JP6726798B2 - アルカリ蓄電池用負極及びその製造方法並びにアルカリ蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ蓄電池用負極及びその製造方法並びにアルカリ蓄電池に関する。
例えば、ハイブリッド自動車や燃料電池自動車等の車載用電源、鉄道用定置電源及び小型電気機器用の電源等には、ニッケル水素電池等のアルカリ蓄電池が広く使用されている。ニッケル水素電池の負極活物質には、水素吸蔵合金が用いられている。
水素吸蔵合金は、水素との親和力が高いA元素群と、水素との親和力が低いB元素群との合金から構成されており、AB5型合金、AB2型合金及びAB型合金等が知られている。例えば、複数の希土類金属を含むミッシュメタル(Mm)と、ニッケル(Ni)との合金であるMmNi5は、ニッケル水素電池用の負極活物質として既に実用化されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1の水素吸蔵合金を用いたアルカリ蓄電池の放電容量は、既に理論容量に近い値に到達している。そのため、特許文献1の水素吸蔵合金を用いる場合、アルカリ蓄電池の放電容量を更に高くすることは難しい。
アルカリ蓄電池の放電容量を更に高くするためには、より水素吸蔵量の高い水素吸蔵合金を負極活物質として使用する必要がある。このような水素吸蔵合金として、AB型の組成を有するZrNi合金がある(非特許文献1)。ZrNi合金の水素吸蔵量は、MmNi5合金よりも60%程度高い。そのため、ZrNi合金を負極活物質として使用することにより、アルカリ蓄電池の理論容量をより高くし、ひいてはエネルギー密度をより高くすることが期待できる。
しかし、ZrNi合金は、吸蔵した水素と反応することにより、ZrNiH3やZrNiHなどの水素化物を生成する。これらの水素化物は化学的な安定性が高いため、水素化物から水素を脱離させることが難しい。それ故、ZrNi合金を負極活物質として使用する場合には、充放電サイクルを繰り返すと水素吸蔵量が急激に低下し、放電容量の低下を招くという問題があった。
そこで、ZrNi合金からの水素の放出を促進させるために、Zrの一部をTiで置換するとともに、Niの一部をV(バナジウム)で置換した4元系の水素吸蔵合金(特許文献2)が提案されている。
特開2008−210809号公報 特開平5−239574号公報
Dantzer P, Millet P, Flanagan TB. Thermodynamic Characterization of Hydride Phase Gas Growth in ZrNi-H2. Metall Mater Trans A. 2001;32A:29-38
非特許文献1や特許文献2に記載された水素吸蔵合金は、充放電サイクルの初回においては放電容量が低く、サイクルが進むにつれて徐々に高くなるという特性を有している。しかし、実用的には、充放電サイクルの初回から高い放電容量を有し、かつ、充放電を繰り返した際に、高い放電容量を長期間に亘って維持することのできる水素吸蔵合金が望まれている。
また、特許文献2の水素吸蔵合金は、産出地域の偏在性が高いVを含有しているため、社会情勢等の変化に応じて価格が変動し易い。そのため、特許文献2の水素吸蔵合金は、原料コストの変動が比較的大きいという問題がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、価格の安定性に優れ、充放電サイクルの初回から高い放電容量を有し、高い放電容量を長期間に亘って維持することができるアルカリ蓄電池用負極及びその製造方法並びにこの負極を有するアルカリ蓄電池を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、導体からなる集電体と、結着剤と、該結着剤を介して上記集電体に保持された粉末状の活物質とを有するアルカリ蓄電池用負極であって、
上記活物質は、
組成がZrATixNbyNiz(但し、0.20≦x≦0.50、0<y≦0.0525、0.95≦z≦1.05であり、Aは1−x−yまたは2−x−y−zのいずれかである。)である水素吸蔵合金から構成されているコア部と、
Niの水酸化物を含有し、上記コア部の表面に存在する表面層とを有しており、
該表面層中に含まれるZr、Ti及びNiの量が下記式(1)を満たしている、アルカリ蓄電池用負極にある。
[Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])>1.0 ・・・(1)
