JP6718388B2 - 放射性核種吸着用粒子 - Google Patents
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Description
また、原子力発電所での重大事故の後では、放射性廃液の処理が問題であり、種々の処理法が試みられている。
放射性物質を含有する汚染水の処理方法として、放射性物質の吸着材としてハスクレイを用いることが提案されている(例えば、特許文献1)。
すなわち、本発明は、カルボン酸(塩)基を有する水溶性ビニルモノマー(a1)及び架橋剤(b)を必須構成単量体とする架橋重合体(A)からなる吸収性樹脂(X)を含む放射性核種吸着用粒子(Z)であって、カルボン酸(塩)基を有する水溶性ビニルモノマー(a1)において、塩としてナトリウム塩及びカリウム塩を含有する放射性核種吸着用粒子である。
(1)放射性核種の吸着性能(吸着量、吸着速度及び処理後の放射性核種濃度)に優れる。(2)該(Z)を用いて放射性廃液を処理する方法により、放射性核種を含有する放射性廃液を効率的に処理できる。
本発明における架橋重合体(A)は、カルボン酸(塩)基を有する水溶性ビニルモノマー(a1)及び架橋剤(b)を必須構成単量体とする。
本発明において、水溶性ビニルモノマーとは、25℃の水100gに少なくとも100g溶解する性質を持つビニルモノマーを意味する。
塩としては、ナトリウム塩及びカリウム塩を含有すればよく、これら以外にリチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等のアルカリ土類金属塩及びオニウム塩を含んでいてもよい。
架橋重合体(A)中のカルボン酸(塩)基の濃度は、原料に使用したアクリル酸のモル数と、中和率により求めることができる。
架橋重合体(A)において、下記数式(1)により求められる(A)中のカルボン酸塩基のナトリウムイオンとカリウムイオンとのモル比率は、放射性核種の吸着性能の観点から、1〜99が好ましく、さらに好ましくは14〜19である。
ナトリウムイオンとカリウムイオンとのモル比率=[(A)中のナトリウムイオンのモル数]/[(A)中のカリウムイオンのモル数]
その他のビニルモノマー(a2)を構成単量体とする場合、その他のビニルモノマー単量体の含有量(モル%)は、吸着性能の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)単量体のモル数に基づいて、好ましくは0.01〜30、さらに好ましくは0.05〜20、特に好ましくは0.1〜15である。
内部架橋剤(b)としては、公知の内部架橋剤、例えば、特開2003−225565号公報に記載の内部架橋剤が使用できる。
これらの内部架橋剤(b)のうち、吸着性能等の観点から、好ましいのはエチレン性不飽和基を2個以上有する内部架橋剤、さらに好ましくはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及び炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテル、特に好ましくはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル、最も好ましくはペンタエリスリトールトリアリルエーテルである。
これらの表面架橋剤のうち、吸着性能の観点から、好ましいのは水溶性ビニルモノマー(a1)単量体のカルボン酸(塩)基と反応し得る官能基を少なくとも2個以上有する架橋剤であり、さらに好ましいのは多価グリシジルであり、特に好ましいのはエチレングリコールジグリシジルエーテル及びグリセリンジグリシジルエーテルであり、最も好ましいのはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
吸収性樹脂(X)の生理食塩水の吸収倍率は、放射性核種の吸着性能の観点から、生理食塩水(25℃)に対して、好ましくは20〜100g/gであり、さらに好ましくは30〜80/gであり、特に好ましくは40〜70g/gであり、最も好ましくは45〜65g/gである。
吸収性樹脂(X)の生理食塩水の吸収倍率は、架橋重合体(A)の内部架橋及び/又は表面架橋の量を増加させることにより減少させることができ、内部架橋及び/又は表面架橋の量を減少させることにより増加させることができる。
生理食塩水の吸収倍率の測定方法は下記である。なお、後述の実施例における該吸収倍率はこの方法にしたがった。
縦20cm、横10cm、幅約5mmのナイロン製の網袋(250メッシュ)に、吸収性樹脂(X)(サンプル量;1.0g)を入れ、これを袋ごと過剰の生理食塩水(25℃)に浸す。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して30分間水切りした後、質量(Sg)を測定して下式より吸収倍率を求める。
[網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の質量(Tg)をブランクとする。]
生理食塩水の吸収倍率=(S−T)/1.0
<放射性核種吸着助剤(K)>
本発明における放射性核種吸着助剤(K)としては、ゼオライト(K1)、フェロシアン化物(K2)及び結晶性ケイチタン酸塩(CST)(K3)からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
上記のうち、吸着性能の観点から、好ましいのはゼオライト及び/又はフェロシアン化物である。
