JP6717339B2 - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]酸不安定基を有する樹脂、酸発生剤、少なくとも1つのスルフィド結合と少なくとも1つのメルカプト基とを有する化合物及び溶剤を含有するレジスト組成物。
[2]少なくとも1つのスルフィド結合と少なくとも1つのメルカプト基とを有する化合物が、少なくとも1つのメルカプト基と少なくとも1つのスルフィド結合を有する複素環化合物である[1]に記載のレジスト組成物。
[3]少なくとも1つのメルカプト基と少なくとも1つのスルフィド結合を有する複素環化合物が、式(IA)で表される化合物である[2]に記載のレジスト組成物。
[式(IA)中、
Ri1は、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、−SR1で表される基又は−NR2R3で表される基を表す。R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜12アシル基を表す。R2及びR3における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアシル基の水素原子は、ヒドロキシ基に置き換わっていてもよい。
Ri2及びRi3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
A及びBはそれぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。
n及びmはそれぞれ独立に、0又は1を表す。但し、Aが窒素原子である場合、nは0を表し、Aが炭素原子である場合、nは1を表し、Bが窒素原子である場合、mは0を表し、Bが炭素原子である場合、mは1を表す。]
[4]少なくとも1つのメルカプト基と少なくとも1つのスルフィド結合を有する化合物が、少なくとも1つのメルカプト基と少なくとも1つのスルフィド結合を側鎖に有する構造単位を含むポリマーである[1]に記載のレジスト組成物。
[5]酸不安定基を有する樹脂が、式(1)で表される基及び式(2)で表される基から選ばれる少なくとも一種を含む樹脂である[1]〜[4]のいずれかに記載のレジスト組成物。
[式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、Ra3は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表す。*は結合手を表す。]
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra1’は、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表す。該炭素数1〜20の炭化水素基、該炭素数1〜12の炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
[6]酸不安定基を有する樹脂が、側鎖にカルボキシル基及びフェノール性水酸基から選ばれる少なくとも1種を含有する樹脂と1分子中に少なくとも2個以上のビニルオキシ基を含有する化合物とを反応させて得られる樹脂である[1]〜[5]のいずれかに記載のレジスト組成物。
[7] (1)[1]〜[6]のいずれかに記載のレジスト組成物を基板に塗布する工程;
(2)塗布後のレジスト組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程;
(3)組成物層に露光する工程;
(4)露光後の組成物層を現像する工程;
を含むレジストパターンの製造方法。
化合物(I)は、少なくとも1つのスルフィド結合と少なくとも1つのメルカプト基とを有する化合物である。
化合物(I)としては、少なくとも1つのメルカプト基と少なくとも1つのスルフィド結合とを有する複素環化合物が好ましい。
複素環は、少なくとも1つのスルフィド結合を含めて形成してもよいし、複素環は単環であってもよいし、多環であってもよい。また複素環は、飽和であってもよいし、不飽和であってもよい。
少なくとも1つのメルカプト基は、複素環に直接結合していてもよいし、複素環の置換基に結合していてもよい。少なくとも1つのメルカプト基は、複素環に直接結合していることが好ましい。
複素環としては、炭素数2〜12の複素環が好ましく、炭素数2〜6の複素環が寄り好ましい。
複素環は、単環が好ましい。複素環は不飽和が好ましい。複素環は、不飽和であり単環であることが好ましい。
少なくとも1つのスルフィド結合を有する複素環は、さらに硫黄原子以外のヘテロ原子を含むことが好ましい。ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子が挙げられる。ヘテロ原子としては、窒素原子が好ましい。
少なくとも1つのスルフィド結合を有する複素環としては、下記に記載の複素環が挙げられる。
化合物(I)がポリマーである場合(以下、ポリマー(I)という場合がある。)、化合物(I)は、好ましくは、少なくとも1つのスルフィド結合と少なくとも1つのメルカプト基とを側鎖に有する構造単位を含み、
より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基と少なくとも1つのスルフィド結合とを有する複素環を側鎖に有する構造単位を含む。少なくとも1つのスルフィド結合と少なくとも1つのメルカプト基とを有する構造(以下、ユニット(1)という場合がある。)と、主鎖とは、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合[*1−CO−O−*2及び*1−O−CO−*2を含む。*1は主鎖側の結合手を表し、*2はユニット(1)側の結合手を表す。]等を含む連結基で結合していることが好ましい。
ポリマー(I)としては、ホモポリマーであってもよいし、コポリマーであってもよい。ポリマー(I)が含んでいてもよい他の構造単位としては、後述する酸不安定基を有する構造単位、酸不安定基を有さない構造単位等が挙げられる。
化合物(I)がポリマーである場合、少なくとも1つのスルフィド結合と少なくとも1つのメルカプト基とを有する構造単位の含有量は、化合物(I)のポリマーの全構造単位に対して、通常0.1〜50モル%であり、好ましくは0.5〜30モル%であり、より好ましくは1〜20モル%である。