(但し、上記式(1)中、[X]は元素Xの量を原子%で表した値である。)
本発明の他の態様は、上記の態様のアルカリ蓄電池用負極を有するアルカリ蓄電池にある。
本発明の更に他の態様は、組成がZrATixNbyNiz(但し、0.20≦x≦0.50、0<y≦0.0525、0.95≦z≦1.05であり、Aは1−x−yまたは2−x−y−zのいずれかである。)である水素吸蔵合金の鋳塊を準備し、
上記鋳塊を粉砕して粉末状の活物質を作製し、
導体からなる集電体に、結着剤を介して上記活物質を保持させることにより電極部材を作製し、
強アルカリ水溶液中で煮沸する活性化処理を上記電極部材に施すことにより、上記活物質の表面にNiの水酸化物を含む表面層を形成する、アルカリ蓄電池用負極の製造方法にある。
上記アルカリ蓄電池用負極(以下、適宜「負極」ということがある。)は、上記集電体と、上記集電体に保持された粉末状の上記活物質とを有している。上記活物質は、上記特定の組成を有する水素吸蔵合金からなるコア部と、Niの水酸化物を含有する上記表面層とを有している。そして、上記表面層中に含まれるZr(ジルコニウム)、Ti(チタン)、Nb(ニオブ)及びNi(ニッケル)の量が上記式(1)を満たしている。このように構成された上記活物質を上記負極に適用することにより、上記負極の放電容量を、充放電サイクルの初回から高くすることができる。
また、上記コア部の組成を上記特定の範囲とすることにより、コア部中に、ZrATixNbyNiz相を析出させることができる。この相は、ZrNi合金と同様のB33型の結晶構造を有しているため、上記活物質の水素吸蔵量を増大させることができる。さらに、ZrATixNbyNiz相は、ZrNi合金におけるZrの一部がTi及び微量のNbに置換されていることにより、ZrNi合金に比べて水素の放出を促進させることができる。
このように、ZrATixNbyNiz相が含まれた上記活物質は、水素吸蔵量が多く、水素が放出されやすいという、アルカリ蓄電池の負極用として好適な特性を有している。それ故、上記活物質が保持された上記負極は、高い放電容量を長期間に亘って維持することができる。
また、上記活物質には、V(バナジウム)のような、価格が不安定な金属が含まれていない。そのため、上記活物質の原料コストを容易に低くすることができるとともに、原料コストの乱高下を容易に回避することができる。その結果、上記負極は、価格の安定性に優れている。
以上のように、上記活物質を用いることにより、価格の安定性に優れ、充放電サイクルの初回から高い放電容量を有し、高い放電容量を長期間に亘って維持することができる負極を得ることができる。
上記負極は、上述したように、アルカリ蓄電池用として好適な充放電特性を有している。そのため、上記負極を有するアルカリ蓄電池は、より放電容量を高くすることができ、ひいてはよりエネルギー密度を高くすることができる。
上記負極は、例えば、上記の態様の製造方法により作製することができる。上記製造方法においては、上記特定の組成を有する水素吸蔵合金の鋳塊を粉砕することにより、粉末状の活物質が作製される。そして、上記活物質を上記集電体に保持させて上記電極部材を作製した後、該電極部材に上記活性化処理が施される。これにより、上記活物質の表面に、Niの水酸化物を含む上記表面層を形成することができる。その結果、充放電サイクルの初回から高い放電容量を有する上記負極を作製することができる。
上記活性化処理により充放電サイクル特性が改善する理由としては、例えば以下のような理由が考えられる。上記鋳塊を粉砕した後、活物質の表面には、ZrO2やTiO2などの絶縁性化合物が自然に形成される。従来のZrNi系合金を用いた負極は、この絶縁性化合物の存在により、充放電サイクルの初回における放電容量の低下を招いていたと考えられる。
これに対し、上記製造方法では、上記活性化処理を行うことにより、上記活物質の表面に存在するZrO2やTiO2を除去することができる。また、上記活性化処理により、活物質の表面に存在するNiが水酸化物となる。そして、Niの水酸化物を含む表面層は、活物質の内部に存在するZrやTiの酸化を抑制することができる。以上の結果、上記活性化処理を施すことにより、ZrO2やTiO2等の絶縁性化合物による悪影響を抑制することができ、ひいては充放電サイクル特性を改善することができると考えられる。
