JP6724218B1 - アルコール含有炭酸飲料の炭酸感増強剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルコール含有炭酸飲料の炭酸感を増強する剤を提供すること、及び飲用時に炭酸感を持続できるアルコール含有炭酸飲料を提供すること。【解決手段】 アルコール含有炭酸飲料の炭酸感を増強する成分として、メジアン径で1μm〜300μmの増粘安定剤のゲルと、0.4g/L〜10g/Lのカルシウムとを含有することを特徴とするアルコール含有炭酸飲料の炭酸感増強剤によって達成される。このとき、増粘安定剤が、ゼラチン、寒天、カラギナン、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、ガラクトマンナン、グルコマンナン、グァーガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、アラビアガム、カラヤガム、アルギン酸、アルギン酸エステル、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガッティガム、アラビノガラクタン、セルロース、カルボキシメチルセルロース及び大豆水溶性多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のものであることが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、アルコール含有炭酸飲料の炭酸感増強剤、及び飲用時に持続性のある炭酸感を持つアルコール含有炭酸飲料に関する。
ビール、チューハイに代表されるアルコール含有炭酸飲料は爽快感を有する代表的なアルコール含有炭酸飲料である。アルコール含有炭酸飲料の爽快感を形成する要素として、アルコールの刺激とともに感じられる特有の炭酸感がある。炭酸感は、アルコールと炭酸ガスの刺激及び他のフレーバーによってかもし出される清涼感が最も大きな特徴である。
炭酸による刺激の強弱は、飲料に含まれる炭酸ガス量によって影響を受ける。炭酸ガス量が少いと、炭酸感が小さく爽快感が薄れる一方、炭酸ガス量が多いと、炭酸の泡が多く、大きく荒いものとなり、爽快感や嗜好性が劣るものとなる。高圧の炭酸ガスを含有させた飲料を作製すると、開栓後に炭酸ガスが急激に放逸してしまい、高い圧力に従った強い炭酸感を得られなかった。特に、アルコールを含有した炭酸飲料については、アルコールの刺激と炭酸の刺激が複雑に作用し、アルコールを含有しない炭酸飲料と比べ、異なる刺激が得られる。
アルコール含有炭酸飲料について、泡質を改善する技術として数多くの開発が行われている(特許文献1、特許文献2)。特許文献1には、発酵麦芽飲料の泡特性を改良する方法として、ゲランゴムを5〜400ppmの量で添加する技術が開示されている。特許文献2には、大豆多糖類、アラビアガム、ジェランガム、キサンタンガム及びグァーガムを添加することで、グラスに注いだ時にキメ細かく外観の良好なビール様の泡を形成させる技術が開示されている。
しかし、いずれの技術もアルコール含有炭酸飲料を飲用するときに生じる泡の形状に関するものであって、飲んだときの炭酸感を改良するものではなかった。
上記の技術とは別に、2価の金属塩を含有させることにより泡感の改善された炭酸飲料が開示されている(特許文献3)。しかし、この技術では、泡を出来るだけ小さくする事で、喉越しの泡感をなめらかにする効果が認められるものの、炭酸の刺激自体を増強し、継続させるには十分な効果は得られなかった。
特許3108123号公報 特開2007−181427号公報 特開2006−246771号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルコール含有炭酸飲料の炭酸感を増強する剤を提供すること、及び飲用時に炭酸感を持続できるアルコール含有炭酸飲料を提供することにある。
上記課題を解決するために各種の素材を検討した結果、所定サイズの増粘安定剤のゲル及び/又はカルシウムを添加することによって、味やフレーバーへの影響が少なく、アルコール含有炭酸飲料の炭酸感を増強し、口中での炭酸ガスの刺激を持続できることを見出し、基本的には本発明を完成した。
上記課題を達成するための本発明に係るアルコール含有炭酸飲料の炭酸感増強剤は、アルコール含有炭酸飲料の炭酸感を増強する成分として、メジアン径で1μm〜300μmの増粘安定剤のゲルと、0.4g/L〜10g/Lのカルシウムとを含有することを特徴とする。
また、別の発明に係るアルコール含有炭酸飲料の炭酸感増強剤は、アルコール含有炭酸飲料の炭酸感を増強する成分として、メジアン径で200μmを超え1000μm以下の増粘安定剤のゲルを含有することを特徴とする。
すなわち、増粘安定剤のゲルとして、メジアン径で200μmを超え1000μm以下のものを用いる場合には、カルシウムが無くても炭酸感増強作用が認められる一方、メジアン径で1μm〜300μmのものを用いる場合には、0.4g/L〜10g/Lのカルシウムを共存させることで、炭酸感増強作用が得られることが分かった。
