JP6718661B2 - たこ焼き用成形タコ及びこれを使用したたこ焼きの製造方法 - Google Patents

たこ焼き用成形タコ及びこれを使用したたこ焼きの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6718661B2
JP6718661B2 JP2015153013A JP2015153013A JP6718661B2 JP 6718661 B2 JP6718661 B2 JP 6718661B2 JP 2015153013 A JP2015153013 A JP 2015153013A JP 2015153013 A JP2015153013 A JP 2015153013A JP 6718661 B2 JP6718661 B2 JP 6718661B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
octopus
takoyaki
molded
binder
alginic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015153013A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017029072A (ja
Inventor
克幸 白井
克幸 白井
誠 大野木
誠 大野木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tablemark Co Ltd
Original Assignee
Tablemark Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tablemark Co Ltd filed Critical Tablemark Co Ltd
Priority to JP2015153013A priority Critical patent/JP6718661B2/ja
Publication of JP2017029072A publication Critical patent/JP2017029072A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6718661B2 publication Critical patent/JP6718661B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

本発明は、たこ焼き用の成形タコ及びこれを使用したたこ焼きの製造方法に関するものである。
たこ焼きは、小麦粉の生地の中にタコを入れて直径3cmから5cmほどの球形に焼き上げた、大阪発祥とされる粉物料理である。
従来より、気軽な軽食として人気があるたこ焼きは、近年、街中に店舗が増加している。また、たこ焼きの冷凍食品は、手軽で便利な保存食としてコンビニエンスストアやスーパーマーケットの人気商品である。更に、たこ焼き用のミックス粉も市販されており、家庭でたこ焼き器を囲み調理するのも人気である。
このたこ焼きは、水又はだし汁で溶いた小麦粉を、半球状の窪みのある鉄板に流し込み、タコなどの具材を窪みにひとつひとつ入れて加熱していき、生地を窪みの中でひとつひとつ裏返して球形に焼き上げることにより、製造する。
その名前のとおり、丸い形状のたこ焼きの中に、タコがごろんと入っており、これがおいしさのポイントである。ここで、たこ焼きに用いられるタコは、極小さな個体を丸ごと入れる場合もあるが、多くの場合はブロック状に切り刻んだものであり、専用の冷凍品も販売されている。市販品は通常、重さ5グラム前後であるが、より大きなものもある。
ここで、加熱したタコはその筋繊維が硬く噛み切れない場合がある。また、たこ焼きを家庭で調理する時はもちろん、特に工場で大量生産するときは、タコの確保が難しいことや、たこ焼きに対するタコの原材料費率が大きいという問題がある。
そこで、下記特許文献1から4には、タコの切り落とし等の小片を用いて、タコ焼きの具材とする発明が開示されている。
「切り落とし」は、裁断して製品を整形する際に発生する余分な部分で、規格の大きさ、形に切る際、端を切り落としたものであり、処分されるくず部分であり、端を切り落としたもの、それらの部分又は切れ端を集めたもので、切り出しともいう。安価に販売されることも多く、切り落としを上手に活用する工夫・技術は、資源の有効利用・活用する手段である。
