JP6715594B2 - 装飾シート - Google Patents

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Description

本発明の一側面は、内外装の化粧材として用いられる装飾シートに関する。
表面に微細化構造を有する感圧接着剤が接着された装飾用途の伸縮性ポリマーフィルム(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特許3550096号公報
この種のフィルムを内外装用の化粧材として用い、プライマー処理等が施された下地材に貼り付けると、高い粘着力を期待でき、剥がれ難い。その結果、一度貼ると、その後の位置調整(Slidability)や再配置(Repositionability)が難しくなり、施工に熟練度が必要になり、施工性の向上には更なる工夫や改良が必要になる。
本発明の一形態は、内外装用の装飾シートであって、基材層と、基材層の表面に積層されると共に、粘着剤を有する粘着剤層と、を備え、粘着剤層は、基材層の表面とは反対側の主面に設けられた複数の突部を有し、突部は、先端に尖形状の頂部を有し、粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率は、2.0×10以上である。
プライマーが塗布された下地材などの被接着対象物上に、この装飾シートを配置すると、粘着剤層は複数の頂部を介して被接着対象物に接触した状態になる。つまり、粘着剤層は、実質的に複数の突部が被接着対象物に点接触、あるいは線接触した状態になり、面接触している状態に比べ、粘着剤層と被接着対象物との接触面積は小さくなる。特に、この装飾シートでは、粘着剤層を形成する粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率が2.0×10以上であるので、粘着剤層に対して外的な押圧力を付与しない限り、複数の突部は潰れ難く、形状安定性が高い。その結果、装飾シートを被接着対象物上に配置しただけの状態、例えば、仮置き状態では装飾シートを被接着対象物に沿ってスライドさせ易く、また、装飾シートを被接着対象物から剥がし易い。つまり、被接着対象物上に装飾シートを配置しただけの状態であれば位置調整や再配置を容易に行うことができる。
本発明の一側面によれば、被接着対象物上に配置された装飾シートの位置調整及び再配置が容易となる。
本発明に係る装飾シートの一実施形態を示す断面図である。 図1に示す装飾シートにおける粘着剤層の突部を示す断面斜視図である。 (a)は、図2に示す突部を示す拡大断面図である。(b)は、変形例に係る突部を示す拡大断面図である。 (a)は、図1に示す装飾シートを下地材に沿って仮置きした状態を示す断面図である。(b)は、(a)に示す装飾シートを下地材に対して押圧力を付与した状態を示す断面図である。 粘着剤のせん断貯蔵弾性率を示すグラフである。 本発明に係る装飾シートの他の実施形態おける粘着剤層の突部を示す断面斜視図である。 (a)は、比較例2に係る粘着剤層の突部を示す断面斜視図である。(b)は、(a)に示す突部を示す拡大断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において同一または相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本明細書における用語「装飾シート」とは、建築用途に用いられるシート状の化粧材を広く含む。また、「内外装用」とは、屋内の床面、壁面、天井面等に貼り付けられる化粧材用途のみならず、実質的には屋外と解される軒天などに貼り付けられる化粧材用途も含まれる。「粘着剤層」とは、装飾シートを下地材に接着する粘着剤を有する接着層である。「突部」とは、基材層の表面とは反対側に向かって突出する粘着剤層の一部である。「尖形状」とは、先端が尖っている形状を意味し、先端が平坦である形状を除く意味であるが、一点が尖っている錐状に限定されず、尖っている先端が稜線状に連続する形状も含まれる。また、微視的には先端が湾曲した形状も含まれる。
図1は、本発明に係る装飾シートの一実施形態を示す断面図である。図1に示されるように、装飾シート1は、基材層2と、基材層2の表面2aに積層された粘着剤層3と、を備えている。装飾シート1は、粘着剤層3における基材層2とは反対側の主面3aにライナー4を備えてもよい。ライナー4は、例えば、剥離紙等であり、未使用時に粘着剤層3を保護する。
装飾シート1では、例えばライナー4が粘着剤層3の主面3aから剥離されて主面3aが露出され、下地材6に沿って配置される。下地材6は、装飾シート1を接着する対象の物品(被接着対象物)である。装飾シート1が内外装の化粧材として用いられる場合、下地材6は、例えばプラスターボードである。下地材6には、粘着剤層3と下地材6との粘着力を向上させるためのプライマー7が塗布されることがある。以下の説明では、プライマー7が塗布されていない下地材6だけでなく、プライマー7が塗布された下地材6を含めて、単に「下地材6」と記載する場合がある。