上記発明において、前記増粘安定剤が、ゼラチン、寒天、カラギナン、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、ガラクトマンナン、グルコマンナン、グァーガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、アラビアガム、カラヤガム、アルギン酸、アルギン酸エステル、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガッティガム、アラビノガラクタン、セルロース、カルボキシメチルセルロース及び大豆水溶性多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のものであることが好ましい。
また、前記カルシウムとしては、乳酸カルシウム・酢酸カルシウム・グルコン酸カルシウム・安息香酸カルシウム・ステアリン酸カルシウム・クエン酸カルシウムなどの有機塩、炭酸カルシウム・塩化カルシウムなどの無機塩を用いることができる。なお、アルコール含有炭酸飲料の本来の風味に影響を与えることが少ない点から、乳酸カルシウムを用いることが好ましい。
また、別の発明に係るアルコール含有炭酸飲料は、前記炭酸感増強剤を0.05質量%〜5質量%含有することを特徴とする。
本発明のアルコール含有炭酸飲料とは、1%以上のアルコールを含有し、炭酸ガスを含む飲料を意味する。アルコール濃度は、特に限定されるものではないが、1%〜30%が好ましく、1%〜20%がより好ましい。
本発明のアルコール含有炭酸飲料の炭酸含有量は、特に限定されるものではないが、1ガスボリューム〜6ガスボリュームが好ましい。但し、1ガスボリュームは、標準状態(一般に1気圧、25℃)において、1リットルの液体に1リットルの炭酸ガスが溶けている状態を意味する。
本発明の増粘安定剤は、通常食品に使用されるものであって、ゲル化剤と増粘剤から選ばれる少なくとも1種以上を組み合わせて用いることにより、食品にかたさやまとまりを付与したり、食感を改良できるものであればよい。
本発明におけるゲルの大きさは、メジアン径で200μmを超え1000μm以下が好ましく、200μmを超え900μm以下がより好ましい。メジアン径が1000μmを超えると、炭酸感の増強効果はあるが、口中でゲルを固体として知覚し、ゲルが視認できるため透明飲料への使用に好ましくない。
本発明に用いるゲルの調整法は、特に限定されるものではないが、粗大なゲルを作成後または作成中に粉砕する方法、ゲル化溶液中に滴下・噴霧などにより作成する方法、乾燥したゲルを水戻しする方法などが例示される。
本発明のアルコール含有炭酸飲料の炭酸ガスは、(1)製造の途中で微生物によって飲料中に炭酸ガスを発生させる、または(2)製造工程において(好ましくは、最終工程において)、飲料中に二酸化炭素を導入する工程を含むことができる。
本発明の炭酸感とは、アルコール含有炭酸飲料を飲用する時に、口中及びのどで感じられる炭酸ガスの刺激感を意味する。
本発明において感じられる良好な炭酸感は、通常のアルコール含有炭酸飲料において得られる炭酸ガスの刺激と、飲料が口中を通過した後に、口中及びのどに炭酸の爽快感が持続する感覚を意味する。
本発明によれば、味やフレーバーへの影響が少なく、炭酸感を増強できると共に、炭酸ガスの刺激を持続できるアルコール含有炭酸飲料の炭酸感増強剤、及びこの増強剤を含有するアルコール含有炭酸飲料を提供できる。
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明する。本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施できる。
<発明品の作成>
1.発明品1(ジェランガムゲル)の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末、746gの水、2.4gの乳酸カルシウム、45.6gの水、2.0gの90%乳酸、1.0gの乳酸カルシウム、0.3gの90%乳酸、198.7gの水を用いた。
(2)ジェランガムのゲルの作成
4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末を746gの水に分散し、90℃まで加熱して溶解させ、ジェランガム溶液を作成した。2.4gの乳酸カルシウムを45.6gの水に分散し、90℃まで加温して溶解させ、乳酸カルシウム溶液を作成した。ジェランガム溶液と乳酸カルシウム溶液を90℃に保ったまま混合し、2.0gの90%乳酸を投入して溶解し、混合液を得た。この混合液をホモミキサーで攪拌しながら20℃以下まで冷却し、ジェランガムのゲルを得た。
(3)微細ゲルの作成