下記特許文献1は、冷凍たこ焼きの具材用タコ及冷凍たこ焼きに関するものである。この発明により、冷凍たこ焼きの具材にするタコとして、タコ全体を有効利用して残りが出ないようにすることのできる冷凍たこ焼きの具材用タコを提供するとともに、前記冷凍たこ焼きの具材用タコを含んだ大量生産できる。
下記特許文献2は、刻みたこ入りたこ焼き及びその製造方法に関するものである。この発明により、従来のぶつ切りのたこに起因する形状や大きさのバラツキ範囲が大きいことにより品質が一定しなくなる、手作業を必要とするため製造コストがかかる等の問題点を解決して、品質が一定するとともに大量生産装置で容易に製造することができるとともに、咀嚼しやすい刻みたこ入りたこ焼き及びその製造方法を提供できる。
下記特許文献3は、タコ焼き用の具の調理方法に関するものである。この発明により、本発明に係るタコ焼き用の具の調理方法によれば、多くの労力を要せず、機械的な切削手段を応用して迅速かつ容易にタコを小片に調理することができ、しかも、上記のタコの小片は任意寸法の定形に構成し得るので、タコ焼器の自動タコ片供給装置によって自動的に供給することができる。
下記特許文献4は、食品用接着組成物及び該接着組成物を用いて接着してなる接着食品に関するものである。
この発明により、食品用接着組成物において、用いる硬化油脂被覆カルシウム塩並びに硬化油脂被覆カルシウム塩及びカルシウム溶出促進剤からなるカルシウム混合物のカルシウム溶出濃度を特定して用いることによりゲル化時間、即ち接着猶予時間を容易に制御でき、食品材料或いは食品片の性質や接着作業時間にとらわれることなく、変色や異味及び異臭の無い優れた組み合わせ接着食品を複雑な加工工程を経ずに製造することができる、加工澱粉など多くの成分が検討されている。
特開2001−352952号公報(冷凍たこ焼きの具材用タコ及び冷凍たこ焼き) 特開2005−27526号公報(刻みたこ入りたこ焼き及びその製造方法) 特開平3−175958号公報(タコ焼き用の具の調理方法) 特開2010−81920号公報(食品用接着組成物及び該接着組成物を用いて接着してなる接着食品)
しかし、これら前記特許文献1から4の発明は、単に機械的にタコの小片に接着物を入れたものであり、従来のたこ焼きのタコとはかけ離れており、食感、呈味などについては深く検討されておらず、喫食に耐えうるものではないという問題がある。
すなわち本発明は、上記問題を解決するため、従来、くずとして捨てていたタコの切り落とし部分を使用可能とし、タコの使用比率を高め、かつ、たこ焼きの生地の軟らかさに適合させた、新食感のおいしいたこ焼き用成形タコを製造し、これを使用したおいしいたこ焼きを提供することにある。
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、タコの小片を結着剤を用いて結着し、前記結着剤として、アルギン酸含有製剤に加工澱粉、カルシウム塩を添加して用いることを特徴とする、たこ焼き用成形タコの製造方法を要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、タコは天然物であり、その大きさ、形状が不定型であるが、タコの小片を使用することで、原料のタコを余すところなく使用でき廃棄量が少なくなるため、成形タコを使用した製品の原材料費・廃棄処理費を抑制でき、食品廃棄物が少なくなり、自然環境にやさしい製品を製造できる。
また、タコを、たこ焼きに適する部位に切り分け、その部位を既定のサイズに切り分ける技術と手間がなくなり、また、たこ焼きの製品の大きさに合わせて、成形タコのサイズを自由に調節することができる。
アルギン酸を含有する製剤でタコの小片を接着するという方法を用いることにより、タコ独自の物性を有し、タコの有するこりこり感やハリを出した成型タコを製造することができる。
更にタコの小片を結着させた成形タコは、小麦粉等を混合した生地を焼いたたこ焼き本体の軟らかい食感とマッチする。その上、それぞれのたこ焼きの食感に合わせてその食感を自由に調整することができる。
そして、タコの小片を結着させた結着タコは、タコから切り出したタコ片と比べて、タコ片の大きさが小さいため、タコの筋繊維が短く、噛み切り易く、歯の間、のどに詰まりにくく、消化もしやすい。