実施例1における、アルカリ蓄電池用負極の要部を示す一部断面図である。 実施例1における、Tiの原子数比率xの値が0.2である試験体の充放電サイクル試験の結果を示す説明図である。 実施例1における、Tiの原子数比率xの値が0.3である試験体の充放電サイクル試験の結果を示す説明図である。 実施例1における、Tiの原子数比率xの値が0.4である試験体の充放電サイクル試験の結果を示す説明図である。 実施例1における、Tiの原子数比率xの値が0.5である試験体の充放電サイクル試験の結果を示す説明図である。 実施例1における、試験体7〜9の充放電サイクル試験の結果を示す説明図である。 実施例1における、30℃での充放電サイクル試験の結果を示す説明図である。 実施例1における、試験体11の活物質表面のSEM像である。 実施例1における、試験体17の活物質表面のSEM像である。 実施例2における、試験体18〜22の充放電サイクル試験の結果を示す説明図である。 実施例2における、試験体18〜28の初回の放電容量を示す説明図である。 実施例2における、試験体18の活物質表面のSEM像である。 実施例2における、放電レート特性の評価結果を示す説明図である。
上記負極において、集電体としては、例えば、金属箔、パンチングメタル、エキスパンデッドメタル及び金属メッシュ等の種々の態様の導体を適用することができる。
結着剤は、集電体と活物質との間に介在することにより、活物質を集電体に保持する作用を有している。結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール等を用いることができる。また、結着剤中には、必要に応じて、増粘剤等の公知の添加剤が含まれていてもよい。
負極中には、必要に応じて、Cu(銅)粉末などの公知の導電剤や導電助剤が含まれていてもよい。これらの導電剤や導電助剤は、活物質と同様に、結着剤を介して集電体に保持されている。
活物質を構成する個々の粒子は、コア部と、コア部の表面に存在する表面層とを有している。コア部は、Zr(1-x-y)TixNbyNizまたはZr(2-x-y-z)TixNbyNiz(但し、0.20≦x≦0.50、0<y≦0.0525、0.95≦z≦1.05)のいずれかの組成を有する水素吸蔵合金から構成されている。上記組成式中のxの値及びyの値を上記特定の範囲にすることにより、B33型の結晶構造を有するZr(1-x-y)TixNbyNiz相またはZr(2-x-y-z)TixNbyNiz相をコア部中に析出させやすくすることができる。
上記組成式中のxの値が0.20未満の場合には、Tiの原子数比率が低いため、上記水素吸蔵合金中に吸蔵された水素が水素吸蔵合金から放出されにくくなるおそれがある。従って、水素の放出を促進し、充放電サイクルの繰り返しに伴う放電容量の低下を抑制する観点から、xの値は0.20以上とする。同様の観点から、xの値は0.30以上であることが好ましく、0.35以上であることがより好ましく、0.425以上であることがさらに好ましい。
一方、上記組成式中のxの値が0.50を超える場合には、コア部中に、例えばTiNi相やZr9Ni11相等の、B33型以外の結晶構造を有する相が析出しやすくなる。これらの相は、Zr(1-x-y)TixNbyNiz相及びZr(2-x-y-z)TixNbyNiz相に比べて水素吸蔵量が低い。それ故、xの値が0.50を超える場合には、水素吸蔵量が低下し、放電容量の低下を招くおそれがある。従って、負極の放電容量を高くする観点から、上記組成式中のxの値は0.50以下とする。同様の観点から、xの値は0.49以下であることが好ましく、0.48以下であることがより好ましい。
コア部は、Zrに対するTiの原子数比率Ti/Zrが0.680以上1.050以下である水素吸蔵合金から構成されていることが好ましい。TiとZrとの比率を前記特定の範囲とすることにより、水素吸蔵量をより増大させ、放電容量をより高くすることができる。
また、コア部は、Zrに対するTiの原子数比率Ti/Zrが0.800以上1.050以下である水素吸蔵合金から構成されていることがより好ましい。この場合には、B33型以外の結晶構造を有する第二相の形成をより効果的に抑制し、コア部のほとんど全体をB33型の結晶構造を有する相とすることができる。その結果、水素の放出を促進する効果と、水素吸蔵量を増大させる効果との両方を高め、充放電サイクルの繰り返しに伴う放電容量の低下をより効果的に抑制することができる。