[式(IA)中、
Ri1は、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、−SR1で表される基又は−NR2R3で表される基を表す。R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜12アシル基を表す。R2及びR3における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアシル基の水素原子は、ヒドロキシ基に置き換わっていてもよい。
Ri2及びRi3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
A及びBはそれぞれ独立に窒素原子又は炭素原子を表す。
n及びmはそれぞれ独立に、0又は1を表す。但し、Aが窒素原子である場合、nは0を表し、Aが炭素原子である場合、nは1を表し、Bが窒素原子である場合、mは0を表し、Bが炭素原子である場合、mは1を表す。]
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜12アシル基を表す。R2及びR3における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアシル基の水素原子は、ヒドロキシ基に置き換わっていてもよい。R1は、脂肪族炭化水素基又はアシル基が好ましく、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアシル基が好ましい。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレイル基、ヘキシルカルボニル基、ヘプチルカルボニル基、オクチルカルボニル基、デシルカルボニル基及びドデシルカルボニル基及びベンゾイル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基の単環式の脂環式炭化水素基;及び、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基などの多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
Ri2及びRi3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
A及びBは、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
Ri21及びRi31は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
A1及びB1は、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。
n及びmはそれぞれ独立に、0又は1を表す。但し、A1が窒素原子である場合、nは0を表し、A1が炭素原子である場合、nは1を表し、B1が窒素原子である場合、mは0を表し、B1が炭素原子である場合、mは1を表す。
Ri4水素原子又はメチル基を表す。
Xi1は、硫黄原子及びNH基を表す。
Li1は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されてもよい。]
Ri21及びRi31で表される炭素数6〜14の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられ、好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。
Ri21及びRi31で表される炭素数3〜18の脂環式炭化水素としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基の単環式の脂環式炭化水素基;及び、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基などの多環式の脂環式炭化水素基が挙げられ、好ましくは炭素数5〜10の脂環式炭化水素基である。
Ri21及びRi31は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等;
フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等のアリーレン基が挙げられる。
Li1は、好ましくは、エステル結合を含む炭素数2〜14のアルカンジイル基又は炭素数6〜10のアリーレン基と炭素数1〜11のアルカンジイル基とを組み合わせた基である。
[式(IB−1)中、
Ri22及びRi32は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
A2及びB2は、それぞれ独立に窒素原子又は炭素原子を表す。
n1及びm1はそれぞれ独立に、0又は1を表す。但し、A2が窒素原子である場合、n1は0を表し、A2が炭素原子である場合、n1は1を表し、B2が窒素原子である場合、m1は0を表し、B2が炭素原子である場合、m1は1を表す。
Ri5は、水素原子又はメチル基を表す。
Xi11は、硫黄原子及びNH基を表す。
Li2は、炭素数1〜18の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されてもよい。
式(IB−2)中、
Ri23及びRi33は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
A3及びB3は、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。
n2及びm2はそれぞれ独立に、0又は1を表す。但し、A3が窒素原子である場合、n2は0を表し、A3が炭素原子である場合、n2は1を表し、B3が窒素原子である場合、m2は0を表し、B3が炭素原子である場合、m2は1を表す。
Ri7は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
Xi12は、硫黄原子及びNH基を表す。
Li3は、炭素数1〜14の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されてもよい。]
