JP5632300B2 - 放射性薬液拡散防止用組成物 - Google Patents
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すなわち本発明は、多孔質樹脂(A)、吸収性樹脂(B)及び放射線遮蔽剤(C)を含有する放射性薬液拡散防止用組成物であって、放射線遮蔽剤(C)が鉄化合物、鉛化合物、錫化合物、ビスマス化合物、タングステン化合物及びこれらの混合物の群から選ばれる少なくとも1種であり、吸収性樹脂(B)及び放射線遮蔽剤(C)を多孔質樹脂(A)に担持あるいは分散させてなる放射性薬液拡散防止用組成物である。
(1)本発明の放射性薬液拡散防止用組成物は、放射性薬液の吸収速度が速く、放射性薬液の拡散を抑える効果が高い。
(2)本発明の放射性薬液拡散防止用組成物は、吸収性樹脂及び遮蔽剤が均一に担持あるいは分散されているので、放射線の遮蔽効果が高い。
(3)本発明の放射性薬液拡散防止用組成物は、軽量で持ち運びやすく、放射性薬液の飛散に即座に対応が可能である。
(4)本発明の放射性薬液拡散防止用組成物は、放射性薬液を吸収した部分を取り除いて廃棄することができる。
平均セル径は50〜1000μmが好ましく、50〜500μmのもの、中でも、セル径100μm〜300μmの細孔を樹脂全体に数多く、満遍なく有するものが特に好ましい。
炭素数4〜20の脂環式アミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン)等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDIなどが挙げられる。
整泡剤の使用量は、活性水素化合物に対して、好ましくは7重量%以下、さらに好ましくは0.1〜6重量% 、とくに好ましくは0.2〜5重量%である。
本発明における発泡剤としての水の使用量は、活性水素化合物に対し、好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは0.01〜2重量%
、とくに好ましくは0.02〜1重量%である
は、好ましくは70〜125、さらに好ましくは75〜120、とくに好ましくは80〜115 である。
例えば、(メタ)アクリル酸(塩)、マレイン酸(塩)、フマル酸(塩)及びイタコン酸(塩)等のカルボン酸(塩)単量体;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、スルホアルキル(メタ)アクリレート及び4-ビニルベンゼンスルホン酸(塩)等のスルホン酸(塩)単量体;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜3)置換(メタ)アクリルアミド[N−メチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド等]及びN−ビニルアセトアミド等のアミド単量体;モノヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)モノ(メタ)アクリレート等のアルコール単量体;ポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート等のエーテル単量体;アルキル(炭素数1〜5)(メタ)アクリレート及び酢酸ビニル等のエステル単量体等が挙げられる。
塩は、例えば、(メタ)アクリル酸(塩)の場合、アクリル酸又はメタクリル酸を中和することで得られる。
(i)炭素数8〜30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン及びジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2〜20の脂肪族エチレン性モノマー
アルケン[エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等];並びにアルカジエン[ブタジエン及びイソプレン等]等。
(iii)炭素数5〜15の脂環式エチレン性モノマー
モノエチレン性不飽和モノマー[ピネン、リモネン及びインデン等];並びにポリエチレン性ビニル重合性モノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
(b11)のうち、吸収性樹脂の吸収能の観点から、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、特に好ましくはN,N'−メチレンビスアクリルアミド及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートである。