別の容器に1.0gの乳酸カルシウム、0.3gの90%乳酸、198.7gの水を混合して200gとしたものを作成し、これを上記(2)で作成したジェランガムのゲルに追添加し、分散液とした。この分散液をホモジナイザー10MPaで再度粉砕し、ジェランガムのゲルにカルシウムイオンを添加したゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置(Beckmancoulter社製。以下、同じ測定機を用いた。)にて測定した結果、メジアン径は120μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、0.44g/Lであった。
2.発明品2の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末、746gの水、2.4gの乳酸カルシウム、45.6gの水、2.0gの90%乳酸、5.0gの乳酸カルシウム、1.4gの90%乳酸、193.6gの水を用いた。
(2)ジェランガムのゲルの作成
「1.発明品1の作成」の(2)に従いジェランガムのゲルを得た。
(3)微細ゲルの作成
別の容器に5.0gの乳酸カルシウムと1.4gの乳酸を193.6gの水に溶解し、200gとしたものを作成し、これを上記(2)で作成したジェランガムのゲルに追添加し、分散液とした。この分散液をホモジナイザー5MPaで再度粉砕し、ジェランガムのゲルにカルシウムイオンを添加したゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は250μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、1.04g/Lであった。
3.発明品3の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末、746gの水、2.4gの乳酸カルシウム、45.6gの水、2.0gの90%乳酸、10.0gの乳酸カルシウム、2.7gの90%乳酸、187.3gの水を用いた。
(2)ジェランガムのゲルの作成
「1.発明品1の作成」の(2)に従いジェランガムのゲルを得た。
(3)微細ゲルの作成
別の容器に10.0gの乳酸カルシウムと2.7gの乳酸を187.3gの水に溶解し、200gとしたものを作成し、これを上記(2)で作成したジェランガムのゲルに追添加し、分散液とした。この分散液をホモジナイザー12MPaで再度粉砕し、ジェランガムのゲルにカルシウムイオンを添加したゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は83μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、1.74g/Lであった。
4.発明品4の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末、746gの水、2.4gの乳酸カルシウム、45.6gの水、2.0gの90%乳酸、20.0gの乳酸カルシウム、5.5gの90%乳酸、174.5gの水を用いた。
(2)ジェランガムのゲルの作成
「1.発明品1の作成」の(2)に従いジェランガムのゲルを得た。
(3)微細ゲルの作成
別の容器に20.0gの乳酸カルシウムと5.5gの乳酸を174.5gの水に溶解し、200gとしたものを作成し、これを上記(2)で作成したジェランガムのゲルに追添加し、分散液とした。この分散液をホモジナイザー15MPaで再度粉砕し、ジェランガムのゲルにカルシウムイオンを添加したゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は30μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、3.14g/Lであった。
5.発明品5の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末、746gの水、2.4gの乳酸カルシウム、45.6gの水、2.0gの90%乳酸、50gの乳酸カルシウム、13.75gの90%乳酸、136.25gの水を用いた。
(2)ジェランガムのゲルの作成
「1.発明品1の作成」の(2)に従いジェランガムのゲルを得た。
(3)微細ゲルの作成
別の容器に50gの乳酸カルシウムと13.75gの乳酸を136.25gの水に溶解し、200gとしたものを作成し、これを上記(2)で作成したジェランガムのゲルに追添加し、分散液とした。この分散液をホモジナイザー15MPaで再度粉砕し、ジェランガムのゲルにカルシウムイオンを添加したゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は15μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、9.62g/Lであった。
6.発明品6の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末、746gの水、2.4gの乳酸カルシウム、46.0gの水、1.6gのクエン酸、200gの水を用いた(以下、この組成を「組成A」という)。
(2)ジェランガムのゲルの作成