Ri22、Ri32、Ri23及びRi33で表される炭素数6〜14の芳香族炭化水素基は、Ri21及びRi31で表される炭素数6〜14の芳香族炭化水素基と同じものが挙げられる。
Ri22、Ri32、Ri23及びRi33で表される炭素数3〜18の脂環式炭化水素基は、Ri21及びRi31で表される炭素数3〜18の脂環式炭化水素基と同じものが挙げられる。
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
Li2は、好ましくは炭素数1〜14のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1〜11のアルカンジイル基である。
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
Li3は、好ましくは炭素数1〜14のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1〜11のアルカンジイル基である。
フェニル基における主鎖と結合している位置を基準として、Li3は、p位に結合していることが好ましい。
好ましくは式(I−1)で表される化合物〜式(I−13)で表される化合物であり、より好ましくは式(I−1)で表される化合物、式(I−4)で表される化合物及び(I−11)で表される化合物である。
好ましくは、式(I―27)、式(I−28)、式(I−29)、式(I−30)、式(I−31)、式(I−32)、式(I−33)、式(I−34)、式(I−35)又は式(I―36)で表される構造単位を含むコポリマーであり、より好ましくは式(I―33)で表される構造単位を含むコポリマーである。
化合物(I)の含有量は、固形分の総量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下であり、よりさらに好ましくは3質量%以下である。
尚、本明細書において「固形分」とは、本発明のレジスト組成物から溶剤(D)を除いた成分の合計を意味する。固形分及び本発明のレジスト組成物に含まれる各成分の含有量は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
「酸不安定基」とは、脱離基を有し、酸との接触により脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸不安定基としては、式(1)で表される基及び式(2)で表される基等が挙げられる(以下、酸不安定基を有する構造単位を「構造単位(a1)」という場合がある。)。
[式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、又はRa1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成してもよく、Ra3は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表す。*は結合手を表す。]
Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。
Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜16である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アルキル基と脂環式炭化水素基とが組合わせることにより形成される基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基及び2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基等が挙げられる。
アルキル基と芳香族炭化水素基とが組合わせることにより形成される基としては、アラルキル基等が挙げられる。具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
Ra2’及びRa3’が互いに結合して形成する2価の炭化水素基としては、Ra1’〜Ra3’の炭化水素基から水素原子を1個取り去った基が挙げられる。
Ra1'及びRa2'のうち少なくとも1つは水素原子が好ましい。
構造単位(a1)を導くモノマーは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーが好ましく、式(1)で表される基及び/又は式(2)で表される基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーがより好ましい。
樹脂(A1)は、構造単位(a1)を2種以上含有してもよい。
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
Ra1、Ra2、Ra3、Ra1’ Ra2’及びRa3’は、それぞれ上記と同じ意味を表す。
Ra4及びRa5は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
mは、0〜4の整数を表す。mが2以上のとき、複数のRa6は互いに同一でも異なっていてもよい。]
Ra2’は、好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基であり、より好ましくはメチル基及びエチル基である。
Ra3’の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらが組合わせることにより形成される基であり、より好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式脂肪族炭化水素基又は炭素数7〜18のアラルキル基である。前記アルキル基及び前記脂環式炭化水素基は無置換が好ましい。前記芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、その置換基としては炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましい。
Ra5は、水素原子が好ましい。
Ra6は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
mは、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