たこ焼き用成形タコは、アルギン酸含有製剤に加工澱粉を添加して製造するため、澱粉のねっとり感や弾力を利用して、結着する小片タコ間にタコ特有の弾力感をもたらすことができる。
更に、たこ焼き用成形タコは、アルギン酸含有製剤にカルシウム塩を添加することでたんぱく質を凝固させることができる。
請求項記載の本発明は、たこ焼き用成形タコは、タコの小片と、粉砕したタコからなり、前記タコの小片と前記粉砕したタコは結着剤で結着して製造することを要旨とするものである。
請求項記載の本発明によれば、タコの小片とタコを粉砕したものを結着剤で接着するため、タコの含有割合を上げ、本物に近い食味の成型タコを製造することができる。
請求項記載の本発明は、たこ焼き用成形タコは、タコの小片を結着剤を用いて結着し、前記結着剤として粉砕したタコを用いて製造することを要旨とするものである。
請求項記載の本発明によれば、タコを細かく粉砕したものをつなぎとして、タコの小片を接着する方法を用いることにより、より一層タコの含有割合を上げ、本物に近い食味の成型タコを製造することができる。
請求項記載の本発明は、たこ焼き用成形タコは、タコをカットした後、アルギン酸製剤及び加工澱粉により結着後に、塩化カルシウム液で浸漬して製造することを要旨とするものである。
請求項記載の本発明によれば、成形タコ中の水分を増やしても適度なかたさを得ることができ、タコの使用比率を下げることができる。
請求項記載の本発明は、たこ焼き用成形タコは、タコの小片を結着剤を用いて結着した、ユニバーサルデザインフード区分2程度の食感を有することを要旨とするものである。
請求項記載の本発明によれば、従来は難しかったタコの含有率や、かたさを調整することができるため、柔らかいかたさに仕上げる必要があるユニバーサル食品としての利用することができる。
請求項記載の本発明は、たこ焼き用成形タコは、たこ焼きの具材となるタコであり、前記タコはボイルしたタコの小片と、粉砕したタコからなり、前記タコの小片と前記粉砕したタコはアルギン酸含有製剤で結着したことを要旨とするものである。
請求項記載の本発明によれば、タコの小片とタコを粉砕したものを結着物で接着するため、タコの含有割合を上げて本物に近い食味となり、更に、アルギン酸を含有する製剤で、タコの小片と粉砕したものを接着することにより、タコ独自の物性を有し、タコの有するこりこり感やハリを出した、成型タコを製造することができる。
請求項記載の本発明は、たこ焼きの具材となるタコであり、前記タコはボイルしたタコをカットした後、アルギン酸製剤及び加工澱粉で結着させたのちに、塩化カルシウム液で浸漬した、たこ焼き用成形タコの製造方法を要旨とするものである。
請求項記載の本発明によれば、タコの特有のこりこり感やハリ、弾力感をもたらしたたこ焼き用成形タコを製造することができる。
請求項記載の本発明は、タコをカットした後、アルギン酸製剤及び加工澱粉で結着させ、塩化カルシウム液で浸漬した、たこ焼き用成形タコを使用したたこ焼きの製造方法を要旨とするものである。
請求項記載の本発明によれば、従来、くずとして捨てていたタコの切り落とし部分について、再使用できるようにしたことのみならず、たこ焼きの生地の軟らかさに適合させた、新食感のおいしいたこ焼き用成形タコを製造し、この成形タコを使用したおいしいたこ焼きを製造できる。
以上のとおり、本発明のたこ焼き用成形タコは、従来、くずとして捨てていたタコの切り落とし部分を使用可能とし、タコの使用比率を高め、かつ、たこ焼きの生地の軟らかさに適合させた、新食感のおいしいたこ焼き用成形タコを製造し、これを使用したおいしいたこ焼きを提供することができる。
そして、本発明の成形タコは、たこ焼き以外の粉物料理、例えばお好み焼き、パンケーキ、カップケーキ、クレープ、ケイクサレ、ピザやパン、更に、タコを材料とする料理のパエリヤ、コロッケ、グラタン、サラダ、和え物、スープの具等として活用できる。
以下本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれに限定されたものでないことは、言うまでもない。
本発明において「%」とは、すべて「重量%」を意味する。
