JP5632300B2 - 放射性薬液拡散防止用組成物 - Google Patents

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本発明は、放射性薬液拡散防止用組成物に関する。
原子力発電所、核燃料再処理工場等の原子力施設や、大学や研究機関等の放射性薬液を使用する施設から放出された放射線、特に中性子線、ガンマー線を人間が被爆しないようにする安全対策は非常に重大な問題となっている。そこで、従来より、例えば原子炉については、格納容器内に収納して運転し、かつ原子力施設については周辺に非居住区域を設定し、また人口密集地から十分に離隔することが行われている。しかしながら、原子力施設内に故障が生じ、放射線が周辺へ放出される、または放射性薬液を使用する施設で、放射性薬液の飛散や流出等の事故が万が一にも発生した場合には、人間を含む生物全体に対する安全が損なわれ、かつ社会的に大きな問題となる。
放射線を発生する設備、機器は種々の分野で使用されているが、これらの設備、機器に用いる放射線遮蔽体もいくつか提案されている。例えば、中性子吸収物質を高温加圧下に溶解してなる遮蔽体(特許文献1)、流動性の中性子遮蔽体(特許文献2)、中性子吸収剤を透明ゲルで固定化した遮蔽体(特許文献3)等が公知である。酸化鉄系鉱石を含む重量コンクリートと内部の空隙部に水又は吸水膨潤した高吸水性樹脂を充填した構造の外周壁を備えた原子力発電所及び放射性廃棄物処理施設(特許文献4)等、放射性物質を取り扱う施設の外周壁に関するものもある。
また、成形及び加工が容易で、可動部位にも使用可能な放射線遮蔽体(特許文献5)、塑性変形可能な放射線遮蔽材料(特許文献6)など、ベースとなる樹脂に金属粉末とを混合した放射線遮蔽体の開発も進んでおり、より安全性が求められている。
また、放射性物質を取り扱う場所、例えば、原子力発電所や放射性物質を取り扱う研究機関においては、床面、壁面、天井或いは機器類などに放射性物質が付着しないように、合成樹脂フィルムまたはシートで被覆したり、あるいは間仕切り用に合成樹脂フィルムまたはシートが使用されている。
また、放射性薬液の輸送中や保存中に放射性薬液封入容器が破損することを防ぐと共に、放射性薬液が放射線遮蔽容器外へ漏出し、放射性汚染物を増加させる危険性の無い放射性薬液封入容器用輸送容器(特許文献7)もある。
放射性薬液を使用する研究機関等の施設では、放射性薬液飛散防止の為に、被覆用フイルムやシートを用いて放射線遮蔽の工夫がなされてはいる。しかしながら、万が一誤って作業中に放射性薬液をこぼす、あるいは放射性薬液を含有した容器を破損するなどの事故を起こした場合、シート上を放射性薬液が伝い、拡散することによる汚染が懸念される。
上述のように、放射線遮蔽体も様々なものが考えられているが、重量があって持ち運びが不便であり、一方、軽量化するために使用する放射線遮蔽体量を少なくしたり、放射線遮蔽剤を軽い金属に変更した場合、放射線遮蔽能力が不十分で安全性が確保できないなどの問題があった。またいずれの放射線遮蔽体においても、放射性薬液吸収能力がないため、放射性薬液拡散には対応することができなかった。
特開昭51−48099号公報 特公昭37−18450号公報 特公昭52−49556号公報 特開平10−300880号公報 特開平10−153687号公報 特開2003−321614号公報 特開平8ー98869号公報
放射性薬液の拡散による放射能汚染を防ぐためには、放射性薬液の移動を最小限に食い止める必要がある。本発明の目的は、放射性薬液の移動を最小限に留め、固形化して液流れを防止するために、放射性薬液を吸収する放射性薬液拡散防止用組成物を提供することにある。
本発明者は鋭意研究した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、多孔質樹脂(A)、吸収性樹脂(B)及び放射線遮蔽剤(C)を含有する放射性薬液拡散防止用組成物であって、放射線遮蔽剤(C)が鉄化合物、鉛化合物、錫化合物、ビスマス化合物、タングステン化合物及びこれらの混合物の群から選ばれる少なくとも1種であり、吸収性樹脂(B)及び放射線遮蔽剤(C)を多孔質樹脂(A)に担持あるいは分散させてなる放射性薬液拡散防止用組成物である。
本発明は、下記の効果を奏する。
(1)本発明の放射性薬液拡散防止用組成物は、放射性薬液の吸収速度が速く、放射性薬液の拡散を抑える効果が高い。
(2)本発明の放射性薬液拡散防止用組成物は、吸収性樹脂及び遮蔽剤が均一に担持あるいは分散されているので、放射線の遮蔽効果が高い。
(3)本発明の放射性薬液拡散防止用組成物は、軽量で持ち運びやすく、放射性薬液の飛散に即座に対応が可能である。
(4)本発明の放射性薬液拡散防止用組成物は、放射性薬液を吸収した部分を取り除いて廃棄することができる。
本発明における多孔質樹脂(A)は、使用時にスポンジ状の固体であり、密度が、20〜200kg/mであり、25%圧縮時の硬さが5〜75kgf/cmであるものが好ましい。
平均セル径は50〜1000μmが好ましく、50〜500μmのもの、中でも、セル径100μm〜300μmの細孔を樹脂全体に数多く、満遍なく有するものが特に好ましい。
多孔質樹脂(A)としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、セルロース及びメラミンからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが出来る。特に、フォームの安定性、使用性の観点から発泡ポリウレタンが好ましい。
ポリウレタンとしては、活性水素化合物とポリイソシアネートとを、ウレタン化触媒の存在下に反応させて得られる公知のポリウレタンが使用出来る。
活性水素化合物としては、例えば、少なくとも2個の活性水素を含有する化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等)にアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する。)が付加された構造の化合物(ポリエーテルポリオール)、ポリエステルポリオール、重合体ポリオール、多価アルコール、アルカノールアミン、これら以外の各種ポリオールもしくはモノオール、およびこれらの混合物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール;ならびにショ糖、グルコース)が挙げられる。
多価(2〜8価またはそれ以上)フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。
アミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン)、ポリアルキレンポリアミン(例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)が挙げられる。また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン);