樹脂(A1)は、構造単位(a1)に加え、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場合がある。)を有していてもよい。樹脂(A1)は、構造単位(a2)を2種以上含有してもよい。
樹脂(A1)が構造単位(a2)を有する場合、構造単位(a1)と構造単位(a2)との含有比〔構造単位(a1):構造単位(a2)〕はモル基準で、好ましくは10:90〜80:20であり、より好ましくは20:80〜60:40である。
[式(a2−1)、式(a2−2)及び式(a2−3)中、
Ra7、Ra8及びRa9は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra10は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
m’は0〜4の整数を表す。m’が2以上のとき、複数のRa10は互いに同一でも異なっていてもよい。
Ra11は、炭素数1〜10の1級の炭化水素基又は2級炭化水素基を表す。
Ra12は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
La1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。ただし、酸素原子と結合する炭素原子は、第一炭素原子又は第二炭素原子である。
nは、1〜30の整数を表す。nが2以上のとき、複数のLa1は互いに同一でも異なっていてもよい。]
Ra10で示されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基及びプロパン−2,2−ジイル基; プロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基等が挙げられる。
Ra11で示される炭化水素基として、アルキル基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプタン基、オクタン基、ノナン基、デカン基、芳香族炭化水素基;フェニル基、ナフチル基、アラルキル基;ベンジル基等が挙げられる。
Ra10は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
m’は、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
Ra11は、炭素数1〜6の1級または2級のアルキル基が好ましい。
La1は、炭素数2〜4のアルカンジイル基が好ましく、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基がより好ましく、エタン−1,2−ジイル基がさらに好ましい。La1は、結合する2つの酸素原子間に2以上の炭素原子を有するアルカンジイル基が好ましい。
nは、1〜10の整数が好ましい。
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
アダマンチル(メタ)アクリレート等の多環式(メタ)アクリル酸エステル;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;が挙げられる。
樹脂(A1)は、上述したモノマーを公知の重合法(例えばラジカル重合法)で重合することにより製造できる。
樹脂(A1b)は、フェノール性水酸基を含有する樹脂と1分子中に少なくとも2個以上のビニルオキシ基を含有する化合物とを反応させて得られる樹脂が好ましく、例えば、構造単位(a1−2)及び/又は構造単位(a2−1)を導くモノマーを重合し、該重合により得られた樹脂と、後述するノボラック樹脂と、1分子中に少なくとも2個以上のビニルオキシ基を含有する化合物とを反応させて得ることができる。該樹脂としては、例えば、特開2008−134515号公報、特開2008−46594号公報記載の樹脂が挙げられる。
1分子中に少なくとも2個以上のビニルオキシ基を含有する化合物としては、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
上記重合により得られた樹脂とノボラック樹脂との使用量比は質量基準で、好ましくは30:70〜70:30である。
1分子中に少なくとも2個以上のビニルオキシ基を含有する化合物の使用量は、重合により得られた樹脂及びノボラック樹脂の合計100質量部に対して、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは2〜10質量部である。
樹脂(A1b)の重量平均分子量は、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上であり、また好ましくは300,000以下、より好ましくは200,000以下である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものである。この分析の詳細な分析条件は、本願の実施例に記載する。
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A1)とは異なる樹脂(以下「樹脂(A2)」という場合がある。)を含んでいてもよい。
樹脂(A2)は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂とは、酸性基を含有し、アルカリ現像液に可溶な樹脂である。酸性基は、カルボキシ基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、レジスト分野で公知のアルカリ可溶性樹脂が挙げられ、ノボラック樹脂や、構造単位(a2−1)を有し構造単位(a1)を有しない樹脂等が挙げられる。好ましくは、ノボラック樹脂である。
樹脂(A1)の含有量は、樹脂の総量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
酸発生剤(B)は、非イオン系でもイオン系でもよい。
非イオン系酸発生剤としては、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン4−スルホネート)、及びスルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)等が挙げられる。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、及びスルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