ゼオライト(K1)は、アルミノケイ酸塩であり、モルデナイト、クリノブチロライト、チャバサイト、クリノブチロライト及び合成ゼオライト等が挙げられる。これらのうちで、吸着性能の観点から、好ましいのはモルデナイト及びクリノブチロライトであり、さらに好ましいのはモルデナイトである。
また、(K1)の 市販品としては、SP#2300(飯坂鉱山)[日東粉化工業(株)]、イズカライト[(株)イズカ]、ハイシリカゼオライトHSZ−642NAA[(東ソー(株)]等、SGW[(ジークライト(株)、スーパーZ[ジークライト(株)]、クリノブチロライト二ツ井産[サンゼオライト工業(株)]等が挙げられる。
フロシアン化物(K2)は、例えば以下の化学式で表される化合物である。
M4+[Fe(II)(CN)6]4-
なお、上記式において、「M」は、Fe、Co、Ni、K、Na、NH4等である。
結晶性ケイチタン酸塩(K3)の市販品としては、結晶性ケイチタン酸塩CST−1[米国UOP社製]等が挙げられる。
本発明の放射性核種吸着用粒子(Z)は、前記架橋重合体(A)からなる吸収性樹脂(X)を含有する。さらに放射性核種の吸着性能を向上させるため、前記放射性核種吸着助剤(K)を含有してもよい。
つまり、吸収性樹脂(X)を単体で用いてもよいし、吸収性樹脂(X)と放射性核種吸着助剤(K)とを含有してもよい。
(1)吸収性樹脂(X)と、必要により後述の添加剤とを含有する粒子。
(2)吸収性樹脂(X)と、放射性核種吸着助剤(K)と、必要により後述の添加剤を含有する粒子。
(3)上記(1)の粒子の表面に、(K)が付着した粒子。
(4)上記(1)の粒子と、(K)の粒子との混合物。
(5)上記(2)の粒子の表面に(K)が付着した粒子。
(6)上記(2)の粒子と、(K)の粒子との混合物。
(7)上記(3)の粒子と、(K)の粒子との混合物。
上記(1)〜(7)のうち、吸着性能及び処理のし易さの観点から、好ましいのは(1)、(2)、さらに好ましいのは(2)である。
とりわけ、(2)の粒子うち、(Z)の内部に(K)が存在するものが好ましい。
(1)架橋重合体(A)を、例えば粉砕して、必要により分級して、(Z)を得る。
(2)(A)の含水ゲルの細断後のものと、(K)とを、例えば混練して、乾燥、粉砕、分級して粒子を得る。
(3)上記(1)の粒子と、例えば(K)の水や有機溶媒のスラリーとを混合して、必要により、乾燥して、粒子の表面に(K)が付着した粒子を得る。
(4)上記(1)の粒子と、(K)とを混合して、混合物を得る。
上記(1)〜(4)のうち、好ましいのは(1)、(2)、さらに好ましいのは(2)である。
添加物としては、公知(たとえば特開2003−225565号公報)の添加剤{防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、芳香剤、消臭剤及び有機質繊維状物等}等が使用でき、これらの1種又は2種以上を併用してもよい。これらの添加物は、吸着性能の観点から、該(Z)の重量に基づいて、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
また、本発明の放射性核種吸着用粒子(Z)中の水分は、10重量%以下が好ましく、吸着性能、処理のし易さの観点から、さらに好ましくは2.5〜6.0重量%であり、特に好ましくは3.0〜5.0重量%である。
生理食塩水の吸収倍率は、吸収性樹脂(X)の内部架橋及び/又は表面架橋の量を増加させることにより減少させることができ、内部架橋及び/又は表面架橋の量を減少させることにより増加させることができる。また、必要により有する(K)の種類、量により、適宜調整できる。
生理食塩水の吸収倍率の測定方法は下記である。なお、後述の実施例における該吸収倍率はこの方法にしたがった。
縦20cm、横10cm、幅約5mmのナイロン製の網袋(250メッシュ)に、放射性核種吸着用粒子(Z)(サンプル量;1.0g)を入れ、これを袋ごと過剰の生理食塩水(25℃)に浸す。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して30分間水切りした後、質量(Sg)を測定して下式より吸収倍率を求める。
[網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の質量(Tg)をブランクとする。]
生理食塩水の吸収倍率=(S−T)/1.0
本発明の放射性廃液の処理方法は、前記放射性核種吸着用粒子(Z)を用いて、放射性核種を吸着する方法である。
具体的には、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)放射性廃液と、(Z)とを混合して、放射性廃液中の放射性核種を(Z)に吸着させる。
(2)上記(1)を固液分離して、放射性核種を吸着した(Z)と、放射性核種が除かれた廃液とに分ける。
該固液分離の方法としては、塩(塩化カルシウム等)を加える方法、有機溶剤(メタノール等)を加える方法、遠心分離する方法等が挙げられる。
(3)上記(2)の放射性核種を吸着した(Z)については、さらに公知の方法で、減容してもよい。
○重合工程
2Lのビーカーに、アクリル酸230.4g、架橋剤としてペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0g、及び水1001.7gを添加し10℃に冷却した。この溶液を、断熱重合槽に入れ、窒素を通じて溶液の溶存酸素を0.1ppm(オリエント電機(株)製、商品名溶存酸素計 DO220PBで測定)とした後、重合開始剤として、35重量%の過酸化水素水0.023g、L−アスコルビン酸0.00575g、及び過硫酸カリウム0.23gを添加した。約30分後、重合反応が開始し、約2時間後に最高温度60℃に到達した。更に、この温度で5時間熟成させて重合を完結させた。得られた重合体は、含水ゲル状を有していた。