炭素数4〜20の脂環式アミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン)等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸など)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。これらの活性水素含有化合物は単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
これらの活性水素含有化合物に付加させるAOとしては、炭素数2〜8のものが好ましく、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)、ブチレンオキシド、およびスチレンオキシド等が挙げられ、2種以上用いてもよい。2種以上のAOを用いる場合の付加方法としては、ブロック付加でもランダム付加でもこれらの併用付加であってもよいが、ブロック付加が好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、2種以上を併用してもよい。好ましいものは、多価アルコールにAO が付加された構造の化合物であり、さらに好ましくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールである。
ポリエステルポリオールとしては、前記の多価アルコールと前記ポリカルボン酸との縮合反応物;それらのAO(EO、PO等)付加物;ポリラクトンポリオール;
ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
これらの活性水素化合物の中では、ポリエーテルポリオール(とくにポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール)と多価アルコール(とくにエチレングリコール)の併用〔好ましくは重量比が、(70〜99):(1〜30)、さらに好ましくは(80〜98):(2〜20)〕が好ましい。
活性水素化合物の平均官能基数は、好ましくは2.2〜5、さらに好ましくは2.5〜4であり、活性水素化合物の平均水酸基価は、好ましくは20〜500、さらに好ましくは24〜400、とくに好ましくは25〜300である。
ポリイソシアネートとしては、従来からポリウレタンフォームの製造に使用されているものが使用できる。このようなイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(
例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDIなどが挙げられる。
ウレタン化触媒としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒はすべて使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミンおよびそのカルボン酸塩;オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート等のカルボン酸金属塩などの有機金属化合物;が挙げられる。
ウレタンフォームの製造においては、必要により整泡剤の存在下で反応させる。整泡剤としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、例として、ジメチルシロキサン系整泡剤、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤などがあげられる。
整泡剤の使用量は、活性水素化合物に対して、好ましくは7重量%以下、さらに好ましくは0.1〜6重量% 、とくに好ましくは0.2〜5重量%である。
ウレタンフォームの製造においては、必要により発泡剤の存在下で反応させる。発泡剤としては、ポリウレタンフォームの発泡に通常使用する発泡剤は全て使用でき、例としては水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス、水等が挙げられるが、水の使用が好ましい。
本発明における発泡剤としての水の使用量は、活性水素化合物に対し、好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは0.01〜2重量%
、とくに好ましくは0.02〜1重量%である
ウレタンフォームの製造において、ポリイソシアネートのイソシアネート指数[ (NCO基/活性水素原子含有基の当量比)×100]
は、好ましくは70〜125、さらに好ましくは75〜120、とくに好ましくは80〜115 である。
ポリウレタンフォームの作成は、フロス発泡法、バッチ式ハンド発泡法、ポリウレタン発泡機を使用する発泡法等、ポリウレタンフォームを作成する方法のいずれも用いることができるが、粗大空孔の少ないフィルター用途等に適したポリウレタンフォームを得るためには、好ましくはポリウレタン発泡機を使用する発泡方法である。
多孔質樹脂(A)の放射性薬液拡散防止用組成物中の含有量は、多孔質樹脂において、吸水速度、吸水量の観点から、10〜50重量%が好ましく、15〜30重量%が特に好ましい。
本発明における吸収性樹脂(B)は、水性液体を吸収する事によって水膨潤ゲルを形成しうる高分子化合物である。この様な吸収性樹脂としては、例えばポリアクリル酸塩架橋体、ポリアルキレンオキサイド系、イソブチレン−マレイン酸塩共重合体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体、酢酸ビニル−アクリル酸塩共重合架橋体、酢酸ビニル−マレイン酸モノメチル共重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等、一般的に公知の吸水性樹脂を挙げることができる。これら合成の高分子化合物以外に、例えば寒天、アルギン酸、カラギ−ナン、マンナン、ゼラチン、グルテン等の如き天然系多糖類及び蛋白等の天然高分子化合物も有効である。
吸収性樹脂(B)は、吸水速度、吸水量及び取り扱い性の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(P)からなる吸収性樹脂が好ましい。
水溶性ビニルモノマー(a1)としては特に限定はなく公知{特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報及び特開2005−95759号公報等}のビニルモノマー等が使用できる。