[式(B1)中、
Rb1は、フッ素原子を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されてもよい。]
上記炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10の芳香族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
該炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子又はカルボニル基で置換された基としては、式(Y1)〜式(Y12)で表される基が挙げられる。好ましくは、式(Y7)〜式(Y9)で表される基であり、より好ましくは、式(Y9)で表される基である。
[式(b1)〜式(b3)中、Rb1は、上記と同じ意味を表す。
Rb2、Rb3及びRb4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシ基を表す。
環Wb1は、置換基を有していてもよい炭素数6〜14の芳香族炭化水素環、又は置換基を有していてもよい炭素数6〜14の芳香族複素環を表す。]
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基である。
芳香族複素環としては、環を構成する原子数が6〜14の環が好ましく、下記の環が挙げられる。
環Wb1が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられる。
環Wb1は、好ましくは、ナフタレン環である。
[式(b4)〜式(b7)中、Rb1は、上記と同じ意味を表す。
Rb5、Rb6及びRb7は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。]
[式(b8)及び式(b9)中、
Ab1及びAb2は、互いに独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
Rb8、Rb9、Rb10及びRb11は、互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。
X1−及びX2−は、有機アニオンを表す。]
炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
Rb8、Rb9、Rb10及びRb11は、それぞれ、好ましくは炭素数6〜12の芳香族化合物であり、より好ましくはフェニル基である。
[式(b10)中、Rb12は、フッ素原子を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されてもよい。]
Rb12としては、式(B1)中のRb1と同様の基が挙げられる。
酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下である。
本発明のレジスト組成物は、クエンチャー(C)を含有していてもよい。
クエンチャー(C)は、露光により酸発生剤から発生する酸を捕捉する作用を有する化合物である。クエンチャー(C)としては、塩基性の含窒素有機化合物が挙げられる。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミン;第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
A1は、フェニル基又はナフチル基を表す。
nは、2又は3を表す。]
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、式(1)中のRa1〜Ra3におけるものと同様の基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、式(2)中のRa1’〜Ra3’におけるものと同様の基が挙げられる。
溶剤(D)は、本発明のレジスト組成物に含まれる成分を溶解するものであれば、特に限定されず、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類等、及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
溶剤(D)の含有率は、本発明のレジスト組成物の総量に対して、通常、40質量%以上75質量%以下であり、好ましくは45質量%以上70質量%以下、より好ましくは50質量%以上68質量%以下である。
溶剤(D)の含有率が上記範囲内であると、レジストパターンを製造する際に、厚み3〜150μm程度の組成物層を形成しやすい。
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、クエンチャー、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料等が挙げられる。
その他の成分(F)を用いる場合、その含有量は、その他の成分(F)の種類に応じて適宜選択する。
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A1)、酸発生剤(B)、化合物(C)及び溶剤(D)並びに、必要に応じて用いられるその他の成分(F)を混合することにより調製できる。混合順は特に限定されるものではない。混合する際の温度は、通常、10〜40℃である。混合時間は、通常、0.5〜24時間である。なお、混合手段も制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。各成分を混合した後は、孔径0.11〜50μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板に塗布する工程、
(2)塗布後のレジスト組成物を乾燥して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程及び
(4)露光後の組成物層を現像する工程
を含む。
これらの基板は予め洗浄したり、反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜の形成には、市販の有機反射防止膜用組成物を用いることができる。