更に、この場合には、放電反応によって生じる水素が速やかに水素吸蔵合金中に吸蔵されるため、放電レートを高くした際の放電容量の低下を抑制することもできる。それ故、Zrに対するTiの原子数比率Ti/Zrを前記特定の範囲とすることにより、充放電サイクル特性に優れ、更に高率放電特性にも優れた負極を得ることができる。
負極の高率放電特性をより高める観点から、Ti/Zrの値は、0.850以上1.000以下であることがより好ましく、0.850以上0.950以下であることがさらに好ましい。
なお、前述した「ほとんど全体がB33型の結晶構造を有する」状態とは、X線回折装置を用いて上記コア部の結晶構造解析を行った場合に、B33型以外の結晶構造に由来する回折ピークが検出されない状態をいう。
また、Zrの一部をNbに置換することにより、B33型以外の結晶構造を有する相の析出を抑制しつつ、Tiの置換量を多くすることができる。上記組成式中のyの値が0の場合、即ちコア部中にNbが含まれない場合には、コア部中にB33型以外の結晶構造を有する相が析出しやすくなり、放電容量の低下を招くおそれがある。B33型以外の結晶構造を有する相の析出を抑制しつつTiの置換量を多くする観点からは、yの値は0.005以上であることが好ましく、0.01以上であることがより好ましく、0.012以上であることがさらに好ましい。
一方、上記組成式中のyの値が0.0525を超える場合には、かえってコア部中にB33型以外の結晶構造を有する相が析出しやすくなり、水素吸蔵量の低下を招くおそれがある。従って、B33型以外の結晶構造を有する相の析出を抑制する観点から、上記組成式中のyの値は0.0525以下とする。同様の観点から、yの値は0.03以下であることが好ましく、0.025以下であることがより好ましく、0.02以下であることが更に好ましい。
また、上記組成式中のzの値、即ちZr、Ti及びNbの合計に対するNiの比率を上記特定の範囲とすることにより、Zr(1-x-y)TixNbyNiz相またはZr(2-x-y-z)TixNbyNiz相を容易に析出させることができる。zの値が上記特定の範囲外である場合には、B33型以外の結晶構造を有する相が析出しやすくなる。その結果、活物質の水素吸蔵量が低くなり、放電容量の低下を招くおそれがある。
なお、上記の「B33型の結晶構造」は、例えば「金属 vol.80(2010)No.7 32頁」等で明らかにされているCrB型構造と同一である。
コア部の表面には、Niの水酸化物を含む表面層が存在している。表面層には、Niの水酸化物の他に、Niの酸化物や、活性化処理後に残留したZrO2、TiO2等の絶縁性化合物が含まれることがある。また、表面層は、Niの水酸化物を含む微粒子から構成されていてもよい。
上記表面層中に含まれるZr、Ti、Nb及びNiの量は、下記式(1)を満たしている。
[Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])>1.0 ・・・(1)
但し、上記式(1)中[X]は元素Xの量を原子%で表した値である。また、上記式(1)における[Zr]、[Ti]、[Nb]及び[Ni]の値は、例えば、EDX(エネルギー分散型X線分析)を用いて表面層を分析することにより得ることができる。
上記式(1)を満足する活物質が保持された負極は、充放電サイクルの初回から高い放電容量を有している。一方、上記式(1)を満たさない場合、即ち[Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])の値が1.0以下の場合には、充放電サイクルの初回における放電容量が低下するおそれがある。
これは、上記式(1)における[Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])の値が、表面層中に残留したZrO2やTiO2等の絶縁性化合物の量の指標となっているためと推測される。即ち、[Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])の値が大きくなるほど、表面層中のZrO2及びTiO2の量が少ないことを示していると推測される。
従って、表面層に残留したZrO2、TiO2等の絶縁性化合物の量を低減し、充放電サイクルの初回における放電容量の低下を回避する観点から、[Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])の値を1.0よりも大きくする。