生のタコから、加工の前段階までの工程は、活締めした生のタコを水洗いし、頭部の中身と目を取り除き、水洗いした後、塩でもみ洗いしてぬめりを取り、ゆでた後、冷却して、タコの頭部と、頭部以外に切り分ける。以降、それぞれ、「頭部タコ」、「頭部以外タコ」と記載する。
前記工程は生のタコを使用したものであるが、生のまま冷凍したタコを解凍したものを、前記工程の生のタコと同様に処理してもよい。
タコを無駄なく利用して本発明のたこ焼き用の成形タコを製造するために、「頭部以外タコ」と「頭部タコ」から、「小片タコ」と「粉砕タコ」を製造し、これらを組合せて、本発明のたこ焼き用の成形タコを製造する方法を検討した。
「小片タコ」と「粉砕タコ」を製造するための機器として、チョッパーを使用した。
チョッパーとは、肉挽き機とも呼ばれる肉等を小さく切断する機器であり、本体、スクリュー、回転ナイフ、プレート、リング等から構成される。その動作は、本体投入口から投入した肉等を、スクリューで回転ナイフ方向に押し出して、回転ナイフでカットした肉等をプレートに設けられた複数の穴より押出し任意の大きさにする。プレートの穴の直径により、最終的な肉等の大きさが決まる。
本発明において「小片タコ」とは、「頭部以外タコ」をプレートの穴の直径が16mmのチョッパーにかけたものである。また、同「粉砕タコ」とは、「頭部タコ」をプレートの穴の直径が6.4mmのチョッパーにかけたものである。
プレートの穴の直径が16mmのチョッパーにかけた「頭部以外タコ」の足の部分は、足そのままの形状で切れることが多い。
1.「固形部」及び「つなぎ部」の検討
「小片タコ」と「粉砕タコ」を組合せて、「成形タコ」を製造する方法の検討及び、「固形部」の結着剤の要否の検討を行なった。
大豆たんぱく質(フジプロ)を使用したのは、大豆タンパク質の弾力と、たんぱく質の結着力をもたらすからである。
浸漬剤(SK−10)を使用したのは、タコの内部まで効率よく下味を浸透させるためである。
下記表1のとおりの割合で、「固形部」として、「小片タコ」に大豆たんぱく質(フジプロ)、又は、浸漬剤(SK−10)を合わせて2〜5分間混合し、30分間静置した。同様に、「つなぎ部」として、「粉砕タコ」に食塩と浸漬剤(SK−10)を合わせて2〜5分間混合し、30分間静置した。その後、固形部、つなぎ部、結着剤(パールミートGT7)と結着補強剤として加工澱粉(マツノリン340)を混ぜ合わせ、厚み15mmに成型した「成形タコ」を製造した。
表1の成形タコ1−1、1−2のいずれの配合においても成形タコは十分に固形化されており、大豆たんぱく質は必ずしも成形タコの固形化に必要ではないことが検証された。
以上より、固形部、つなぎ部を合わせて、成形タコのほぼ80%は、小片タコと粉砕タコからなるため、タコ使用率の高い成形タコを製造することができることが検証された。
Figure 0006718661
2.加工澱粉の検討
前記1.の検討をもとに、大豆たんぱく質(フジプロ)を使用していない固形部1−2の配合を基準として、「小片タコ」と「粉砕タコ」を組合せて、更にタコ使用率の高い「成形タコ」を製造する方法を検証すべく、結着剤及び結着補助剤としての加工澱粉の配合の検討を行なった。
結着剤(パールミートGT7)のみならず、結着補強剤として加工澱粉(マツノリン340)を使用したのは、澱粉のねっとり感や弾力を利用して、結着する小片タコと小片タコ、小片タコと粉砕タコ、及び粉砕タコと粉砕タコとの間にタコ特有の弾力感をもたらすためである。
下記表2のとおりの割合で、「固形部」として、「小片タコ」に浸漬剤(SK−10)を合わせて2〜5分間混合し、30分間静置した。同様に、「つなぎ部」として、「粉砕タコ」に食塩と浸漬剤(SK−10)を合わせて2〜5分間混合し、30分間静置した。その後、固形部、つなぎ部、結着剤(パールミートGT7)と結着補強剤として加工澱粉(マツノリン340)を混ぜ合わせ、厚み15mmに成型した「成形タコ」を製造した。
成形タコ2−1、2−2、2−3の配合のとおり、加工澱粉(マツノリン340)の使用量を検討したところ、成型タコ2−1の配合量の10.3%では充分に固まらず、逆に成形タコ2−3の配合量の15%を加えた場合は、全体の粘性が高くねばりにより作業性が悪いため、成形タコ2−1の配合の11.9%が、より望ましいことが検証された。
以上より、成形タコ2−1は、固形部、つなぎ部を合わせて、成形タコのほぼ87%は、小片タコと粉砕タコからなるため、前記1.に比べてタコ使用率の高い成形タコを製造することができることが検証された。