例えば、(メタ)アクリル酸(塩)、マレイン酸(塩)、フマル酸(塩)及びイタコン酸(塩)等のカルボン酸(塩)単量体;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、スルホアルキル(メタ)アクリレート及び4-ビニルベンゼンスルホン酸(塩)等のスルホン酸(塩)単量体;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜3)置換(メタ)アクリルアミド[N−メチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド等]及びN−ビニルアセトアミド等のアミド単量体;モノヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)モノ(メタ)アクリレート等のアルコール単量体;ポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(重合度:2〜100)モノ(メタ)アクリレート等のエーテル単量体;アルキル(炭素数1〜5)(メタ)アクリレート及び酢酸ビニル等のエステル単量体等が挙げられる。
加水分解性ビニルモノマー(a2)は、加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマーを意味し、特に限定はなく公知{特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報及び特開2005−95759号公報等}のビニルモノマー等が使用できる。なお、水溶性ビニルモノマーとは、25℃の水100gに少なくとも100g溶解する性質を持つビニルモノマーを意味する。また、加水分解性とは、50℃の水及び必要により触媒(酸又は塩基等)の作用により加水分解され水溶性になる性質を意味する。加水分解性ビニルモノマーの加水分解は、重合中、重合後及びこれらの両方のいずれでもよいが、得られる吸収性樹脂粒子の分子量の観点等から重合後が好ましい。
これらのうち、吸収特性の観点等から、水溶性ビニルモノマー(a1)が好ましく、さらに好ましくはアニオン性ビニルモノマー、次に好ましくはカルボキシ(塩)基、スルホ(塩)基、アミノ基、カルバモイル基、アンモニオ基又はモノ−、ジ−若しくはトリ−アルキルアンモニオ基を有するビニルモノマー、次に好ましくはカルボキシ(塩)基又はカルバモイル基を有するビニルモノマー、特に好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)及び(メタ)アクリルアミド、次に特に好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)、最も好ましくはアクリル酸(塩)である。
なお、「カルボキシ(塩)基」は「カルボキシル基」又は「カルボキシレート基」を意味し、「スルホ(塩)基」は「スルホ基」又は「スルホネート基」を意味する。また、(メタ)アクリル酸(塩)はアクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸又はメタクリル酸塩を意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。また、塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩及びアンモニウム(NH4)塩等が含まれる。これらの塩のうち、吸収特性の観点等から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、さらに好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩である。

塩は、例えば、(メタ)アクリル酸(塩)の場合、アクリル酸又はメタクリル酸を中和することで得られる。
架橋重合体(P)に含まれる(メタ)アクリル酸(塩)単位は未中和体{(メタ)アクリル酸単位}であっても、中和体{(メタ)アクリル酸塩単位}であっても差し支えないが、架橋重合体(P)の粘着性低減や分散性改良、架橋重合体(P)を製造する上での作業性の改良等の観点から、(メタ)アクリル酸単位の一部あるいは全てを中和して(メタ)アクリル酸塩単位とするのが好ましい。
必要により(メタ)アクリル酸単位の中和を行う場合は、通常、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属又はその水溶液を重合前のモノマー段階、あるいは重合後の含水ゲルに添加すれば良い。
架橋重合体(P)の(メタ)アクリル酸(塩)単位の最終的な中和度{(メタ)アクリル酸単位及び(メタ)アクリル酸塩単位の合計モル数に基づく、アクリル酸塩単位の含有量(モル%)}は、30〜100が好ましく、さらに好ましくは40〜90、特に好ましくは50〜90がより好ましい。
水溶性ビニルモノマー(a1)又は加水分解性ビニルモノマー(a2)のいずれかを構成単位とする場合、それぞれ単独で構成単位としてもよく、また、必要により2種以上を構成単位としてもよい。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合も同様である。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合、これらの含有モル比(a1/a2)は、75/25〜99/1が好ましく、さらに好ましくは85/15〜95/5、特に好ましくは90/10〜93/7、最も好ましくは91/9〜92/8である。この範囲であると、吸収性能がさらに良好となる。
架橋重合体(P)の構成単位として、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の他に、これらと共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)を構成単位とすることができる。
共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)としては特に限定はなく公知{特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報及び特開2005−95759号公報等}の疎水性ビニルモノマー等が使用でき、下記の(i)〜(iii)のビニルモノマー等が使用できる。
(i)炭素数8〜30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン及びジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2〜20の脂肪族エチレン性モノマー
アルケン[エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等];並びにアルカジエン[ブタジエン及びイソプレン等]等。
(iii)炭素数5〜15の脂環式エチレン性モノマー