上記負極は、例えば以下の方法により製造することができる。まず、上記特定の組成を有する水素吸蔵合金を鋳造する。鋳造時の組成を上記特定の範囲とすることにより、鋳塊中にZr(1-x-y)TixNbyNiz相またはZr(2-x-y-z)TixNbyNiz相を析出させることができる。次いで、得られた鋳塊を粉砕して粉末状の活物質を作製する。このとき、鋳塊を粉砕する前に、不活性ガス雰囲気中において鋳塊を加熱することにより、上記特定の結晶構造を維持しつつ、凝固過程などにおいて生じた転位や欠陥を除去することができる。そして、転位等が除去された水素吸蔵合金を用いて負極を作製することにより、上記負極の放電容量をより高くすることができる。
次に、上記集電体に、上記結着剤を介して上記活物質を保持させることにより、電極部材を作製する。その後、強アルカリ水溶液中で煮沸する活性化処理を電極部材に施す。これにより、活物質を構成する個々の粒子の表面に上記表面層を形成することができる。強アルカリ水溶液としては、例えば、温度105℃以上、pH14以上の水溶液を使用することができる。
(実施例1)
上記負極及びその製造方法の実施例について、図1〜図9を用いて説明する。図1に示すように、本例の負極1は、導体からなる集電体2と、結着剤3と、結着剤3を介して集電体2に保持された粉末状の活物質4とを有しており、アルカリ蓄電池用負極として構成されている。活物質4を構成する個々の粒子41は、水素吸蔵合金からなるコア部412と、Niの水酸化物を含有し、コア部412の表面に存在する表面層411とを有している。表1に示すように、コア部412の組成はZr(1-x-y)TixNbyNiz(但し、0.20≦x≦0.50、0<y≦0.0525、0.95≦z≦1.05)である。
また、表3に一例を示すように、表面層411中に含まれるZr、Ti、Nb及びNiの量は下記式(1’)を満たしている。
[Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])≧1.9 ・・・(1’)
但し、上記式(1’)中[X]は元素Xの含有率を原子%で表した値である。また、上記式(1’)における[Zr]、[Ti]、[Nb]及び[Ni]は、EDX(エネルギー分散型X線分析)を用いて表面層411を分析することにより得られる値である。
本例では、まず、組成を表1に示すように種々変更して粉末状の活物質4を作製した。次いで、別途準備した集電体2に結着剤3を介して活物質4を保持させることにより電極部材を作製した。その後、電極部材に表1に示す処理条件で活性化処理を施すことにより、活物質4を構成する個々の粒子41の表面に表面層411を形成した。以上により、負極1(試験体1〜14)を作製した。以下に、負極1の製造方法をより詳細に説明する。
[活物質の作製]
アーク溶解炉を用いて、Zr(株式会社高純度化学研究所製、ワイヤーカット品、純度98.0%)、Ti(株式会社高純度化学研究所製、粉末、純度99.0%)、Nb(株式会社高純度化学研究所製、粉末、純度99.0%)及びNi(株式会社高純度化学研究所製、粉末、純度99.9%)を溶融させ、表1に示す組成を有する水素吸蔵合金の鋳塊を作製した。この鋳塊をアルゴン雰囲気中で400〜500℃に加熱し、鋳塊内の転位や欠陥を低減させた。
湿式切断機を用いて得られた鋳塊を二等分し、一方の鋳塊を用いて比重の測定及び組織観察を行った。また、他方の鋳塊にディスクミルによる粗粉砕、タングステンカーバイド製乳鉢による微粉砕及び篩い分けを順次行うことにより、粉末状の活物質4を作製した。活物質を構成する個々の粒子41の直径は20〜40μmであった。
なお、鋳塊の粉砕方法は、上記の方法に限定されるものではない。例えば、粗粉砕を行った後に、タングステンカーバイド製乳鉢による微粉砕に替えて、水素の吸蔵と放出とを交互に繰り返す水素化粉砕を行ってもよい。
次に、得られた活物質4と、Cu粉末と、結着剤3としてのポリビニルアルコールとを85:10:5の質量比で混合し、ペースト状の負極合剤を調製した。この負極合剤を、別途準備した集電体2としてのNiメッシュに充填した。その後、ロールプレスを用いてNiメッシュを圧延し、負極合剤をNiメッシュに密着させた。以上により、電極部材を作製した。
その後、6mol/Lの水酸化カリウム水溶液中で4時間煮沸する活性化処理を電極部材に施し、活物質4を構成する個々の粒子41の表面に表面層411を形成した。以上により、試験体1〜14を得た。なお、水酸化カリウム水溶液の温度は105℃であった。