(b132)としては、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びテトラアリルオキシエタン等が挙げられる。
(b21)としては、分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する架橋剤(b211)、分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する架橋剤(b212)、分子内にアリル基を有さずかつ水酸基を有する架橋剤(b213)及び分子内にアリル基を有さずかつエポキシ基を有する架橋剤(b214)等が挙げられる。
(b212)としては、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びジグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアリルエーテル等が挙げられる。
(b213)としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(b214)としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(b31)としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
(b32)としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
(b33)としては、エチレンジアミン等が挙げられる。
(b34)としては、(ポリ)アルキレングリコール、グリセリン及びソルビトール等が挙げられる。
(b3)のうち、好ましくは多価グリシジル化合物(b31)であり、さらに好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
(b3)を使用した場合は、架橋剤添加後、任意の段階で、好ましくは100〜230℃、より好ましくは120〜160℃に加熱し架橋反応を進行させるのが一般的である。また、架橋剤(b3)は、所定量の範囲で2種以上、更には(b1)及び(b2)と併用しても良い。
次に本発明の架橋重合体(P)を得る方法について説明する。
これらの重合方法のうち、好ましくは、モノマー水溶液に架橋剤を添加溶解し重合する水溶液重合法、及び分散剤の存在下、疎水性有機溶媒(例えばヘキサン、トルエン、キシレン等)中に、モノマー水溶液を分散・懸濁して重合するいわゆる逆相懸濁重合法である。特に好ましくは、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、水溶液重合法である。
開始剤の量に関しても、特に限定はないが、ビニルモノマー(a1)及び/又は(a2)の合計重量に対して、ポリマーの重合度をアップする観点から、0.000001〜3.0重量%が好ましく、更に好ましくは0.000001〜0.5重量%である。
また、(メタ)アクリル酸は、同一条件で重合を行った場合、中和度が低い方が重合度が上がりやすいため、ポリマーの重合度を大きくするためにも、中和度が低い状態で重合を行った方が好ましい。
ここにおいてHLBとは、親水性と親油性とのつり合いを表し、下記の式から求められる(「界面活性剤の合成と其応用」、501頁、1957年槇書店刊;「新・界面活性剤入門」、197−198頁、1992年三洋化成工業刊、等参照)。
HLB=10×(無機性/有機性)
上記式中、( )内は有機化合物の無機性と有機性の比率を表し、該比率は上記文献に記載されている値から計算することができる。
逆相懸濁重合におけるモノマー水溶液と疎水性有機溶媒との重量比(W/O比)は、0 .1〜2.0が好ましく、0.3〜1.0がより好ましい。
上記平均重合度の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)にて、下記条件で測定した値である。
<GPC法の測定条件>
カラム : TSK gel SuperH4000、TSK gel SuperH3000又はTSK gel SuperH2000(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
検 出 器:RI
溶 媒 :テトラヒドロフラン
流 速 :0.6ml/分
試料濃度 :0.25質量%
注 入 量 :10μl
標 準 :ポリオキシエチレングリコール