モノエチレン性不飽和モノマー[ピネン、リモネン及びインデン等];並びにポリエチレン性ビニル重合性モノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
その他のビニルモノマー(a3)を構成単位とする場合、その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量(モル%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位のモル数に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3、次に好ましくは0.08〜2、特に好ましくは0.1〜1.5である。なお、吸収特性の観点等から、その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量が0モル%であることが最も好ましい。
架橋剤(b)としては特に限定はなく公知{特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報及び特開2005−95759号公報等}の架橋剤等が使用できる。
例えば、架橋剤(b)としては、少なくとも2個の重合性二重結合を有しカルボキシル基との反応性を有する官能基を有さない架橋剤(b1)、少なくとも1個の重合性二重結合と少なくとも1個のカルボキシル基との反応性を有する官能基とを有する架橋剤(b2)及び重合性二重結合を有さず少なくとも2個のカルボキシル基と反応性を有する官能基を有する架橋剤(b3)が挙げられる。
重合性二重結合としては、アクリロイル基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。カルボキシル基との反応性を有する官能基とは、カルボキシル基と反応してエステル結合やアミド結合を形成する官能基のことであり、水酸基、エポキシ基及びアミノ基等が挙げられる。
(b1)としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する架橋剤(b11)、2個以上のビニルエーテル基を有する架橋剤(b12)および2個以上のアリルエーテル基を有する架橋剤(b13)等が挙げられる。これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
(b11)としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアクリレート等の分子内に2〜10のアクリロイル基を有する共重合性の架橋剤が挙げられる。
(b11)のうち、吸収性樹脂の吸収能の観点から、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、特に好ましくはN,N'−メチレンビスアクリルアミド及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートである。
(b12)としては、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル(重合度2〜5)、ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ソルビトールトリビニルエーテル及びポリグリセリン(重合度3〜13)ポリビニルエーテル等が挙げられる。
(b13)としては、分子内にアリルエーテル基を2個有しかつ水酸基を有さない架橋剤(b131)、分子内にアリルエーテル基を3〜10個有しかつ水酸基を有さない架橋剤(b132)等が挙げられる。
(b131)としては、ジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、アルキレン(炭素数2〜5)グリコールジアリルエーテル、及びポリエチレングリコール(重量平均分子量:100〜4000)ジアリルエーテル等が挙げられる。
(b132)としては、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びテトラアリルオキシエタン等が挙げられる。
(b2)としては、特開平1−103615号公報及び特開2000−26510号公報等に記載されているものが使用でき、非イオン性基を有する架橋剤(b21)並びにカチオン性基を有する架橋剤(b22)が挙げられる。これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
(b21)としては、分子内にアリル基を2個有しかつ水酸基を1〜5個有する架橋剤(b211)、分子内にアリル基を3〜10個有しかつ水酸基を1〜3個有する架橋剤(b212)、分子内にアリル基を有さずかつ水酸基を有する架橋剤(b213)及び分子内にアリル基を有さずかつエポキシ基を有する架橋剤(b214)等が挙げられる。
(b211)としては、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル及びペンタエリスリトールジアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度2〜5)ジアリルエーテル等が挙げられる。
(b212)としては、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びジグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアリルエーテル等が挙げられる。
(b213)としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(b214)としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(b22)としては、第4級アンモニウム塩を有する架橋剤{N,N,N−トリメチル−N−(メタ)アクリロイロキシエチルアンモニウム塩(炭酸塩、カルボン酸塩等)及びN,N,N−トリエチル−N−(メタ)アクリロイロキシエチルアンモニウム塩(炭酸塩、カルボン酸塩等)等}及び第3級アミノ基を有する架橋剤{(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等}が挙げられる。
(b2)としては、吸収性樹脂の吸収能の観点から、(b21)が好ましく、より好ましくは(b211)及び(b212)、さらに好ましくは(b212)、特に好ましくはアリル基が3〜5個で且つ水酸基を1〜3個有する架橋剤、最も好ましくはペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテルである。
(b3)としては、特開平1−103615号公報及び特開2000−26510号公報等に記載されているものが使用できる。例えば、多価グリシジル化合物(b31)、多価イソシアネート化合物(b32)、多価アミン化合物(b33)及び多価アルコール化合物(b34)が挙げられる。これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