基材層2は、装飾シート1の基材と、必要に応じて下地材6の装飾を目的とした装飾や着色が施される基部となるフィルム部材と、を含む層である。基材層2は、それ自体が顔料を含むことで着色されていてもよく、あるいは透明であってもよい。また、基材層2は、装飾のための印刷模様が形成された印刷層を含んでいてもよい。印刷模様は、フィルム部材の上にトナー又はインクの着色剤等を用いて形成することができる。印刷模様は、グラビア印刷、静電印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷等の印刷技術を用いることにより形成することができる。
基材層2の基材に含まれるポリマー(樹脂)として、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル、アクリル、セルロース、及びフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。フィルム部材は単層であってもよく、複数の層の積層体であってもよい。基材層2で使用されるポリマーは、好ましくはポリ塩化ビニルである。この場合、可塑剤としてジエチルヘキシルフタレート(DOP)可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を含んでもよい。可塑剤の添加量は樹脂に対して5重量%以上且つ40重量%以下、好ましくは25重量%である。可塑剤の量が多過ぎると基材層2の機械的強度が低下して十分な耐引っ掻き性及び耐摩耗性が得られず、他方可塑剤量が少な過ぎると基材層2の柔軟性が低下し三次曲面への追従性が悪くなり、その結果施工性が悪くなる。さらに、安定剤として、Ba系安定剤、Zn系安定剤、抗酸化剤等の安定剤を樹脂に対して0.5重量%以上且つ8重量%以下、好ましくは1重量%以上且つ3重量%以下含有し、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)のごとき加工助剤を樹脂に対して1重量%以上且つ10重量%以下、好ましくは3重量%以上5重量%以下含有してもよい。
基材層2は、光輝層を有していてもよい。光輝層は、基材層2に真空蒸着、スパッタ、イオンプレーティング、めっきなどによって形成されたアルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛、ゲルマニウムなどの金属、これらの合金又は化合物を含む金属薄膜を含んでいてもよい。
基材層2は、粘着剤層3が積層される表面2aと、表面2aとは反対側の表面とを有し、以下では、当該反対側の表面を、便宜的に背面2bという。基材層2は、背面2bに背面保護層を有していてもよい。背面保護層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの樹脂のフィルムを基材層2の背面2bに直接又は接合層を介して積層することによって、あるいは樹脂組成物を基材層2の背面2bに塗布して乾燥することによって形成することができる。背面保護層には、目的とする用途に応じて光沢仕上げ又は艶消し仕上げを施すことができる。
基材層2は、背面2bにエンボス加工により凹凸形状を有してもよい。凹凸形状のパターン又は模様は、規則的でも不規則であってもよく、特に限定されないが、例えば、万線状、木目、砂目、石目、布目、梨地、皮絞、マット、ヘアライン、スピン、文字、記号、幾何学図形などとすることができる。
基材層2は、可塑剤、充填材、ガラス繊維などの強化剤、酸化亜鉛、酸化チタンなどの顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などの添加剤を含んでもよい。
基材層2の厚さは、例えば、0.4mm以下、より好ましくは0.35mm以下、更に好ましくは0.3mm以下である。一方、基材層2の厚さは、あまり薄いと取り扱いが困難になるおそれがあるため、例えば0.05mm以上であることが好ましい。
粘着剤層3は、装飾シート1を下地材6に接着する粘着剤を有する接着層である。図2及び図3(a)に示されるように、粘着剤層3は、複数の突部10を有する。突部10は、粘着剤層3における基材層2の表面2aとは反対側の主面3aに設けられている。突部10は、基材層2の表面2aとは反対側に向かって突出する粘着剤層3の一部である。突部10では、基材層2に沿っての断面積が先端側に向かうにつれて徐々に減少する。
突部10の形状は、限定されないが、例えば、三角錐、四角錐、その他の多角錐のほか、円錐等を使用できる。一実施形態では、突部10の形状は、正四角錐形状(ピラミッド状)である。複数の突部10は互いに隣接し、接続部11(正四角錐の各底辺)を介して連続して並んでいる。正四角錐の各底辺の長さA(図3参照)は、一例として10μm以上且つ400μm以下であり、例えば、20μm以上且つ300μm以下、あるいは20μm以上且つ200μm以下である。