工程(2)で得られた組成物層の膜厚が3μm〜150μmであることが好ましい。より好ましくは4μm〜100μmである。
現像後、超純水等でリンス処理を行い、さらに基板及びレジストパターン上に残存している水分を除去することが好ましい。
樹脂(A1)と、酸発生剤(B)と、化合物(C)と、溶剤(D)とを含むレジスト組成物は、厚膜のレジストフィルムの製造に有用である。
膜厚3〜150μmのレジストフィルムを製造するための該レジスト組成物は、本発明の1つである。
更に、本発明のレジスト組成物はバンプの製造に有用である。
バンプは、レジスト組成物を用いて製造する場合、通常、以下の手順より形成することができる。
まず、半導体素子等が形成されたウェハ上に、導電材料(シードメタル)を積層して導電層を形成した後、該導電層上に本発明のレジスト組成物によりレジストパターンを形成する。次いで、該レジストパターンを鋳型として、メッキにより電極材料(例えば、Cu、Ni、はんだ等)を堆積させた後、レジストパターンと、レジストパターンの下に残存する導電層をエッチング等により除去することにより、バンプを形成することができる。導電層を除去した後、必要に応じて、熱処理によって電極材料を溶融させたものをバンプとしてもよい。
樹脂の重量平均分子量は、下記の分析条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。
装置 :HLC−8120GPC型(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー(株)製)
攪拌器、還流冷却管、温度計を備えた四つ口フラスコに、ジオキサン118gを仕込み77℃まで昇温した。得られた混合物に、メタクリル酸1−エチルシクロペンチル54.7g、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(共栄社化学(株)製「ライトエステル130MA」。
で表わされ、nが約9の化合物である。)29.8g、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール45.2g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.4gをジオキサン59gに溶解した溶液を1時間かけて滴下し、同温度で10時間撹拌を継続した。冷却後、得られた反応混合物を、メタノール130g及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート92gで希釈した。希釈した反応混合物を、水1440gに注ぐことにより、樹脂を沈殿させた。ろ過した沈殿物を、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート184gに溶解した。得られた溶解液を、メタノール423g及び水918gの混合溶媒に注ぐことにより、再び樹脂を沈殿させた。得られた沈殿をプロピレングリコールメチルエーテルアセテートに溶解後、濃縮し、濃度40%である樹脂A4の溶液を得た。得られた樹脂A1−1の重量平均分子量は1.60×105であった。樹脂A1−1は、下記の構造単位を有する。
ポリビニルフェノール(日本曹達(株)製「VP−15000」)20部をメチルイソブチルケトン240部に溶解し、エバポレーターで濃縮した。還流冷却管、攪拌器、温度計を備えた四つ口フラスコに、濃縮後の樹脂溶液及びp−トルエンスルホン酸2水和物0.003部を仕込んだ。20〜25℃に保持したまま、得られた混合物にエチルビニルエーテル5.05部を10分間かけて滴下した。混合液を、同温度を保持したまま、2時間攪拌を継続した。得られた反応混合物をメチルイソブチルケトン200部で希釈し、イオン交換水で分液洗浄を5回行った。得られた有機層を、エバポレーターを用いて45部まで濃縮を行ったのち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート150部を加えて、再度濃縮を行い、樹脂A1−2のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液78部(固形分29%)を得た。樹脂A1−2の重量平均分子量は2.21×104、エトキシエチル基の導入率は38.5%であった。樹脂A1−2は、下記の構造単位を有する。
攪拌器、還流冷却管、温度計を備えた四つ口フラスコに、2,5−キシレノール413.5部、サリチルアルデヒド103.4部、p−トルエンスルホン酸20.1部、メタノール826.9部を仕込み、還流状態まで昇温し、4時間保温した。冷却後、得られた混合物にメチルイソブチルケトン1320部を仕込み、常圧で1075部留去した。得られた混合物に、m−クレゾール762.7部と2−tert−ブチル−5−メチルフェノール29.0部とを加え65℃まで昇温し、37%ホルマリン678部を滴下終了時に87℃になるように温調しながら1.5時間かけて滴下した。得られた混合物を87℃で10時間保温した後、メチルイソブチルケトン1115部を加え、イオン交換水で3回分液水洗した。得られた樹脂液にメチルイソブチルケトン500部を加えて全量が3435部になるまで減圧濃縮した。得られた樹脂を含む溶液にメチルイソブチルケトン3796部とn−ヘプタン4990部とを加え60℃に昇温して1時間攪拌後、分液し、樹脂液を得た。得られた樹脂を含む溶液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3500部で希釈し、濃縮を行い、ノボラック樹脂A2−1のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液1690部(固形分43%)を得た。ノボラック樹脂A2−1の重量平均分子量は7×103であった。
攪拌器、還流冷却管、温度計を備えた四つ口フラスコに、2,5−キシレノール537部、サリチルアルデヒド107.5部、p−トルエンスルホン酸20.9部、メタノール860部を仕込み、還流状態まで昇温し、4時間保温した。冷却後メチルイソブチルケトン1440部を仕込み常圧で1120部留去した。そこにm−クレゾール476部を加え65℃まで昇温し、37%ホルマリン571部を滴下終了時に87℃になるように温調しながら1.5時間かけて滴下した。87℃で10時間保温した後メチルイソブチルケトン884部を加え、イオン交換水で3回分液水洗を行った。得られた樹脂液にメチルイソブチルケトン600部を加えて全量が2875部になるまで減圧濃縮を行って樹脂液を得た。