(b31)としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
(b32)としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
(b33)としては、エチレンジアミン等が挙げられる。
(b34)としては、(ポリ)アルキレングリコール、グリセリン及びソルビトール等が挙げられる。
(b3)のうち、好ましくは多価グリシジル化合物(b31)であり、さらに好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
(b3)を使用した場合は、架橋剤添加後、任意の段階で、好ましくは100〜230℃、より好ましくは120〜160℃に加熱し架橋反応を進行させるのが一般的である。また、架橋剤(b3)は、所定量の範囲で2種以上、更には(b1)及び(b2)と併用しても良い。
(b)としては、吸収性樹脂の吸収能の観点から、(b1)および(b2)が好ましく、さらに好ましくは(b11)、(b13)および(b2)である。これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
架橋重合体(P)を構成する架橋剤(b)の割合は、吸収性樹脂粒子の吸収能の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)と(b)との合計重量に対して、0.05〜1重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.8重量%、特に好ましくは0.1〜0.6重量%である。
架橋重合体(P)は1種でもよいし、2種以上の混合物であってもよい。
次に本発明の架橋重合体(P)を得る方法について説明する。
架橋重合体(P)を得るための重合方法としては公知の重合方法が適用でき、たとえば、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、逆相懸濁重合又は乳化重合のいずれでもよい。
これらの重合方法のうち、溶液重合、懸濁重合、逆相懸濁重合及び乳化重合が好ましく、さらに好ましくは溶液重合、逆相懸濁重合及び乳化重合、特に好ましくは溶液重合及び逆相懸濁重合である。これらの重合には、公知の重合開始剤、連鎖移動剤及び/又は溶媒等が使用できる。

これらの重合方法のうち、好ましくは、モノマー水溶液に架橋剤を添加溶解し重合する水溶液重合法、及び分散剤の存在下、疎水性有機溶媒(例えばヘキサン、トルエン、キシレン等)中に、モノマー水溶液を分散・懸濁して重合するいわゆる逆相懸濁重合法である。特に好ましくは、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、水溶液重合法である。
水溶液重合法又は逆相懸濁重合法で重合する方法は、通常の方法で良く、例えばラジカル重合開始剤を用いて重合する方法、放射線、紫外線、電子線等を照射する方法が挙げられる。
ラジカル重合開始剤を用いる場合、この開始剤としては、アゾ化合物[アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等]、レドックス開始剤[アルカリ金属塩の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、L−アスコルビン酸等の還元剤と、アルカリ金属塩の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の過酸化物の組み合わせ]等が挙げられる。これらは2種類以上を併用してもよい。
重合温度は使用する開始剤の種類等によっても異なるが、好ましくは−10〜100℃、より好ましくはポリマーの重合度をアップする観点から−10〜80℃である。
開始剤の量に関しても、特に限定はないが、ビニルモノマー(a1)及び/又は(a2)の合計重量に対して、ポリマーの重合度をアップする観点から、0.000001〜3.0重量%が好ましく、更に好ましくは0.000001〜0.5重量%である。
水溶液重合の場合、モノマーの重合濃度(重量%)は、他の重合条件によっても種々異なるが、(メタ)アクリル酸(塩)は、重合濃度を高くすると重合反応と並行してモノマー自体の疑似架橋(自己架橋)が起こり易く、吸収量の低下やポリマーの平均重合度の低下を招くこと、また重合時の温度コントロールも行いづらくポリマーの平均重合度の低下やオリゴマー成分の増加を招きやすいので、重合濃度は、10〜40重量%が好ましく、より好ましくは10〜30重量%である。また、重合温度に関しては−10〜100℃が好ましく、より好ましくは−10〜80℃である。重合時の溶存酸素量に関しては、ラジカル開始剤の添加量等にもよるが、0〜2ppm(2×10−4重量%以下)が好ましく、より好ましくは0〜0.5ppm(0.5×10−4重量%以下)である。これらの範囲であると、高重合度の重合体(P)を製造することができる。
重合時の(メタ)アクリル酸の中和度は、所定量の架橋剤がモノマー水溶液に溶解できるのであれば特に限定はないが、重合時の(メタ)アクリル酸の中和度は、0〜30モル%で重合を行ない必要により重合後に更に中和するのが好ましく、未中和の状態で重合した後必要により重合後に中和するのがより好ましい。
また、(メタ)アクリル酸は、同一条件で重合を行った場合、中和度が低い方が重合度が上がりやすいため、ポリマーの重合度を大きくするためにも、中和度が低い状態で重合を行った方が好ましい。
逆相懸濁重合法に関しては、ヘキサン、トルエン、キシレン等に代表される疎水性有機溶媒中でモノマー水溶液を、分散剤の存在下、懸濁・分散して重合する重合法であるが、この重合法においても、上記同様モノマー水溶液中のモノマー濃度は10〜40重量%が好ましく、より好ましくは10〜30重量%である。この範囲であると、高重合度の重合体(P)を製造することができる。
尚、この逆相懸濁重合法に関しては、重合時に分散剤を使用してもよい。分散剤としては、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)が3〜8のソルビタンモノステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリンモノステアリン酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル類及びショ糖ジステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル類等の界面活性剤;エチレン/アクリル酸共重合体のマレイン化物、エチレン/酢酸ビニル共重合体のマレイン化物、スチレンスルホン酸(塩)/スチレン共重合体等の分子内に親水性基を有しかつ、モノマー水溶液を分散させる溶媒に可溶な高分子分散剤(親水性基;0.1〜20重量%、重量平均分子量;1,000〜1,000,000)等を例示できるが、分散剤としては高分子分散剤を使用した方が、溶媒中でのモノマー水溶液の懸濁粒子の大きさを調整しやすいので好ましい。