突部10は、少なくとも粘着剤層3と下地材6とが接触していない状態において、その先端12に尖形状の頂部12aを有する。頂部12aは、基材2に垂直な頂部12aを含む断面において頂部12aを頂点として基材2とは反対側に尖っている形状をなす角部を形成する。一実施形態では、頂部12aは、正四角錐の頂点を含む頂部である。正四角錐の頂点の角度α(図3参照)は、一例として30°以上且つ160°以下であり、例えば、60°以上且つ130°以下である。なお、正四角錐の頂部12aから当該正四角錐の仮想的な底面までの高さB(図3参照)は、一例として8μm以上且つ110μm以下であり、例えば、10μm以上且つ35μm以下である。
突部10の密度は、例えば15個/mm以上且つ3000個/mm以下である。また、突部10の密度は、好ましくは、20個/mm以上且つ200個/mm以下である。なお、突部10の密度とは、粘着剤層3の主面3aにおける単位面積当たりの突部10の数を意味する。突部10の密度を上記の範囲とすることにより、粘着剤層3と下地材6との接触面積が適切となり、粘着剤層3と下地材6との粘着力が適切となる。
複数の突部10の形状等は、ライナー4上に形成された凹凸の形状等によって決まる。例えばライナー4には、突部10に対応する形状を有する凹凸が形成されている。複数の突部10は、凹凸が形成されたライナー4上に粘着剤溶液を塗布し、その粘着剤溶液を乾燥させることで形成される。粘着剤層3の厚さは、施工性と接着力のバランスをとる観点から、10μm以上且つ100μm以下であり、例えば、30μm以上且つ50μm以下である。
なお、他の形態として、突部10の形状が複数の階段状の側面を有する形状であってもよい、すなわち、円錐台又は多角錐台の頂面に更に円錐又は多角錐が設けられた形状である。例えば、2段四角錐であってもよい。2段四角錐は、図3(b)に示されるように、四角錐台の頂面に小四角錐が更に設けられた形状である。この場合、先端12は、小四角錐の先端であり、頂部12aは小四角錐の頂点であってもよい。複数の突部10は、主面3aに沿って互いに所定距離離間して並ぶように設けてもよい。突部10は、当該突部10に隣接する他の突部10と接続する接続部11(2段四角錐の間の離間部分)を介して互いに連続して並んでいてもよい。
粘着剤層3に使用される粘着剤は、一例として、アクリル系粘着ポリマーと、アクリル系非粘着ポリマーと、を含む粘着組成物の硬化物である。また、粘着剤は、粘着組成物中に分散して存在する微粒子(フィラー)を含んでもよい。フィラーとしては、一例として、二酸化チタン(TiO)を用いることができる。フィラーは、この例に限定されない。一実施形態において、二酸化チタンをフィラーとして使用する場合、二酸化チタンの平均粒径は、0.10μm以上且つ0.50μm以下、あるいは、0.15μm以上且つ0.30μm以下である。なお、ここでいう粒径とは、凝集粒子(二次粒子)ではなく一次粒子のを粒径をいう。フィラーの平均粒径をこの範囲にすることで、より均一に粘着剤中にフィラーを分散させることができる。なお、二酸化チタンの平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定を用いて決定することができる体積累積粒径D50である。また、二酸化チタンの配合量は、例えばフィラーを除く粘着剤組成100重量部に対し、15質量部以上且つ150質量部以下、あるいは、20質量部以上且つ100質量部以下である。上記範囲でフィラー量を調整することで、粘着剤の粘着性を維持しながら、粘着剤のせん断貯蔵弾性率を調整することができると共に、副次的な効果として、基材層2が透明な場合は、二酸化チタンが白色顔料としても機能して粘着剤層3を白色化させ、装飾シート1に隠蔽効果を付加することも可能となる。
アクリル系粘着ポリマーは、具体的には、粘着性アクリル系ホモポリマー及びコポリマーからなる群より選択される少なくとも1種のアクリル系粘着ポリマーを含む。例えば、アクリル系粘着ポリマーは、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、及びエタクリロニトリルからなる群より選択されるモノマーのホモポリマー又は2種以上のこれらモノマーのコポリマーを含む。
アクリル系非粘着ポリマーは、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、及びメタクリル酸(ジメチルアミノ)エチルからなる群より選択されるモノマーのホモポリマー又は2種以上のこれらモノマーのコポリマーを含む。アクリル系非粘着ポリマーは、塩基性アクリルポリマーであってもよい。
一実施形態では、アクリル系粘着ポリマーの重量平均分子量は10万以上且つ80万以下である。例えば、アクリル系粘着ポリマーの重量平均分子量は約62万である。また、アクリル系非粘着ポリマーの重量平均分子量は3万以上且つ10万以下である。例えば、アクリル系非粘着ポリマーの重量平均分子量は約6.8万である。アクリル系粘着ポリマーの重量平均分子量、及びアクリル系非粘着ポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)法により標準ポリスチレンを用いて決定される。