得られた樹脂液にメチルイソブチルケトン3514部とn−ヘプタン4647部を加え60℃に昇温して1時間攪拌した後、分液を行い下層の樹脂液をメチルイソブチルケトン3500部で希釈し、濃縮を行い、ノボラック樹脂A2−2のメチルイソブチルケトン溶液1520部(固形分30%)を得た。ノボラック樹脂A2−2の重量平均分子量は7×103であった。
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)である丸善石油化学社製マルカリンカー(登録商標)S2P 300部をイオン交換水1200部に分散させたのち、ノボラック樹脂A2−2 980部とメチルイソブチルケトン1330部とを加えて溶解させ、水層を除去した後全量が1600部になるまで濃縮した。再びメチルイソブチルケトン750部を加え全量が1620部になるまで濃縮した。攪拌器、還流冷却管、温度計を備えた四つ口フラスコに、得られた樹脂液およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1400部、メチルイソブチルケトン 980部及びp−トルエンスルホン酸 0.09部を加えた後、室温で1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(式(z)で表される化合物) 83部を5分間を要して滴下した。室温で5時間攪拌した後、トリエチルアミン 0.16gを加え、さらにイオン交換水1000部で5回分液水洗を行って樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を1200部になるまで濃縮した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 2170部を加え、再び全量が2000部になるまで濃縮を行って樹脂A1−2溶液(固形分23%)を得た。得られた樹脂A1−2の重量平均分子量は9.22×104であった。
攪拌器、還流冷却管、温度計を備えた四つ口フラスコに、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール10部とメタノール60部とを仕込み、撹拌した。氷冷しながら得られた混合物にトリエチルアミン7部を滴下した。続いて、室温でp−クロロメチルスチレン10部を滴下した。得られた混合物を4時間撹拌後、10℃以下に冷却し吸引濾過により反応生成物を分離した。生成物をメタノールで洗浄し、乾燥させることで、化合物(I6)を10部(収率60%)得た。
p−(1−エトキシエトキシ)スチレン20部とm−tert−ブトキシスチレン4部、化合物(I6)1部、トリエチルアミン5部、2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.9部及びメチルイソブチルケトン23部の混合溶液(1)を調製した。
攪拌器、還流冷却管、温度計を備えた四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン15部を仕込み70℃まで昇温した。そこへ、混合溶液(1)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、6時間撹拌後、40℃まで冷却し、3N塩酸24部を加えた。得られた混合物を4時間撹拌後、分液し、イオン交換水50部で洗浄を5回行った。得られた有機層にメタノール50部を加えて、濃縮した。続いて濃縮物にメチルイソブチルケトン50部を加えて溶解した。得られた溶液をn−ヘプタン350部に注ぎ、析出物を濾過した。さらに生成物をイオン交換水で洗浄し、乾燥させることで、樹脂(I7)10部を得た。得られた樹脂(I7)の重量平均分子量は1.27×104であった。樹脂(I7)は、下記の構造単位を有する。
(レジスト組成物の調製)
表1又は表2に示す成分の各々を、該表1又は表2に示す質量部で混合して溶剤に溶解させた後、孔径0.5μmのフッ素樹脂製フィルターでろ過して、レジスト組成物を調製した。
<樹脂>
A1−1:樹脂A1−1
A1−2:樹脂A1−2
A1−3:樹脂A1−3
A2−1:ノボラック樹脂A2−1
C1:2,4,5−トリフェニルイミダゾール (東京化成工業(株)製)
C2:N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン (アルドリッチ社製)
I1:ビスムチオール(東京化成工業(株)製)
I2:1,3,4−チアジアゾールー2−チオール(東京化成工業(株)製)
I3:2−チオフェンチオール(東京化成工業(株)製)
I4:2−メルカプトベンゾチアゾール(東京化成工業(株)製)
I5:2−t−ブチル−メルカプトチアゾール(和光純薬工業(株)製)
I7:樹脂(I7)
S1:1-チオグリセロール(東京化成工業(株)製)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レ・ダウコーニング(株)製)
4インチのシリコンウェハ上に銅が蒸着された基板に上記のレジスト組成物をプリベーク後の膜厚が10μmとなるようにスピンコートした。
その後、ダイレクトホットプレートで、表1又は表2の「PB」欄に示す温度で180秒間プリベークして組成物層を形成した。
次いで、該組成物層に、i−線ステッパー〔(株)ニコン製の“NSR 1755i7A”、NA=0.5〕を用い、露光量を段階的に変化させてコンタクトホールパターン(ホール径;20μm、ピッチ;40μm)を形成するためのマスクを介して露光した。
露光後、ホットプレートにて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、コンタクトホールパターンのホール径が20μmとなる露光量を実効感度とした。
4インチのシリコンウェハ上に銅が蒸着された基板に上記のレジスト組成物をプリベーク後の膜厚が50μmとなるようにスピンコートした。
その後、ダイレクトホットプレートで、表1の「PB」欄に示す温度で300秒間プリベークして組成物層を形成した。