○中和・乾燥・分級工程
この重合体をニーダー((株)入江商会製、商品名BENCH KNEADERPNV−1;回転数70rpm)で約2時間撹拌して細断し、更に48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7g(アクリル酸の中和率72モル%)を配合し、ニーダーで約2時間撹拌して混合し含水ゲル状重合体(A1)を得た。
その後、バンド乾燥機(透気乾燥機、井上金属(株)製)を用いて120℃で1時間乾燥し、市販のジューサーミキサーにて粉砕し、目開き850及び106μmのふるいを用いて106〜850μmの粒度に調整した。
○表面架橋工程
粒度を調整したもの200gを高速攪拌(ホソカワミクロン(株)製、高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながらエチレングリコールジグリシジルエーテルの10重量%水/メタノール混合溶液(水/メタノールの重量比=70/30)の4g(0.1モル%)をスプレー噴霧しながら加えて混合した。この混合物を140℃で30分間静置して加熱架橋(表面架橋)することにより重量平均粒子径370μm(日機装(株)製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定、以下において同じ)の吸収性樹脂(X−1)を得た。得られた(X−1)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−1)とした。
実施例1の表面架橋工程において、「エチレングリコールジグリシジルエーテルの10重量%水/メタノール混合溶液(水/メタノールの重量比=70/30)の4g(0.1モル%)」に代えて「エチレングリコールジグリシジルエーテルの10重量%水/メタノール混合溶液(水/メタノールの重量比=70/30)の2g(0.05モル%)」とする以外は同様にして吸収性樹脂(X−2)を得て、得られた(X−2)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−2)として用いた。
実施例1の表面架橋工程を実施しない以外は同様にして吸収性樹脂(X−3)を得て、得られた(X−3)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−3)として用いた。
○モノマー溶液作成工程
1Lのビーカーにアクリル酸100g、イオン交換水272.2g及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.5g(0.5重量%/アクリル酸)を入れ混合し架橋剤を溶解させた。ビーカーを氷浴で冷却しながら、40重量%水酸化ナトリウム水溶液95g及び40重量%水酸化カリウム水溶液5.0gを添加し、アクリル酸の一部(72モル%)を中和した。中和したモノマー溶液を5℃に冷却した後、重合開始剤として過硫酸カリウム0.2gを添加してモノマー水溶液とした。
攪拌機とコンデンサー(冷却器)を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、シクロヘキサン1000ml及び分散剤としてスチレンスルホン酸ナトリウム/スチレンブロック共重合体10gを、湯浴を用いて内容物を60℃に加熱し攪拌して、シクロヘキサンに分散剤を溶解させた。
○懸濁重合工程
セパラブルフラスコ中のシクロヘキサン液中に窒素を通じてシクロヘキサンの溶存酸素を0.1ppm以下とした後、攪拌機を用いてシクロヘキサンを攪拌しながら、滴下ロートを用いて該モノマー水溶液400gを滴下し、重合温度60℃で逆相懸濁重合を行い、更にモノマー水溶液の滴下終了後、更に2時間加熱し、懸濁重合を完結させ、シクロヘキサン中で球状の含水ゲルを得た。
○乾燥工程
攪拌機の回転を停止し、生成した含水ゲルを沈降させた後、デカンテーションによりシクロヘキサンを除去し、残った含水ゲルを数回シクロヘキサンで洗浄し、含水ゲルに付着した分散剤を除去した。得られた球状の含水ゲルを、離型紙の上に広げ、80℃の減圧乾燥機(減圧度:10、000〜20、000Pa)で2時間乾燥させ重量平均粒子径が350μmの架橋重合体(A−4)を得た。
○分級・表面架橋工程
目開き850及び106μmのふるいを用いて106〜850μmの粒度に調整した後、この100gを高速攪拌(ホソカワミクロン(株)製、高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながらエチレングリコールジグリシジルエーテルの10重量%水/メタノール混合溶液(水/メタノールの重量比=70/30)の2g(0.1モル%)をスプレー噴霧しながら加えて混合した。この混合物を140℃で30分間静置して加熱架橋(表面架橋)することにより重量平均粒子径370μmの吸収性樹脂(X−4)を得た。得られた吸収性樹脂をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−4)とした。
実施例1の中和工程において、「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7g」に代えて「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液96g及び48重量%水酸化カリウム水溶液96.9g」とした以外は実施例1と同様にして吸収性樹脂(X−5)を得て、得られた(X−5)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−5)として用いた。