4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末を746gの水に分散し、90℃まで加熱して溶解させ、ジェランガム溶液を作成した。2.4gの乳酸カルシウムを46.0gの水に分散し、90℃まで加温して溶解させ、乳酸カルシウム溶液を作成した。ジェランガム溶液と乳酸カルシウム溶液を90℃に保ったまま混合し、1.6gのクエン酸粉末を投入して溶解し、混合液を得た。この混合液をホモミキサーで攪拌しながら20℃以下まで冷却し、200gの水を加えて再度撹拌し、ジェランガムのゲルを得た。
(3)微細ゲルの作成
このゲルを再度ホモジナイザー5MPaで粉砕し、ジェランガムのゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は220μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、0.31g/Lであった(発明品7〜発明品9について同じ)。
7.発明品7の作成
「6.発明品6の作成」の(1)、(2)に従いジェランガムのゲルを得た。
この分散液をホモジナイザー無圧で再度粉砕した後、ジェランガムのゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は290μmであった。
8.発明品8の作成
「6.発明品1の作成」の(1)、(2)に従いジェランガムのゲルを得た。
得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は500μmであった。
9.発明品9の作成
「6.発明品1の作成」の(1)、(2)に従いジェランガムのゲルを得た。このとき、ホモミキサーの撹拌時間を「8.発明品8の作成」の撹拌時間よりも短くした。
得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は900μmであった。
10.発明品10の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末、746gの水、3.0gの塩化カルシウム(無水)、45.0gの水、2.0gの90%乳酸、10.0gの塩化カルシウム、5.5gの90%乳酸、184.5gの水を用いた。
(2)ジェランガムのゲルの作成
4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末を746gの水に分散し、90℃まで加熱して溶解させ、ジェランガム溶液を作成した。3.0gの塩化カルシウムを45.6gの水に分散し、90℃まで加温して溶解させ、塩化カルシウム溶液を作成した。ジェランガム溶液と塩化カルシウム溶液を90℃に保ったまま混合し、2.0gの90%乳酸を投入して溶解し、混合液を得た。この混合液をホモミキサーで攪拌しながら20℃以下まで冷却し、ジェランガムのゲルを得た。
(3)微細ゲルの作成
別の容器に10gの塩化カルシウムと5.5gの乳酸を184.5gの水に溶解し、200gとしたものを作成し、これを上記ジェランガムのゲルに追添加し、分散液とした。この分散液をホモジナイザー15MPaで再度粉砕し、ジェランガムのゲルにカルシウムイオンを添加したゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は60μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、4.68g/Lであった。
11.発明品11の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末、746gの水、5.0gのグルコン酸カルシウム、43.0gの水、2.0gの90%乳酸、12.0gのグルコン酸カルシウム、5.5gの90%乳酸、182.5gの水を用いた。
(2)ジェランガムのゲルの作成
4.0gの脱アシル型ジェランガム粉末を746gの水に分散し、90℃まで加熱して溶解させ、ジェランガム溶液を作成した。5.0gのグルコン酸カルシウムを43.0gの水に分散し、90℃まで加温して溶解させ、グルコン酸カルシウム溶液を作成した。ジェランガム溶液と塩化カルシウム溶液を90℃に保ったまま混合し、2.0gの90%乳酸を投入して溶解し、混合液を得た。この混合液をホモミキサーで攪拌しながら20℃以下まで冷却し、ジェランガムのゲルを得た。
(3)微細ゲルの作成
別の容器に12gのグルコン酸カルシウムと5.5gの乳酸を182.5gの水に溶解し、200gとしたものを作成し、これを上記(2)で作成したジェランガムのゲルに追添加し、分散液とした。この分散液をホモジナイザー5MPaで再度粉砕し、ジェランガムのゲルにカルシウムイオンを添加したゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は150μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、1.51g/Lであった。
