しており、断熱、遮音、遮光性能に優れている。ガラスサッシ200の構造は、第1ガラス203の周縁をガスケット205で嵌装した第1ガラスフレーム201と、第2ガラス204をガスケット205で嵌装した第2ガラスフレーム202とを結合した構造となっており、その内部には横型ブラインド100を内蔵可能な中空が設けられている。ガラスサッシ200の採光領域の長さLaは、ガスケット205の周縁を嵌装するガスケット205の遮光領域の長さLbで定まることになるが、第1ガラスフレーム201及び第2ガラスフレーム202の縦枠206内に、横型ブラインド100のスラット4における当該挿通孔4aが位置するよう構成することで、確実に挿通孔4aからの光漏れを遮光することができる。
尚、本実施形態のガラスサッシ200は、二重ガラスの内部に横型ブラインド100を内蔵するにあたり、操作棒22及びコードイコライザー21については縦枠206の上部に吊下支持するよう構成されており、図13又は図16に示す各操作コード6L,6R,Mは、横型ブラインド100の操作部24を介して縦枠206の上部に設けられた導出口を経て導出されて、当該操作棒22内部を経てコードイコライザー21に取着される。
以上のように、第3乃至第7実施形態に係る横型ブラインド、ガイドレール、及び横型ブラインドを設置した窓、並びにガラスサッシは、木製の平板状のスラットに限らずアルミニウム製の僅かに湾曲した薄板状のスラットを用いる場合にも、実用上の観点から光漏れの影響を軽減させることができ、好適には、スラット4の昇降動作時のバタツキを抑制することができ、その意匠性を向上させることができる。また、採光性に有利な形態とすることもできる他、スラットに対するラダーコードの保持性も高める形態とすることができる。
以上、本発明は各実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。