本例においては、試験体1〜14との比較のため、ZrNi合金からなる活物質を備えた試験体15、活性化処理の条件を変更した試験体16及び活性化処理を行っていない試験体17を準備した。試験体15は、水素吸蔵合金の組成を表1に示すように変更した以外は、試験体1〜14と同様の手順により作製した試験体である。試験体16は、試験体12と同様の手順により電極部材を作製した後、得られた電極部材を80℃の6mol/Lの水酸化カリウム水溶液中に4時間浸漬することにより作製した試験体である。また、試験体17は、試験体12と同様に電極部材を作製した後、強アルカリ水溶液への浸漬を行っていない試験体である。
以上により得られた負極(試験体1〜17)を、市販のNi(OH)2/NiOOH正極及びHg/HgO参照極と組み合わせ、6mol/Lの水酸化カリウム及び1mol/Lの水酸化リチウムを含む電解液を用いて三極式の電池セルを構成した。ポテンショ/ガルバノスタット(Bio−Logic社製 VMP3)を用いて電池セルの充放電及び放電容量の測定を行うことにより、負極の電気化学評価を行った。
[電気化学評価]
60℃の温度で充放電を繰り返す充放電サイクル試験を行い、各充放電サイクルにおける放電容量を測定した。1回の充放電サイクルは、電流密度100mA/gで5時間充電を行うステップと、10分休止をして電位を安定させるステップと、電流密度25mA/gでHg/HgOを基準として−0.5Vの電位まで放電するステップとから構成されている。図2〜図6に、各充放電サイクルにおける放電容量の測定結果を示す。なお、図2〜図6の縦軸は放電容量(mAh/g)であり、横軸はサイクル数(回)である。
上記の3ステップからなる充放電サイクルを5回繰り返した後、5サイクル後の放電容量を初回の放電容量で割ることにより、容量維持率を算出した。初回の放電容量、5サイクル後の放電容量及び容量維持率を表1に示す。
Figure 0006726798
図2〜図6及び表1に示すように、上記特定の範囲の組成を有する試験体1〜14は、高い初回の放電容量を有するとともに、コア部412がZrNi合金からなる試験体15よりも容量維持率が高くなった。これらの結果から、コア部412の組成を上記特定の範囲とすることにより、優れた充放電サイクル特性を有する負極1が得られることが理解できる。
これらの試験体の中でも、試験体7〜9及び試験体11〜12は、初回の放電容量及び容量維持率の両方が特に優れていた。これらの試験体のうち、試験体8、9、11、12について、30℃の温度で充放電サイクル試験を更に行った結果を表2及び図7に示す。なお、これらの試験体との比較のため、試験体13についても30℃の温度で充放電サイクル試験を行った。充放電サイクル試験の試験条件は、温度を30℃に、サイクル数を10サイクルにそれぞれ変更した以外は、上述した60℃における試験方法と同様とした。また、図7の縦軸は放電容量(mAh/g)であり、横軸はサイクル数(回)である。30℃における容量維持率は、10サイクル後の放電容量を初回の放電容量で割ることにより算出した。
Figure 0006726798
表2及び図7に示すように、試験体8、9、11、12は、実際の使用環境に近い30℃の温度においても、長期間に亘って高い放電容量を維持することができた。これらの結果から、Zr(1-x-y)TixNbyNizにおけるyの値の好ましい範囲は0.35以上0.48以下であり、zの値の好ましい範囲は0.012以上0.0525以下であることが理解できる。
試験体15は、試験体1〜14に比べて容量維持率が低かった。これは、コア部412がZrNi合金から構成されていたため、活物質4内に吸蔵された水素が水素化物として安定化し、活物質4から放出されにくくなったことが原因と考えられる。
試験体16及び17は、試験体1〜14に比べて初回の放電容量及び5サイクル後の放電容量が低かった。
図8及び図9に、試験体11及び試験体17に保持されている活物質4の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した結果を示す。また、表3に、図8に示した測定点A1〜A5及び図9に示した測定点B1〜B5の組成をEDX(エネルギー分散型X線分析)により分析した結果を示す。
Figure 0006726798
図8に示すように、試験体11中の活物質4における表面層411には多孔質状の凹凸が形成されていた。この凹凸は、直径100〜500nm程度の微粒子が多数連なることにより形成されていると推定される。また、表3に示したように、試験体11においては、表面層411を測定することにより得られる[Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])の値が1.9以上であった。さらに、試験体11中の活物質4における表面層411からは、多量のO(酸素)が検出された。