12.発明品12(アルギン酸ゲル)の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、10.0gのアルギン酸ナトリウム(アルギン酸Na)、490gの水、1.25gの炭酸カルシウム、148.75gの水、12.5gのグルコノデルタラクトン、137.5gの水、20.0gの乳酸カルシウム、180gの水を用いた。
(2)アルギン酸ゲルの作成
10.0gのアルギン酸Naを490gの水に溶解し、アルギン酸Na溶液を作成した。1.25gの炭酸カルシウムを148.75gの水に分散させ炭酸カルシウム懸濁液を作成した。アルギン酸Na溶液及び炭酸カルシウム懸濁液を混合し、混合液を作成した。
別の容器に12.5gのグルコノデルタラクトンを137.5gの水に溶解したものを作成し、溶解後直ちに上記混合液に添加して攪拌混合した。この混合液を1晩静置し、アルギン酸ゲルを得た。
(3)微細ゲルの作成
別の容器に20.0gの乳酸カルシウムを180gの水に溶解した乳酸カルシウム溶液(10%乳酸カルシウム溶液)を作成した。上記アルギン酸ゲルに200gの10%乳酸カルシウム溶液を加え、ホモミキサーで粉砕した後、ホモジナイザー15MPaで再度粉砕しアルギン酸カルシウムの微細なゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は65μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、3.1g/Lであった。
13.発明品13(ペクチンゲル)の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、12.8gのローメトキシルペクチン、2.0gの乳酸ナトリウム、685.2gの水、6.4gの乳酸カルシウム、80.0gの水、90%乳酸(適量)、水(適量)を用いた。
(2)ペクチンゲルの作成
12.8gのペクチンと2.0gの乳酸ナトリウムを685.4gの水に分散し、90℃まで加熱して溶解させ、ペクチン溶液を作成した。6.4gの乳酸カルシウムを80gの水に分散し、90℃まで加温して溶解させ、乳酸カルシウム溶液を作成した。
ペクチン溶液をホモミキサーで攪拌しながら、乳酸カルシウム溶液を混合し、ここに90%乳酸を徐々に加えてpHを3.8に調整した後、水を加えて合計量を800gとした。この混合液を20℃以下に冷却し、ペクチンゲルを作成した。
(3)微細ゲルの作成
別の容器に20.0gの乳酸カルシウムと5.5gの乳酸を174.5gの水に溶解し、200gとしたものを作成し、これを上記ペクチンゲルに追添加し、分散液とした。この分散液をホモジナイザー無圧で再度粉砕し、ペクチンゲルにカルシウムイオンを添加したゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は60μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、3.4g/Lであった。
14.発明品14(こんにゃくゲル)の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、16.0gのこんにゃく粉、704gの水、0.7gの水酸化カルシウム、79.3gの水、200gの水を用いた。
(2)こんにゃくのゲルの作成
16.0gのこんにゃく粉を704gの水に分散し、1時間以上静置して膨潤させることで、こんにゃく液を作成した。0.7gの水酸化カルシウムを79.3gの水に溶解し、水酸化カルシウム溶液を作成した。こんにゃく液と水酸化カルシウム溶液を攪拌混合し、煮沸水に流し込んだ後、15分間加熱し、こんにゃくゲルを作成した。
(3)微細ゲルの作成
こんにゃくゲルをザルを用いて水を切り、200gの水(こんにゃくゲルの質量の25%の水)を加えた後、ミキサーで粉砕し、ゲル粗砕物を得た。これをホモミキサーで粉砕した。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は355μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、0.38g/Lであった。
15.発明品15(寒天ゲル)の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、4.0gの寒天、796gの水、20gの乳酸カルシウム、180gの水を用いた。
(2)寒天ゲルの作成
4.0gの寒天を796gの水に分散し、90℃まで加熱して溶解させた後、20℃まで冷却し寒天ゲルを作成した。
(3)微細ゲルの作成
別の容器に20gの乳酸カルシウムを180gの水に溶解し、200gとした10%乳酸カルシウム溶液を作成した。寒天ゲルをカッターで粗砕し、200gの10%乳酸カルシウム溶液を加えた後、ホモミキサーにて粉砕し、ゲルを得た。このゲル分散液をホモジナイザー無圧にて再度粉砕し、微細な寒天ゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は143μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、2.6g/Lであった。
