JP6715173B2 - 亜鉛空気電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、正極活性物質として酸素を用いる亜鉛空気電池の製造方法に関する。
正極活物質として空気中の酸素を用いる亜鉛空気電池は、電池外部から常に酸素が供給され、電池内に大量の負極活物質である金属亜鉛を充填することができる。このため、電池の単位体積当たりの放電容量の値を大きくできることが知られている。
また、正極であるガス拡散型空気極の電極触媒として、遷移金属酸化物や貴金属が検討されている。例えば、MnO2やCoMn1−x(0<x<1)などの遷移金属酸化物が検討されている(非特許文献1、非特許文献2)。
非特許文献1では、50mA/cm3の電流密度の放電で電池電圧が1.1V、200mA/cm3の電流密度の放電で電池電圧が約63%(0.7V)に低下する特性が開示されている。また、非特許文献2では、25mA/ cm3→150mA/ cm3で電池電圧が約57%に低下する特性が開示されている。このように、従来の亜鉛空気電池は、電圧−電流密度特性が良くないため放電電流の増加によって電池電圧が大きく低下するという課題がある。
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、放電時の電池電圧の低下を小さくする亜鉛空気電池の製造方法を提供することを目的とする。
本実施形態の一態様に係る亜鉛空気電池の製造方法は、金属酸化物の触媒を含む空気極、亜鉛を含む負極、及び前記空気極と前記負極の間に配置された電解質を備える亜鉛空気電池の製造方法であって、金属を酸化して増殖する酸化細菌が前記触媒を生産し、セルロースを生産する細菌であるセルロース生産細菌にセルロースゲルを生産させるゲル生産工程と、生産された前記セルロースゲルを凍結する凍結工程と、凍結した前記セルロースゲルを真空中で乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた前記セルロースゲルを炭化して担体を作製する炭化工程と、前記セルロースゲルを炭化して作製した前記担体に前記酸化細菌を含有させる細菌含有工程と、前記酸化細菌が含有した前記担体に前記酸化細菌が生産した前記触媒を担持させる触媒担持工程とを含むことを要旨とする。
本発明によれば、放電時の電池電圧の低下を小さくする亜鉛空気電池の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る亜鉛空気電池の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係る亜鉛空気電池の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る亜鉛空気電池のより詳しい製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る亜鉛空気電池のより詳細な構成例を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る亜鉛空気電池の放電特性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものに
は同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
図1に、本発明の実施の形態に係る亜鉛空気電池1の構成を模式的に示す。亜鉛空気電池1は、空気極101、負極102、及び電解質103を備える。
空気極101は、ガス拡散型の正極である。負極102は、亜鉛を含んで構成される。電解質103は、空気極101と負極102に挟まれて配置される。
空気極101の一方の面は大気に曝され、他方の面は電解質103と接する。また、負極102の電解質103の側の面は、電解質103と接する。なお、電解質103は、電解液または固体電解質のいずれであってもよい。電解液とは、電解質が液体形態である場合をいう。また、固体電解質とは、電解質がゲル形態または固体形態である場合をいう。
本実施形態の亜鉛空気電池1は、空気極101の触媒が、金属を酸化して増殖する酸化細菌を対応する金属と共に培養することで酸化細菌に生産させた金属酸化物で構成される。
空気極101は、導電性材料から構成された担体から構成され、この担体に触媒が担持されている。また、結着剤などを添加して用いる。導電性材料から構成された担体は、例えば、繊維径50nm以下の微細繊維からなる三次元ネットワーク構成とされた共連続体である。例えば、酢酸菌により生産されたセルロースゲルを炭化することで得られる。繊維径50nm以下の微細繊維からなる三次元ネットワーク構造の共連続体は、繊維同士の結合部及び繊維部が変形可能とされており、伸縮性を有した構造となっている。