ここにおいてHLBとは、親水性と親油性とのつり合いを表し、下記の式から求められる(「界面活性剤の合成と其応用」、501頁、1957年槇書店刊;「新・界面活性剤入門」、197−198頁、1992年三洋化成工業刊、等参照)。
HLB=10×(無機性/有機性)
上記式中、( )内は有機化合物の無機性と有機性の比率を表し、該比率は上記文献に記載されている値から計算することができる。
分散剤の添加量は、疎水性有機溶媒の重量に対して、0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%である。
逆相懸濁重合におけるモノマー水溶液と疎水性有機溶媒との重量比(W/O比)は、0 .1〜2.0が好ましく、0.3〜1.0がより好ましい。
架橋重合体(P)の製造において、架橋剤を使用しないで重合体を製造した場合のポリマーの平均重合度が、好ましくは5,000〜1,000,000であり、より好ましくは10,000〜1,000,000となる条件で重合するとさらに好ましい。
上記平均重合度の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)にて、下記条件で測定した値である。
<GPC法の測定条件>
カラム : TSK gel SuperH4000、TSK gel SuperH3000又はTSK gel SuperH2000(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
検 出 器:RI
溶 媒 :テトラヒドロフラン
流 速 :0.6ml/分
試料濃度 :0.25質量%
注 入 量 :10μl
標 準 :ポリオキシエチレングリコール
(東ソー株式会社製;TSK STANDARD
POLYETHYLENE OXIDE)
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
本発明において、水溶液重合又は逆相懸濁重合等により得た重合体は、水を含むゲル(含水ゲル)として得られる。含水ゲルは、通常乾燥した後に様々な用途へ吸収性樹脂として使用する。
含水ゲルの乾燥方法に関しては、水溶液重合の場合、含水ゲルをミートチョッパーやカッター式の粗砕機でゲルをある程度細分化(細分化のレベルは0.5〜20mm角程度)あるいはヌードル化し、必要により水酸化アルカリ金属等を添加して含水ゲルの中和を行った後、透気乾燥(パンチングメタルやスクリーン上に含水ゲルを積層し、強制的に50〜150℃の熱風を通気させて乾燥する等)や通気乾燥(含水ゲルを容器中に入れ、熱風を通気・循環させ乾燥、ロータリーキルンの様な機械で更にゲルを細分化しながら乾燥する)等の方法を例示できる。これらの中で、透気乾燥が短時間で効率的な乾燥が行えるため好ましい。
一方、逆相懸濁重合の場合の含水ゲルの乾燥方法は、重合した含水ゲルと有機溶媒をデカンテーション等の方法で固液分離した後、減圧乾燥(減圧度;100〜50、000Pa程度)又は通気乾燥を行うのが一般的である。
細断は、公知の方法で行うことができ、通常の細断装置{ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機、衝撃式粉砕機及びロール式粉砕機等}等を使用して細断できる。
重合に有機溶媒を使用する場合、重合後に溶媒を留去することが好ましい。留去後の有機溶媒の含有量(重量%)は、吸収性樹脂粒子の重量に基づいて、0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3、最も好ましくは0〜1である。この範囲であると、吸収性樹脂粒子の吸収性能がさらに良好となる。
本発明において、含水ゲル乾燥時の乾燥温度は、使用する乾燥機や乾燥時間等により種々異なるが、好ましくは、50〜150℃、より好ましくは80〜130℃である。乾燥温度が、150℃以下であると乾燥時の熱によりポリマーが架橋しにくく、熱架橋により架橋度が上がりすぎることがなく、吸収量が低下しない。50℃以上であると乾燥に長時間を要さず効率的である。
乾燥時間に関しても、使用する乾燥機の機種及び乾燥温度等により異なるが、好ましくは5〜300分、より好ましくは、5〜120分である。
このようにして得られた架橋重合体(P)の乾燥物は、必要により粉砕して粉末化する。粉砕方法は、通常の方法でよく、例えば衝撃粉砕機(ピンミル、カッターミル、スキレルミル、ACMパルペライザー等)や空気粉砕機(ジェット粉砕機等)で行うことができる。
粉末化した架橋重合体(P)[吸収性樹脂(B)の粉末]は、必要により所望のスクリーンを備えたフルイ機(振動フルイ機、遠心フルイ機等)を用いて、所望の粒子径の乾燥粉末を採取することができる。
吸収性樹脂(B)の粉末のJIS Z8815−1994(6.1乾式ふるい分け試験)に準拠して測定される乾燥時の重量平均粒子径に関しては、1〜1000μmが好ましく、さらに好ましくは10〜700μm、特に好ましくは30〜500μm、最も好ましくは50〜200μmである。この範囲であると、多孔質樹脂への拡散性が優れるので、作業効率がよい。
吸収性樹脂(B)の放射性薬液拡散防止用組成物中の含有量は、多孔質樹脂において、吸水速度、吸水量の観点から、0.1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%が特に好ましい。
多孔質樹脂(A)と吸収性樹脂(B)の重量比[(A)/(B)]は、吸水量と硬化速度、均一混合しやすさの兼ね合いの観点から、2/1〜10/1が好ましく、3/1〜5/1が特に好ましい。
本発明における放射線遮蔽材(C)は、当業者に周知の、放射線を遮蔽する為に使用される材料のことであり、その特性は、例えば物理学辞典(昭和61年10月20日 培風館発行)に記載されている。この様な放射線遮蔽材としては、例えばホウ素、鉄、鉛、カドミウム、リチウム、タングステン、アンチモン、タンタル、レニウム、オスミウム、錫、ビスマス、バリウム等の単体、化合物、合金及び混合物を挙げる事ができる。ボロンカ−バイド、ランタンボロン等のホウ素化合物は中性子線に対する遮蔽効果が大きい。ここでの化合物とは、それぞれの金属によって種類は異なるが、一般に酸化物、水酸化物、炭化物、硫酸化物等を指す。中でも、特に鉛はX線に対する遮蔽効果が大きいが、毒性が強く環境への悪影響が懸念されており、環境面では好ましくない。