次いで、該組成物層に、i−線ステッパー〔(株)ニコン製の“NSR 1755i7A”、NA=0.5〕を用い、露光量を段階的に変化させてコンタクトホールパターン(ホール径;20μm、ピッチ;40μm)を形成するためのマスクを介して露光した。
露光後、ホットプレートにて表1の「PEB」欄に示す温度で300秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、コンタクトホールパターンのホール径が20μmとなる露光量を実効感度とした。
上記パターンを作製後の基板を60℃の「ミクロファブAu660(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株)製」で電解めっきを行った。
Claims (4)
- 式(a1−2)で表される構造単位を含む樹脂、ノボラック樹脂、酸発生剤、式(IA)で表される化合物及び溶剤を含有するレジスト組成物。
[式(a1−2)中、
R a1’ 及びR a2’ は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R a3’ は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、R a1’ は、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R a2’ 及びR a3’ は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表す。該炭素数1〜20の炭化水素基、該炭素数1〜12の炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置き換わってもよい。
R a5 は、水素原子又はメチル基を表す。
R a6 は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
mは、0〜4の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR a6 は互いに同一でも異なっていてもよい。]
[式(IA)中、
Ri1は、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、−SR1で表される基又は−NR2R3で表される基を表す。R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜12アシル基を表す。R2及びR3における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアシル基の水素原子は、ヒドロキシ基に置き換わっていてもよい。
Ri2及びRi3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
A及びBはそれぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。
n及びmはそれぞれ独立に、0又は1を表す。但し、Aが窒素原子である場合、nは0を表し、Aが炭素原子である場合、nは1を表し、Bが窒素原子である場合、mは0を表し、Bが炭素原子である場合、mは1を表す。] - 式(2)で表される基を含む樹脂、ノボラック樹脂、酸発生剤、式(IA)で表される化合物、式(C2)で表される化合物及び溶剤を含有するレジスト組成物。
[式(2)中、R a1’ 及びR a2’ は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R a3’ は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、R a1’ は、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R a2’ 及びR a3’ は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表す。該炭素数1〜20の炭化水素基、該炭素数1〜12の炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
[式(IA)中、
R i1 は、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、−SR 1 で表される基又は−NR 2 R 3 で表される基を表す。R 1 、R 2 及びR 3 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜12アシル基を表す。R 2 及びR 3 における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアシル基の水素原子は、ヒドロキシ基に置き換わっていてもよい。
R i2 及びR i3 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
A及びBはそれぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。
n及びmはそれぞれ独立に、0又は1を表す。但し、Aが窒素原子である場合、nは0を表し、Aが炭素原子である場合、nは1を表し、Bが窒素原子である場合、mは0を表し、Bが炭素原子である場合、mは1を表す。]
[式(C2)中、環W 1 は、環を構成する原子に窒素原子を含む複素環、あるいは、置換又は無置換のアミノ基を有するベンゼン環を表し、該複素環及び該ベンゼン環は、ヒドロキシ基及び炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
A 1 は、フェニル基又はナフチル基を表す。
nは、2又は3を表す。] - (1)請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト組成物を基板に塗布する工程;
(2)塗布後のレジスト組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程;
(3)組成物層に露光する工程;
(4)露光後の組成物層を現像する工程;
を含むレジストパターンの製造方法。
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