空気極101では、電解質/電極触媒/ガス(酸素)の三相部分(三相界面)において電極反応が進行する。空気極101中に電解質103が浸透し、ここに大気中の酸素ガスが供給されることで、電解質−電極触媒−ガス(酸素)が共存する三相部位が形成される。電極触媒が高活性であれば、酸素還元(放電)および酸素発生(充電)が円滑に進行し、電池性能が大きく向上することになる。
空気極101での放電反応は次のように表すことができる。
(1/2)H2O+(1/2)O2+e-→OH-・・・(1)
上式中の水酸化物イオン(OH-)は、空気極101から電気化学的還元により水溶液電解液などの電解質103中に溶解し、電解質103中を負極102の表面まで移動する。また、酸素(O2)は、大気(空気)中から空気極101内部に取り込まれたものである。
図1中に、負極102から溶解する材料をZn2+、負極で析出する材料をZnO、及び空気Oを表記する。
空気極101に添加する(担体に担持させる)触媒は、金属を酸化して増殖する細菌である酸化細菌に生産させたものである。例えば、鉄酸化細菌が生成した酸化鉄、または、マンガン酸化細菌が生成した酸化マンガンが触媒となる。
鉄酸化細菌に生産させた酸化鉄やマンガン酸化細菌に生産させた酸化マンガンなどの触媒は、酸素との相互作用が強く、多くの酸素種を触媒表面に吸着できる。触媒の表面上に吸着された酸素種は、上記式(1)の酸素源(活性な中間反応体)として酸素還元反応に使用され、上記反応が容易に進むようになる。このように、酸化鉄や酸化マンガンは、触媒として有効に機能する。
亜鉛空気電池では、放電電圧の低下を防ぐために、電極反応を引き起こす反応サイト[電解質/電極触媒/空気(酸素)の三相部分]がより多く存在することが望ましい。この要求に対し、本実施形態によれば、高比表面積な触媒が作製可能であり、上述の三相部位が電極触媒表面に多量に存在する亜鉛空気電池1の空気極101を得ることができる。
亜鉛空気電池の空気極に用いる触媒の比表面積は、30m2/g以上であることが望ましい。本実施形態では、比表面積が50m2/g以上の酸化鉄及び酸化マンガンを得ることができる。比表面積は、液体窒素の温度で窒素ガスを吸着させるBET法で測定した。
図2に、空気極101の製造工程のフローチャートを示す。空気極101は、金属を酸化して増殖する酸化細菌に金属酸化物からなる触媒を生産させ(S101:触媒作製工程)、次に生産した触媒を、空気極を構成する導電性材料から構成された担体に担持させる(S102:担体作製工程)、2つの工程で製造する。
例えば、触媒生産工程で得られた触媒である酸化鉄または酸化マンガンの粉末、カーボン粉末、および必要に応じてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなバインダー粉末を混合し、この混合物をチタンメッシュ等の支持体上に圧着することにより、空気極を成形することができる。
また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にして、金属メッシュまたはカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極を形成することができる。また、電極の強度を高め電解質の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなく、ホットプレスを適用することによっても、より安定性に優れた空気極を作製することができる。得られた空気極により亜鉛空気電池を製造する。
また、空気極101は、図3に示す製造工程で製造してもよい。セルロースを生産するセルロース生産細菌にセルロースゲルを生産させ、これを炭化することで担体を作製する(S111:担体作製工程)。次に、作製した担体に酸化細菌を含有させる(S112:細菌含有工程)。次に、金属を含む培地で酸化細菌を培養して触媒を生産させることで、担体に酸化細菌が生産した触媒を含有させて空気極とする(S113:触媒担持工程)。このように空気極101を製造してもよい。
以下にも詳述するように、セルロース生産細菌に生産させたセルロースゲルを炭化することで得られる担体の気孔率は95%以上であり、優れた吸水性を有する。このため、上記担体に液体培地を投入することで、優れた培地となる。液体培地は、鉄酸化細菌およびマンガン酸化細菌が培養可能ならば、特に指定はないが、滅菌地下水1L中、リン酸水素二ナトリウム12水和物0.076g、リン酸二水素カリウム2水和物0.02g、HEPES[4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid:緩衝液用物質]2.383g、硫酸鉄0.01mmol/L、pHを水酸化ナトリウム水溶液で7.0に調整したJOP液体培地が好ましい。