試験体11については、X線光電子分光分析法により、表面層411を更に詳細に分析した。その結果、表面層411には水酸化Niが含まれていることを確認した。
これらの結果から、電極部材に活性化処理を施すことにより、活物質4を構成する個々の粒子41の表面に、水酸化Niを含む微粒子から構成された表面層411が形成されたことが理解できる。また、表面層411中に含まれるZr、Ti、Nb及びNiの原子%は、上記式(1)を満足していることが理解できる。
一方、図9に示したように、活性化処理を行っていない試験体17の表面層411は、試験体11のような凹凸を有さず、比較的平坦であった。試験体17の表面層411について、試験体11と同様にEDX分析を行ったところ、表3に示したように、得られた[Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])の値が1.0以下であった。また、試験体11と同様に、X線光電子分光分析法により試験体17の表面層411を詳細に分析したところ、水酸化Niの存在は確認できなかった。
(実施例2)
本例は、表4に示すようにコア部412の組成を変更した例である。本例においては、水素吸蔵合金の組成を表4に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様の方法により電極部材を作製した。そして、得られた電極部材に6mol/Lの水酸化カリウム水溶液中で4時間煮沸する活性化処理を施し、表4に示す試験体18〜28を作製した。本例の試験体におけるコア部412の組成は、Zr(2-x-y-z)TixNbyNiz(但し、0.20≦x≦0.50、0<y≦0.0525、0.95≦z≦1.05)である。
得られた試験体18〜28について、実施例1と同様の方法により温度30℃での充放電サイクル試験を行った。これらの結果は、図10、図11及び表4に示した通りであった。なお、試験体23〜28については、初回の放電容量のみ測定を行い、充放電を繰り返した場合の放電容量については測定を行わなかった。試験体25〜28については、実施例1における試験体9及び試験体11〜13と同一の組成を有する活物質を本実施例において改めて作製したため、表2に示した放電容量とは若干値が異なっている。
また、図10の縦軸は各サイクルにおける放電容量(mAh/g)であり、横軸はサイクル数(回)である。図11の縦軸は初回の放電容量(mAh/g)であり、横軸はコア部412におけるTi/Zrの値である。
また、図12に、試験体18に保持されている活物質4の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した結果を示す。図12に示したように、試験体18の表面は、微細な多孔質状を呈していた。図12に示す測定点C1〜C5の組成をEDX(エネルギー分散型X線分析)により分析したところ、Ni、Zr、Ti、Nbの含有率は表5に示した通りであった。
Figure 0006726798
Figure 0006726798
表4に示したように、試験体18〜20及び試験体24〜28におけるコア部412の組成は上記特定の範囲内であった。また、試験体18に用いた活物質4の表面層411を測定することにより得られる[Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])の値は1.0を超えていた。そのため、これらの試験体は、Zr、Ti、Nb及びNiの組成が前記特定の範囲から外れている試験体21、22に比べて高い放電容量を有するとともに、容量維持率が高く、優れた充放電サイクル特性を有していた。
これらの試験体の中でも、特に、Zrに対するTiの原子数比率Ti/Zrの値が0.68〜1.05の範囲内にある試験体18〜20及び試験体25〜28は、図11及び表4に示したように、Ti/Zrの値が0.680よりも小さい試験体24に比べて初回の放電容量を高くすることができた。
一方、試験体21及び試験体22に用いた活物質4は、コア部412のほぼ全体がB2型の結晶構造となった。その結果、試験体1〜15(表2参照)及び試験体18〜20に比べて初回の放電容量が格段に低くなった。