Figure 0006718661
3.保型剤の検討
前記1.及び2.の検討をもとに、「小片タコ」と「粉砕タコ」を組合せて、更にタコ使用率の高い「成形タコ」を製造する方法を検証すべく、保型剤(KGパウダーFAB)の配合の検討を行なった。
下記表3のとおりの配合で、「つなぎ部」として、粉砕タコに食塩、浸漬剤(SK−10)と氷水を合わせて2〜5分間混合し、30分間静置した。その後、まず、小片タコに保型剤(KGパウダーFAB)を混ぜ合わせ、その後、つなぎ部(3−1)を混ぜ合わせ、20mm×100mmの押出し成型機で成形して成形タコとし、その後、湯で95℃、約6分間ボイル後、冷却して、ボイルした成形タコを製造した。
成形タコ3−1の配合のように、他の配合に比してつなぎ部の配合量が36.8%と多い場合、かまぼこのような硬い弾力感を有する食感であった。
逆に、成形タコ3−3の配合のように、つなぎ部の配合量を15.7%まで少なくすると、かまぼこの様な硬い弾力感はなくなるが、ボイル時に成形タコがばらけて、形が維持できないことが検証された。
以上のとおり、成形タコのつなぎ部(3−1)の配合量は、成形タコに対して18%から30%に調製することが望ましいことが検証された。
Figure 0006718661
4.アルギン酸製剤の検討(1)
上記3.の検討をもとに、「成形タコ」の結着剤としてアルギン酸製剤及びアルギン酸ナトリウムを使用する配合の検討をした。
更に、アルギン酸製剤(ミキシングフォーマーTA)が含有すると想定されるアルギン酸ナトリウムと、それ以外の成分の想定含有量をそれぞれ添加することにより、それぞれの効果を検証した。
なお、ミキシングフォーマーTA(千葉製粉(株))の表示配合割合は、リン酸架橋澱粉(タピオカ)29.58%、アルギン酸ナトリウム14.00%、フマル酸2.90%、炭酸カルシウム2.10%、その他食品素材51.42%、である。
アルギン酸ナトリウムを使用したのは、増粘剤、安定剤、ゲル化剤としての効果を有し、タコ特有のこりこり感やハリ感をもたらすためである。また、炭酸カルシウム及びクエン酸は、たんぱく質を凝固させる効果があるためである。
下記表4のとおりの配合で、「つなぎ部」として、粉砕タコに食塩、浸漬剤(SK−10)と氷水を合わせて2〜5分間混合し、30分間静置した。その後、成形タコ4−1、4−2には、まず、小片タコにアルギン酸ナトリウムを混ぜ合わせた後、つなぎ部(3−1)、サラダ油と、冷水、更に、成形タコ4−2には炭酸カルシウム、クエン酸を混ぜ合わせた。一方、成形タコ4−3、4−4には、まず、小片タコにアルギン酸製剤(ミキシングフォーマーTA)を混ぜ合わせた後、冷水を混ぜ合わせたものを、20mm×100mmの押出し成型機で成形して成形タコとし、その後、噴霧液を噴霧した成形タコを製造した。
ここで、成形後の表面の割れを防止するために噴霧液を噴霧したが、2.5%塩化カルシウム溶液である噴霧液を噴霧した成形タコ4−1は多少かたさが増す程度で、割れ易さは、塩化カルシウムを含まない噴霧液4−2を噴霧した成形タコ4−2とかわらないことが検証された。
一方、成形タコ4−3、4−4の配合は、成形タコ4−1、4−2と異なり噴霧液4−3、4−4を成形タコに噴霧したものは割れない。また、成形タコ4−3、4−4の配合の水分を14.5%から21.3%含有でき、タコの使用比率を下げることが可能であることが検証された。
以上のことから、成形タコ4−2の配合の、アルギン酸ナトリウムと酸味料を加えたものでは効果がなく、リン酸架橋澱粉など、その他の成分の寄与があきらかになった。
具体的には、アルギン酸製剤の中に含有されるアルギン酸に加工澱粉を加えることにより、粉砕タコと粉砕タコ、粉砕タコと小片タコ、小片タコと小片タコが結着すると共に、成形タコに適度なかたさを得ることができることが検証された。
Figure 0006718661
5.アルギン酸製剤の検討(2)
上記4.の検討の結果より、アルギン酸製剤の中のアルギン酸と加工澱粉を加えることにより適度なかたさが得られる可能性が明らかになったこともとに、結着剤としてそこで、アルギン酸製剤(ミキシングフォーマーTA)及び各種の加工澱粉を使用し、その検討を行った。