16.発明品16(カードランゲル)の作成
(1)組成の構成
増粘安定剤のゲルを作成するために、30gのカードラン、870gの水、20gの乳酸カルシウム、80gの水を用いた。
(2)カードランゲルの作成
30gのカードランを870gの水に分散し、脱気した後、ホモミキサーを用いて、攪拌操作を行い(1000rpm×10min.)、カードランを膨潤させ、分散液を得た。この分散液をホモミキサーで攪拌しながら60℃に加熱し、30分保温した後、攪拌したまま90℃まで加熱し、1時間保持した。
別の容器に20gの乳酸カルシウムを80gの水に溶解した100gの20%乳酸カルシウム溶液を作成した。カードランゲルの分散液に、100gの20%乳酸カルシウム溶液を加え、60℃まで冷却して、ホモジナイザー無圧で再度粉砕し、カードランのゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は60μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、2.6g/Lであった。
<比較品の作成>
1.比較品1の作成
「6.発明品6の作成」中に記載した組成Aを用い、「6.発明品6の作成」中の「(2)ジェランガムのゲルの作成」に従って、ジェランガムのゲルを得た。
このゲルを再度ホモジナイザー15MPaで粉砕し、ジェランガムの微細なゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は42μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、0.31g/Lであった。
2.比較品2の作成
「6.発明品6の作成」中に記載した組成Aを用い、「6.発明品6の作成」中の「(2)ジェランガムのゲルの作成」に従って、ジェランガムのゲルを得た。
このゲルを再度ホモジナイザー10MPaで粉砕し、ジェランガムの微細なゲルを得た。得られたゲルを粒度分布測定装置にて測定した結果、メジアン径は151μmであった。また、最終的なカルシウム濃度は、0.31g/Lであった。
<ゲルの評価>
本発明品1〜発明品16、比較品1及び比較品2の評価を行った。各ゲル品をアルコール濃度0%(ノンアルコールカクテル)、アルコール濃度3%(低アルコール炭酸飲料)、5%(チューハイ)、9%(ストロング系チューハイ)、15%(スパークリングワイン)の市販アルコール含有炭酸飲料(各50mL)に、それぞれ0.02%(10μL)、0.05%(25μL)、0.1%(50μL)、0.5%(250μL)、1%(500μL)の割合なるように添加した。
まず、マイクロピペッターを用いて試飲カップ底部に上記各容量のゲル品を添加し、ここに静かに各飲料50mLを注いだ。静かに3回攪拌した後、熟練したパネラー5名により一度に試飲し、官能評価を行った。比較対象として、発明品または比較品に代えて、同じ割合の水を加えたものを用いた。
評価基準として、炭酸感の強さ及び口中での炭酸感の持続性を用いた。比較対象(水)を基準(評点0)とし、+3〜−3の7段階の評価とした。具体的には、「非常に強く感じる:3点、強く感じる:2点、若干強く感じる:1点、変わらない:0点、若干弱く感じる:−1点、弱く感じる:−2点、非常に弱く感じる:−3点」とした。
結果を表1〜表5に示した。但し、表中において、得点はパネラー5名の平均評点を示した。
このように本実施形態によれば、味やフレーバーへの影響が少なく、炭酸感を増強できると共に、炭酸ガスの刺激を持続できるアルコール含有炭酸飲料の炭酸感増強剤、及びこの増強剤を含有するアルコール含有炭酸飲料を提供できた。

Claims (1)

  1. 3%〜14%のアルコールを含有するアルコール含有炭酸飲料の炭酸感を増強する炭酸感増強剤であって、メジアン径で1μm〜300μmの増粘安定剤のゲルと、1.5g/L〜10g/Lのカルシウムとを含有し、前記増粘安定剤が、ゼラチン、寒天、カラギナン、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、ガラクトマンナン、グルコマンナン、グァーガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、アラビアガム、カラヤガム、アルギン酸、アルギン酸エステル、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガッティガム、アラビノガラクタン、セルロース、カルボキシメチルセルロース及び大豆水溶性多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のものであり、アルコール含有炭酸飲料中に最終濃度として0.02質量%〜0.1質量%含有されることを特徴とするアルコール含有炭酸飲料の炭酸感増強剤。
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