例えば、上述したセルロースゲルを炭化して得た担体および液体培地を試験管のような適切な容器に取り、ここに、鉄酸化細菌を鉄小片と共に投入し、この状態で培養を実施すればよい。酸化鉄からなる触媒が担持した担体による空気極が得られる。また、例えば、セルロースゲルを炭化して得た担体および液体培地を試験管のような適切な容器に取り、ここに、マンガン酸化細菌をマンガン小片と共に投入し、この状態で培養を実施すればよい。酸化マンガンからなる触媒が担持した担体による空気極が得られる。
培養時間は6時間以上が好ましく、12時間以上がより好ましい。また、鉄酸化細菌およびマンガン酸化細菌を同時に培養することで、酸化鉄および酸化マンガンを混合した触媒を炭化したバクテリアセルロース内に含有させることも可能である。セルロースゲルを炭化して得た担体内部に細菌が触媒を含有させることで、高分散に触媒を含有させることができ、このようにして作製した空気極による亜鉛空気電池は高い性能を示す。
以上説明したように、本実施形態の亜鉛空気電池1の製造方法は、金属酸化物の触媒を含む空気極101、亜鉛を含む負極102、及び空気極101と負極102の間に配置された電解質103を備える亜鉛空気電池1の製造方法であって、金属を酸化して増殖する酸化細菌が触媒を生産する製造方法である。
以降において、亜鉛空気電池1を構成する各要素について詳しく説明する。最初に、本実施形態の触媒について説明する。
(触媒)
本実施形態の触媒は、鉄酸化細菌に生産させる。酸化細菌について説明する。酸化細菌は、レプトスリックス属、ガリオネラ属、シデロカプサ属、チオバチルス属のいずれかであればよい。また、これらをニトロソグアニジン(NTG)などを用いる公知の方法によって変異処理することにより得られる変異株であってもよい。
例えば、鉄酸化細菌を、鉄小片と共に液体培地に投入して培養することで、酸化鉄が得られる。また、マンガン酸化細菌を、マンガン小片と共に液体培地に投入して培養することで、酸化マンガンが得られる。液体培地は、鉄酸化細菌やマンガン酸化細菌が培養可能なものであればよく、特に指定はない。例えば、上記のようにJOP液体培地が好ましい。
培養時間は6時間以上が好ましく、12時間以上がより好ましい。また、鉄酸化細菌およびマンガン酸化細菌を同時に培養することで、酸化鉄および酸化マンガンを混合した触媒を得ることも可能である。このようにして得られた酸化鉄および酸化マンガンは、本実施形態の亜鉛空気電池1の空気極101の触媒として用いることにより、放電時の電池電圧の低下を小さくすることができる。
(担体)
空気極101に用いる導電性材料(担体)について説明する。導電性材料は、例えばカーボンである。例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボン繊維類などのカーボンが導電性材料として用いることができる。空気極101中で反応サイトを十分に確保するためには、カーボンは比表面積が大きなものが適している。具体的には、BET比表面積で300m2/g以上の値を有しているものが望ましい。これらのカーボンは、例えば市販品として、または公知の合成により得ることが可能である。
また、導電性材料は、セルロース生産細菌に生産させたセルロースゲルを炭化することで製造したものであってもよい。
ここで、セルロースゲルによる導電性材料の作製について説明する。
第1に,セルロース生産細菌にセルロースゲルを生産させる(ゲル生産工程)。
第2に、生産させたセルロースゲルを凍結する(凍結工程)。
第3に、凍結したセルロースゲルを真空中で乾燥させる(乾燥工程)。
第4に、乾燥させたセルロースゲルを不活性ガス雰囲気で熱処理して炭化する(炭化工程)。
ゲル生産工程で生産されたセルロースゲルを、凍結工程および乾燥工程により乾燥させることで、セルロースからなる三次元ネットワーク構造を有する共連続体が得られる。ゲル生産工程では、セルロース生産細菌により網目状に一体とされたナノファイバー状のセルロースによる共連続体が生産され、この形状が凍結工程により維持され、形状が維持された状態で、乾燥工程で乾燥される。
ナノファイバーは、直径が1nmから1μmであり、長さが直径の100倍以上の繊維状物質である。ナノファイバーは、中空状、コイル状であっても良く、形状に対し限定されない。また、ゲルは、分散媒が分散質(セルロース)の三次元ネットワーク構造により流動性を失い固体状になったものを意味する。具体的には、ずり弾性率が102〜106Paである分散系を意味する。
ゲルの分散媒は、水(H2O)等の水系または、カルボン酸、メタノール(CH3OH)、エタノール(C25OH)、プロパノール(C37OH)、n−ブタノール、イソブタノール、n−ブチルアミン、ドデカン、不飽和脂肪酸、エチレングリコール、ヘプタン、ヘキサデカン、イソアミルアルコール、オクタノール、イソプロパノール、アセトン、グリセリンなどの有機系であり、これらから2種類以上を混合してもよい。