下記表5のとおりの配合で、小片タコにアルギン酸製剤(ミキシングフォーマーTA)を混ぜ合わせ、その後、各種の澱粉と、冷水を混ぜ合わせたものを、20mm×100mmの押出し成型機で成形して成形タコとし、その後、噴霧液を噴霧した成形タコを製造した。
加工澱粉として、マツノリンXA−80M(松谷化学工業(株):ヒドロキシプロピル化リン酸澱粉、含水8%時での粘度は750BU)、マツノリンM−22(松谷化学工業(株):澱粉、含水5%時での粘度は1000BU)、マツノリン340(松谷化学工業(株):リン酸架橋澱粉、含水10%時での粘度は700BU)を使用した。
加工澱粉を使用しなかった成形タコ5−1については、柔らかいゲルが生成された成型タコが製造できた。
一方、加工澱粉(マツノリンXA−80M)を配合した成形タコ5−2、加工澱粉(マツノリン340)を配合した成形タコ5−3は、共に、充分なかたさのゲルが生成できた。そして、これらの成形タコは、たこ焼きへ投入する工程においても充分なかたさのゲルであることを認識した。更に、加工澱粉(マツノリンXA−80M)を配合した成形タコ5−2の方が、よりしっかりとしたゲルであり、好ましいことが検証された。
また、加工澱粉の代わりに小麦粉を配合した成形タコ5−4は、混合時に水っぽさが残っており、噴霧液である塩化カルシウム溶液を噴霧後も、かたさは発生せずに、弱いゲルのままであった。
更に加工澱粉(マツノリンM−22)を配合した成形タコ5−5は、糊状の物性を示し、かたさが発生せず、成形タコとしての使用ができなかった。
以上の結果より、アルギン酸製剤によるゲルは、単に加工澱粉や小麦粉の配合した成形タコをたこ焼きへの投入するたこ焼き製造に必要な充分なかたさを得られないのに対し、加工澱粉(マツノリンXA−80M)、及び、加工澱粉(マツノリン340)のような、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸架橋澱粉などの加工澱粉を用いた場合にのみ前記の効果があることが見いだされた。
Figure 0006718661
6.アルギン酸製剤の検討(3)
前記5.の検討をもとに、「成形タコ」に、結着剤としてアルギン酸製剤(ミキシングフォーマーTA)及び加工澱粉(マツノリン340)を使用した配合の検討をした。
下記表6のとおりの配合で、小片タコにアルギン酸製剤(ミキシングフォーマーTA)を混ぜ合わせ、その後、加工澱粉(マツノリン340)と、冷水を混ぜ合わせたものを、20mm×100mmの押出し成型機で成形して成形タコとし、その後噴霧液を噴霧した成形タコを製造した。
アルギン酸製剤の配合量は、成形タコ6−3の配合の2.5%の使用で充分なかたさを保持し、かつ、柔らかく、官能評価が高かった。したがって、より少なくてもよく、成形タコ6−1から6−3の配合のとおり、1%から4.5%の使用で製造可能であることが検証された。
更に、「つなぎ部」を使用せずとも、結着剤としてアルギン酸製剤(ミキシングフォーマーTA)及び加工澱粉(マツノリン340)を使用することにより成形タコを食感よく製造することができることが検証された。
アルギン酸製剤(ミキシングフォーマーTA)のみならず、加工澱粉(マツノリン340)を使用したのは、澱粉のねっとり感や弾力を利用して、結着する小片タコと小片タコとの間にタコ特有の弾力感をもたらしながら結着するためである。
Figure 0006718661
以上の検討もとにして、下記製造工程・方法、及び、下記表7の配合で成形タコ及びこの成形タコを使用したたこ焼きを製造した。
製造工程・方法
(1)タコを搬入する。
(2)「タコ」をチョッパーにかけ「小片タコ」とする。
(3)「小片タコ」にアルギン酸製剤と加工澱粉を加え、冷水を入れ混合する。
(4)に全体に馴染ませ。
(5)を均一になるまで攪拌・混合を行う。
(6)を成形機に投入し、直径15mm、高さ15mmの円柱形に成形タコを成型する。
(7)成形タコに噴霧液を噴霧する。
(8)上記工程で製造した成形タコをたこ焼き機の焼成途中のたこ焼きに投入して、たこ焼きを焼成する。
本実施例の噴霧液を噴霧した成形タコ及び本成形タコを使用したたこ焼きの食感は、タコの程よい弾力を保持し、かつ、柔らかく、たこ焼きの生地ともマッチして食べ口の良いたこ焼きであることが検証された。
なお、本施例では、成形タコに塩化カルシウム液を噴霧したが、浸漬してもよい。
Figure 0006718661