実施例1の中和工程において、「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7g」に代えて「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液179.2g及び48重量%水酸化カリウム水溶液12.9g」とした以外は実施例1と同様にして吸収性樹脂(X−6)を得て、得られた(X−6)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−6)として用いた。
実施例1の中和工程において、「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7g」に代えて「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液190g及び48重量%水酸化カリウム水溶液1.9g」とした以外は実施例1と同様にして吸収性樹脂(X−7)を得て、得られた(X−7)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−7)として用いた。
実施例1において、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7gを配合し、ニーダーで撹拌した後、放射性核種吸着助剤(K)としてSP#2300(飯坂鉱山)[日東粉化工業(株)](K−1)を31g配合して、更にニーダーで撹拌した。
その後は、実施例1と同様にし、吸収性樹脂(X−1)及び(K−1)を含有する重量平均粒子径370μmの放射性核種吸着用粒子(Z−8)を得た。
実施例1において、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7gを配合し、ニーダーで撹拌した後、放射性核種吸着助剤(K)として、(K−1)を120g配合した以外は実施例1と同様にし、吸収性樹脂(X−1)及び(K−1)を含有する重量平均粒子径370μmの放射性核種吸着用粒子(Z−9)を得た。
実施例1において、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7gを配合し、ニーダーで撹拌した後、放射性核種吸着助剤(K)として、(K−1)を280g配合した以外は実施例1と同様にし、吸収性樹脂(X−1)及び(K−1)を含有する重量平均粒子径370μmの放射性核種吸着用粒子(Z−10)を得た。
実施例1において、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7gを配合し、ニーダーで撹拌した後、放射性核種吸着助剤(K)として(K−1)を1120g配合した以外は実施例1と同様にし、吸収性樹脂(X−1)及び(K−1)を含有する重量平均粒子径370μmの放射性核種吸着用粒子(Z−11)を得た。
実施例1において、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7gを配合し、ニーダーで撹拌した後、放射性核種吸着助剤(K)としてゼオラムA−4(東ソー(株)製)(K−2)を31g配合した以外は実施例1と同様にし、吸収性樹脂(X−1)及び(K−2)を含有する重量平均粒子径370μmの放射性核種吸着用粒子(Z−12)を得た。
実施例1において、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7gを配合し、ニーダーで撹拌した後、放射性核種吸着助剤(K)としてミロリブルー905(大日精化工業(株)製)(K−3)を31g配合した以外は実施例1と同様にし、吸収性樹脂(X−1)及び(K−3)を含有する重量平均粒子径370μmの放射性核種吸着用粒子(Z−13)を得た。
実施例1において、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7gを配合し、ニーダーで撹拌した後、放射性核種吸着助剤(K)として結晶性ケイチタン酸塩CST−1(米国UOP社製)(K−4)を31g配合した以外は実施例1と同様にし、吸収性樹脂(X−1)及び(K−4)を含有する重量平均粒子径370μmの放射性核種吸着用粒子(Z−14)を得た。
実施例1の分級工程において、目開き63及び38μmのふるいを用いて重量平均粒子径50μmに調整した以外は実施例1と同様にして吸収性樹脂(X−8)を得て、得られた(X−8)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−15)として用いた。
実施例1の分級工程において、目開き3350及び2800μmのふるいを用いて重量平均粒子径3100μmに調整した以外は実施例1と同様にして吸収性樹脂(X−9)を得て、得られた(X−9)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−16)として用いた。
実施例1の中和工程において、「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7g」に代えて「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液126.6g及び48重量%水酸化カリウム水溶液6.7g」とした以外は実施例1と同様にして吸収性樹脂(X−10)を得て、得られた(X−10)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−17)として用いた。