(東ソー株式会社製;TSK STANDARD
POLYETHYLENE OXIDE)
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
含水ゲルの乾燥方法に関しては、水溶液重合の場合、含水ゲルをミートチョッパーやカッター式の粗砕機でゲルをある程度細分化(細分化のレベルは0.5〜20mm角程度)あるいはヌードル化し、必要により水酸化アルカリ金属等を添加して含水ゲルの中和を行った後、透気乾燥(パンチングメタルやスクリーン上に含水ゲルを積層し、強制的に50〜150℃の熱風を通気させて乾燥する等)や通気乾燥(含水ゲルを容器中に入れ、熱風を通気・循環させ乾燥、ロータリーキルンの様な機械で更にゲルを細分化しながら乾燥する)等の方法を例示できる。これらの中で、透気乾燥が短時間で効率的な乾燥が行えるため好ましい。
一方、逆相懸濁重合の場合の含水ゲルの乾燥方法は、重合した含水ゲルと有機溶媒をデカンテーション等の方法で固液分離した後、減圧乾燥(減圧度;100〜50、000Pa程度)又は通気乾燥を行うのが一般的である。
乾燥時間に関しても、使用する乾燥機の機種及び乾燥温度等により異なるが、好ましくは5〜300分、より好ましくは、5〜120分である。
放射線遮蔽材(C)として、鉄、鉄化合物、鉛、鉛化合物、錫、錫化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タングステン、タングステン化合物及びこれらの混合物が好ましい。
吸収性樹脂、放射線遮蔽剤の配合方法は何等制限されるものではなく、種々の方法が採用される。例えば、
[1]吸収性樹脂及び放射線遮蔽剤の混合粉末に生理食塩水を加えて撹拌することにより、放射線遮蔽剤分散液を作製する。そこに、多孔質樹脂を浸すことにより、樹脂中に担持させる方法;
[2]吸収性樹脂に、放射線遮蔽剤、ワックスエマルジョン水溶液を混合し、吸収性樹脂表面に放射線遮蔽剤を付着させる。更に生理食塩水を加え、撹拌することにより、放射線遮蔽剤分散液を作製する。そこに、多孔質樹脂を浸すことにより、樹脂中に担持させる方法;
[3]吸収性樹脂の製造工程で含水ゲルに放射線遮蔽剤を練り込み、放射線遮蔽剤含有吸収性樹脂を作製する。それを一定粒径に粉砕した後、表面をワックスで処理し、多孔質樹脂に上から少量ずつ振るいながらかけていくことにより、担持させる方法;が挙げられる。
いずれも、遮蔽効果を上げるためには、樹脂中に均一に分散させることが必要であり、均一に分散させ、しっかり担持させる方法としては、特に、[2]、[3]の方法が有効である。
[多孔質樹脂(A−1)の製造方法]
TDI80gとトリエチレングリコールモノアクリレート20gをコルベンに仕込み、70℃で5時間加熱撹拌しウレタン化反応を行い、変性有機イソシアネートを得た。イソシアネート当量120、付加重合性官能基当量1020であった。
グリセリンにPO73モル付加しついでEO16モル付加したポリオール100g、トリエタノールアミン2g、「シリコーンL−5309」(日本ユニカー社製、シリコーン系整泡剤)1.5g、水3.5g、ジt−ブチルパーオキサイド0.2gおよび「TEDAL33」(トーソー社製、アミン触媒)0.5gを配合して25℃に温度調節し、この中に25℃に温度調節した上記変性有機イソシアネート58.7gを加えて、ホモディスパー(特殊機化社製攪拌機)4000rpmで10秒攪拌後、60℃に温度調節した300mm(長さ)×300mm(幅)×100mm(高さ)の、アルミ製モールド内でウレタン化反応とともに付加重合反応を行わせ、6分後脱型し、軟質ポリウレタンフォーム[多孔質樹脂(A−1)]を得た。得られたフォームの密度は40kg/m3であり、25%圧縮時の硬さは15.7kgf/cm2であった。また、平均セル径は220μmであった。
[多孔質樹脂(A−2)の製造方法]
グリセリンにPO73モル付加しついでEO16モル付加したポリオール100g、トリエタノールアミン2g、「シリコーンL−5309」(日本ユニカー社製、シリコーン系整泡剤)1.3g、水3.0g、および「DABCO
33LV」(トーソー社製、アミン触媒)0.4部を配合して25℃に温度調節し、この中に25℃に温度調節したTDIを37.7g加えて、ホモディスパー(特殊機化社製攪拌機)4000rpmで10秒攪拌後、60℃に温度調節した300mm(長さ)×300mm(幅)×100mm(高さ)の、アルミ製モールド内でウレタン化反応を行わせ、6分後脱型し、軟質ポリウレタンフォーム[多孔質樹脂(A−2)]を得た。得られたフォームの密度は50kg/m3であり、25%圧縮時の硬さは14.1kgf/cm2であった。また、平均セル径は240μmであった。