前述したように、空気極101の担体は高比表面積であることが望ましい。セルロース生産細菌が生成するゲルは、nmオーダーのファイバーを基本構造としており、高比表面積を有する。具体的には、比表面積300m2/g以上を有する空気極101の担体合成が可能である。
セルロース生産細菌に生産されるセルロースゲルは、セルロースファイバーがコイル状や網目状に絡まった構造を有し、さらにセルロース生産細菌の増殖に基づいてナノファイバーが分岐した構造を有しているため、300m2/g以上という優れた比表面積が実現されている。このようなナノファイバー材料は、空気極101の導電性材料として好適である。
セルロース生産細菌は、例えば、アセトバクター・キシリナム・サブスピーシーズ・シュクロファーメンタ、アセトバクター・キシリナムATCC23768、アセトバクター・キシリナムATCC23769、アセトバクター・パスツリアヌスATCC10245、アセトバクター・キシリナムATCC14851、アセトバクター・キシリナムATCC11142、アセトバクター・キシリナムATCC10821などの酢酸菌がある。
また、セルロース生産細菌は、アグロバクテリウム属、リゾビウム属、サルシナ属、シュードモナス属、アクロモバクター属、アルカリゲネス属、アエロバクター属、アゾトバクター属、ズーグレア属、エンテロバクター属、クリューベラ属、並びにそれらをNTG(ニトロソグアニジン)等を用いる公知の方法によって変異処理することにより得られる各種変異株であってもよい。
セルロース生産細菌により生成したセルロースゲルの凍結は、試験管のような適切な容器に取り、液体窒素などの冷却材中で試験管の周囲を冷却して実施すればよい。凍結は、セルロースゲルの分散媒を凝固点以下に冷却ができれば、特に限定されるものではなく、冷凍庫による冷却により実施してもよい。
凍結させることで形状を固定しているが、凍結しない場合、乾燥工程において、分散媒の蒸発に伴い分散質が凝集するため、十分な比表面積を得ることができず、十分な性能を得ることができない。凍結させた状態で乾燥させることで、形状が維持できる。乾燥工程では、凍結させた分散媒を固体状態から昇華させることで、網目状のナノファイバーセルロースを維持した分散質を分散媒から分離する。
凍結させたセルロースゲルを真空中に配置することで、乾燥が実施できる。例えば、凍結させたセルロースをフラスコのような適切な容器に取り、フラスコ内を真空引きすればよい。凍結したセルロースゲルを真空雰囲気下に置くことで、分散媒の昇華点が低下し、常圧では昇華しない物質においても分散媒の昇華が可能である。真空度は、使用する分散媒によって異なるが、分散媒が昇華する真空度であれば、特に制限されない。例えば、分散媒に水を使用した場合、真空度を0.06MPa以下にすればよいが、昇華潜熱として熱が奪われるため、乾燥に時間を有する。従って、分散媒に水を使用した場合、真空度は1.0×10-6〜1.0×10-2Paとすればよい。さらに乾燥時にヒーターなどで熱を加えても良い。
従来知られている大気中で乾燥させる方法では、分散媒が液体の状態を経ることになる。このため、網目状に得られたナノファイバーセルロースが、液態の分散媒中で流動的になり、変形して凝集することになり、得られた導電性材料(担体)は比表面積が大きく減少してしまう。このため、大気中で乾燥させる方法では、高比表面積な導電性材料が得られない。
次に、炭化工程について説明する。セルロースゲルはセルロースから構成されており、導電性がないため、炭化して導電性を与える。セルロースが酸化して二酸化炭素とならないように、不活性ガス中で加熱することで炭化する。セルロースゲルを炭化することで得られる導電性材料は、高導電性、耐腐食性、高比表面積を有しており、亜鉛空気電池の空気極101として好適である。
セルロースゲルの炭化は、乾燥工程の後で、得られたセルロースゲルを不活性ガス雰囲気中で500℃〜2000℃、より好ましくは、900℃〜1800℃で焼成することで実施する。炭化において用いる不活性ガスは、セルロースが燃焼しないガスであれば特に限定されないが、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、水素ガス、二酸化炭素ガスなどを用いればよい。また、一酸化炭素ガスなどの還元性ガスを用い、還元性ガス雰囲気で加熱することで炭化してもよい。例えば、セルロースゲルに対し賦活効果を有し、高活性化が期待できる二酸化炭素ガスまたは一酸化炭素ガスを用いて炭化することがより好ましい。
次に、空気極101に添加可能な結着剤(バインダー)について説明する。結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末としてまたは分散液として用いることができる。
(負極)