アクリル系粘着ポリマー及びアクリル系非粘着ポリマーは、上記モノマー、又は上記モノマーの混合物を、通常のラジカル重合方法、例えば溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などを用いて重合することにより得ることができる。重合開始剤として、過酸化ベンゾイル、ラウロイルペルオキシド、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートなどの有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AVN)などのアゾ系重合開始剤などを用いることができる。
アクリル系粘着ポリマー及びアクリル系非粘着ポリマーは、架橋剤で架橋されていてもよい。架橋剤としては、イソシアネート化合物、メラミン化合物、ポリ(メタ)アクリレート化合物、エポキシ化合物、アミド化合物、ビスアミド化合物、例えば、1,1’−イソフタロイル−ビス(2−メチルアジリジン)などの二塩基酸のビスアジリジン誘導体などが使用できる。架橋剤としては、イソシアネート化合物、特にヘキサメチレンジイソシアネートを用いることが好ましい。架橋剤の添加量は、架橋剤の種類にもよるが、アクリル系粘着ポリマーとアクリル系非粘着ポリマーとの合計である100質量部に対して、通常約0.1質量部以上、約10質量部以下である。架橋剤は、好ましくは、ビスアミド系化合物(例えば、1,1’−イソフタロイル−ビス(2−メチルアジリジン)を用いることができる。
アクリル系粘着ポリマーのガラス転移温度は、10℃以下であることが好ましい。また、アクリル系非粘着ポリマーのガラス転移温度は、60℃以上であることが好ましい。ガラス転移点は、各ポリマーがn種類のモノマーから共重合されているとして、FOXの式(下式)より求めることができる。

但し、
Tg:成分1のホモポリマーのガラス転移温度
Tg:成分2のホモポリマーのガラス転移温度
・・・
Tg:成分nのホモポリマーのガラス転移温度
:重合の際に添加した成分1のモノマーの質量分率
:重合の際に添加した成分2のモノマーの質量分率
・・・
:重合の際に添加した成分nのモノマーの質量分率
+X+・・・+X=1
粘着剤のせん断貯蔵弾性率は、周波数1.0Hzの試験条件、及び雰囲気温度20℃において(以下、単に「20℃における」ともいう)、2.0×10以上であり、更に、3.0×10以上とすることができ、更に、4.0×10以上とすることができる。また、粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率は、1.0×10以下、あるいは1.0×10以下とすると有利である。せん断貯蔵弾性率は、粘弾性体に正弦せん断歪みを与えた場合における複素弾性率の実数部分であり、粘弾性体の硬さを表す指標である。せん断貯蔵弾性率は、具体的には、以下のようにして測定することができる。
せん断貯蔵弾性率は、例えば、動的粘弾性測定装置ARES(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を使用して測定することができる。この測定方法では、まず、厚さ約3mm、直径約7.9mmとなるように打ち抜いて試験体を形成する。この試験体に対し、所定のせん断モードで試験体をねじるように力を加えながら、せん断貯蔵弾性率G’を測定する。ここでのせん断モードは、試験体の厚さ方向を軸とする円周方向において試験体をねじるように力を加えるモードである。力を加える方向は、周波数1.0Hzで円周方向の時計回り及び反時計回りで交互に変わる。雰囲気温度は、例えば−60℃以上且つ200℃以下の範囲で、その昇温速度は5.0℃/秒としてもよい。このようにして計測したせん断貯蔵弾性率G’を、図5に示す。
図5は、粘着剤のせん断貯蔵弾性率を示すグラフである。図5において、粘着剤Xのプロットは、アクリル系粘着ポリマー、アクリル系非粘着ポリマー、及びフィラーを含む粘着剤の物性(せん断貯蔵弾性率の温度特性)に対応するプロットである。粘着剤Yのプロットは、アクリル系粘着ポリマー及びアクリル系非粘着ポリマーを含むが、フィラーを含まない粘着剤の物性に対応するプロットである。粘着剤Zのプロットは、アクリル系粘着ポリマーを含むが、アクリル系非粘着ポリマー及びフィラーを含まない粘着剤の物性に対応するプロットである。
図5に示されるように、粘着剤Zのせん断貯蔵弾性率G’(粘弾性)は、雰囲気温度20℃において2.0×10以下である。粘着剤Zは、粘着剤X又は粘着剤Yよりも下地材6等の被接着対象物に対する濡れ性(被接着対象物の表面上に広がって当該表面に密着する性質)が比較的高い。仮に、このような粘着剤Zを、複数の突部10を有する粘着剤層3として用いると、例えば粘着剤層3を下地材6上に外的な押圧力を付与しないで仮置きした状態であっても、複数の突部10が潰れ易くなり、複数の突部10が下地材6に面接触する状態になり易くなる。つまり、突部10の形状安定性が比較的低くなる。