前記実施例の配合、及び、製造工程・方法で調製した成型タコを、釣鐘型のたこ焼きの中央部に投入したたこ焼きを製造して、これを、直径20mmのプランジャーで圧縮速度10mm/sec、クリアランス5mmで圧縮し、そのかたさを測定した。
合計5点を測定し、そのうち上下2点の値を除去した3点の値を平均した結果、「かたさ」は2.0×1 N/mであった。これは、ユニバーサルデザインフード区分2の、「歯茎で押しつぶせる」程度の柔らかさであった。
「歯茎で押しつぶせる」程度の柔らかさのたこ焼きであるため、具材のタコまでふわっと軟らかい、具材と生地のかたさがマッチした食感の良いタコ焼きを製造できることが検証された。
本発明の実施例に使用した製剤について記載する。
SK−10(千葉製粉(株)):浸漬剤
フジプロ(不二製油(株)):結着剤(大豆たんぱく質)
パールミートGT−7(千葉製粉(株)):結着剤(焼成Ca、卵白粉を含む)
KGパウダーFAB(千葉製粉(株)):保型剤(未加熱、加熱済原料とも可)
ミキシングフォーマーTA(千葉製粉(株)):アルギン酸製剤
マツノリン340(松谷化学工業(株)):加工澱粉
本発明により、従来、くずとして捨てていたタコの切り落とし部分を使用可能とし、タコの使用比率を高め、かつ、たこ焼きの生地の軟らかさに適合させた、新食感のおいしいたこ焼き用成形タコを製造し、これを使用したおいしいたこ焼きを提供することができる。

Claims (8)

  1. タコの小片を結着剤を用いて結着し、前記結着剤として、アルギン酸含有製剤に加工澱粉、カルシウム塩を添加して用いることを特徴とする、たこ焼き用成形タコの製造方法。
  2. タコの小片と、粉砕したタコからなり、前記タコの小片と前記粉砕したタコは結着剤で結着した、たこ焼き用成形タコの製造方法。
  3. タコの小片を結着剤を用いて結着し、前記結着剤として粉砕したタコを用いることを特徴とする、請求項1乃至請求項記載のたこ焼き用成形タコの製造方法。
  4. タコをカットした後、アルギン酸製剤及び加工澱粉により結着後に、塩化カルシウム液で浸漬した、たこ焼き用成形タコの製造方法。
  5. タコの小片を結着剤を用いて結着した、ユニバーサルデザインフード区分2程度の食感を有する請求項1乃至請求項いずれかに記載のたこ焼き用成形タコの製造方法。
  6. たこ焼きの具材となるタコであり、前記タコはボイルしたタコの小片と、粉砕したタコからなり、前記タコの小片と前記粉砕したタコはアルギン酸含有製剤で結着した、たこ焼き用成形タコ。
  7. たこ焼きの具材となるタコであり、前記タコはボイルしたタコをカットした後、アルギン酸製剤及び加工澱粉で結着させたのちに、塩化カルシウム液で浸漬した、たこ焼き用成形タコの製造方法
  8. タコをカットした後、アルギン酸製剤及び加工澱粉で結着させ、塩化カルシウム液で浸漬した、たこ焼き用成形タコを使用したたこ焼きの製造方法
JP2015153013A 2015-08-02 2015-08-02 たこ焼き用成形タコ及びこれを使用したたこ焼きの製造方法 Active JP6718661B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015153013A JP6718661B2 (ja) 2015-08-02 2015-08-02 たこ焼き用成形タコ及びこれを使用したたこ焼きの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015153013A JP6718661B2 (ja) 2015-08-02 2015-08-02 たこ焼き用成形タコ及びこれを使用したたこ焼きの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017029072A JP2017029072A (ja) 2017-02-09
JP6718661B2 true JP6718661B2 (ja) 2020-07-08

Family

ID=57985213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015153013A Active JP6718661B2 (ja) 2015-08-02 2015-08-02 たこ焼き用成形タコ及びこれを使用したたこ焼きの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6718661B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3477310B2 (ja) * 1996-03-13 2003-12-10 千葉製粉株式会社 食品接着用組成物及び該組成物を用いて接着してなる接着食品