負極102は、負極活性物質から構成する。この負極活性物質は、亜鉛空気電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属亜鉛を挙げることができる。あるいは、亜鉛含有物質として、亜鉛イオンを放出することができる亜鉛合金を例として挙げることができる。
金属亜鉛から構成した負極102における放電時の反応(放電反応)は、以下のように表すことができる。
Zn→Zn2++2e-・・・(2)
負極102は、公知の方法で形成することができる。例えば、亜鉛金属を負極とする場合には、所定の大きさおよび形状に金属亜鉛箔を切断および成形することで、負極を作製すればよい。
(電解質)
電解質103は、空気極101および負極102の間で水酸化物イオンの移動が可能な物質であればよい。例えば、イオンを含む水溶液を電解質103とすればよい。具体的には、塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、海水、尿、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、酢酸、並びに、これらの中からの二種類以上を混合した溶媒[例えば塩化ナトリウムおよび塩化カリウム(体積比1:1)の混合溶液]を挙げることができる。
また、電解質103は、水酸化物イオンを通す固体電解質、水酸化物イオンを通すポリマー電解質(例えば、ポリエチレンオキシド系、具体的には、例えば、上記水溶液とポリエチレンオキシドをコンポジット化した物質など)などから構成してもよい。なお、電解質103を構成する材料は、これらに限定されず、亜鉛空気電池で使用される公知の水酸化物イオンを通す固体電解質またはポリマー電解質であれば好適に使用することができる。
なお、亜鉛空気電池1は、上記構成に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、また、亜鉛空気電池に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
(亜鉛空気電池の具体的な構成)
図4に、本実施形態の亜鉛空気電池1の断面構造を示す。亜鉛空気電池1は、空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204,空気極支持体205、空気極固定用リング206,負極固定用リング207,負極固定用座金208,負極支持体209,固定ねじ210,Oリング211,空気極端子221,負極端子222を備える。
空気極201,負極202,電解質203,セパレータ204は、円筒形状の空気極支持体205に収容されている。空気極支持体205は、円筒内中央部に仕切り251があり、仕切り251により空気極201が配置される第1領域205aと、負極202およびセパレータ204が配置される第2領域205bとに区画されている。また、仕切り251は中央部が開口しており、開口部により第1領域205aと第2領域205bが連通している。
液状の電解質203は、仕切り251の開口に配置され、空気極201および塩橋となるセパレータ204に挟まれている。セパレータ204には電解質203が含浸している。なお、セパレータ204の周囲にも電解質203は配置されている。電解質203は、例えば、2mol/lの塩化ナトリウム(NaCl/H2O)水溶液である。
また、空気極201は、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)より構成された空気極固定用リング206と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第1領域205aに固定されている。空気極固定用リング206の開口内において、空気極201と空気との接触する電極の有効面積は、2cm2とされている。一方、セパレータ204は、PTFEより構成された負極固定用リング207と仕切り251とに挟まれて、空気極支持体205の円筒内の第2領域205bに固定されている。このようにして、液状の電解質203が、仕切り251の開口において空気極201とセパレータ204との間に封入されている。
また、負極202は、負極固定用リング207の内部で、負極固定用座金208が積層され、この上に金属から構成された負極支持体209が被せられている。負極202は、厚さ500μmの金属亜鉛箔から構成され、負極固定用座金208に圧着されている。負極202は、有効面積が2cm2とされている。負極支持体209は、固定ねじ210により空気極支持体205に固定されている。また、空気極支持体205と負極支持体209との間には、Oリング211が配置されている。