これに対し、粘着剤X及び粘着剤Yのプロットは、粘着剤Zのプロットに対して上方に分布している。具体的には、粘着剤X及び粘着剤Yのせん断貯蔵弾性率G’は、20℃において2.0×10以上である。粘着剤X及び粘着剤Yは、粘着剤Zよりも下地材6等の被接着対象物に対する濡れ性が比較的低い。このような粘着剤X又は粘着剤Yを、複数の突部10を有する粘着剤層3として用いると、例えば粘着剤層3を下地材6上に仮置きした状態においては、外的な押圧力を付与しない限り、複数の突部10が潰れ難くなり、複数の突部10が下地材6に点接触する状態を維持し易くなる。つまり、突部10の形状安定性が比較的高くなる。また、粘着剤X及び粘着剤Yのせん断貯蔵弾性率G’は、20℃において1.0×10以下、あるいは1.0×10以下である。よって、粘着剤X及び粘着剤Yは、粘弾性の観点から粘着剤としての性質を有する(Dahlquist criterion、出典・粘着ハンドブック(日本粘着テープ工業会))。このような粘着剤X又は粘着剤Yを、複数の突部10を有する粘着剤層3として用いると、例えば押圧力を受けることで、今度は突部10が潰れて面接触した状態になり、粘着剤層3に適切な粘着力を付与できる。
なお、粘着剤のせん断貯蔵弾性率G’(粘弾性)は、アクリル系粘着ポリマーとアクリル系非粘着ポリマーとの混合比、あるいは二酸化チタン等のフィラー添加量等で調整できる。また、所望のせん断貯蔵弾性率G’となるガラス転移温度のアクリル系粘着ポリマーを選択したり、ガラス転移温度が互いに異なる複数のアクリル系粘着ポリマー同士の混合比によって調整することもできる。
一実施形態において、粘着剤は、ガラス転移温度が低いアクリル系粘着ポリマーと、ガラス転移温度が高いアクリル系非粘着ポリマーとを混合することで、粘着剤のせん断貯蔵弾性率G’を調整することができる。例えば、ガラス転移温度が10℃以下、−20℃以下、あるいは−40℃以下のアクリル系粘着ポリマーと、ガラス転移温度が60℃以上であるアクリル系非粘着ポリマーとの混合物を使用できる。
ライナー4としては、紙(例えばクラフト紙)又はポリマー材料(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンビニルアセテート、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなど)から調製されるものが挙げられる。ライナー4は、必要に応じてシリコーン含有材料又はフルオロカーボン含有材料などの剥離剤の層でコーティングされていてもよい。ライナー4の厚さは、一般に、約5μm以上、約15μm以上又は約25μm以上、約300μm以下、約200μm以下又は約150μm以下である。
装飾シート1は、一般家屋、集合住宅、ビル又はその他の建築物の壁面、天井面、床面又はパーティションなどに貼付することにより好適に使用される。
次に、装飾シート1の作用、効果を説明する。図4(a)に示されるように、下地材6上に装飾シート1を配置しただけの状態、例えば、仮置き状態では、粘着剤層3は、複数の頂部12aを介して下地材6に接触した状態になる。つまり、仮置き状態の粘着剤層3は、実質的に複数の突部10が下地材6に点接触した状態に過ぎず、面接触している状態に比べ、粘着剤層3と下地材6との接触面積は小さくなる。特に、この装飾シート1では、粘着剤層3を形成する粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率が2.0×10以上であり、粘着剤層3に対して外的な押圧力を付与しない限り、複数の突部10は潰れ難く、形状安定性が高い。その結果、例えば、仮置き状態の装飾シート1は、下地材6に沿ってスライドさせ易く、また、装飾シート1を下地材6から剥がし易い。つまり、下地材6上に装飾シート1を配置しただけの状態であれば位置調整や再配置を容易に行うことができる。
なお、粘着剤層3の突部10は錐状であり、複数の突部10は、下地材6に対して実質的に点接触した状態になるため、位置調整の際に、装飾シート1を下地材6に沿って等方的にスライドさせ易い。
装飾シート1の位置調節や再配置を行い、装飾シート1の下地材6に対する位置が決まると、図4(b)に示されるように、装飾シート1を下地材6に向かって十分に押圧する。この押圧によって粘着剤層3は押圧力を受ける。ここで、装飾シート1の場合、粘着剤層3を形成する粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率G’は1.0×10以下、あるいは1.0×10以下である。そのため、装飾シート1が外的な押圧力を受けた際に、今度は突部10が潰れて面接触した状態になり、粘着剤層3に適切な粘着力を付与できる。