DE69816611D1 (de) * 1998-08-13 2003-08-28 Vda E Hijos De Jeronimo Izagui Verfahren zur Herstellung von einem Tintenfischersatz und hergestelltes Produkt
JP2001340068A (ja) * 2000-05-31 2001-12-11 Hatsuchiyandou:Kk 湯戻しできる乾燥タコ焼き
JP2001352952A (ja) * 2000-06-12 2001-12-25 Hatsuchiyandou:Kk 冷凍たこ焼きの具材用タコ及び冷凍たこ焼き
JP5420876B2 (ja) * 2008-10-03 2014-02-19 千葉製粉株式会社 食品用接着組成物および該接着組成物を用いて接着してなる接着食品。

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017029072A (ja) 2017-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7101164B2 (ja) 食肉加工用ミックス
JP2015223119A (ja) 水溶きタイプのから揚げ用ミックス
JP7051722B2 (ja) 水溶きタイプの竜田揚げ用ミックス
JP2013198420A (ja) 米粉麺
JP6718661B2 (ja) たこ焼き用成形タコ及びこれを使用したたこ焼きの製造方法
JP5118505B2 (ja) 粒状低カロリー食品素材の製造方法及び粒状低カロリー食品素材製造用原料
JP2017135999A (ja) 米粉麺の製造方法
JP6851759B2 (ja) 揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法
JP2009189339A (ja) 粉末卵及びこれを含有した保形性向上材、並びに各種加工食品
WO2022153435A1 (ja) 揚げ物用打ち粉ミックス
JP2014176328A (ja) レトルト食品とその製造方法
JP6086857B2 (ja) 冷凍餃子及び冷凍餃子の製造方法
JP6062813B2 (ja) カツレツ風食品用衣組成物
JP6910048B2 (ja) 電子レンジ調理用食品及びその製造方法
JP3597837B2 (ja) ボール状加工食品の製造方法
Sarkar et al. Effect of vegetables gums on proximate, functional, optical and sensory attributes of catfish nuggets during chilled storage
JP2015096032A5 (ja)
JP2019195305A (ja) 揚げ物バッター用組成物、揚げ物用バッター、揚げ物及び揚げ物の製造方法
JP6979302B2 (ja) 揚げ衣用バッター液及びその製造方法並びに揚げ物の製造方法
JP2009297020A (ja) 惣菜用大豆蛋白素材
JP7312436B2 (ja) 餅様食品
JP2008073018A (ja) 焼き菓子生地用成形剤、それを用いた焼き菓子、焼き菓子の製造方法及び焼き菓子生地の成形改善方法。
JP2018113878A (ja) 揚げ物用打ち粉ミックス
JP4173950B2 (ja) ドーナッツ食品改質剤及びドーナッツ食品の改質方法
JP7169531B2 (ja) 冷凍ハンバーグ類の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200615

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6718661

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250