固定ねじ210により空気極支持体205の側に押しつけられている負極支持体209により、負極固定用座金208を介し、負極202がセパレータ204の方向に押圧され、セパレータ204に圧接されている。これら構成とした亜鉛空気電池は、露点が−60℃以下の乾燥空気中で作製される。
なお、空気極支持体205は、金属から構成されているが、図示していないが、PTFEに被覆され、電解質203,セパレータ204などと絶縁分離されている。なお、空気極201と空気極支持体205が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施さない。また、金属から構成された固定ねじ210も、図示していないが、PTFEに被覆され、空気極支持体205と負極支持体209とが、電気的に分離された状態としている。
(実験例1)
本実施形態の効果を確認する目的で実験を行った。実験例1は、鉄酸化細菌が生成した酸化鉄を触媒として用いた。
鉄酸化細菌であるレプトスリックス・オクラセア(Leptothrix ochracea)を、鉄小片(純度99.9%以上、高純度化学研究所製)と共に試験管中のJOP液体培地に投入し、振とう器で20℃を維持して14日間培養した。レプトスリックス・オクラセアは、ATCC(American Type Culture Collection)から購入した。なお、JOP液体培地は、滅菌地下水1L中、リン酸水素二ナトリウム12水和物0.076g、リン酸二水素カリウム2水和物0.02g、HEPES2.383g、硫酸鉄0.01mmol/L、pHを水酸化ナトリウム水溶液で7.0に調整したものである。
14日培養した後、鉄小片を取り除き、得られた酸化鉄を、振とう器を用いて純水中で24時間洗浄を行った。この洗浄において、純水は3度交換した。洗浄した酸化鉄を80℃で24時間乾燥させた後、乳鉢および乳棒を用いて粉砕することで、鉄酸化細菌が生成した酸化鉄の粉末を得た。得られた酸化鉄の粉末は、X線回折(XRD)測定、BET比表面積測定を行い、評価した。
評価の結果、鉄酸化細菌が生産した酸化鉄粉末は、XRD測定により酸化鉄(Fe23)であることを確認した。また、BET法により酸化鉄粉末の比表面積を測定したところ、68m2/gであった。
次に、得られた酸化鉄粉末を、ケッチェンブラックおよびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末と、50:30:20の重量比で混合し、らいかい機を用いて十分に粉砕混合し、得られたスラリーをロール成形して、シート状電極(厚さ:0.5mm)を作製した。このシート状電極を直径23mmの円形に切り抜き、チタンメッシュ上にプレスすることにより、ガス拡散型の空気極201を得た。
次に、作製した空気極201を用い、亜鉛空気電池セルを、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順で作製した。作製した空気極201を、空気極支持体205の第1領域205aにおいて、仕切り251に接する状態に配置して空気極固定用リング206で固定した。空気極201と空気極支持体205が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFEによる被覆を施していない。
次に、空気極支持体205の第2領域205bにおいて、仕切り251に接する状態にセパレータ204を配置した。次に、負極固定用リング207に負極202として厚さ500μmの金属亜鉛箔(有効面積:2cm2)を圧着した。次に、負極固定用リング207を、空気極支持体205の第2領域205bに配置し、この中央部に、負極202が圧着された負極固定用リング207を勘合した。
次に、空気極201と負極202との間に電解質203を構成する電解液を充填し、この状態で、空気極支持体205の底面にOリング211を配置して負極支持体209を被せ、固定ねじ210で空気極支持体205に固定した。電解液としては、2mol/lの塩化ナトリウム水溶液を用いた。この後、空気極端子221を空気極支持体205に接続して固定し、負極端子222を負極支持体209に接続して固定した。
次に、作製した実験例1の亜鉛空気電池の電池性能を測定した。なお、電池性能の測定試験においては、空気極端子221よび負極端子222を用いた。電池の放電試験として、充放電測定システム(Bio Logic社製、VMP−3)を用い、開回路電圧から電池電圧が0Vに低下するまで放電電圧の測定を行った。電池の放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は負極(亜鉛)1重量当たりの値(mAh/g)で表した。
実験例1の亜鉛空気電池の電池性能として、空気極201の有効面積当たりの電流密度で25mA/cm2を通電した際の放電曲線を図5に示す。図5に示すように、鉄酸化細菌が生産した酸化鉄を空気極触媒に用いた場合の平均放電電圧は1.25V、放電容量は635mAh/gであることが分かる。ここで、平均放電電圧は、図5中の全放電容量の中間値時の放電電圧と定義する。