[吸収性樹脂(B−1)粉末の製造方法]
2リットルのビーカーに、アクリル酸200g、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー株式会社製)1.0g(0.5重量%/アクリル酸)、及びイオン交換水800gを入れて撹拌混合してアクリル酸水溶液を調整し、8℃に冷却した。
アクリル酸水溶液を1.5リットルの断熱重合槽に入れ、水溶液に窒素を通じてアクリル酸水溶液中の溶存酸素量を0.1ppm以下とした。この断熱重合層に、0.1%過酸化水素水4.0g、0.1%L−アスコルビン酸水溶液4.0g及び10%2、2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド(和光純薬工業株式会社製、商品名:V−50)水溶液1.0gを添加し、重合が開始するまで水溶液中への窒素パージを継続した。重合が開始し、アクリル酸水溶液の粘度が上昇し始めたのを確認後、窒素のパージを停止して6時間重合した。打点温度計でアクリル酸水溶液の温度を測定したところ、最高到達温度は、63℃であった。 尚、上記重合を上記架橋剤を除いた以外は同じ条件で重合したポリマーの平均重合度(GPCを用いて測定)は、約28000であった。
ブロック状の架橋された含水ゲルを断熱重合槽から取り出し、小型ミートチョッパー(ローヤル社製)を用いてゲルを3〜10mmの太さのヌードル状になるように細分化した後、40%水酸化ナトリウム(試薬特級)水溶液222g(中和度80モル%)を加え含水ゲルを中和した。中和後の細断ゲルを通気型バンド乾燥機{150℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、目開き150及び710μmのふるいを用いて150〜710μmの粒度に調整することにより、重量平均粒子径が50μmの吸収性樹脂(B−1)の粉末を得た。(B−1)の見掛け密度は0.64g/mlであった。
(1)吸収性樹脂(B−1)100gに、放射線遮蔽剤ビスマス(重量平均粒子径10μm)3000g、生理食塩水1000gを加え、30分間攪拌することにより、放射線遮蔽剤分散液(D−1)を作成した。
(2)上記(D−1)中に、多孔質樹脂(A−1)(厚さ50mm)を3時間浸すことにより、多孔質樹脂中に吸収性樹脂、放射線遮蔽剤を担持させた。その後、105℃で2時間乾燥させることにより、水分を蒸発させ、乾いた状態の放射性薬液拡散防止用組成物(1)800gを得た。本組成物の一部を切り取り、顕微鏡で表面を観察したところ、多孔質樹脂の孔部分に吸収性樹脂及び放射線遮蔽剤粉末が担持されていることが確認できた。本組成物1gあたりの放射性薬液吸収量は、30gであった。
(1)吸収性樹脂(B−1)100gに、放射線遮蔽剤タングステン(重量平均粒子径10μm)3000g、ワックスエマルジョン水溶液100gを混合し、吸収性樹脂表面に放射線遮蔽剤を付着させた。そこに、水1000gを加え、30分間振とうさせることにより、放射線遮蔽剤分散液(D−2)を作成した。
(2)上記(D−2)中に、多孔質樹脂(A−1)(厚さ50mm、300g)を3時間、圧力をかけながら浸し、更に裏返して同様の操作を行うことにより、多孔質樹脂中に放射線遮蔽剤分散液1000gを担持させた。その後、105℃で2時間乾燥させることにより、水分を蒸発させ、乾いた状態の放射性薬液拡散防止用組成物(2)800gを得た。本組成物の一部を切り取り、顕微鏡で表面を観察したところ、多孔質樹脂の孔部分に吸収性樹脂及び放射線遮蔽剤粉末が担持されていることが確認できた。本組成物1gあたりの放射性薬液吸収量は、48gであった。
(1)製造例2の吸収性樹脂の製造過程において、中和した含水ゲル3000gに、放射線遮蔽剤タングステン(重量平均粒子径10μm)1000gを混合し、裁断することにより、吸収性樹脂に放射線遮蔽剤を練りこんだ組成物を得た。この組成物を105℃で2時間乾燥後、粉砕し、重量平均粒子径が45μmの放射線遮蔽剤含有吸収性樹脂(E−3)を得た。
(2)上記(E−3)を多孔質樹脂(A−1)(厚さ50mm)中に上から少量ずつ振るいながらかけていくことにより、(A−1)100gあたり、300gの(E−3)を担持させ、放射性薬液拡散防止用組成物(3)1000gを得た。この組成物の一部を切り取り、顕微鏡で表面を観察したところ、多孔質樹脂の孔部分に吸収性樹脂及び放射線遮蔽剤粉末が担持されていることが確認できた。本組成物1gあたりの放射性薬液吸収量は、52gであった。