また、試験体18〜20については、Zr、Ti、Nb及びNiの組成が特定の範囲内だけではなく、Zrに対するTiの原子数比率Ti/Zrの値が0.800〜1.050の範囲内にある。図には示さないが、試験体18〜20に用いた活物質4のX線回折パターンにはB33型以外の結晶構造に由来する回折ピークが存在せず、B33型の結晶構造に由来する回折ピークのみが検出された。つまり、試験体18〜20に用いた活物質4は、ほとんど全体がB33型の結晶構造を有していた。
これらの試験体の中から、初回の放電容量が高く、コア部412におけるZrに対するTiの原子数比率Ti/Zrの値が異なる試験体18、19、21、24〜26を用い、以下の方法により放電レート特性の評価を行った。
[放電レート特性]
放電レート特性の評価には、充放電サイクル試験と同様の三極式電池セル及びポテンショスタットを使用した。まず、電池セルを温度30℃、電流密度100mA/gで5時間充電した後、10分休止をして電位を安定させた。この状態から、電流密度を50mA/g、100mA/g、250mA/g、500mA/gのいずれかに設定し、Hg/HgOを基準として−0.5Vの電位まで放電した際の放電容量を測定した。
各試験体の放電容量は、表6に示した通りであった。また、図13及び表6に、電流密度25mA/gにおける放電容量を100%とした場合の、各電流密度における放電容量の比率(%)を記載した。なお、図13の縦軸は放電容量の比率(%)であり、横軸は電流密度(mA/g)である。また、表6中の電流密度25mA/gの欄には、本例の充放電サイクル試験における初回の放電容量の値を記載した。
Figure 0006726798
図13及び表6に示したように、Ti/Zrの値が前記特定の範囲内である試験体18及び試験体19は、Ti/Zrの値が前記特定の範囲外である試験体21及び試験体24〜26に比べて電流密度を高くした際の放電容量の低下率が小さかった。これらの結果から、コア部412におけるTi/Zrの値を0.800〜1.050の範囲内とすることにより、放電レートを高くした際の放電容量の低下を抑制し、大電流を効率よく取り出すことができることが理解できる。Ti/Zrの値が前記特定の範囲内である活物質4を備えた負極1は、高率放電特性に優れているため、車載用アルカリ蓄電池に好適である。

Claims (6)

  1. 導体からなる集電体と、結着剤と、該結着剤を介して上記集電体に保持された粉末状の活物質とを有するアルカリ蓄電池用負極であって、
    上記活物質は、
    組成がZrATixNbyNiz(但し、0.20≦x≦0.50、0<y≦0.0525、0.95≦z≦1.05であり、Aは1−x−yまたは2−x−y−zのいずれかである。)である水素吸蔵合金から構成されているコア部と、
    Niの水酸化物を含有し、上記コア部の表面に存在する表面層とを有しており、
    該表面層中に含まれるZr、Ti及びNiの量が下記式(1)を満たしている、アルカリ蓄電池用負極。
    [Ni]/([Zr]+[Ti]+[Nb])>1.0 ・・・(1)
    (但し、上記式(1)中、[X]は元素Xの含有率を原子%で表した値である。)
  2. 上記コア部中には、B33型の結晶構造を有するZrATixNbyNiz相が含まれている、請求項1に記載のアルカリ蓄電池用負極。
  3. 上記表面層は、Niの水酸化物を含む微粒子から構成されている、請求項1または2に記載のアルカリ蓄電池用負極。
  4. 上記コア部は、Zrに対するTiの原子数比率Ti/Zrが0.800以上1.050以下である水素吸蔵合金から構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ蓄電池用負極。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルカリ蓄電池用負極を有するアルカリ蓄電池。
  6. 組成がZrATixNbyNiz(但し、0.20≦x≦0.50、0<y≦0.0525、0.95≦z≦1.05であり、Aは1−x−yまたは2−x−y−zのいずれかである。)である水素吸蔵合金の鋳塊を準備し、
    上記鋳塊を粉砕して粉末状の活物質を作製し、
    導体からなる集電体に、結着剤を介して上記活物質を保持させることにより電極部材を作製し、
    強アルカリ水溶液中で煮沸する活性化処理を上記電極部材に施すことにより、上記活物質の表面にNiの水酸化物を含む表面層を形成する、アルカリ蓄電池用負極の製造方法。
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