実験例1の亜鉛空気電池の電池性能として、電流密度特性を以下の表1に示す。表1に示す電流密度は、空気極201の有効面積当たりの電流密度である。実験例1では、100mA/cm2を通電しても、大きな放電容量(mAh/g)および放電電圧の減少は見られず、優れた電流密度特性を得られた。このように、鉄酸化細菌が生成した酸化鉄は、亜鉛空気電池の空気極用の触媒として非常に優れた活性を有していることが分かった。
(実験例2)
実験例2は、マンガン酸化細菌が生成した酸化マンガンを触媒として用いた。
マンガン酸化細菌であるレプトスリックス・ディスコフォラ(Leptothrix discophora)を、マンガン小片(純度99.9%以上、高純度化学研究所製)と共に試験管中のJOP液体培地に投入し、振とう器で20℃を維持して14日間培養した。レプトスリックス・ディスコフォラは、ATCC(American Type Culture Collection)から購入した。
14日培養した後、マンガン小片を取り除き、得られた酸化マンガンを、振とう器を用いて純水中で24時間洗浄を行った。この洗浄において、純水は3度交換した。洗浄した酸化マンガンを80℃で24時間乾燥させた後、乳鉢および乳棒を用いて粉砕することで、マンガン酸化細菌が生成した酸化マンガンの粉末を得た。得られた酸化マンガンの粉末は、X線回折(XRD)測定、BET比表面積測定を行い、評価した。
上述したことにより酸化マンガン細菌が生産した酸化マンガン粉末は、XRD測定により酸化マンガン(MnO2)であることを確認した。また、BET法により酸化マンガン粉末の比表面積を測定したところ、52m2/gであった。
次に、前述した実験例1と同様にすることで、得られた酸化マンガン粉末を用いて空気極201を作製し、また、実験例2の亜鉛空気電池を作製した。
次に、作製した実験例2の亜鉛空気電池の電池性能を、実験例1と同様に測定した。実験例2の亜鉛空気電池の電池性能として、電流密度特性を以下の表1に示す。表1に示すように、実験例2の放電容量は、680mAh/gを示し、実験例1の鉄酸化細菌が生成した酸化鉄よりも大きい値であった。また、表1に示すように放電電圧についても、実験例1よりも過電圧の減少が見られ、電流密度特性の改善を達成することができた。これらの特性の向上は、マンガン酸化細菌が生成した酸化マンガンが電池反応における活性中心として働いたため、酸素還元(放電)反応が円滑に行われたことによると考えられる。
(実験例3)
実験例3は、マンガン酸化細菌が生成した酸化マンガンを触媒として用い、また、導電性材料としてセルロースゲル(バクテリアセルロース)を炭化して用いた。
まず、酸化マンガン粉末は、前述した実験例2と同様にして作製(生産)した。
次に、実験例3では、バクテリアセルロースとしてナタデココ(フジッコ製)を用いた。ナタデココ(フジッコ製)は、酢酸菌であるアセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)により生産されたセルロースゲルである。このナタデココを、試験管に入れ、試験管を液体窒素中に30分間浸すことで、ナタデココ(バクテリアセルロースゲル)を完全に凍結させた。
バクテリアセルロースゲルを完全に凍結させた後、凍結させたバクテリアセルロースゲルをナスフラスコに取り出し、これを凍結乾燥機(東京理科器械株式会社製)により10Pa以下の真空中で乾燥させることで、バクテリアセルロースを含む網目状のナノファイバーセルロースを得た。次に、得られたナノファイバーセルロースを、窒素雰囲気下で1200℃、2時間の焼成を行い炭化した。このようにして得られた空気極導電性材料(担体)の比表面積を、BET法により測定したところ、520m2/gであった。
次に、作製した担体に実験例2と同様にして作製した酸化マンガン粉末を混合して担持させる。次に、酸化マンガンを担持させた担体シートを、打ち抜き刃、レーザーカッターなどにより直径23mmの円形に切り抜き、ガス拡散型の空気極を得た。得られた空気極を、前述同様にすることで空気極201として亜鉛空気電池を組み立てた。
次に、作製した実験例3の亜鉛空気電池の電池性能を、実験例1と同様に測定した。実験例3の亜鉛空気電池の電池性能として、電流密度特性を以下の表1に示す。表1に示すように、実験例3の放電容量は、700mAh/gを示し、実験例2のケッチェンブラックを導電性材料に用いた空気極201による亜鉛空気電池よりも大きい値であった。
また、表1に示すように放電電圧についても、実験例2よりも過電圧の減少が見られ、電流密度特性の改善を達成することができた。これらの特性の向上は、バクテリアセルロースを炭化した導電性材料が、高比表面積でかつ高活性であるためと考えられる。
(実験例4)