つまり、装飾シート1を貼る所定位置が決まると、今度は押圧力を装飾シート1に付与することで装飾シート1を適切に接着させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、突部10の形状は、所定方向に沿って直線状に延在する山型形状であってもよい(図6参照)。この形態の場合、突部10は尖っている先端が稜線状に連続する形状の頂部12aを有する。そして、この形態の場合、仮置き状態では、粘着剤層3の複数の突部10は、頂部12aを介して下地材6に線接触した状態になり、面接触している状態に比べ、粘着剤層3と下地材6との接触面積は小さくなる。また、複数の突部10は、主面3aに沿って互いに隣接して並ぶように設けてもよい。また、突部10は、隣接する他の突部10と接続する接続部11(山型形状の両端の谷部)を介して互いに連続して並んでいてもよい。この場合、例えば仮置き状態では、少なくとも山型形状の延在方向に沿って装飾シート1Aをスライドさせ易い。
以上、実施形態を例に説明したように、本発明の一側面は、内外装用の装飾シートであって、基材層と、基材層の表面に積層されると共に、粘着剤を有する粘着剤層と、を備えている。粘着剤層は、基材層の表面とは反対側の主面に設けられた複数の突部を有し、突部は、先端に尖形状の頂部を有し、粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率は、2.0×10以上である。
このような側面においては、プライマーが塗布された下地材などの被接着対象物上に、この装飾シートを配置すると、粘着剤層は複数の頂部を介して被接着対象物に接触した状態になる。つまり、粘着剤層は、実質的に複数の突部が被接着対象物に点接触、あるいは線接触した状態になり、面接触している状態に比べ、粘着剤層と被接着対象物との接触面積は小さくなる。特に、この装飾シートでは、粘着剤層を形成する粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率が2.0×10以上であるので、粘着剤層に対して外的な押圧力を付与しない限り、複数の突部は潰れ難く、形状安定性が高い。その結果、装飾シートを被接着対象物上に配置しただけの状態、例えば、仮置き状態では装飾シートを被接着対象物に沿ってスライドさせ易く、また、装飾シートを被接着対象物から剥がし易い。つまり、被接着対象物上に装飾シートを配置しただけの状態であれば位置調整や再配置を容易に行うことができる。
また、他の側面に係る装飾シートでは、粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率は、1.0×10以下、あるいは1.0×10以下であってもよい。粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率が1.0×10以下、あるいは1.0×10以下であるため、押圧力を受けると、今度は突起が潰れて面接触した状態になり、粘着剤層に適切な粘着力を付与できる。つまり、被接着対象物上に装飾シートを配置しただけの状態で位置調整や再配置を行い、所定位置が決まると、今度は押圧力を付与することで装飾シートを適切に接着させることができる。
また、他の側面に係る装飾シートでは、粘着剤は、ガラス転移温度が10℃以下であるアクリル系粘着ポリマーと、ガラス転移温度が60℃以上であるアクリル系非粘着ポリマーと、を含む粘着組成物の硬化物であってもよい。これにより、粘着剤のせん断貯蔵弾性率を適切に調整することができる。
また、他の側面に係る装飾シートでは、粘着剤は、フィラーを含んでいてもよい。これにより、粘着剤のせん断貯蔵弾性率をより適切に調整することができる。
また、他の側面に係る装飾シートでは、フィラーは、TiOからなるものであってもよい。
また、他の側面に係る装飾シートでは、突部の形状は、錐形状であってもよい。これにより、装飾シートを下地材等の被接着対象物に沿って等方的にスライドさせて位置調整することが容易となる。
また、他の側面に係る装飾シートでは、粘着剤層の主面における単位面積当たりの突部の数は、15個/mm以上で、且つ3000個/mm以下であってもよい。これにより、例えば、プライマーを塗布された下地材などの被接着対象物と粘着剤層との粘着力を適切に設定することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[ライナーサンプルの作成]
表1に示されるような諸元を有するライナーL1〜L6を準備した。ここで、ライナーL1によって形成される突部の形状は、図7(a)及び図7(b)に示されるような円錐台状であった。先端部は、頂部を有しておらず、約23μmの円形頂面を有していた。ライナーL2によって形成される突部の形状は、図3(b)に示されるような2段四角錐であり、先端部に頂部を有していた。ライナーL3は、平面状であり、粘着剤層3に突部を形成しなかった。
ライナーL4、ライナーL5、及びライナーL6によって形成される突部の形状は、図2に示されるような正四角錐であり、先端部に頂部を有していた。形成される突部の密度は、ライナーL4、ライナーL5、及びライナーL6によってそれぞれ異なっていた。