放射線遮蔽材(C)として、鉄、鉄化合物、鉛、鉛化合物、錫、錫化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タングステン、タングステン化合物及びこれらの混合物が好ましい。
放射線遮蔽材(C)の放射性薬液拡散防止用組成物中の含有量は、放射線遮蔽能力及び均一に分散の観点から、30〜75重量%が好ましく、50〜70重量%が特に好ましい。
放射線遮蔽材(C)の重量平均粒子径は、分散性の観点から0.1〜100μmとすることが好ましい。
本発明における放射能拡散防止用組成物は吸収性樹脂(B)及び放射線遮蔽剤(C)を多孔質樹脂(A)に担持あるいは分散させてなる。
吸収性樹脂、放射線遮蔽剤の配合方法は何等制限されるものではなく、種々の方法が採用される。例えば、
[1]吸収性樹脂及び放射線遮蔽剤の混合粉末に生理食塩水を加えて撹拌することにより、放射線遮蔽剤分散液を作製する。そこに、多孔質樹脂を浸すことにより、樹脂中に担持させる方法;
[2]吸収性樹脂に、放射線遮蔽剤、ワックスエマルジョン水溶液を混合し、吸収性樹脂表面に放射線遮蔽剤を付着させる。更に生理食塩水を加え、撹拌することにより、放射線遮蔽剤分散液を作製する。そこに、多孔質樹脂を浸すことにより、樹脂中に担持させる方法;
[3]吸収性樹脂の製造工程で含水ゲルに放射線遮蔽剤を練り込み、放射線遮蔽剤含有吸収性樹脂を作製する。それを一定粒径に粉砕した後、表面をワックスで処理し、多孔質樹脂に上から少量ずつ振るいながらかけていくことにより、担持させる方法;が挙げられる。
いずれも、遮蔽効果を上げるためには、樹脂中に均一に分散させることが必要であり、均一に分散させ、しっかり担持させる方法としては、特に、[2]、[3]の方法が有効である。
以下実施例により本発明を更に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例中での略記号の意味および評価試験方法を下記に示す。
製造例1
[多孔質樹脂(A−1)の製造方法]
TDI80gとトリエチレングリコールモノアクリレート20gをコルベンに仕込み、70℃で5時間加熱撹拌しウレタン化反応を行い、変性有機イソシアネートを得た。イソシアネート当量120、付加重合性官能基当量1020であった。
グリセリンにPO73モル付加しついでEO16モル付加したポリオール100g、トリエタノールアミン2g、「シリコーンL−5309」(日本ユニカー社製、シリコーン系整泡剤)1.5g、水3.5g、ジt−ブチルパーオキサイド0.2gおよび「TEDAL33」(トーソー社製、アミン触媒)0.5gを配合して25℃に温度調節し、この中に25℃に温度調節した上記変性有機イソシアネート58.7gを加えて、ホモディスパー(特殊機化社製攪拌機)4000rpmで10秒攪拌後、60℃に温度調節した300mm(長さ)×300mm(幅)×100mm(高さ)の、アルミ製モールド内でウレタン化反応とともに付加重合反応を行わせ、6分後脱型し、軟質ポリウレタンフォーム[多孔質樹脂(A−1)]を得た。得られたフォームの密度は40kg/mであり、25%圧縮時の硬さは15.7kgf/cmであった。また、平均セル径は220μmであった。
製造例2
[多孔質樹脂(A−2)の製造方法]
グリセリンにPO73モル付加しついでEO16モル付加したポリオール100g、トリエタノールアミン2g、「シリコーンL−5309」(日本ユニカー社製、シリコーン系整泡剤)1.3g、水3.0g、および「DABCO
33LV」(トーソー社製、アミン触媒)0.4部を配合して25℃に温度調節し、この中に25℃に温度調節したTDIを37.7g加えて、ホモディスパー(特殊機化社製攪拌機)4000rpmで10秒攪拌後、60℃に温度調節した300mm(長さ)×300mm(幅)×100mm(高さ)の、アルミ製モールド内でウレタン化反応を行わせ、6分後脱型し、軟質ポリウレタンフォーム[多孔質樹脂(A−2)]を得た。得られたフォームの密度は50kg/mであり、25%圧縮時の硬さは14.1kgf/cmであった。また、平均セル径は240μmであった。
製造例3
[吸収性樹脂(B−1)粉末の製造方法]
2リットルのビーカーに、アクリル酸200g、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー株式会社製)1.0g(0.5重量%/アクリル酸)、及びイオン交換水800gを入れて撹拌混合してアクリル酸水溶液を調整し、8℃に冷却した。
アクリル酸水溶液を1.5リットルの断熱重合槽に入れ、水溶液に窒素を通じてアクリル酸水溶液中の溶存酸素量を0.1ppm以下とした。この断熱重合層に、0.1%過酸化水素水4.0g、0.1%L−アスコルビン酸水溶液4.0g及び10%2、2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド(和光純薬工業株式会社製、商品名:V−50)水溶液1.0gを添加し、重合が開始するまで水溶液中への窒素パージを継続した。重合が開始し、アクリル酸水溶液の粘度が上昇し始めたのを確認後、窒素のパージを停止して6時間重合した。打点温度計でアクリル酸水溶液の温度を測定したところ、最高到達温度は、63℃であった。 尚、上記重合を上記架橋剤を除いた以外は同じ条件で重合したポリマーの平均重合度(GPCを用いて測定)は、約28000であった。
ブロック状の架橋された含水ゲルを断熱重合槽から取り出し、小型ミートチョッパー(ローヤル社製)を用いてゲルを3〜10mmの太さのヌードル状になるように細分化した後、40%水酸化ナトリウム(試薬特級)水溶液222g(中和度80モル%)を加え含水ゲルを中和した。中和後の細断ゲルを通気型バンド乾燥機{150℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、目開き150及び710μmのふるいを用いて150〜710μmの粒度に調整することにより、重量平均粒子径が50μmの吸収性樹脂(B−1)の粉末を得た。(B−1)の見掛け密度は0.64g/mlであった。
実施例1
(1)吸収性樹脂(B−1)100gに、放射線遮蔽剤ビスマス(重量平均粒子径10μm)3000g、生理食塩水1000gを加え、30分間攪拌することにより、放射線遮蔽剤分散液(D−1)を作成した。
(2)上記(D−1)中に、多孔質樹脂(A−1)(厚さ50mm)を3時間浸すことにより、多孔質樹脂中に吸収性樹脂、放射線遮蔽剤を担持させた。その後、105℃で2時間乾燥させることにより、水分を蒸発させ、乾いた状態の放射性薬液拡散防止用組成物(1)800gを得た。本組成物の一部を切り取り、顕微鏡で表面を観察したところ、多孔質樹脂の孔部分に吸収性樹脂及び放射線遮蔽剤粉末が担持されていることが確認できた。本組成物1gあたりの放射性薬液吸収量は、30gであった。
実施例2
(1)吸収性樹脂(B−1)100gに、放射線遮蔽剤タングステン(重量平均粒子径10μm)3000g、ワックスエマルジョン水溶液100gを混合し、吸収性樹脂表面に放射線遮蔽剤を付着させた。そこに、水1000gを加え、30分間振とうさせることにより、放射線遮蔽剤分散液(D−2)を作成した。