(1)製造例2の吸収性樹脂の製造過程において、中和した含水ゲル3000gに、放射線遮蔽剤ビスマス(重量平均粒子径10μm)1000gを混合し、裁断することにより、吸収性樹脂に放射線遮蔽剤を練りこんだ組成物を得た。この組成物を105℃で2時間乾燥後、粉砕し、重量平均粒子径が45μmの放射線遮蔽剤含有吸収性樹脂(E−4)を得た。
(2)上記(E−4)を多孔質樹脂(A−2)(厚さ5cm)中に上から少量ずつ振るいながらかけていくことにより、(A−2)100gあたり、300gの(E−4)を担持させ、放射性薬液拡散防止用組成物(4)1000gを得た。この組成物の一部を切り取り、顕微鏡で表面を観察したところ、多孔質樹脂の孔部分に吸収性樹脂及び放射線遮蔽剤粉末が担持されていることが確認できた。本組成物1gあたりの放射性薬液吸収量は、47gであった。
放射性薬液を100mlこぼしたところ、放射性薬液が飛散された部位の放射線は実効線量50mSvであった。放射性薬液部分を含む周辺に、本発明の放射性薬液拡散防止用組成物(1)を載せ、液部分を完全に覆った。30分後に液部分を完全に吸収したことを確認後、本組成物を載せた部位の実効線量を測定したところ、実効線量は20mSvであった。本組成物を廃棄した後の、薬液飛散部位の実効線量は、10mSv以下であり、薬液拡散部分以外からは放射線が計測されなかった。実効線量はガイガーミュラー計数管を用いて測定した。
本発明の各放射性薬液拡散防止用組成物(2)〜(4)についても同様に行ったところ、上記と同様の結果であった。
比較として、単に放射性薬液を拭き取った場合の、30分後の部屋の実効線量は、40mSv以下であった。また、ふき取り作業中に作業者が被爆したことがフィルムバッジより確認され、目視で観察された薬液拡散部分以外からも放射線が計測された。
Claims (9)
- 多孔質樹脂(A)、吸収性樹脂(B)及び放射線遮蔽剤(C)を含有する放射性薬液拡散防止用組成物であって、放射線遮蔽剤(C)が鉄化合物、鉛化合物、錫化合物、ビスマス化合物、タングステン化合物及びこれらの混合物の群から選ばれる少なくとも1種であり、吸収性樹脂(B)及び放射線遮蔽剤(C)を多孔質樹脂(A)に担持あるいは分散させてなる放射性薬液拡散防止用組成物。
- 多孔質樹脂(A)がポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、セルロース及びメラミンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1に記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
- 多孔質樹脂(A)が発泡により得られたウレタン樹脂である請求項1に記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
- 吸収性樹脂(B)が、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(P)を含有する吸収性樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
- 吸収性樹脂(B)が、(メタ)アクリル酸(塩)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体からなる吸収性樹脂である請求項4に記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
- 多孔質樹脂(A)の含有量が放射性薬液拡散防止用組成物の重量を基準として10〜50%である請求項1〜5のいずれかに記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
- 多孔質樹脂(A)と吸収性樹脂(B)との重量比[(A)/(B)]が2/1〜10/1である請求項1〜6のいずれかに記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
- 吸収性樹脂(B)の重量平均粒子径が1〜1000μmである請求項1〜7のいずれかに記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
- 放射線遮蔽剤(C)の重量平均粒子径が0.1〜100μmである請求項1〜8のいずれかに記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
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