[装飾シートサンプルの作成]
まず、フィラーとしてのデュポン社製タイピュアTM酸化チタン、表2に示されるアクリル系非粘着ポリマー(塩基性アクリルポリマー)、及びメチルイソブチルケトン(溶剤)を、重量比27.5:55.0:17.50の配合で混合し、プレミックス溶液を作成した。プレミックス溶液9重量%と表2に示されるアクリル系粘着ポリマー26重量%とを混合した液に、架橋剤として表2に示されるビスアミド系化合物(3M株式会社製「RD1054」)を0.2重量%混合し、第1粘着剤溶液を作成した。
続いて、作成した第1粘着剤溶液を、L−2ライナーにナイフコートにより塗布し、粘着剤層を形成した。形成された粘着剤層を90℃で3分加熱して、粘着剤層の乾燥及び架橋を行った。第1粘着剤溶液の塗布量は、乾燥後における粘着剤層の厚さが40μmになる量とした。
続いて、基材層として厚さ150μmのPVCフィルム(スリーエムジャパン株式会社製)を準備した。PVCフィルムの組成は、ポリ塩化ビニル、可塑剤(フタル酸ジイソノニル)、及び有機系安定剤(アクリル樹脂、ステアリン酸亜鉛)であり、それぞれの質量比は、66.5:19.5:14.0であった。この基材層と、上述の粘着剤層とをドライラミネート加工して、実施例1の装飾シートを得た。
実施例2の装飾シートは、第1粘着剤溶液を塗布するライナーをL−5ライナーに変更した以外は、実施例1の装飾シートと同様にして作成した。
実施例3の装飾シートは、第1粘着剤溶液を塗布するライナーをL−6ライナーに変更した以外は、実施例1の装飾シートと同様にして作成した。
実施例4の装飾シートは、第1粘着剤溶液を、第2粘着剤溶液に変更した点と、第2粘着剤溶液をL−2ライナーに塗布した点以外は、実施例1の装飾シートと同様にして作成した。第2粘着剤溶液は、フィラーを用いない点以外は、第1粘着剤溶液と同様にして作成した。
実施例5の装飾シートは、第1粘着剤溶液を塗布するライナーをL−4ライナーに変更した以外は、実施例1の装飾シートと同様にして作成した。
比較例1の装飾シートは、第1粘着剤溶液を塗布するライナーをL−3ライナーに変更した以外は、実施例1の装飾シートと同様にして作成した。
比較例2の装飾シートは、第1粘着剤溶液を塗布するライナーをL−1ライナーに変更した以外は、実施例1の装飾シートと同様にして作成した。
比較例3の装飾シートは、第1粘着剤溶液を、アクリル系非粘着ポリマー及びフィラーのいずれも用いずに作成した第3粘着剤溶液に変更した点と、第3粘着剤溶液を塗布するライナーをL−1ライナーに変更した以外は、実施例1の装飾シートと同様にして作成した。第3粘着剤溶液は、表2に示される粘着性ポリマー100重量%に対し、架橋剤としてビスアミド系化合物(3M株式会社製「RD1054」)を1.52重量%混合することにより作成した。
比較例4の装飾シートは、第1粘着剤溶液を第3粘着剤溶液に変更した点と、第3粘着剤溶液を塗布するライナーをL−1ライナーに変更しビーズ入り円錐台とした以外は、実施例1の装飾シートと同様にして作成した。
比較例5の装飾シートは、第1粘着剤溶液を第3粘着剤溶液に変更した点と、第3粘着剤溶液を塗布するライナーをL−3ライナーに変更した以外は、実施例1の装飾シートと同様にして作成した。
比較例6の装飾シートは、第1粘着剤溶液を第3粘着剤溶液に変更した点以外は、実施例1の装飾シートと同様にして作成した。
[位置調整に要する力の計測]
実施例1〜5及び比較例1〜6の装飾シートを、それぞれ長さ100mm×25mm幅にカットし、試験体とした。試験体を貼り付ける下地材として、SUS304板(70mm×150mm×0.5mm厚み)を準備した。続いて、装飾シートからライナーを剥離し、粘着剤層がSUS304板と接するように試験体を配置し、静止させた。試験体の基材層側に52.3gの重りを載せた。重りを載せてから10秒経過後、SUS304板に沿うように(180°方向)にプッシュプルゲージ(シンポー社製FGP−50)で試験体を引っ張って、試験体を50mm移動させた。その際、プッシュプルゲージの指示値に基づいて位置調整に要する力を記録した。環境温度は、27℃であった。結果を表3に示す。
なお、試験体の基材層側に52.3gの重りを載せるという意義は、粘着剤層に装飾シート自体の重量(自重)がかかった状態、つまり、装飾シートを仮置きした状態を作るためである。
[位置調整(Slidability on primed surface)試験]
実施例1〜5及び比較例1〜6の装飾シートを、それぞれ長さ100mm×25mm幅にカットし、試験体とした。試験体を貼り付ける下地材として、厚み9.5mmのプラスターボード(吉野石膏社製)にスリーエムジャパン製WP−2000プライマーを塗布して1時間乾燥したものを準備した。続いて、装飾シートからライナーを剥離し、粘着剤層がプライマー処理面と接するように試験体を配置し、静止させた。装飾シートの粘着剤層とプライマー処理面とを接触させた状態で、下地材に沿う方向に装飾シートを移動(スライド)させることを試みた。下地材に沿う方向に装飾シートを滑らかに移動できた場合は「○」と判定し、下地材に沿う方向に装飾シートを移動できなかった場合、又は、下地材に沿う方向に装飾シートを移動できたが引っ掛かりがあった場合は「×」と判定した。結果を表3に示す。