(2)上記(D−2)中に、多孔質樹脂(A−1)(厚さ50mm、300g)を3時間、圧力をかけながら浸し、更に裏返して同様の操作を行うことにより、多孔質樹脂中に放射線遮蔽剤分散液1000gを担持させた。その後、105℃で2時間乾燥させることにより、水分を蒸発させ、乾いた状態の放射性薬液拡散防止用組成物(2)800gを得た。本組成物の一部を切り取り、顕微鏡で表面を観察したところ、多孔質樹脂の孔部分に吸収性樹脂及び放射線遮蔽剤粉末が担持されていることが確認できた。本組成物1gあたりの放射性薬液吸収量は、48gであった。
実施例3
(1)製造例2の吸収性樹脂の製造過程において、中和した含水ゲル3000gに、放射線遮蔽剤タングステン(重量平均粒子径10μm)1000gを混合し、裁断することにより、吸収性樹脂に放射線遮蔽剤を練りこんだ組成物を得た。この組成物を105℃で2時間乾燥後、粉砕し、重量平均粒子径が45μmの放射線遮蔽剤含有吸収性樹脂(E−3)を得た。
(2)上記(E−3)を多孔質樹脂(A−1)(厚さ50mm)中に上から少量ずつ振るいながらかけていくことにより、(A−1)100gあたり、300gの(E−3)を担持させ、放射性薬液拡散防止用組成物(3)1000gを得た。この組成物の一部を切り取り、顕微鏡で表面を観察したところ、多孔質樹脂の孔部分に吸収性樹脂及び放射線遮蔽剤粉末が担持されていることが確認できた。本組成物1gあたりの放射性薬液吸収量は、52gであった。
実施例4
(1)製造例2の吸収性樹脂の製造過程において、中和した含水ゲル3000gに、放射線遮蔽剤ビスマス(重量平均粒子径10μm)1000gを混合し、裁断することにより、吸収性樹脂に放射線遮蔽剤を練りこんだ組成物を得た。この組成物を105℃で2時間乾燥後、粉砕し、重量平均粒子径が45μmの放射線遮蔽剤含有吸収性樹脂(E−4)を得た。
(2)上記(E−4)を多孔質樹脂(A−2)(厚さ5cm)中に上から少量ずつ振るいながらかけていくことにより、(A−2)100gあたり、300gの(E−4)を担持させ、放射性薬液拡散防止用組成物(4)1000gを得た。この組成物の一部を切り取り、顕微鏡で表面を観察したところ、多孔質樹脂の孔部分に吸収性樹脂及び放射線遮蔽剤粉末が担持されていることが確認できた。本組成物1gあたりの放射性薬液吸収量は、47gであった。
評価(実施例)
放射性薬液を100mlこぼしたところ、放射性薬液が飛散された部位の放射線は実効線量50mSvであった。放射性薬液部分を含む周辺に、本発明の放射性薬液拡散防止用組成物(1)を載せ、液部分を完全に覆った。30分後に液部分を完全に吸収したことを確認後、本組成物を載せた部位の実効線量を測定したところ、実効線量は20mSvであった。本組成物を廃棄した後の、薬液飛散部位の実効線量は、10mSv以下であり、薬液拡散部分以外からは放射線が計測されなかった。実効線量はガイガーミュラー計数管を用いて測定した。
本発明の各放射性薬液拡散防止用組成物(2)〜(4)についても同様に行ったところ、上記と同様の結果であった。
評価(比較例)
比較として、単に放射性薬液を拭き取った場合の、30分後の部屋の実効線量は、40mSv以下であった。また、ふき取り作業中に作業者が被爆したことがフィルムバッジより確認され、目視で観察された薬液拡散部分以外からも放射線が計測された。
本発明の放射性薬液拡散防止用組成物は、使用時の操作が簡便であり、放射性薬液が流出した場合すぐに対処することが可能であるので、薬液の拡散を最小限に食い止めることが出来る。また、本組成物は、薬液上に載せるだけで薬液を吸収し拡散を抑え、放射線を遮蔽することが出来るので、薬液吸収後の処理も簡単であり、放射能汚染の可能性を低減出来るため、使用者だけでなく、周りの生物、環境にとっても好ましく、安全性が高い。原子力発電所、核燃料再処理工場等の原子力施設や、大学や研究機関等、放射性薬液や廃液を使用する施設において、放射性薬液や放射性物質を含んだ廃液を処理する用途に適用できる。

Claims (9)

  1. 多孔質樹脂(A)、吸収性樹脂(B)及び放射線遮蔽剤(C)を含有する放射性薬液拡散防止用組成物であって、放射線遮蔽剤(C)が鉄化合物、鉛化合物、錫化合物、ビスマス化合物、タングステン化合物及びこれらの混合物の群から選ばれる少なくとも1種であり、吸収性樹脂(B)及び放射線遮蔽剤(C)を多孔質樹脂(A)に担持あるいは分散させてなる放射性薬液拡散防止用組成物。
  2. 多孔質樹脂(A)がポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、セルロース及びメラミンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1に記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
  3. 多孔質樹脂(A)が発泡により得られたウレタン樹脂である請求項1に記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
  4. 吸収性樹脂(B)が、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(P)を含有する吸収性樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
  5. 吸収性樹脂(B)が、(メタ)アクリル酸(塩)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体からなる吸収性樹脂である請求項4に記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
  6. 多孔質樹脂(A)の含有量が放射性薬液拡散防止用組成物の重量を基準として10〜50%である請求項1〜のいずれかに記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
  7. 多孔質樹脂(A)と吸収性樹脂(B)との重量比[(A)/(B)]が2/1〜10/1である請求項1〜のいずれかに記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
  8. 吸収性樹脂(B)の重量平均粒子径が1〜1000μmである請求項1〜のいずれかに記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
  9. 放射線遮蔽剤(C)の重量平均粒子径が0.1〜100μmである請求項1〜のいずれかに記載の放射性薬液拡散防止用組成物。
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