実験例4は、マンガン酸化細菌が生成した酸化マンガンを触媒として用い、また、導電性材料としてセルロースゲル(バクテリアセルロース)を炭化して用いた。
まず、前述した実験例3と同様に、ナタデココを原料として空気極導電性材料(担体)を作製した。次に、作製した担体を、実験例2のマンガン酸化細菌,マンガン小片を含むJOP液体培地に投入し、この状態でマンガン酸化細菌を培養して触媒となる酸化マンガンを生産させ、担体にマンガン酸化細菌が生産した酸化マンガンを含有させる。このようにして酸化マンガンを含浸させて担持させた担体シートを、打ち抜き刃、レーザーカッターなどにより直径23mmの円形に切り抜き、ガス拡散型の空気極を得た。得られた空気極を、前述同様にすることで空気極201として亜鉛空気電池を組み立てた。
次に、作製した実験例4の亜鉛空気電池の電池性能を、実験例1と同様に測定した。実験例4の亜鉛空気電池の電池性能として、電流密度特性を以下の表1に示す。表1に示すように、実験例4の放電容量は、730mAh/gを示し、実験例3よりも大きい値であった。
また、表1に示すように放電電圧についても、実験例3よりも過電圧の減少が見られ、電流密度特性の改善を達成することができた。これらの特性の向上は、実験例4の空気極201においては、バクテリアセルロースを炭化して得た担体の内部に、酸化マンガンが高分散担持されているため、反応サイトが増加し高活性化したためと考えられる。
(比較例)
次に、比較例1について説明する。比較例1では、市販されている酸化鉄(Fe23)(和光純薬工業社製)を用いて、前述した実施例1と同様にすることで亜鉛空気電池セルを作製した。また、電池の試験の条件は、実施例1と同様である。
表1に示すように、比較例1では、放電容量は550mAh/gであり、例えば実施例1よりも小さな値を示した。また、表1からも分かるように、比較例1による放電電圧は、実施例1〜4よりも明らかに放電電圧が低く、大電流を通電した場合の放電電圧の降下量も大きい。
Figure 0006715173
以上の結果より、本実施形態の製造方法により製造された亜鉛空気電池1は、従来よりも放電電圧および電流密度特性に優れており、有効であることが確認さ
れた。
以上に説明したように、本発明によれば、金属を酸化して増殖する細菌である酸化細菌に生産させた触媒を空気極に用いるようにしたので、亜鉛空気電池の放電容量の低下が抑制できるようになる。本発明によれば、充放電サイクル性能に優れた亜鉛空気電池を作製することができ、作製した亜鉛空気電池は、様々な電子機器の駆動源として有効利用することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形が可能である。
1:亜鉛空気電池
101、201:空気極
102、202:負極
103、203:電解質
204:セパレータ
205:空気極支持体
205a:第1領域
205b:第2領域
206:空気極固定用リング
207:負極固定用リング
208:負極固定用座金
209:負極支持体
210:固定ねじ
211:Oリング
221:空気極端子
222:負極端子
251:仕切り
S101:触媒作製工程
S102、S111:担体作製工程
S112:細菌含有工程
S113:触媒担持工程

Claims (3)

  1. 金属酸化物の触媒を含む空気極、亜鉛を含む負極、及び前記空気極と前記負極の間に配置された電解質を備える亜鉛空気電池の製造方法であって、
    金属を酸化して増殖する酸化細菌が前記触媒を生産し、
    セルロースを生産する細菌であるセルロース生産細菌にセルロースゲルを生産させるゲル生産工程と、
    生産された前記セルロースゲルを凍結する凍結工程と、
    凍結した前記セルロースゲルを真空中で乾燥させる乾燥工程と、
    乾燥させた前記セルロースゲルを炭化して担体を作製する炭化工程と、
    前記セルロースゲルを炭化して作製した前記担体に前記酸化細菌を含有させる細菌含有工程と、
    前記酸化細菌が含有した前記担体に前記酸化細菌が生産した前記触媒を担持させる触媒担持工程とを含む
    ことを特徴とする亜鉛空気電池の製造方法。
  2. 前記酸化細菌は、レプトスリックス属、ガリオネラ属、シデロカプサ属、チオバチルス属、及びこれらの変異株の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の亜鉛空気電池の製造方法。
  3. 前記酸化細菌は、鉄酸化細菌又はマンガン酸化細菌であり、前記金属酸化物は、酸化鉄又は酸化マンガンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の亜鉛空気電池の製造方法。
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