[再配置(Repositionability)試験]
実施例1〜5及び比較例1〜6の装飾シートを、それぞれ長さ100mm×25mm幅にカットし、試験体とした。試験体を貼り付ける下地材として、厚み9.5mmのプラスターボード(吉野石膏社製)にスリーエムジャパン製DP−900N3プライマーを塗布して1時間乾燥したものを準備した。続いて、装飾シートからライナーを剥離し、粘着剤層がプライマー処理面と接するように試験体を配置し、静止させた。試験体の基材層側に200gの重りを載せた。重りを載せてから10秒経過後、下地材の法線方向に(90°方向)に試験体を引っ張った。その際、糊残りや基材層の破壊等を生じることなく試験体を下地材から剥離できた場合は「○」と判定し、そうでない場合を「×」と判定した。結果を表3に示す。
実施例1〜5の各粘着剤層は、頂点を有する突部を備えており(第1の条件)、更に、粘着剤層を形成する粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率は2.0×10以上であった(第2の条件)。一方で、比較例1、2は、第2の条件は満たすが、第1の条件は満たさなかった。また、比較例3、4、5は、第1の条件、及び第2の条件の両方を満たさなかった。また、比較例6は、第1の条件は満たすが、第2の条件は満たさなかった。そして、実施例1〜5では、表3に示される通り、位置調整の判定結果及び再配置の判定結果は、いずれも「○」であった。一方、比較例1、比較例3〜6は、位置調整の判定結果及び再配置の判定結果は、両方とも「×」であり、比較例2は、再配置の判定結果が「×」であった。つまり、第1の条件、及び第2の条件を満たすことで、位置調整が可能になり、且つ、再配置が可能になるという結果を得ることができた。
また、実施例3と実施例4とを比較した場合、実施例4の方が、実施例3に比べて粘着剤層を形成する粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率が高い。そして、実施例3と実施例4とについて、位置調整に要する力を比較した場合、実施例3よりも実施例4の方が低くなっている。つまり、粘着剤層を形成する粘着剤のせん断貯蔵弾性率と位置調整に要する力との相関性から位置調整の容易性を定量的に評価した場合、せん断貯蔵弾性率が高い方が突部の形状安定性は高く、その結果、装飾シートを仮置きした状態での位置調整や再配置の容易性という点では有利であるという推測結果を獲ることができる。
また、突部の密度について、実施例2と実施例3とを比較した場合、実施例2の密度は174個/mmであり、実施例3の密度は25個/mmであった。そして、実施例2、及び実施例3の位置調整に要する力は両方とも1kg以下である。一方で、実施例5の密度は2500個/mmであり、位置調整に要する力は1kgを超えていた。つまり、突部の密度と位置調整に要する力との相関性から位置調整の容易性を定量的に評価した場合、突部の密度は200個/mm以下であれば、装飾シートを仮置きした状態での位置調整や再配置の容易性という点では有利であるという推測結果を獲ることができる。
1,1A…装飾シート、2…基材層、2a…表面、3…粘着剤層、3a…主面、10…突部、12…先端、12a…頂部。

Claims (6)

  1. 内外装用の装飾シートであって、
    基材と、下地材の装飾を目的としたフィルム部材と、を含む基材層と、
    前記基材層の表面に積層されると共に、粘着剤を有する粘着剤層と、を備え、
    前記粘着剤層は、前記基材層の前記表面とは反対側の主面に設けられた複数の突部を有し、
    前記突部は、先端に尖形状の頂部を有し、
    前記粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率は、2.0×10 Pa以上であり、
    前記粘着剤の20℃におけるせん断貯蔵弾性率は、1.0×10 Pa以下である、装飾シート。
  2. 前記粘着剤は、ガラス転移温度が10℃以下であるアクリル系粘着ポリマーと、ガラス転移温度が60℃以上であるアクリル系非粘着ポリマーと、を含む粘着組成物の硬化物である、請求項1記載の装飾シート。
  3. 前記粘着剤は、フィラーを含む、請求項記載の装飾シート。
  4. 前記フィラーは、TiOからなる、請求項記載の装飾シート。
  5. 前記突部の形状は、錐形状である、請求項1〜の何れか一項記載の装飾シート。
  6. 前記粘着剤層の前記主面における単位面積当たりの前記突部の数は、15個/mm以上で、且つ3000個/mm以下である、請求項1〜の何れか一項記載の装飾シート。
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