実施例1の中和工程において、「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7g」に代えて「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液228g及び48重量%水酸化カリウム水溶液12.1g」とした以外は実施例1と同様にして吸収性樹脂(X−11)を得て、得られた(X−11)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−18)として用いた。
実施例1の中和工程において、「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7g」に代えて「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液248.2g及び48重量%水酸化カリウム水溶液13.2g」とした以外は実施例1と同様にして吸収性樹脂(X−12)を得て、得られた(X−12)をそのまま放射性核種吸着用粒子(Z−19)として用いた。
放射性核種吸着用粒子(比Z−1)として、SP#2300(飯坂鉱山)(日東粉化工業株式会社製)を使用した。
実施例1において、「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液182.4g及び48重量%水酸化カリウム水溶液9.7g」に代えて「48重量%の水酸化ナトリウム水溶液192.0g」とした以外は実施例1と同様にして吸収性樹脂(比X−1)を得て、得られた(比X−1)をそのまま放射性核種吸着用粒子(比Z−2)として用いた。
塩化セシウム(和光純薬工業(株)製)と、塩化ストロンチウム六水和物(和光純薬工業(株)製)とを、イオン交換水に溶解して、セシウムイオン濃度1000ppm、ストロンチウムイオン濃度1000ppmである放射性核種水溶液(合計濃度:2000ppm)を作成した。
500mLビーカーに、上記水溶液を100g秤量した。これを4個作成した。撹拌下、それぞれに放射性核種吸着用粒子(Z)2.0gを添加し、水溶液をゲル化させた。
添加後5分のもの、10分のもの、20分のもの、1時間のもの、それぞれにメタノール150gを加えて、10分後、No.2ろ紙を用いたろ過により、固液分離して、ろ液を得た。このろ液の重量(単位:g)を測定した。
得られたろ液について、蛍光X線分析装置でセシウム(Cs)濃度(単位:ppm)、ストロンチウム(Sr)濃度(単位:ppm)を測定した。
以下の計算式により、放射性核種吸着率(%)を算出した。
放射性核種吸着率(%)=100−
{(Cs濃度)+(Sr濃度)}×(ろ液重量)/2000×100
以上のことから、放射性核種吸着用粒子(Z)を用いて放射性核種を吸着する放射性廃液の処理方法は、効率的であり、優れた方法であることがわかる。
Claims (9)
- カルボン酸(塩)基を有する水溶性ビニルモノマー(a1)及び内部架橋剤(b)を必須構成単量体とする架橋重合体(A)からなる吸収性樹脂(X)を含む放射性核種吸着用粒子であって、カルボン酸(塩)基を有する水溶性ビニルモノマー(a1)において、塩としてナトリウム塩及びカリウム塩を含有する放射性核種吸着用粒子(Z)。
- 架橋重合体(A)において、下記数式(1)により求められる(A)中のナトリウムイオンとカリウムイオンとのモル比率が1〜99である請求項1に記載の放射性核種吸着用粒子。
ナトリウムイオンとカリウムイオンとの比率=[(A)中のナトリウムイオンのモル数]/[(A)中のカリウムイオンのモル数] - 架橋重合体(A)中のカルボン酸塩基の濃度が、架橋重合体(A)の重量に基づいて4.5〜11モル/kgである請求項1又は2に記載の放射性核種吸着用粒子。
- さらに、放射性核種吸着助剤(K)を含有してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射性核種吸着用粒子。
- 放射性核種吸着助剤(K)が、ゼオライト、フェロシアン化物及び結晶性ケイチタン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の放射性核種吸着用粒子。
- 吸収性樹脂(X)と放射性核種吸着助剤(K)との重量比[(X)/(K)]が20/80〜90/10である請求項4又は5記載の放射性核種吸着用粒子。
- 重量平均粒子径が50〜10,000μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射性核種吸着用粒子。
- 水溶性ビニルモノマー(a1)中のカルボン酸基の中和率(カルボン酸塩基のモル数/カルボン酸基及びカルボン酸塩基の合計モル数)が50〜98モル%である請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射性核種吸着用粒子。
- 請求項1〜8のいずれか記載の放射性核種吸着用粒子(Z)を用いて放射性核種を吸着する放射性廃液の処理方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016035185 | 2016-02-26 | ||
JP2016035185 | 2016-02-26 |
Publications (2)
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